○
委員以外の
議員(大倉精一君) 今次の
新潟地震による
被害県のうち、秋田県の
調査を命ぜられ、現地を視察してまいりました一行を代表いたしまして、私から
調査の概要について御
報告申し上げます。
派遣議員は自由民主党の山崎斉君、社会党の
鈴木壽君及び私でございまして、六月十八日上野を出発いたし、六月二十一日までの四日間、現地の慰問並びに
被害地
状況の
調査を行なってきたのであります。
私
ども一行は、秋田到着後、直ちに
県庁にまいりまして、本
院議員一同を代表いたしまして、お
見舞いのごあいさつをし、
見舞い金を知事に贈呈いたしました。次いで、知事から県内の総括的な
被害状況について
説明を受けました。時間の関係上、県内にて最も大きな
被害をこうむりました本荘市、仁賀保町、平沢町、象潟町、西目村、天王町、男鹿市及び八郎潟干拓地の
被害状況を県のジープにより、その実態をまのあたりに見たわけであります。
調査の結果、今次の
被害は、個人の住宅関係の
災害の多いことが印象に残りました。また、
学校特に老朽化した
小学校の
被害が大きく、使用不可能の状態となっているものがたくさんございます。次いで、商工関係でありますが、仁賀保町の
昭和石油の中心機関部
被災によって、工場が一カ月半から二カ月の操業休止のやむなきに至っております。また、同町の
東京電化工場にも著しい
被害のあることが明らかになっております。また、西目村の瓦工場の
倒壊、本荘市の工場
倒壊等、その他各地区に相当の
被害が出ているのでございます。
また、八郎潟干拓地につきましては、西部承水路の堤防の一・五キロメートルに及ぶ
損壊、地割れ、天王町八郎潟干拓地隣接の旧河口付近の高潮による護岸の欠壊と二十五ヘクタールの田地の塩害及び漁業設備の
被災が目立っておりました。上
水道関係では、老朽化した
資材のための
被害が大きく(本荘市その他)、また、
浄水場(本荘市)の
損壊もありましたが、県及び関係
市町村の努力により応急
措置がなされておりました。
新聞紙上にあまり報道されておりませんため、過小視されがちでありますが、秋田県内の
被害は、局所的に意外に大きいのであります。県当局による
被害の総額は、六月二十日現在にて約十四億となっているのでありますが、今後の
調査の進むにつれて、さらに増加する模様であります。その部門別
被害額は、
厚生関係約二億六千万円、農業関係六千九百万円、林業関係三千三百万円、土地改良関係四千四百万円、水産関係五百万円、商工、鉱業関係二億一千万円、土木関係五百万円、文教関係七億七千三百万円、その他鉄道六億二千万円、電気通信千四百万円、電力九百六十万円、八郎潟干拓地
被害額は目下
調査中、計約十四億円となっております。
なお、県当局よりの
要望がありましたので、一応申し上げます。
一、公共土木施設等
被害の緊急施行個所については、工法協議により実施したいので、特段の配慮を願いたい。
一、特別交付税の配分にあたっては、
災害応急
対策費等を十分配慮の上、増額配分されたい。
一、
災害復旧事業債の配分にあたっては、
道路、橋梁、河川等に小規模
災害が多数
発生している現状を十分配慮の上、増
ワク配分されたい。
一、
被災市町村に対しては、
災害復旧のための事業
資金として
財政調整
資金の優先貸し付けをはかられたい。
一、
住宅復旧のため特別な
融資措置を講じられたい。
一、中小企業に対する
資金の
融資ワクを
拡大されたい。
一、
水道施設
復旧に対する
国庫補助及び起債
ワクを
拡大されたい。
一、中小企業の
被災者に対する税金の減免をはかられたい。
一、
農林業施設の早期
災害復旧について特段の配慮を願いたい。
一、今次
災害を
激甚災害特別援助法に基づく「
激甚災害地」に
指定されたい。
以上でありますが、私
どもとしましては、可能な限り、県の
要望に沿うべく努力いたしたいと思う次第であります。
この
調査で感じましたことについて一つ二つ申し上げますと、秋田県の今次の
被災地を見ますと、
新潟と同様砂地にて、
地盤が非常に軟弱であります。いわゆる
災害多発地帯とでも申しますか、しかも
新潟と同じく精油所が各個所にありますので、大きな
地震が今後あれば、
新潟の二の舞いとならないとも限りません。この際、
災害の場合の予防
措置を抜本的に検討する必要があり、現地関係当局へも強く
要望してきた次第であります。明細については、参考資料がございますから、それをごらん願いたいと思うのであります。
たいへん簡単でありますが、これをもって私
どもの
報告を終わります。