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1964-05-15 第46回国会 参議院 決算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月十五日(金曜日)    午後一時十一分開会   —————————————   委員の異動  五月十四日   辞任      補欠選任    二木 謙吾君  近藤 鶴代君  五月十五日   辞任      補欠選任    近藤 鶴代君  二木 謙吾君   —————————————   出席者は左のとおり。    委員長     横川 正市君    理事            岡村文四郎君            山崎  斉君            相澤 重明君            小酒井義男君    委員            北口 龍徳君            沢田 一精君            坪山 徳弥君            野知 浩之君            二木 謙吾君            加藤シヅエ君            亀田 得治君            杉山善太郎君            鬼木 勝利君            二宮 文造君   国務大臣    大 蔵 大 臣 田中 角榮君    通商産業大臣  福田  一君   政府委員    内閣官房副長官 草野一郎平君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     岡田 勝二君    行政管理庁行政    管理局長    石川 準吉君    行政管理庁行政    監察局長    山口 一夫君    法務政務次官  天埜 良吉君    法務省刑事局長 竹内 壽平君    大蔵政務次官  齋藤 邦吉君    大蔵大臣官房会    計課長     御代田市郎君    大蔵省主計局次    長       澄田  智君    大蔵省主計局司    計課長     江口  穣君    大蔵省主税局長 泉 美之松君    大蔵省管財局長 江守堅太郎君    通商産業政務次    官       竹下  登君    通商産業大臣官    房長      川出 千速君    通商産業大臣官    房会計課長   金井多喜男君    通商産業省企業    局長      島田 喜仁君    通商産業省公益    事業局長    宮本  惇君   —————————————    会計検査院長  芥川  治君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    通商産業省公益    事業局監査管理    官       大坪 武次君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十七年度一般会計歳入歳出決  算、昭和三十七年度特別会計歳入歳  出決算昭和三十七年度国税収納金  整理資金受払計算書昭和三十七年  度政府関係機関決算書内閣提出) ○昭和三十七年度物品増減及び現在額  総計算書内閣提出) ○昭和三十七年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和三十七年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出)   —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和三十七年度決算外三件を議題とし、前回に引き続き審査を行ないます。  質疑の通告がございますので、順次これを許します。小酒井君。
  3. 小酒井義男

    小酒井義男君 最初に、大蔵大臣に二、三お尋ねをいたします。  これは当委員会においてもうすでに各委員から指摘をされておる問題の蒸し返しのようになるわけですけれども、現在の決算審査あり方について、私は、実は先般の参議院の本会議地方財政報告がなされて、それに対する質疑が行なわれるのを聞いておって感じたわけですが、地方財政の問題が本会議報告され、質問されておるのに、大きな国の決算委員会でやられておるということについては、少し決算が軽く取り扱われておるという、そういうそしりを受けるのじゃないかという、こういう気が実はしたのです。それで現在の——従来私の知っておる範囲の決算審査ですと、会計検査院決算報告に基づいて審査を行なわれるのが主でありまして、予算の使われた大筋に対するところ結論がどう出ておるかというようなことに対して、政府も、国会も、あまり追及といいますか、国税の行くえを最終的に見きわめるという点において欠けておる点があるのじゃないか。そういう点から、大蔵省の中に、ひとつ決算を扱う決算局というようなものを設けて、そうして予算執行状態あるいはそれが結果的にどういう国政の上にプラスになったかというようなことを検討する機関を設けるというようなことが考えられないものかと思うのです。大蔵大臣に所見を伺いたいのです。
  4. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 国会において決算が非常に重要視されておるということは、これは当然のことでありまして、政府も非常に重要なことだと考えております。本会議委員会制度の問題、これは昔のように本会議中心ではなく、戦後の議会制度委員会と本会議併用制度ということになっております。もっと率直に言えば、常任委員会制度を主にしてやっておる、こういうことでございますから、本会議議論がされないということで、決算が軽視をされておるというふうには考えておらないわけです。  決算の問題に対して、大蔵省決算局を置いたらどうか、こういう一つ考え方でありますが、私たちも、決算局ということは必要なのか、現在一体どうなっておるかといいますと、主計局で、予算執行状態に対しては、認証制度をとったり、各省と随時連絡して執行しておるわけでございますので、その記録は全部とっておりますし、その結果を非常にこまかく検討しまして、八月三十一日までに出される概算を受け取りまして、十二月末の来年度予算編成というときには、前年度決算の状況というものを相当慎重に検討をして誤りなきを期しているわけであります。主計局の中に司計課という課を設けて、専門にそれをやっているわけでございますが、これは局にしたほうがいいとかという考え方については、ひとつ検討すべき問題だろうというふうに考えます。
  5. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、財政法の附則で、従来は大蔵事務次官議長をやられたのですが、改正になって大蔵大臣議長財政制度審議会がありますね。これの主要な目的としては、予算決算及び会計制度検討ということが目的になっているわけなんですが、この審議会決算制度の現在のあり方などが問題に取り上げられたことはなかったのでしょうか。
  6. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 近い最近には決算制度が問題になったことはないようでございますが、相当前には決算制度に対して議論をしていただいたことがあるようであります。
  7. 小酒井義男

    小酒井義男君 どういう観点から議論されたということはわかりませんか。
  8. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 最近においては、昭和二十三年の四月一日からずっと、三十七年の十一月、三十八年とやっておりますが、この中では決算に対してはやっておりません。その以前の審議の過程において決算制度検討していただいたことがあるようでございますが、内容及び方向等は取り調べてあとから御報告を申し上げます。
  9. 小酒井義男

    小酒井義男君 大臣の答弁の中に、決算については重要というふうに考えておるという御発言ですけれども、はたして実質的に重要に扱われておるかどうかということについては、私は若干疑問を持つものですから、これは扱いの形式的な問題と、審議内容の問題と、両方にわたるわけでありますけれども、私は決して現在の決算審議状態がこれで満足すべき状態ではないというふうに考えておるのです。そういう点について、やはり納税者に対しても、税金がこういうふうに使われて、これだけの国に対し、あるいは国民に対するプラスの面が出ておるというようなことをもう少し明らかにすることのほうが、納税者を納得させることにもなり、各役所の仕事の励みにもなり、あるいはいろいろな点で警戒をする点も出てくる、こういうように考えるのです。そういう点で、決算の問題を私はもっと内容のあるものにしていく必要があるというふうに考えておりますので、ただいまのような質問を申し上げたのです。この決算局というのは、私のこれは思いつきのような、決算局を設けてこうしたらというような具体的なものを持っておりませんけれども、一つの方法としてそういうことがいいのではないかということを申し上げておるので、その点ひとつ御検討をするということですから、そうしていただきたいと思います。  それから次に、決算歳入の面を見ますと、ことし三十七年度歳入の面におきましても、その七六・七%が租税収入である。しかも、租税収入の中でも、所得税の伸びというものが非常に大きいわけです。こういう状態がずっと数年間続いておるのですから、所得税の、特に給与所得者に対するところ負担というのが非常に重くなっている、納税の公平な状態ではないという実態が出てきておると思うのです。そういう点について、大蔵大臣は、さきの予算審議の際だったと思いますけれども、四十年度減税の問題については所得税を大幅に減税をする意向のように御発言になったと記憶しておりますが、どうでございましょう。
  10. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 所得税が一体高いのかどうかという問題は、たびたび御質問をいただいておるわけでございますが、所得税に対しましては、戦後御承知のとおり年々減税をやって今日に至っておるわけでございます。昭和三十九年度予算編成に際しましても、平年度二千二、三百億というような大きな減税をやっておりますが、このうちの五五%は所得税減税を行なっておるわけでございます。戦後の状態をずっと振り返ってみますと、だんだんとよくなってまいりまして、現在数字の上では西欧諸国にも劣らないというような段階になりつつございますが、現実的な問題をすなおに見るきとに所得税が重いか軽いか——軽くはない、こういう判断をしておるわけでございます。でありますから、来年度の問題に対しましても、いま税制調査会に御検討を願っておるのでございまして、この間も中堅の所得というものをもう少し軽減しなければならぬというお話決算委員会でもございましたし、そういう意味で所得税を含めた税制全般に対してどうあるべきかという諮問をいたしておりますので、税制調査会答申を待ちましてしかるべく配慮をいたしたいという考えでございます。
  11. 小酒井義男

    小酒井義男君 例年減税されておることは事実でございますがね。政府の当初予算自然増収とを比べて見ますと、昭和三十三年以来一年一年と自然増収の額がふえています。そして三十六年には三千九百三十億、三十七年には四千八百七億、三十八年は少し下がりましたが、三十九年には六千八百億というような、当初予算に比べてでございますよ、こういう自然増収があるというふうに、私の調べではそうなっているのです。そうしますと、それに対する減税というのはきわめて率として低いわけであります。あまり古いことは申しませんが、三十五年の場合ですと自然増収に対して減税をされた額は六・二%、三十六年に一六・五%、三十七年に二〇・九%、三十八年になると一五・九%、三十九年一二%というようなふうに、きわめて減税されておる額というものは少ないものになっておると思うのですが、減税はされておるが実質的にはたいしたことじゃないということになると思うのですが、こういう点については大臣はどうお考えになっておりますか。
  12. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 自然増収という見方につきましては、前年度の当初予算対今年度の当初予算、それから当初予算ばかりではなく、補正予算等も全部加えましたものと決算額との差額、まあいろいろな見方があるわけでございます。今年度減税は、先ほど申し上げましたとおり、平年度二千二、三百億という大幅な減税を行なったわけでございます。この減税規模が一体少ないか、こういうことになりますけれども、そういうことにつきましては、六千八百億余の自然増収を見込みましたけれども、御承知の前年度剰余金の減が千八百億程度ございます。でありますから、三十九年度の財源として考えられるものは四千九百億というふうに考えられるわけであります。それに対する当該年度減税は一七%余ということでございますので、昭和三十一年以降最大な減税を行なっておるわけでございます。でありますから、自然増収額減税の額だけを比較をするということも一つのやり方でございますが、戦後の無資本の状態からここまで立ち上がってきた日本現状から見ますと、歳出要求というものは非常に多いわけでございます。でありますから、減税歳出要求——歳出需要というもののバランスをどうとるかということで減税規模がきまるわけでございますので、私たちはこれが最上のものであるというふうにもまあ自信がございませんが、少なくとも減税を最重点事項として今日までやってきたわけでありますし、また将来もそのような姿勢を維持してまいりたいと考えておるわけであります。
  13. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、税制調査会関係ですが、これもいつも議論になる点でありますけれども、国民所得と税の負担率の問題が議論になるのですが、最初二〇%くらいといわれておったのが、だんだん上がってきて、二二%をこすという状態になったんです。これに対して、予算委員会その他の場で議論をするときに、政府はいつも、欧米先進国はもっと高いのだということを言われるのですね。これは率だけを見ますと、確かにそういう点がありますが、しかしその率の数字だけで議論することは、これは少しどうかと思うので、所得の全体額とか、あるいはその国の社会保障の問題とか、いろいろなファクターを加えた上で、日本国民所得に対する税負担というものは二二%は決して高くないのだというような、こういう説明があれば、これはいいのですけれども、それがどうも欠けておるように思うのです。大蔵省では、そういう点について、全体を含めたような形で、日本現状における国民所得に対する税負担率はどのくらいであるべきかというようなことを御研究になったことがありますか。
  14. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) いま御指摘のとおり、世界の国民所得に対する税負担率をそのまま日本に当てはめるということは、議論としては適当でないということは言い得るわけでございます。しかし、計算ベースが全く違うのでございますし、また社会保障状態とか、いろいろな問題が違いますので、日本現状に徴しまして、一体税負担率はどうあるべきか、将来の日本国民税負担率はどうあるべきかという、二つに分けて考えるわけでございます。昨年は二一・五%、今年度は二二・二%、先々年は同じく二二・二%だと思います。税制調査会から二〇%前後が当分適当だと思うという答申を受けております。この間私も御答弁申し上げましたし、まあ税制調査会中山会長も、やはり二〇%前後というような御発言をなさったようであります。それが、税制調査会の小委員会でも検討しておられて、二〇%前後というのに二二・二%も入るのかというような御議論をやっておられるようでございます。私たちはなるべく税制調査会の自主的な御検討を待っておるということでございます。まあ税負担率は低いにしくはない、また低くしたいという考えであります。同時に、健全財政を守りながら、歳出需要をまかなっていかなけりゃいかぬ、こういうことでございます。まあ国会審議のほとんど大半が、御承知のとおり、中小企業にもっと金を出せ、石炭にもっとやらなきゃいかぬ、農山漁村に対して高率補助をやらなきゃいかぬ、山村振興にはこうしなきゃいかぬ、離島振興はこうだ——歳出需要ということは、やはり国民立場では相当大きなものでございます。でありますから、この歳出需要というものは、やはり国民の福祉の向上のために歳出を行なっておるのでございますから、やはりこの歳出需要をまかなうというものと減税というもののバランスをとるというのが日本現状でどうしても必要なわけでありますから、私は予算委員会で申し上げましたが、二〇%程度というものは二二・二%もその中に入るんだと御解釈願えませんかと、こう言ったら、解釈できないと、こういう御議論でございましたが、政府立場から見ますと、三十九年度税負担率二二・二%程度のものは必要やむを得ざるものであり、もう一言いえば、現状において適正な範疇に入るものだと、こういう解釈をしておるわけであります。
  15. 小酒井義男

