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1964-03-11 第46回国会 参議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十一日(水曜日)    午後一時十五分開会     —————————————   委員異動  二月二十日   辞任      補欠選任    浅井  亨君  渋谷 邦彦君  二月二十八日   辞任      補欠選任    奥 むめお君  加賀山之雄君  三月四日   辞任      補欠選任    林   塩君  村上 義一君  三月六日   辞任      補欠選任    天田 勝正君  田畑 金光君  三月七日   辞任      補欠選任    横山 フク君  井上 清一君    佐藤 芳男君  山本  杉君  三月九日   辞任      補欠選任    井上 清一君  横山 フク君    山本  杉君  佐藤 芳男君  三月十一日   辞任      補欠選任    二宮 文造君  北條 雋八君    田畑 金光君  天田 勝正君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     横川 正市君    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君            山崎  斉君            相澤 重明君            小酒井義男君    委員            川野 三暁君            北口 龍徳君            沢田 一精君            鈴木 恭一君            谷口 慶吉君            坪山 徳弥君            西田 信一君            谷村 貞治君            大森 創造君            北條 雋八君            天田 勝正君            鈴木 市藏君   国務大臣    運 輸 大 臣 綾部健太郎君    国 務 大 臣 福田 篤泰君   政府委員    防衛庁防衛局長 海原  治君    防衛庁人事局長 小幡 久男君    防衛庁経理局長 上田 克郎君    防衛庁装備局長 伊藤 三郎君    防衛庁参事官  麻生  茂君    防衛施設庁長官 小野  裕君    防衛施設庁総務    部長      沼尻 元一君    防衛施設庁総務    部会計課長   大浜 用正君    防衛施設庁施設    部長      鈴木  昇君    防衛施設庁労務    部長      藤本  幹君    法務省刑事局長 竹内 壽平君    法務省人権擁護    局長      鈴木信次郎君    外務省アメリカ    局長      竹内 春海君    運輸大臣官房長 佐藤 光夫君    運輸大臣官房会    計課長     上原  啓君    運輸省港湾局長 比田  正君    郵政省電波監理    局長      宮川 岸雄君         —————    会計検査院長  芥川  治君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    防衛庁調達実施    本部長     山上 信重君    大蔵省主計局主    計官      渡部  信君    海上保安庁警備    救難部長    猪口 猛夫君    労働省職業安定    局雇用調整課長 遠藤 政夫君    建設省日本住宅    公団首席監理官 岩田 可治君   参考人    日本放送協会会    長       阿部真之助君    日本放送協会専    務理事     小野 吉郎君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選の件 ○昭和三十六年度一般会計歳入歳出決  算、昭和三十六年度特別会計歳入歳  出決算昭和三十六年度国税収納金  整理資金受払計算書昭和三十六年  度政府関係機関決算書(第四十三回  国会内閣提出) ○昭和三十六年度物品増減及び現在額  総計算書(第四十三回国会内閣提  出) ○昭和三十六年度国有財産増減及び現  在額総計算書(第四十三回国会内閣  提出) ○昭和三十六年度国有財産無償貸付状  況総計算書(第四十三回国会内閣提  出)     —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告をいたします。  二月二十日、浅井亨君が委員辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が選任されました。  二月二十八日、奥むめお君が委員辞任され、その補欠として加賀山之雄君が選任されました。  三月四日、林塩君が委員辞任され、その補欠として村上義一君が選任されました。  三月六日、天田勝正君が委員辞任され、その補欠として田畑金光君が選任されました。  三月七日、横山フク君及び佐藤芳男君が委員辞任され、その補欠として井上清一君及び山本杉君が選任されました。  三月九日、井上清一君及び山本杉君が委員辞任され、その補欠として横山フク君及び佐藤芳男君が選任されました。  本日、田畑金光君及び二宮文造君が委員辞任され、その補欠として天田勝正君及び北條雋八君が選任されました。以上でございます。     —————————————
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、理事補欠互選につき、おはかりいたします。  ただいま報告をいたしました委員異動に伴いまして、現在、本委員会理事が二名欠員となっておりますので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横川正市

    委員長横川正市君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に、佐藤芳男君及び横山フク君を指名いたします。     —————————————
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、昭和三十六年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がございますので、順次これを許します。  まず、私から、会計検査院長に二問お伺いをいたしておきたいと思いますが、本日は、関連して刑事局長出席を求めておりますので、この件について、ぜひひとつ簡略に、簡明に、御説明いただきたいと思います。  第一は、三十六年の決算報告書冬項目にわたって当委員会審査をいかしてまいりましたが、その中で疑義を持たれる点が、以下二点に集約せられると思うのでありますけれども、それは、検査院の持っております性格上からいきまして、検査の結果が、単に金銭上の問題である場合には戻入方式とか、あるいは改善要求の場合にはその改善報告をもって、検査院検査の結果がそれぞれ処理されているわけでありますけれども、その処理の中で疑義を持たれた点は、会計検査院法の第三十一条で、検査院懲戒処分要求ができるということになっておりますけれども、そういう法令権限を発動するような場合、検査院としては、どういうふうにお考えになってこれを行なおうとされるのか、また、過去にその実例がおありかどうか、これをまず第一点、お伺いしたいと思います。
  6. 芥川治

    会計検査院長芥川治君) 御承知のように、検査院法の三十三条の規定によりまして、検察庁通告することに相なっておるわけでありますが、院法検察庁通告を要すると定めておりますのは、国または公社の会計事務に従事する職員犯罪行為というふうに限られております。最近におきまする検査の途中において、犯罪行為を発見しましたものも一、二件ございますが、それはすでに検察当局が知るところとなっておりましたので、特に正式に検察庁通告をいたしておらないわけであります。  過去におきましては、昭和二十二年に二件、二十四年に三件、二十五年に一件、二十六年に二件、二十七年に一件と、こういう状態でございます。
  7. 横川正市

    委員長横川正市君) 第一問は、懲戒処分の項でお伺いをしたわけです。第二問に、三十三条の内容についてお伺いいたそうと思っておりましたが、三十三条はいま回答がありましたので、それで了承いたしますが、三十一条による懲戒処分の項について、再度ひとつお答えいただきたいと思います。
  8. 芥川治

    会計検査院長芥川治君) たいへん失礼いたしました。  院法三十一条の処分要求につきましては、三十一条と、それから予責法の第六条とに規定が定められておりまして、最近におきましては、各主務庁で積極的に適宜処分をされておりますので、事後においてわれわれのほうがその結果を承知しておるわけでありますが、過去においては五、六件あったと記憶いたしております。
  9. 横川正市

    委員長横川正市君) 実は、検査報告書を見ますと、各報告の中に指摘をされている条文の中では、実は私どもとして、単に過誤が修正されたり金銭戻入されたり、あるいは改善要求に対しての回答があったりした程度でその結末がつくような、そういう軽いものでは——相当きびしい検査院指摘事項があるわけです。これは各条項について指摘してもよろしゅうございますけれども、日本語の使い方では、ないんじゃないかと、こういうふうに思われる点があるわけでありまして、そういうきびしい指摘事項については、これは当然、行政刑事罰と分けて、三十一条と三十三条の発動は、検査院としてあってしかるべきじゃないだろうか、それが行なわれておらないのはどういうわけかという点で非常に疑問を持つわけです。  これは、昭和三十六年度の検査報告書を見ますと、その文章上からしますと、取り扱いとしては疑義を持たれる点が非常に多かったものですから、そこで、三十一条、三十三条で持っております会計検査院権限の範囲内で、これらの通告または処分についての意見というものがあってしかるべきではないかと、こういうふうに考えたものですから、お伺いをいたしたわけでありまして、いま返事のありましたように、それぞれ指摘を受けた案件については省において取り扱いが行なわれておるので、検査院としては、事後の始末についてそれ以上の追及はいたさなかったと、こういう答弁でありますと、私どもが受ける三十六年度の決算報告書内容からの印象とは少し違うんじゃないかという気がするわけなのでありますけれども、その点、検査院長としてどうお考えでしょうか。
  10. 芥川治

    会計検査院長芥川治君) 前にも、当決算委員会において、不当事項にあげられたものについての職員処分が軽過ぎるのではないか、こういう御質問が出たときに、お答えしたわけでありますけれども、これは、あくまで行政庁権限において処分されるわけでありまして、予責法に関して、過去において、検査院において、相手方が処分をしないというような場合には、こちらから要求をした例はございますが、その後においては、先ほど申し上げましたとおり、もう新法が施行されましてから長くもなりますし、主務庁において十分相当な処分をしておられまして、なお国会にも提出してありまする説明書の中にも、不当事項としてあげられました分についての処分等も掲記されているわけであります。検査院としては、それ以上は私ども権限外と、こういうふうに考えているわけであります。
  11. 横川正市

    委員長横川正市君) この点については、さらにひとつ、三十七年度検査報告審査中に、もう少し具体的に進めたいと思いますので、本日は、この程度にいたしたいと思います。  法務省刑事局長さんに、私から三問質問をいたしたいと思いますが、御出席でしょうか。     —————————————
  12. 横川正市

    委員長横川正市君) この際、防衛庁当局より、スタッキーニのその後の経過について発言を求められておりますので、これを許します。山上調達実施本部長
  13. 山上信重

    説明員山上信重君) 調達実施本部におきまして、昭和三十二年の三月二十九日に、スタッキーニ会社契約いたしました航空機搭載用八ミリロケット弾及び発射装置一式、これに関連いたしまして、イタリア国スタッキーニ会社に対しまする訴訟並びに保証会社でありますオルトリポー会社に対します訴訟関係経過につきまして御報告申し上げたいと思います。  昭和三十三年の十二月一日に、イタリア国ローマ民事裁判所は、スタッキーニ会社に対しまして破産を宣告いたしましたので、当庁調達実施本部は、イタリア人弁護士——これは在イタリア日本大使館顧問弁護士でございますが、このダンテという人を訴訟代理人に選びまして、昭和三十四年二月に、ス社に対する破産債権の六万二千ドル及びこれに対する法定利息ローマ民事裁判所に届け出ております。その後、昭和三十四年三月二十九日から三十七年一月十九日までの間に、十数回にわたり裁判が行なわれました。昭和三十四年の七月十五日には、調本訴訟代理人の届け出た破産借権が、ス社破産管財人によりまして承認せられまして、昭和三十七年の三月十二日付のローマ裁判所判決に上りまして、ス社提起の和議が認可されまして、破産債権の二五%が、昭和三十八年の二月以降四年間にわたって返還される、こういうことになったのであります。したがいまして、スタッキーニに対する債権につきましては、前貸しいたしました二千二百七十三万余田の四分の一に当たる五百七十六万円のものが、将来四ヵ年間にわたって、八回にわたって返還されるということになりました。第一回は昨年の九月、第二回は本年の二月に、いずれも七十二万五千円何がしのものが返還された、こういう実情でございます。  次に、前払い金の返還及び保険金支払いに関する請求訴訟経過を申し上げます。  これは、在伊日本大使館顧問弁護士であるダンテ氏の見解は、伊国法上の解釈上、前払い金に対する保証保険は、単なる保険ではなくて保証であって、保証債務性質から、主たる債務が存続する限り当然存続しておるのだから、保証について期限を定めるときは、その性質に従って保証契約終期である昭和三十三年三月三十一日を免責的に保証債務終期であると定めるものでなく、保険会社は当庁に対する支払い義務を免れることはできないので、勝訴の見込みが十分にあるという理論に立っておったのでございます。これによりまして当庁は訴訟を提起いたしておったのでございます。ローマ民事裁判所に対しまして、ダンテ弁護士を通じ、スタッキーニ会社と同時にこの保険会社でありまするオルトリポー保険会社を被告といたしまして訴訟を提起いたしておったのであります。  これに対しまして、スタッキーニ会社は、履行不能または遅滞の原因はストライキであるから自分のほうは免責である、オルトリポー会社が補償すべきであるという意見を述べております。また、オルトリポー会社は、裁判管轄等について異議を申し述べておったのでありまするが、その後、昭和三十四年一月から三十七年の一月二十九日の間十数回にわたって裁判が行なわれまして、三十八年の五月二十八日に、ローマ民事裁判所判決によりまして、当庁の請求棄却となっておるのでございます。  その理由といたしますところは、契約上、前払い金収納のときから七ヵ月以内、結果的には昭和三十三年五月十七日に物品の引き渡しを開始する義務規定しながら、保証期限をそれより短い昭和三十三年三月三十一日と定めて前払い金を支払ったのは原告の手落ちであって、本件の保証期限切れとなっている、こういう理由をもちまして、訴訟棄却となったのでございます。  当庁におきましては、その後いろいろ検討いたしておるのでございまするが、スタッキーニ会社オルトリポー会社に対しまして、保険期限を延期するために小切手を支払うというような話をいたしておる、またその証拠資料をいま収集中であるというような情報もございます。なお、一審において事実審理を尽くさなかったというような点もございますので、いろいろいま検討中ございまして、控訴いたすべきかどうか、まあ控訴いたしたいという考えではありますが、まだ最終的にはきめておりません。そういうことで調査中でございます。なお法務省等とも検討中でございます。  なお、ただいま申し上げました控訴期間は、イタリア民事訴訟法規定によりますと、昨年の五月から起算して一ヵ年。したがって、本年の五月二十八日、こういうことになっておりますので、その間に結論を得たい、かように考えておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、訴訟に関する経過を御報告申し上げます。
  14. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  15. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記を起こしてください。     —————————————
  16. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは私から刑事局長に三問お答えいただきたい点がありますので、簡略に、ひとつ明快に疑問を晴らしていただきたいと思います。  その第一は、三十六年の決算を相当長期にわたってやってまいりまして、決算の各指摘事項改善要求等項目に、順次私ども審査の中で触れてまいりました。その中には、法令違反という形での行為、これとはまた別に、法律をいわば無視して、法律があるにもかかわらず、その法律をないものとして行なわれた行為が出てきたりいたしまして、普通これは一体行政罰なのか刑事罰なのかについて、各項目で幾つかの疑問を持たせられた点があるわけであります。  そこで、その第一点は、会計検査院記載事項の中で刑事罰に該当すると思われるような事項が非常にたくさんあるわけなんでありますけれども、こういうような思われるというのは非常に主観的に私どもは感ずるわけですが、主観だけではなしに、客観的にもこれはと思われる項目指摘事項の中にあるわけでありますが、そういうようなものに対して、刑事行政立場から、あなたのお考えをまず述べておいていただきたい、かように思うわけであります。
  17. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 会計検査院決算報告書によりますと、一番問題の多い点は、補助金等関係でございますが、不当事項不正事項と両方あるんですけれども不当事項として、三十六年度におきましては三百四十六件、三十七年には三百六十四件があげられておるのでございます。この不当事項としてあげられておりますものすべてが犯罪となるものではございませんのでございます。また、一見犯罪を構成するように思われるものもあると思うのでございますけれども、実際に捜査をしてみますると、犯罪に当たらないようなものもあると存ずるわけでございまして、不正事項につきましては、これは会計検査院がおあげになっております点はすべて犯罪でございまして、三十六年も三十七年もこの不正事項は全部起訴済みでございます。すでに判決を受けたものもあるのでございます。不当事項の中には、いま申しましたように、事柄自体不当であっても、犯罪を構成する場合と、犯罪を構成しないために関係当局者行政罰懲戒上の責任を負わせるにとどまる場合と、二つあるわけでございます。  で、私どもといたしましても、この決算報告書内容につきましては非常に重大な関心を払ってまいっておる次第でございまして、この報告書はすでに全国の検察庁配付済みでございまして、各検察庁におきましては、それぞれ管轄案件につきまして担当検事が鋭意調査を進めておりますので、これらの案件につきまして、いずれ刑事処分を相当とするものにつきましては、犯罪捜査をいたしまして、この点を明らかにいたすことと考えております。検察庁としては、会計検査院決算報告書は、犯罪捜査端緒といいますか、広い意味端緒でございまして、貴重な資料として検討しておるのでございます。  なお、ついでに申し上げますが、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」が昭和三十年に制定されました当時から、この種の事件につきましては、会計検査院その他の関係もございますし、また、この法律制定趣旨にかんがみまして、すでに二十何億というような浪費になっておるのでございまして、国の経費の適正な使途というような観点からも、刑事政策的観点からいたしましても、これは放置できないのでございますので、特別にこの種の事件担当する検事を指名いたしまして、各庁とも、そういう担当専門検事がおります。これらの検事が、平素から、この内容につきまして、いろいろな角度で検討し、関係庁等から資料ももらい、そして犯罪になりますものは犯罪として、そうでないものは関係庁の注意を喚起する程度にとどめますが、そのような処置をとりまして、この法律の適正な運用に資しておる次第でございます。  ごくあらましでございますけれども検察庁のとっております態度を御説明申し上げた次第でございます。
  18. 横川正市

