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藤田藤太郎君 このスモッグ、ばい煙、それから自動車の排気ガス、まあ私は学問的には詳しく分けることはよういたしませんけれ
ども、亜硫酸ガスといいますか、いろいろな要素のものがスモッグと
一般的にいわれているわけでございます。そこで、私は、一昨年でしたか、朝日新聞の好意によって、東京の上を飛行機で一時間半ほど見て回ったわけでございます。いま気象庁は特定の場所にとおっしゃいましたけれ
ども、私らの知識で感じたことで見ますと、特定の場所じゃなしに、特定の
地方の空の上を五百メートルから七百メートルぐらいのところにかたまりとして移動をしている、風があったら移動をしている、十メートルぐらいの風じゃ飛ばない、そして雨が降ったり雪が降ったぐらいじゃなかなか落ちないのであって、その当時話をされた人の意見によりますと、しとしと雨が三日ぐらい降らなきやなかなか晴れないんじゃないか、こういうことを言われておったと私は思うんです。このばい煙規制の問題、スモッグ規制の問題は法律をつくってやることになったんですけれ
ども、私は、先日
大阪へ行って驚いたわけなんです。天気はよいのに、もうほとんど夕やみのような
状態です、昼の日中に。私は
大阪ばかりじゃないと思うので、最近出された資料を見ると、
大阪の辺が一番最高度に最近の
状態はなっているようです。そういう
状態が北九州にもあるようであります。そうなってくると、たとえば川崎や千葉から東京湾を包むばい煙、スモッグというものが、風の方向で東のほうへ行ったり西のほうへ行ったり、上のほうだけで移動をしておって、そして五百から千ぐらいのところにかたまったものは、しょっちゅうその
地域の
国民生活に非常に深刻な害を与えている。これの根をもっと深くやっていくと、さっき
厚生大臣がおっしゃったようなことに私はなると思うんです。何といっても一番主たるものはばい煙です、やっぱり煙だと思うんです。工場の煙突から出る煙、その他の煙突から出る煙、それにいろいろなものがまじって、われわれが想像しないようなかっこうで私たちの生活の上を舞っている。ですから、川崎の上がどうの、東京の都心がどうのという問題じゃないのです。東京の郊外なら空気がいいんだというような認識には今日立てないほど深刻な問題だと私は思うんであります。ですから、そういうことを根元から私はとっていかなければ、いま通産省の方は、昨年の九月に指定して云々というお話がありましたし、研修会や講習会を開いてということがありました。しかし、私は、通産
行政については非常に大きな批判を持っているわけであります。意見を持っている。なぜかと申し上げますと、あまりにも生産本位に物事をお進めになり過ぎるんじゃないか。だから、こういう問題は、あとをついていくというか、置き去りにされているというのがいまの現状ではないか。だから、私はここで一番お願いしたいことは、私は、通産省は、ばい煙の規制の問題について、もっと真剣に取り組んでもらいたいという気がするわけであります。いずれ問題は、社労の
委員会にはもっと通産省の
関係が出てくるわけであります。たとえばこれと直接
関係がありませんけれ
ども、炭鉱の
災害の問題も炭鉱保安、要するに
労働災害の問題も非常にこの問題と同じようなと言うのは言い過ぎかもしれませんが、生産ということにあまりに力をお入れになって、それから出てくるいろいろな障害というものがどうも置き去りになっておるような、私は気がするわけであります。この前の法律条項を見てみまして、いま二十一条の規制をとおっしゃいましたけれ
ども、どういう
程度におやりになっておるのか。
大阪を見ますと、三十七年の四月は二一だったものが、今度は
大阪は八一になっておるわけであります。たとえば
大阪の例をとって、最高八一、平均二一になっておる。この前の資料で見ますと、その四分の一の
状態なんですね。そうすると、これはどうなるのでしょうか。総量が二一ということになっていますが、これとどういうぐあいに——この前の資料とこっちの資料とは資料の出どころが違うので、よく見当がつきませんけれ
ども、一つのところをとらえてみても、非常に急速にふえておる。それから、九州の
若松なんかへ行くとものすごいものなんですね、八幡、
若松というものは。この前の資料で見ますと、これが合うておるのか合うていないのか、ぼくはよくわからぬけれ
ども、そんな数字になってこないような気がするわけですけれ
ども、総量だけをとらえたものかどうか、よくわかりませんけれ
ども、相当急速にふえておるところがある。そこは
産業の発展だ、だから、やむを得ないといえばそれまでかもしれませんけれ
ども、そうは私は済まされないのじゃないか。ですから、この前の法律をおつくりになるときに、つまり既設のものは二年間
適用を除外するとか、それから一番大きなたくさんのお化け煙突といわれたような、電気
事業法の
適用及びガス
事業法の
適用を受けるものについては
適用除外、この法律を
適用せずというようなことが前の法律に入っておるわけであります。そうすると、このばい煙の規制というのは、根元を押えずに、いま法律
改正の問題を議論しておるわけじゃありませんけれ
ども、問題は、スモッグをなくしようという一環としてこれができた。だから、そのスモッグをなくしようという根本理念が、大臣のおっしゃったように、公害閣僚懇談会といいますか、そういうようなかっこうでやる中で通産省が大きな役割りを果たしていただかなければ、この問題は
解決しないのじゃないかという気が私はするわけです。
それから、気象庁のほうもおっしゃいましたけれ
ども、どうぞひとつ、天気予報とか何とかには云々というお話がありましたけれ
ども、いま日本の空がどうなっているか、雨、雪、風という問題を中心に、天気図その他において御
努力をいただいておることは感謝いたしますけれ
ども、実際にいまのスモッグがどういう条件であるというようなことは、私は、やはりもっと的確に、飛行機か何かを飛ばしていただいて、予算を要求していただいて、そうして公平な立場からひとつ定義をしていただきたいと思うのですよ。定義をしてもらって、こういう
状態の中ではこうなるのだ、これは人体にどうなるかということは
厚生省がよく分析して
研究されるわけですから、ひとつ雨が降ったり風が吹いたりしたらスモッグは飛んでしまうのだというような考え方で、みんな郊外が空気がいいというような考え方は、もう現実では通用せぬような
状態になってきているというようなところも、私は、気象庁はざっくばらんに、もっと大胆に問題を投げかけていただきたい。そうして一つの面からは人体に
関係する問題として、ひとつ
厚生省でうんと
研究してもらって、
厚生省がやはりそれを意見として出していただいて、その予防措置を——とこに原因かあるか。たとえば運輸省の自動車排気ガスにも問題がありましょうし、ばい煙の問題もありましょうが、主として私はそういう亜硫酸ガスですが、そういうところの根源というものだけはいまわかっているのですから、それを排除するように、大臣のおっしゃるように、公害の閣僚懇談会でもやって、適切な措置を講じていただかなければ問題は
解決しないのじゃないか、私はこういうぐあいに思うわけであります。
それで、きょうは詳しい資料といって通産省にもお願いしておいたのですけれ
ども、きょう言ってきょうできないというお話しでございましたから、いずれ通産省から資料をいただけると思います。けれ
ども、そこらについて
厚生省の
事務当局としていままでどうやってこられたか、
関係の出先について、ここにきょういただいた資料にありますが、ロンドンの一九五二年の死亡なんてたいへんなことですね、私はこれが日本にないとはいえないと思うのであります。だから、そういう立場から、そういう
研究をされてどういう処置をとってこられたか、ひとつお聞かせいただきたい。