    小酒井義男君 もう一つの問題は、先ほど税制調査会答申を待ってとおっしゃっておりましたが、税制調査会がいよいよこれから作業を始めて、四十年度予算編成の前に答申を出すということになると思うのですが、それに先立って府政のほうから何々減税を優先するというような発言をすることはきわめて不適当だと思うのです。従来でもでありますが、今度の場合も、やはり過日池田総理企業減税をというようなことを言われたような記事を私は見たのですが、そういうことは白紙のままに税制調査会答申をさせないと、ほんとうの公平な結論というものが私は出てこぬ心配があると思うのですが、そういう懸念がありませんか。
  16. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) この前総理大臣と私との昼食の席におきまして話をしたことが新聞に掲載をせられた。しかも、総理は「三十九年度に引き続き四十年度企業減税優先でいくべきだ」と、こう言ったように思われる記事もございましたが、そのときはそういうことではなかったのです。「税制調査会もいよいよ始まったし、税制調査会には三十五年に基本的な諮問をしておるが、これは総理大臣詰問機関であるのだ、税制調査会に対して大蔵省は勉強しておるんか」と、こういうことでありましたから、「勉強はしております」、「所得税減税も重要である、しかし、八条国移行という現実に対処して、企業減税というものに対しても重要だと思うのだが、一体検討しておるか」、こういうようなお話がありましたので、「税制調査会にすべてを御検討を依頼しておりますし、大蔵省は独自の立場でいろいろな問題に誠意を持って検討いたしております」と、「まあしっかりやれ」と、このような状態であったわけでございます。でありますから、税制調査会には諮問原案が出ておるのでありまして、税制調査会審議を拘束するというようなことは考えておらないわけであります。まあ税制調査会で独自な見解で調査をいただいておるわけでありますから、できればなるべくそれを拘束するようなことは好ましくないという考えでございます。同時に、政府も、お互いでございますが、党は党でもって盛んに減税をやれと、きょうも冷害等に対して税制上の措置をしなければいかぬ、こういうことも強く出るわけでありますから、税制調査会答申を得るまでは税のことに対しては全然しゃべってはいかぬということにもならないわけでありまして、そこは常識的にものを考えていかなければいかぬ。われわれがちょっとくらい言っても、税制調査会の皆さんはそれに拘束を受けるような人たちはおらないようであります。私などが要らぬことを言ったような新聞が出ると、特に反発的にぱんと、われわれは大蔵大臣とは別だと、こういうことを勇気を持っておやりになっておりますから、非常に良心的な方々ばかりでありますから、心配はないと、こう考えております。
  17. 小酒井義男

    小酒井義男君 いろいろ諸外国の税制問題等については、私若干資料は持っておりますが、あまりこまかいことは言いませんけれども、免税点の点だけ、これはやはり強調しておきたいのですが、昭和三十七年度税制の場合に、これは私の調べた資料によりますと、標準家族で、年間七十五万円の所得の家庭が、大体日本の場合ですと、金額にして七万三千百円、パーセントにして四・九%という所得税がかかっておる。ところが、アメリカ、西ドイツ、フランスは、そこらにはかかってないのです。英国がわずかばかり、〇・二%の税金がかかっておるようですが、同じ二二%といっても、やはりかけ方がありますから、そういう点で、低額所得者減税問題は、どうしても大幅にやはり来年度予算では考えていく必要があると思うのです。その点はひとつ大臣のほうでも十分留意をしておいていただきたいということを要望申し上げておきます。  それから、補助金合理化の問題でありますが、補助金につきましては、決算委員会でもたびたび議論をされておりますし、最近特に行政管理庁のほうから、百十一件にのぼるところ整理統合に対する勧告が各省あてに出されております。大蔵省ではないですか。補助金等合理化審議会ですね、あのほうでも答申が出ておるわけでなんですが、最近数年間の政府の政策の移行状態を見ておりますと、当然古い補助金等には整理をしなければならぬ問題ができてきたはずだと思うのです。新しい問題としてまたふえてくるという傾向もあるのでしょうが。ところが、百十一件というような問題が行政管理庁から指摘を受けるまで、大蔵省のほうで補助金の問題に対する取り組み方がきわめて消極的であったという印象を受けておるのです。こういう点について、具体的に三十九年度予算において補助金等廃止をした問題がありましたら承りたい。
  18. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 行政管理庁及び補助金等整理審議会から答申をいただいております。三十九年度予算編成につきましても、この答申を十分尊重いたしまして、前年度に比しまして六十三件の減少を示したわけであります。統合いたしましたものも、三十八年で百三十七件ありましたものが、三十九年度には五十四件に統合いたしまして、効率的な使用をはかっておるわけでございます。廃止をいたしましたものも、少額であったり、まあ目的を達成してしまったりというようなものも、六十二件六十七億円というような金額整理をいたしておるわけでございます。
  19. 小酒井義男

    小酒井義男君 補助金整理という問題は、なかなかこれはむずかしい問題だと思うのです。ですから、大蔵省だけじゃなしに、総理府にですか、合理化審議会を設けられた理由がそこにあると思うのですが、どちらにしても、いつも例になる欧米各国補助金の率というものは、予算の中に占める位置がきわめてパーセンテージとしては少ないのですね。四%か五%である場合が多いんです。それが日本の場合はべらぼうに大きいものですから、やはり問題が私はあると思うのです。で、財政の効率を上げていく上においてやはり重要な問題だと思いますから、ぜひひとつこの四十年度予算編成までにはそういう点について結論を出して、予算に反映をさせるというようなふうにしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  20. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 補助金整理統合ということは、これは大蔵省が一番積極的でございます。何とかしたい、こういろ考え方を持っておるわけでございますが、いま御指摘になりましたように、非常にむずかしい問題でございます。ヨーロッパ先進諸国にはないということでありまして、まさにそのとおりでございますが、それだけに日本の各分野というものが、補助金をやったり、減税をしたり、またてこ入れをしなければなかなかレベル・アップできないという面もあるわけでございます。まあ私たちは、三十九年度予算編成に対して、いま申し上げたようにできるだけ努力いたしたわけでありまして、四十年度予算編成までにはかかる問題に対してはより前進的な態勢をとっていきたい、こういうことを考えておるわけでありまして、大蔵省といたしましては、ただいまのような御発言に対しては、心から感謝もいたしておりますし、これにこたえていきたいという考えでございます。
  21. 小酒井義男

    小酒井義男君 これは大臣にお答えを願うか、事務局のほうでお答え願ってもけっこうなんですが、決算報告によりますと、収納未済額というのが非常に多いようなんですね。報告説明を見ますと、ちょっと実は私わかりにくいんですが、収納未済額は近年次第に減っていく傾向にあるが、それでもまだ十三億円あるという決算報告が出されているのです。そして、だんだん読んでいきますと、これが前年度以前のものがだんだん残っておる。そうして、そういうものが七十億円あった。また、収納後の国税収納金整理資金整理されていくものの中にも、三十七年度以前のもので収納されないものが相当額あるという、こういう報告が出ておるのですが、三十七年度決算が行なわれてから今日までに相当収納されておるのか、相変わらず収納未済というものが大きいのかどうか、どういう傾向にあるのか、お尋ねしたいのです。
  22. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 収納未済ということにつきましては、内国税収納未済額、それから関税の収納未済、それから国有財産の売り払い等の期日が来ておっても予定どおり収納しておらない、こういうようなことについての御質問だと思います。これら収納未済につきましては、鋭意これが取り立てということを行なっておるわけでございます。昭和三十年当時、内国税におきましては、滞納件数が七百七十八万件もございました。しかも、過年度、分は五百六十五万件という非常に大きなものでございました。三十九年三月末現在百二十一万件、そのうち過年度分が五十七万件というふうに、非常に減っておるわけでございます。これは、納税人口が相当ふえたということからまいりますと、減り方が非常によくなっていっておるというふうに御理解いただけばいいと考えます。それから三十六年、三十七年にかけての問題は、景気調整等がございまして、三十五年当時と比べて若干増加をいたしておるというような面もございますが、三十九年三月末現在になりますと相当減少もいたしておりますし、三十九年度以降につきましては、これらのものに対してはできるだけ滞納整理を行なうべく推進をはかっておるわけでございます。  関税につきましては、関税という制度上の問題で、多少滞納するということは制度上あるわけでございますが、かかる問題に対しても、相手方の状態を十分見まして、期間を経過してなお収納未済になっておるようなものにつきましては、収納の促進をはかっておるわけでございます。  国有財産につきましては、御承知の国の債権の管理等に関する法律の規定がございますので、収納未済債権の整理を現在も行なっておるわけでありまして、現在は相当実効があがり、御期待に沿い得るような状態を一日も早くつくりたいという考えで努力をいたしておるわけでございます。
  23. 小酒井義男

    小酒井義男君 この収納未済で、どうしても将来とも収納の見通しがないというようなものが相当出るものですか、どうですか。いつまでたっても、これは全部回収しますか。
  24. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 数字に関しましては、調査の上お答えいたしますが、それはもう、相手が死んでしまったとか、破産してしまったとか、相当——相当というのじゃなく、確かにあるということでございます。罰金の収納などは非常にうまくいかなかったということもございますし、そういうことは確かにあります。ありますが、そういうことにならないように早く取り立てる、こういうことでございまして、鋭意やっておるのですが、相手の資産状況とか、相手の生活権を脅かさぬとか、いろいろ問題がありますので、できるだけ合理的に収納未済を取り立てるということでやっておるわけでございます。  国税の例を取って申し上げますと、三年間分で執行停止になっているものというのが約七十億ございますから、年間二十億余ということがあるわけでございます。  他の国有財産の問題とか、関税の問題とか、そういう問題に対しては、必要があればお調べをして御通知を申し上げます。
  25. 小酒井義男

    小酒井義男君 いずれあらためて資料をお願いをしてもよろしいし——何かありますか、まだ追加して報告していただくのが。
  26. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 管財関係では、現在四十四億七千六百万円だけ分割して払うようになっておるわけであります。これは適法なものとしてあります。このうち執行停止になったものが六億七百万円ということでございます。この内訳は、資力がなくて払えないとか、そういう状態はどうなったのかということは、こまかく調べれば報告できると思います。
  27. 小酒井義男

    小酒井義男君 いずれ重要な問題について資料として委員長を通じて提出を願うことにしたいと思いますから、それをお含みいただきたいと思いますが、蛇足ですけれども、一方では源泉徴収をされておる、相当税負担に苦しんでおる者もあるのですから、税金収納が一部で不十分であるというようなことがあってはいかぬと思うのです。そういう点について、長くなればなかなかむずかしいでしょうから、適正なひとつ方法で能力を早めていくようなことをお願いをしておきたいと思います。  大蔵大臣、以上で私の質問を終わります。
  28. 横川正市

