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1964-04-07 第46回国会 参議院 運輸委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月七日(火曜日)    午前十時五十三分開会   ―――――――――――――  出席者は左のとおり。    委員長     米田 正文君    理事            金丸 冨夫君            谷口 慶吉君            天坊 裕彦君            吉田忠三郎君    委員            河野 謙三君            野上  進君            平島 敏夫君            村松 久義君            大倉 精一君            小酒井義男君            浅井  亨君   政府委員    運輸政務次官  田邉 國男君    運輸省自動車局    参事官     増川 遼三君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○道路交通に関する条約実施に伴う  道路運送車両法特例等に関する法  律案内閣提出) ○運輸事情等に関する調査(小委員会  設置に関する件)   ―――――――――――――
  2. 米田正文

    委員長米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。  道路交通に関する条約実施に伴う道路運送車両法特例等に関する法律案議題といたします。増川参事官
  3. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) この議題にあげられております道路交通に関する条約実施に伴う道路運送車両法特例等に関する法律案につきましては、過日提案理由説明せられました。なお、若干補足説明を申し上げます。  このもとになります道路交通に関する条約は、一九四九年にジュネーブにおきまして採択されたのでございまして、現在七十ヵ国が加入しております。この骨子としましては、第一が、条約に定めます道路交通方法に適合するように国内法令整備することでございます。第二が、他の締約国において登録されております自動車につきまして、一年間は国際交通を認めるということであります。第三は、他の締約国が発給しました国際運転免許証自動車運転することを認めることでございます。以上、三点を骨子とした条約でございます。  このうちの第一の点と第二の点につきましては、別途国内法である道路交通法の一部改正で処理をされております。第二の点の自動車国際登録自動車の一年間国際交通を認めるということにつきましての問題を、この法案国内法規関係を調整しようというものでございます。  ここでこの法律案要旨について申し上げますと、  第一点は、道路交通に関する条約利益を受ける外国自動車は、締約国におきまして登録されており、かつ旅行者が一時的な訪問に際して輸入したものでございます。しかも、それをその輸入者使用するものでございまして、輸入してから一年の間はこれをそのまま国内交通させようということでございます。  第二の点は、この自動車につきましては、締約国におきまして登録されていることを明らかにするために、その条約規定する登録証書備えつけ義務づけることとしたものでございます。これは、条約におきまして登録証明備えつけという点を義務づけの規定がございませんので、国内法との調整をはかったものでございます。  第三点は、この自動車は、条約規定によりまして外国登録番号表示し、その自動車並びに装置につきましても一定の基準に適合していることを義務づけられておりますので、道路運送車両法によります登録検査規定等適用しないということにいたしたものでございます。  なお、登録証書備えつけ外国登録番号等表示につきましては、国内法とのバランス等を考慮いたしまして、その義務違反につきまして罰則を設けております。  第四点は、この自動車につきましても、強制保険にはそのまま加入させることといたしております。しかし、道路運送車両法検査規定適用除外されておりますので、それに伴いまして検査標章表示制度がとれなくなります。したがいまして、これにかわりまして、この強制保険に入っていることを証明するところの保険標章表示義務づける必要がございますので、その点に関しましてこの法律の附則でもちまして自動車損害賠償保障法の一部を改正することといたしております。  最後に、わが国自動車及び原動機つき自転車締約国において使用しようとする場合の規定でございますが、この条約利益を受けられますように、条約規定しております登録証書交付というものを規定したわけでございます。現在のわが国自動車につきましては、登録検査等がございますが、この条約で要求しております登録証書に該当するものがございません。現在交付しておりますのは検査証でございまして、性格を異にいたしておりますし、また原動機つき自転車につきましては、別に国が登録その他の行為をいたしておりませんので、登録証書交付適用がございません。したがいまして、特に原動機つき自転車につきましては、あらためて届け出をしてもらいまして、その上で登録証書交付するということにいたしております。  以上がこの法律骨子でございます。
