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1964-04-24 第46回国会 参議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十四日(金曜日)    午後一時七分開会   —————————————   委員異動  三月十九日   辞任     補欠選任    大森 創造  米田  勲君君    二宮 文造  渋谷 邦彦君君  三日二十三日   辞任      補欠選任    米田  勲君  大森 創造君  三月二十四日   辞任      補欠選任    浅井  亨君  牛田  寛君  三月三十日   辞任      補欠選任    谷口 慶吉君  鳥畠徳次郎君    西田 信一君  塩見 俊二君  四月一日   辞任      補欠選任    鳥畠徳次郎君  谷口 慶吉君  四月三日   辞任      補欠選任    牛田  寛君  二宮 文造君  四月二十三日   辞任      補欠選任    加藤シヅエ君  鈴木  強君  四月二十四日   辞任      補欠選任    渋谷 邦彦君  浅井  亨君    二宮 文造君  鬼木 勝利君   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     横川 正市君    理 事            佐藤 芳男君            山崎  斉君            横山 フク君            相澤 重明君    委 員            北口 龍徳君            沢田 一精君            鈴木 恭一君            仲原 善一君            野知 浩之君            二木 謙吾君            谷村 貞治君            大森 創造君            鈴木  強君            浅井  亨君            鬼木 勝利君            天田 勝正君   委員以外の議員    議     員 鶴園 哲夫君   国務大臣    外 務 大 臣 大平 正芳君    大 蔵 大 臣 田中 角榮君   政府委員    総理府総務長官 野田 武夫君    総理府特別地域    連絡局長    三枝 三郎君    防衛庁衛生局長 軽部彌生一君    防衛施設庁長官 小野  裕君    防衛施設庁総務    部会計課長   大浜 用正君    防衛施設庁施設    部長      鈴木  昇君    法務政務次官  天埜 良吉君    法務大臣官房経    理部長     新谷 正夫君    外務大臣官房会    計課長     谷  盛規君    大蔵政務次官  齋藤 邦吉君    大蔵大臣官房会    計課長     御代田市郎君    大蔵省主計局次    長       澄田  智君    大蔵省主計局司    計課長     江口  穣君    大蔵省主計局給    与課長     平井 廸郎君    文部大臣官房会    計課長     安嶋  彌君    厚生政務次官  砂原  格君    厚生大臣官房    会計課長    戸澤 政方君    厚生省環境衛生    局長      舘林 宣夫君    厚生省社会局長 牛丸 義留君    農林政務次官  松野 孝一君    農林大臣官房経    理課長     竹内 直一君    林野庁長官   田中 重五君    通商産業大臣官    房会計課長   金井多喜男君    運輸政務次官  田邉 國男君    運輸大臣官房長 佐藤 光夫君    運輸大臣官房会    計課長     上原  啓君    運輸省港湾局長 比田  正君    郵政政務次官  金丸  信君    電気通信監理官 野口 謙也君    建設政務次官  鴨田 宗一君    建設大臣官房会    計課長     吉兼 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    食糧庁経理部長 亀田喜美治君    会計検査院事務    総局第一局長  保川  遜君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十七年度一般会計予備費使用  総調書(その2)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和三十七年度特別会計予備費使用  総調書(その2)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和三十七年度特別会計予算総則第  十一条に基づく使用調書内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十七年度特別会計予算総則第  十二条に基づく使用調書(その2)  (内閣提出衆議院送付) ○昭和三十七年度特別会計予算総則第  十三条に基づく使用調書内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十八年度一般会計予備費使用  総調書(その一)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和三十八年度特別会計予備費使用  総調書(その一)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和三十八年度特別会計予算総則第  十四条に基づく使用調書(その一)  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告をいたします。  三月十九日、二宮文造君が委員辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が選任されました。三月二十四日、浅井亨君が委員辞任され、その補欠として牛田寛君が選任されました。三月三十日、西田信一君が委員辞任され、その補欠として塩見俊二君が選任されました。四月三日、牛田寛君が委員辞任され、その補欠として二宮文造君が選任されました。四月二十三日、加藤シヅエ君が委員辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。本日、二宮文造君及び渋谷邦彦君が委員辞任され、その補欠として鬼木勝利君及び浅井亨君が選任されました。  以上でございます。   —————————————
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件及び昭和二十八年度一般会計予備費使用調書(その一)外二件を議題とし、審査を行ないます。  まず、提案理由説明を聴取いたします。大蔵政務次官
  4. 齋藤邦吉

    政府委員齋藤邦吉君) ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)ほか四件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十七年度一般会計予備費予算額は二百億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十七年五月二十二日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました百三十億三千四百万円余につきましては、第四十三回国会において、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十八年一月二十五日から同年三月二十六日までの間におきまして六十九億四千七百万円余につき使用決定いたしました。そのおもな事項は、農業施設災害復旧事業等に必要な経費干害対策に必要な経費河川等災害復旧事業等に必要な経費及び退官退職手当不足を補うために必要な経費等であります。  次に、昭和三十七年度各特別会計予備費予算総額は一千七百六十六億七千四百万円余でありまして、このうち昭和三十七年六月七日から同年十二月七日までの間において使用を決定いたしました三百二十八億一千九百万円余につきましては、第四十三回国会においてすでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十八年一月二十四日から同年三月二十六日までの間におきまして二百六億六千七百万円余の使用を決定いたしました。そのおもな事項は、厚生保険特別会計健康勘定における健康保険給付費不足を補うために必要な経費食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費国有林野事業特別会計国有林野事業勘定における仲裁裁定実施に伴う職員俸給等に必要な経費郵便貯金特別会計における仲裁裁定実施等に伴う郵政事業特別会計繰り入れに必要な経費及び失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費等であります。  次に、昭和三十七年度特別会計予算総則第十一条、第十二条及び第十三条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて、予算を超過して支出いたしましたのは、第四十三回国会においてすでに承諾を得ましたものを除き、資金運用部厚生保険国立病院郵政事業及び郵便貯金の五特別会計でありまして、その内訳は、資金運用部特別会計において支出いたしました預託金利子支払いに必要な経費三十八億一千万円余、厚生保険特別会計健康勘定において支出いたしました健康保険給付費不足を補うために必要な経費九十六億六千万円余、国立病院特別会計において支出いたしました患者医療費増加に必要な経費八億八千万円余、郵政事業特別会計において支出いたしました業績賞与支給に必要な経費三十四億六千七百万円余、及び業務量増加等に必要な経費四十三億九千万円余、郵便貯金特別会計において支出いたしました業績賞与支給に伴い必要な経費五億一千百万円余であります。  以上が昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件の概要でございます。  次に、昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十八年度一般会計予備費予算額は二百億円であり、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十八年五月十七日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は百五十九億八千万円余であります。そのおもな事項は、災害対策関係としては、公共土木施設及び農業施設等災害復旧事業費等に必要な経費並びに文教施設災害復旧費に必要な経費等の二十六件でございます。一般経費関係としては、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の二十九件であります。  次に、昭和三十八年度各特別会計予備費予算総額は千九百五十二億七千万円余であり、このうち昭和三十八年七月八日から同年十二月二十日までの間において使用を決定いたしました金額は五百三十一億八百万円余であります。そのおもな事項は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米買い入れに必要な経費国内麦管理勘定における返還金等調整勘定繰り入れに必要な経費輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費農業共済保険特別会計農業勘定における再保険金支払いに必要な経費道路整備特別会計における道路事業及び街路事業調整に必要な経費等であり、特別会計における予備費使用は十一特別会計においての十九件であります。  次に、昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしましたものは、造幣局特別会計においての補助貨幣製造数量増加に必要な経費一億六千五百万円余であります。  以上が昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その一)ほか二件の事後承諾を求める件の概要でございます。  何とぞ御審議の上御承諾くださいますようお願い申し上げます。
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次発言を願います。
  6. 鈴木強

    鈴木強君 昭和三十六年の三月三十一日、国会を通過し成立いたしました沖繩における模範農場に必要な物品及び本邦沖繩との間の電気通信に必要な電気通信設備譲与に関する法律に基づきまして、本土沖繩間マイクロウエーブ建設計画をされ、その工事が進んでおったのでございますが、お聞きいたしますと、大体昨年の十月二十六日に琉球政府電波法に基づく落成検査に合格をして、十一月の三日、文化の日に放送を開始しよう、  こういう段階に参っておったようでございますが、不幸にしてその後四カ月を経過いたしておりますが、料金分収率の問題をめぐって日本電信電話公社琉球電信電話公社の相互間の意見が合いませんために、せっかく多大の費用を投じて建設をし完成をいたしましたマイクロウェーブ電波の発射をすることができず、しかも沖繩同胞が一日千秋の思いで待ち焦がれておりますテレビ放送も、また本邦沖繩間電話疎通というものもたな上げされているということは、私はまことに遺憾のきわみに思います。一体今日までどうしてこのように遷延をしておるのか、政府はこれに対してどういう措置をとってこられたのか、私はまずこの点からお聞きしたいと思います。沖繩同胞祖国復帰願いは非常に熾烈なものがありまして、新聞によりますと、二十日から行政ビルの前で十数人の方々がハンストをして祖国復帰を願っておるようであります。そういう問題は、もちろんもっと高度の政治的な問題でございましょうが、せめて、われわれが同胞として、国会の承認を得て、  一日も早くテレビの受像ないしは通信疎通等をしてやりたいというその願いが、こういう完成にかかわらずできないということは、返す返すも私は残念に思います。どうぞその間の経過を簡潔に御説明願いたいと思います。
  7. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) いまお尋ねになりましたマイクロウェーブの問題につきましては、全く鈴木さんと同様に、私ども完成後今日に至るまでもその実施を見ないことを遺憾に思っております。いまお話がありましたとおり、昨年十月末に設備完成いたしております。したがって、これに基づいてできるだけ早くこのマイクロウエーブ回線を活用したいということは、これは沖繩住民皆さんの御希望のみならず、政府といたしましてもこれをこいねがっておったのでございますが、当時このマイクロウェーブにつきましては、覚え書きがございまして、この料金分収率については、日本電電公社沖繩電電公社の間によって協議をして決定するという覚え書きがございます。したがって、今日までその覚え書きに基づきまして、日本琉球電電公社がこれを折衝いたしまして、交渉いたしておりましたが、日本電電公社沖繩電電公社意見がなかなかまとまりませんで、実はその間政府は、しからば指をくわえて見ておったかというと、そうではございませんで、特に日本政府の意向をアメリカ当局にも私は伝えております。それから先般参りました高等弁務官に対しましても、私は直接その促進方をひとつ特別な配慮をしてくれということを話しております。ところが、いま申しましたとおり、覚え書きで両電電公社話し合いとなっておりまして、たてまえはコマーシャル・ベースでやる、両者が話し合うということになっておりますものですから、そう政府が立ち入れないという事態が実はあったのであります。しかし、それではいけない、もう御指摘のとおり、できたものをいままでこれを使えないなんということは、全くわれわれこれは沖繩の住民の方のお気持ちはもとより、私ども何のためにこの設備に力を入れたかわからないということで、実に今日も非常に遺憾に思っております。そこで、これはもう当然ここまでまいりますと、はたして両電電公社の交渉にまかしていいかどうか、覚え書きはそうなっておりますが、しかし事態がここまで行き詰まってまいりますと、そのまま政府として放置していいか。私自身は、私の考え方の一部には、もう両電電公社にまかしてもやれないのじゃないかという感じ方を持っております。御指摘どおり、まことに遺憾なことでございまして、この際やはり何らかの打開策を講じなくちゃならぬということを考えております。
  8. 金丸信