    委員長横川正市君) 亀田君。
  29. 亀田得治

    ○亀田得治君 私は綱紀粛正の問題につきまして総括的に質問をいたしますが、一応総括的に問題点をお聞きしたあと、通産関係のことにつきまして若干具体的にお尋ねをしてみたいと思っております。  公務員の綱紀粛正の問題は、たびたび世論の批判の対象にもなり、けさの「読売新聞」等を拝見しても、社説で特にこの問題を取り上げて最近の状況について批判をしております。その記事の一部にもあるわけですが、戦後公務員の犯罪が非常にふえる一方だ、過去十五年間の間に約三倍になっておる、こういう記事があります。そこで、法務当局にまずお聞きするわけですが、最近のこの公務員の起訴された犯罪、この数字を一度ここで御披露願いたいと思います。
  30. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと亀田さん、法務関係の出席がちょっとおくれておりますので……。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  31. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記を始めて。小酒井君。
  32. 小酒井義男

    小酒井義男君 行政管理庁はいらっしゃるんですね。簡単な点だけ二、三点お尋ねをしておきたいと思うのですが、この前補助金の問題で各省に勧告されましたあの中に、十三件すでに目的を達したものがあるというふうに新聞には載っておるのですが、その十三件の目的を達したというのは、相当前に目的を達しておったものか、最近になって目的を達したものか、どういうものですか。
  33. 山口一夫

    政府委員(山口一夫君) 昭和三十七年度予算を対象にいたしまして、行政管理庁におきまして地方に流された補助金を中心にいたしまして監察をいたしました結果、補助金のうちで整理統合を要するものがなお幾つかあったのであります。それらにつきまして、一応関係各省に勧告をいたしたのでございます。ただいまお話のございました十三件の目的を達成したと認められたものは、すでに調査の時点において、三十七年度において目的を達成しておると判断いたしました。したがって、その十三件につきましては、来年度予算編成の際には十分関係各省において検討するようにという意味におきまして勧告をいたしております。したがって、目的を達成いたしましたのは、調査をいたしましたときにおいて目的を達成したというふうに一応認めたものでございます。
  34. 小酒井義男

    小酒井義男君 そうすると、目的を達したものが一、二年間はそのまま出ておったということですか。
  35. 山口一夫

    政府委員(山口一夫君) こちらの見解からすれば、三十七年度予算を対象にしていたしましたので、七年、八年には出ていたということでございます。ただ、目的を達したと申しましても、受け取る側から申しますと、非常に零細な金額であり、あるいは全体の中の割合が非常に少ないものでありましても、もらわないよりもらったほうがいいという程度の気持ちはあったろうと思います。こちらの見解では、すでに目的を達したと判断いたしておるわけであります。
  36. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、たしか行政管理庁のほうとしては、いろいろな公団を新しく設けることには積極的じゃない、むしろ反対の立場だと思っているのですが、いま公団というのは幾つになっておりましょう。
  37. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 現在は公団は九つでございます。ただいまの数でございますね。
  38. 小酒井義男

    小酒井義男君 なくなった公団というものはありませんですね。
  39. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) はい、たしかないはずでございます。
  40. 小酒井義男

    小酒井義男君 公団の中に、総裁と理事長というのと二つに分かれておりますね。あれはどのくらいですか。何を基準にしてあれは総裁ができたり理事長ができたりするのですか。
  41. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 実は、行政管理庁がこの特殊法人——公団を含めまして、特殊法人の重要な制度の改廃——新設、廃止等を審査するということになりましたのは、御承知のように、昨年の通常国会におきまして設置法改正のときにそういう権限と職責を付与せられましたので、三十九年度の新設分につきまして及び一部その重要な法定事項の、制度的な重要事項の改正等について審査をしたのが初めでございますので、したがって、既存の約九十二にのぼる特殊法人、そのうち公団が現在九つと思いますが、これにつきましての、既往の新設当時のそういう総裁にするとか理事長にするというようなことを十分検討したものもございませんし、目下そういう実態を調査中でございますが、総裁の数、理事長の数等は調べまして後ほど御報告さしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  42. 小酒井義男

    小酒井義男君 それじゃ、それを資料でお出し願えますな。
  43. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 御趣旨のようにいたしたいと思います。
  44. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、これは答弁をちょっと大臣にお願いするほうがいいかもわからぬのですが、事務的な立場でどう考えておられるかということを聞かしていただきたいと思うのですが、地方にとってみますと、中央からいろいろな角度で監査を受けるというのがなかなか苦痛のようなんですね。私はこれはきわめて単純な考え方かもわかりませんが、各省補助金なりいろいろな交付金なりがきまったときに、そのことが中央における行政管理庁にすぐ各省から通知があるようなシステムをとったら、行政管理庁はそれをそれぞれの地方に対して連絡をする。そうすると、地方の行政監察局で総体的な立場でこの予算執行の状態などの監察ができるじゃないか、そうすると会計検査院の事後監査と行政管理庁のそれとで済むのではないか、こういう合理化の道があるのではないかという気がするのですが、事務的にはそういうことは無理ですか。
  45. 山口一夫

    政府委員(山口一夫君) 行政管理庁で担当しております監察だけの面から申しますと、監察の仕事は主として、重要施策がいかに滲透し、またいかに行なわれ、またそれをどう改善する必要があるかというような点に着目して実施をいたすのでございますが、たとえば補助金の問題につきましても、補助金自体の成立の過程から、それがつくられますまでの過程を調べまして、その間に制度としてこれをどういうふうにしたらいいかというような点を中心にして監察をいたしております。したがって、予算に計上され、それが実施の段階に入りまして地方に流れていったものにつきましての監督なり、あるいはそれの監査なりという面につきましては、監察の対象からは直接にはずれるわけでございます。むしろ流れていくこと自体、流し方自体、あるいは流していく数が適当かどうかというような根本の問題について監察をいたしておるわけでございますが、すでに実施段階に入りましたものにつきましては、相当数も多くなりますし、それがどういうふうに使われるかというような問題につきましては、一応監察の角度からははずれるわけでございます。がしかし、また考え方の別の次元に立ちまして、非常に乱費があるとか、あるいは交付金の決定がおそいというような問題につきましての実地資料を得る意味におきまして、個々のそういう事業につきまして、お話のございましたような線に沿いまして、適当な方法で資料を集めて、それをすでに実施している監察の推進のために資するということは必要なことかと考えておりますが、そういう面につきまして御趣旨の線を生かしてまいりたいと考えております。
  46. 小酒井義男

    小酒井義男君 まあ現在どういう立場でおやりになっているかということは大体私も知っておるつもりなのですが、それをもう少し一元化するというような方法を考えられぬかということを思ってそういう質問をしたのですが、それに対して、あまりこう問題が大きいですから、複雑ですから、御答弁を願うことは無理だろうと思いますし、いずれあらためて他の機会にお尋ねをすることにしまして、管理庁に対する質問は本日のところはこれで私は終わります。
  47. 横川正市

    委員長横川正市君) 亀田君。
  48. 亀田得治

    ○亀田得治君 先ほど法務当局の出席がおくれましたので、もう一度質問を繰り返します。最近における公務員の犯罪統計ですね、起訴された案件でいいと思いますが、それを数字的に、最近のを年度別にお示しを願いたいと思います。
  49. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 公務員の犯罪は、統計にあらわれた数の上では、戦後昭和二十五年ごろをピークといたしまして、その後は減少いたしております。道路交通法規の違反などを別といたしまして、公務員の職務に関係があると思われます罪種、すなわち職権乱用、収賄、文書偽造、窃盗、詐欺、横領等の犯罪の数は、年ごとに多少の増減はございますが、おおむね横ばいの状態にあると見ております。この種の公務員犯罪で起訴をされましたものの数は、昭和三十四年が三百四十二人、三十五年が四百三十七人、三十六年が五百九十六人、三十七年が四百七十八人、三十八年が四百七十九人となっております。そうして、その約半数あるいはそれ以上のものが収賄罪によるものでございまして、窃盗、横領等の財産犯はこれに次いでいるのでございます。以上があらましでございます。
  50. 亀田得治

    ○亀田得治君 いま御説明になった昭和三十四年から三十八年度までの犯罪の中で、わいろ罪、収賄罪、その関係だけを年度別に数字を並べてください。
  51. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 昭和三十四年が百三十五人、三十五年が二百八人、三十六年が三百九人、三十七年が二百三十九人、三十八年が二百七十四人でございます。
  52. 亀田得治

    ○亀田得治君 先ほど刑事局長は、何か公務員の犯罪が横ばいのようなことを言われましたが、このわいろ罪に関する限りは、いま御説明がありましたように、三十四年と三十八年を比較いたしますると、非常にふえているわけですね。こういう数字が出ているのに、一般的に横ばいという一体この評価をしていいものかどうかという実は感じがするわけですが、それはどういうわけでああいう説明をされたのですか。
  53. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 公務員の犯罪、これはどんな犯罪でございましても、公務員の姿勢との関係におきまして綱紀の問題を考えるわけでございますが、それを全体として見た場合には、数字の上では横ばいだというふうに申し上げざるを得ないのでございますけれども、その中で、特に職務に関する限り、わいろ罪、こういうものを取り上げてみますと、仰せのとおり、昭和三十四年が百三十五人で、三十八年が二百七十四人でございますので、約二倍になっていることは事実でございます。横ばいと申しましたのは、犯罪全体を見ましてのことでございます。
  54. 亀田得治

    ○亀田得治君 公務員といえども一般の人間でありますから、いろいろな犯罪が伴うことでしょうが、いわゆる綱紀粛正という立場から世間が見ている場合には、このわいろ罪のことを実はさしているわけですね。私はいまそういう立場からお聞きしたわけでありまして、したがって、別にこれがいい傾向ではないと私は思うわけでして、本来ならば総理大臣あるいは法務大臣に来ていただいて、もっと突っ込んだ所見を聞きたいところなんですが、刑事局長としては、一体どういうふうにこういう傾向を見ておられますか。
  55. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 私は、これを戦前の公務員のいわゆる涜職と比較して見てまいりますと、戦前はおそらく公務員の数から申しますと五分の一あるいは七分の一程度のものであったと思いますが、この数から申しますというと大体同じぐらいでございまして、一体戦後は非常によくなっておるというふうに見るべきであるか、あるいはもっとあるんだけれども検挙の手が届いていないんではないかというふうに見るべきであるか、この点が従来も、検察当局といたしましては、いつも考えられる点でございまして、この点につきましてはっきりした結論をただいま持っておりませんけれども、非常に公務員の数が戦後はふえておるということを頭に置いてこの数字を見ましたときに、日本の公務員全体の問題として考えた場合に、廉潔性を失っておるんだというふうな見方は、これはもうもちろんなすべきではないのでございますが、こういう傾向にあることは疑いのない数字の示すところでございまして、私ども、公務員の姿勢ということからいたしまして、これを単に検察的にこの粛清をはかるというだけでなく、あらゆる場から、職域から、そしてまた教養の面から、あるいは給与の面から、いろんな面からこの涜職というものを官界から払拭するような施策が望ましいということを考えておるものでございます。
  56. 亀田得治

    ○亀田得治君 世間ではこれを氷山の一角だ——これはもうそういうことは通用語になっておりますよ、こういう問題に対する批判としては。これをどういうふうに考えますか。その批判が当たっておると思いますか、当たっていないと思いますか。
  57. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 氷山の一角というような御批評も私はあると思いますし、私も聞いておりますが、その根拠も必ずしも明確ではないので、私は現在の数字の示しておりますところ、あるいは私どもの身近に感じておりますところから考えますと、先ほど申しましたように、非常に汚職が横行しておるんだ、そしてたまたま二百件とか三百件とかいう数字はまさしく氷山の一角だというような極端な見方は、私はいたしておらないのでございます。
  58. 亀田得治

