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藤田藤太郎君 どうも的確な処置をいまのところでは
労働省としては
期待をするということで、たとえば、こういう低
所得者の皆さんの
賃金引き上げというものはどういう処置をとっておられるかというと、たとえば最低
賃金の問題がここに出てくるわけであります。私は、
雇用問題として、きょうは
賃金の問題に触れておくわけでありますけれ
ども、最低
賃金を見てみましても、昨年十二月きりの業者間協定から横すべりの最低
賃金が一番多いわけでありますけれ
ども、一日四百円をこえた最低
賃金というのは二つですかしかないという
状態なんです。総体としては少しずつ上がってきておることは事実でございます。事実でございますけれ
ども、最低
賃金の業者間協定を
行政の上で指導されるというのでありますけれ
ども、二十五日働いて一万円です。きっちり二十五日働いて一万円でございます。実際問題として、それが二百五十万を対象にすると、言って宣伝
——宣伝というか、主張されておる最低
賃金の中の一番上の一件か二件が四百円、あとはみな三百円かそこらあたりで停滞しておるという、これも十二万円以下のクラスに入るわけでありましょうけれ
ども、しかし、自然を待つという
かっこうじゃなしに、いまの
生活がどれだけ要るか、どれだけの
条件のもとに、
労働力を通じて、その働く能力を持っておる人が社会に貢献するか、また、してもらうかというところに
労働行政の
基本がある、こう思うわけであります。ですから、その
雇用問題から私はこの問題に触れましても、そういう
条件がもっともっと積極的に満たされない限りは、いけないのではないか。
生活保護法は、東京で標準家族一万六千何ぼになりましたが、ここは家族の全体の収入であります
生活費でありますが、この中には、私は、
生活保護法のランクの中にどういう
ウエートでこれがかみ合っておるかということも摘出することはできません。これは
労働省の統計
調査部その他でおやりになっていただかなければ、われわれが
作業することはできないわけでありますけれ
ども、しかし、このかみ合っておる人も相当あるでしょう、この中には。だから、そういう
意味で、私はもっと、一番初めに
大臣にお願いしたように、
生産力はウナギ登りに上がっていく、
昭和四十五年の
国民総生産も、ノーマル
操業をしたら、目標の二十六兆ははるかにこえるような
条件が
日本の国には満たされた。満たされたけれ
ども、
国民の
購買力二十三兆の目標にはなかなか遠うございます。しかし、その
国民所得の配分の問題へ入っていくと、半分以下の人が
国民の大半であるということが、もう算術計算でもすぐ答えが出てくる。だから
社会保障も具体的には進まない。たとえば
就労の場がみんなあれば、
生活保護法というものがほんとうに必要なのかどうか、私は疑問に思うぐらいでございます。だから、そういうぐあいにして
基本的な問題が、どんどんと
生産力に応じて
国民生活があらゆるところで上げられていくという方向が
経済政策の中にとられるということになってくると、こういう問題が相当調整されてくるんではないだろうか、そういうところに
労働行政の
ウエートをもっと大きく持っていただかなければ、貿易の問題や何かでガットの三十五条援用とか、そういう問題がいまじぶん議論をせなけりゃならぬことになってくるんではないか、少しちょっと話がそういうところにそれましたけれ
ども、それほど
労働行政というものは大事ではないかというぐあいに
考えているわけでございます。私もせっかく昨年は一カ月半あまり勉強さしていただく機会がありました。非常にいい勉強になったと思っておりますけれ
ども、この議論をすると長くなりますから、私はこれについてはいたしませんけれ
ども、しかし、傾向としては、私は、
労働行政というものは、まず
雇用問題を主点にして進めていただきたい。今日最低
賃金が、額が高い低いは別といたしまして、各国の傾向を見てみますと、
経済の上昇に応じてスライディング・システムで、最低
賃金、
所得保障の年金、医療の内容、児童手当というようなものが、そういう
かっこうでずっと
計画的に上がっていくのが
外国の趨勢だと私は見ている。そういうぐあいに思っております。しかし、いま私はその議論をここでしょうとは思いませんけれ
ども、それが
経済繁栄の道であり、全体の
労働者の幸福の道であるというぐあいに私は
考えておりますからこそ、ここで五カ年
計画をいたしまして云々、または
中高年の就業対策をおやりになる個々の面については、たとえば
中高年就労対策なんかについては御
努力していただいていることについては非常にけっこうなことだと思うわけでございますけれ
ども、その根が、ほんとうの
雇用計画というものが
経済政策との関連において立っていないところに皆さん方の苦労もあるでありましょうけれ
ども、そういうことが
労働行政を推進する大きな欠陥になっているんではないか、こういうぐあいに
考えるわけであります。ですから、新
産業都市の問題が
経済的には出てまいりますけれ
ども、もっときめこまかい
——労働力が停滞している、高齢をもって
移動できない
労働者が停滞している
地域にやっぱり収入の道を
立てて、農業の
失業者といいますか、潜在
失業者の対策として
経済的な処置をするとか、何かそういうこまかいことをおやりになっていただかなければいかんのじゃないか。広域職業紹介とおっしゃいますけれ
ども、大都市とか中都市ぐらいまではありますけれ
ども、もう小さい町村に参りますと、そういう窓口も全然ないというのが、これもあなたまかせのような気がするわけであります。だから、町村においても
労働力が過剰して
生活ができぬで困るなら、そこにはやはっぱり窓口を開いてあげて、いわばこれは
農業労働者だからというものの
考え方ではなしに処置をするようなことは、農林省との
関係、
経済企画庁との
関係、商業においては
通産省との
関係、そういうものを緊密にしていただいて、
企画庁で案が立つのでありましょうけれ
ども、そういう点も配慮をしていただかないとよい結果が出てこないのじゃないか、こういう気がいたします。ですから、まあ時間がないそうでありますから、またいずれあらためてこの問題を議論することにいたしますけれ
ども、そういう点はぜひとももっときめこまかく、そうしてほんとうの実態に合った
雇用計画というものを
立てていただきたい。
最後に、私、少し整理してみますと、
経済政策の中から
雇用の問題が出てくるという問題の
雇用審議会の諮問に対する注文をいたしまして、それから、もう一つは、きょうのところの取りまとめでありますけれ
ども、新規
労働力を
企業が採用して使うというなら、
中高年も一緒にして比率をきめてでも、そこで
企業で働くという姿をとってもらいたい。第二であります。
それから、第三は、単に窓口に出てくるものばかりでなしに、どれだけ出てくるやら
見通しのつかぬような
かっこうでなしに、その
労働力の過剰している農業の問題やら、または商業の問題ですね、見通せる限りの問題をこちらで勘案していただいて
雇用対策を
関係省ととっていただきたい。
その次は、低
所得者との
関係でありまして、その
雇用問題には、収入がなければ、働け働けと言ったってできないわけでありますから、問題はやっぱりどうなと
生活ができるような最低保障的な
所得の保障をしながら、相合わせて
雇用対策の問題を十分に処置をしていただきたいということを、きょうはそういうことをおもに申し上げて、特段の御配慮をいただきたい。
ちょど時間がないそうでございます−から、ぜひきょう私が議論いたしましたこのことの中で、まだまだ深く入りたいのでありますけれ
ども、きょうはこれで時間がございませんのでやめますが、
資料をぜひ出していただきたい。きょう問題になりましたような
関係資料を事務当局で出していただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。