  4. 米田正文

    委員長米田正文君) 御質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 法律趣旨は、最近の政治、経済及び外交上、国際交流が非常に伸展してきて、特に本年の十月のオリンピックなどを考慮されまして、この法律を制定する、こういうことになっているような気がしますが、趣旨はたいへんけっこうな法律で、当然わが国としてもとらわれるべき措置だと考えます。ただ、末尾に、実施細目省令で定める、こうなっておりますが、概略どういう政令内容規定するかということをこの際示していただきたいと思うのです。法律を出す限りにおいては、もうすでに省令の準備はなされていると思うのです。各省庁とも、必ず大綱だけの説明をして、あとあとはもう政令あるいは細則できめる、こういう法律の書き方になっておりますから、もとよりこれは法制上こういう文章になることはやむを得ぬとしても、少なくとも前段に書いております目的を追求する、私どもも認識するということになると、やはり省令で定める実施細目はあらかじめどんなものを、こまかいものは別として、大綱ぐらいは立案されて、もうすでにこの法律が本委員会できめられ、あるいは本院で通過をするということになりますと、これは直ちにもう省令を公布するんだと思うんです。そういう立場で、先ほど申し上げたように、内容を聞かしてもらいたい。
  6. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 法案の六条の、省令で定める事項につきましては、表にございますとおり、登録証書記載事項及びその様式、その他登録証書に関する実施細目でございますが、このもとといたしましては、条約の第十八条の第二項で、登録証書には、少なくとも登録番号と称する一連番号車両製作者名称または商標製作番号または製作者一連番号、当初の登録日付並びに登録証書発給申請者氏名及び住所を記載しなければならないと規定しております。わが国におきましての車名は、車両製作者名称または商標というものに当たりますし、車台番号製作番号または製作者一連番号というものに当たるわけでございます。また、新規登録、二輪の小型自動車に対する車両番号として、あるいは軽自動車及び原動機つき自転車届け出年月日というものは、最初の登録日付に当たるわけでありまして、したがいまして、わが国で発行いたします登録証書には、登録番号、ただし二輪の小型並びに軽自動車におきましては車両番号、それから車名車台番号新規登録年月日、この点は、二輪の小型自動車にありましては車両番号指定年月日軽自動車または原動機つき自転車にありましては、届け出年月日、それから登録証書発給申請者氏名及び住所というものを記載する予定でございまして、これを省令で定めるつもりでございます。様式につきましては、現在検査車両に出しております検車証よりもやや小型のもので、外国に持っていきましてもわかりやすいように、以上の登録証書記載要項を全部入れまして、それに英文の翻訳のものをつけて出すことがよろしいのじゃないかというふうに考えております。これを様式として定めたいと考えております。  以上でございます。
  7. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 概略説明ございまして、承知をいたしました。  そこで、七条の中にございます、五条で規定しております陸運局長権限に属する事項ですね、これが政令で定めて都道府県知事に行なわせることができる――できるということですから、できない場合もあると思いますか、そういう内容というものはどういう事柄であるか明らかにしていただきたいと思います。
  8. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 現在自動車登録検査及び軽自動車使用届け出に関する事項は、車両法の百五条、それから同法施行令の第四条によりまして、都道府県知事権限が委任されております。都道府県に委任されておりまして、都道府県陸運事務所におきまして現実に行なわれておるわけでございます。したがいまして、登録証書交付に関する事務も、自動車登録原簿自動車検査記録簿軽自動車届け出証を備えております都道府県陸運事務所におきまして行なうことが最も適当と思われますので、都道府県知事権限を委任することができることとしたわけでございます。また、原動機つき自転車届け出及び登録証書交付事務は、これと同種の事務でございますから、同じく都道府県知事権限を委任することとしたわけでございます。