    政府委員金丸信君) ただいま野田長官から申し上げたとおりでありまして、郵政省といたしましても、この問題につきましては、もはや政治的な段階であろうと、郵政大臣あるいは総務長官ともども手を握り合って、ひとつこの問題に当たってもらいたいということをわれわれも考えておるわけでありますが、ことに沖繩は、鈴木先生がおっしゃるように、台湾やあるいは朝鮮とは内容が違うと思うわけでありまして、あくまでも分収率ということにばかりとらわれるということでなくて、できることであるならば、分収率をはっきりきめてこの問題を解決していただきたいと思うわけでありますが、もしそういう問題が解決できないということであるならば、私は朝鮮あるいは台湾とは違うのだ、将来沖繩日本に帰ってくるのだというような考えのもとに、この問題に対処すべきであると、こう考えております。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 総務長官、この法律提案いたしました当時の総理府長官藤枝泉介氏でありますが、私は、少なくとも法律に基づいて、財政法上第九条の問題も例外として認めて、電電公社にやらしたという事実問題。でありますから、私は少なくとも沖繩本土との間にマイクロ・ウェーブ建設する際には、その建設に対する工事の問題ですね、特に施政権が米国にあるわけですから、そういう立場におる中の同胞に対する建設に対しては、おそらくその工事上の問題について支障が出てくるだろう。それからマイクロ・ウェーブの基地を建設する場合、いまの工事との関係から、当然完成の暁は料金分収の問題が出てくるわけであります。したがって、この法律国会提案されるときには、少なくとも沖繩の置かれている立場等からいたしまして、当然に高等弁務官あるいは米当局等話し合いを済まして、この法律が通った暁におきましては、支障なく工事が進み、分収率などによって四カ月もたなざらしにされて天下の笑いものになるような、そんな無責任見通しのない提案をしたとは、私は思いません。一体、あなたは当時長官じゃないのですけれども、まあ政府立場から言うと、私はそう言いたいのです。実際国会提案して、われわれが責任を持って審議をして、私もその当時意見を申し上げました。そういうあなた無責任な、見通しのないような提案をして、いよいよ完成したときに電波が発射されないなんということは、まことにみっともない話だと思うんです。国会に対しての責任を感じませんかね。私はそういう点から少しく質問したいのですけれども、明確にしてもらいたいと思うのです。けしからぬですよ、私に言わせると。
  10. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) いま鈴木さんのお話、よくわかります。したがって、実は日本電電公社の理事が、先般長い間交渉いたしました。そのときもまいります出発前に、一応打ち合わせまして、郵政当局も非常にその実施を希望していることはもちろんでございますし、いろいろと打ち合わせまして、琉球電電公社の折衝に当たったのでございますが、長い間交渉いたしまして、まとまらなかったと言って先般帰ってまいりました。そこで先ほども申しましたとおり、お話のとおり、まあ前任者の方のおやりになったことがどうこうというのじゃなくて、現実問題をとらえまして、私はこの覚え書きがあります関係上、今日まで政府が直接いろんなことに当たることは控えておりましたが、しかし、覚え書きがそうだからと言って、政府責任をとらないでこれをほって置くということは、これは政府責任とか何とかということは、これもありましょうが、これは別個の問題といたしまして、何としても沖繩住民の方の期待、また日本政府がこれに対して当たりましたそのときの態度、方針、これらを考えますと、何らかの打開策政府みずからひとつ考えてやらなきゃならぬという考えにいま立っております。さらに、先般も郵政大臣とも話し合いいたしまして、ここでひとつ具体的な政府態度をきめることにしようということを、郵政大臣とも話を進めております。したがって、いまのおしかりは、それもごもっともでございますが、私どもといたしましては、いまお話しのとおり四カ月も今日経過いたしていることでございますから、もうこの段階が、われわれはただ指をくわえて見ている段階ではない、こう深く私は考えております。できるだけ政府態度をきめまして、一日も早くこれが実施されるように進めたいと思いますが、何と申しましても重ねて申しますが、もともと覚え書きで出たものでありますから、このやり方によっては、何かまた支障を来たすといかぬから、そのあたりに非常に考慮をめぐらしております。しかし、そのことに拘泥しないで、さらに積極的な態度をとりたいという私は考えをいたしておりますから、その点は御了承願います。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 長官のおっしゃる覚え書きというのは、昭和三十七年の九月二十二日に、琉球列島に対する設備譲与に関する覚え書き、この中に「料金分収については日本電信電話公社琉球電信電話公社の間においてきめる」、こういうふうになっておるのですが、その点間違いないですか。
  12. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) そのとおりです。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、私いまあなたに御質問したのは、昭和三十六年の三月三日に参議院の大蔵委員会法律案提案されたのですね。ですから、この法案提案された当時、少なくとも施政権アメリカにある沖繩同胞にこの設備を新しく建設するのには、さっき申し上げたような支障が私たちはないという判断でこの法案審議したのです。覚え書きは三十七年の九月二十二日に結んだんです。だから少なくも法律案国会提案する際は、一応の意思統一をして、向こうとも十分話し合いをして、そういう問題が起こらないという内々の話し合いをしておくべきじゃなかったかということを言っているのです。その覚え書きが当時結ばれたなら私は了承しますが、覚え書きなんというものはその一年もあとに結ばれたのだから、もう少し責任を持って、法案提案する際に、政府として米軍当局の、あるいは高等弁務官との接触を保って、そういうことのないように措置すべきでなかったか、その点に対して責任を感じませんかということを私は申し上げておるのです。この点は明確にしておいていただきたいと思います。
  14. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) 当時マイクロ・ウェーブに対する予算審議にあたっていろいろ御注意があったようでありますし、また政府も大体設備完成すればこの問題は、もっとくだけたことばで言いますと、両電電公社の今度は料金その他でございますから、商売関係になってまいりますから、そろばんであって、大体幾らにするとか、電話はどうするとかというようなそろばんの問題になってくるから、おそらく設備さえ世話してやれば、両方とも商売——これは犠牲が出るわけじゃございませんから、商売でやることでございますから、何とか話し合いがつくだろう、こう常識的に考えたので、自分たち政府関係しなければ、設備完成してもなかなか話し合いがまとまらぬと、いま現在はそう見られてもしかたがないのですが、当時は両者事業計画としてやることであるから、両電電公社にまかしたほうが話は早いだろう、こう政府は見ておったと思っております。したがって、その結果は今日御指摘のとおりのことでございまして、これは全く政府見通しがきかなかったことについては私は遺憾の意を表明いたします。同時に、それだけでは政府責任はのがれない、こんな覚え書きがあるから、もう政府はそれは何年でも待ちます、そういう理屈を言ってもしようがないと、私は非常に現実主義の男だもんですから、それはそれとして、それなら第二段でどうするか、打開策を講じなければならぬ、いま御指摘政府見通しを誤っておったということにつきましては、政府といたしましてはまことに遺憾であることは申し上げますが、さらに一歩前進してやるべきだと、こう考えておる次第でございます。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 率直に見通しの甘さを長官述べられたので、私はそれ以上はもう過去のことは追及いたしません。むしろ今後の早期解決について政府一体になってやっていただくことを私は今後望むのでありますが、そこで電電公社からも、三回か現地に行かれて交渉されておるのでございますけれども、これについては長官もおっしゃったように、郵政省総理府と十分に連絡をとった上で電電公社現地に行っておるのでございますが、それで私の伺いたいのは、マイクロ回線譲与ということは、沖繩からの強い要請もあって、それからこちらもそれを受けて立っていったわけですね。したがって、あくまでも今日沖繩同胞が置かれている立場について、われわれはできるだけの支援、協力をしようという立場におるわけでありますから、ですからこの料金の分収についても、そういう立法の精神を十分体して皆さんは御協議をなさって、そうして現地へ行かれたかどうか、私はここで具体的なことは質問を省きます。特に交渉の問題でありますから省きますが、結局、少なくとも沖繩へ援助をするんだ、こういう精神であくまでも料金分収の問題について相手方と話を進めてきたかどうか、その基本方針を承りたいのです。
  16. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) 日本電電公社の理事が向こうに参りますときに、常に郵政当局総理府とやはり話し合いをして行っております。これはどうして話し合いをするかと申しますと、しばしば申し上げましたとおり、両者覚え書きによって両電電公社がやればいいものだというような、われわれはただ形式的な考えを持っておりません。やはりいまの立法の精神に基づいて、この問題はやはり政府が相当電電公社との折衝をやって、そうして電電公社の意向も聞き、またこれに対する政府態度も常に考えなくちゃならぬというのは、つまりいまお示しのとおり、その当時の立法の精神に基づいてこの問題を無責任な取り扱いをしてはいけないという関係でいろいろ相談にもあずかっておりますし、またこちらの意見も述べているというのは、いま御指摘のとおりの立法の精神に基づいた政府態度と申し上げても間違いないと、こう思っております。
  17. 横川正市

    委員長横川正市君) 鈴木君にちょっと申し上げますが、外務大臣は渉外関係で短い時間しかおられないそうですから、外務大臣への質問を先にどうぞ。
  18. 鈴木強

    鈴木強君 何時まで外務大臣はおれるのですか。
  19. 横川正市

    委員長横川正市君) 二時まで。
  20. 鈴木強

    鈴木強君 いろいろと折衝に当たられ、立法の精神を体して御苦労されたことについては私も感謝いたします。ただ、現地琉球新聞等を私拝見いたしますと、これは新聞の記事でございますから、そういうふうに御了承していただきたいのですが、たとえば、先般電電公社の総務理事が現地へ参られましたときに、新聞によりますと、五七対四三という分収率を示した、しかし相手方はフィフティ・フィフティで譲らなかった、こう記事が載っておるわけです。ですから、この比率を見ますと、五七対四三ですから、なるほどいま長官のおっしゃったような、あくまでも何でもかんでも対等だ、フィフティ・フィフティだというようなことではなくして、譲歩できる点はやはり考えておるということは私にもわかるわけです。これは事実かどうかよくわかりませんですけれども、ですから問題は、いままで交渉が決裂をするというような段階に参ったのは、おそらく私は率でだろうと思う。幾らにするか、五〇対五〇にするか、五五対四五にするか、いずれにしてもその辺のきわどいところじゃないかと思うのでございます。しかも、両当事者の話し合いというよりも、むしろ長官みずからお認めになっておりますような、郵政省なり総理府が一緒になって協議をし、やってきた。したがって、私は相手方も琉球政府なりあるいはその上にある高等弁務官のキャラウェーさん、これらともやっぱり相談をしつつ来ておると思いますね。で、この率についてはここでは私は触れないのでございますが、いずれにしても、いままでの経過の中から考えますと、もはやあなたもお認めのように、両当事者間の交渉では決裂をして、政府のレベルまでこれを持ち上げて問題の解決に乗り出そう、そういう御方針でございます。しかも、金丸政務次官からはきわめて私は情のこもった御発言もあったように伺うのであります。したがって、ただ単に分収率というものが五七対四三か、あるいはそこらがどうかわかりませんが、こういうところにこだわらずに、できるだけひとつ大局的な立場に立って問題の早期解決をしたい、こういう御熱意のようでありますから、ぜひ私はひとつ早急な機会に具体的な行動に入っていただきたい。  そこで、一つ大臣にお尋ねしたいのでございますが、あなたは途中から見えましたから、私の前段の質問が御了解しにくいかもわかりませんが、先ほどあなたの部下の方に大体のことは話しておきました。お聞きくださいましたことと思います。そこで、きょうの閣議でたいへん問題になっておりました日米協議委員会あるいは日・米・沖繩三国の技術委員会、こういうものを設置し具体的な交渉に入るという、これは経済問題か政治問題かそこら私よくわかりませんが、いずれにしてもそういうことが閣議できまりましたか。
  21. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 日米間におきまして、沖繩の経済開発、沖繩住民の安寧、福祉の問題につきましての日米協力についての取りきめについて折衝中でございましたところ、このほど意見の一致を見ましたので、本日の閣議でおきめいただいたわけです。
  22. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、第一回の会合はいつごろになるのですか。
  23. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 明日開く予定です。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 それは、非常にタイミングがいいように思うのでありますが、この問題は、もう公社当局では話が進まない。いわゆる決裂している。したがって、それを監督する立場にある郵政省あるいは主管をする総理府が、公社でやってまいりましたものを、高いレベルに上げて、向こうと交渉しようじゃないかと、こういういま御回答があったわけです。そこで、私はこの問題について、いまここでどうこうということを申し上げることは、必ずしも適切であるかどうかわかりませんが、私の希望としては、できるならば、日米協議委員会等でもこういう問題が提起をされて、ひとつ円満に解決をし、あさってからでも電波が発射できるような、そういう措置をとってもらえないものだろうかどうだろうか。いずれにしても外務大臣として、郵政省総理府とも十分御連携をとっていただいて、国際的な外交ルートの上に乗っけて、米国との交渉を進めてもらいたい。私もこう強く思うのですけれども、この点ひとつ外務大臣の御所見を承りたいと思います。
  25. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) かねがね、いま問題になっておる案件につきましても、その経緯を私ども伺っており、関心も持っておるわけでございますが、この問題は御案内のように総理府が所管されておるところでございます。したがって、両電電公社の間におきまして、お話し合いがまとまればけっこうでございまするし、それが非常にむずかしいということになった場合に、政府でお取り上げになるかならぬか、取り上げた場合にどうされるかということは、総務長官の御判断だと思うのでございます。で、総務長官のほうから、これはそういうことにならぬことを私は希望をいたしておりますけれども、万一、これは君のほうでひとつ外交折衝に持ち上げて、取り上げてもらいたいということがございますれば、取り上げるにやぶさかではございませんが、いまの段階は、総務長官がこれをどのようにお取り扱いになるかということが、いまの段階の問題ではないかと私は思っております。
  26. 鈴木強