    委員長横川正市君) 補助金適正化法国会での成立過程を見ますと、非常に運用については微妙な点がございまして、実際上検察当局がこの法律に基づいて行為を起こす場合には、実際ある件を摘発する場合であっても、相当政治的な手心や配慮というようなものが当然必要になるような審議過程の何か速記録が残っているようです。ただ、私ども実際に現地を見て、これがというように思われるのは、ある県に参りますと、補助金何百件という地方の約半数が、工事について、たとえば過大設計であるとか二重査定であるとか、そういうようないろいろな指摘を受けて戻入をされておる。  そこで私は、この点は一体ないのかどうかという点で非常に心配をしたのは、災害襲地の場合には、第一次災害、第二次災害、第三次災害と、日を追うて災害が来襲するわけです。ある期間を置いておりますと、第一次災害に対するいわゆる工事計画が立ってまだ着工半ばにして第二次災害と、それから第三次災害の場合にもそういうような例がある。こういうふうにやられると、一面では、会計検査院検査が相当時期的におくれたから、実際上戻入した金というのは、相当地方財政では、指摘されたからやむを得ないという意味での戻入というのがないだろうか、こういう点が一面にあるわけです。それから一面には、たとえば焼け太り式災害がくると県財政が豊かになる、こういうようなことで、実際上、現地決算委員会で見てみますると、非常に微妙な問題があるわけですが、この適正化法に基づいて実際上刑事当局ではどういう方針を持たれてやっているか、この点を実は私どもとしては知りたい点なんでありますが、お答えいただきたいと思います。
  19. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) この適正化法運用につきましては、国会審議過程におきまして、いろいろな御質問等の中には、いま委員長のおっしゃったような趣旨もうかがわれる点がないでもありませんけれども、いやしくもこの法律のできました趣旨からいたしまして、私どもは、全くそういう政治的な考慮とか政治的な圧力とかいうようなものには顧慮するところなく、まさしく補助金という制度が必要であるといたしますならば、この補助金を適正に運用してもらうことが、国民の税金でまかなう性質の金でありまするだけに、これは重大なことでございます。したがいまして、先ほど申しましたように、この法律ができました当時から、特別にこの担当専門検事を指名いたしまして、その検事をして常時この種の犯罪検討捜査に当たらしておるのでございまして、ただいまにおきましても、この考え方は少しも変わっておりません。申すまでもなく、あくまで厳正公平に、罰すべきものは罰するという、この考え方を貫いてまいっておる次第でございます。ただ、これらの事件捜査しておりますと、不当事項としてあげられました事件が、ほんとうは、不当事項であることは間違いないのでございますが、捜査過程において、ただいま委員長の御指摘になりましたような、私どもとしましてもまことに遺憾千万だというような運用の実際を見るのでございます。しかし、それが犯罪になりますならば、これは犯罪としてもちろん取り上げるのでございますが、そういうものを見るにつけまして、やはり検察官はこれではいかぬという感じを持つのでございます。毎年私どもの部内で担当検事の中央の会議を会同いたしますが、やはり、これは常に一つの議題にのせられまして、絶えず前年の実績を検討し、将来に向かっての扱い方につきましても協議をして、私ども立場から事件捜査をブッシュしておるというのが現状の運用でございます。
  20. 横川正市

    委員長横川正市君) 今度新たに刑事法の改正が進められて、すでに準備草案が出ておるわけでありますが、この中での公務員の犯罪罰則について、どういうような改正をされようとされておるのか、草案をいただいておりますけれども、御説明をいただきたいと思います。
  21. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 今度の準備草案は、これは一つの法制審議会に提供いたしました貴重な資料というにとどまっておるのでございまして、これが法務省でつくりました政府原案という意味のものではございませんのでありますが、昨年五月、法制審議会が開かれまして、刑法の全面改正が諮問されまして、九月には刑事法特別部会が設けられまして、刑事法特別部会におきましては五つの小委員会が設けられて、自来今日まで、各委員会とも七回以上の審議が重ねられてまいっております。  この考え方は、大体準備草案の線に沿って議論が展開されておるように私は見ておるのでございますが、そこで、それでは準備草案はどういうことを意図しておるかという点でございますが、幾つかの点がございますけれども、ただいま御質問のございました点に一応限定をいたしまして考え方を申し上げますと、準備草案で最も注意をいたしておりますことの一つといたしまして、公の犯罪につきましては、公務員の責任を重く見ていく。それに対する保護の規定もまた一面用意されておりますが、その責任はもっと重いものでなければならぬという考え方がございます。それと同時に、また個人の犯罪の面におきましては、従来人命犯と財産犯との関係において、財産犯がやや重く見られて人命犯が軽んぜられておるような傾向があることが看取されますので、名誉とか生命身体とかいうような点につきましての刑を重くしておる、といったようなところが特に目立っておるのでございます。  一般的に、現行の刑法は幅の広い法定刑を定めておりまして、その適正な刑は裁判官の裁量で盛るというたてまえをとっておりますが、運用の実績に徴しますると、ややもすれば、下のほうに判決が集中するという傾向が強く看取せられる点が反省せられまして、法定刑につきましては格別注意が払われておるのでございます。特に、公務員関係犯罪につきましては、職権乱用等の規定はかなり重いものになっておることが注目される次第でございます。審議会の現実の動きも大体この線に沿っておるように私は見ておりますが、さらに諸外国の立法例等も参酌いたしまして、真に公務員として、国民の奉仕者としてのその立場、そういうものの権限を認めるとともに、その権限の重大性という意味から、義務の面におきましても重要なものであるということを刑法の面で明らかにしていくというような立法が、今後の立法の姿として想像されるわけでございます。
  22. 横川正市

    委員長横川正市君) 三十六年の総括に入っておるわけですが、三十七年の決算報告も、すでに会計検査院からいただいておるわけです。件数ではやや減っておりましても、金額では相当大幅に増高をしておるような結果にありますので、この点は、検査報告の、部分的な検査の結果でも、あるということは当委員会でもたびたび指摘をしたことでありますが、相当この内容は、もっと多くなるのではないかというような、報告以上に多くなるのではないかと思われる点もあるわけでありまして、この点については、どうあるべきかについては、自後ひとつ一そう御研究いただくようにお願いをいたしたいと思います。  きょうは時間がないようですから、私の質問は終わります。  相澤君。
  23. 相澤重明

    ○相澤重明君 福田長官にお尋ねをするわけでありますが、先ほど御説明をいただきましたイタリアのスタッキー二会社に対するロケットの発注の問題でありますが、これは、三十六年に私が当委員会指摘をしたものであります。この当時のいわゆる当局側の説明によりますというと、とにかく相手がストライキによって会社がつぶれてしまったから、その損害を取るように努力をするという話をされておったわけです。そして、これはダンテ顧問弁護士といいますか、代理人を立てて争いを提起しておったと私も理解をして兼るわけでありますが、先ほどの御説明をいただきますと、昨年の五月二十八日のローマ裁判所においては、ついに日本側は敗訴した、負けたという事実になっておるわけですね。この点は、先ほどの御報告のとおりだと私どもも思うのでありますが、これに対して、もう私も毎年、このことについては、国損を与えることはないのか、こういう点について防衛庁に指摘をしておったのでありますが、結果は、これは長官、どういうことになるのですか。裁判に負けたということは、結果はどういうことになってくるのですか。この点をひとつお答えいただきたいのです。
  24. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) スタッキーニの本件の問題は、相澤委員もよく御案内のとおり、すでに十数回にわたりまして国会におきましてもいろいろ論議せられました。先ほど、政府委員から一応概略御報告申し上げた次第でございますが、いまお尋ねの件につきましては、五月二十七日までが控訴期間というわけでございます。幸い、わがほうにとりまして有利な材料が実は出てまいりました。オルトリポーの保険会社に対する残額を取り得る——取れると、までは、まだ見通しは確信はありませんが、取り得る要素が出てきた。もっと具体的に申しますと、スタッキーニ会社が支払った形跡がある。先ほどは、保険会社関係では期限の問題が要点でございましたが、その期限に関して、ただいま小切手を振り出して払っておるという形跡がその後見つかりました。在ローマ大使館の顧問弁護士ダンテ氏からも連絡がありましたので、これがもし確認されれば、保険会社が当然補償し、支払いする義務が出てくるそうであります。非常にわがほうとしても有利な材料でありますので、期限の切れる前に証拠固めをいたしまして、もしこれが確認できる場合には、直ちに実は控訴をいたしたい。本月の八日に監査班の部員を実はローマに向けて出発させました。大使館あてに私も私信を書きまして、大使あてに十分いままでのいきさつを述べまして、協力方をお願いしておるわけでありまして、その結果を待って私どもはまた御報告申し上げたい、こう考えておる次第であります。
  25. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、長官の御答弁によりますというと、国損はしないで済む、こういう有力な資料を入手しつつある。したがって、期限切れであるところの本年五月二十七日までには控訴をする準備を整えておる、こう理解をしていいわけですね。  これに対して、今日までに前渡し金としてほとんど金を支払ってしまったわけでありますが、裁判を行なうにあたって、裁判費用は、一体日本政府はどう考えておるか。裁判費用はどういうふうにこれは取るつもりなのか。あるいは出しっぱなしなのか。この点は、前回も議論があったところでありますが、いま一度、今日の段階において御答弁をいただきたい。
  26. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 御案内のとおり、三十七年に和議が成立いたしまして、二五%四回払いになったわけでありますが、ただいま御説明申し上げたことは保険会社に対する関係でございます。したがいまして、幸い具体的な有利な証拠が出てきました場合には、もちろん直ちに控訴期間の切れないうちに控訴して残額を取りたい、こう考えておるのであります。  なお、裁判費用につきましては、政府委員から答弁いたさせます。
  27. 山上信重

    説明員山上信重君) 裁判費用の問題につきましては、訴訟でございまするから、これは訴訟の勝訴によって解決いたしたい、こういうふうに考えております。
  28. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは長官に、少なくとも、いまも御答弁いただいたように、国損はやはりなくすと、こういう方針で今後もひとつ御努力いただきたいと思うのです。  そこで、この事案をはじめとして、私は長官に、基本的な問題としてお尋ねをしておきたいのでありますが、昭和三十六年度のこの決算報告を調べてまいりますというと、国の中で、会計事務等について一番大きな事件をかかえておるのは総理府である。総理府というのは、実は防衛庁を含んでおるわけですね。少なくとも、この決算報告の中の百一ページをごらんになればおわかりになるのですが、その報告受理の中で、総理府は実に六千五百四十三件というものを持っておる。その次が郵政省の七百四十一件、農林省が第三位で三百六十三件、建設省は二百十一件、こういうように、非常に横綱というよりも、全く飛び離れた件数を受けておるのが、この処理未済件数を含んであるわけですね。  そこで、なぜ防衛庁はそういう不当あるいは未処理の件数というものが多いのか。こういうことについて、このスタッキーニのロケットの問題をはじめとして、事前調査というのが十分ではないのではないか、こういうことがわれわれとしては考えられるわけです。あるいは、この指摘をされたものを見ますというと、工事費が非常に高かったり、あるいは使用可能な物品があるのに新しく購入をすると、こういうようなことが指摘をされておるのでありますが、一体、こういう事案の最も多い防衛庁としては、どうしたらこういうことをなくすことができるか、こういう点についての対策をどうお立てになっておるか。これは、長官からひとつお答えをいただきたいと思います。
  29. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 御指摘の、たとえば会計検査院から不当事項指摘せられてきたスタッキーニ事件のような問題につきましても、悪意あるいは善意ということは別にしましても、遺憾の点があったことは確かに事実でございます。その他、工事あるいはその他に関しましていろいろな不都合な点があれば、これはまことに申しわけないことでありまして、私どもとしては、これは綱紀の粛正と申しますか、まあ、いわば幹部教育の一つの大きな目標にもすべき問題でもあります。具体的な問題は、それぞれ場合も違いましょうが、十分自衛官としての心がまえ、あるいは幹部としての監督の問題を徹底させて、今後とも十分注意させる必要があると思っております。
  30. 相澤重明

    ○相澤重明君 いや、長官、ただ注意をするとか監視をするというだけでは、これは口頭禅に終わってしまうので、具体的にどういう相互牽制の対策を持っておるのか。あるいは、そういうものを監査をするそういう委員会というものは持っておるのか。人的構成はどうしておるのか。そういう答弁がなければ、実際にやろうという気魄がないということなんです。これだけ毎年指摘をされておりながら、具体的な対策が立っておらぬということでは、これは意味をなさぬ。そういう点をひとつ説明をしてもらいたい。
  31. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 経理局長より具体的に答弁させます。
  32. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 内部監査の実施状況でございますが、実地監査を、各調達関係の各部隊につきまして、年に一回ないし二回実施いたしておりますが、と同時に、会計検査院から御指摘を受けました指摘事項につきまして、従来、ともすれば、陸上自衛隊に指摘されたものは海空については徹底を欠くというような現象もございましたので、指摘事項については直ちにこれを各部隊の経理関係者に配付いたしまして、十分御指摘の要素を勘案して、自分たちのほうでそういうようなものはないかということを確認させる、そういうようなことをやりまして、適正経理の整備に重点を置いておる次第でございます。なお、書面審査につきましては、証憑書類全部について常時その監査を実施している次第でございます。  要するに、従来は、指摘されたその部隊そのものは、その問題につきまして注意するということがありましても、同様なことが他に再発するというような懸念がございましたので、それの防止につとめますとともに、講習会あるいは研究会というものを逐次実施いたしまして、会計検査院から御指摘いただきました事項についての認識を深くすると、そういうような措置をとっておる次第でございます。
  33. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、この政府の国会提出をしていただいた決算に閲する説明の中で、十六ページにありますが、「支出済歳出額の内訳」の項の「施設提供等諸費および防衛支出金下十六億七千七百十万円」、こういうふうになっておるわけでありますが、相互防衛援助協定交付金等の問題を含みまして、アメリカの軍事顧問団というのは現在幾人おるのですか。
  34. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 軍事顧問団の人員は、ときによりまして若干の異同がございますが、現在、軍人で約百二十名前後、軍属で三十名前後、合わせて百五十名程度おるわけでございます。
  35. 相澤重明

    ○相澤重明君 それで、この予算は幾らですか。
  36. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 予算につきましては、三十六年度、三十七年度まで大蔵省に計上いたしておりますので、大蔵省の担当官にお願いいたしたいと思います。
  37. 渡部信

    説明員(渡部信君) お答え申し上げます。  三十六年度の相互防衛援助協定交付金は、軍事顧問団の交付金が予算として三億円、住宅公団への交付金が七千二百万円、合計三億七千二百万円になっております。
  38. 相澤重明

    ○相澤重明君 三十八年度、それからいま要求している三十九年度、この内訳を説明してください。
  39. 渡部信

    説明員(渡部信君) お答え申し上げます。  三十八年度の相互防衛援助協定交付金のその内訳は、軍事顧問団交付金が二億五千万円、住宅公団交付金が七千万円計三億二千万円となっております。
  40. 相澤重明

    ○相澤重明君 いま私ども参議院の予算委員会にかかっている三十九年度の内訳も説明をしてください。
  41. 渡部信

    説明員(渡部信君) お答え申し上げます。  三十九年度の、ただいま要求しておるところの相互防衛援助協定交付金の内訳は、軍事顧問団交付金が三億五千五百万円、住宅公団交付金が六千万円、合計四億一千五百万円でございます。
  42. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、これは長官、軍事顧問団というのは、数がふえたのですか、減ったのですか。これはどういうわけなんですか。いわゆる、私どもがいままで御説明を聞いているのは、軍事顧問団は年々減りつつあるということを聞いておったのでありますが、いまの御説明によると、予算額は年々ふえておる、こういうことが言えるわけですね。この点はどういうことですか。
  43. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 人員は、御指摘のとおり逐次減っております。予算につきましては大蔵省から答弁させます。
  44. 渡部信

    説明員(渡部信君) お答え申し上げます。  三十九年度の要求が三十八年度よりもふえた理由は、前年度からの繰り越し金がなくなったからでございます。
  45. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは、人員の数は——そうすると、三十六年度と対比して、何人減っているのですか。
  46. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 人員につきましては、三十六年度で大体二百十一名でございます。それが三十七年度が百九十二名、三十八年度百九十五名、三十九年度百五十一名、これも時期によって若干違いがございますが、大体そういう傾向を示しております。
  47. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、先日の当決算委員会で建設省の決算をしたときに私からも指摘したのでありますが、いま大蔵省の説明のあるように、軍事顧問団の費用と、そうしてこの貸し家といいますか、この費用というものが、先ほどの三十六年度においては七千万円住宅費というものを計上しておる。ところが、三十六年度の住宅費の——これは御承知のように住宅公団に管理をさせているものですね。住宅公団に管理をさせている。住宅公団は家賃の収入としてあげておるのは、この前の御説明によると、六千九百二十万円である。ところが、管理をする立場でいくと、管理費というものは一億三千七百九十三万円である。結局、日本の政府がこれだけの金をつぎ込んでいかなければならない。少しおかしいじゃないか。これは、もっと家賃収入というものを上げることはできないのか。なぜ管理費を日本政府がよけい払わなければならないのか。日米合同委員会においては、どういう扱いをこれはしてきたのか、こういう点を私から指摘をしておいたのでありますが、長官は、このことについてどういうふうにお考えになっておりますか。
  48. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 経理局長より答弁させます。
  49. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 先ほど申し上げましたように、この経理を従来大蔵省でやっておりますので、大蔵省のほうから御説明させていただければありがたいと思います。
  50. 渡部信

    説明員(渡部信君) お答え申し上げます。  前の御質問を、私は出席しておりませんので、どういうことか存じませんけれども、住宅公団に対する交付金というものは、住宅公団の宿舎を米軍が使用しておる、その際の経費を負担することになっておるわけですが、米軍が支払うものは、彼らが本国から住宅手当としてもらっておる相当額を支払います。それで不足する分を日本政府が交付する、こういうたてまえになっております。
  51. 相澤重明

    ○相澤重明君 だから、その不足する分を日本政府が払うということだからおかしいではないか、だんだん額がふえていくではないか、いま日本住宅公団法の第一条なり第三十一条の業務の特例、あるいは米軍に提供しておるもの、この条件から考えても、何も日本政府がよけい持たなければならぬという理由はないでしょう。入っておる者が当然負担をすべきものと日本政府が管理費として出すものというような、いまの大蔵省の主計官の答弁のようなことでは、これは私は納得できないわけです。なぜ、この管理費として必要なもの、あるいは家賃の収入として計上できるものを、日米合同委員会の中で対等の立場で話ができないのか。単に米側の軍人軍属が住んでおるからというだけで、その人たちの住宅手当だけを取るというだけに問題をいま大蔵省はしぼっておるわけです。これは私は日米合同委員会の性格のものじゃないかと思う。こういうところに、住宅公団にいわゆる管理をさしておるからといっても、これは迷惑しごくです、住宅公団は。こういうふうにも私はなっていくと思うのです。これは、根本的に言えば、やはり防衛庁が日米合同委員会の中で、わが国の方針としてはこういうふうにやってもらいたいという意見があってしかるべきじゃないか。そういうことはできないのですか、大蔵省としては。ただ米軍の人たちが住宅手当をもらっておる。その額、階層によって違いますね。これはその給料によって違うのだから、それだけだということになれば、いわゆるたくさんの家をつくっておって、そこの居住者がだんだん減ってくるが、日本の管理費というものがだんだんふえていくのですね。理屈はそうでしょう。そういうことが、米軍に提供しておって日本が使えないのですから、その点は日本政府がもっと話し合って、出してもらうことができないのですか。ただ米軍の言われたままということは、私どもには納得できぬわけです。どう考えてみたところで、家賃収入と管理費というものと比較した場合に、日本政府が多く出さなければいけない、こういう理由は、私は成り立たぬと思うわけです。ただ私は、個々の米軍の人たちによけいに出せというのじゃない。これはアメリカ政府が出せばいいのでしょう。政府は、ただ給与体系の中で、個人の俸給、給料の中から、住宅手当を支給をしておるから、それを取り上げなさいと、こう言っておるだけじゃないですか。そういうことがなぜ日本政府として言えないのか。この点をいま少し御説明いただきたいと思う。
  52. 横川正市

