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説明員(
兼重寛九郎君) 私、そういうふうな書類はできるだけ気をつけて見ておるつもりでございますけれ
ども、御指摘のものを全部見ておるかどうか、自信はございません。しかし、いまのような種類のことにつきましては、私
どもそれを全面的に信頼すべきであるか、また全面的に否定すべきであるかということについての
判定をする根拠には乏しいと思っておりますが、そのこと自体が非常に不自然であるとは考えておりません。自分に都合のいいところ
——というのは非常にむずかしいことでございまして、たとえば、せんだっても衆議院の科技特で参考人の御
意見を伺ったのでございますが、あそこで立教大学の服部教授がおっしゃったと
——私の記憶が間違っていなければ、そうでございますが、リコーバー中将は、この前の
スキップジャック号の公聴会のときに、軍事上の必要から、もういま以上に安全にすることはできないと言っている。だからそういうことについて
日本の言うようなふうにできるはずがないじゃないか、こういう立論だと思うのであります。ところが、同じリコーバー中将が、
アメリカの海軍は
原子力潜水艦の開発については最初からそういう安全の問題について、非常にコンサバティブといいますか、保守的と申しますか、用心深くやってきたから、先ほどの
国際放射線防護委員会の古いほうの勧告に対して、あとの五八年の勧告のほうが全般的に見ますときびしくなって
——あるものについては
数字が甘くなっている面もございますけれ
ども、全般的にきびしくなったというのが正鵠でございましょう、そういうふうになったけれ
ども、
アメリカの
原子力潜水艦は、そのために何を変えなければならぬということはなかった、というようなことをどこかで言っておると私は記憶しております。それはいま、どこで言ったか
資料を出せと言われますと、ちょっと困りますけれ
ども、そういうことがあります。したがって、服部教授がそういう両方を言ってくだされば私は非常にありがたかったと思うのでございますけれ
ども、あとのほうは言わないのであります。したがって、今度は
政府側があとのほうだけを言って、前のことを言わなければ、自分の都合のいいことだけをいう批判を受けまして、非常にその点で私たちは苦慮いたしておりますが、したがって、
原子力委員会の
見解の中には、そういうことを一切抜きまして、安全上必要であるという
条件と思われることだけを、ステートメント及び
エード・メモワールから引用したわけでございます。しかも、それが
向こうの
文章をそのまま引用しておるからわかりにくいという御批評もあるわけですが、それを幾らか自分なりの解釈をつけた解釈にいたしますと、これはまた自分のかってな解釈だということにもなるのをおそれまして、そのとおりにいたしておりますが、そういうふうな両方の
見解を私としてはできるだけ考えてやったつもりでございまして、それでもなお、いまのような御批評を受けることがあったといたしますと、やはり私の
考え方に幾らか片寄ったところがあるせいかもしれませんけれ
ども、私自身は、こういう問題を、
学術会議の
参考資料なんかにあげられてある
考え方を
もとにしまして取り上げてきたつもりでございます。