    鈴木強君 少し外務大臣に対する御質問が早過ぎたかもしれませんが、総理府野田長官は、もう公社にまかしておってもむずかしいから、おれのほうでやるんだと、こう端的におっしゃるのですけれども、外務大臣と御相談なすって、いま私が申し上げましたように、日米協議委員会等もありますし、そのほかの外交折衝もあるでしょう。その方法は別として、やはり日本政府が正面に出て、向こうの琉球政府なりあるいは高等弁務官と話を進めていくと、こういうことに私はなろうと思うのです。そのいずれの方法をとろうとしているのか。私は、なぜこういうことを申しますかというと、実は沖繩本島の多野、首里というところに中継所をつくったのですが、これは十月末から運転を始めておるのですね。マイクロ・ウェーブというのはやはり一回動き出しますと、それをとめるとなかなか周波数の調整というのがむずかしいものです。現にそれからずっと運転しっぱなしなんです。そうすると、両中継所に五十六人の技術員が働いておるために、その人たちの人件費、燃料費、電気料金等、琉球電電公社が大体三千ドル、これは百八万円になりますが、こういう経費をもうすでに払っておるわけです。四カ月にいたしますと、一万二千ドル、四百三十二万円というものが支出されておる。これはいま短波無線によって、電報も電話本土沖繩間はやられておるけれども、まだマイクロ・ウェーブに切りかえておらないということで、要するに収入は全然ない。まるっきり赤字を出して沖繩電電公社でやっているという事実がある。こういう経済援助をやろうという国が、逆に向こうに経済的に負担をかけるというようなことを、私はべんべんと待つわけにいかない。したがって、私はたいへん失礼かと思いますけれども、もういままで私は何回か個人的にもあらゆる努力をするように、政府の人たちにもお願いしてきたにもかかわらず、四カ月以上も遷延されているということは非常に私は遺憾である。だから一刻も早く解決したいという気持があるものですから、私はそういう会合があるならば、即刻ひとつ話を出して、そうして解決をする方向に持っていってもらいたい。どうか、こういう意見をまじえて御所見を聞いているわけなんでありますが、長官こういう事実を踏んまえて、あなたはどうなさるのか、ひとつ明確に聞かしていただきたい。
  27. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) 先ほどもお答えいたしておきましたとおり、両電電公社の折衝は全く行き詰まっております。打開をするには、どうしても両電電公社にまかしておくわけにはいかない状態はこれはもう常識でございます。しかし、先ほどから繰り返して申しますとおり、これはアメリカ日本との覚え書きによって両電電公社が折衝するということが一段階でございますから、一段階というよりもこれは本筋でございますから、決して四カ月間政府が黙って見ておったのではなくて、現実には両電電公社が数回にわたって交渉いたしておりますことも御存じだと思っております。そこで行き詰まった以上どうするか、覚え書きがあるから、政府は知らぬ顔できるかということは、私どもは常識的にそれはできない。先ほど申し上げたとおりに何らかの打開策を講ずる、ちょうどいま外務大臣からお答えがありましたとおり、明日第一回の日米の協議委員会がありますから、この問題は政府がつまり両国の覚え書きによらないで、新たに政府としての態度をきめることになりますから、それにはまずマイクロ・ウエーブの、つまり日本電電公社の監督官庁である郵政省当局とやはり打ち合わせしなくちゃいけないということ、それから政府が何らかの措置をするという場合には、やはりいままでは両電電公社でやっておりましたから、両電電公社の持っておる資料においてやっておったと思いますが、政府がこの問題にタッチすることにいたしますと、やはり政府政府の独自の資料を必要とすると思っております。これはやはり政府として独自の見解を立てるのが私はほんとうと思いますが、これらのことを勘案いたしまして、先般来郵政大臣とはお話しておりますが、まだどの道が一番これが早いかと申しますことは、いまお話しのとおり理屈でなく、現実に早くやらなくちゃならぬと、そういう段階にきておりますから、一番早い方法を選ぶ必要がある。そこでただ形式的に何々の委員会ができてきて、そこでもって打開できるものかと申しますと、やはり政府の基本的なやり方と申しますか、態度というもの、主張と申しますか、これらに対する十分の資料を持ちまして、そうしてこれがそういう日米協議委員会が開かれました場合にこれをかけるか、または外務大臣に御相談申して外務省としてやっていただくと、いろいろな方法があると思っておりますが、まだ郵政当局と、私どものいわゆる態度決定に対する最後の方針というものが決定いたしておりません。しかし、これは早急に私どもは決定いたしたいと思いますし、その上でまあかりに、アメリカ政府に直接交渉することになれば、どうしてもこれは外務大臣に御相談申し上げる、こういう段階でございまして、日米協議委員会が発足するからそこで一ぺんに解決せいというような問題よりも、もっと私は何といいますか、政府の基本的な態度をきめなければならない。途中でもってまたいろいろなことを言われた場合に、もう一ぺん調べますという態度をとることはかえって時間的にどうかと思いますから、私たちは用意周到にひとつ資料とか、あるいはいろいろな今日までの経過というものを検討いたしまして、そして基本的な態度をきめて、できればもう一時間でも早くこの問題の解決に当たりたいと思っておりまするから、まだ今日の場合、外務大臣をわずらわして外務大臣にお願いしてどうするという段階までは今日のところ行っておりません。
  28. 鈴木強

    鈴木強君 非常に私は長官の御答弁不満ですよ、率直に言って。一体私はなぜ言うかというと、あなたが覚え書きによって電電公社にやらしたと言っているのだが、私の質問にも答えておるように、少なくとも郵政省なりあなたは、公社が持っていく態度については相談を受けている。あなたの考え方、政府考え方を持っていっているわけじゃないか。しかも、それが四カ月なり交渉して決裂した。一体金光総務理事が帰ってきたのはいつですか。今月のたしか八日か九日に帰ってきたでしょう。そうして、あなたに説明したのはいつか私は知りませんけれども、きょうはもう二十四日ですね。さっき私が申し上げたように、祖国復帰を願ってハンストまでして沖繩同胞は帰りたい願いを持っているのだ。行政ビル前では十数人の人たちがハンストをかけて祖国復帰を願っているというニュースを私は聞いておる。しかし、一方琉球電電公社では一カ月百八万もの言うならばむだな金を使っているじゃないか。沖繩援助をしようとする日本政府の好意が無になっているじゃありませんか。こういう現実をあなたたちが真剣に考えるならば、私はあした日米協議委員会が開かれるということをちょっと新聞で見たから、そういうことも一つの方法じゃないかと思ったから申し上げたので、これから基本方針について、政治問題と経済問題をどうこうするということもおそらくあしたの会議では問題になるでしょう。そういうことをきめるのが精一ぱいでしょう。私もそう思います。それはそれでいいでしょう。あなた方がほんとうに誠意があるなら、この問題に対するいままでの経緯をあなたは知っているのだから、それなら一体交渉が決裂したのはその原因がどこにあるのか、キャラウエーが反対しておるのか、日本のなまテレビが向こうにいくのに対して報道統制の上からアメリカが好ましくないのか、そこらがあなた方の政治的な判断だと思うのです。ですから、直ちに金光理事から報告を受けたならば、あなた方は態度協議して向こうと折衝したのですか。慎重な態度とか資料をどうとか言うのですが、もう少し沖繩同胞の切なる願いを聞いてください。三十六年に法律が通って、二カ年でできるというのがおくれておる。いまやりっぱに電波を発射できる。三万や五万くらいテレビを引いている人はあるでしょう。その人たちはほんとうに祖国のニュースをなまで聞きたいのです。そういう気持に報いるために、あなたすぐ飛行機で飛んでいったっていいわけですよ。外務大臣に何もかもやれと言っているのじゃない。しかし、あなた方いままで参画されておるのは、ただ電電公社覚え書きによってやらせるのだということでまかせできたというのなら、あなたの意見も通るでしょう。一緒になってやってきたのなら、これ以上どうするかということはもう政府段階できちっときめて、だめならだめで、国際外交ルートに乗せてやらなければうそじゃないか。これは沖繩援助をやっているいまの制度上のいろいろな問題からして、その援助が無になっているじゃないですか。全部で三億何ぼの金は泣いていますよ。もう少し真剣にやってもらいたいですよ。私も技術者の一人だ。りっぱな技術が完成して、その技術を遊ばしておくなんというむだはない。もう少し熱意を持って解決してもらいたいですよ。で、法案提案するときには、われわれはそんな障害があるとは夢にも思わない。少なくとも沖繩に設置する場合には、そのくらいのことは外交的に政治的に解決してこの法案はできているものとわれわれは了解しておる。それがいまになって、あなたは見通しが甘かったということを言われたから、あまり言いたくなかったけれども、もう少し誠意のある態度をもってこの問題の解決に当たっていただきたい。  ほかに具体的なことがありますけれども、三十分ぐらいの時間しかないからこれでやめますが、誠意ある長官態度をこの委員会を通じて、沖繩同胞にも聞かしてやっていただきたい。お願いします。
  29. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) たいへん鈴木さんからおこられましたが、鈴木さんの御熱意には私は全く敬意を払います。私もやはり鈴木さんに劣らぬぐらいの熱意を持っているつもりでおります。これが政府だけできめられることでございますれば、金光理事が帰って一週間もあれば事は片づくかもしれませんが、いずれにいたしましても相手の国とやることでございまして、それをやりますには、もう向こうとの折衝の内容については粗漏のないように、こちらの主張というものは、完成してあげなければならぬと私は日夜そう思っております。私はあなたの非常な御熱意にはほんとうに感謝します。またこれは現実に四カ月も相当な日時と額を費して、しかも沖繩住民の熱意、期待、またわれわれ政府としても、ただこんなものはどうでもいいというのでやったのではございません。そのときの立法のお話もございましたが、私は先ほど率直に認めますとおり、見通しについて誤ったのだ。しかし、それを言ってはいられない。現実的にこれをどうして早くやるかということを私はほんとうに心から考えている。それには、こちらからいい加減なことを言ってはね返されて、またこれが長引くようなことではいけない。ひとつ今度はきちんと態度をきめて、それには政府政府の独自の資料と申しますとなかなかやかましいようでございますが、考え方を統一して、そしてこれはどんな方法でやるか、あるいは外務大臣をわずらわさないで、その前に私どものほうもあそこに役所もありますことですし、いろいろな実は総理府から人をやるとか、またやむを得ぬときにはだれが出るとかということも考えている。それでしかたなければ、最後は外務大臣に御相談しよう、これについては郵政大臣とも数回私の決意も申し上げております。郵政当局も非常な御熱意がある。しかし、これはただ簡単にやって、かえってこれが何と申しますか理屈をいろいろつけられて長引くと、それにひっかかってまた長引く。だから、その点を非常に慎重に考えなければならぬということが私の考え方でございまして、近く私ども考え方をまとめたいと思っております。そこで、なぜ鈴木さんの御質問に私が先ほどお答えしたかと申しますと、あした日米協議委員会が開かれるから、すぐそこでやって、あさってからでもやれと、そういう御期待があるとそれは間違います、そこまでまいりません。これは政府が決してこの問題について熱意を持たないのじゃありません。われわれ持っておりますけれども、やはり外交折衝になりますと、もろ百も御承知のとおり、いろいろ向こうの言い分があるから、それを予想して、そしてやはりスムーズにこの問題の解決に資したいというのが私の念願でございまして、私は鈴木さんと同様な熱意を持っております。その点をぜひ御了解願いまして、これはいまの御意見のとおりできるだけ早く解決するように努力したいと、こう思っております。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 よくわかりました。外務大臣も郵政政務次官もおられますので、ひとつこれは電電公社の独立採算という立場もあります。ですから、公社当局意見も十分伺い、それから政府の最終的な態度もとっていただいて、相できるならば、ひとつ早期な機会に解決できるように、また郵政、総理府そして外務大臣等も、どうかひとつこういう事態のあることを肝に銘じていただきまして、政府当局の適切な措置をとっていただくように心からお願いするものであります。  それから最後にもう一つ総理府長官に伺いたいのですが、NHKが当時沖繩に支局をつくりたい、戦前からあったわけですから。そういうお話がありました。完成しましたものを見ますと、回線は一チャンネルとってありますから、(下り)だけですから、〇・五ずつでちょうど二局のテレビができるようになると思いますが、NHKはいまのところないようですが、そういう申請があなたのところにいったと思うのですね。これについてはその後どんなになっておりますか。それだけお伺いをしたい。
  31. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) 御承知のとおり、いま沖繩には二つの民放がございまして、向こうが自主的にやっておることでございまして、NHKと交渉しておるところでございますし、できるだけやはり二つを活用したい、よかったらそうしたらいいじゃないか。しかし、これはやはり技術的と申しますか、いろいろ経済上のことも伴うわけです。つまり、料金をどうするとか、負担をどうするとか、実は現地の二つの放送会社でもまだまとまっておらぬと聞いておりますから、私のほうで琉球の民放会社を指図するわけにまいりませんが、できるだけひとつ円満にいくように、いわゆる、こちらはお手伝い程度でございますから、その際は、NHKとも話し合いまして、また、郵政当局とも御相談いたしまして、できるだけ円満にいくように、話し合いがうまくいくように考えております。
  32. 相澤重明