    ○亀田得治君 刑事局長自身が、やはりだいぶこういう問題については不感症になっておるんじゃないかという感じを受けるわけです。これは会計検査院指摘の不当事項の問題も毎年あるわけですが、それに対する批判にいたしましても、これは氷山の一角、こういう批判がはっきりなされておる。専門調査室のほうでおつくりになった資料ですね、その中にやはりちゃんとそういうことばで書いてある。これは統計上も当然出てくると思うのです、その理論が。抽出的に調査をやるわけですから、その中でどれだけの不正不当事項が出てくる、そうすると、全体をずっと通算して、これは氷山の一角だ——なかなかこれは合理的ですよ、表現が。この会計検査院の不正不当事項とこれはうらはらになってくる点が非常に多いわけです、公務員の不正行為というものは。だから、一方のほうが氷山の一角であるのに、きわめてその中で選ばれたものの表現である刑事関係のあらわれ方が、氷山の一角とは言えない、そんな理屈は私はなかろうと思う。どうなんですか。このわれわれに配付されている書類の中に書いてある。決してこれはこの書類だけでなしに、世間一般でははっきりそう言っておりますよ。  まあ刑事局長ばかり責めても何ですが、これは私、全大臣に聞きたいところなんですが、通産大臣だけお見えになっておりますから、通産大臣にこの点聞きたいわけです。先だっては百貨店汚職事件があって、ずいぶん世間の批判の対象になり、昨日は石油ボイラーの関係で二人の方が逮捕されるといったような問題が、次々と通産関係でも起きている。ところが、業者の諸君は、氷山の一角だという考え方はちょいちょい言いますよ。渡す側の諸君がそう言うわけなんですから、一方だけ否認しても、実際通らぬです。ことに通産省はいろいろな業界とのつながりが非常に多いところでして、通産大臣として、昨日のような問題、あるいは百貨店問題、そのほかいろいろありますが、そういう問題についてどういう心境でおられるのか、大臣としてのひとつ所見をお聞きしたいと思います。
  59. 福田一

    国務大臣(福田一君) 御説のように、通産省というのは業界との関係がいろいろあるところであります。したがいまして、こういう汚職とか疑獄とかいうような問題の起きる公算の多いところであると皆から見られるということは、これはやむを得ないところでございますが、私としましては、極力そういうようなことのないように、私が就任いたしまして以来、すぐにも実はそういう問題について訓示も出し、特に認可許可というような事項に関係のあるようなところは十分注意をして、いやしくも世間からそのような疑惑を受けるようなことのないように努力せよ、こう申して、姿勢を正すよう努力をいたしております。  ただいま亀田委員から、業界側ではもうこれは氷山の一角なんだということを言うているが、大臣としてどういう見解であるか、こういうことでございますが、私としましては、極力こういうことを戒めておりまして、事実があればこれを司直の手によっていかなる処置を受けてもこれはいたしかたないところでありますけれども、私自身は、いまの通産省の者は、十分私の考えを取り入れながら仕事にまじめに当たっていただいてくれるものだと信じたいのでございます。ただしかしながら、現実の問題といたしまして、御指摘がございましたような百貨店の問題が惹起し、さらにまた昨日重油ボイラーの問題で、いわゆる東京通産局の者が二人取り調べを受けているということは、まことに遺憾でございまして、今後とも十分にそういうことのないよう処置をいたしてまいりたい、かように考える次第でございます。
  60. 亀田得治

    ○亀田得治君 あまり前段のところで時間をつぶさないようにいたしますが、これは通産大臣にお聞きしたいと思いますが、こういう犯罪が起こる原因というのは、これは私はいろいろ分析すればあると思うんです。先ほど刑事局長も言われた、たとえば給与が低過ぎるとかいったような問題も私は確かにあろうと思う。しかし、それが低いから何をやってもいいという問題ではない。低いなら、これを適正にするようにこれは努力をすべきなんだ、私たちはそういう立場から努力をしているわけです。それが上がらぬから贈収賄やむを得ぬじゃないかというふうなことは、成り立たぬと思うんですね。で、そういう根本原因をどういうふうに探求するかという大きな問題じゃなしに、私いろいろそういうケースにつきまして経験をするわけですが、業者とのつき合いですね、特に通産なり、そういう経済関係の公務員が業者とのつき合いですね、これが非常にルーズになっているんじゃないか。贈収賄に発展する前に、その公務員と直接利害関係のある業者との食事とか、そういったようなことが私は非常にルーズになっている、こういうふうに思うわけなんです。それで、ともかく何か物を渡すにしましても、接触しなければ渡らぬわけでして、第一そういう不正なものは郵便で送ったりというようなことはあり得ない。結局、接触でしょう。最初はそれほどの気持ちがなくとも、ルーズなそういう接触をやっていると、これはだんだん深くなっていくわけなんです。だから注意をしている、注意をしていると言いますが、一体具体的にどんな注意をされているのか。ただ、きちんと姿勢を正してくれ、そんなこっちゃだめなわけでして、私いろいろ考えてみたわけですが、はなはだ卑近なことですが、そういうところ一つ非常に大きな各省通じての欠点ではないかという感じを持って見ているんですが、どうでしょうか。
  61. 福田一

    国務大臣(福田一君) 御指摘のとおり、業界との関係のある官庁というものは、よほどそれに関係をいたしておる者が注意をいたしませんというと、私はいま御説のような疑惑の目をもって見られる場合が多いと思うのであります。そこで、私たちとしては、特に通産省のような疑惑の目をもって見られやすいようなところでは、十分これは注意をしていかなければならないという指令をいままで数回出しておりますが、それでは具体的にどうするかということになりますと、これは個人個人に、上からだんだん下へ指令を流していって、その指令自体は読んでおっても、現実にその人がそれをやらないということであると、なかなかうまくいかない。それは、その課長なり、係長なり、あるいはまたその他課員なりが十分注意をする、個々の人間が注意をする、同時に課全体としても相戒め、局全体としても相戒め、また同時に役所全体として相戒めるという気風を振起するといいますか、ふるい起こすといいますか、そういうような努力をいたしてまいることが最も肝要ではなかろうかと、そういう意味において努力はいたしておりましても、まま不心得な者が出ますことについては、私たちとしては、まことに遺憾にたえない、また監督上ほんとうに申しわけないとは存じておるのでありますが、まあこれは根絶するような形になればいいんでありますけれども、なかなかそこまで、一人が言うてできるものじゃない。これは全体——先ほど申されましたような、すべての原因がたとえば給与関係などがたとえよくなったからといって、これが根絶するかというと、なかなかそうはいくまい。これは、亀田委員はそういう方面の専門家でいられますので、よく御理解を賜わっておると思うのでありますが、これはなかなかむずかしい問題であります。しかし、むずかしいからといって、私たちがそれで目をつぶっていていいということではございません。本日もそういう御叱正をいただいておるのは、ほんとうにそういうことをなくさにゃならぬということで、特に警告をしていただいておるのだと感ずるのでありまして、今後とも十分に注意をいたしてまいりたいと存ずる次第であります。
  62. 亀田得治

    ○亀田得治君 この利害関係のある者との会食などについての戒める根拠ですね、法規的な根拠、これはあるはずですが、通産大臣からちょっと御指摘を願いたいわけです。通産大臣だけの指令でそういうことを戒めておるはずじゃないわけなんです。何と何によってそういうことをおやりになっておるか——そういうことはちゃんと知っていなければだめです。これはもちろん、内閣のそういう担当の方は、それは当然知っておられるでしょうが、私は各大臣がそういう点ははっきり自分でつかんでおらなければいかぬと思う。ただ常識的に注意しておるとか、そういったことではやはりいけないということで、大臣に直接聞いておるわけです。
  63. 福田一

    国務大臣(福田一君) まことに遺憾でございますが、私はその法規的な根拠というものはつまびらかにいたしておりません。
  64. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、通産大臣が先ほど、数回そういう業者との接触等について注意をされたように言われましたが、これは法的な根拠もないままにばく然とそういう注意をしたということにとれるわけでして、それじゃやはり多少問題の性質上足らぬのではないかと思うのですね。で、一体どういう注意をされたのですか。何か文書でもちゃんと出されておるわけなんでしょうか。そういう点、あわせてひとつはっきりしてほしい。
  65. 福田一

    国務大臣(福田一君) これは役所のことを申し上げてはまことに恐縮で、弁明の意味で申し上げるのではございませんが、この種のことをやるのは、われわれはもう当然の責務だと考えておりますし、また、こういうことをやりますのには、役所には役所の官房長あるいは文書課長等々の者がおりまして、その法規違反のようなことで書類を上げてくることはない。問題は、そういうことがありましたときに、これは厳重にもっと注意をせねばいかぬじゃないかということを私から指示をいたします。そうすると、今度これに基づいてこういうふうに下に流したいという原案を持ってまいりまして、それを見て、それならばそうせい、こういうやり方をいたしておりますが、法規の分について私が知ならいということについては、もうおしかりを受けてもこれはいたしかたがないわけでございますが、事実はそういうふうなやり方をいたしておるということは御了解を賜りたいと思うのであります。  なお、先般百貨店の問題がございましたが、そのときにどういう通達を出したかという御質問でございます。この前にも出しておりますが、同様趣旨のものでございますけれども、申し上げますと、「公務員としての自覚を持って服務規律を厳正に守り、今回こうむった不信を挽回して、国民の信頼にこたえるよう努力すべきである。この旨を周知徹底をはかるとともに、特に許認可事務に携わる職員については、今後関連業者との間にこの種の事件を生ずることのないよう適宜配置がえをする等の配意をすべきである」、こういう意味の通知を出して、極力そういうことのないようにいたしておるわけでございます。なお、ここにありますところの服務規律ということに関しましては、これは国家行政組織法の第十条にございますが、これは私が申し上げないでも亀田委員のほうがよく御存じのことかと存ずる次第であります。
  66. 亀田得治

    ○亀田得治君 やはりその通達自体が、間違いをおかす第一歩になる点につきまして具体的に書いておらない。一般的、抽象的ですよ。書いておるのですか。書いておるならはっきりおっしゃって下さい。
  67. 福田一

    国務大臣(福田一君) これは昭和三十二年の九月二十日の閣議決定がございます。その中におきまして、「日常の執務については所定の服務規律を厳守させることとし、この際徹底的に執務態勢の刷新をはかること。職員の行動につき常に公私の別を明らかにするよう指導し、職務上利害関係のある者との会食、贈答等で疑惑を招くような行為は厳に慎ませること。」等、いま亀田委員の仰せになったようなことがここに書いてございまして、これは各省から全部下に流してあるわけでございます。
  68. 亀田得治

    ○亀田得治君 この三十二年の九月二十日付の閣議決定というのは非常に具体的に書いてあって、私もこれはなかなかよくできておる決定だと思っておるのです。ところが、先ほどの通達には、このことが引用もされておらないし、私は引用だけじゃいかぬと思うのですよ。そんな四、五年前に流したものを引用したってぴんとくるものじゃないのですよ。その中の一番大事なことは、やはり新しい通達の中にきちんと文章として入れて、この点は特に厳重にやってくれというふうなことにならなければ、私は大臣としての真意が届かぬと思うのです。どうなんでしょうか。
  69. 福田一

    国務大臣(福田一君) われわれは通達を出しますときには、文書としてはこういうことでございますが、趣旨はもちろん役所はそういう所管をいたしております課とかあるいは局とかには、前からのつづりというものは全部あるわけでありまして、実はそういうことも十分見て処理をしてくれておると思っておりますが、しかし御指摘のように、むしろこの際またはっきりそういうことを指摘して、そうしていわゆる事前の取り締まりといいますか、そういうことのないようにするほうがいいという御趣旨でございますれば、われわれとしてはそういう措置をとることにやぶさかではございません。
  70. 亀田得治

    ○亀田得治君 そのほか、いま閣議決定の中で一部お読みになりましたが、そのほかの点につきましても、なかなか微に入り細に入りこの閣議決定というものは問題点を指摘しておるわけなんです。だからもっとそういう点をしっかり認識して、そうしてやってもらいたい。自分の部下の者が何か起案をしてきた。やはり重大問題だという認識があれば、その法的な根拠は一体どうなっておるのか、そういう関連性は当然大臣から質問が出て私はいいと思う。そういう質問もないままに処理されておるどころに私は上も下も、おしなべてこういう問題について感覚がにぶっておるという感じを受けるわけなんです。今後そういう点はしっかりやり直していただけますか。
  71. 草野一郎平