    委員長横川正市君) いまの問題は合同委員会の問題じゃないですか。外務省ですか。
  53. 竹内春海

    政府委員竹内春海君) ただいまの御指摘の点は、日米合同委員会の問題ではございません。これは、昭和二十九年に締結されました日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定、これに基づきまして、この第七条に、日本国政府は軍事顧問団の経費を供与する、こういう規定がございます。それに基づきまして、その協定の付属書のG項というのがございまして、そのG項に、日本政府は、現金のかわりに不動産その他の備品、役務を提供する、こういうことがございます。したがいまして、このたてまえは、この協定に基づきまして、そういう住宅等は日本側が無償で提供する、こういうたてまえになっております。ただ、アメリカ側としましては、現実に入る者がアメリカ政府から住宅手当というものをもらっている。したがいまして、その分だけは公団のほうに支払う、こういうたてまえになっておりまして、と維持費との関係ということは、協定の上では全然ない状況でございます。
  54. 相澤重明

    ○相澤重明君 住宅公団の担当者が来ていると思うんですが、この日本住宅公団の目的は何ですか。日本住宅公団法の目的、第一条は、「日本住宅公団は、住宅の不足の著しい地域において、住宅に困窮する勤労者のために耐火性能を有する構造の集団住宅及び宅地の大規模な供給を行なう」ことを目的にしているわけです。だから、いわゆるいま竹内局長が言うように、なるほど日米相互防衛援助協定第七条の問題はあるとしても、これは、日本と国とアメリカの国との問題じゃないのですか。住宅公団に対しては、法律に基づいて、日本住宅公団法という目的があるわけです。だから、公団法というのは、国民の中の多数の住宅に困っている人たちに対する施策を推進するのがこの目的なんです。それを、いわゆる住宅管理をさせる住宅公団に対して、結局は、アメリカの入っている人が住宅手当をもらっているその手当だけを出すということだから、先ほど申し上げたように、額というものはわずか三十六年度の決算においては六千九百二十万しかならぬわけです。そうでしょう。そうして管理費としては一億三千七百九十三万円になっている。現在は幾らですか。現在は何人ぐらい住んでいるのですか。幾ら収入になりますか、現在は。
  55. 岩田可治

    説明員(岩田可治君) 御説明申し上げます。  現在住宅公団で管理いたしております軍事顧問団住宅に入っております者は三十七年度末で百三十九でございます。
  56. 相澤重明

    ○相澤重明君 先ほど御説明をいただいたのですが、百三十九ですか、三十七年度。
  57. 岩田可治

    説明員(岩田可治君) さようでございます。
  58. 相澤重明

    ○相澤重明君 三十六年はもっと多くて、現在は先ほどのお話では、軍人百二十人、軍属三十人、百五十人、これはどっちなんですか。先ほどの防衛庁の説明をしたのと、いまの住宅公団の説明とどういうことなんです。これは。
  59. 岩田可治

    説明員(岩田可治君) 先ほど防衛庁から御説明がございましたのは、現在日本にいます顧問団員の数だと思います。私が先ほど申しましたのは、三十七年度末におきまして住宅公団管理下の顧問団住宅に入っております人の住宅数を申し上げたのでございます。
  60. 相澤重明

    ○相澤重明君 住宅数。そこで私は、これは長官なり、あるいは日米合同委員会でも話が私はできるのじゃないかと思うんですがね。やはり数が減ってくれば、その家というものはあき家になってくるわけですね。これは。こういう点は、あき家というものがそのままにされているのか。それとも、他に転用することをお考えになっているのか。現状はどうなっているんですか、家の状況は。
  61. 岩田可治

    説明員(岩田可治君) 現在住宅は全部で百五十戸ございまして、現在使われております以外のものはあき家としてそのままあいておるわけでございますが、ただ、これはたえずあいているわけでございませんで、年じゅう移動しておりますので、あき家の数は増減いたしております。
  62. 相澤重明

    ○相澤重明君 国の費用ですからね、こういう点については、どうも私どもとしては、少し……。ただ大蔵省の担当者の言う住宅手当を出させるだけがいわゆる基本になっておるようでありますが、それだけでは日米安保条約にしろ、相互防衛問題にしても、少し筋が通らないように思うわけですよ。いま少し日本の立場というものも説明をして、主張をしても私はいいのではないか、こういうふうに思うのだが、長官としては、やはり依然として、これはもうこれ以上管理費が幾らふえようとも、これは日本政府の責任である、こういうふうにお考えになって、今後も進めるつもりかどうか。これは長官からひとつお答えいただきたい。
  63. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 軍事顧問団の任務は、ただいま言われたように、MSA協定第七条に規定されておりますから、住宅の問題につきましては、窓口の外務省とよく検討して相談してみたいと思います。
  64. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、相談をするときには、やはり日本の立場もぜひ十分御説明いただいて、できるだけひとつお互いの立場を尊重するようにしてもらいたいと思うのです。いわゆる私が言うのは、金はできるだけ少なくするように努力してもらいたい。  そこで、いまの防衛支出金の問題があるわけですが、現状について米軍はだんだん減っていくと私は思うのですが、いわゆるドル防衛という立場から、日本の支出というものはますます多くなっていく、こういうふうに考えられるのでありますが、長官としては、何か先日、今年度の予算の中で、潜水艦とかあるいは何とかというようなものをこの際よけいに予算をとっておきたいというような話をされたようでありますが、現在の防衛計画というものは、どういうふうにあなたは立てるのか。この中で見てまいりまするというと、いままで政府が説明をしておりますものを見ますと、繰り越し額が非常に多いわけです。これはもう大臣が読んだ、説明をしたこの中をずっと見ても、どれ一つとっても、実効があがっておらない。そういう中で、いわゆる機械施設等の費用というものはたくさん出てきているわけでありますが、これに対して実行できるのですか、できないのですか。これは、いろいろ理由を言っていますね、あなたが説明した中を見ておりますと。どうも発注したけれどもなかなか間に合わなかったとか、あるいは用地についてはうまく買収できなかったとか、こういうようなことをいろいろ説明はしておりますが、現在のあなたのお考えというものは、どういうふうにしてこれを、予算の適正化、予算の効率的運用、こういう問題についてお考えになっておるのか、ひとつ御所見を伺っておきたい。
  65. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 昭和三十六年度から始まり四十年度に終わる五ヵ年のいわゆる第二次防衛計画は、おおむね順調に進捗いたしております。個個的には手おくれのものもあり、いろいろでありますが、全般的に見まして、おおむね順調でございまして、私ども考えました第二次防衛計画というものは四十年度末に達成し得る見通しになっております。
  66. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、このF104の製作については、すでに大体終わると思うのでありますが、最終的な一機当たりの価格は幾らですか。現在政府が支払うべきものとして交渉されたと思うのでありますが、一機当たり幾らの生産費になりますか。
  67. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 装備局長が参っておりますので、装備局長に答弁してもらいたいと思います。
  68. 伊藤三郎

    政府委員(伊藤三郎君) F104の現在までの生産状況でございますが、二月末現在で104Jが七十六機、DJが十八機領収いたしております。当初の計画に比べますと、二十七、八機程度おくれておるわけでございます。そういう生産の状況でございますので、いつ最終的な価格を確定をするかということは、まだ決定いたしておりません。それで、104二百機につきましては、三十五年度に概算契約を結んでおります。れを中間確定をいたしますためには、さらに生産が進みまして、加工費等の必要な数字を把握する必要があるわけでございます。現在まで、材料、部品等は相当手当てが進んでおりますので、こういうものは大体当初の計画どおりの予算でまかなえるのであろうというふうに考えております。加工費につきましては、若干当初見込んだよりも賃上げが大きくなっておりますが、一方、操業度が当初見たよりも高くなっておるというようなことから、現在のところでは、予算増の必要はないであろうというふうに考えておりすす。したがいまして、いまのところの見通しとしましては、当初契約当時の単価の程度でまかなえるのではないかというふうに考えております。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 ですから、いまのまかなえるというのは幾らですか。具体的に説明してください。いまの立場で幾らですか。
  70. 伊藤三郎

    政府委員(伊藤三郎君) 単価は、二百機の平均をとりますと、四億三百四十四万五千円であります。これをDJとJに分けますと、Jの百八十機の単価は四億八百六十七万九千円であります。DJの二十機の単価は三億五千六百三十四万二千円、これが契約時の価格でございます。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 それじゃ、大体いまの御説明いただいた平均四億三百何十万ということで防衛庁としてはできると、こういう考えで受け取っておいてよろしいですね。決算委員会としては。
  72. 伊藤三郎

    政府委員(伊藤三郎君) 現在の段階ではそういうふうに判断をいたしております。
  73. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、接収解除の問題についてお尋ねをしたいのでありますが、まず、いまの米軍の削減という問題から、当然この接収地も解除をされると思うのですが、私、実は前回長官がおらなかったので、担当者においでをいただいて、一つの例として横浜の例を出したわけです。そこで、たとえば建設省の国道十五号線の拡幅の問題がある。この国道十五号線に米軍の雑図書倉庫がある。これが、せっかく建設省が道路を拡幅しても、その倉庫が道路に出っぱっておるために、実はその整備ができないわけです。こういうものは、当然これは建設省の予算でやるのでなくして、防衛施設庁の予算でやるべきじゃないか。それを、防衛庁としては、施設庁としては、いや、それは建設省が道路を広げるのだから建設省の予算だ、いや、地元もよくなるのだから、地元も出せ、こういうようなことを言っておるのでありますが、私はやはり、各省の所管事項というものははっきりしておるわけでありますから、先ほどの御説明もありましたように、相互防衛なりあるいは日米安保条約から考えるならば、当然これは防衛庁の予算で私は措置をしていいのではないか、こう思うのです。こういう点については、いまだに施設庁は、小野長官は、建設省なり地元横浜が得をするのだから、自分たちのために仕事をするのだから、それは当然そちらのほうで持つ、こういうふうなお考えでおるのかどうか、この点は先に長官のほうからお答えをいただきたいのであります。
  74. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) ただいま横浜の問題が出ました。概括的に申し上げますと、終戦直後米軍が演習その他に使いました面積が約四億万坪、その後不用になりましたりあるいはその他の事情で逐次減少しまして、いま一億万坪、四分の一に減っております。横浜につきましての例でございますが、どうも都市計画の横浜市における今後の計画その他を考えますと、いまのような散在している施設その他につきましては、いつかは何とかこれは解決しなければならぬという考えを強く持っておるわけであります。この移転ということは別問題といたしまして、とりあえず来年度予算に調査費として二千万円要求をして御審議を願う。今後の横浜市の経済的発展、あるいは都市計画遂行、そういうものにつきましては、私どもは十分積極的な努力をいたしたいという考えを持っておるわけでございます。個々の点につきましては、小野長官から説明いたさせます。
  75. 小野裕

    政府委員小野裕君) 横浜市内にあります提供施設の返還あるいは移転という問題でございますが、ただいま防衛庁長官から申されましたように、たてまえとしては、できるだけ有効に使うためにいろいろ検討をしなければならないということは十分考えております。先般、昨年の暮れの委員会において御質問のございました個々の具体的な問題でございますが、たとえば道路の拡張がある、それにひっかかる部分についてどうするか、それはその機会に全部——ひっかかる部分だけでなく、一切の施設をどこかへ移したらどうか、こういうようなお尋ねがあったわけでございます。その節私は、やはり都市計画あるいは道路拡張というような形でそうしたような必要が起こったのでございますし、場所にもより、問題にもよるのでありますけれども、移すとなればたいへんなことにもなるわけでございます。あるいは、一部を削れば済むという場合もあるわけでございます。そういうようなところから、地元とよく御相談をいたしまして善処してまいりたい、このように申し上げたわけでございます。ただいまお尋ねのございましたように、全額国費で移したらいいではないかというお考えに対しましては、まだ私どもそこまで決心をいたしておらない次第でございます。また、住宅施設の問題につきましては、ただいま大臣からお話がありましたような状況でございます。
  76. 相澤重明

    ○相澤重明君 住宅の移転についての調査を始める調査費の計上については、私はたいへんけっこうだと思うのです。ところが、そのいまの後段の、つまりあとに小野長官が述べたところの、全額国庫で持つことについてはまだ腹がきまらない、こう言うのだが、実際あなたが現場をよく見ておれば、そういうことは私は起きてこないと思うのですよ。バラックなんですよ。それで米軍の雑図書が入っておるのですが、これはもうノース・ドックのほうに移すということについては米軍は賛成しているわけです。しかし、その予算を大蔵省がなかなか認めないということがあるのではないかと私ははるかに思うわけだ。これは、防衛庁の予算が少なくなる、こういうところであなたのほうの腹がきまらないのだろうと思うのだけれども、それで逆問をしますが、あなたはそれでは建設省なり地元の横浜市から金を受けた場合にはどこへその金を入れますか、その金はどこへ戻入するのですか。防衛庁の施設費として持っておる金を今度は移転をする場合に、その取った金はどこへ入れるのですか、あなたはどういうふうにしようというのですか。
  77. 小野裕

    政府委員小野裕君) ただいま御設問のように、まあ両者でたとえば分担をするといたしまして、市の地元のほうから御負担金をいただくというような場合には、これは普通の場合は大蔵省の雑収入に入ると思います。また、その仕事のやり方いかんによりましては、分担工事というような形によりまして、一つの工事を両者の資金でまかなうということもあるわけでございまして、それの予算経理上の技術上の問題についてはまだ話が詰まっておりません、研究中でございます。
  78. 相澤重明

    ○相澤重明君 大蔵省の担当官はいかがですか。こういう場合、たとえばいまの小野長官が説明したような場合には、これは雑収入で大蔵省に入っちゃうでしょう。これは防衛庁の金にはならぬですよ。施設庁の金にはならぬ。このことからくると、いわゆる予算、決算、会計令の取り扱い上からいった場合にどうなるのですか。そういう取り扱いというのはあるのかな。一体、政府の金の出し入れをする場合に、そういう取り扱いのしかたがあるのかしら。これは大蔵省の担当者はどうですか。
  79. 渡部信

    説明員(渡部信君) お答え申し上げます。  いまの質問に対しては、私は担当でございませんので、いずれ担当者のほうから申し上げることと思います。担当者が見えていないそうですから、いずれ先生のところにお答え申し上げます。
  80. 相澤重明

    ○相澤重明君 まあわからぬことを聞いてもしかたがないのだけれども、この場合どうですか、福田長官、実際にこの防衛庁、施設庁の仕事であるもの、あるいはその予算でやっているものを、今度は他の省から、あるいは自治体から取り上げたものは、防衛庁に返ってくるわけじゃないのだ。大蔵省の雑収入になっちゃう。そういうことからいうと、これは、仕事をやってあげます、そちらから金を出しなさい、こちらからも出しなさいと言ったところで、あなたのほうの予算はふえるわけじゃないでしょう。それは使えるおけじゃないでしょう。そうすれば、これはやはり当然施設を提供をしておる施設庁が施設庁の予算として執行するのはあたりまえじゃないですか、そういう考え方に立って間違いじゃないでしょう。福田長官、どう思いますか、これは。それでしかも、現実に国道十五号線といういま建設省が拡幅しておるのは、京浜間のあの東神奈川地帯なんですよ。東神奈川町、入江町という、あのノース・ドックの入り口の手前なんです。だから、せっかく道路を拡幅したけれども、それは整備することができない。まん中に青いペンキで塗った雑図書の小さいバラック建てが立っているために道路が使えないのですよ。こういうばかげたことをいつまでか、まだ腹がきまりません、金を地元も出させます、大蔵省にも話をしてみますなんということを言っていること自体が私はおかしいと思う。政府の行政というものはばらばらだというこれは証拠なんですよ。こういう点については、ひとつきょうは福田長官も初めて出てきたのでありますから、決算委員会で私も二回か三回この問題を話をしておるわけです。そうして、施設庁に早く相談をして、せっかくいまの交通混雑を緩和するように建設省が仕事を進めておるのに、それをバック・アップするような態勢を行政官のいわゆるお互いの相談でやってもらいたい、こういうことを言っておったのでありますが、これはいまのところまだ、大蔵省の担当者がいないし、説明ができないそうでありますから、これはひとつ福田長官から、あなたも閣僚として、河野建設大臣に話をするなり、田中大蔵大臣に話をして、早急に、このせっかくに国費を出してやるものを、それをいつまでか整備ができないなんということのないように私はしてもらいたいと思う。こういう点は、長官どうですか、あなたも何かお考えあるでしょう。
  81. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 相当の努力をいたしまして、二千万の調査費をようやく要求する段階までこぎつけたわけであります。この考えからだけ申しましても、そういう点がありますれば、私どもは喜んで積極的に解決する方法を研究さしていただきたいと思います。国有財産の交換その他、何らかの方法があるかもしれません。経理上あるいはその他、私はふなれでございますから、建設大臣、あるいはいま言われた大蔵大臣、一応事務的にももう少し掘り下げた研究をさせまして、その上で努力していきたいと思います。
  82. 相澤重明