  9. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 第三条のこの締約国登録自動車、つまり条約の第十八条二項に規定する登録証書備えつけなければ今度は処罰をする――つまり第八条でうたってあるわけですが、第三条の規定違反した者は処罰をする、こうなっていますね。そこで、具体的にそれに違反した者はどの法律処罰しようとするのか。まあこれは、もとより道路運送法によって処罰するのだ、こういうふうに考えていると思うのですが、それとあわせて、向こうの連中は、非常に自動車運転などは、中学校あたりから運転技術を習得するような教育を受けておるけれども、やはり変わった国、特に東京のように交通地獄と言われる、道路が狭い反面、車が非常に多い、こういうところに来て運転をするわけですから、そこで一般的に言われる交通事故等を起こした場合にどういう取り扱いをするのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
  10. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 条約義務と、及び国内法令規制にまかせられます部分につきましては、条約の第五条によりまして、国内法令罰則を設けることができることになっておりますので、したがいまして、条約及び法律上の義務のうち重要なものにつきましては、その履行確保のために、本法案にも罰則を設けた次第でございますが、この罰則程度につきましては、道路運送車両法とのバランスを考慮いたしまして、締約国登録自動車登録証書備え付け義務違反は、自動車検査証備え付け義務違反と同様にいたします。それから、登録番号表示等義務違反は、自動車登録番号標表示義務違反同様に調整いたしたわけでございます。それぞれ三万円以下の罰金といたしたわけでございます。ただ、この罰則をきめましても、実際に罰則適用する以前に、交通事故を防止するということが重要でございますが、この事故防止につきましては、実際の道路交通の面におきましては、道路交通法の諸規定をそのまま適用されるわけでございまして、その点は国内法である道路交通法適用を除外しているわけではございません。それから車両整備につきましては、条約の第二十二条に規定がございまして、「自動車及び被牽引車は、機能が良好でなければならず、また、運転者同乗者又は道路上の人に危険を及ぼし、又は公私の財産に損害を与えることがないように整備されていなければならない。」、それから「さらに、自動車及び被牽引車並びにこれらの装置は、附属書六の規定に適合するものでなければならず、また、自動車運転者は、同附属書に定める規則を遵守しなければならない。」、こういうふうに条約の本文でうたわれております。これに基づきまして、もし車輌機能が不良であったりいたしますれば、道路運送車輌法整備命令等規定適用いたしまして、まず不良個所整備するという命令が出せるわけでございます。その整備命令に従わないで、これを運行の用に供するということになりますれば、さらに厳重な処分がなされるわけでございます。
  11. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 整備関係答弁はそれでいいと思うけれども、実際問題として、違反した者は、より厳重な処分をして――こういうことのようですがね。厳重とは一体どの範囲なのかということですが、それが一つ。  それから、オリンピックのときなど、ある一定の限られた日程の中に、かなりの多数の、しかも日本の場合、オリンピックが始まって以来かつてないような、七十何ヵ国が参加するなどというようなことを組織委員会のほうですでに発表しておりますから、そういう人が参りますと、その国々の交通法規というものと日本交通法規というものは変わっておりますから、そういう日本交通法規を認識していない、こういう中から起きてくる問題がかなり出てくると私は思うんです。ですから、そういう場合に、運輸省出先陸運局あるいはまた警察官諸君がそういう問題を扱うと思うんだが、これは言語の疎通を欠いているということからややもすると問題になってくるきらいなしとしないと思うんです。そういう場合に、厳重により処分するといってみても、どういう方法で、どんな程度内容のものをやるかということを、ここでやはり私ども聞いておかなければならないと思うんです。  それから、もう一つは、主として東京を中心に行なうわけですけれども、オリンピックを終わってから、かなりの者は、ある意味においては観光ということで、全国的に旅行されると思うんです。その場合に、自動車を持ってきている人というのは、ほとんどヨーロッパの諸君などは、やはり長距離を自動車旅行することになれておりますから、おそらくや自動車でその旅行を試みると思うので、その場合に、東京はもとより、各地の観光地におきましても、それぞれ、これは道交法にきめられておりますけれども、その市町村あるいは地域によって、これまた管内の安全を確保するために、それぞれの規定をいたしているものがございます。こういう場合に、一体短期間においでになった、しかも大量においでになる外国人人々に対して、そういう交通法規なりあるいは標識の徹底などというものはどういう方法でやるのか、これを私聞かしていただきたいと思うんです。