    政府委員草野一郎平君) 私からお答えになりますかどうか、補足さしていただきたいと思います。  その後、昭和三十六年の二月にさらに「行政運営の公正適実化」ということについての閣議の申し合わせをして、これは前回のほど具体性は持っておりませんが、それでも三項目にわたって閣議申し合わせをやってこれを徹底さしたわけでございますが、その後さらに昭和三十八年の七月に政務次官会議で、「国家公務員の規律の保持及び公務の能率的運営について」という、これも相当詳細な改善方策を考えまして、これを徹底させることにいたしました。ところが、ことしになりましてからも、前回のこの綱紀粛正を引き継ぎまして、さらに強化する意味におきまして官庁綱紀粛正連絡会というものをつくりまして、その間さらに一段と範囲も広めることを考えながらやりましたが、御承知のとおり月に二回ずつは内閣のほうで各省庁の人事課長会議等も開いておりまして、こういう問題は一ぺん言ったからいいというわけでもございませんので、反復して常に自覚を要請し、非違の起こらないような注意、しかもそれは各省庁のいわゆる任命権者によって行なわれるべきものでありますから、そういうほかの横の連絡もとりながら、縦のほうへも細密に流していくような方法は常時とっておるわけなんでございます。
  72. 亀田得治

    ○亀田得治君 一応副長官のそういう説明は聞いておきますが、ともかく最高の責住者がはっきりその点をつかんでおらぬような気がして、はなはだ遺憾です。  もう少し具体的に通産関係の問題について入っていきたいと思うのです。通産省の公益事業関係の問題を若干お聞きしていきたいわけですが、その前に公益事業局の監査官ですね。監査官の問題についてお聞きするわけですので、監査官の職務なり、人数なり、仕事のやり方なり、こういう点を参考に御説明願いたいと思うのです。これは局長からでもいいですから……。
  73. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 現在公益事業局には監査管理官というポストがございまして、その下に現在本省では十八名の職員がおります。なお地方には監査官といたしまして定員が四十五名それぞれ地方の通産局に配分をされておるわけでございます。御承知のように公益事業局は、電気事業並びにガス事業を所管いたしております関係上、特に公益事業の監査ということにつきましては、最も厳正に行なわなければならないということで、現在公益事業令の八十一条に基づきまして監査を実施しておりますが、詳しくは昭和三十年の八月一日に公益事業監査規則というものが通産大臣名で出されておりまして、それに基づいて実施をしておるわけでございます。具体的にどの程度に現在やっておるかということでございますが、本省といたしましては……。
  74. 亀田得治

    ○亀田得治君 簡単でいいです。
  75. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 大体大きく分けまして三つございますが、電気の関係でよろしゅうございますか。
  76. 亀田得治

    ○亀田得治君 ええ。
  77. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 第一番目は、九電力の上期、下期の決算及び業務の監査、これは原則といたしまして年に二回全社にやっております。それから第二の項目といたしまして、電源開発株式会社その他の卸売り事業者の決算の監査を実施いたしております。それから第三番といたしまして、九電力、電源開発、その他の建設の監査を実施いたしておるわけでございます。それから通産局はどういうことをやっておりますかと申しますと、九電力の支店以下の上下の決算並びに業務監査、それから公営の電気事業の決算監査、さらに建設監査、本省の監査の際の協力、こういうようなことで現在やっておるわけでございます。  たとえば、年間どのくらいやっておるかということでございますが、何ぶんにもいま申し上げましたように人員が十八人でございますが、本省の場合はたとえば三十八年度に例をとりますと、九電力の本店には、上下二回でございますので十八回、それから業務監査が二十七件、営業所その他で二十六件、建設監査、これはダム、発電所のできぐあい等で三十八年度は一件でございます。合計いたしまして九十件の監査を全国でやっております。失礼いたしました。そのほかに建設監査がございますので合計九十六件でございます。  通産局のほうは、いま申し上げましたような九電力関係が百六件、公営建設監査合計百二十七件の監査を実施いたしておる次第でございます。
  78. 亀田得治

    ○亀田得治君 本省には監査官が十八名おられるようにお答えがありましたが、この人たちは監査のために地方に出張することがあると思いますが、それはどの程度に出張されておるわけですか。
  79. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) いま申し上げました十八名でございまするが、これは監査管理官以下補助も含めてでございます。それから九電力でございますので当然地方に出張するわけでございますが、大体一社一週間程度、しかも二人づつ。それから通産局も含めまして大体全部で四人ぐらいで一週間程度実施をいたしております。
  80. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは年にですか。
  81. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) いま申し上げましたのは、一社について一週間、四人ぐらいでということで、先ほど申し上げましたように、三十八年度で申し上げれば、各社の本社だけで上下二回ですから十八回やっております。それぞれについていま申し上げましたとおりでございます。
  82. 亀田得治

    ○亀田得治君 そこで、端的にお聞きするのだが、たとえばそういう九電力の監査のために監査官が出張する、そういう場合には監査官は現地へ着きますと、ほとんど九電力のお世話になって宿泊もし、待遇されているのと違いますか。
  83. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) その点は非常に重大な問題でございますが、われわれといたしましては、いやしくも監査に参りまして、監査を受ける側からの何といいますか、接待を受けるということはこれは最もよくないことでございますので、もちろんその寮あたりに安くは泊めてもらいますが、金は必ず払い、一切お世話になっておりませんということを申し上げられると思います。
  84. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ局長はそういうふうにはっきり言われますが、そういう場合の出張費というのは、一週間なら一週間分おおよそ見積もって前渡しすることになるのだと思いますが、帰って来てからその点の精算なり計算などをされるのかどうか。もう渡したものは多くても少なくても渡しっ切りということになっているのか。ともかくいま局長ははなはだ明快なことを言われておりますが、実際にそうなっているのかどうかということを検討しておられるのかどうか。旅費の渡し方と一緒にその点をはっきりしてほしい。
  85. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 実際問題といたしましては、実際の旅費、いま申し上げましたように、フルに規定どおりに全部出せるかどうかといった点は、多少少のうございます。したがいまして、ときによりまして二週間ぐらいかかりそうな場合に十日で打ち切ってしまうということはございますが、その点につきましては、実は先ほど大臣からもございましたけれども、私の局長になりましてからあとは、特に公益事業の監督官庁である公益事業局長——実は私が全部集めまして、そういう出張旅費、それから先ほど御指摘の業者との接触というのは極力厳重に注意しろということを、特に旅費関係につきましては全部その内でやってこい、もちろんたとえば会社の寮に泊めていただければ普通の宿泊料よりも安くて、多分に安くしていただくということは別として、実費は必ず払えということで現在やっておりますし、その点はお疑いのようなことはないと私は確信し、また現に精算も、どういうふうに使ったかということは、その行った人は監査管理官あたりには報告しているはずであります。
  86. 亀田得治

    ○亀田得治君 普通のほかの公務の出張の場合と、監査で行く場合とは、しかも監査する者とされる者とが接触するわけでして、それで私は、まあ特にあれもこれも質問できませんから、この点を詳しく聞くわけなんですが、それじゃいま局長が言われるようなやり方で行動してきたかどうかということを、具体的にはどういうふうに確かめておられるのですか。たとえば自分の泊まった旅館の領収書だけは持ってこいとか、ほかの一々のことまではそれはたいへんでしょうが、少なくともそういう点だけははっきり持ってこいとか、そういうことは実行されておりますか。
  87. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) これは先ほど申し上げましたように、たいがい各社の寮みたいなところへ泊めていただくことが多いものでございますから、その領収書は、少なくとも宿泊に関する限り必ず取ってきております。その点ははっきり申し上げることができると思います。
  88. 亀田得治

    ○亀田得治君 寮寮とおっしゃるが、寮以外の宿屋の場合はどうなんですか。
  89. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) もちろん寮がないところで、宿屋の場合でも宿泊の領収書は取ってきておる、実は支社に一括金を渡す場合もございますが、そういう場合に必ず支社からちゃんと勘定書きをもらいまして、そうしてその範囲内であらかじめ払う、あるいはあとから払う、とにかくいずれにいたしましても、その点は私も非常に注意いたしまして厳重にやっておるわけでございます。
  90. 亀田得治

    ○亀田得治君 監査管理官来ていますね——いま局長にお尋ねした点ですが、あなたが監査官の元締めのようなお仕事をやっておるようですから聞くのですが、これは一々少なくとも自分の宿泊ぐらいの点は証票を持って帰るということが実行されておるのかどうか、その点だけはっきり。
  91. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 私いま局長に、ちょっと不注意でございまして、説明が不足でございます。私のほうでは監査の計画とあわせまして旅費を出すわけでございますが、実情を申しますと、非常に仕事の量がふえておりまして、なかなか十分——いま局長がちょっと申し上げましたとおり、たとえば一回参りますと、二社やる場合に、二十日前後になるわけでございます。その場合に、二十日分というものはどうしても出せないわけでございますので、まあ内輪で旅費を切るわけでございます。それでその場合に、汽車賃と、それから寮などに泊めていただくことをたてまえにしまして、一泊幾らというふうに立てまして、そうして各社の支社、電力会社の支社でございますので、支社の担当の方に来ていただいて、正式に支社にお渡しして、それで支社から領収書をもらいまして、それでその範囲内でひとつ御迷惑がかからぬようにお願いしたい、こういうやり方をやっておりますので、一々の宿泊の領収書はもらっておりません。
  92. 亀田得治

    ○亀田得治君 どうもはっきりせぬですな。何か寮に泊めてもらうことが前提になっているような感じを受けるわけですが、第一監査する者は監査される人の寮に泊まることを前提にして初めから出かけていくというのは、これは一体どういうことなんです。むだ使いする必要はないですけれども、ちゃんと一定の宿屋に泊まれるように行くのがあたりまえでしょう、どうなんです。
  93. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) ちょっとその点私の言い方が悪かったのでございますが、もちろん寮ばかりではないので、決して寮に泊めてもらうためにという意味じゃございませんので、要するに私の申し上げたかったのは、寮に泊まる場合もございますし、宿屋に泊まる場合もございますが、宿屋に泊まる場合には大体出張旅費に見合ったようなところへ泊めてくれということはお願いいたしておりますので、要するに与えられた旅費の範囲内でやってくれるようにまあお願いするという意味でございまして、決して寮に必ず泊まるというような意味で申し上げたわけではございません。
  94. 亀田得治

    ○亀田得治君 それじゃ過去二年間分でいいですから、その出張した監査官の泊まった場所ですね、これを一覧表をひとつ出してください。これは委員長に要求しておきます。  それからもう一点は、一体宿泊場所を監査を受ける人に依頼するようないま意味のことをおっしゃっているわけですが、通産当局にはちゃんと地方の官庁があるわけなんです。どうしてそこにお話しをして、特に監査で行くのだからお前その出先機関のほうできちんとやってくれと言うことができないのです。
  95. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) もちろん通産局の公益事業部というのがございますめで、そちらへちゃんと何月何日に行くからということで、通産局であっせんをしてくれる場合も多いと思います。ただ、まあ普通の宿屋ということでございますと、やはり一定の料金ということになりますので、寮に泊まる場合も間々あるというだけで、もちろん通産局のほうでおそらくアレンジする場合も相当あると思います。
  96. 亀田得治

    ○亀田得治君 それじゃさっきの二年間の表にくっつけて、どのルートでその宿泊場所をきめたか、これをはっきりしてください。こまかいことのようですが、非常に重大な問題です。なれ合い監査をやっているのじゃないか、そういう批判などはそういうところから出てくるわけなんです。  それから次に、もう少し具体的に聞きますが、あなたの監査官の中に井上正樹、土屋恒治、森良一、こういうような人がおられますか。
  97. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) おります。
  98. 亀田得治

    ○亀田得治君 本年の二月に徳島に出張したことがありますか。ありましたら、何日から何日でしたか、その目的、そういう点をお答え願いたい。
  99. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) その三名の者が四国電力のほうの監査に参りまして、徳島支店の会計と業務の監査をしに参っております。何日から何日というあれはいまちょっと手元にございませんが、この前でございますから、三十八年の上半期分の監査だったと思います。
  100. 亀田得治

