○
田上松衞君
原案に
賛成し、同時に、
白化党の
修正案にも
賛成するということを明らかにしつつ
意見を申し上げます。
政府の本
法案に関する
提案理由の
説明を持つまでもなくして、
明治二十九年に制定された
河川法に数回にわたる若干の
改正が加えられたとはいうけれども、すでに七十年という長い年月に及んでおりまする
現行河川法が、
日露戦争だ、あるいは大
東亜戦争だというようなものを絡まして、国の
行政、
経済、
文化等は言うまでもなく、国土全体に大きな変革を生じた
わが国の現時点にマッチしないことはもちろんでありまして、表現するならば、この姿は、あたかも、
ちょんまげ時代の衣服やはきものを、
大正時代を経て
昭和四十年になろうとしておる現
時代の者に着せたり、はかせたりしようとしてきたのでございまして、これを根本的につくりかえなければならぬということは、これはもう何人も異論のあるはずはないのであります。むしろ
国民全体は、一刻も早く新しい法の発足を期待しておるはずだと確信するわけであります。
ただ問題は、今度出されたところの案が、そのまま現
時代の要求に、いろいろな支障やあるいは
疑義を引き起さないように
配慮をし得る
程度のしっかりした骨格と体質、これだけは完備してほしいとこいねがっておったわけでありますけれども、残念ながらその点には幾多の
不備、不完全が残っておりますることは、いままでの長い間におきまする
衆議院あるいは本院の
審議の
過程においても、いろいろ述べられたとおりでございまして、このことは
政府みずからがよく身につけておられることだろうと信ずるのであります。ただし、だからといって、私は率直に申し上げまして、
現行法と比べまして、そこに何らの後退しておるという点は発見できない。のみならず、少なくとも大きく前進しておるという事実は、率直にやはり認めていきたい、こう考えておるわけであります。
まあこの場に臨んで、いまこれらの点を具体的に批判し、あるいは評価していくなんというような愚は避けます。待に、今日、いまなお
河川台帳等ができていない、
実態調査の把握というものが全くゼロだという姿にかんがみ、さらには、
時代はますます急ピッチで
進展、変化しているという事実に対応するかまえの
緊急性を痛感しておるわけでございまして、前段に述べたような若干の
不備、不完全な点の
改定、
整備等は、将来の
機会に期待することといたしまして、わが民社党としては、ともかく本案は、本国会で通過せしむべきであるという結論に到達しているわけでございます。
ただ、この際申し上げたいことは、いろいろ
自民党からも、
社会党からもまた
修正案が
提出されるごとく、いろいろ
地方自治の根幹にひびを生じせしめたり、あるいは、いろいろな
私権の不必要な
侵害等、そういうそしりを招くことを危倶するわけでございまして、そういう点については十分細心の注意を払っていただいて、大局的には、あくまで現
時代が強く要求しておるところの大きな
国家目的に沿うように、大胆にひとつ活用していただきたいという希望を申し上げたいと思うのであります。
両
法案の
修正案に対しましては、いまこの席上で示されただけでありまして、なかなかこれを掘り下げて
検討するという時間を持ち合わしていないわけでございますけれども、一見いたしまして、
自民党から出されております三つの項目については、私どもも、しかるべきだと考えておった点でございまして、こまかにいえば若干の
相違点があると思うのでありますけれども、まず、前申し上げましたような、こまかい
修正は将来に期待するというたてまえからいきますならば、この
程度の
修正であれば
同意をいたしたいと考えるのであります。
社会党から出されておりますことは、いろいろこまかい文章がございまして、ここまでいきますると、さっき申し上げました気持ちの中でおくみ取り願えると思うのですが、また、相当いった将来は、
時代に適応するような
改定等が考えられるわけでございまして、これはそういう将来の問題としてさらにこまかく
検討を加えていきたい、こう考えるのでございまして、あえてこの場合は
自民党の
修正案に
賛成しておくと申し上げたいと思うのであります。
以上申し上げまして私の
討論を終わります。