    ○相澤重明君 せっかく大臣の誠意ある答弁で、私もそれで了承しますが、同じような問題が、すぐそばにミルク・プラントというのがある。これは工業試験所なんかもあるのですが、米軍に提供しておるミルク・プラントが、ちょうどどまん中を細長くバラックが建っているわけです。そうすると、横浜市の五十戸ばかり住んでおる人たちはうんと遠回りをしなければ行かれない、道路があってもそこはハットーボーされている。ところが、大蔵省でも、これはまあひとつ集約してやったらいいだろう、米軍も喜ぶし、土地のほうも、住民もいいし、工業試験所にも使える。こういうことで、このハットーボーされているうちを整理したらいいだろう、どのくらいかかるだろう——三千万そこそこくらいだろうと言っているのです。米軍のほうもいいと言っているし、住民のほうもいいと言っているし、政府もいいと言うなら、やったらいいのじゃないか。これは一つの例ですよ。そういうようなことが横浜市の中にはたくさんあるのです。  そこで、これはひとつ福田長官と相談をしてもらいたいのですが、長官、運輸大臣と港湾局長——運輸省も来ておりますから説明をしておきますと、このノース・ドックは、これはまあ非常に米軍としてはいいところだ、横浜の交通上の問題からいっても、いまのところ他の土地と違って解除をするような気持ちはないようです、たくさん材料を持っているわけですから。ところが、市内のばらばらに散在しているそういうものは、二千万か三千万で移動のできるものはたくさんあるわけです。そういうものは、政府の施策いかんによってはこれは解除できるわけです。また、そこへ収容できるわけです。いまの雑図書倉庫なんというのは、ノース・ドックの中に建ててけっこうですと向こうでは言っている。そういうものもあるし、市内の先ほど長官がお話しになった非常にたくさんの接収地があるのに、それをかえてもいいが代替地がほしい、米側では、代替地さえ日本政府がこしらえれば私ども喜んで越します、こういうのが米軍側の意向なんです。そこで、このノース・ドックの前面にある海を十万坪ぐらい埋め立てれば、これは大体市内のそういう散在しているものはみんなそこにおさまってしまう、米軍も便利である、こういうことを言われておるのですが、これは前に運輸省は一度計画したことがある。すでに四万坪というものは埋め立てて、そこにはりっぱな集積所がある。ところが、あと十万坪埋めれば市内のそういう散在したものはみんななくなってしまうのだけれども、それが予算がかかるからというので、実は今日まで、代替施設を提供すれば米軍がどくというのを、どけることができない。こういう点は、私はきょう最終的な回答をいただくということにはならぬと思うのだが、接収解除促進という意味で、私は大臣に善処してもらいたいのだけれども、もしまあ運輸大臣の——港湾局長出席ですから、運輸省としてどのくらいの一体予算が埋め立てたとしたらかかるのか、こういうことを計画をしてみたことがあるのかないのか、そういう点をあわせて御答弁いただければ、大臣も、なるほどそれはいい案だというので、私の案に賛成するのじゃないかと思うが、そういう意味で、運輸省の港湾局長に、十万坪埋め立てをしたらどのくらい予算がかかるのか、これをひとつ答弁してもらいたい。
  83. 比田正

    政府委員比田正君) だいぶ前に、いまお話がありました土地を埋め立てる計算をしたことがございます。これは軍用ではなくて、日本の商港のためにやりたいという計画をいたしましたのですが、ただいまそれを記憶いたしておりません。これは数年前のことでございまして、坪数は十万坪ぐらいできるというのは、御指摘のとおりでございますけれども、ただいま幾らでできるかということは、その当時と工費も違いますし、あらためて試算いたさなければ、ただいまここで申し上げるような数はございません。
  84. 相澤重明

    ○相澤重明君 私どもいま、運輸省の横浜港の埋め立てなり、あるいは横浜なり神奈川県が沿岸を埋め立てておる、その費用を考えると、たいした金はかからぬ、二十億そこそこでしょうね。そういうことからいけば、いま、横浜市が接収をされて、市内の目抜きのところをたくさん取られておる、そういうことの損害から考えていくならば、私は政府の金ではたいしたことはないと思う。ほんとうに地方自治をよくしてやるとか、あるいは接収解除をやるとかということになれば、たいした金額ではないと思う。そういう点で、きょうはひとつ私からそういうふうに申し上げておきますから、これは長い間私は言っておるけれども、まだ大臣がかわったばかりだし、一度もいままでおいでにならなかったから、きょうはそういうことを関係大臣と相談してひとつ促進してもらいたい。接収解除促進、こういうことをひとつあなたに申し上げておきたいのですが、やっていただけますか。
  85. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 調査費を要求申し上げていることも、一つの私の考え方をあらわしているのではないかと思います。あれは、永久とか、半永久とか、しばらく散在したままのいまのばらばらの状態で置くことは不適当だ、いつの日かこれは整理すべきものだ。私は各省とまだしっかり調整できておりませんので、断定的なことは申しません。私個人の立場から申しますならば、なるべく早く不合理なものは解決いたしたい、そういう考えであります。
  86. 相澤重明

    ○相澤重明君 たいへんけっこうだと思います。  それから大臣ひとつ、ちょっと変な質問なんですが、横浜市の富岡というところに米軍に提供しているものがあるのですが、これは内容を大臣お聞きになっておりますか。どのくらいの施設か、現在の使用状況はどういうふうだということをお聞きになっておりますか。
  87. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) けさの新聞報道で知りまして、関係の者に直ちに調査させました。具体的には事務当局から報告いたさせます。
  88. 相澤重明

    ○相澤重明君 それではひとつ施設庁長官から現在の使用状況を報告してもらいたい。
  89. 小野裕

    政府委員小野裕君) 富岡の米軍倉庫地区でございますが、これは大体面積は十一万坪——十万坪余りでございます。建物が一万一千坪ほど建っております。これは米軍が——陸軍でございますが、各種の資材の輸送をしたのを陸揚げする、集積する、あるいはそこから積み出しをする、そういうような補給的な倉庫として使っているところでございます。ただいまどういうふうに使っているかということにつきましては、ときによって違うのでございますが、特にただいま車両が中心でございますが、一時的に大量にたまることもございます。また、さばけまして非常に閑散としている場合もございます。現在の使用状況としてはそういう状況でございますが、米軍としてはいつも何かに使っている、こういうような状況と判断しております。
  90. 相澤重明

    ○相澤重明君 私どもが把握している状況では、ジープが少しあるだけです。ほとんど荒れほうだい、何にも使ってない。ごく一部を使っているだけです。そういう状況ですから、私はむしろ、この前申し上げたかどうかわかりませんが、先ほど大臣が、接収解除の問題、特に今度本牧の住宅移転のために二千万円の調査費を計上した、こういうことであるから、横須賀と相模原に住宅を移転しても、なおかつ半分近く余るわけです。それをむしろそういうところに団地を造成して住宅を建ててやったらいい。いいところです。前面は海で、全くアメリカに行っても、あれだけいい土地はないくらいです。だが、なかなか米軍はどかない。むしろそういうところに少し——ほとんどが国有地ですから、そこに住宅を建ててやれば、米軍の人も非常に喜ぶ、こう思うのです。これは一つの案だけれども、そういうふうにほとんど使ってない状況なので、むしろ私は、政府の方針でいう遊休施設は処分をしなければならぬ、処理をしなければならぬ、特に決算委員会の問題はやはりそういうところにあるわけです。むだに遊ばしておいてはいけない。効率的な運営ができないようなものは是正をしなければいかぬことになっているわけです。そういう意味からいくと、私は、米軍のせっかく住宅を、本牧地区を解除するのに適当な土地である、こう思うておるのだが、長官ひとつ、けさの新聞であなたがごらんになったと言うんだが、何ですか、自衛隊を移すという話があるのですか。
  91. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 実は、いま御指摘になりました土地に、現在御殿場近くにおります一個連隊を移したいという希望がございます。三十六年の夏以来そういうような方向で考えておりますが、何と申しましても、接収解除を米軍は応じないわけでございます。接収解除に応じない場合に、いま御指摘のような利用のしかたでございますと、向こうとしては、解除はしないが共同使用する程度ならば承知してもいいということが、最終的に先方の内意として伝えられましたのが昨年の暮れでございます。それで、現在防衛庁といたしましては、一個連隊をそこに御殿場近傍から移しまして、共同使用を米軍といたしたいという申請の手続を、所轄の財務部長を通じて大蔵省に申請の手続をやっておる状況でございます。
  92. 相澤重明

    ○相澤重明君 政府が、防衛庁があちこち日本の国内でいいところを使いたいという気持はわかるがね。気持はわかるけれども地方にとっては、自衛隊を誘致したいというところもあるだろうし、いや来てもらっては困るというところもあるだろうと思うのですね。で、先ほどの長官の話ではないけれども、防衛計画というものも着々進んでおるけれども、結局今日の事態からいって、重要な問題については、やはり住民の意思というものを私は尊重しなきゃならぬと思うのですよ。で、いまの話については、これは話でありますから、私も別に、地方自治体に同意を求めたとか、あるいは政府がそういうことで関係者と協議したとかいうこと、まだ正式に聞いていないから、まあその話を聞いたわけでありますけれども、これはやっぱり長官としては、少なくとも地方のそういう自衛隊ならば自衛隊が使うという場合には、同意を求めなきゃならぬでしょう。そういう点は政府はかってにやるつもりですか、そういう点はいかがですか。
  93. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 午前中の調査の結果報告を受けましたところでは、前市長から財務部に対しまして書類をもって申し入れた。また自衛隊としても財務部に申し入れをした。これが前市長とまた自衛隊との間の一つの了解点に達したようでございます。具体的な内容につきましては、事務当局から報告させます。したがいまして、あくまでわれわれは地元の了解ないし同意を得てやるたてまえになっております。これを無視して押し切るとかいうことはどこにもやっておりません。
  94. 相澤重明

    ○相澤重明君 やっぱり大臣としての答弁はそういうことだと思う。私もそうだと思う。やっぱり地元の同意がなければできないわけですね。そこでまあ私は、先ほど申し上げたように、せっかく政府が金を、調査費をつけて横須賀と相模原に住宅を移ってもらっても、なおかつ七百戸近い家が残っちまうわけですよ。これは、その米軍が、さっき担当者からもお話があったように、どけと言ったって、なかなかどかないでしょう、いいところなんですから。だから、せっかくどかないなら、そこへ家をつくってやれば、これは彼ら喜びますよ。そこで、そういうようなことも含んで、私は、いまの長官の答弁を、やはり相談をしてもらいたいと思う。この問題はそれで終わります。  次に、NHKの問題もあるので、急がれておるようですから、郵政省とNHKと防衛庁長官にひとつお尋ねをしたい。それからまた法務省の人権擁護局。それは、第一は厚木海軍基地を取り巻く住民ですね。つまり基地周辺の住民は、あのジェット機の非常な騒音で苦労しているわけです。政府としても、教育あるいは病院等の施設については騒音防止をしておるわけです。それからまた、この基地の最も近くにおる人たちに対しては、どうしても私は移転をしてほしいという人に対しては、施設庁が移転費を出して移転をしてもらっているわけです。こういうのでありますが、行かれない人もある。出て行きたくても行かれない人もある。祖先伝来の土地を持っておる人もある。あるいは、ここはいいところだといって土地を求めて居住をしたけれども、いまのような騒音に悩んでおる。私は何回も当委員会でお話をしまして、前の志賀長官のときにも、NHK、あるいは郵政省、防衛庁、地元神奈川県なり大和市なりが一緒になって騒音調査をやっているのです。これは具体的にその事例が出ているのです。たくさん事例が出ているわけです。それによりますと、少なくとも百十フォン、あるいは百二十フォンとまで言われている大きな音がする、これではたまらぬということが一つと、いま一つは、ラジオ、テレビを持っておっても、聴視率があまりよくないということで、これらの聴視料をいわゆる減免をしてほしいと、こういうことが言われておるわけです。これはできるかできないかという問題が、NHKとしては、それだけの施設をしておるから、とにかくテレビにしても、ラジオにしても、聞いてもらったり見てもらうように私のほうは施設をしておるけれども、それは米軍の飛行機が飛ぶために、映像が悪かったり、音がよく聞こえない、声が聞こえない、こういう話で、私のほうの関係ではございません、だからNHKとしては困るから、ひとつ国でやってもらわなければいけない、こういうことになろうかと思うのです。反語としては、いやな者は聞かなくてもいい、見なくてもいい、それでは私はやはり日本政府の立場としては正しい行政指導ではないと思う。国民が、いまの文化的水準の中で、必要なものを見たり聞いたりずるのは当然のことです。そのせっかく施設をしたけれども、それが見ることができない、満足に聞くことができない。だから、それを見られるように施設をやればいいのです。消音装置、あるいは映像をよくする装置、そういうものをしてやればいいけれども、それがなかなか技術的に困難である、こう言っておりますけれども、私は長官に申し上げたいのは、厚木飛行場周辺の航空機騒音規制措置に関する日米合意事項について、こういうことで、昨年九月十九日に合同委員会でこの航空機騒音規制措置を行なったですね。こういうことができることでありますから、私は、国内の問題としても、これは政府が関係省と話し合えばできることではないか、それくらいのサービスをしてもいいのではないかと思うのです。  そこで、NHKに最初に伺っておきたいのですが、NHKは現在でもラジオ、テレビの聴視料等について減免をする意思がないのかどうか。これは田中大蔵大臣が衆議院で説明をしたのには、ラジオの聴取料は来年からは取らない、テレビの普及がいいしというような話もされておったようでありますけれども、これはNHKは現在については、こういう騒音地帯に対して聴視料を減免する意思があるのかないのか、こういう点を先にNHKからお答えいただきたい。
  95. 阿部真之助

    参考人阿部真之助君) この問題につきましては、先ほど御質疑のとおり、NHKとすれば、率直に言えば一つの被害者のほうの立場なんであります。しかしながら、これは数年来懸案になっておりまして、いつまでも押し問答しておりましても事実上問題は解決しない。それで、明年度予算におきましては、NHKは多少の損害を忍んでも減免の措置に出たい、かように考えておりまして、ただいま提出してある予算にはそういう措置を講じてあります。
  96. 相澤重明

    ○相澤重明君 ちょっと私ほかのところを気にしておったから、最後のところよくわからなかったが、来年度は減免する予算を組んでおると……。
  97. 阿部真之助

    参考人阿部真之助君) さようでございます。
  98. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、これはまあ所属の逓信委員会ですでに御論議があったと思うのですが、決算委員会ですからお尋ねをしておきたいのでありますが、このNHKの三十六年度の決算の中で未収金というのがございますね、会長。この未収金というのはどういう内容ですか。
  99. 阿部真之助

    参考人阿部真之助君) この点ちょっと私ども数字に弱いので、専務理事から説明していただきます。
  100. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 決算上に出ております未収金と申しますのは、徴収の権利はあるわけでございますけれども、収納が月おくれになりまして、それをさらに年を越していろいろ回収の努力はいたしておりますが、諸般の情勢から見まして回収不可能と、こう見られるものが——数年前のものを、後年度におきまして、もういくら努力をしても回収の見込みなしと、こう見られるものかを欠損費として損費に立てておるような状況でございます。
  101. 相澤重明

    ○相澤重明君 私、この資料提出をしていただいたのでありますが、全体の伸びからまいりますと、未収金というものはまあそうたいしたものじゃないと思う。テレビの普及というものは非常に進んでおりますから、反対にまたラジオの聴取率というものは下がっておる、こういう面からまいりますと、まあ傾向としてはNHKの事業収入はたいへん伸びがよろしいということは言えると思うのであります。そこで、この未収金を拝見をいたしますと、私は米軍の飛行機等によるそういう映像あるいは聴取ができないものについて、それはそんなに無理に取り上げなくてはならないというほどのことでは私はないと思う。そこで、ラジオの問題についてはそういう点は大蔵大臣がはっきり言っておるんですが、該当地区の問題を——ごく一部だと私は思うのですよ。そういう点について、テレビの問題についてもこれから御相談をするお考えがあるかどうか。この点はNHKの立場でひとつ先にお答えをいただきたい。
  102. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 三十九年度の目下衆議院で御審議をいただいております予算の中では、先生が先ほど御指摘をいただきましたようなラジオ、テレビ両方を通じまして減免措置が講じてございます。これはただ、音響のラジオだけでなく、テレビの画像の面にも障害があるようでございますので、その度合いは音響の場合といろいろ相違はございますけれども、障害があることは事実でございます。このような事実に即しまして、三十九年度におきましては、飛行場周辺一帯の地域内に居住をいたされます受信者につきましては、ラジオ五十円のみの料金については全免いたしたいと思います。テレビのほうにこれはラジオ料金も含まっておりますが、月額三百三十円料金につきまして半額免除をいたしたい、このような予算内容にいたしておるわけでございます。
  103. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの説明ですと、今後の調査の問題も出てくると思うんですね。そういうことで、いまの考えとしては、テレビ、ラジオ含んで半額というような御説明に受け取ったんですが、私はやはり、調査をした地域の中で、悪いところは、これはもう全額減免をしていいんじゃないかと思うのであります。いわゆる全額免除する。まあある程度見えればそれはいいかもしれませんが。そういうところで、やはり私は、たとえば厚木近くのこの爆音反対期成同盟の人たちが主張されておることについては、取り入れてやる。それだけのことをしても、放送協会のこの伸び率、収益状況からいけば、決してそれは行き過ぎではないと私は思う。できるならば、そういう免除をすることけだでなくて、実はこれはよくしてやる、見られるようにしてやる、電話は聞こえるようにしてやる、こういうことが私は本旨だと思う。そういうことにひとつ御努力をいただきたいと思うのであります。  そこで、NHKの問題については、いまの御説明で、これは四月以降早急にそういうことを調査をするのですか、その考え方をただしておきたい。
  104. 小野吉郎