    ○亀田得治君 この人たちが帰られまして、その調査の結果の報告というものは管理官のほうに出ておるわけでしょうが、その内容説明してほしい。
  101. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 本来帰ってまいりますれば、直ちに取りまとめて私のほうに出して、いろいろ示達することがありますれば示達するたてまえでございますが、ずっとその仕事が順送りになっておりますので、まだこまかい点までは詳細には聞いておりません。問題点だけは大体拾ってまいっておりますので、それをいま検討中でございます。
  102. 亀田得治

    ○亀田得治君 問題点の報告は出ておるわけですか。
  103. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 一応私どもが問題にいたしますのは、結局こういう点が改正すべきであるという意見が出ます前に、事務当局でいろいろ議論するわけでございます。それから順序で申しますと、最初おのおの担当官が一つの会社を調べるにつきましても分担してやっているわけでございますから、それを持ち寄りまして、そうして内部の討議にかける、討議するわけです。そしてそれが非常に重要な問題あるいは軽微な問題、いろいろあるわけでありますが、まずそれを拾いあげて、それから担当官が往々にして聞き違えたり、あるいは説明が不足の場合、会社側にいろいろ聞いたときに説明が十分でなかったというような問題もございますので、それを問題にして取り上げますけれども、一応内示と申しますか、こういうふうにわれわれ考えておるけれども、会社はそれに対してどういうふうに考えるのだということを一応やるわけです。それに対しまして会社が、その点はいま申し上げた説明不足でしたとか、あるいは違いますとか、いろいろ言ってくることもありますので、それを修正した上で最終的には討議にかけて、局長の決裁を受けて、こういう点を修正すべきである、こういう点は示達とまではいかぬまでも、今後注意されたがよろしいというようなことでもって文書を出すわけです。それの目下作業中でございます。
  104. 亀田得治

    ○亀田得治君 いや結論を出すには相当な時間がかかるでしょうが、二月なら二月、三名の方が監査のために出張すれば、帰ってくれば、すぐといってもなかなか即日という意味でもないわけですが、帰ってきた場合にはともかく早い時期にあなたのほうに報告というものがあるわけですか。ただその調べてきた監査官だけが問題というものを持っていて、そうしていろいろ最終的な相談をする際にそういうものを持ちながら相談をやっていく、そういうことになるのですか、どっちなのですか。
  105. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) いろいろ調べてまいります内容が会計と、いま申し上げました業務全般にわたっておりますので、一般的に申しますと、私どもが仕事の上で非常に重要な問題、各担当官が重要な問題だと思ったものはとりあえず私の耳に入れるたてまえをとっておりまして、その他の会計経理の誤り、あるいは電気事業者の供給規程の運用の問題、小さなサービスの問題でございますが、ままありがちな問題等につきましては、あとでまとめて一緒にこういう問題があったということを報告するということになっております。
  106. 亀田得治

    ○亀田得治君 重要な問題はとりあえず報告があるというのは、帰ってきてとりあえずそれは文書であなたのほうに出されるわけですか。
  107. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 大体口頭でまず申します。文書は最終的になるわけであります。
  108. 亀田得治

    ○亀田得治君 そういう重要なことは、これはちゃんと文書で出さなければ、言葉のあやなどでどうにでもこれはまた変わっていくわけなんです、同じような問題があっちにもこっちにもあるわけでしょうから。その文書で出しておらぬから、これはどうにでも訂正できますね、その監査官の意見というものは。これは監査というものは、形の上においてもそういう目で見られるようなことを避けるべきですわね。それは当然帰ってきたら帰ってきたで、その時点における問題点を出しておく。議論はあとでいいわけです。これは国会の出張にしたってみんなそうしているわけです。そうしなければ締めくくりがつかぬじゃないですか。そんなもの口頭なんかで出しておくというようなことを言ったって、締めくくりがつかない。その内容的なものを私きょう特に言うわけではないのでして、これはまた別の機会にいたしますが、そこで、この三名の方が四国に出張されて、私の調べた範囲内では、先ほど局長が言われたように、きちんと折り目正しく監査をやってきておらない。また通産大臣も先ほど言われたように、そういう立場から見てもはなはだ曲がったほうに監査のし方がされておるわけですね。そういう行動面について、特に局長なり監査管理官がお聞きになったことありますか。
  109. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 私は曲がった行動をしているというようなことは聞いたことはございません。
  110. 亀田得治

    ○亀田得治君 管理官は。
  111. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 私は監査に出ます前に必ず全員に、いろいろ監査のやり方、手法について、要領も言いますし、それから出かける前に注意しております。そしていやしくも監査上問題になるようなことがあってはいかぬ。それからいま先生がおっしゃいましたような行動の点についても、慎んでやってくれということを十分申し渡しておりますので、課員もその趣旨でやってくれておるものと思います。
  112. 相澤重明

    ○相澤重明君 関連。いまの管理官の答弁は 法律違反です。大臣にお尋ねしますが、国家公務員等の旅行をする場合の法律は御存じでしょうね。いまの答弁を聞いておると、この法律を守っておらぬということになるわけです。国家公務員等の旅費に関する法律、その第四条「旅行命令等」は、これはその第四条の六には「旅行命令簿等の記載事項及び様式は、大蔵省令で定める。」、きちっとしてあります。どうして口頭で指示をするのですか。旅行命令簿等にそういうことは記載をして、いわゆる法律に基づいてできない場合は口頭でやってもよろしいし、電報で手配してもよろしいということを、なぜそれはさっきの亀田委員質問のとき答弁できないのですか。いま一度答弁して下さい。
  113. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 先生のおっしゃいますこと、私申し上げましたのは、命令はちゃんと命令で出していたしております。ただ亀田先生のおっしゃいましたことに回答いたしましたのは、監査をして帰ってきたときに、重要な事項の報告をなぜ文書をもってしないか、こういうおしかりでございましたので、私どもはそれは正式にまとめるものでございますが、とりあえずこういう問題がありましたということを口頭で担当官が私に報告するということを申し上げたわけであります。
  114. 亀田得治

    ○亀田得治君 それじゃあ私具体的に申し上げましょう。  どうもそういう重要な監査の使命を帯びて部下の人が出ていく、帰ってきてもそれについての確かめ方などがはなはだ足らない。だから私から具体的に申し上げます。ちょっとメモをしていって調べて下さい。  土屋君は二十三日、一日早く二月二十三日この徳島に着いて吉野という旅館に泊っておる。これは徳島市の一流の旅館です。それから翌二十四日には井上君、土屋君、森君三人が一緒になり、同じくその「吉野」に泊まっております。特にこの二十四日は、三人そろって四国電力の方々と一緒に夜おそくまでいわゆるマージャンをやっておる。しかも、両日とも電力の人もその旅館に同宿しておるわけなんです。まあ、なかなか、原告、被告、仲がいいものです。で、翌二十五日は「粋島館」にかわりまして、そこでやはり四国電力の人も同宿して泊まっておる。そうして、この「吉野」にしても「粋島館」にいたしましても、宿をとったのは通産省の出先じゃなしに、四国電力からとっておる。支払いも四国電力がしておるわけなんです。その支払いの点は、特に私が発言する以上は、これは物的な証拠なんかもちゃんとこっちにありますから、見たかったら、いつでも見せてあげます。まるきり、局長や管理官が先ほどから言っていることとこれは違うわけなんです。それから翌二十六日は、午後汽車で徳島から高松に行っております。高松は四国電力の本社のあるところですが、駅前から直ちに四国電力の本社の車で「登志」という、これも高松の高級料亭に行って夜おそくまで、これはマージャンの程度じゃない、どんちゃん騒ぎをやっている。そうして高松に一泊して、翌朝早く出発しているわけなんです。  こういうことを皆さんがうすうす知っておって放置してあるのか。まるきり知らぬとしたら、これは全くとんでもない話ですね。みんなぐるになってやっているんじゃないかということになりますよ。皆さんの出先官庁が四国にあるわけでしょう。少なくとも、大臣の部下の四国の人は、こういう事実は知っているはずなんです。いかぬことなら、言うてこなければいかぬでしょう。だから、私はぐるだと言うし、氷山の一角だと業者の人たちが言うのは、これはあたりまえですよ。これは大臣、どう思いますか。
  115. 福田一

    国務大臣(福田一君) 出張をいたしましたときに、そういうような儀礼といいますか、まあ初めて来られたような場合には、せっかく来られたからというような意味で何か会合でもするということは、まあ私はあると思いますが、いまのお話のようなことが連日続いておったということでありますと、事実であれば、はなはだ遺憾だと思います。
  116. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) いまの亀田先生から御指摘を受けました徳島におきます宿屋の支払いでございますが、これは前に支社に一括して払っておると申しましたが、あとで精算いたしまして領収書もいただいております。
  117. 亀田得治

    ○亀田得治君 その領収書の金額は幾らで、その領収書はいついただいた領収書ですか。
  118. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 金額の点は正確には覚えておりませんですが、一括して出かける前に支社に渡しておりまして、その足らない分をあとでまた補足さして払った、こういうことでございます。領収書は担当者が持っておるはずでございます。
  119. 亀田得治

    ○亀田得治君 ここにちゃんと「粋島館」からと、それから「吉野」から出た領収書の写しがあるんですがね、れっきとした。四国電力がこの領収書を旅館からもらっておるわけなんです。それと矛盾するんじゃないですか。どういうことになるんですか。旅館に泊まれば旅館で自分がもらってこなければいかぬでしょう。それを四国電力に一括して払わしておいて、あとからどうも問題になりそうだからと、こそこそと四国電力のほうに金を渡したりして、そうして何かさかのぼったような領収書のようなものを四国電力からもらったって、何にもならぬでしょう。おそらく、あるとすればそういうことでしょう。「吉野」のほうからは、ちゃんと二十三日の分、二十四日の分、一括して領収書が出ておるんです、四国電力あてに。それはどういうことになるんですか。
  120. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 先ほど申し上げましたとおりに、監査に行く前に、各支社に、その汽車賃と宿泊の幾らというものを、大体何日泊まるからということでお渡ししてあるわけでございますが、特に、いまのお話の場合には、支払いがあとで追加があるということで、精算してもらいたいということを申し上げましたらば、こういうことになりますということで来たわけでございますが、それでまとめて払った、こういうことでございます。
  121. 亀田得治

    ○亀田得治君 あとから来たというのはいつのことです。四国からあとで追加払いが来たというのはいつのことですか。
  122. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) それは帰ってきたときに、そういうふうに聞いております。領収書も確かに見ました、担当者が帰ってまいりましたときに。
  123. 亀田得治

    ○亀田得治君 四国電力のほうにあなたのほうから、出発のときに直接宿泊料というものを払ってあると言うんですね。そういう説明ですね、そういうことですか。
  124. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 一般的に払います、前に。それで足らない分——向こうではみ出たと申しますか、そういった点の精算をお願いしたわけでございます。そうしたら、そういう領収書と一緒に来たので金を払った、こういうことと思います。
  125. 亀田得治

    ○亀田得治君 最初は、宿泊一日幾ら渡しておるんですか。
  126. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) これはまとめて払いますので、一日——一カ所でございますか。
  127. 亀田得治

    ○亀田得治君 最初電力へ先払いしたというのは、一日幾ら渡したんですか。
  128. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 一日分——先ほど局長の申しましたとおりに、私どもは十分と申しますか、十分な旅費でなるべく監査をよけいやるために、日にちを定めておる関係もございまして、なるべく量を多くやりたいという気持ちもありまして、宿屋にしても安いところに泊めていただきたいということでございますので、七百円くらいだと思います。
  129. 亀田得治

    ○亀田得治君 そんな七百円あたりで、それで監査官として体面の保てるようなきちんとした宿泊のしかたができるわけがないじゃないですか。だから、初めから、いまの御答弁から推測すると、一部渡してあとは向こうの世話になってやってこい、そういうことじゃないですか、それは。しかも、その四国電力が一たん一括して旅館に払ったものを、本人から取りますか、また、本人も払いますか。それほどきちょうめんな人なら、初めからそんな疑惑の受けるようなことはしませんよ、あとから追加払いするくらいなら。だから、初めの六百円か七百円はそれでわかった。あとの追加払いというのは、一体幾らしたのですか。これははっきりしてください。
  130. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 手元に領収書を持っておりませんので、また、あとで調べまして……。
  131. 相澤重明