    ○相澤重明君 外務大臣けっこうです。総務長官ちょっと残ってほしい。  最初に会計検査院にお尋ねいたします。  会計検査院は予備費使用について、いわゆる款項目の中で、目の項で、内閣官房の目の報償費、それから法務省の目の報償費、この解釈について、それぞれ担当者から御説明をいただきたい。
  33. 保川遜

    説明員(保川遜君) 私から内閣の関係のお尋ねについて申し上げます。私のほうから、報償費はどういう使い方のものかということを御説明いたすのは、あるいはちょっと少し適当でないかと思いますが、検査上から、検査の経験から見ましての報償費の内容を御説明申し上げますが、予算の科目といたしましては、国に何らかの形で寄与したものに対する報償、こういう意味と、私ども考えております。
  34. 相澤重明

    ○相澤重明君 大蔵大臣が出てきたから、それでは、総務長官はいいと思いますが、総務長官、本来、官房長官がいないからあなたに残っておれと、こう言ったわけです。それは内閣のことですから、幸いに大蔵大臣が出てきましたからいいですが、ちょっと聞いておいてもらいたい。  同じ政府の中で内閣官房の使う報償費、同じ内閣の中で法務省が使う報償費、これはどういうふうに違うか。たとえば今度の予備費使用の中で、池田総理が東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド諸国を訪問したその費用が、約五千万近くあがっておるわけです。その中に、内閣官房の費用の中で報償費、外国旅費、庁費となっております。目が分かれておる。この報併置はどういうものなのか。それから法務省の中における、いわゆる法務木省の目の中に報償費というのがある。あるいは職員旅費、庁費というのがある。いまの会計検査院の一般的な報償費ということば、その内容、こういうものも私ども考えた場合に、少し用語の使い方について政府は統一をする必要があるのではないか、こう私は思う。私は率直に言うならば、内閣官房でいわゆる外国旅費——外国に行くために使う金ならば、私は、率直に外国旅費でいいではないか。何のために報償費という目で使わなければならないか。こういう点が、同じ政府の中における款項目の扱い方として、そうして当然意見を統一すべきであると思うから、実は、いま大蔵大臣が出てくる前だから、総務長官におれとこう言った。これはどうですか、率直に言って、内閣官房のいまのこういうまぎらわしい項目を使うよりは、たとえば法務省の報償費というならば報償費というような解釈に統一できないものですか、どういうことです、これは。この予備費使用の項目の中で、政府提案をしているのですから、同じ提案をしているのだけれども、外国旅行の場合の報償費と外国旅費というものをあげておいて、片一方の法務省の場合には、報償費あるいは庁費、職員旅費となっている。こういうことは統一はできないのですか。この点を、幸いに大蔵大臣もおるし、総務長官もおるから、ちょっとお尋ねしておきたい。最初にこのことはどうです。
  35. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 報償費の制度は、御承知のとおり、なかったわけでございますが、近年、外務省また総理府等に報償費の制度が認められたわけでございます。まあ総理大臣が外国出張をせられる場合、外務省の経費から出したほうがいいのじゃないかという議論も一つの議論であります。総理大臣は内閣総理大臣でありまして、内閣の主管者でもございます。総理府の主管者でもございますので、内閣総理大臣官房の報償費から一部を出し、それから外務省から一部を出すということが、一つにならぬかという御質問のように理解しておりますが、いままでは、使う内容によりまして、旅費とかその他はどこから出すとか、また、外務省、外交の案件だと見られる出費に対しては、外務省の報償費から出すというようなことに使い分けているわけでございます。これを一つにしたほうがいいということに対しては、大蔵省は報償費制度というものを認めた以上、何か内閣に一つにしておいて、各省から整理をして使ったほうがいいのじゃないかという議論も過去に出してみました。しかし、これは予備費というものがございまして、そうなると、内閣における第二予備費のようなものになるし、なかなかむずかしい問題もあるようであります。でありますので、いまは外務省、内閣総理大臣官房というふうに分けて報償費をつけているわけでございます。
  36. 相澤重明

    ○相澤重明君 総務長官に帰ってもらうのだけれども、それは内閣のことだから関係があるからぼくは残っておれと、こういうので、本来、総理大臣が出て、そういう意思統一をしなければいけないわけです。いまの大蔵大臣の答弁は、報償費という目を置いてあるから、予備費使用についてそれぞれの各省庁で使ってもいい、こういうことを言っておられる。私の言うのは、同じ報償費という名前ならば、これはどこの省にあっても、報償費の内容は同じでなくてはいかぬ、これを言っているわけなんだ。だから、たとえば外国に行く場合に、外国旅費というものがありながら、報償費からも出せますというようなことは、これはちょっとおかしいではないか。それでは、外務省の報償費と法務省の報償費と内閣官房の報償費というものは、みんなその内容が違うのか、こういうことになると、私は、ちょっとおかしいのではないかと、こういうことを言っているわけです。だから、使うことについては、私は、金の使い方をとやかく言っているのではなくて、そういう款項目の立て方について、政府意思統一をしてくれ、これはひとつ検討してもらいたいのです。きょう、ここで、どうこうということではなくて、せっかく、あなたのほうで三十七年、三十八年の予備費使用についての承認をいまわれわれに求めているわけだ。その承認を求めているけれども、これをずっとめくってみると、同じ報償費という使い方について疑義が出ないか。しかも、御承知のように、補助金等の合理化の問題についても、これについてもできるだけ統一をするようにというのが、国会の意思でもあるし、政府でも努力をしてきたと思うのです。いままで、なるべく多岐繁雑にわたるものは整理統合する、こういうことになってきているのですから、こういう立て方を、私としては、内閣官房のたまたま総理大臣の外国旅費の中に見られるものと、それから従来、これは当委員会でも、いつでも法務省の報償費とは何ぞや、その内容についていろいろ質問が出ました。こういう経緯もあるので、私は申し上げておるわけです。これは、しかし、一応今後、政府がそういうものについての御意見がまとまればけっこうですし、また自後聞いていきたいと思います。けっこうです。野田さん、いいです。内閣の中でまとめてください。
  37. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) よくわかりました。
  38. 相澤重明

    ○相澤重明君 その次に、これは大蔵大臣並びに各省の政務次官が、本来、大臣がいてもらわなきゃいけないんだけれども、他の委員会の関係もあるし、衆議院の本会議の関係もありましょうから、一緒にそれぞれお答えをいただきたいんですが、国家公務員等退職手当法に基づく第三条、第四条の適用、それから第五条の適用、これについて、特に今回のこの予備費使用調書を見ますというと、退職金等がたいへん多く出ておるように思うわけであります。これについて、大蔵省がまず各省の予算編成をするときに、当初予算額見通し、つまり、当初予算を立てるときに、なぜこれだけの予備費使用しなければならないかという問題について、お考えにならなかったかどうか、この御説明を見ていますというと、そういうものはなかなか立てにくいということが言われておるわけでありますが、この第三条、第四条の普通退職の問題については、各省庁それぞれの、いわゆる経験からいって、また、歴年のそういう調査からいけば、これは見通しがつくはずだと思う。ですから、行政を進める上において、新年度は幾らの定員を必要とするか、幾らの定員をふやさなければいけないのか、退職者はどのくらい見込んでおるかということも、当然これはその予算を編成する際にきまることですね。ところが、そういうものと、第五条の勧奨を行なって退職した場合のその見通し、こういうものに対する予算額が非常に多い、当初予算額に対して予備費使用が多い。これはどういうことなのか、こういう点を、ひとつ大蔵大臣を筆頭に、各省でそれぞれ説明願います。
  39. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 三十八年、九年の例を見ますと、各省庁とも、過去二年ないし三年の実績をもとにしまして、おおむね予算要求をしてまいっておるわけでございます。三十八年は約九十億でございました。それが、三十九年度には百三十億に増額をいたしておるわけでございます。が、しかし、おおむね想定できるもの以外は、予算編成時期において、一年間に確実にどれだけ退職をするということがなかなかつかみ得ませんので、時によっては、予備費の流用をお順いするということになるわけでございます。いままで、大体予備費の非常に大きくなったというものにつきましては、これは昭和三十六年に法律が改正せられまして、退職手当が大きくなったということもございます。それから勤続期間の計算にかかる制限規定の撤廃ないし大幅な緩和措置もあったということでございます。こういう事態がありましたときには、予備費使用というものも多くなるわけでございますが、そのような事由に基づくものでありまして、こまかくこれを算定することはむずかしいものであるということだけ申し上げます。
  40. 横川正市

    委員長横川正市君) 相澤さん、政務次官全部来てないが……。
  41. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、特にその中で目立って、法務省、農林省、運輸省、非常に退官、退職者が多いですね。したがって、この多かった退職者の、なぜ当初こういうことが見通しができなかったか、その中で、それでは、いま申し上げた法務省、農林省、運輸省、こういうところは、一体やめた人はどういう職種の人が一番多かったか、ひとつ御説明をいただきたい。
  42. 田邉國男