    参考人小野吉郎君) 実施の時期は、四月一日以降予算が実施になりましたら、直ちに実施をいたしたいと思います。実情の調査につきましては、過去何回もいたしております。ただ、私どもだけの調査の限りにおきましては、現地の方々の障害度合いに対する認識ともかなりの相違がございましたので、一昨年、現地の方も入っていただきまして、防衛庁、郵政省ともみな関係の者が集まりまして、共同調査をいたしております。そういうようなことを土台といたしまして、おおよその範囲等についても基準を持っておりますが、これを具体的に個々の飛行場に適用いたします場合には、なお多少の調査をいたさなければならぬ面もあろうかと思いますが、実施は四月一日以降に考えております。
  105. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、ぜひ早急に、四月一日以降実施をするのであれば、関係者と協議をして、そういう趣旨にのっとって私は善処してほしいと思います。  その次に、この爆音問題について、人権侵犯とも言われるべき多くの問題が実は指摘をされておるわけですが、先ほども私が申し上げたように、昨年の日米合同委員会においては、これらの騒音規制さえ行わざるを得ない、こういうことは、全国の基地を提供しておる基地周辺の人たちの希望にこたえたと私は思うのです。ですから、そういう意味で、ぜひ今後とも努力をしていただきたいと思うのですが、そこで私のお尋ねしたいのは、法務省は——この爆音の、あるいは騒音の非常にひどい地域住民が、これではもう人権の侵害だ、こういうことで、法務局に調査を依頼をし、あるいはまたその方向をとることを訴えたと思いますが、これについて横浜地方法務局は、すでに何回かの調査を行ない、これはどうも確かに主張されるとおりだというようなことで、東京法務局にすでに上申をしておるというふうに聞いておるのでありますが、東京法務局はどういういま審議の状況でありますか。
  106. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 法務省人権擁護局長であります。  ただいまの御質問に対してお答えします。  横浜地方法務局、それから神奈川県の人権擁護委員連合会で、現在調査中であります。それから、同基地周辺の騒音調査につきましては、神奈川県の渉外課、大和市、綾瀬町の合同でたびたび調査しております。右の調査資料をも参考として、さらに基地付近住民から被害事情を直接調査をいたしております。  なお、ただいま横浜地方法務局から東京法務局にこのことをすでに送付しているじゃないかという御質問でありますが、これに対しまして、昨年の十二月横浜の地方法務局から東京法務局——これが上級官庁になるわけでありますが、上級官庁になる東京法務局に処理方針について連絡をしたわけであります。で、東京といたしましては、相当当初の申告があったときから事情の変更、特に先ほど御質問の中にもありましたように、三十八年の九月十九日規制措置をとられた後の状況につきまして、さらに実態調査の必要がある、こういう意見を出しまして、最近、すなわち本年の二月四日から七日間にわたりまして、基地周辺の各地において実際の状況調査をいたしております。そういう関係でありまして、これらの調査の結果が判明次第、早急に結論を出したい、かように考えております。
  107. 相澤重明

    ○相澤重明君 すでに横浜でも何回かやり、東京地方法務局でも、いまの御説明によりますと、調査を進めておるというのでありますから、目標はいつごろに結論を出す予定ですか。
  108. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) ただいま御説明いたしましたような経過になっておりますから、近い将来に出されると思われます。一週間以内か十日以内かということは、ちょっと現在のところわかりかねます。
  109. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは五日とか一週間以内に結論というのは、確かにむずかしいだろうが、できるだけ早く出したいという希望と私は受け取ります。できるだけ早いというのは、半年も一年も先ということではないわけですから、そういうことで結論をひとつ早く出してもらいたい。  そこで、この地帯の人たちがわざわざ、日本でこういうような爆音に地域住民が苦しんでおるということで、国連にまでこの問題を持ち込んだことを知っておりますか。
  110. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 現在までには、そういう報告に接しておりません。
  111. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは、いまは市長でございませんが、昨年の四月の改選まで市長をしておりました大和の市長がアメリカに渡った際に、これは実は事務総長まで手渡しておるわけです。それほどこの運動というものは深刻なんです。日本の政府の人がそういうようなことまで知らないというようなことは、結局は、横浜地方法務局においても相当な時間がかかって、それでせっかく上がってきたけれども、現在まで東京地方法務局でも調査の段階だというようなことになってしまう。だがしかし、あなたの先ほどの御答弁を聞いておると、できるだけ近いうちに出す、こういうことでありますから、その誠意を私は見守っていきたいと思うのですが、そこで、長官に今度はお答えをいただきたいのですが、少なくとも人権擁護の立場法務省がそういういま結論を急いでおるわけでありますが、こういう人たちに、ほんとうに日常生活に困っておる人たちに、一体政府はどうしたらいいと思うのでしょうか。全然もう手放しでもって何も手がない、お手あげだ、こういうことでしょうか。ひとつこれは防衛庁長官にお尋ねしておきたいと思います。
  112. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 騒音の対策は、これはもうイデオロギー以前の問題であり、非常に深刻な問題であると思います。防音工事でありますとか、あるいは、その他毎年努力しておることは御案内のとおりであります。板付基地だけの例をあげましても、すでに三十億近く出資しまして、学校だけでも四十六校工事をいたしております。これは一例であります。また、厚木基地といたしましても、昨年の九月、幸い日米間で十数項目にわたって、騒音をどうしたら最小限度に食いとめられるか、こまかい取りきめができました。これも各地区に準用するたてまえでいろいろ事務的に急がしております。ただいま国連の問題が出ましたが、実は、私も一昨年ワシントンに行きましたときにも、地元のPTA等の要望書をペンタゴンや国務省に出した経験もあるのであります。この問題だけはぜひとも全力をあげて解決をいたしたい考えであります。ただ基準なり、あるいは具体的なものになりますと、非常にむずかしい点も出てくるようでありまして、一日も早く一定の基準なり、あるいは、もっと一歩進んで法的な体系、法的な効力を持たした解決策によらないとなかなかできないのじゃないか。ラジオ、テレビの問題も幸い解決の方向に向かっておるようであります、一例でございますが。あらゆる問題につきまして、一日も早く事務的なひとつ基準を設けたい。わが党におきましても、基地特別委員会が、非常に熱心に努力していただきまして、つい最近も、審議会を総理府に設けようという基本的な態度が全会一致できまったばかりでございます。あらゆる努力をいたしましてこの問題の解決に向かって進みたいと考えておる次第でございます。
  113. 相澤重明

    ○相澤重明君 長官の御答弁で私も了解しますが、せっかく自民党の中でも、そういう対策委員会まで持っておりますし、政府の中にも、閣僚懇談会等を持っておったわけですね。ですから、できるだけ早くまとめて、そして国民の心配のないようにしてくるのがやはり政治の段階だと私は思うのです。そういうことで御努力をいただきたいのでありますが、その資料のためにも私はいいと思うのですが、先ほどの横浜地方法務局の調査の結果というのは、これははっきりしていますね。この報告を当委員会にその資料提出してほしい。これが一つ。  それから、先ほどの国連の事務総長に提出をしておる問題については、これはもう調べればすぐわかるのですよ。一昨年の十月三十日ですか、これは国連の事務総長に文書を手渡した、親書として渡しておる、そういうようなことで、私は、やっぱり民間の問題でさえ、アメリカでは、民間の飛行場地を持っておった地主が、せっかく自分の家があっても、騒音でもってたまらぬというので、アメリカの裁判でも、ついにこれを補償することになったじゃありませんか。日本でも、工場地帯でもって、この間やはり裁判をやって、隣の家が騒音でこれはもういかぬから補償しろということになったじゃありませんか。それほど、実際にアメリカの裁判でもそういう結果はあるし、日本の工場地帯においても、そういう問題はあるわけです。ましてや頭の上をブンブン飛ぶジェット機の騒音では、これはもう基地の周辺の人はたまりませんよ。ですから、長官のおっしゃるように、ひとつ結論を出していただきたいと思うのです。そこで、全国の都道府県知事や議長会、そういう関係の基地を提供しておる地元の人たちは、基地周辺の民生安定法というのをつくってくれと、こう言っておるのです。これはいい考えだと思うのです。民生安定ということだから。まあそういうことで、そういうふうにこれからひとつ政府も特段の御努力をいただきたいと思うのですが、これは福田長官、いかがですか。
  114. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 基地周辺民生安定法につきましては、わが党も非常に熱意を込めて、実は各地区で責任者をきめて、二年来努力しておるわけであります。私も趣旨においては全く賛成であります。ただ、実は私自身も関東地区の責任者でありますが、あの法案の最初の内容では無理であります。各政府機関が広範囲にわたり過ぎますので、もう少し焦点をしぼって実行もしなければ……、整理する必要があるのじゃないかという考えを持っております。とりあえず、一歩後退ではありますが、審議会をここに設けて、これを一年以内に固めまして、基地周辺安定法の段階にまで、できれば持っていきたいというのが、いまのわれわれの考え方です。政府といたしましても、御趣旨は全く賛成であります。できるだけ実効をあげる点で努力いたしたいと思います。
  115. 相澤重明

    ○相澤重明君 もう福田長官にそう言われると、それ以上この問題では言う必要はないと思うのですが、せっかくあなたはこの前に努力されたのだから、大臣になったらいろいろほかのところから来るでしょうけれども、それはひとつできるだけ、いまの最後にお答えになったように、ひとつ民生の安定の方向にやはり御努力いただきたい。この通常国会ではむずかしかったかもしれませんけれども、今年のうちにひとつ法律化できるように、御提案ができるように御努力願いたい。  それはそれとして、次に、ことしあれですか、長官、厚木基地のところに政府は道路のつけかえか何かの予算をつけましたか、基地拡張の。そんなことはありませんか、厚木基地に。
  116. 小野裕

    政府委員小野裕君) この厚木基地の滑走路、先にオーバーランのありましたところの道路があまりくっついておりますので、これを少し遠回りに迂回させる道路をつけかえたいという問題がございまして、お話が進んでおります。こまかい点は、施設庁施設部長から申し上げます。
  117. 相澤重明

    ○相澤重明君 説明してください、どういう予算でどうなったか。
  118. 鈴木昇

    政府委員鈴木昇君) 一昨年厚木の飛行場の北側のほうに三百メートルのオーバーランの延長をいたすことになりまして、その土地の買収等はすでに完了いたしておるわけでございますが、そのオーバーランの位置が、滑走路と続くところに県道がございます。その県道を滑走路の延長上の土地が横断するわけでございますので、その県道をオーバーランの先のほうへつけかえるという問題が起きておるわけでございまして、これにつきましては、地元の大和市長、県当局とも、いろいろ御相談しました結果、オーバーフンの先のほうへつけかえるということになりまして、その土地の買収並びに舗装等につきまして予算を計上いたしておるわけでございます。手続等の関係から申しまして、本年度は、ただつけかえ道路の測量だけにとどめまして、来年度におきまして、土地の買収、舗装等を実施する、このように相なっておるわけでございます。大体費用の総額は、約七千万円と見込んでおるわけでございます。
  119. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの説明ですと、神奈川県なり地元の大和市が同意をしておる、そういう説明に伺ったんですが、そうですか。いま何か私は、神奈川県議会も開かれておるし、市会も開かれておるように思うのですが、そういうふうに受け取っていないのですがね。何か防衛庁がやらしてくれと言っておるのだけれども、どうも地元の反対が多くて困る、こう言っておるように思うのですが、あなたのほうでは、知事と大和市長に確認をしたのですか。そしてことし予算をつけて、もうやる、こういうことですか。
  120. 鈴木昇

    政府委員鈴木昇君) お尋ねの点は、最初地元の土地所有者の方々、あるいは従来の県道の沿線に住む方が、若干不賛成の方があったことは事実でございます。その後いろいろと大和市長、神奈川県知事が中に入ってくださいまして、お話がつきまして、そのようなことで実施をするということで進めておるわけでございます。
  121. 相澤重明

    ○相澤重明君 地元がいいということになれば、これはまた別ですが、私の聞いておるのは、まだ県議会が始まっておるけれども、どうも防衛庁がやらしてくれやらしてくれ、こう言っておるというようなことで、事実はなかなかそうではないように思っておったわけです。しかし、これは私も知事じゃありませんし、防衛庁が話をされたのなら、されたということで聞きおくわけですが、事実上それが基地の拡張になる、こういうことを含んでおるのですか、含んでいないのですか。
  122. 鈴木昇

    政府委員鈴木昇君) 一般に飛行場はオーバーランを設置しておりますのが常識でございますのと、昨年におきましても、滑走路の延長上のただいま申し上げましたつけかえ道路のところへ、制動機の関係かと思いますが、飛行機が行き過ぎまして、県道のところで倒れるというような事態等もあったわけであります。申し上げておるオーバーランは、いわゆる飛行場の施設といたしましては、一つの安全施設でございますので、地元の方々から土地を提供していただく場合にも、いろいろ御説明申し上げて御同意を得ているところでございます。
  123. 相澤重明

    ○相澤重明君 従来の戦闘機、練習機ではそういうことはなかったんですが、新しい型の飛行機が配属される、そういうことに関連があるんじゃないですか。この前、私は当委員会でF4Hファントム2、あるいはA6イントルーザー戦闘機の新たな配属があるのではないか、こういうことを指摘をしたのですが、そういうことも関係するのですか、これはどういうことなんですか。
  124. 鈴木昇

    政府委員鈴木昇君) ただいま御指摘がございました機種によっての関係は、当面はあるものと考えられないわけでございます。と申しますのは、一般に航空法で定めておりますところの一般の民間飛行場でございましても、あるいは自衛隊の飛行場におきましても、滑走路の両端にオーバーランと申します、いわば事故防止上の余裕のある土地を残しておくということが常識でございますので、かように考えておるわけでございます。
  125. 相澤重明

    ○相澤重明君 大和基地のフロントを延長したときの、これは三十一年でしたかね、この前、提案をしたのは、そうだったね。そのときの話では、もうあれで十分であるという答弁をしておるじゃないですか、私の質問に対して。今度道路のつけかえをやるということは、事実上エプロンが足りなくなって、結局は伸ばさざるを得ないというように受け取れるがね。そういうことになると、機種の問題ではないと言ながらも、新たな機種の問題が触れられているんじゃないかと私は思うのですよ。そこで、これはあなたに機種の問題を話してもしかたがないのだけれども、これは防衛庁長官はどうですか、先ほど申し上げたF4Hファントム2戦闘機、あるいはA6イントルーザー戦闘機というようなものが日本に配属されるというようなことを聞いておりませんか。すでに米国では、ベトナムの緊迫な情勢に対処して、マッハ三の戦闘機を配属するということを言っておるわけですね。これは米国の極東担当の国防次官補のウィリアム・バンディ氏が国防省の顧問のジョン・マクノートン氏等と一緒に、こういう極東の緊迫した情勢に対して、マッハ三の戦闘機を配属しなければならぬと、こういうことも言っておるわけですね。それに関連あるんじゃないですか。全然これは関係なく飛行場を拡張しなければいけないと、いわゆる道路をつけかえて飛行場をもっと広大な土地をとらなければいけないということだけですか、これは関係ないですか。これは施設の担当者じゃしようがない、長官、そういう新機種を内地に配属されるということは聞いていないですか、国際情勢からどうですか。
  126. 海原治

    政府委員(海原治君) ただいま先生のおっしゃっておられますファントム、これはアメリカではF4といっておりますが、これは従来から日本に出たり入ったりしております。従来から日本には来ております。現に手元には二月の飛行機の出入表を持っておりますが、F4は、二月中に三十六回日本から出ておりますし、二十九回入っております。このように従来から、これは厚木、岩国等の基地を使用しておりますが、ただ、先生おっしゃいましたように、新しい飛行機だから滑走路が長くなるのではないかということは、事実と違っております。このファントムは、非常に最新式のスピードが一番出ます重戦闘機でございますが、その滑走距離は非常に少なくて済む、大体二千メートル以下で十分であるという非常にすぐれた飛行機でございますので、こういう新しい飛行機のために滑走路の延長をするということは不要と判断されておるものでございます。したがいまして、もう一度申し上げますというと、新しい飛行場が配属されるために、厚木の滑走路の延長が必要であるのではないかということについては、そうではないというふうに私どもは判断いたしております。
  127. 相澤重明

    ○相澤重明君 いま議事録調べなければわからぬのですが、この前の当決算委員会で、私が、厚木基地にそういう新しい二マッハ——この二マッハが三マッハとは申し上げなかったのですが、二・五のマッハの新しい戦闘機が来るのじゃないかと、そういうことを質問したら、いや、そういうことはありませんという答弁だったと思います。私は、これは議事録調べてみなければわからぬのですが、いまのお話ですと、何ですか、二十九回とか三十回とか入っているというのですが、これはもうずっとことしからですか、去年からですか。
  128. 海原治

    政府委員(海原治君) 私の記憶に誤りがなければ、ファントムが日本に参りましたのは、昨年の秋でございます。
  129. 相澤重明

    ○相澤重明君 私もそう思うのですよ。だからこの前説明を求めたら、そういう……。あれはどうだったかな、長官。今度長官、ひとつ。
  130. 小野裕

    政府委員小野裕君) そういうお尋ねがございました当時、私どもわかりませんので、調べて……、調べますと、こういうふうに申し上げたと、こう思います。
  131. 相澤重明

    ○相澤重明君 これはどういうこと、これはやっぱり防衛庁の中の話だね、結局は、担当者によってわからなかったことはこれはしかたがないと思うのだけれども、しかし、これはやっぱりたいへん重要なことじゃないか。つまり国内に、日本国内の基地に、極東情勢いかんによっては、そういういわゆる高度のものが出はいりしておるということを、まあこれはいみじくも表明をしたことだと私は思う。これはあまり知らぬですよ、実際の話がね。ところが、何かベトナムの情勢が険悪になってくるというと、厚木の飛行場でサイレン鳴らす、ウーウーと。そうすると飛行機がばたばた出ていく、こういうことが実は非常に心配されている、地域住民は。これは防衛庁長官、どうなんですか。もうアメリカに提供してある基地なんだから何が入ってもいいのだと、こういうことになっているのですか。これは福田防衛庁長官にお尋ねしておきます。
  132. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) これは日米安保協定の規定もございまして、重大な装備の変更であるとか、あるいは一定単位以上の移動の場合には、事前協議の対象になるわけでございます。機種の変更、その程度のものは私は事前協議の対象にはならぬと思っております。
  133. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは重大な問題になりにけりだね、これは。装備に関係ないですか。私は、いまの少なくともアメリカのこの極東情勢に対処する方針からくると、装備の問題に関係ないとはこれは言えぬと思うな、ただ機種の問題だけという。機種そのものが実は装備に関係があるのじゃないですかね。そういうことは、きょうは決算委員会ですから深くは私はお尋ねしません、時間の関係もありますし。けれども、少なくとも私は、機種と装備というものは不即不離のものである。これはもう相当関係がある。だからこそ、極東のアメリカの担当者も、どうしても今度のベトナムの問題については、力で、こういうほんとうに性能のある、しかも、有力な飛行機を配属する必要があるのじゃないかと、こう私は言ったと思うのですよ。日本の、新聞記者諸君もおいでになりますが、おそらくそのことについては、極東の問題について、アメリカの国防次官補が言ったということは、みんな新聞記事に書いてあるのですよ、それを全面に全部取り上げたかどうかは別としても。それを装備と機種が関係がないということは、私にはちょっと考えられないのだが、これはひとつ検討してもらいたいと思うのだな、どうですか。
  134. 海原治