    ○相澤重明君 関連して。先ほど私は、国家公務員等の旅費に関する法律、こういうことを申し上げたのですが、その第三条の旅費の支給ということは通産省はやっておらぬのですか。いまの答弁を聞いておると、全然それはやっておらぬということですね。通産大臣どうでしょうか。この法律に基づいて旅費の支給あるいは旅費の計算、そういうものはやっておらないのですか、通産省は。
  132. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 先ほど七百円とかいろいろ申し上げましたけれども、要するに、監査旅費というものが年間にワクがございます。したがって、たとえば二週間かかる場合でも、場合によっては十日間分の旅費ないし日当というものであらかじめ打ち切ることがございます。したがいまして、いまの場合でも、これは、私は具体的に幾らかわかりませんが、一応十日分の旅費ないし宿泊料を渡して、そうして帰ってきて足りなかった分を、これは現実に私も行きましたが、私たちも差額は払っておるはずでございます。幾ら払いましたか、あとで調べましてお答え申し上げます。したがいまして、確かに、相澤先生の御指摘のような、十五日の出張命令が出ておるのでございますが、予算に縛られておるから、十日分のものは全部やっておるわけでございます。出張命令は出しておるわけでございます。
  133. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの公務員の旅費に関する法律の策三条に「職員が出張し、又は赴任した場合には、当該職員に対し、旅費を支給する。」と、こうなっている、法律は。これは、いまの亀田委員質問に対する答弁はまるっきり違うし、それから十五日とか十日という仮定の話は、これはまた別ですよ。第三条のこの法律の考え方というものは、一体どこにあるのですか。そういうことについては、通産大臣は少なくとも法律の命令権者ということなんですからね、あなたは。通産大臣は命令権者なんです。出張させる場合の命令権者としてのあなたの責任があるわけですよ、これは。どういうことなんですか。こういう点、いまの亀田委員質問に対する答弁を聞いていると、法律というものは全然使っていない、こういうようなことになるわけですね、これは。それでどうですか、いま一回答弁してみてください。
  134. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) お答え申し上げます。  十五日か十日かの問題は別といたしまして、ちゃんと出張命令というものを出しまして、本人に金は渡しております。その点は間違いございません。
  135. 亀田得治

    ○亀田得治君 管理官に聞きますがね、この二月の三名の出張は、十五日以下だったのでしょうね。
  136. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 私どもの管下に、大体決算の場合には、電力会社が九電力——九つございますので、それで東京電力は地元でございますので、これは旅費は要りませんが、大体ほかの八社を四組に分けまして、第一週目に、一週間と申しましても……。
  137. 亀田得治

    ○亀田得治君 いや、何日かかったかということを聞いているのです。
  138. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) ですから、全部であと先二十日ぐらい、一人で一社を受け持つわけでございます。それから四国が済めば、今度は中国に行く人もあれば、今度は組みかえて関西に行く人もあれば、北陸に行く人もあり、関西の人は中国でその人と落ち合うというようなことでやっております。だから、先ほど局長が申しました、原則として一社一週間ぐらいというのは、そういう意味でございます。あと先を入れますと、大体二社で二十日ぐらいかかるというわけでございます。
  139. 亀田得治

    ○亀田得治君 何も一社にそんなにかかってやせぬじゃないですか。だから、この三名ですね。何日何時東京を出発して、そうして四国を済まして、それから中国なり、あるいは関西電力に回ったかもしれません。それをずっとたどって、何日東京に着いたか、これはきちっとわかるのでしょう。その資料を出してください。  それからもう一点確かめておきたいのですが、追加払いをしたというのでありますが、これは三名からの何か要求があってこう追加払いをしたわけですか。あるいは四国電力から直接請求があるのに対して払うわけですか。そのルートはどうなんですか。
  140. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 追加払いしたと申しますのは、三名の者がもらった旅費の中から、三名のおのおのの者が追加払いをした、こういうことでございます。
  141. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、それは三名の人が東京に帰ってから以後のことになりますね。当然そうなりますね。
  142. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 精算しましたのは、以後だと思います。
  143. 亀田得治

    ○亀田得治君 いやいや、払ったのを聞いておるのです。四国電力に払ったのを聞いておるのです。
  144. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 払ったのは——それもあるいは以後かもわかりませんです。
  145. 亀田得治

    ○亀田得治君 役所として本人たちに追加分を出したのは、いつなんですか。
  146. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 追加分は出しておりません。
  147. 亀田得治

    ○亀田得治君 初め、足らないのでしょう、どうなんですか。
  148. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) そうじゃございません。最初、いま申しましたとおりに、旅費を出しまして、その中から、監査に行きますと、いろいろ宿屋の問題もあるし、わずらわしい点もありますので、一括支社を通じて計算をお願いしておるわけです。まあ、申しますれば、安い宿屋というか、そういったものをこちらからさがすのは容易でないし、あるいは、うまくいけば、寮あたりに泊めていただけば社員並みに扱ってもらえるということもあるというようなことで、安い宿泊を期待しておるわけです。それを引き当てに最初渡しまして、どうも超過しそうだというので、精算追加があるならば、お払いしますから出していただきたいということを言って、そうして、あとで追加を払ったと、こういうことでございます。
  149. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、初めにこの三名の方には全部渡しておるようなお話ですね。そうすれば、お金を持って行っておるわけですからね、当然この徳島なり高松を離れるときに、先に送ってある分が不足しておるのであれば、払っていかなきゃいかぬわけですね。それはどうなっているんです。
  150. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) その点は、本人たちがあるいは現場で払ってまいっておるかもわかりませんが、こまかい点はそこまでは聞いておりませんので、ただ領収書だけは見ました。
  151. 亀田得治

    ○亀田得治君 領収書をどうした…。
  152. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 領収書は見せてもらいました。払っておるということは承知しております。宿屋の領収書ですか、その他、本人たちが持っておることは承知いたしております。
  153. 亀田得治

    ○亀田得治君 ほかの質疑関係もあるようですから、ともかく、先ほど要求しました具体的な資料を出してもらって、都合でひとつ、不明確な点は、御本人たちに来てもらって問題点を明らかにしてほしいと思います。  そこで、追加して別件を聞いておきますが、大坪管理官に関することを直接聞いておきます。  あなたは、昨年の六月十二日ですが、四国電力の大森川発電所建設工事に関する調査事項の報告についてと、こういう、これは四国電力から来ておる書類ですが、この書類を田中代議士のところへ持参されたことがありますか。こういう書類です。わかりますか。
  154. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) わかります。
  155. 亀田得治

    ○亀田得治君 持参したことがありますか。事実だけ簡単に聞いておきます。
  156. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 私は、それに対する意見を聞かれて、意見について御説明に上がったことは覚えておりますが、その書類を直接あるいは持っていったかもわかりませんが、ちょっとそこんところ明確でございません。意見は確かに持ってまいりました。
  157. 亀田得治

    ○亀田得治君 この四国電力から出た公益事業局長あての、六月十日付の書類ですが、これを田中代議士のところへ六月十二日に持っていくと同時に、いまあなたがおっしゃった、その公益事業局の見解ですね。これに対する見解です。これを持っていかれたわけですね。それは間違いありませんか。
  158. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) さようでございます。
  159. 亀田得治

    ○亀田得治君 ところが、四国電力の書類も六月十日、公益事業局の見解も六月十日なんです。普通ならば、四国電力の書類が来たら、これは相当衆議院で紛糾しておる問題なんですから、これを検討して、そうして、あなたのほうの見解というものをおつくりになるのが常識ですね。ところが、あなたのほうの見解は、これも相当分厚い。こういうものが、一体同じ日にでき上がるというのは、これは一体どういうことですか。
  160. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 当時その問題は、田中先生が国会決算委員会でいろいろ御質問ございまして、非常に急がれて、重要な問題と思いましたので、出ましてから直ちに検討いたしまして、それで、日にちはたまたま出た日と何事なく合わせただけでございまして、すぐそれを検討して意見をつくって、とりあえずそれを持ってまいりました。そうして口頭でかけつけるつもりでございましたけれども、当時の局長から、何かメモでも書いてきたらどうかと言われたので、あわてて私が走り書きで書いて説明に参りました。こういうことでございまして、日にちはたまたまその日、出た日を見て合わした、こういうことでございます。何ら他意はございません。
  161. 亀田得治

    ○亀田得治君 この四国電力の書類が出たのは六月十日でしょう。これは間違いないんでしょう。あなたのほうへ提出されたのは、日付がそうなっているのです。
  162. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 日付はそうなっていますが、ちょっと明確には覚えておりませんが、六月十日付であることは事実でございます。
  163. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは日付よりも、一日か二日、何か都合で十日付のやつが十二日に出たということはあるけれども、これよりも前に出ておったということはないでしょう、この書類が。
  164. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) それはございません。
  165. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、これが出るやいなや、あなたのほうの見解がちゃんとこの書類にくっついておるわけです。こんなうまいこと、早く書類というものはできるものですかね。
  166. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) この問題につきましては、前に、その四国電力が行ないました調査の結果を出します前提となります当時の土木部長の堤さんが出された六項目にわたる問題点がございますので、この問題については、それ以前から堤さんからも言われておりますし、われわれも事実上検討いたしておったわけでございます。で、出ましてぱっと見て、これについて内々内部では十分検討しておるわけでございますので、そういう文句を書いたわけでございます。
  167. 亀田得治

    ○亀田得治君 いかにもてきぱきおやりになるわけですが、普通の役所の仕事とはだいぶ違う。これは持って行ったのは十二日となっておりますが、実際は十一日も何か連絡をとられたような——。そうすると間髪を入れずこれができておるわけです。——ちょっと待ってください。これはゆっくり私、あらためて聞きますよ。ともかく、こっちが非常に疑問に思うわけです、こんなことは。こういう紛糾しておる問題についての当局の見解をこれだけまとめるのに、さあ書類ができた、これだ。初めからあなた、両方がつうつうになっておって、両方うまく合うような書類をつくっておる印象がきわめて強い。それを田中代議士がおこって、そんないかげんなものを受け取れるかということでこれを突っ返したらしい。持って帰ったでしょう、当局の見解のほうを。持って帰ったですか。帰ったか帰らぬかだけでいい。
  168. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 持って帰りましたけれども、先生のおっしゃった、持って帰れと言われました理由は、いま亀田先生のおっしゃった理由ではございません。それは前段に書いてございますように、当局の見解だけを入れましたところが、これについては、当時の局長から堤氏個人については役所として調べるわけにいかないので電力会社だけしか調べられない、この点を御了承願いますということを申し上げたわけです。その前段にもちょっと書いてございますが、堤氏の意見を聞くことはできなかったわけでございますので、そのことを申し上げたら、一方的だからだめだ、持って帰れ、こういうことでございます。それで持って帰ったのでございます。
  169. 亀田得治

    ○亀田得治君 だから、田中代議士が断わったのは、四国電力から書類が出た、その批判者の意見を聞かないで、四国電力の書類だけに基づいてこれをつくったことに対して、憤慨したことは事実なんです。ところが、私がずっとそういう事実関係を今度いろいろ聞きましてふしぎに思ったのは、あまりにも早過ぎるんじゃないかという点なんです。だから、それは一つの私が持つ疑問です。普通の役所仕事からいって、事前に四国電力となれ合いでなければ、こんな書類が早くできるものじゃない。  そこで、その日にあなたは、渋谷の三業地の「宮よし」という待合へ行ったでしょう、四国電力の人と一緒に。どうです。
  170. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 私は四国に六年その前におりまして、その古い知り合いの人が一年ぶりに出てきたというので、そこにマージャンをしに参りました。偶然、その日に参りました。
  171. 亀田得治

