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吉田忠三郎君 大体時期別の問題であるとかなんとかは、そういうことになりましたから了解しておきます。ただ
農林政務次官、あなたが答えているように、若干畑作農業に対する共済制度、あるいは個人
災害についてのどうこう、こういう
関係は農業政策全般として考えなければならぬことですから、ただいませっかく勉強中のようでございますので、ぜひあなたが在任期間中精力的に勉強されまして、ただいままで衆参の
災害対策委員会で論議された経緯もございますので、そういう事柄等々も勘案をいたしまして、できるだけ、臨時国会とは言いませんから、通常国会までにあなたの勉強されたものがこの
委員会に出されるように私はこの際強い希望をいたしておきたいと思います。
そこで
最後に、午前中も多少の議論はしましたけれども、恒久的な
対策というのはやはり何としても必要だと思うのです。したがって、とりあえず全般的な
災害については、あとあと私は私なりに皆さんと意見交換をしたいと思いますが、きょうのところは北海道の冷害について私が先ほどから申し上げておりますように、三ヵ月間各町村別にみずからその実態を
調査した体験、経験に基づいて感じた点を申し上げますれば、何といたしましても、やはり農家のとりあえずこの所得保障をするという意味から、特に北海道の場合は酪農業に
かなり転換をしています。国がそういう政策を打ち立てて、それぞれ施策を施しておりますから、そういう面からも申し上げますけれども、農畜産物の価格支持を安定するやはり制度というものをこの際ひとつ確立をしなければ、ただ単に
災害時のみならず問題になる点だと思うのです。とりわけ、こういうふうに
災害時になればなるほどこのことが必要だと感じますので、ぜひこういう価格支持安定政策というものを将来の問題として、幸い
政務次官はいま各般にわたり政策の勉強をしておる、こういう模様でありますから、この面をぜひ入れていただきたい。先ほどの畑作農業についての共済制度、あるいは個人
災害に対する補償制度、こういうものを含めて私はしていただきたい。
その次に、土地基盤の整備というものをやはりこの際完全に実施する必要があるのではないか、特に小規模の土地改良事業などというものを都道
府県はそれぞれ行なっておりますが、こういう
関係の
補助率というものをこの際抜本的にやはり改正をして、できるだけこういった事業がすみやかに完成されるように、
政府がひとつやはり政策的に施策を加えるべきではないか、こう考えるわけであります。
それからその次に、だんだん日本農業も、
政府の言っているほどではありませんけれども、近代化とか機械化というような方向がややとられつつあると見なければならないと思います。そうした場合に、当然問題になりますのは、大型の農機具の問題、こういう場合従前は貸し付け制度をとっております。その場合に問題になりますのは、そのワクの問題であります。あるいはこの償還の問題、先ほどの金融の問題と同じようにございます。したがいまして、現状ありますこの制度というものは、機械の種類であるとか、あるいは台数等々、貸し付け年度も含めて拡充をする、そしてまたワクの拡大をはかっていくということが将来のいわゆる寒地農業に対する私は恒久的な
対策の一つではないか、こう考えます。
もう一つには、土地改良の問題がございますけれども、その中でも、北海道の場合は草地造成が急務中の急務ではないか、気候的にも大体北欧三国の国に似たようなところであります。面積も日本の総面積の四分の一を占める、日本は小さいながらも、日本では最大の面積を有しているのは北海道だと思いますから、そういう立地条件等等にかんがみましても、私は北海道の寒地農業というものは、何だかんだいってもやはり酪農業に転換せざるを得ないものを持っているのではないか。でありますから、酪農業をやる場合においても、この際は草地造成をやはり土地改良の一環としてやらなきゃならぬ。こういうことがまず恒久
対策として
政府の真剣に取り組む問題の一つではないか、こう考えます。
それからその次に、いま申し上げたように、酪農に転換してまいりますると、酪農経営規模の問題が問題になります。御承知のように、おおむね北海道の場合は五頭ないし六頭の乳牛を導入して、耕作面積が大体十町歩さえあれば、何とかかんとか粗収入あるいは実収入等々で営農ができる、こういうことが各階層からいわれています。さて振り返ってみますと、そういう規模になっているかどうかというと、必ずしもそうなっていない。これはもとより個々の営農をいたしておる人々の資金の