    政府委員(田邉國男君) 運輸省におきましては、先ほど大蔵大臣が御説明申しましたように、過去三カ年の実績によりまして、一応予算を組んだわけでございますが、その後、予想外に退職者がふえた、この退職につきましては、話し合いの上で、退職金につきまして、勧奨ということになりますので、多少の増額をしてまいりました。そういうことから、当初予想をいたしましたよりも、非常に数がふえたわけでございます。たとえば三十七年度の退職につきましては、約、数におきまして八百六十五名でございます。そして、その内訳につきましては、行政職が五百九十六名、海事職が二十五名、教育職が七名、それから研究職が二十三名、公安職が百六十名、医療職が三名、常勤職員が二名、それから賃金支弁職員が四十三名、特別職が六名、こういう内訳になっております。  この退職者の移動状況でございますが、この八百六十五名のうち、約一割程度が、運輸大臣または省の承認を受けまして、営利企業に就職をいたしております。その他は自家営業を行ないまして、それからまた、団体等に就職をした者も若干ございます。大部分は特定の職務についておらないようでございます。  なお、現在これだけの退職者が出たわけでございますが、計画的に円満に行なわれましたので、行政上の事務には支障はないと考えております。以上。
  43. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) ただいま大蔵大臣がお話しになりましたように、法務省といたしましても、過去の三十四年、三十五年のおおむね平均人員を予定して、これを昭和三十七年度における定年退職該当者数に加算して見込んだのでありましたが、しかしながら、三十七年度におきましては、当初の予想に反して、普通退職希望者のみならず、勧奨退職の希望が多く、特に高額所得者の多かったことなどによりまして、成立予算不足を生ずるようになりましたので、この関係で約四億四千八百万円というような予備費使用になったのでございます。  退職者の職種はどんなのが多いかと申しますと、刑務官と申しますか、矯正関係が最も多く、これに次いで法務局の職員、次に検察庁の職員等の順序となっております。
  44. 松野孝一

    政府委員(松野孝一君) 農林省といたしまして、当初の予算額よりも相当多額の予備費の支出をいたしたわけでありますが、その理由といたしましては、先ほど大蔵大臣がお話しになりましたとおり、三十六年の六月の法律第百五十一号による国家公務員等退職手当法の一部改正によりまして、昭和三十七年一月に、国家公務員等退職手当法施行令の運用に関する通達がありまして、そのおもな改正点は、軍人軍属及び外地官署の職員であった者が戦後再就職した場合の在職期間の戦後通算は、従来九十日、百二十日以内のブランクの場合にのみ通算されたものが、今度、昭和二十八年七月三十一日までに再就職した場合には通算されることになりましたので、それに伴いまして退職手当法上の勤続年数が大幅に延びた。それからまた、三十六、七年の十月の、二回の給与改定によりまして、俸給額がアップしたことに伴いましての退職手当額が増額した。それからまた、二十八年八月一日以降すでに退職いたしました職員に対する退職手当の追給などがありまして、こういうふうな結果になったのでございます。  それから、退職された方の職種がどういうものが多いかという御質問ありましたが、これは、三十七年度に退職いたしましたのは八百七十五名おりますが、そのうちの八五%が行政職でありまして、その他、研究職が一〇%、その他が五%、こういうぐあいになっております。
  45. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、防衛庁と大蔵省ですが、防衛庁の退職した者はどういうものが多いのか。特に大蔵省の場合は、国税庁が少し多過ぎますね。一体、これはどういうことなんですか。大蔵大臣、御説明いただきたい。
  46. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 国税庁は、御承知のとおり、退職者が非常に多くて困っておるわけであります。でありますから、今度は、御承知のとおりの法律案をお願いをいたしまして、国税庁職員が、国税庁に何年以上勤続した者に対しては税理士の資格を与えるというような、まあいままで当然やるべきものをやらないでおったわけでございますので、こういう、いま問題を提起をいたしまして、御審議をわずらわしておるわけでございます。これは、国税庁で、特に法人税関係に勤務をいたしますと、実際は民間から相当の要請がありまして、こういう人をもらいたい、こういうことでございます。まあ省に言ってきたり局に言ってくるものは別でありますが、直接個人にも交渉するというようなことがあって、非常に困りますので、国税庁の職員が十分庁にとどまることができるように各般の施策を行なっておるわけでございます。今度は、専門職という、専門官の制度も設けまして——ちょうど中だるみになっておるわけであります。新しく入った人は比較的初任給は高い。でありますが、ちょうどいま課長補佐、課長になんなんとするような諸君、人生においては最もあぶらの乗り切ったところが、こう中だるみになっておる。これを是正しようということで、いろいろ人事院当局に働きかけたりいろいろなことをしておりますが、そういう諸君を民間で非常に要請をする、こういうことがありますので、いま痛しかゆしというところでありますが、そういう意味で、思わざる退職者が出ておるということは事実であります。
  47. 相澤重明

    ○相澤重明君 防衛庁の担当者、課長見えぬようですが、それでは防衛庁のひとつ摘出をして——たとえは防衛庁のお医者さんはいま充足されておりますか。あるいは、どのくらいの不足を来たしておりますか。
  48. 軽部彌生一

    政府委員軽部彌生一君) お尋ねの防衛庁の医官の状態でございますが、大体定員に対しまして医官が約五〇%、歯科医官が四四%といった、まことに微力な状態でございます。
  49. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで大蔵大臣にお尋ねをするわけですが、いま大蔵大臣はじめ、各省の関係者に御答弁をいただいたのですが、働き盛り、あぶらが乗っているところなんだがやめていくということでありますが、なぜ一体これはやめていくのでしょうね。これは結局、給与が安い、働く条件がよくない、こういうことでしょうか。それとも、もっといや他にいいところがある、こういうことでやめていくのでしょうか。これはどういうことでしょうかね。これは大蔵大臣が査定をするから、一番よくわかると思うんだが、どうでしょう。
  50. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) なかなかむずかしいことでございます。いま相澤さん言われたとおり、確かに、まあ給与の問題もございます。それからまあ待遇、環境その他が、昔のように、あまり好ましくないというところもございます。もう一つは、官吏になると、昔のように、官吏は昔は非常にいいときもあったようでございますが、このごろは、必要以上に国民の公僕ということで、なるべくなら官吏になりたくないという気持ちもあるようでございます。もう一つは、民間でこういう技術家は引っぱりだこであるということが、大きな理由でございます。でありますので、いずれにしましても、必要要員を確保しなければならないという立川にございますので、給与の問題、また待遇その他、いろいろ検討しながら、なるべくいい人に集まっていただくというようなことを、いまおいおいやっているわけでございます。
  51. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの大蔵大臣の御説明で、やはりどうも一般的からいって、公務員の給与が低過ぎると、こういうようなふうにも受け取れますが、これはひとつぜひ政府考えて、やはり働く人が十分働き得る条件をつくってやるということは、やはり職場に安定をさせることだと思うのです。  そこで、それはそれとして、この退職金が、たくさん各省庁のが多くなっているわけですが、これは例を一つ私はお尋ねをしますから、お聞かせをいただきたいのですが、局長クラスで退職をした場合は、退職金はどのくらい出ますか。これはひとつ、でき得れば建設省、それから厚生省、大蔵省、その辺くらいにひとつしぼってお答えをいただきたい。
  52. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 平均で申し上げますと、まあ退官万退職手当の平均単価は、普通退職で十九万二千円、高齢者退職で百七十六万九千円、定年退職者で三百六十二万七千円、整理退職者で百十六万三千円ということでございます。大体こういうとこでごいます。
  53. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると、定年でほぼ三百五、六十万ということですか。これは厚生省や建設省も大体そんな程度ですか。
  54. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 大体同じです。
  55. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると、やはりあまり退職金もよくない、こういうことですね。  そこで私は、大蔵大臣に、ひとつきょうは、やはり大臣としては一人っきりいないし、各省の次官も少ないわけですが、綱紀粛正の問題を申し上げるわけですが、あまり待遇がよくないと、どうしてもやはり悪いことができる。特に私は、この関係省の方にお答えをいただきたいのですが、厚生省の幹部がおやめになって、各都道府県に、寄付金を集めろという指令を出した、あるいはそういう要請書を出した。あるいは、建設省の課長課長補佐か知りませんが、そういう人がやはり出している。あるいは農林省がこうだというのが出ているわけですね。これは、いま大蔵大臣のお話のように、官吏の給与が悪い、退職金も少ない、うちを建てることもできない、こういうようなことで、やはりどうしても首脳部のやめたときには、そういう寄付金というものを集めたがるものだ、こういうように、私が見ると——そういうのをいろいろ出されているのを見ると思うのだが、大蔵大臣は、こういう点については——その仲間では大臣お一人ですが、どうお考えでしょうか。
  56. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 退職金の金額だけではなく、御承知のとおり、共済制度もできておりますし、民間企業とのバランスもできるだけとるようにということをいたしているわけでございます。まあ国力がだんだん大きくなるたびに、よくなるにつれて、まあ、かかるものが改善がせられておるわけでございます。この関係したところから、退職に際して、何といいますか、見舞い金でございますか、何か集めるということは、これは金額の多寡とは、全然別な問題であります。いやしくも職務に関して金品を取ってはいかぬということと同じことでございます。これはもう本省をやめたので、その関係の各地方公共団体から、通達を出して金を集めるということがもしありとせば、これは非常にいけないことでございます。場合によれば法律にも違反するということでございますし、これはもう金額が少ないからという問題とは全然別な問題だと考えておるわけでございます。特に、もし、そうい例があったとすれば、私は寡聞にしてそういう事実を知りませんが、もし、あったとしても、特定の人であって、これは退職する人が全部地方から集めるということになったらこれはたいへんなことでございます。そういうことはできようはずがないのでございましてこれはもうモラルの問題でありますので、少なくとも、大蔵省が金を出さないので違法行為を行なうというようなことは、これはもう理屈にならないわけでございますので、さようなことがないように各省にも強く申したいと考えます。
  57. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は、関係者がいると思いますから申し上げておきますが、この三十七年、三十八年の予備費のところで、たまたま同じような時期になったわけでございますが、たとえば厚生省の場合は、官房長が音頭とりで、全国にそういう要請をしておるというようなこと、これは全くけしからぬと思う。文書を回して、この人は厚生省の課長とか、兵庫県の衛生部長とか、あるいは厚生省の統計調査部長とか、環境衛生部長を歴任して、衛生行政の実に恩人だというようなことで、一口幾らということで集めている。しかも、都道府県の衛生部長、民生部長といいますか、そういう人、長あてにずっと出しておる、出ているわけです。それから建設省のほうも、とにかくこの人は二十何年間の長きにわたって河川事業の推進に貢献された人である。ついては、同氏の功績を記念して在任中の労苦に報いるために記念品を贈呈したいから、みんな金を出してくれ、こういうことを、いま大蔵大臣の言われたように、退職者が全部やったらたいへんなことで、そんなことはできるはずがない。特定の幹部に限るのですが、そこが問題なんです。だから私は、前段でこの予備費の支出について、予備費の支出が多かったということは、むしろ悪いことではない。ただ、予算のつくり方として、あまり見通しのつかないような予備費を多く使うことはいけない。だから当初計画性を持ってやりなさい。そこで役人、いわゆる官吏にもできるだけ給与をよくして定着させることや、退職した後もそういう非難を受けないようなことを政府みずから考えてやるべきではないか、それをやらないから、結局は、そういう特定の人がたまたま出て、国民の多くから批判されるのです。これは評論家の人たち意見を見てごらんなさい。全くこれらの問題については、たとえば坂西志保さんの話を聞けば、こういう呼びかけは、任意の寄付を求めるというつもりで出しているかもしれない、文書は。受けたほうは、これは命令的に押しつけられたものだ、こういうふうになる形は非常に危険だと言っているわけです。そういうようないろいろな評論家の人たちや、あるいは同じ評論家でも、大宅さんのような人たちは、やくざのお礼参りと同じようなことをやっているじゃないかというようなことも、手きびしい批判が出ているわけであります。その手きびしい批判が出ることは、裏を返していえば、政府がそういう田中大蔵大臣のような人情を持った施策をやってないということにもなる。  そこで私は、いまの綱紀粛正は綱紀粛正として、大蔵大臣が後段でお話しになったように、厳として私はやってもらいたい。内閣に、そういうことを起こさないように、各省に厳正な態度をとってもらいたい。と同時に、それをただ、一面においてそういう綱紀粛正をやると同時に、冒頭に申し上げたように、やはり官吏の身分の安定、そうして退職後のそういう不安定なことをなくすということをひとつ心がけていただきたい。これはぜひ、さいふのひもを握っている大蔵大臣に私は強く要望しておきます。そしてまた、そういうことのあやまちがあれば直してもらいたいと思うのです。  それと、先ほど大臣がお話しになりましたが、予備費使用について、いままでは毎年二百億でしたね。今年から三百億になりましたね。そういうことから申しますと、もし予備費の使い方が適切でないというと、私は、政府は金があるから予備費を使っていいということになったらたいへんだと思うのです。そういうことで、予備費使用についての、ひとつ厳正な態度というものを大蔵省は私はとってもらいたいと思うのですが、大臣いかがですか。
  58. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 予備費使用に対しては、厳正な立場でまいることは当然のことでございます。これが二百億であろうが、三百億であろうが、五百億になろうが、金額が多くなったから予備費使用がいいかげんであっていいというようなことでは絶対ございません。普通からいえば、二兆円時代に二百億でございます。二兆二千億になったのだから三百億でも四百億でもという議論もあるわけでございます。精算して義務的にどうしても出さなければならないというものは予備費支弁にまつわけでございますから、そういうことも考えられますが、できるだけ予備費というものは小さいことがいいのだという考え方で、一般の予備費は二百億ということで据え置いたわけでございます。今度百億ふえましたということは、年々歳々災害ということがございまして、国会が開かれないとか、また、補正の問題が片づかないために、災害復旧がおくれるというようなことがあってはならぬということで、百億新たに災害予備費としてワクをつくって国会の御審議をお願いしたわけでございますから、予備費の額がふえようとも、予備費使用に対して厳正であらねばならぬということに対しては、当然現在まで以上に考えております。
  59. 相澤重明

