○天田勝正君 担当の
局長がおらないと——こう官房長が言われておるのだし、
政務次官はまだ就任早々で、せっかく大いに勉強してと、こう第一、人の口をふさぐようなことをもう先に言っちゃっているから困るのでありますが、それ以上言うと、私
ども意地が悪いことになって、いいかげんにしますが、いずれにしろ、この問題を私は担当
局長が来たときに、もう一ぺんお聞きしたいと思うのです。われわれが政治的に判断すれば、人数がこのとおりだって、十三個師のうち四個
師団足らないというのは、はしたの足らないのじゃないのですよ、実際その三分の一も足らないのだから。これがせいぜい一割ぐらい足らないというなら、何かやりくりをしてどうやらやれるということになるけれ
ども、三分の一も足らない。これはたいへんなことなんです。それで官房長も実は答弁しなければならないから答弁しているのであって、まことに苦しい答弁なんです。実はそういうことで、これはたいへんな問題ですから、ほかの何かの
器材をたくさん設けたから要らないというような問題じゃない。幹部は充足いたしましたという話もあったけれ
ども、そのことを、幹部だけ充足したって、ほかの者がいなければ、子分なしの親分みたいなもので、何にもなりゃしない。ですから、これは結局、
防衛庁は充足に
努力をしているのだと、こういう話でありますが、その
努力のしかたが、今後私は二番目に質問する問題に関連してきちゃうのですよ。むやみやたら
努力をすると、やくざみたいな者でも何でも
自衛官にしてしまう、こういう問題が起きてくるし、また、実にしばしば、上野公園あたりをふらふら歩いていたところが誘われた、こういうようなことが出てくるのであって、ですから結論を言えば、何か私は特技をつけるほかないのじゃないかと思う。通信隊なんかは、
陸上でもそういうことはないだろうと思う。私自身も通信隊は見たことがあるけれ
ども、その
器材のそろっていることなんというのは、とてもこれは普通の民間の——民間のというか、公立、官立の学校だって、はるかに及びやしない。通信
器材なんかの使い方は無限と言ってもいいくらいですね。だから、大学の電気科を出たっても、さてラジオなんといったらお手あげになってしまう連中が近ごろ多いけれ
ども、実技ということになると、実力第一等になるのじゃないか。これはほめていいほうでありますが、そういう何かを与える、たとえば土木
工事のオペレーターとか、一つでも特技をつけてやって、民間に行った場合、これがどうやらではなくて一人前以上の技術をたった一つでも与えるのだ、こうなれば、私はきびしい訓練の中にかなり
自衛隊の役割りはそれはそれなりに果たせるというふうにも考えられるのであって、いままでの
説明だと、われわれは政治的に判断すれば、それならこれは人員を減らしたっていいのじゃないか、
師団なんか減らしてもいいのじゃないか、こういう結論にもなりかねませんから、次の機会に十分調べておいてもらいたいと思うう。
次は、やたら
募集した結果のことでありますが、これは
当局もすでに十分お調べになっておると思いますけれ
ども、去る七月の三十日に起きた市谷駐とん部隊の陸士長以下数名の者がけんかをして、そうして相手を結局殺してしまった、即死ではなかったけれ
ども殺してしまった、こういう事件が起きた。このやったことはまるでやくざ者のそれですよ。それもさっき
指摘したような
募集のしかたということが関連している。のみならず、これはずい
ぶん私は
防衛庁でも苦心して実は新聞社へ頼み込んだのだろうと思うのです。どの新聞を見ても、この程度の記事だ。ところが、事実はそうではないのですよ。外出してはならない時間に外出していってけんかした。初め遊びに行ったときは、それは外出してもよろしい時間であったかもしれないけれ
ども、この人殺しをしたというときには、一ぺん帰ったものが出て行ったのです。出るべからざる、しかも、それがこっそり出たのではなくて、正門から堂々と出て行ったのです。しからば、その出るということが問題です。出すということが、それを認めたということが、そうして、おまけにけんかをして帰ってきたときは、自動車で帰ってきたでしょう。そうなんです。おまけに、
自衛官だけが帰ってきて寝ておったのならばさることながら、次の日になってみますと、
自衛官でも何でもない者が寝ていたんでしょう。この
自衛官でも何でもない者が寝ていたのは、新聞に出ていない。よほど頼み込んだのだろうと私は思う。どうしたたって摩訶不思議です。昔の軍隊ほどきびしくないにしても、かりにこれが女子学生の寮だっても、全然女子学生でも何でもない者が朝寝ておったというなれば、かなり
教育上の大きな問題になると思うのだな。政府が戦力なき軍隊なんと言っているから、外国ほどのきびしさもないし、日本の旧軍のきびしさもないかもしれないけれ
ども、普通の集団生活においてもあり得べからざることなんですね。別の者が寝ていた。部屋のだれもふしぎに思わないで、翌日起きてみたら、この中の点呼をしてみたら、全然隊員でない者がいた。おまえ何だ、いや、もとは
自衛隊員だったけれ
ども、てんでいまはそこにいるのじゃない、こういうようなわけでしょう。世間一般は、そういう新聞にはこれしか出ていないから、私がいま
指摘したようだとは思っていないはずです。ところが、これは出て行くときからふしぎだし、帰ってくるときも、そういう別な者が入っていて、制服も何も着ていない者が自動車に乗って、そうして正門を通ってしまったというのは、一体どういうわけなんです。どの
局長が担当か知らないけれ
ども、おかしな話じゃないですか。この経緯をすっかり話してもらうとともに、もう一つ、ついでに時間がありませんから言ってしまいます。
三月の
海上自衛隊の下総基地のあれも大きく新聞に報道されておりましたから、これはもうよく御承知だと思うのです。あれだっても、結果においては、暴力団のなぐり合いとそう変わりませんよ、仕返しに行ったのだから。いやしくも国家の、まあ言うなれば広い意味で役人なんですから、それが仕返しに押し出して行く。しかも、そのときには、旧軍で言うならば憲兵が押し出して行ったんでしょう。憲兵が出かけて行って、そしてけんかをやってくるというに至っては、もう何をか言わんやということになる。ですから、こういうことは新聞には隠していたって、調べればわかるのですから、もっとはっきりさして、あとをどうするのかということを知らせてもらいたい。