    ○亀田得治君 四国電力の相手方は、だれとだれなんです。
  172. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 四国の本社のほうから参りましたのは、矢野という人でございます。それから、こちらの本社におります若い人で天野という者と、関谷という若い人でございます。その三人で参りまして、二時間か二時間半で帰りました。
  173. 亀田得治

    ○亀田得治君 それから六月中旬のいまの問題がある前、五月の末ころですね、あなたは勝沢代議士のところへ行って、四国電力の中川社長が勝沢代議士にお目にかかりたいと言っているが、時間などはどうでしょうか、こういう話をしたことがありますか。
  174. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) その事実はございませんです。
  175. 亀田得治

    ○亀田得治君 いや、聞いたほうがそう言っているんだから。まるで四国電力の使いのような態度で勝沢代議士のところに行っているでしょう。
  176. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 事実ございません。
  177. 亀田得治

    ○亀田得治君 事実ないと言うと、ものの言い方が多少違うという意味ですか。勝沢代議士のところを訪れたことがないということなんですか、どっちなんですか。
  178. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 勝沢先生から呼び出しを受けまして、いろいろ資料を要求されました。これは四国電力の石炭の問題について、それからいまの大森川の問題についての、こういう資料を出してくれという秘書の方の連絡がございまして、その資料をつくって、お伺いしていろいろ説明したことはございますが、私は中川社長に頼まれたとか、そういうことは一切ございませんので、私も実はある新聞で見まして、びっくりしておるわけでございます。
  179. 亀田得治

    ○亀田得治君 じゃ、中川社長のことを言われたことは絶対ないとおっしゃるわけですね。
  180. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) 私は、そういうことを申し上げたことはございません。
  181. 亀田得治

    ○亀田得治君 じゃ、中川社長以外の電力の方はどうですか。
  182. 大坪武次

    説明員(大坪武次君) その事実もございません。
  183. 亀田得治

    ○亀田得治君 じゃ、一応そういうふうに聞いておきましょう。責任ある人が、私の調査に対しては、そういうふうに答えておるわけですから。もっと事実関係をはっきりしましょう。  そこで、刑事局長の見解をちょっと求めたいと思うのですが、先ほど質疑のあったようないきさつであるわけなんですね。一つは、四国に出張して、そうして職務上これはきわめて密接な関係者、監査するほうと、されるほうなんです。それがわずか六百円か七百円の先払いをして一流の旅館に泊まって、そして、それに付随していろいろなもてなしを受けて帰ってくる。追加払いをした、せぬというのは、どうもまだはっきりしませんが、刑法上、これは一体どういう理解になるのでしょうか、御参考までに聞いておきたいと思います。
  184. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 事実関係が明確でございませんので、刑法上どういうことになるかという意見は申し上げかねるわけでございますが……。
  185. 亀田得治

    ○亀田得治君 明確になりましたよ。
  186. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 亀田先生の御意見はきわめて明確でございますが、客観的に事実に合うかどうかわかりませんので、その客観的事実をもとにしないで刑法上どうなるかということを申し上げる私はそういう立場のものでもございませんし、意見を申し上げられません。
  187. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは、わいろ罪の疑いというものはないわけですか、どうなんです。疑い——私が最初申し上げたことに対していろいろこまかく聞きますと、だいぶ私が予想しておったような事実関係が想像できるようなお答えも出ておるわけですね。疑いというものもないのですか、どうなんでしょう。
  188. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 私には、まあ、ちょっとまだ判断がつきかねるわけでございます。
  189. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ、役所同士はどうしてもそういうことになるんで困るわけですよ。だれだってこれは疑いますよ。断定ということになれば、あなた自身がわれわれの持っている資料も見たいだろうし、領収書なども見たいでしょうが、疑いも持たぬというような、そういうことで一体、刑事局長よくつとまると思うのです。笑いごとじゃないですよ。  そこで、行管と会計検査院にお尋ねするわけですが、一体、監査をする者とされる者、これは行政監察でもいいし、行管でも、会計検査院でも一同じことです、問題の性質は。そういう立場の者が出張したりする場合には、一体どうあるべきか。これは行政上非常に重要な問題である。会計検査院は一体どういうふうにおやりになっているか。行政監察のほうは一体そういう目的の出張の場合に、どういうふうに指導されておるのか、お聞きしておきたい。単なる指導だけじゃなしに、実際にどうなっておるか、両方からお答え願います。
  190. 芥川治

    会計検査院長(芥川治君) 検査する立場と検査を受ける立場とは、厳重にこれを区別してかからなければ、検査というものは完全に行なわれないわけでございます。特に出張する場合には、事務総長のほうで出張官に対しまして厳重にその点を注意し、また、帰りましてからもその報告を聞いて、また私どもの手元にも、どういう仕事をやってきたかという申報書も提出をされてきておりますし、厳重にやっておるつもりでございます。
  191. 山口一夫

    政府委員(山口一夫君) 現在の公務員の出張旅費が非常に安いということは事実であります。しかし、これとただいまのお話とは別問題でございまして、行政監察局の監察いたします場合のやり方に照らしまして考えますと、監察を受ける特に民間の支社の方にいろいろお願いをするということは、適当な方法でないと考えております。監察あるいは監査の場合は、一般の場合もそうでありますが、特に李下に冠を正さずという態度が望ましいと思います。
  192. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ、その両方から原則的な立場はお答えあったんですが、具体的に宿泊費などについて相手方の世話になる。そういったようなことはきちんとけじめをつけてやっておられますかという点をお聞きしたい。
  193. 芥川治

    会計検査院長(芥川治君) 検査院におきましては、地方支分部局を持っておりませんので、特に官房において、検査院の指定しました旅館を表をつくってございます。原則はもちろんそれに泊まる。料金も大体検査院が協定しておりますので、旅費の範囲内でまかなわれておるはずでございます。  それから、なおそこまで言うと、それじゃ旅館のないところはどうするか、こういう御質問が出るかと思いますが、たとえば相当山間僻地に入った場合には、旅館がない場合がございます。これはあるいは営林署の寮に泊まるとか、そういう世話になることは、これはやむを得ないと思います。その場合には、厳重に規定されました料金に基づく領収書を必ず持って帰るように指導いたしております。
  194. 山口一夫

    政府委員(山口一夫君) 行管の監察の場合は、規定の旅費の支給をいたしまして、その範囲内で、多く国家公務員の宿泊所を使用いたしております。たまたま場所等の関係で、対象の機関が、たとえば国鉄の監察をいたします場合に、関係ところに参りました場合には、国家公務員の寮のないときには、国鉄の関係の施設を避けまして、たとえば営林局の、寮を借りるとかということの配慮をいたして監察を実施いたしております。
  195. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ両方からお答えをいただいたわけですが、これは当然なことだと思うのですね。そう水くさいことを言うなといった問題等もあって、なかなかやりにくい点もあろうと思うが、やはりこれはけじめをつけてきっちりやってもらいたいと思う。ところが、一般の行政官庁は非常に乱れておる。まあ裁判所、法務省関係は違うと思います。その点は私も多少見ておりますが、一般の行政官庁ではどうもそういう点が、私はルーズになり過ぎていると思う。だから、そこで、行管なり会計検査院でも、その点に焦点を合わした調査を一ぺん本格的にやってもらいたいと思う。はたして出張というものが、官吏として公正を疑われないようなやり方でやられておるかどうか。特に電力関係ですね。この行管からの資料を拝見しますと、三十六年に、電力行政監察というのを一度行政監察されたようですが、おそらく、きょう質疑をしたような、そういう問題点について特にお調べになったわけでもなかろうと思うのです。しかし、国家公務員の姿勢を正せという立場から見ますると、これは小さいようなことでありますが、実は非常に質的には大きな問題なんです。だから、私は、これは両方にひとつ、特に通産、そういうところに焦点を置いて本格的に一ぺん調べてほしい、どうですか。
  196. 芥川治

    会計検査院長(芥川治君) ただいま、ある部局に限って、料金の支出状況といいますか、支払い状況といいますか、それを検査院が調べるようにというお話でございましたが、私の経験によりますと、過去において、たしか昭和二十四年ごろに、非常に架空経理が多いようでございました。旅費の架空経理を各省にわたって厳重に取り調べまして是正をさせた結果、もう最近においては、一般官庁において旅費の架空経理の支払いというものはなくなっておると思います。いまお話しのように、各省の各個人がどういうふうな実情にあるか、こういうことはちょっといまの段階では、すぐにお答えができないのであります。
  197. 亀田得治

    ○亀田得治君 行管はどうですか。
  198. 山口一夫

    政府委員(山口一夫君) 公務員の綱紀の問題は、きわめて重要な問題でございます。監察におきましても、監察の途上において、綱紀に関する問題についての、綱紀を維持するために特に必要と認められました事実がありました場合には、長官が行政機関の長に勧告をいたすことになっております。ただいまお話しの、特にこの問題を主題とした監察を実施することにつきましては、さしあたり、現在実施しております監察を、各四半期ごとに計画を立てまして、四半期を単位としてやっておりますので、将来計画を樹立いたします場合に、制度の運営あるいは制度の改善にこの問題がいかに触れるかというような問題を検討いたしまして、監察計画の場合に検討さしていただきたいと思います。
  199. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ、ちょっと双方のお答えでは、多少私としては不満なんです。もっと積極的に——これはいやがられるかもしれぬが、やはり問題をもっとはっきりさせるということはぜひ必要だと思うのですね。実際に旅費が足らぬというような問題等も、場合によってはあるかもしれぬ。そういう場合には、やむを得ぬ場合には、それがちゃんとふえるようにしたらいいわけだし、現実はおそらく、今度三名の方に来てもらって私聞きたいと思うのですが、六百円か七百円、あれで済ましているのですよ。しかし、いろいろうわさが出てきたので、急いであとから納めたやに私は推察しているわけです。これが、いろいろ領収書の写真をとられたり、いろいろなことをしなければ、これはおそらくそのままになる。氷山の一角ですよ、これは。私だって、そんな一々たくさん調べて歩くわけにはいかぬわけでして、業者がそう言うておるわけですから。だから、行管の場合は、特にこの行政運営に関連して綱紀ということをやかましく言っている立場なんですから、もっと積極的にひとつぜひ具体策というものを検討してほしい。  最後に、通産大臣にもう一度お聞きしたいわけですが、いずれ詳細なことはまた尋ねたいと思いますが、ともかく、当初局長が答弁していたような筋の通ったことが、少なくとも、今年二月、四国電力に行かれた諸君についてはなされておらぬことは事実なんです。具体的にこの問題に触れるまでには、きわめて普通のとおりの、まっすぐいっているようにおっしゃっておる。そうじゃないのです。ないこと自体もうはっきりしている。大臣として、一体これはどうされるのか。あとの追加払いがないということになれば、これはもうたいへんな問題ですよ。あったとしても、これは時間がおくれたらだめなんです。しかし、そんなものはあったとしても、それは刑事犯罪になるかならぬかという問題に入っていくだけの問題であって、行政の責任者の立場としては、そういうルーズなことは私は許されぬと思う。大臣のひとつ見解をこの際最後に、本日の最後ですよ、最終的にお聞きしておきたい。
  200. 福田一

    国務大臣(福田一君) 事実を十分取り調べた上で、お答えいたしたいと思います。
  201. 亀田得治

    ○亀田得治君 いや、事実と言ったって、私は事実を調べて申し上げたのだが、それに対して若干監察関係の責任者の方が認めておるわけなんです。宿のとり方にしても、金の支払い方にしても、出張に出るときの出方にしても、認めているわけなんですよ。その部分についてそのとおりでいいのかどうかということです。その感想を求めているわけです。
  202. 福田一

    国務大臣(福田一君) 問題はやはり相当何といいますか、個人のいろいろの問題にも関係があると思います。したがいまして、こういうことについては、よく実相を確かめた上で、お答えを申し上げるのが適当かと存ずるのであります。
  203. 亀田得治

    ○亀田得治君 重ねて大臣がそうおっしゃるのであれば、ちょうど本会議のベルも鳴りましたし、本日はこの程度にいたしておきます。
  204. 横川正市

    委員長横川正市君) 通産当局に申し上げますが、先ほど亀田委員から要求のありました各種資料についての提出方をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会