    ○相澤重明君 ちょうど災害の問題に入っていこうと思ったところ、大蔵大臣の答弁がありましたが、三十七年度及び三十八年度一般会計予備費使用のうち、各種災害復旧事業関係に対する国庫補助金が非常に多いわけですね。農林省、運輸省、建設省、この予備費の特に代表的とも思われるものでありますが、この災害復旧費あるいは予備費使用について、私ども決算委員会では、もう会計検査院の検査を受けて、毎年実はこの問題は一番強く指摘している。いままでも不当事項の最も多いのはこういう災害復旧であります。査定額が非常に見積もりが過大であるということと、そういういわゆる急を要するということで、ともすれば災害復旧費が使われる面が非常に危険が伴うということであります。が、いままででは大体この中で見ると、減額をされたものが十億七百万円、不当事項としていわれたものが十一億余もあるということは、やはり私は、予備費使用について、あるいは災害復旧費の使用方について、あまり熱心に納税者の立場に立った使い方をしておらぬのじゃないか。  特にこの中で、いま一つ問題になるのは、いわゆる地方の公共団体に対するところの補助金あるいは助成の中で、地方公共団体の工事負担金の払い戻しに必要な経費を立てかえておるわけでありますね。こういうような点は、どうしたならばこれを少なくすることができるか、こういう点について大蔵省としてお考えになったことがございますか。
  60. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 公共事業に対する批難事項は年々歳々御指摘がされておるわけでありまして、非常に遺憾でございます。また、当委員会としてもたびたび御決議をいただいておるわけでありますので、かかる批難事項がなくなるように努力をいたしておるわけでございます。しかし、一時に比べると、非常に質はよくなったというふうには言い得るわけであります。昔は大雨が降りそうだというので橋の橋台を切り飛ばして天狗橋事件を起こしたこともございますが、だんだん世の中も落ちついてまいりまして、現在批難されておりますものは、裏込めを三十センチでいいというようなものを四十センチにしたというような、非常に技術的なものでございます。そういう意味から言いますと、質はよくなったということは、個々の案件の内容をお調べになっていただくと、ごく悪質のものを除きまして、おおむねそういう技術的な問題になってきておることは御承知のとおりであります。  この批難事項をないようにするためにはどうしたらいいかということで、大蔵省の査定官も行っております。各行の査定官も行っております。会計検査院もそのあとから参ります。各都道府県も検査を行なっております。このくらい厳重にやりながら、なかなか会計検査院の指摘事項が絶無にならないということで、問題のあるようなところでは同じ査定官をやろうというようなことをやりましたり、都道府県でもって十分確認をするようにということの通達もいたしております。また、大蔵省は各財務局関係で班をつくりまして、重要なところは二人、三人で行くなり、また、継続工事等に対しては同一の査定官が行って見るとかいうような、できるだけの努力をいたしておるわけでございますので、一時よりもよくなりつつある。というよりも、これを絶無にしたいというために、各省とも連絡をとりながら、かかる批難事項がなくなるように努力をいたしておるわけであります。
  61. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから防衛施設庁にお尋ねするわけですけれども総理府の中で、やはり議決予算よりは若干は少ないけれども予備費使用が出ておるわけです。それは本府、警察、行管、防衛施設、こういうふうになって、その中で、先ほど、お医者さんの分についてはまあ半分以下だというような話があったわけですが、この予備費の支出とは若干違いますが、今年度予算で横浜の米軍住宅の移転に伴う調査費をつけたのですが、どういうふうにしてこの調査をやるのか、せっかく金はつけたけれども、やろうとしないのか、こういう点について御説明をいただきたいと思います。
  62. 小野裕

    政府委員(小野裕君) 横浜市内にあります米軍集団住宅の関係で、現状を調査する経費が、本年度約二千万円計上されております。この調査の内容、方法というものにつきましては、目下具体案を検討中でございまして、まだ確定いたしておりません。
  63. 相澤重明

    ○相澤重明君 役所のことで検討中というのは、いつもの答弁なんです。検討しておったら検討で終わってしまう。検討で明けて検討に暮れたのでは意味がない。いつごろやるのか。
  64. 小野裕

    政府委員(小野裕君) 当然この予算を編成いたしまして、また御承認いただきましたその陰には、大体どういうことをするかという順序はあるわけでございます。ただ、いままでの段階におきまして、現在、横浜市内の主としてまとまったところを三カ所、御承知のとおりでございますが、三十七万坪にわたる地域に千五百余りの住宅があるわけでございますが、この実態をつかむということを、本年度は大きな仕事に考えております。それは御承知のとおり、いろいろと占領直後からの仕事でございまして、当時と地形が変わる、いろいろ造成工事等もございまして地形が変わっております。そういう関係で、所有権、地籍の境界というようなものについても、非常に不明確になっておる点がございます。ただいま申し上げました土地は、三十七万坪でございますが、そのうち、国有地が十七万坪、民公有地、主として民有地でありますが二十万坪。その地主さんの数もたいへんな数であり、その筆の数もたいへんな数であります。その間の境界を明らかにする、これは大事な仕事であると考えております。さらに、その地域の中にいろいろな建物あるいは埋設物、そうした設備類があるわけでありますが、そういうような実態につきまして、できるだけ早くそれを正確なものに取りまとめたいというのが、本年度の調査の目的でございます。
  65. 相澤重明

    ○相澤重明君 あと大蔵大臣には少しですから、私すぐ終わりたいと思います。  そこで、昨年の七月十二日の閣議決定をいたしました大韓民国の食糧難救援に必要な経費約二十億、十九億四千二百三十九万、これを厚生省の費用として日本赤十字社によって送らした、こういうものでありますが、これは大蔵大臣、いかがですか、こういう、少なくとも十九億、二十億からになる金を厚生省の経費として出すというようなことが、予算あるいは予備費の使い方からいって、どういうことになるのですか。これはちょっと私は、こういう点については問題があると思うのです。少なくとも、まあ相手の国に対する救援の処置でありますけれども、先ほども内閣官房の問題を取り上げましたけれども、私は、取り上げるしかたとしてどうも適切を欠いておるように思うわけです。こういう点については、厚生省といわゆる大蔵省との関係で、ひとつお答えを厚生省からもいただきたいと思うのです。  それからいま一つは、同じ食糧問題について、これは大蔵大臣が御承知のように、予備費使用決定したわけでありますが、三十八年産米の買い入れ価格が予定を上回ったために、国内米買い入れに必要な経費三百億を使っておるわけですね、三百億。この国内米買い入れ数量及び価格等、予備費使用額三百億の算出根拠はどうなっておるのか、どういうふうにしてこれはきめたのか、この点はひとつ農林省からもお答えをいただきたいと思います。  それから先日の参議院の本会議でも政府の御答弁もあり、また、野党側からも質問があったわけですが、米の若干の不足の問題について、政府としては輸入食糧をふやす、こういうお話でありましたが、この三十八年産米の買い入れの問題と同じように、輸入食糧買い入れ増加に伴う必要な経費として百四十九億余を予備費から支出しておるわけです。こういう多額な経費予備費で支出するということが、どうして農林省はそういう計画が立たなかったのか、予備費で支出しなければならぬのか、こういう点は、私はやはり相当の問題があると思う。同時に、麦の収穫量及び政府買い入れ数量、こういうものもひとつそれぞれ明らかにしてもらいたいし、三十八年度中に買い入れ輸入食糧の実績、数量あるいは金額、これを種類別にひとつ御答弁をいただきたい。  以上が大蔵大臣と農林大臣に対する質問であります。  それから最後に、行政監察局から出されておる行政監察の意見、これに関しまして、特に日雇労働者健康保険の行政監察が報告をされております。この中で「保険料のほ脱防止について」ということで出ておるわけでありますが、これについて小林厚生大臣が、何か、とやかく、どんなことを話をしたとかしないとかいうことが言われておるわけです。つまり日雇保険というものをなくするような、少なくするような話を厚生省がされたように言われておる。この行政監察の勧告要旨というものはそういうことではない。行政監察の勧告要旨というのは、「保険料のほ脱が極めて多いが、ほ脱防止月間以外には、ほ脱防止の調査指導が行なわれることが少ないので、ほ脱防止を強化する要がある。」と、こういうことを言っておるわけです。これは行政監察です。これを日雇労働者の健康保険というものをなくす、あるいは少なくするというようなことは、これはちょっと問題があるのでは——そういうことを言ったか言わないのかわかりませんが、そういうことを、行政監察に対する厚生省、労働省、両方からの意見をひとつ出してもらいたい。そしてまた、大蔵大臣は、そういう日雇労働者の健康保険についてはどう考えておるのか、こういうことをあわせて大蔵大臣、労働大臣、厚生大臣、それぞれ担当者から御説明をいただきたい。以上です。
  66. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 韓国に送った米及び麦の問題につきましては、御指摘のとおりでございます。この代金が厚生省の予備費というのはおかしいじゃないかということでございますが、御承知のとおりの事情でございまして、日本赤十字社がこれを送るということにしたわけでございます。日本赤十字社がこれを送るということになりますと、送るならば食管で送ればいいじゃないかというような御意見もあるかもしれませんが、食管法のたてまえは日本国民を相手でございますので、そういうこともできないということで、日赤がこれを送る。日赤は厚生省所管でございますので、厚生省がその事務手続を行なって閣議で決定をしたということでございます。何ぶんにも緊急を要する事態でございますし、こういうことを外国に対して行なう場合には、できるだけひとつ誠意を持って早くやるほうがいいということもあったわけでございます。また、厚生省を窓口にしないと、一体、どこを窓口にするのかという問題も出てくるわけであります。でありますから、いまの法制からいいますと、厚生省やむを得ずということになるわけでございます。ひとつ御理解をいただきたい、このように考えます。  それから米の問題につきましては、こまかくは算出基準等、農林省からお答えいたします。いずれにいたしましても、三百億の予備費の支出は、千二十七円でございますか、当時予算価格よりも生産者米価が上がったということでございます。  それから日雇の問題につきましては、現在まだ厚生省側から話を聞いておりませんので、大蔵省側としては意見を申し上げる段階にはありません。
  67. 牛丸義留

