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1964-05-12 第46回国会 参議院 公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月十二日(火曜日)    午前十時二十七分開会    ———————————  出席者は左のとおり。    委員長     小柳 牧衞君    理事            後藤 義隆君            館  哲二君            鈴木  壽君            中尾 辰義君    委員            斎藤  昇君            増原 恵吉君            秋山 長造君            占部 秀男君            市川 房枝君    発  議  者 中尾 辰義君   委員以外の議員    発  議  者 辻  武寿君   国務大臣    自 治 大 臣 赤澤 正道君   政府委員    自治省選挙局長 長野 士郎君   事務局側    常任委員会専門    員       鈴木  武君    ———————————   本日の会議に付した案件 ○公職選挙法の一部を改正する法律案  (閣法第一六五号)(内閣送付、予  備審査) ○公職選挙法等の一部を改正する法律  案(辻武寿君外三名発議)    ———————————
  2. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) ただいまから開会いたします。  公職選挙法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。赤澤自治大臣
  3. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。  選挙公明かつ適正に行なわれるためには、選挙の実態に即応した不断の制度整備が必要であります。政府といたしましては、選挙の実際にあらわれた弊害を是正し、選挙民の啓発に資する等、制度合理化を進めるための具体的の対策を常時検討し、その結果が制度面及び運営面に少しでもよき成果をもたらすようにしなければならないことは当然であります。このような見地から、昨年行なわれた衆議院議員の総選挙及び統一地方選挙の執行結果の状況等を慎重に検討し、特に昨年の衆議院議員の総選挙に関する臨時特例法の施行の実際について種々の角度から分析、検討を加えました結果、衆議院議員の総選挙に関する臨時特例法規定されました事項を中心として、さしあたり必要な改正を行なうことが適当であるとの結論を得ました項目を整理し、公職選挙法の一部を改正する法律案として、今回、提出することといたした次第であります。  次に、この法律案要旨について御説明申し上げます。  第一は、衆議院議員参議院議員及び都道府県知事選挙について、選挙運動のための連呼行為制限緩和することといたしたのであります。これに伴い、連呼行為に関する時間的な制限合理化及び静穏の保持等についての措置を講ずることといたしました。  第二は、文書図画による選挙運動合理化をはかることといたしたのであります。衆議院議員参議院地方選出議員及び都道府県知事選挙について、選挙運動用ポスター掲示公営ポスター掲示場に限ることといたしたのであります。また、各選挙について街頭演説用文書図画掲示規制することとし、他面、選挙運動用自動車等に用いる文書図画について制限緩和をはかることといたしたのであります。  第三は、衆議院議員参議院議員及び都道府県知事選挙について、選挙公営拡充強化合理化をはかることといたしたのであります。すなわち、新聞広告回数の増加及びテレビによる経歴放送を認めることとし、また、選挙運動用ポスター公営掲示場を大幅に増設することといたしたのであります。さらに、個人演説会会場外において掲示する文書図画についても、その合理化をはかることといたしたのであります。  第四は、政党等のいわゆる確認団体選挙期間中に行なう政治活動に関する規制及びその態様について合理化をはかることといたしたの、であります。すなわち、衆議院議員及び参議院議員選挙におけるポスターの枚数を所属候補者に応じて増加することとしたほか、選挙当日には政治活動ができないこととし、また、政治活動用ポスター記載内容について規制を加えることといたしたのであります。さらに、連呼行為についても、選挙運動のための連呼行為と同様の改正をはかることといたしたのであります。  第五は、選挙の秩序を保持し、いわゆる泡沫候補を防止するために、立候補届け出期間の短縮、衆議院議員参議院議員及び都道府県知事選挙に関する供託金を増額することとするほか、選挙運動における不公正な違反行為を是正するため、文書図画の撤去に関する規制強化及びいわゆる怪文書等に対する処罰規定整備等措置を講ずることといたしたのであります。  第六は、最近の大都市を中心とする急激な社会移動現状にかんがみ、補充選挙人名簿登録申請手続合理化することとしたのであります。特に、住所移転者及び新有権者等随時登録申し出制度を新たに認めることとし、より多数の有権者選挙権を行使する機会を与えるよう配慮を加えることとしたのであります。  以上がこの法律案要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  4. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 本案に対する質疑は次回以降に行なうことといたします。    ———————————
  5. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 次に、公職選挙法等の一部を改正する法律案(参第一七号)を議題といたします。  まず、発案者から提案理由説明を願います。辻武寿君。
  6. 辻武寿

    委員以外の議員辻武寿君) ただいま議題となりました公職選挙法等の一部を改正する法律案につきましてその提案理由大要を御説明申し上げます。  申すまでもなく、わが国、民主政治の発展に呼応して今日ほど、参政権の中に占める選挙の比重が重い時代はありません。すなわち、新しい時代と鋭い政治感覚に目ざめた国民大衆の真摯な欲求として選挙制度全般にわたっての再検討が叫ばれているのが現状なのであります。すでに第二次選挙制度審議会の答申も提出されておりますが、依然として言論文書による自由な選挙活動については未解決の問題が山積いたしております。  この国民大衆に許された選挙運動の問題につきましては、現行法ではいまなお多くの制約が設けられている上、条文は難解をきわめ、その結果として自由にして明朗な選挙活動を抑制するのみならず、国民に数々の疑惑と恐怖さえ与えているのが偽らざる実情であります。  私どもがあえてこの改正法案を提出いたしましたのは、この際、これらの悪弊を取り除くのみならず、有権者に自由にして積極的な選挙活動を奨励し、明るく清らかな真の公明選挙を行なわしめることが急務であると考えるためであります。  私どもはこのような選挙制度実現の趨勢にかんがみ、この改正法案を提出した次第であります。  その第一は、戸別訪問禁止撤廃であります。現行戸別訪問規定は、言論活動の自由を著しく圧迫し、選挙民選挙に対して恐怖感を抱く者さえあります。民主政治選挙公明でなければなりません。戸別訪問が直ちに買収と結びつくという考えは早計であります。このことは、英米等の例を見ても明らかであり、戸別訪問禁止により選挙の腐敗が浄化されるとは言えないのであります。したがって、戸別訪問禁止の条項は削除することにいたしました。  第二は、連呼行為の一部復活についてであります。衆参両院議員都道府県知事及び指定都市の長の選挙区域は広範囲の上、候補者の数も一応限られる点から、弊害が伴わないものとしてこれが行なえるように改めるのが至当と考えられますので、そのように改めました。  第三は、文書図画領布制限緩和であります。つまり言論の自由のたてまえから選挙運動のために使用する自筆の信書は、これを認めようとするものであります。  第四は、個人演説会回数制限撤廃についてであります。すなわち衆参議院議員及び都道府県知事指定都市の長の候補者演説回数制限なく行なえるようにいたしました。  第五は、衆議院議員及び参議院議員選挙にあっては、選挙の期日の公示または告示前において、原則として演説会を開催することができることにいたしました。  最後に、選挙に関する寄付行為及び政治資金制限についてであります。選挙の公正を期し、かつ選挙個人の自由であるという理由から、政党及び政治団体を除いたほかは、寄付行為は一切、個人にとどめることといたしました。  以上が本法律案大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことをお願い申し上げます。
  7. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 本案に対する質疑は次回以降に行なうことといたします。  本日はこれにて散会いたします。午前十時三十六分散会    ————————