  12. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 交通規則等の取り締り関係あるいは事故防止という点につきましては、当方と警察庁のほうとで種々打ち合わせをいたしておりますし、また外国から参ります外人旅行者に対しましては、現在国際交通団体に加盟いたしております日本自動車連盟という団体が現在日本にございまして、このほうが国際的に出入いたします自動車世話をほとんど全部やっておりますし、諸外国におきましても、それぞれそういった団体がございまして、わが国から行きましても、それぞれそういうところの世話になっておりますし、たとえばアメリカにおきましてはAAAという団体がございます。英国におきましてもAAという団体がございます。本部がフランスのパリーにございます。この団体に加盟しております日本自動車連盟――通称JAFと申しますが、これがこれらの条約並びに諸議定書その他に伴いますサービス並びに保証というものを行なっておりまして、このJAFの窓口を借りまして、所要のパンフレットを作成いたしまして、入国に際しましては、それぞれこのパンフレットを提供し、いろいろ日本国内における交通のあり方その他の注意を促す、こういうことをやる考えでございます。また、日本から外国へ行く者につきましても、このJAFが諸外国におけるそれぞれの特例というものにつきまして相当詳細に調べてございまして、資料もございますので、十分その点は注意を喚起できるものと考えております。
  13. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 注意喚起できる、答弁はそれでけっこうだが、あなた方は、自動車連盟なるものを活用して十分注意が喚起できると思うと、こういうことなんだが、ぼくが聞いているのは、連盟がどうだとか、民間の自動車旅行団体がどうだとかということを聞いているんじゃない。この法律提案をした行政監督官庁としてあなた方はどうこれに対処するかということを聞いているんで、ピンぼけた答弁をしてもらっては私は困るんです。あなた方としてどういう周知徹底のし方を――たとえば警察庁との連絡一つでしょう。あるいは、オリンピック組織委員会等々とどういうことをやらねばならぬかという問題がたくさんあると思う。ただ一つオリンピックだけをとらえてみると、あるいはその他選手以外の、これを契機に日本観光旅行を試みる、こういうものであるならば、観光関係の諸団体とも連絡をとらなければならぬだろうし、そういう問題等をぼくは聞いているんです。  それからもう一つは、さっき申し上げたように、これは不幸なことだけれども、事故が私はないとは限らないと思うのです。相手が運転技術なりその他練達であったとしても、現実東京などは毎日交通事故数十件という件数が上がっているわけだから、こちらから追突するとか、あるいは接触する等々の事故があると思う。そういう場合に、一体あなた方は、当面出先警察官諸君がやるのであるけれども、あなた方はどう考えているかということなんです。逆に、向こうから来た方が、今度は、あってよいことではないけれども、やはり人身事故等々を起こした場合に、一体この処罰などをどうしていくのかということをぼくは聞いているんです。ですから、あなたの答弁になっております、自動車連盟のほうに委任してあるからおおむね注意が喚起されるであろうなどというなまぬるい話を聞いているんではないので、質問の要旨を聞いてちゃんと答弁してもらわないと困るんだな。
  14. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) ただいまの点につきましては、警察のほうと十分な打ち合わせをかねてからやっておりますし、また特にオリンピックに際しましては、いろいろと交通の問題が起こるかと存じまして、この点につきましても、オリンピック対策交通関係打ち合わせというものを、オリンピック事務当局並びに警察当局、それから外務省の担当の方々も入っていただきまして、種々打ち合わせをやっておりまして、オリンピック開催日が切迫するまでにはそれぞれの具体的な諸方策を打ち出したいと考えております。  それから、先ほど申しました整備命令を出しました場合には、それに対しましては、その違反につきましては、使用停止処分というものもできるわけでございます。