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杉山善太郎君 もう一点この際お聞きしておきますが、確かにこの港湾共闘会議の統一要求という形で、形式上はどうあっても、出されたのは、具体的に去る三月の五日付であります。さらに三月の三日には港湾労働等対策
審議会の答申が出ておる。言うならば、この港湾労働対策
審議会の答申を踏んまえて、しかしやはり政府はひとつ誠実を込めてこの答申に一日も早くこたえてもらいたい、そういう願望が、タイミングの点で、時たまたま春闘の中でこれが要求書の形になっておる。そういうことと比較対照いたしまして、たとえばこの港湾労働の雇用の安定に関する処置についても、決してなまの姿で答申がわが意を得た答申だと、だからこれをひとつはね上がったような気持ちでこれをどうこうするというような形ではなくて、むしろ闘争は手段であって、問題は、このことが諸外国に非常な立ちおくれ、そういう客観的の事実の上に立って、主体的な条件については、やはり
調査であるとか、そういう段階は、そして
予算的な措置というものは、過去の国会の論議においても、そういう過程においては、拙速的にもはや
調査とか
予算云々という問題は出ておるはずだといったような形から、かなり経緯深慮遠謀をめぐらしながら、さらに具体的にはILOの運輸
委員会の港湾
労働者の雇用恒常化に関する決議を基本にして法の制定を要求するといったような、考え方によっては意地も悪くあるけれ
どもなり深刻だと、そういうふうに、決して物取り的な、物理的な要求だけではなくて、そういうふうにひとつ御理解をいただいて、ことに私は、この種の形式は、実際問題として、常にいなかにおりましたもので、よく存じませんけ
ども、やはりかりそめにも去る六日の日に
官房長官に、この答申の
性格上、政府ということを対象としてつまり出ておるわけでありまするから、港湾の代表者がこれを手交しておるわけでありまするけれ
ども、しかし、これが答申が出て、それを踏んまえて、そして要求の形にあらわれてきておる。それがやはり結果的に見て、現象面では、のれんに腕押しのような
かっこうになってしまって、それがアブハチとらずになるという杞憂を私は私なりに感じましたので、きょう若干の
質問をしながら、やはりこの受けとめ方に対する
——いま
大臣は、二項と三項と四項は、これは
労働省所管に属するものと判断するとして、そういう考え方の表示がありまするが、しかし、この前段の賃上げの問題についてもよく御理解をいただきたいと思うのであります。時たまたま、たとえばこれは若干話が横すべりいたしますけれ
ども、自由労連のベクー書記長が来ておられて、昨日
労働大臣はお会いになっておると思うのでありまするけれ
ども、この賃金問題について、やはり
労働大臣とベクー書記長との間にいろいろなお話があったやにお新聞面でうかがっておりまするけれ
ども、それはそれといたしまして、この港湾労働の共闘会議の統一要求書の
内容をよくひとつ検討していただきたいと思いまするのは、確かに港湾労働の雇い主は、すべて民間企業に属しておりまするが、賃金問題は、これはやはり企業主、言うならば使用者と
労働者との間でこれは対等の原則に立って話し合うという通念であるけれ
ども、事、港湾の賃金問題については、やはりこの賃金なり賃金の原資であるところの港湾運送業の運賃であるとか料金であるとかいうことが問題になるのだ。したがって、港湾運送事業法の手続によって定められている認可料金というものがあるんだと、こういうような形でデリケートな、不可分な
関係を持っておるのだ。だから、これをずっと掘り下げていくならば、その所管がどこであろうとも、現上象面でとらえた、しかも、生活に直結する賃金問題は、それは運輸省でやはりこの答申の第二項にあるところの港湾の運送事業についていろいろと集約なり合理化することが必然になってまいりまするけれ
ども、
労働者の要求する経済要求の立場からいけば、やはり賃金、そして賃金の原資ということになるわけでありまして、そういう点についても、ひとつここまでまいりまするというと、先ほど申し上げましたとおり、大体交通運輸共闘会議が、まあかりにこれは新聞は陸海空の立体的ストライキだといっておりまするけれ
ども、海の部面の中核は、やはり九十五の港湾にいろいろと苦労をしておる港湾
労働者がこの問題に対してやはり非常な関心を持っておるというのでありまするから、十分やはり
官房長官に対してこの統一要求書を手交するときにどうか
関係各省を通して、でき得る限り可能な、具体的な誠意のこもった回答を要求しておるのでありまするから、そういう点を踏んまえて、十分ひとつ善処してもらいたいということを、きょうの時点では要望しておくのでありましてその問題の中身に入って私がここで云々すべき
性質のものではなかろうかと、かように判断をいたしておりますので、私の
質問は、今日的な段階ではこれで終わっておきますが、しかし、この間の事情について、もう一回
労働大臣から所信をお聞かせいただきたい、かように思います。