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国務大臣(
赤澤正道君) さっきから、今回の中
選挙区制を従来どおりとって、三人ないし五人区ということで、六人、
八人区を割ったことについていろいろ御
質疑があったんですが、私も
青木議員がおっしゃるように三人ないし五人の中
選挙区に、厳密に
理論的根拠は私もないと思っています。しかし、
世界中一様に、やはり死に票はできるだけなくするということ、
選挙を通じて民意をくまなく反映させるにはどういう方法があるかということにつきましては、ずいぶん
検討も加えられておりまして、
ドイツあたりが一番進んでいることは、早くから
比例代表制を採用している
経過なんか見ましても、一番いい
やり方をやっておると思っておるわけでございます。
大体、私が初めて
衆議院の
選挙をやりましたときも、これまた話題にのぼっておりませんけれ
ども、一回だけ例の中
選挙区
連記制を採用したわけであります。しかし、あれは結果から見ますと、かんばしくなかったので一回きりでやめてしまったわけでございますが、当時から、言うまでもなく死に票をなくすためにはどうしたらいいかということはずいぶんここでも
検討をされたわけでございます。一般的に言えば、やっぱり小
選挙区一人一区にすれば
政党が大きなウエイトを占めることになる。これは少数党というものがちょっとできないような
状態に当然なるわけでございまして、
選挙区は安定いたします。逆に言えば、大
選挙区の場合に小党が当然たくさん乱立をするわけでございまして、少数派というものは実にたくさんできるわけです。だから先ほど
青木議員がおっしゃいましたように、長をとり短を捨てるということは、ここらの調整が主ないし五人区にしぼったほうがいいんじゃないか。マッカーサー司令部の指令では
——指令そのものじゃありませんけれ
ども、当時の
議論は、やはり
衆議院は
地域代表である、だからできるだけこまかく割って、まんべんなく
議員が出るようにしたらどうか。同時に参議院は職能代表である、できるだけ
選挙区というものを大きくして、そうして職能代表的なものが出る、そしてそれを加味してやったほうがいいんじゃないかという最終の
結論になった。最初は御
承知のとおり、一院制をGHQは主張したわけでございますが、しかし、
日本も、昔の
衆議院、貴族院というあの
考え方が頭にこびりついておった面もあるし、いろいろ
検討いたしました結果、二院制にするということだけは強く主張して、憲法にはほとんど手が入れられなかったけれ
ども、一、二点、こういった重大なことがいれられたわけでございます。自来ずっと中
選挙区をやってまいりましたが、最近の
考え方、つまり
審議会の動きは私は気配を察するわけですけれ
ども、やはり同じ区で同じ党の者がせり合う姿というものはかんばしくない。あわせて
政党法的なものが、何らかの形でこれが
解決できるような方向に向かえばいいけれ
ども、いずれにしても、これは一人一区という姿がいいのじゃないかということで、だいぶ御
検討が進んだやに
承知しておりますが、なかなか一人一区ということになると、さらに
区割りをこまかくやっていく上においてはなかなか難点がある、もう少し時間をかけようということじゃないかと私には想像されるわけでございます。で、今度の
答申を見ましても、さしあたりといった文字が出てまいりますが、そうしたことも基因いたしまして、これも
議論の対象になりましたが、まあ暫定的にということで一応こういうことをやることになったわけでございまするけれ
ども、私はやはり近い将来そういう方向へ動いていくんじゃないかというふうに想像されるわけでございます。が、しかし、先ほど申しましたように、やっぱり小
選挙区制をとりますと死に票が一番多くなるわけですから、
議論されております
中心は、これにどういう形で
比例代表制を加味するかといったようなことがずいぶん討論されておるようでございます。それで、大体最近の
考え方はそういうのじゃないかと思うんですけれ
ども、やはりこの主ないし五人区というのも
日本の
選挙制度の歴史から
考えましてもまあ長い間これでやってきたわけでございまするので、いま急にこれを変改するということも
——つまり二人区のところもあるし
八人区のところもあるということでは、筋としての、
日本の歴史を背景とする三ないし五人区という線がくずれてしまうわけでございますので、とりあえずのところはまあこの
基本的な
日本の主ないし五人区ということでやっておこうこの次はやはり相当思い切った
答申が出てくるのではないかということを私
どもは
——というふうに見ておる
——期待をしておるというわけではございませんけれ
ども、というふうに見ておるわけでございます。