それから罰則もございます。また、実際に道路上で故障車その他の整備不良車両を発見いたしました場合には、道路交通法の第百十九条をもちまして、これに対する故障車両措置道交法で定められております。これに違反した場合におきましても、同じく罰則がございます。  なお、外人日本国内におきまして交通事故を起こしたという場合に対しましても、その善後措置といたしましては、強制保険がかけられておりますので、この強制保険適用いたしまして、被害者に対する救済措置というものは万全にやらしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  15. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 被害者は、この法律にも書かれているように、国内運転従事者あるいは車両保有者が強制的に――やや強制的に入っている損害賠償保障法ですね、これを適用するということですから、それは自動的に出てくるので、あなたが答弁しなくたって。問題は加害者ですよ。加害者ということばがいいか悪いかは別として、事故を起こした本人に対してどういう処罰をするかということですね、問題は。なぜこういうことを聞いているかというと、現在どういう指導かようわかりませんが、警察諸君などは、黙って見ていると、木陰に隠れたりあるいは家屋の陰に隠れて、たとえばターンする場合でも、ウインカーなどちょっと提示する時間がおくれたりなどすると、ひょっと出てきてとらまえて、直ちに来てチケット切って罰金何千円かというのを取っているわけですね。こういうやり方の国なんですよ。ぼくたちは、その交通違反などというものは、悪質な者以外は逆に指導してやるのがそれぞれ担当しておる諸君の任務だと思っているのだけれども、そうではなくて、何かその辺のこそどろかあるいは破廉恥罪諸君でも逮捕するような態度で、たびたび警察官諸君が、東京のみならず、全国的にございますよ、そういう点は。そういう、ずっと長年指導したのか、されたのか知らぬが、そういう慣習の中で育ってきている者が、今度は外国人というのは、先ほども言ったように、いくらあなたのところで自動車連盟なるものを通してその趣旨パンフレットにして徹底さしたにしても、その地方あるいはその市町村へ行って、一方交通の場所があるし、あるいはUターンの禁止されているところもあるわけだ。そういうところで、必ずやぼくは間違いが起きると思うのだ。だから、そういうときにどうするのかということが気になるものだから、ぼくは聞いているのです。  それから、あなたは、車両整備についての不良なものについては十九条を適用する、こう言っておるけれども、この法律からいくと四条に明らかになっているのだな。道路運送車両法適用除外の中に十九条が入っているわけですから、これは当てはまらないということになりませんか。この法律適用しないのですよ、十九条というのは。あなたの原案でいくと。いまあなたは十九条を適用すると言っている。そうすると、この法律とは逆なことになるのじゃないかというような気がするので、この点はあなたはあやまちだと思うのだ。この法律を出した者とすれば、こういう点は、ぼくはやっぱり、法律適用除外になっているから、十九条は適用されないということになるのですよ。もとより、外国から来る人々が持ってくる車というものは、あまり車両整備のことについてはとやかく言われるような車はおそらく持ってきていないから、あまり問題はないと思うのですが、いまの話を聞いておると、そういう場合に十九条を適用するということだから、ぼくはそうじゃないんじゃないか。第四条に明らかに、十九条、二十九条、三十一条等々除外するということになっているのですね。ですから、これはあなたの誤解だと思いますから、あえて私は答弁を求めようとしませんが、先ほど事故関係については、もうちょっと具体的に、監督官庁として、警察諸君と、そういう面については、これからどう対処していかなければならないかということについての考え方を聞かしていただきたいと思うのです。
  16. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 先ほど十九条と申しましたことについて御指摘いただいて、ありがとうございました。道路交通法罰則の百十九条でございました。整備不良車両に対する措置としましては、道路交通法の六十二条に規定がございます。その道路交通法六十二条の違反に対しまして、同じく道路交通法の百十九条に罰則規定されておるのでございます。
  17. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 その関係はいいのですが、さっきの事故関係答弁しないのですか。