関係等々が大きく左右しています。したがって、この際は国がやはり国策として酪農業の営業規模というものを拡大していくような政策をとるべきではないか。あわせて乳牛の導入等についても、具体的な施策として施す必要があるではないか。こういう問題が一つ恒久
対策として考えていいのではないか、こう思います。それとあわせて酪農
施設が
かなり問題になってまいりますから、従前のようなこれに対する
補助、助成の制度はございますが、これでは先ほど言ったように問題になりませんから、この際は高率助成をするようにして、前段で申し上げた酪農経営規模というものを、その道を通して拡大をするようにこの際考えていかなければならないのではないか。これも恒久
対策の一つではないか、こう思うわけです。
それからどんな
災害でもこれは問題になりますけれども、まだまだ無灯地帯、無水地帯がございます。ですから、こういう面についても各種
災害で問題になりますのはこの問題です。したがいまして、こういう無水地帯、無灯地帯を解消していかなければならないという問題も恒久
対策の一つではないか、こう思います。
さらに、先ほど来多角農業について若干触れましたけれども、水稲
関係その他については、若干の品種改良については、
かなり私はある意味においては進んだと思うのです。しかし、寒地畑作農業に対しての品種改良というものについては、まだまだその点では立ちおくれをしています。特に最近のバレイショの品種
関係につきましては、皆さんはソビエトなどの
関係等々も比較して研究されていると思いますけれども、問題になりません。したがいまして、こういう
関係の畑作農業について品種改良を促進する、こういう事柄だってやはり恒久
対策の私は一つになるのじゃないか。
それから冒頭先ほど恒久
対策の
関係で官房長がお答えしたように、治山治水というものは一体どうあるべきか。特に
全国的に見てそうですけれども、とりわけ北海道の場合は中小
河川が非常に多うございます。しかもこれらいずれも原始
河川です。何ら手が施されていません。つまり中小
河川の管理の問題等々と、政治的にやかましい問題があることも承知しております。おりまするけれども、だからといって、こういう問題を今日なお放置することが、一体
災害を防ぐ意味からはたしてよいのであるか悪いのであるか、おのずから答えが私は出てくると思います。したがいまして、中小
河川の完全改修を早急に実施をする。こういう事柄だって私は恒久
対策の一つではないか、こういうふうに思うのです。
そのほかに、先ほども若干
気象庁の
関係と関連して出ましたけれども、恒久
対策、予報
対策の一つにもなるでありましょうが、農業の場合は農業気象観測の充実、こういう事柄だってやはり一つの恒久
対策ではないか、特にここで触れておきまするけれども、農業気象観測の充実のみならず、機械の設備とか何とか、これはまた当然でありますけれども、それ以上にこれらを運用する人の問題が私は問題になると思う。各それぞれの出先の
気象庁を私は視察してみましたけれども、その中である意味においては私は迫害という言葉を使いたいけれども、生産職場、産業職場でないだけに、
気象庁の職員が苦労に苦労を重ねておりますけれども、さて人の面はどうかということになると、今申し上げたように全く私の能力では表現でき得ないほど少ない人員が配置されているところにも問題があります。私は
災害の場合の最も大事な点は気象予報にあると思います。そういう意味合いからもこれからの問題として、特に私は四十年度の予算国会を前にしての
委員会だけに、その
関係当事者はできるだけこれが万全を尽くすために、人の配置などについてはただ一片の
閣議の決定、ただ一片の
閣議の相談等々に拘束されずして、
災害を未然に防ぐ、こういう立場で私は要員、人員等の算定を行ない、具体的に
大蔵政務次官がおりますから、大蔵官僚がこういう点でみみっちいなたをふるわぬように私は強い要望をいたしておきたいというふうに思います。
おおむね十項目ほど読み上げましたけれども、もとよりこれ以外に
政府は恒久
対策を考えておると思いますけれども、私はわずか三カ月間の実態
調査でありましたけれども、こういう点を痛切に感じてまいりましたので、ぜひひとつ予算前の
委員会だけに、この点については最善の努力を私は払っていただきたいことを要望いたし、さらにもしこの十項目に対してそれぞれ措置をされたり、あるいは
政府側として考えているものがございますれば、この際私は具体的にお聞かせをお願いしたいと思います。