    政府委員(海原治君) ただいま先生のおろしゃっております機種の変更と重大な装備の変更との関係でございますが、これは、たしか昨年でございましたか、板付に初めてF105が配備されましたときに、従来からおりましたF100との関係におきまして、参議院の内閣委員会か外務委員会かと思いますが、そこでもいろいろと問題がございまして、私から御説明した次第でございますが、飛行機は逐次新しくなってまいりますので、同種のものでもってこれを置きかえることは、自然の、当然のことでございます。したがいまして、F100が新しいF105に変わるというのは、これは機種の変更である、こういうことで、当時政府の考え方を御説明をした次第でございますが、ファントムあるいはスカイウォリアー等につきましても、全く同じ考え方でございます。これは一般的には多目的の戦闘機、こういうことに類別されておりますので、そういう意味で、決して装備の変更ということには相ならないものでございます。
  135. 相澤重明

    ○相澤重明君 まあこれは内閣委員会なり、その関係の問題でやれば、またもっと堀り下げて議論をしても私もいいと思うのですが、今日は決算委員会、時間もないから、私もそう申し上げませんけれども、どうもいまのようなことは、少し、だんだん拡大解釈をしているのじゃないですかね、あなたのほうで都合のいい解釈を。やはり普通の飛行機の場合と、もう新兵器であって、うんと性能が高くて、破壊力を持っているという飛行機とでは、これはやはり違いますよ、幾ら強弁しようとも。だから、それはとにかく、いまのあなたの解釈は解釈としても、やはり国民が心配することをなくしてもらうのが政治だと思う。そういうふうに私は思うので、先ほど申し上げたマッハ三なんていうようなものが、いつの間にかF4Hファントム2戦闘機なんか来ておるということから言うと、また来るのじゃないか、こういう心配がありますね。だから、そういう点はひとつ、事前協議でこれはやはりやったほうがいいんじゃないですかね、あんまり心配させないように。いまの話で、あなたのほうの説明でいくというと、機種の変更だけだと、装備に関係がないと、こういう御答弁のようですが、ちょっとそれは私は、日米安保条約というのをあまりにも政府が一方的に拡大解釈していはしないかというふうに思うのですがね。これは福田長官が答弁をするなら答弁をして、これで終わりますが、どうも私はちょっと心配になるわけでしてね。私のこの心配は、ちょっと消えませんね、いまの政府の答弁では。
  136. 横川正市

    委員長横川正市君) いまのにちょっと関連して私からも聞きますが、装備、いわゆる多目的の目的を持っているのでというのは、これは現在まである機種であっても、同じ装備であったのか、それとも変わったのか——装備の点に変更があっても、多目的という範疇で考えられているのか。それからもう一つ、逆に、重要な装備の変更とは、一体どんな見解を持っておられるのか、この点を説明いただければいいと思うのです。
  137. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 先ほど私が重要な装備の変更と申し上げた内容を、補足説明さしていただきます。それは核弾頭及び中距離並びに長距離ミサイルの持ち込み、また、さらに第三番目には、右ミサイル基地の建設、この三点を政府としては、重要な変更と認めているわけでありまして、単に一マッハが二マッハになるとか、そういう点につきまして、私どもは重要な装備の変更とは考えておらぬわけであります。
  138. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまのような文章の解釈だということで、政府は乗り切るつもりらしいけれども、どうもぴんとこないね、ちっとも、どうも私には。私は、ただ単に反対だからということじゃないんですよ。どうもそういうこと、たとえば米国のマッハ三機種成功について、アメリカが、国防省が言っているのは、こんなにジェット機でもって開発された性能のいいものはないと言って、誇っているんですよ、世界に。そういう新聞記者発表をしているんですよ。そういうことからいっても、私は、このマッハ三が来ているということは、これは政府も答弁していないから、来ているとも私も言いませんけれども、たとえばこの前に小野長官が、先ほども御答弁されたけれども、昨年十二月十一日に私が当委員会質問をしたときには、「新型の飛行機が来ておるか来ていないか私は存じません。」と、こういう、これはお話しになったとおりで知らなかったんですね、政府自体が知らなかった。いま聞けば、もう昨年末から配属されて、私が質問した当時には、もう来ているんですよ。これはそういうことからいって、私は、今のF4Hファントム新戦闘機というような戦闘機が、それは重大な装備の変更ではないと、こう言われることに、マッハ三もそうだ、その次は何が出てくるかわからないということになると、これはちょっとおかしいじゃないかという心配がありますよ。これはしかし、時間がかかりますから終わりますが、これはぜひ政府に、あまり答弁をうまくしておけばいい、その場だけ逃げてしまえばいいという——まさかそうじゃあるまいけれども、そういうことは私はあまり感心をしないので、そういうことでひとつ、できるだけやはり国民が安心し得るような方向に私はこれからも御努力を願いたいと思います。
  139. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 いまアメリカでマッハ三と言われておるA11という飛行機、この飛行機は、先日来の新聞の報道によると、ソ連だとか、あるいは中国の上空をスパイをしておる疑いがあるということがいわれておる。もしこのA11が日本の領土内から飛び立つような事実があったとしても、これは事前協議の対象にはならないのか。これはひとつはっきりとここで聞いておきたいと思うのです。
  140. 海原治

    政府委員(海原治君) ただいまの御質問にお答えする前に、ちょっと先ほどの大臣の御説明に関連しまして私申したいことがございます。補足してよろしゅうございますか。
  141. 横川正市

    委員長横川正市君) どうぞ。
  142. 海原治

    政府委員(海原治君) 委員長が御質問になりました、どの程度のものが装備の変更、機種の変更ということになるかということに関連いたしまして、例で申し上げますと、例のファントム、これはアメリカではFの4と言っております。このほかに、日本に来ておりますのはFの8がございます。それからパンサー・グラマンのFの9がございます。このFの9は一・二マッハの戦闘機でございますが、ファントムは二マッハが出る。要するに、スピードがそれだけふえた、マッハ二クラスの戦闘機ということで一応分類されておりますので、これは同じ種類のものと見るのが常識でございます。それから海兵隊関係のスカイウォリアーA3にスカイホークAの4がございますが、これはAという頭文字が示しておりますように、航空母艦に置くことを前提とした攻撃機でございます。これは大体音速の飛行機でございます。こういうものは最近非常に武装化が進んでおりますので、ほとんど同じような武装が持てる次第でございまして、そういう点から申しましても、装備の変更ということではなしに、機種の変更ということに私どもは解釈しておる次第でございます。  なお、ただいまのAの11でございますが、これにつきまして、先般アメリカで発表がございました。しかし、これにつきましても、実はまだいろいろと見解が分かれておりまして、先ほど相澤先生から、直ちにこれが戦闘機になるようなお話でございましたけれども、しかし、専門家筋の観測では、あの程度のスピードのものに現在戦闘機の性能を与えることは、技術的に不可能であろうというような批判が出ているわけでございまして、はたして技術的にどの程度のものであるか、現用されているものか、単に試験的に製作をされているものか、この点はっきりしておりません。御承知のように、ロッキードでは、Xの15というような飛行機をつくっておりますし、いわゆる試験機として開発途中のものであるというふうに現在では見るのが正しいのではないかという外国紙の報道がございます。さらに、この飛行機が日本から出るということについての御質問がございましたが、私どもとしては、先ほどから申しておりますように、そういう新しい——新しいかどうか、その飛行機がどういう目的のために使われる、どういう性能を持ったものであるかということによりまして、先ほど申しました機種の変更か装備の変更かという点の問題はあろうかと思います。しかし、その場合におきましても、いわゆる重大な装備の変更になるかどうかという点について、また次の問題がございまして、その点については、先ほど大臣からお答えしましたようなことが、従来から日本の政府の一致した見解でございます。
  143. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それなら大臣に聞こう。もしそういう目的を持ち、性能を持つ飛行機は、あなたのおっしゃった重大な装備の変更の部類に入るべきものと考えるのか、これはやはり通常の飛行機の機種の変更というふうに考えるべきか、大臣のいまの考え方をお話し願いたい。
  144. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 先ほど三点をあげて、その場合には重大な装備の変更と申し上げた。したがって、機種の変更あるいは性能の向上につきましては、重大な変更とは、私ども考えておりません。
  145. 小酒井義男

    小酒井義男君 先ほどから接収解除の問題でいろいろ御質問があったのでございますが、その点についてお尋ねをしたいのですが、米軍の接収しているものを解除される場合ですね、これは米軍側から返すといってくる事例が多いのか、日本側から返還を要求される場合が多いのか、その点はどうなんですか。
  146. 小野裕

    政府委員小野裕君) 従来は、米軍が大幅に撤退をいたしましたようなときには、米軍側から進んで返してもらい、今日の状態では、ほとんど飽和状態と申しますか、大体現在の提供施設が米軍として、これだけのものは最小限ほしいという状況にございます。したがいまして、いまこちらから要求をして返してもらうというケースが多くなるのでありますが、要求いたしましても、大きいものについては、なかなかうんという返事がございません。小さい問題については、同意が得られるというようなケースがございます。
  147. 小酒井義男

    小酒井義男君 そこで具体的にひとつお尋ねをしたいのですが、実は私、運輸委員会におりまして、運輸行政調査を一月にやったわけなんですが、たまたま九州地方へ行きましたところが、佐世保の市当局から、佐世保港内にある大型ドックが、これを民間で使用することができれば、その地域の産業あるいは住民の生活上にも非常に大きなプラスになるのだ、たびたびこの解除をしてくれるように要請をしているが、なかなかはかどらない、こういう説明がありました。現地でいろいろ聞いてみますと、あまり使っていないようなんです、私の聞いたところによると。そこで、運輸省の三十九年度の予算を見ますと、大型ドックが非常に不足をしているから、これをつくるために開発銀行の融資を要求している、こういうことがあるのですね。米軍がいまそれを使用しておらない大ドックが一つあれば、これはそういう予算の上からもたいへん利益になることなんです。ですから、これは従来のそういう経過のお話があったのですが、解除をされるような折衝をなさったことがあるのか、現地からそういう声があがってきているのかどうか、その点お尋ねしたい。
  148. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) いまお尋ねの佐世保の問題は、私も現地の陳情、報告を受けたわけでございますが、大体四つあったようでありまして、第四ドックはすでに返還されて解決している。一番大きい第三ドックをいま日米間で話し合いをしておりまして、何とか返還してもらいたいと折衝している最中でございます。  なお、日本側による使用の手続もだいぶ簡素化されまして、前は長かったのでございますが、大体一週間前にやればいいということでありまして、この点についても、何とか一番大きい第三ドックというものを至急返還してもらうよう、今後もアメリカと折衝を続けて、早く返してもらいたいと思います。
  149. 小酒井義男

    小酒井義男君 運輸大臣、いまお聞きのように、あなたの所管と非常に関係が深いのですから。防衛庁のほうとしては、積極的に解除の折衝をするという御方針のようですから、運輸省のほうからもやはりこれを積極的に、早期に実現するような努力をしていただきたい。
  150. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 承知いたしました。
  151. 相澤重明

    ○相澤重明君 先ほどの戦闘機の話ですが、F4Hファントムの場合は、これは向こうの話によると、ナパーム弾を登載することができる、あるいはミサイル装備もある、こういうことを言っているんですからね。装備の問題については、いま政府の言う答弁のようなことではないと私はこう思っているのです。しかし、きょうはそういう時間がないので、先ほど申し上げたように終わりますけれども、いま少し日本政府も調べて、装備は重大な差があれば、これは私はやはり事前協議の対象だと思うというふうに言わなければいかぬと思うのです。ですから、そういう点でひとつこれは御検討をいただきたい、こう思うのです。  そこで、その点は終わりまして、次に長官に、これは最後の問題になるわけですが、駐留軍要員の大量首切りというのが出ておりますね。これはドル防衛のたてまえで予算削減に伴ってたいへん大きな問題になっておりますが、現在政府が通告を受けておるのは、どのくらいの人員が削減されることになっておりますか。
  152. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 二日ほど前に発表いたしましたとおりであります。人員削減の総数は、六千名でございます。陸海空の内訳につきましては、事務当局から答弁させます。
  153. 小野裕

    政府委員小野裕君) 本年一月から六月まで、おおよそその期間内において整理が予定されておりますものは、基本労務契約に基づく従業員の中で約六千名でございますが、そのうち、一月から三月までに約八百名、四、五、六と、あとの三カ月で五千二百、合計六千のうちで、空軍関係が二千九百、陸軍の関係で千六百、海軍で千五百、合わせて六千、大体このように見込まれております。
  154. 天田勝正

    天田勝正君 関連。先般予算委員会で私、この問題質問いたしました。防衛庁長官はこの問題だけでお呼びするもんですから、むしろあとの対策を主として質問をしたために、お呼びをしないで、労働大臣から協議の上答えてもらいたいということを事前に通達をしておって、あなたには質問しなかった。そこで私の聞いたところは、一月からきょうまで、すでに六百名の解雇があり、かつまた、それに加えて五千四百名であるから六千名ぐらいになる。しかしこれは、いま施設庁長官がお答えになりましたように、正規の契約をいたした労務者なんであります。そこで、そのほかに正規の契約をせざるものも二千名あるというふうに承知しておるのですが、その点はいかがですか。
  155. 小野裕

    政府委員小野裕君) 正規の契約というおことばでございましたが、正規の契約といたしまして、ただいま申し上げました基本労務契約と、そのほかに、諸機関関係契約というものがございまして、それも契約でございますが、そのほうの関係で、六千名のほかでございますが、五百ないし千ぐらいはあるのじゃないか、そのほかには、契約上のものはないと考えております。
  156. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの小野長官の御答弁で、とにかく陸海空の基本契約の人が六千人、その他のものまで含んで七千か七千五百近い多くの日本人労務者が解雇される、こういうことに発表されたわけでありますが、これについて、政府としてはこの人たちを失業させてそのままでいいということにはならぬと思う。どういうふうにこの人たちの再就職といいますか、あるいは再雇用といいますか、そういう問題に目をお向けになっておるか、具体的にその作業をお進めになっておると思うのです。そういうことをひとつ、小野長官のほうではどういうふうにやっておるのですか。
  157. 小野裕

    政府委員小野裕君) 御承知のように、再就職の問題は、労働省の御所管になっておりまして、府県知事あるいは職業安定所というような系統で御配慮を願っているわけでございます。私どもといたしましては、つとめてそうした機関と連絡を緊密にしながら、適切な就職あっせん、あるいは職業教育、職業訓練というような形について効果のあがるように御配慮いただくように御協力をしているわけであります。なお、私どもとしましても、まだ職にあります者について、軍の施設の中で、これは時間外でございますが、特別な技能と申しますか、世間に出て役に立つであろうような職種を選びまして、時間外の訓練をしてあげている、こんなような形で、できるだけ再就職が円滑にいけるように努力をいたしております。
  158. 相澤重明

    ○相澤重明君 労働省はいかがですか。これだけの多くの日本の働く人たちがちまたにほうり出される、こういうことではたいへんなことになると思うのです。いま小野長官のお話のように、再雇用の問題についても、基地内でできるものについては、できるだけ努力をしていくということももちろんでしょうが、やはり何といっても、実際にはアメリカの予算削減ということであるから、非常に困難だと私は思うのです。そこで労働省としては、これらの多くの職を失う人たちに対しては、それぞれの計画がなければいかない。どういう計画をお持ちになっているか、ひとつお示しいただきたい。
  159. 遠藤政夫

    説明員(遠藤政夫君) ただいま防衛施設庁長官からお話ございましたように、約六千名がこの六月までに解雇される予定になっております。これの再就職計画につきましては、中央離職者対策協議会を中心にいたしまして、関係各省の御協力を得まして、労働省におきまして、離職者臨時措置法に基づいて、その再就職の確保と雇用の安定をはかってまいりたいということで、具体的な方途を現在いろいろ検討いたして、実施に移してまいっております。  まず第一は、こういう六千人の解雇者をできるだけ配置転換等によりまして、解雇される人たちがほかの職場へ振り向けられるように、施設庁のほうで御努力いただきたいということでございますが、それで、なおかつ離職した人たちにつきましては、それぞれの事情に応じまして再就職計画を立てまして、それの具体的な方策を考えてまいっております。  まず第一には、福岡の板付基地のような、大量に一度に二千名も解雇者が出るというようなところにつきましては、現在の職業安定機関の臨時の相談所のようなものを、分所を設けまして、そこで解雇者の相談、あっせんに当たるようにいたしております。その他の者につきましては、臨時の巡回相談といったようなことで離職者の便宜をはかりまして、懇切な職業相談をやってまいりたい、かように考えております。  それから駐留軍の離職者につきましては、その相当数が、技能、技術を身につけた人もかなりございますので、こういう人たちにつきましては、そういった技能、技術にふさわしいような求人開拓をいたしまして、そういう技能を生かし得るような職場の開拓につとめていきたい、かようなことで特別に求人開拓班をつくりまして、そうして求人の開拓につとめてまいりたい、かように考えております。  それからその他の、技能を持っていない人、あるいはそういった基地内の従来の職種で再就職できないような人につきましては、職業訓練を拡充いたしまして、離職前の基地内の訓練と、私どものほうでやっております公共職業訓練、これとタイアップしまして、十分安定した職場につき得るような訓練をやってまいりたい、かように考えております。訓練につきましては、これは御承知のとおり、炭鉱離職者同様に相当高年齢層の人が多うございますので、なかなか尋常なやり方ではむずかしいかと考えられますので、こういった人たちにつきましては、昨年の職業安定法の改正で新しく設けられました職場適応訓練制度を重点的に活用いたしまして、こういった人たちが雇用の予約をいたしまして、そうして半年なり事業所に委託して訓練を受ける、そうしてそのまま訓練を終わりましたら、その職場に就職できるというようなやり方でこういう人たちの再就職をはかってまいりたい、かように考えている次第でございます。
  160. 相澤重明

    ○相澤重明君 最後の点から話に入りたいと思うのですが、どうですか、炭鉱の離職者と同じように、臨時措置法がありますね、ああいうふうに、同じようにできませんか。いまのあなたのは、雇用者が見つかれば、そこで職業訓練をやって、その手当を出していこう、ざっくばらんにいえば、こういう話だと思うのですよ。これはやはり炭鉱においでの方も、いまの米軍のドル削減によるところの駐留軍要員の失業の問題も、私は、日本政府にとっちゃ非常に大事なことだと思うのですよ。そういうことで特別措置法を適用するような形に政府は努力ができませんか。
  161. 遠藤政夫