    政府委員(牛丸義留君) 韓国に対します食糧の贈与は、ただいま大蔵大臣の御答弁のとおり、日本赤十字社が韓国に対して、赤十字の理想とする人道的任務を達成するために行なったわけでございまして、その日赤に対して国が補助金を支出した、こういうことでございます。
  68. 松野孝一

    政府委員(松野孝一君) 御指摘のごとく、輸入食糧買い入れ数量増加に伴いまして、昭和三十八年九月十七日及び同年の十月十一日の閣議決定により、合計百四十九億の予備費使用の決定を見たのでありますが、そのうち、外国米の買い入れについては、当初予算においては、買い付け予定数量十一万五千トン、内訳を申し上げますと、準内地米が一万三千トン、普通外米が三万六千トン、砕け米が六万六千トン、合計十一万五千トン、買い入れ総額五十億と見込んだのでございますけれども、その後、三十七年産徳用米の急減少等のために、外国米に対する需要は漸増傾向を示し、予備費使用要求時において二十万三千トン、内訳を申し上げますと、準内地米が八万三千トン、普通外米五万トン、砕け米七万トン、合計百二億円と見込まれるに至りましたので、差し引き五十二億円の予備費使用の必要を生じたのであります。  また、外国麦については、当初予算におきましては、小麦百七十六万三千トン、金額にして五百九億円のみを見込んだのでありますが、御承知のとおり、内麦は未曽有の凶作によりまして、政府買い入れ数量も大幅に減少するに至りまして、国内需要を充足するために相当量の外国産麦の輸入を必要とし、予備費使用要求時におきましては、小麦二百九万二千トンのほか、大麦九万四千トンの買い入れを見込まざるを得なくなり、合計二百十八万六千トン、金額にして六百六億円となり、差し引き九十七億円の予備費使用が必要となったのであります。すなわち、先ほど申し上げましたように、外国米の予備費必要額五十二億円と合わせまして、合計百四十九億の予備費使用となったのであります。
  69. 横川正市

    委員長横川正市君) この際、おはかりいたします。  委員議員である鶴園哲夫君から発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 横川正市

    委員長横川正市君) 御異議ないと認めます。鶴園君。
  71. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) 農林省関係の食管特別会計と、国有林野の問題について、二つだけお尋ねをいたしたいわけです。  まず食管会計についてお尋ねをいたします。これはいま、ここでどうという答弁がなくても、まだ続けてこの問題についてやりますのでお尋ねをいたしておきますが、これは三十七年度の決算の報告の中にも指摘をしてあるわけですけれども、三十七年の十二月一日に消費者米価を一二%から二九%引き上げた。で、それを引き上げたために出ますところの差益、これがその前日の三十七年十一月三十日現在で販売業者が持っておった米穀は約十六万トン、これがこの差益をそのまま卸業並びに小売り業者のふところに入る、これはよくないのじゃないか、こういう指摘をしておるわけですが、卸売り販売業者三百九十六、それで約十二億の金が天から降ってきたようにころがり込む、小売り業者は五万七千であります。金額にして約四億八千万円、これがころがり込む、こういうことになるわけですが、この差益は徴収しないのかどうか。会計検査院は約九年前に同じような指摘を行なっておるわけでありますが、昭和二十九年に同じ指摘をして、で、十年くらいたった三十八年も同じような指摘をやっておるわけですね。当時の食糧庁の説明書が出ておりますが、その説明書を見ますと、どうもどれも納得できない。二つほど出ております。しかし、この二つともどうも納得できない、こういう話では。最後に、これは業者にこういう差益が帰属されるということは問題なので、今後検討して改善すると、これが昭和二十九年の農林省の国会に対する説明書になっておる。ところが、再び三十八年にこういう同じようなことが指摘されるということは、一体どういうことなのか、その点をお尋ねをしたいと思うのです。
  72. 松野孝一

    政府委員(松野孝一君) 食糧庁の経理部長から答弁させます。
  73. 亀田喜美治

    説明員亀田喜美治君) いまお尋ねの、米穀の卸売り及び小売りに、米価の改定のあった際の在庫について発生した差益というものについての処置でございますが、これについては食糧庁といたしましても価格改定の際にかなり検討を加えたのですが、これを一たん小売りないし卸に帰属したものを国が徴収するということの根拠をどこに求めるかということで非常に苦しみまして、いまなおはっきりした結論が出ないのですが、会計検査院かちも指摘を受けましたので、これについてはいろいろな道があろうかと思いますけれども、実効があがらなければならぬという問題もあり、目下検討しております。
  74. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) いや、十年前の二十九年に指摘されたわけですよね。そのままになっておって、また今度こう指摘されたわけですね。それで、これは何しろ金額が大きいですね。卸売り販売業者に対する——三百九十六の業者ですが、約十二億という、こういう金がころがり込む。小売り業者にいたしましても、四億八千万という金が天から降ってきたみたいにころがり込む。なお、食糧庁はいまみたいなお話ですが、塩の専売は改定をやった場合には徴収しているわけです。差益は徴収している。だから、同じ政府が塩の場合ははっきりやられておるのですよ。食糧の場合やられない。食糧庁の理由としては、何か根拠法規がないということと、もう一つは業者がたくさんあるので公平確実に徴収することが技術的に困難だと、こういう言い方をしている。ですけれども、塩の場合においても、これは塩の業者というのは実に八万業者がおるのですね。ですから、米穀の販売業者よりもはるかに多いわけですよ。にかかわらず、差益はちゃんと徴収している。ですから、食糧庁は食管会計について熱意がないんじゃないかと私は思っておるのです。特に近年、何か押し流されたような感じで、熱意を持ってないんじゃないか。これはあとでまたやりますけれども、感ずるわけです。最近米が足らなくなったということで、米穀通帳なんかえらい問題になっておりますが、本来、近年食糧統制について熱意が何かないような気がしてしようがないのですが、これなんかも有力なものですよ。ですから、検討しておられるということでありますから、政務次官どう考えておられますか、ちょっと聞いておきましょう。
  75. 松野孝一

    政府委員(松野孝一君) ただいまの鶴園委員の御指摘、私もごもっともだと思います。また、会計検査院からも二度にわたって指摘されているのでありますので、いずれにいたしましても、この消費米の価格の改定時におきまして手持数量に対してそのままにしておくと、多額の利益を卸売り、小売りの段階で得させる結果になりますので、適当でないと私は思います。つきましては、ただいま事務当局からお答えいたしましたごとく、すみやかに検討して適正妥当な結論を出したいと考えております。
  76. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) それでは、いまの問題につきましては、政務次官の御答弁のように、すみやかな機会に検討されて結論が出ますように要望いたしておきたいと思います。  それから次に、国有林特別会計の問題についてお尋ねいたします。これは二つほどまず先にお尋ねをしておきたいのですが、一つは国有林特別会計予備費、この三年ぐらいの間の、あるいは四年ぐらいの間の額がわかりましたら、ちょっとお尋ねをいたしたい。わからなければ、あとでよろしゅうございます。
  77. 田中重五

    政府委員田中重五君) 後ほど御提出いたします。
  78. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) それじゃ、それは後ほどいただくことにいたしまして、昨年の十二月の特別国会で国有林野の問題につきましてお尋ねをいたしたわけですが、その場合に、会計検査院の検査した内容——これは会計検査院は国有林の土地を貸し付けているという点についての検査をしたわけですが、その場合の結論は、どうも貸し付け料が非常に低廉だ、安い。その結論というのは、林野庁は木の値段は詳しいようだけれども、どうも土地の値段についてははなはだ不案内だ、こういうのが一つの検査院の検査から出ている結論だというふうに私は申し上げた。同じく行政管理庁は、国有林の土地の管理について監察をしたわけです。その場合の結論というのは、林賢庁は木材のことについては関心を持っているけれども、七百三十万町歩をこすところの国有地、これの管理等については関心が薄いのではないかというのが、この行政管理庁の監察の結果だというふうな点、私昨年の十二月に申したわけでありますが、この問題は今後の問題といたしましてさらにはっきりさしておかなければならないというふうに思っております。特に木材の問題について、あるいは木材の価格あるいは管理については関心を持っているようだというのが行政管理庁の監察の結論みたいなことになっておりますが、事実かどうか、そこら辺もはっきりしなければならぬというふうに思っております。きょうお尋ねいたしたいのは、その延長としてお尋ねをするわけですが、またもやこの価格は低廉という指摘が行なわれているわけですね。非常に低廉だというので指摘をされておりますので、この点についてお尋ねをしておきますが、林野庁の計算と、それから会計検査院の計算と比較をしてみますというと、大体林野庁の計算の四倍くらいのものを会計検査院は妥当なものだと指摘して、ですから林野庁の計算は、会計検査院が言っている価格よりも大体四分の一くらいの、そういう非常に低廉な価格で貸し付ける、こういうことになっているわけでありますが、これは三十六年度、三十七年度二回にわたる国有林野の貸し付けの問題についての結論だと思うのです。ですから、こういう事態がどういうところから発生するのかという点をお尋ねをいたしたいわけです。まずそれをお尋ねをいたします。
  79. 田中重五

    政府委員田中重五君) ただいまお話のございましたように、国有林野の貸し付けにつきまして、会計検査院からその貸し付け料の価格が低いという御指摘を受けましたことは、そのとおりでございまして、その点まことに遺憾に存じております。それから、林野庁といたしましては、貸し付け料の価格を決定するにあたりましては、その貸し付けの近傍類地の賃貸価格なり、あるいはまた土地自体の取引価格なり、そういうものを十分に調査をいたしまして、さらには財務局あるいは精通者の意見等も十分に勘案をいたしました結果、会計検査院の御指摘の趣旨に沿って三十七年度あるいは三十八年度にこれを訂正をいたしたわけでございます。それで、ただいまもお話がございました、会計検査院の指摘当時の貸し付け料に比べまして会計検査院の妥当と認められる貸付け料が約四倍ぐらいになっておったのは、そのとおりでございますが、さらにいま申し上げましたような十分な検討を重ねました結果、それを上回った貸し付け料として現在徴収を進めているわけでございます。それで、この是正をいたしました貸し付け料につきましては、そのとおり決定を見て、それによって契約をいたしておるものもございますし、その方針で現在相手方と話を進めておるというものもございます。それで、御指摘の趣旨に沿いまして改めておりますので、御了承いただきたいと存じます。
  80. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) 昨年十二月に同じ問題についてお尋ねをいたしましたときに、農林大臣の答弁といたしまして、いま申し上げました林野庁長官の答弁にありましたように、三十七、三十八年度の両年度にわたっての貸し付けの価格の適正化をはかっているというお話であったわけです。ところが、昨三十八年に会計検査院が検査をしたところが、百四カ所検査をしているわけですが、百四カ所の中で非常に低廉だというのが三〇%くらいあるわけです、三割。ですから、三十七年、三十八年の両年にわたって改定のために尽力、努力をしておられるということでありますけれども、かりにいま、去年百四カ所というのを調べてみましたらその中の三割が悪いというのでは、どうも解せない点があるのでありますけれども、それはどういう説明をなさいますか。
  81. 田中重五

    政府委員田中重五君) 現在、妥当でないと考えられます貸し付け料につきましては、一件ごとにそれぞれその是正をはかっているわけでございまして、いまもお答えを申し上げましたように、すでにその是正を終了をしたものが相当あるわけでございますが、その種類によりましては、なお相手方との話し合いをしているものもございますし、それからさらには、一挙にその是正をはかることが若干の無理があるということで、三年程度の期間を置きましてこれの是正をはかるというものもあるわけでございます。いずれにいたしましても、急速にその是正をはかる方針でいるわけでございます。
  82. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) この指摘されている中に、こういうのがあるのですが、札幌営林局の大夕張営林署、夕張市の三菱鉱業株式会社、昭和六年からずっと貸している一万三千坪、これの価格が——単価ですね、坪当たりの評価額、林野庁二百四十五円、会計検査院が坪当たりの計算をしてみるというと千八百三十七円だった。七分の一ぐらいの低い評価額になるわけです。これは例として出ていますけれども、これは改めたのですか。これは契約期間は三十八年の三月までですけれども、改まったですか。
  83. 田中重五

