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説明員(
高林康一君) 技術的な
方法について御
説明申し上げます。
最高限度の
考え方の前提といたしまして、法案にございますように、適正
船腹量というものを当該年度以降五カ
年間についてきめる、その適正
船腹量に照らして著しく過大な場合に最高限度量をきめる、こういうことになっておりますので、適正
船腹量の算定がまず前提になるわけでございます。この点につきましては、先ほど先生が御
指摘になりましたように、全体的な
考え方といたしましては、各国民所得あるいは全体の国民総生産というような伸び率と、それから単位の
稼働率といいますか、船腹の確保率といいますか、そういうものをやはり基本にして
考えて、そうして総体としての需要を
考えるということが第一前提になるわけでございます。ただ、これだけでは、非常にきめが荒いと申しますか、そういうことがございますので、次に、国民総生産のみならず、今度は大体内
航海運の主要
貨物でございます
ところの石炭、石油、鋼材、セメント、こういうような各
物資別に一応積み上げまして、過去の原単位なりなんなりというものを参考にいたしまして、この
物資別の積み上げとそれから総生産との
関係、こういうようなものから一応算定してまいりたい、こういうふうに
考えているわけでございます。ただ、この場合におきまして、やはりいろいろ
物資別に各地域的な需要というものは
相当違っている
状況がございます。たとえば砂利というようなものにつきまして
考えてみますと、その場合に、非常に地域的な需要だけで、そうしてそれが非常に特殊な船であって全体的な需要にあまり影響がないというようなものも、品目の例示が適当かどうかは別でございますけれ
ども、そういうような場合があるかと思います。そういうような比較的区分けをし得るもの、そういうような
物資あるいは地域についてこれを区分けしたいというふうに
考えているわけでございます。その場合に、技術的には私
ども事務当局といたしましていろいろ算定はいたしてまいりますが、それと同時に、これはいろいろ荷主
関係の需要の姿というものがあるわけでございます。そういうような
関係につきましては、先ほど
合理化審議会の構成で御
説明申し上げましたような方々、さらに下部といたしまして、できましたら専門
委員会といいますか、幹事会と申しますか、そういうようなものを構成いたしまして、各資料を突き合わせるということを、技術的には定めてまいりたいと思います。
それと同時に、そういうような適正
船腹量を一応基準として
考えますけれ
ども、最高限度のきめ方といたしましては、大体船の種類
——船種別に
考えている次第でございます。船種の立て方といたしましては、まだもちろんこれは全体といたしまして
合理化審議会等におはかりしていろいろやるわけでございますが、私
ども考えておりますのは、たとえば
貨物船、油送船というふうに大きく分けると同時に、セメントタンカーとかLPGタンカーというような、非常に何と申しますか、
輸送需要が固定していると申しますか、そういうようなものにつきましてもそれぞれ別にこれを立てていく、こういうふうにまず第一点は
考えております。それと同時に、最高限度の
考え方としましては、全国一本というふうには一応
考えておりますけれ
ども、先ほどちょっと申しましたように、地域的に明確に区分できますような品目、たとえば北海道の定期
貨物とかいうようなものは比較的明確に区分できるかと思います。そういうようなもの、あるいは新潟−佐渡間の運送、そういうようなものとか、いろいろ具体的なケースについてこまかく分析してまいりたいと思いますけれ
ども、地域的に明確に区分し得るものは区分していきたいというふうにまず
考えております。ただそこで、一応総体的な
数字で
考えますけれ
ども、さらに一定の地域間におきます
ところの運航につきましては、その地域は、たとえば新産都市とかその他について非常に確定した需要があるような
ところが
相当あるように私
どもは
考えております。そういうような地域間のみを航行しておるような
貨物でありまして、そうして具体的には、
船腹量としては、数としてはそれだけ充足し得るとしても、実際には適船がないといったような場合があるかと思います。その点は今後の
海運組合の組織ということともかかわってきますけれ
ども、
海運組合等の
意見も聞きまして、そこで適船がないというような場合におきましては、その最高限度量をこえていきますような場合におきましても、その適船がないという
トン数と申しますか、そういうような
トン数を加えたものを最高限度と
考えるというような、先ほど
局長から御
説明いたしましたように、実質的には許可制と同様なやり方と申しますか、そういうようなやり方を加味してまいりたいというふうに
考えております。そういうような点について、一応の
考え方でございますけれ
ども、今後さらにいろいろ
関係の方々の
意見を聞きまして、
合理化審議会等において、具体的なやり方、そしてまた
輸送要請というものにやはり十分マッチし得るようなやり方を技術的にも
考えてまいりたいというふうに
考えております。