    説明員(遠藤政夫君) 炭鉱離職者に対しましては、御承知のとおり、いろいろな援護措置が講じられておりますが、駐留軍関係の離職者の方々に対しましても、先般来、大臣御答弁申し上げましたように、ほぼ同様の援護措置が講ぜられることになっております。具体的に例をあげますと、駐留軍離職者が住居を離れまして——従来の住まいを離れまして他のところに就職します、そういうときの移転費の支給でございますとか、あるいは雇用促進事業団がやっております移転就職者用の宿舎の優先貸与でございますとか、就職資金の貸し付けでございますとか、こらいった点につきましては、炭鉱離職者とほぼ同様の援護措置がとられることになっております。ただ違います点は、先生御案内の、雇用奨励金制度でございますが、これは炭鉱離職者が就職いたしました場合に、その採用した事業主に対して、月額六千円の雇用奨励金が支給されることになっております。この点が駐留軍関係の離職者の場合には適用がないわけでございますが、これにかわるものといたしまして、ただいま御説明申し上げました、離職者の職業訓練制度が昨年新しく設けられまして、これによりますと、駐留軍離職者を委託を受けて訓練し、雇用の予約をして、さらに、そのあと採用する事業主に対しましては、その期間中、五千二百五十円の委託費が支給されます。さらに、雇用奨励金制度の際においては、本人に対する手当といたしまして、月額一万三千三百円の手当が本人に支給される、こういうことになっておりますので、したがって、雇用奨励金制度というものはございませんが、駐留軍離職者の場合は、そういうものにかわるものとして、十分援護措置が行なえるものと考えているわけでございます。
  162. 相澤重明

    ○相澤重明君 どうでしょう、福田大臣、これはいま労働省の事務当局から説明されたことでおわかりのように、いまドル防衛によって多くの失業者が出るあなたの所管の人たちと、それから炭鉱の離職者については特別措置法があるわけです。それの差があるわけですね、いまの説明を聞いていると。これは政府として、いままで長い間努力をされたことなんですから、やはり同じように、これは相談をしてやればできることじゃないかと思うんですよ。何も同じ失業者にそれだけの差をつける必要はないと思うのですよ。ですから、国策によってむしろこういう問題が起きてくるんですから、これはあなたがひとつ閣内でお骨折りをいただけば、炭鉱離職者より少ない五十円やそこらの金額の問題です。五十円くらいのものはそれはもう上がるわけです。ですから、そういう点については、ひとつ御努力いただきたいと思うのですがね。  あとでお答えをいただくのに、それと同時に、特別給付金あるいは退職金等の問題について、政府も、五千円を一万円にするとか、一万円を二万円にするから、ひとつこれでやってもらいたいというようなことも話をされておりますが、私は、実際長い間苦労をされた駐留軍の労務者が、六千も七千もの人が、いま、ちまたにほうり出されるということについては、もっとやはりあたたかい手を差し伸べてやるべきじゃないか。原則としては、やはり失業をするよりは再就職をさせ、雇用の安定をさせる、このことに全力をあげてもらうことが一つだと思うのですよ。それで再雇用きせると同時に、これは職場が変わるんですから、先ほどの、技能を持っている者には技能が生かされる道を講じてやる、たとえば私は、ドライバーの人たちには——ここに運輸大臣もおりますが、その会社をつくり、自動車を運転するならそれをやらしたらいいじゃないか、こう思うのですよ。これは運輸大臣もひとつ御答弁いただきたいと思うのですよ。政府がそういう離職者の特別対策委員会まで持っている人たちに、やはりできるだけの援助の手を差し伸べる、こういうことがむしろ大事だと思うのです。むしろ福田長官のほうから、ひとつ関係大臣のほうに、こういうことをしてやってほしいということがあって私はいいと思う。そういうことについて、技術を持っておる者はその技術を生かせるようにひとつお骨折りをいただきたいし、運輸大臣は、そういう防衛庁長官のほうから、付せんをつけて出された場合には、自動車の技術を持っておる人には、そういう整備なり、あるいは運転なり、そういいものについてできるように努力をしてもらいたいと思うがどうか。  それからいま一つは、特別給付金等、いろいろ組合からもすでに要求があるし、私ども社会党からもすでに提案をしておるわけであります。そういうことで、この急場の問題を、私は政府に御努力をいただきたいと思うのですが、この点もあわせてひとつ両大臣からお答えをいただきたい。
  163. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) このたびの相当大規模な人員削減に関しまして、われわれとしても非常な関心を持っておるわけであります。すでに昨年の九月末に、アメリカから在日米軍の配置転換の申し入れがありましたときに、三項目を日本側の要望としてアメリカに申し出たわけであります。そのうちの一つは、退職手当の増額その他の、いわば離職を余儀なくされる方々に対する待遇改善項目であります。退職手当につきましては、残念ながらまだアメリカ側の同意を得ておりません。しかし今後も、昨年末のアメリカの回答に対しましては、私どもは承服しておらないのでありまして、講和発効後十年も過ぎておる、どうしても長期勤続者には、ぜひとも増額をしてもらいたいという折衝を続けております。なお、ベース・アップの遡及につきましては、幸い米側も同意をし、効果をあげたことは御承知のとおりであります。  なお、特別給付金につきましては、とりあえず来年度予算でそれぞれ五千円ぐらい増額して、三段階に分けて審議をお願いすることになっておることは御案内のとおりであります。これにつきましても、私どもいろいろと考えておりますが、この点も努力を今後も続けていきたいと考えております。  なお、雇用安定法につきましては、社会党側からこの前も御提案ございました。実は趣旨においては私どもも賛成でございます。ただ問題は、解雇制限の条項がありますので、これは直ちに、われわれとしては、対米の契約関係からいって同意いたしかねるわけでありますが、労働大臣との折衝につきましての最初のお尋ねに戻りますが、これは昨年来、実は私も何とか炭鉱労務者——非鉄金属だけじゃなくて、駐留軍関係労務者にも、できないだろうかという実は御相談をしておるわけであります。労働大臣も非常に強い関心を持っておられまして、先ほど事務当局から答えましたとおり、あらゆる角度からひとつやってまいりたいという考え方は一致しております。ただ、その雇用奨励金をそのまま拡大するとか、適用するまでには至っておりません。  結論的に申しますと、今後もあらゆる点で対米並びに対政府内で、できるだけ離職者に対しては安定の措置を講じたい。例を引かれました企業組合の育成の問題ですが、従来ともやっております。今後もいろいろ指導もし、育成については、あらゆる便宜を計らって、たとえば、運輸省関係でございますれば、あらゆる御紹介をし、それについてはできるだけの手を講じたいと考えております。
  164. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 炭鉱離職者の問題につきましては、私たちとしても、政府の方針に従いましてあらゆる努力をいたしております。たとえば、相澤さんが御例示になったような運転の免許を持っておる者につきましては、そういう人たちがタクシーの営業の免許をしてもらいたいという申し出がありまして、優先してそのタクシーの免許を福岡において与えております。また、自動車の修理等のことに技能がある人があれば、申し出があり次第、その線に従って善処いたしたいと思っております。  福岡では相当の人間が炭鉱離職者でタクシー業をやって、今日実はこれが従来のタクシー業者と非常に摩擦を起こして弱っておるのが現状であります。
  165. 相澤重明

    ○相澤重明君 炭鉱の離職者ばかりでなくて、駐留軍の離職者のです、いまの話は。  そこで、それはいま大臣が一生懸命にやるということですから、私も了解をしていきますが、先ほど福田長官がお答えになったように、大橋労働大臣が昨年の衆議院の段階において、私ども社会党の河野議員の質問に対して、できるだけ雇用安定の問題についてひとつ努力していくという御説明があったわけです。ですから、これは労働省としても積極的な方針をとっておいででありますから、ぜひひとつ御相談をされて、できるだけこれはやはり炭鉱の諸君と同じようにできるように、ひとつ御努力いただきたいと思う。  それから、退職金等の問題について、米軍側との問題でありますが、これはやはりやり方だと思うのです。それだけのやはり強い決意をお持ちになって交渉されれば、かなり私は進むと思うのですよ。一万円とか二万円なんということじゃなくて、少し十万円なり二十万円なり取れるようにひとつ骨を折ってほしいと思う。これはまあそういうことで、とにかく当面するこの六千も七千もの人の失業問題を一日も早く安心をするようにひとつ積極的に取り組んでいただきたい。  それから、労働省は、先ほど福岡の話が、訓練の問題が出ましたが、私は神奈川におるのですが、神奈川でも相当多くの仲間が失業者になるわけです。こういう点については、やはり具体的に積極的に私は取り組んでもらいたい。そうでないと、国会答弁さえうまくやっておけばいいというようなことでは、この問題は解決しないと、こう思うので、ひとつ労働省に特に注文をつけておき、この問題を終わりたいと思うのです。いかがですか。
  166. 遠藤政夫

    説明員(遠藤政夫君) 神奈川県につきましても、海軍、空軍関係で福岡の板付に近い離職者の発生が予想されておりますが、これにつきましても、すでに神奈川県当局に指示いたしまして、福岡県に準じた措置をとるように手配いたしておる次第であります。
  167. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 防衛庁長官、先ほどの質問私関連ですから途中で終わりましたけれども、長官は、A11のようなこういう飛行機が入ってきたとしても、安保条約にいう重大な装備の変更にならないから事前協議の対象にならないと言ったが、そうすると、つまり、アメリカのほうで入ってくるのは自由だ、勝手だということになりますね。勝手に入ってきてもかまわぬ、対象にならぬということになると、これは非常に重大だと思う。つまり、このような飛行機を入れるという相談があったとき、あるいは何らかの形でこの飛行機が入ってきたということが察知されたときに、断わられるつもりなのかどうか、日本政府として、この点をひとつお答えを願いたいと思う。
  168. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 先ほども実はお答えしようと思いましたが、補足的に申し上げますと、通報は受けております。その場合に、さっきの私の答弁に戻るわけでありますが、核装備の問題であるとか、あるいはミサイルの問題等、これは重大な装備の変更であり、当然事前協議の対象になりますし、また政府の従来からの一貫した方針は、核兵器の持ち込みを許さないという点にあるわけであります。この点も分けてお考え願いたいと思います。
  169. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 分けて考えるということは、いま私が質問したのは、そうではなくて、つまり通告を受けたと長官はおっしゃっておるのですが、通告を受けた日本政府の態度を聞いておる。断わるつもりか、どうなんですか。
  170. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) それは、その内容によりまして、断わるものは断わりますし、また受けるものは受ける考えであります。
  171. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 いまのところ断わるとも受けるとも政府の態度は未定だと考えてよろしいのでありますか。
  172. 海原治

    政府委員(海原治君) 先ほど大臣が通告を受けておるとおっしゃいましたのは、一般的な原則を申し上げた次第でございまして、通常アメリカの陸、海、空——陸はおりませんが、海、空につきましての新らしい機種に変わる場合には、私どものほうに連絡を受けております。これをおっしゃった次第でございまして、いまおっしゃられますところのA11という飛行機については、これはまだ先ほど私が御説明いたしましたように試験的な段階にある飛行機でございますし、私どもはそういうものがこちらのほうに飛んでくることの情報は何ら得ておりません。
  173. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 Bの57についてはどうですか。
  174. 海原治

    政府委員(海原治君) Bの57でございますと、これは横田に現在おる爆撃機でございまして、これは不日アメリカのほうに引き揚げる予定のものでございます。
  175. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 問題をちょっと次に移して聞きますけれども、三月五日の参議院の予算委員会でわが党の岩間委員質問をいたしました。それは「防衛力整備に関する基本的見解」——航空幕僚監部の出した昭和三十八年八月二十三日のこの文書に基づいて質問をいたしました。このときに、防衛庁長官も、池田総理も、知らぬ存ぜぬ一点張りの答弁でありましたが、この事実についてはどうお考えになりますか、お認めになりますか。
  176. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 岩間委員からの御質問のときには、事実私は知らなかったわけであります。したがいまして、岩間委員に対するあのような答弁をしたわけであります。帰りましてすぐ関係の幕僚長その他全部集めまして調べましたところ、そういう内容を含んでいるものが、昨年の八月の航空幕僚監部の会議で、一幕僚がつくりました私案を正式な航空幕僚監部の議を経ずして幕僚監部の名を付して配付したことが判明したわけであります。したがいまして、この点につきましては、正式の航空幕僚監部の書類でもないので、いまどうしてこの機密書類が漏れたかあらゆる点で捜査中でございます。並びに、こういう機密といいますか、手続上の手落ちにつきましても、これは綱紀上許し得ない問題でありますので、いま厳重に調査中でございます。
  177. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 この機密が漏れたということに重点を置いての御答弁のようですけれども、これは、その航空幕僚会議の席上に配られたものだということになると、根も葉もないことではなくて、やはり事実である。この内容に盛られている一々についていまここであれこれと討議を深めている時間的な余裕がありませんので、聞きたいのですけれども、これは一体防衛庁長官として、ここに書かれている考え方なりまた方向なりというようなものについてはどういうようにお考えになっておられましょうか、お聞きしたい。
  178. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) さっそく私もそれを見たのでありますが、私の受けた感じは、非常に不適当な表現が多いのであります。たとえば経済政策の問題でありますとか、あるいは日米安保体制に対する独断的な批判、こういう点につきましては、これは防衛庁自体あるいは自衛隊自体の立場から申しまして不適切であり、これは間違いであるという感じを受けております。
  179. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは非常に重要な問題で、中に書かれてあることは、日米安保条約はもう当てにならぬということをいっておるわけです。あるいはまた、池田内閣の政策が国民に非常に経済的な不安をもたらして、一種のつまり政治的な国内危機になるだろうというような見通しまで書いてある。それは不適当だとか誤っているとかいうことではとどまらない。何かこれの背後にあるところの一種の思想的なものについてはお考えになりませんか。
  180. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 現在、どういう考えでそういう草案を独断的に書いたかどうか、しさいに検討中、調査中でございます。おそらく、不用意な用語もありますし、また自分の考えを必要以上に誇張した表現もあったかという点もございます。ただ、そのままの文句を見ますと、先ほど申しますとおり、決して適当ではない。私ども考えているような自衛隊の訓練なり教育の方法、方針というものとは違うわけです。
  181. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは憲法に違反している。それとともに、防衛庁の職員としては、逸脱している。それだけじゃない。もっと言うならば、一種のクーデター的な思想的、政治的準備行動だと見られても差しつかえないような行動である。これについて、目下調査中だと言っているけれども、事実の判明次第、どのような処置に出るつもりか、お答え願いたい。
  182. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 先ほど申しますように、しさいに検討中、調査中でございます。その上で決定いたしたいと思います。
  183. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 しさいに検討中で、その上でもってどうするかを答えたいという、そういう答弁ですけれども、この事態については、一体防衛庁長官は責任を感じているのかどうか。
  184. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 当然感じております。
  185. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 この問題については、また後ほど時間のあるときに、しかるべくひとつ深めて討議をしてみたいと思います。  問題を次に移します。これは決算委員会としての問題に移っていきたいと思っているんですが、運輸省にまずお聞きします。  運輸省の港湾整備五ヵ年計画は、三十六年を初年度として取りかかりました。ところが、三十六年、三十七年、三十八年というこの三ヵ年間進んだのですけれども、ことしから今度また新港湾整備五ヵ年計画というものに移行したわけですね。この間の事情は、一体どういう理由で、前の計画が三ヵ年で打ち切られ、今度のこの五ヵ年計画に移っていったのか、その間の事情について、簡略にひとつ要領よく答えてください。
  186. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 経済の発展に伴いまして、さきの五ヵ年計画はもうすでに二年を待たずして計画どおり進んでおるような実情でありまして、それでもまだ港湾その他の施設というものが経済の発展に追いつきませんので、あらためて三十九年度を初年度とする五ヵ年計画を作成いたしまして、目下、経済企画庁におきまして、アフターケアと申しますか、現時点においてさらにどうすればいいか、公共投資をどうすればいいか、港湾をどうすればいいかということを研究する段階になっておるので、私どもは、三十九年度を初年度とする五ヵ年計画の初年度として、三十九年度の予算を認めていただいて、目下、そのアフターケアの数字が出次第に、四十年度からあらためてわれわれの言う新五ヵ年計画に進みたいと考えております。
  187. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 海運白書によると、三十六年、三十七年の外国の汽船の入港の隻数及び総トン数というものが書かれているわけですが、ここで言っている汽船というのは、一体どういうものなんですか。
  188. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) その汽船というのは、外国航路に用いるところの汽船という意味でございます。
  189. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 つまり、その汽船の範疇の中に次のものが含まれるかどうかをお聞きしたい。漁船、あるいは外国軍艦、これが入るかどうか。
  190. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 漁船は——それも大小によって違いますが、漁船は私どもとしては入らないと考えております。外国の汽船につきましては、私どもはやはりその計画の中に入っておると考えております。
  191. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 外国の軍艦は入りますか。
  192. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 入ります。
  193. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それじゃ、漁船は入らないのだけれども、外国軍艦というものは、この汽船の中に入るとおっしゃっておりますが、それじゃお聞きしますけれども、三十六年、三十七年のアメリカの軍関係の船舶の入港、軍艦を含めて一体どの程度なのか、お答えいただきたいと思います。
  194. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 手元にいまお指図の三十七年、三十八年の調査がございますが、三十八年の一月から十二月までに、いわゆる開港という——港の種類の開港でごさいますが、これが三十二港でございまして、七百九隻外国の船が入っております。それから不開港は十三港で百五十入っております。三十七年には、開港で五百八入っております。それから不開港では百三十九入っております。
  195. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、別府湾とか熱海港の沖とかいうのは、一体、開港、不開港のいずれにも属さないと思うんですが、これはどっちに入るんですか。
  196. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 別府港も、それから熱海港も、不開港に入っております。
  197. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、開港、不開港以外の日本の領海というのは、どういう形で調べることができるんですか。開港、不開港以外は調べていないんですか。
  198. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 事務当局から……。
  199. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 港に入った場合に、所定の手続がとられますので、先ほど大臣がお話をいたしましたとおりに、入港隻数がわかる次第でございますが、領海外の一般公海についてはわからない次第であります。
  200. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 さっき漁船は含まないと言ったんだけれども、南朝鮮−韓国からのいわゆるやみで入ってくる船については、全然捕捉していませんか、わかりませんか、この点について。
  201. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) やみと仰せられましたのですが、いわゆる密入国等につきましては、私のほうで巡視船がこれを拿捕したりした場合には明確になるのでございまして、大体、それ以外のものにつきましては、判然としかいわけでございます。
  202. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 判然としないというものを追及してもしようがありませんから、その次の問題について聞きますが、横須賀、佐世保はもちろんですけれども、横浜、神戸など、アメリカ軍専用の埠頭がありますね。いわゆる米軍に対する地位協定による港湾の施設の提供というのは、一体現在何ヵ所、どの程度であるかということについて御答弁願いたい。
  203. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 運輸省でちょっとわかりませんから、それぞれの所管の役所から御説明させます。
  204. 鈴木昇