    政府委員田中重五君) ただいま御指摘の例としてあげられました大夕張の三菱鉱業所の分につきましては、三十七年度当時の貸し付け料が九万七千七百四十三円とございましたのを、現在改定をいたしまして、八十六万二千六百六十八円ということに三十八年の四月に改めております。  なお、この鉱業所につきましては、会計検査院の指摘もございますし、林野庁といたしましても、この方針で、用途廃止をいたしましたものについて、その売り払い、それの促進について目下会社のほうと折衝中のものでございます。
  84. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) これは昨年も指摘をされて、私も伺ったのですが、観光業者、あるいはホテル業者、そういうものに国有地がいろいろ貸し付けられたり、あるいは低廉な価格で貸し付けられたり、昨年問題になりましたのは、日光を中心とした三つのホテル業者に対して、六十万坪あるいは三十万坪というようなものを非常な低廉な価格で貸し付けているというようなのが問題になったわけですが、今度指摘されている中に、京都の観光日本株式会社、これは二万二千坪貸し付けておりますが、この価格が非常に安いんですよ。これはどういうわけで、京都の観光日本株式会社——これはゴルフ場でしょう。昨年行政管理庁が林野庁の国有地管理について監察をしたのは、一つは、どうもそういうところにいろいろ貸し付けておるのじゃないかという点等もあって、行政監察をしたわけですが、今度また、非常に数少ない検査をした結果としても、こういうゴルフ場に二万坪を、これは観光日本株式会社というやつですが、この経緯を聞きたいわけですよ。こういうところにゴルフ場として非常に低廉で貸し付けられている、その経緯ですね。
  85. 田中重五

    政府委員田中重五君) いまお話のございました、京都の京都営林署所管の土地で、国有林野で、観光日本株式会社、これに貸し付けをいたしておるのは、そのとおりでございます。それで、その経緯を申し上げますと、戦後京都市が観光都市として近代的な施設を整備していきたいという市当局の強い要望と、それから当時の京都におきます進駐軍当局の要望にこたえまして、昭和二十一年の秋に、日本政府に対しまして、京都市上京区上賀茂地区にゴルフ場の新設の指令がされたのでございます。それで、この指令に基づきまして、二十一年の十一月に、京都市が工事に着手をしたというのがその発端でございます。で、二十二年の一月以降、その進駐軍の使用によるところの費用の負担にたえられないということで、進駐軍の指導によって構想を変えまして、そうして、市でなく、今度は京都府の事業といたしまして、ここにゴルフ場の完成をいたし、そうしてそのゴルフ場の経営が観光日本株式会社に委託をされるということになったものでございます。それで、現在その観光日本株式会社に貸し付けをいたして——京都府知事に貸し付けをいたしておりましたものが、委託を受けて事業を行なっておりました観光日本株式会社に直接貸し付けに切りかえて今日に至っておるというのが経緯でございますが、この貸し付けの土地につきましては、現在売り払い処分をするように交渉を進めているというのが、現在の段階でございます
  86. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) もう一つだけお尋ねをしておきたいのですが、それはこの林野庁の補助事業、これは本来都道府県が事業主体としてやるわけですが、ところが、この問題について、非常に粗漏な工事が多い、そういう指摘が行なわれておるわけですけれども、その一つの例として、ここでお尋ねをしておきたいのですけれども、これは指摘をされておりますから、林野庁も御承知のとおりでありますが、奈良県が行なった事業、これはインチキきわまりない。こういうものがなぜ起こり得るのか。コンクリートとコンクリートの間にうんと砂をぶち込んで、そうしてその外側をコンクリートで三十センチぐらい包んである。だから、会計検査院が検査をしてみたら、砂がぞろぞろ出てくるというやつですね。ですから、これは当然林野庁が検査をしたに違いない。しなければならないことになっておるわけですけれども、また県自身もしなければならないことになっておるわけですが、例として、奈良県のこの問題について、一体どうしてこういうことが起こるのか、これをお尋ねしておきたいと思います。
  87. 田中重五

    政府委員田中重五君) 奈良県で、いま御指摘のとおりの治山事業につきまして不当工事がございまして、会計検査院の指摘を受けましたことは、そのとおりでございまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。このような不当事項の発生の原因として考えられますのは、やはりこの事業主体の監督体制のまだ十分でないということもございますし、竣工検査がこれも徹底を欠いている、あるいはまた熟練労務者の不足ということもあるかと存じますが、このような不当事項を根絶するということにつきまして、今後なお一そうその努力を重ねる覚悟でございますが、現在このような不当事項に対する態度といたしましては、林野庁といたしましては、特に治山、造林、林道等の公共事業に対する部課におきましては、この監査班の強化、これをはかりまして、これが都道府県に対する不当事項の絶滅に備えての技術上の、あるいは検査上の体制の強化のために講習会を開くとか、あるいはそのための技術員の養成であるとかということに努力をすると同時に、また都道府県の段階におきましても、それぞれ検査体制の強化をはかりまして、林野庁と同じような姿勢でその工事に対処するということで現在進めているわけでございます。  なお、奈良県の不当工事につきましては、林野庁から直ちに係官を現地に派遣をいたしまして、そうしてそれぞれ必要な手直しの工事をさっそく施行させるようにいたしまして、当初の施行の目的を達するように措置をいたしまして、厳重な監督のもとに昨年の十月十五日にその手直し工事に着工いたしました。ことしの四月末でその手直し工事完成という予定になっております。
  88. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) このいまの奈良県と同じようなものが山形県の大江町にもあります。それで、どういうわけでこういうのが起こるかと思って調べさしたところ、何せ中に砂を詰め込んで、外側を約三十センチの厚さのコンクリートでおおってある。ところが、林野庁の検査は五十センチ破壊して検査するということになっておりますから、いまの奈良県の場合は、林野庁の検査でやるとすぐ出るわけですね、五十センチ破壊しますと。会計検査院は、林野庁の指導検査方針で五十センチ破壊してこれは出てきたわけですね。ところが、奈良県の場合は、十センチだと、こう言う。十センチじゃこれは出ないです、どこを破壊してみても。そうしますと、林野庁は五十センチだと、県は十センチ、こういうことになりますと、これは県のやつじゃどこをやってみたって出ない。ですから、林野庁と県の検査方針が全然食い違っておるというところにやっぱり問題があるのじゃないかと思うわけですけれども、その点はいかがですか。
  89. 田中重五

    政府委員田中重五君) いまお話しの竣工検査についての方針につきましては、林野庁といたしましては、各都道府県を指導いたしまして、その検査方針の統一を十分はかり、徹底をするように努力をいたしておるわけでございます。で、その点について、さらに遺憾のないように、林野庁の方針が徹底をいたしますように指導をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  90. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) ですから、いまの問題については、ただ一つの問題を取り上げて申し上げたわけですけれども、林野庁の検査の方針、いわゆる五十センチというやつが、県では十センチ、これじゃどうにもならぬという私は感じを持ちます。ですから、この点については、あとでまた事実を調査の上——私のほうの調査ではそうなっておる。ですから、調査の上答弁をいただきたいと思っております。  それからもう一つ、先ほど林野庁の特別会計予備費の問題についてお尋ねをしたわけですが、その際もう一つ資料としてお尋ねしておきたいのですが、その宿日直の個所数ですね、それをひとつ資料として要望いたしておきます。
  91. 田中重五

    政府委員田中重五君) 御指示のように整えまして提出いたします。
  92. 鶴園哲夫

    委員以外の議員鶴園哲夫君) 終わります。
  93. 横川正市

    委員長横川正市君) 他に発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 横川正市

    委員長横川正市君) 異議ないと認めます。
  95. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。相澤君。
  96. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件及び昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件について承諾を与えんとするものであります。  今回の予備費使用の中で特徴と言えるのは、国家公務員等退職手当法の適用による退官退職手当不足を補うための必要経費が非常に多いわけであります。しかも、退官退職した者は中堅クラスで、最も働き盛り、油の乗り切った人が多いと言われることは、行政上において重要な問題を残すと考えられるので、民間との格差をなくすために、国家公務員等の待遇改善をはかり、行政上の円滑をはかるべきであります。  第二は、各種災害復旧事業関係費についてでありますが、会計検査院の検査報告においても、年々不当事項が多数、多額にのぼっておるのでありますが、特に三十九年度は従前の予備費年額二百億が三百億に増額したことにかんがみ、いやしくも不正、不当のなきよう留意すべきであります。  第三は、食糧管理特別会計において、国内産米の買い入れ及び輸入食糧買い入れ等についても適切な措置を講じ、国民に食糧不足の不安なきょう努力すべきである。  第四は、綱記粛正についてでありますが、国家公務員等の退官退職時において、国民にひんしゅくを買うことのなきよう留意すべきである。  以上をもって討論を終わります。
  97. 横川正市

    委員長横川正市君) 山崎君。
  98. 山崎斉

    ○山崎斉君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件及び昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件に対し承諾を与えることに賛成するものであります。  ただ、この際、政府に対し、特に警告を与えたく思いますことは、一般会計における予備費使用の大宗をなしております災害復旧事業関係経費に対する予備費使用に関しまして、災害復旧事業費の査定額が過大であることであります。この事態につきましては、当委員会において毎回指摘されているところでありますが、やはり十分改善のあとが見られないということであります。政府におかれても、災害査定に関しては、査定額の正確を期することに相当な考慮を払われ、対策を講じられていることは認めますが、その厳正と的確さの確保にさらに一段の努力を払われることが肝要であると思うのであります。かくして、限りある予備費使用についてさらに効率を上げ、必要なる災害復旧事業が一つでも多く実施されることを強く、要望して、討論を終わります。
  99. 横川正市

    委員長横川正市君) 鬼木君。
  100. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 私は、公明会を代表いたしまして、昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件並びに昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件に関し、政府の厳正な判断とその効率的運用を特に要望いたしまして、承認するものであります。  すなわち、会計検査院の検査報告によりますというと、毎年多額の不正、不当事項指摘されております。先ほども論議のありましたとおり、災害復旧事業関係費に対する国庫補助金等の経理につきましては、その絶滅を期して、格段の防止対策がはからるべきであると思うのであります。特に予備費使用につきましては、それが緊急事態に対処して支出さるべき性格のものであることは、これは十分承知いたしておりますが、さりとて、国民の血税からなる公金の不適正な使用は、断じて避けねばならないのであります。したがって、政府は、今後の災害発生の場合におきましては、その応急措置、損害額の概算査定、さらには予備費使用段階につきまして、抜本的対策を考慮すべきであると思うのであります。  それに関連いたしまして申し述べたいことは、近年、地方公共団体と国との負担金、補助金の関係におきまして、著しい超過負担の傾向があります。それが地方財政逼迫の要因となっておるように見受けられるのでありまするが、災害復旧事業等の場合には、このような非難のないよう格段の配慮をすべきであると思うのであります。要するに、予備費は、他の経費と異なり、政府責任でこれを使用し、国会事後承諾を求めるものでありますので、その使用につきましては、慎重な、しかして適正な運営が望まれることは当然であり、政府はこの点は十分留意していただきたい。特にこの点を申し添えまして、以上のものに賛成するものであります。
  101. 横川正市

    委員長横川正市君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認め御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 横川正市

    委員長横川正市君) 御異議ないと認めます。それでは、これより採決に入ります。  昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十七年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十七年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用調書(その2)、昭和三十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和三十八年度特別会計予備費使用調書(その1)及び昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書(その1)、以上八件を一括して問題に供します。  以上八件は承諾を与うべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  103. 横川正市

    委員長横川正市君) 全会一致でございます。よって、昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外七件は、いずれも全会一致をもって承諾を与うべきものと議決されました。  なお、本院規則七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 横川正市

    委員長横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十三分散会    ————・————