    政府委員鈴木昇君) 港湾施設といたしまして米軍に提供いたしておりますのは、横須賀の海軍の施設、それから佐世保の港湾、その他に、横浜のノースドック、神戸の第六突堤、呉のはしけ停泊所、門司港の倉庫地区等がございます。
  205. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そういうつまりアメリカ軍が使っておる埠頭、あるいは常時入る港、こういったものに対して、先ほど運輸大臣が答弁をいたしました開港、不開港にかくかくのアメリカの軍艦が入ってきておるということの数字は、通常の状態において適当な通告をしなければならないというあの地位協定の五条に基づいてとられておると思うのですけれども、そのほかに、緊急事態だという形で、通常な状態における通告を得ずに入ってきておるという事実はございませんか。
  206. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) まだ私たちの手元にはそういう事態は承知しておりません。
  207. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 防衛庁どうですか。
  208. 小野裕

    政府委員小野裕君) 防衛庁並びに防衛施設庁のほうでは、その関係は所管しておりませんので、わかりません。
  209. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 わかりかねると言っておりますけれども、ベトナムの情勢が急迫している状況のもとで、アメリカ第七艦隊が日本の近海から出動していくとか、あるいは戻ってくるとかいったことについて、常に調べるといいますか、そういう動静について把握しているところ、それは一体運輸省にあるのか、防衛庁にあるのか、外務省にあるのか、どこでやっているのか、この点はっきり聞きたいと思うのです。
  210. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 先ほど来からお答えいたしておりますとおりに、所定の手続を経て港湾内に入るものにつきましては、海上保安庁で全部管理しておる次第でございます。
  211. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それは通常の場合であって、緊急の場合における問題はどこでやりますか。
  212. 海原治

    政府委員(海原治君) 第七艦隊全般の動静についての御質問と思いますので、第七艦隊につきましては、御存じのように、横須賀と佐世保が日本における基地でございます。横須賀と佐世保に入ります第七艦隊の艦艇につきましては、私のほうの海上自衛隊のそれぞれ地方総監部が、毎日、現在横須賀にはどういう船種が何隻入っておるか、佐世保に何隻入っておるかということについて先方から通知を受けまして、それをそれぞれの指揮系統を通じまして中央に報告してまいります。私のところに、毎日、横須賀、佐世保における米艦隊の動静については連絡が来ることになっております。ただし、これはアメリカ軍との情報の交換ということで、お互いが義務として通報しているものではありません。
  213. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 その点ははっきりしました。  先ほどの港湾整備五ヵ年計画の問題に移るのですが、新港湾整備五ヵ年計画では運輸省関係で予算をとってこの港を整備するのだ、そういう港と、防衛庁としてもまたその港については予算をとって整備をしなければならねということになっておる、つまりダブつている港があると思うのですが、そのグブっている港というのはどのくらいあるのですか。
  214. 比田正

    政府委員比田正君) 運輸省は港湾の整備計画を所管いたしておりますが、他官庁とダブって、おりますところは、経済企画庁におきます離島関係、北海道開発庁におきますところの北海道諸港を除きましては、ただいまのところ防衛庁からは何の御連絡も受けておりませんし、私のほうの計画には防衛庁側の御要請における港湾整備計画はただいま入っておりません。
  215. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 防衛庁の三十九年度の事業計画と港湾施設の整備についてという項目の中に、運輸省がいま計画している新港湾整備五ヵ年計画と一緒になってダブっておるところのものがあるように見受けられますが、この点防衛庁のほうはどうですか。
  216. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 私のいまの記憶は、そういう港湾整備計画とダブっているところはないと思いますが、ただたとえば潜水艦の埠頭をつくるというような問題は、横須賀の中の一部でございますが、こういうふうな横須賀の港の整備とは別個に考えておりますので、ダブっているのではないと私は記憶しております。
  217. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 先ほど言いました港湾施設の整備についてという防衛庁のあれによると、特に港湾施設については、運用上はもちろんのこと、艦艇の安全係留の面からもこの整備の解決につとめてきたが云々ということで、予算その他の関連において計画どおり実施ができず、特に海上自衛隊については、航空基地その他の整備等に膨大な予算を要して、その結果、港湾施設の整備については延期されてきている実情である、第二次防衛計画においてもこの点を留意し、逐年整備による計画を策定し、その実施につとめてきた、そういうことを非常に重視して、そうして二次防と比較して形式的にはより多くなっているが、四十一年までには七億一千万円の計画をつくった、そうして内容的には横須賀、佐世保、呉、舞鶴、大湊などの港湾整備を含めていると言うているが、運輸省の新五ヵ年計画の中にも、いま言った横須賀、佐世保、呉、舞鶴、大湊、こういったところが含まれておりますが、これは一体ダブっていることにはなりませんか。
  218. 比田正

    政府委員比田正君) ただいま御指示になりました諸港につきましては、これは昔から軍港の部分と商港の部分とございます。昔は軍港の中にはだれも入れませんでしたから、商港が付随してあったのであります。現在米軍に提供しております範囲内につきましては、私どものほうではその中の計画は全然関与いたしません。ただ、いまおあげになりました港の中で、商港地区というのがございます。その商港地区の中で、商港の目的をもってつくりますものにつきましては、港湾整備五ヵ年計画に入っておりますけれども、これはあくまでも商港地区でございまして、その他のものではございません。
  219. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 おかしいじゃないか。いま軍港なんというのはありやしないじゃないか。
  220. 比田正

    政府委員比田正君) 昔の軍港と申し上げたのでございまして、ただいま米軍に提供しているような施設の範囲の中には、商港の計画はございません。別なところでございます。港は非常に広うございまして、商港区域の中に港湾計画をつくっているわけです。これは地図で御説明するとよくわかります。
  221. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは防衛庁のほうではどうなんですか。防衛庁としては、先ほど言った第二次防衛計画の中でも、これはおくれていったので、予算をとって急速に進めなければならないというので、四十一年までに七億一千万円の計画をつくった、その計画の中に横須賀、佐世保、呉、舞鶴、大湊などの港湾整備が含まれているという事実については、防衛庁は認めますか。
  222. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) ただいまの七億一千云々という数字は、私記憶いたしておりません。先ほど申し上げましたのを補足いたしますと、呉と横須賀地区に、潜水艦を横づけする場所、そういうものを掘ったり、それから従来の埠頭を整備したりするということで若干の予算は考えておりますが、ほかの港湾五ヵ年計画というものとのダブリは全然ないと私は考えております。
  223. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 いま上田経理局長が答弁なすったとおりに、潜水艦の係留と訓練等が目的になって、これらの港湾を整備するということになっておりますね。ところが、横須賀、佐世保だけでなくて、呉、舞鶴、大湊もそうですが。
  224. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 現在潜水艦の関係考えておりますのは、横須賀の従来栄光学園と申しました学校がありましたところの一つの波止場と、それから呉の土地区画を私は考えておりますが、その他に潜水艦のそういったものをつくる予定はないと記憶しております。
  225. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、いま言われた横須賀の栄光学園を防衛庁が取得するというのは、これは三十六年度に計画したのですね。
  226. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 栄光学園の取得の問題は、これはかなり長い話でございまして、私の承知しておりますところでは、七、八年前からすでにそういう話があったというふうに聞いておりますが、途中で話が一、二回立ち消えと申しますか、中断と申しますか、そういうことになりまして、最終的にきめましたのは昨年の秋でございます。
  227. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 予算化したのはいつですか、この買収をすることを予算化したのは。
  228. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 従来の施設整備費で、三十七年度の予算の施設整備費の一部を充当いたしましたのと、三十八年で予算をいただきまして、最終的な支払いをいたしました。二回に分けてやっております。
  229. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 最終的な支払いをしたのは、全部終わったのですか。
  230. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 支払いは全部終わっております。
  231. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それで、その栄光学園あとに防衛庁は一体どういうものを建てるつもりですか。
  232. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 現在計画いたしておりますのは、まずあそこを取得する第一の目的は、潜水艦の横づけできる埠頭がほしいということが一つ。それから、御承知のように、横須賀は米軍に提供いたしておりますので、海上自衛隊の総監部としてはきわめて手狭なところに現在おります。それで、分散しておりますその他の機関を——海上自衛隊の機関でございますが、集めて、総監部をそちらに移す、そういうような考え方で現在の建物が相当利用できるという考え方でございます。
  233. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 先ほどあなたの答弁の中にもあったと思いまするが、三十七年に、最初に岸壁を買ったのですね、取得したのですか。
  234. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 岸壁を含めまして、栄光学園の全体のうちに、岸壁が主でございますが、運動場の一部を買いまして、ただ、栄光学園、まだ移り先の学校ができておりませんので、学校ができるまでの間は、向こうが建物、校舎を利用する必要がございます。その分と二回に分けて買っております。先に岩壁のほうを主として買いました。
  235. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 この岸壁のほうを先に買って、栄光学園はこのまま——岸壁を買うことが一つの大きな目的だったというふうに聞いておりますけれども、この岸壁を取得することによってどのような、つまり何と言いますか、必要ですね、どのような必要から一番最初にこの岸壁のほうを先に取得したのですか。
  236. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) これはわれわれとしては、初めから一括して買えれば一番よかったのでございますが、学校がそうやって授業をやっております関係上、学校としてもすぐ引き渡せない。それから、岸壁を買って、潜水艦が横づけするためには、現在の岸壁としては、そのまま使うには、現在の潜水艦は腹が大きく出ているようでございます。そのために、しゅんせつをしなければならぬ。そういう関係で、まず岸壁を最初に取得して、早くしゅんせつの工事をやりたい、そういうことで岸壁を先に取得したわけでございます。
  237. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、横須賀における潜水艦基地としてこの栄光学園の取得に当たった、こう理解してよろしいわけですね。
  238. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) 潜水艦の横づけできるような埠頭を現在の海上自衛隊は横須賀に持っておりませんので——呉にはございますが、横須賀に持っておりませんので、それが一つの目的ではございます。ただ、先ほど申し上げましたように、海上自衛隊として、横須賀にあります基地と申しますか、建物そのものはきわめて手狭でございます。指揮その他について不便でございます。一ヵ所に集めて、あそこを基地にいたしたい、そういう目的でございます。
  239. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 この買収しました岸壁、それを潜水艦横づけの基地にする、埠頭にする。ここへつまりアメリカの原子力潜水艦も入ってくるのですか、入ってくる予定を持っているのですか。
  240. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) そのような話は全然存じておりません。もっぱらわがほうの潜水艦の横づけのためにやるものでございます。
  241. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 だけれども、しばしば答えているじゃないですか——横須賀と佐世保にアメリカの原子力潜水艦が入る。日本の潜水艦でも、いまあなたのおっしゃったように、横須賀には係留すべきいい埠頭はない。栄光学園の岸壁を買って潜水艦横づけのあれをするのだ。アメリカでは、原子力潜水艦を横須賀と佐世保に入れろ、こういう要求をしばしばしているじゃないですか。明らかなんです。そうすると、この栄光学園の岸壁は、自衛隊の潜水艦の基地だけにとどまらず、つまりアメリカの原子力潜水艦寄港の場合のあらかじめのつまり施設基地と見てよろしいか。
  242. 上田克郎

    政府委員(上田克郎君) その話は、私初めて承ったんでございますが、海上自衛隊の要望で、どうしても必要やむを得ないものだと考えて、私はそういう予算を御要求申し上げたわけです。米軍の施設は、横須賀で相当部分を米軍に提供してありますので、少なくとも栄光学園の岸壁は日本の海上自衛隊の潜水艦のために購入いたしたわけでございます。
  243. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それで、ちょっと質問を移しますけれども、海上自衛隊は原子力潜水艦を保有するということを考えているのではないか。たとえば、原子力潜水艦開発の計画があって、それで三次防衛計画の中に入っているのではないかということを懸念を持たれる一、二の事実があるのですが、その計画はありますか。
  244. 海原治

    政府委員(海原治君) この点につきましては、先般科学特別委員会等におきまして問題になったことがございますが、現在時点におきましては、原子力潜水艦というものは、私どもは持ち得るものではないと考えております。しかし、将来原子力というものが通常の動力となりまして、その辺にある船が、多数の船が原子力を動力とするような状態になった場合におきましては、われわれは原子力潜水艦を持つこともあるだろうということを申し上げておる次第でございまして、いまお話しの三次計画は、まだ何も具体的なものとしてまとまっておりません。ここ当分私どもは原子力潜水艦を持とうという考えは全然ございません。
  245. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 新三菱重工の神戸造船所で原子力潜水艦を商船の名で模型をつくって実験を行なっている事実がある。これは自衛隊の委嘱があってのことだろうと思いますが、どうです、この事実は。
  246. 海原治

    政府委員(海原治君) そのように委嘱した事実はございません。
  247. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 運輸省は、この潜水艦専用船台の建設計画を認めたということをいわれておりますが、これは事実ですか、新三菱重工神戸造船所です。
  248. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 平和利用の目的のためにさようなる計画をしておるのかもしれませんが、私のほうでこれを認めたということはございません。
  249. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは、潜水艦専用船台の建造計画を運輸省が認めたと、こういうことでございますか。去年の六月の二日の「日経」にはそういうふうに出ておりましたですけれども
  250. 綾部健太郎

    ○国務大臣(綾部健太郎君) 私のほうとしては、将来の原子力が平和利用になった場合の諸種の場合を想定いたしまして、民間に委託いたしまして、そうして原子力の平和利用の研究方を各学会あるいは造船所等に委託研究をさせておる事実はありますが、三菱は、私がそういうことを認めて、運輸省が認めてそういうことを研究さしたという事実は、私のところではありません。
  251. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 運輸省が認めたという、潜水艦船台の建造計画を認めたという事実はないと。  で、アメリカの原子力潜水艦は、これを寄港を認めるという基本方針を政府は立てておりましたが、その後この問題についてアメリカ側からの何らかの原子力潜水艦入港に対する申し出、そういったような督促、そういったようなことはございませんか。
  252. 竹内春海

    政府委員竹内春海君) これは昨年の六月、国会に原子力潜水艦に関しまして中間報告提出いたしましたが、その後この問題につきましては、ときどきアメリカ側と照会その他の連絡をやっております。ただ、アメリカ側から督促があるという事実はございません。
  253. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それで、この前一月二十六日の、横田のアメリカ基地に対する米軍基地撤去のための大集会が行なわれた後、ちょうど日米合動委員会が開催されておりましたが、そのあとアメリカのほうで、原子力潜水艦の日本寄港については日本人民の意向や政治的な情勢をにらんで無理押しはしないかのような印象を与える記事がアメリカ筋から来たということがございますが、政府はこれを御存じですか。
  254. 竹内春海

    政府委員竹内春海君) 私どももそのような新聞報道を見たようなことはございますけれども、アメリカの政府機関からそのような連絡があったことは全くございません。
  255. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 私の質問はこれで終わります。
  256. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは福田長官にお願いをすることです。ということは、御承知のように、終戦後占領軍によってわが国の同胞が多く実はなくなっておるわけです。私ども参議院におきましても、昭和三十六年に、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律に対する附帯決議を本院で行なっております。これによりますと、この昭和三十六年に法律ができましたけれども、支給金額が非常に少ない、こういうことで、参議院といたしましては、政府は各種給付金の額についてさらに検討するとともに、本法の運用にあたっては、被害者等の立場を十分に尊重し、事務処理上遺憾なきを期せられたいというのが、当参議院の附帯決議になっておるわけです。そこで、私は、今日まで各種委員会等におきまして、また政府のこの支給等の問題を参考にして比較いたしますというと、この連合国占領軍等の行為によって被害を受けた遺族、あるいはまたその被害者、こういう人たちの支給金というものは非常に少ないわけでありまして、半分以下なのであります。そこで、ぜひ参議院の附帯決議を尊重されて増額できるように、ひとつ御努力を願いたい。  このことについて、長官の誠意ある御答弁をいただければ、私はこれで終わりにしたいと思うのですが、答弁いかんによってはそういきませんから、少なくとも参議院の決議ということになっているのでありますから、この点についてひとつ長官のお答えをいただきたい。
  257. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 御承知のとおり、最終年度を迎えまして、来年度おしまいということであります。増額したいことは、これはもう私は御趣旨には全く賛成でございます。しかし、いろんな関係各省もございますし、見通しはなかなか困難でございます。
  258. 相澤重明

    ○相澤重明君 ですから、関係各省にあなたのほうから御相談をされて、少なくともこの本院の決議を私は政府が尊重するのがあたりまえだと思う。国会の決議というものを——法律がつくられて、その法律の附帯決議を政府が尊重しない、手続をとらぬということであっては、私はこれはまことにけしからぬ、こういうふうに思うので、長官の御答弁は、関係官庁とよく御相談をされて、できるだけこの趣旨を生かしていただくようにひとつ御努力いただく、その御返事をいただきたい。むずかしいといってほうってしまえば、一体国会決議というものは何になるかということになる。いま一度ひとつ誠意ある御答弁をいただいて私は終わりにしたいと思うのですが、いかがですか。
  259. 福田篤泰

    ○国務大臣(福田篤泰君) 事務的な報告を受けている範囲では、なかなかむずかしいようでありますが、御趣旨に沿うように努力いたします。
  260. 横川正市

    委員長横川正市君) 他に質疑もなければ、本日のところはこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十五分散会