  18. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 事故を起こしました者、あるいは道路交通規則等違反者に対しましては、これは全く国内人と同様の規制を受けるわけでございまして、何ら日本人と外国人という者を差別する考えはございません。特にまた、こういうオリンピック等で入国いたしましたような者につきましては、外交上の問題その他もございまして、特に忌まわしいことが起こらないようにということで、われわれも、また警察当局も、非常に気を使いまして、打ち合わせをいたしております。特に要所におきましては、交通警察官等もある程度英語の会話ができるような方々を配置していただくとか、われわれのほうの関係陸運事務所の職員等につきましても、多少英会話その他のできるような者をそれぞれ街頭に進出させるようなことも考えておるわけであります。
  19. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 日本人と何ら変わったことのないような措置をとる、こういうことは当然のことなんです。ただ、一つ要望しておきますけれども、陸運事務所関係人々あるいは警察官諸君の英会話など若干通用できるようにする、こういうことにしているからというようなことなんで、それでぼくは了解したいと思うが、一体陸運事務所に何人いるかということですよ。参事官、それは問題になりませんよ。それは国会の答弁としてまあ言うておけばいいという程度のものですよ。それから警察官諸君だって、これはいま多少盛んに勉強させているようだけれども、そういうところで事故が発生してその人々と会話のできるような域までにはなかなか簡単にいかぬですよ。それは、われわれも外国旅行した経験もありますが、なかなかできませんよ。しかも、英語だけじゃないのだからね。スペイン語をやる人もあるだろうし、フランス語を語る人もあるだろうし、たいへんなことだろうと思う。だから、ここで一つぼくが要望しておきたいことは、少なくとも外国から来る人々というのは大多数は初めてだと思うのです。ですから、そういう道路標識の関係であるとか、あるいはUターンの関係であるとか、一方交通関係等々、これはもうほとんど認識がないと思うのですよ。パンフレット出してみたって――われわれだって外国へ行って、なかなか道路交通等々書いてあるのだけれども、それを熟読玩味して頭の中に描いて運転などということは、実際問題としてできませんからね。だから、特に申し上げるのですが、とりわけ外国では市内で四十五キロ制限なんというものはないですよ。自動車というのはよりスピードを出して走るものだということで、アメリカなどでは百二十キロ出して走るでしょう、ハイウエーで。最低だって五十キロくらいですから。ですから、非常にスピード感になれ切っておる人々が多く来るわけですから、少なくともぼくはスピードの関係などは、ややともすると日本の法規から見ると違反だというようなことになり得るのじゃないか、こういう懸念がございます。そこで、ぼくは、従前あなた方が警察庁打ち合わせをしておるということなのだが、ぜひ心がけていただきたいことは、これは外国人ばかりではなく、日本人でもそうですが、悪意で知っておってやるのなら別ですよ。そうでない場合があり得るのですよ。そういう場合は、直ちに逮捕してチケット切って罰金取るのだ――罰金は税外収入であるからなどというようなばかげたことを言っている警察官がいるのだよ。だから一生懸命やるのだというような態度をしているやつもおりますからね。ぜひそういうことがないようにして――とりわけことばが違っているのですから、そのことによって、せっかく日本に来て、オリンピックもさることながら、日本観光旅行しつつ、日本の産業経済あるいは政治文化あるいは民族等々を勉強していく方もいると思うので、ぜひ、いままでのような一般的に世間から批判をされているような警察官の態度であったり、あるいは陸運事務所等は、参事官が言っておりますけれども、そう現場まで出るということはおそらくないですよ、ないが、かりにあるとすれば、そういう点を十分配慮して、その人々に非礼にならないように配慮すべきだと思うのですよ。だからといって、あまりこれは緩慢になると、これは国内人々とのバランス関係もあるでしょうからいちがいにそうは言えないでしょうが、とりあえずやはり、この地域ではこうなっております、この標識はこうだというように指導してやるというような、指導というより、十分熟知せしめる、こういうような態度でなければならないじゃないか、こう思うのです。答弁の必要ございませんが、そういう点、要望しておきます。
  20. 小酒井義男

    小酒井義男君 この条約ができてからちょうど十五年くらいになるのですが、いままでこれに加入しなかったのはどういうわけでしょうか。
  21. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) わが国が今日まで長い間この条約に加入をしていなかったわけですが、この点は、わが国におきまして従来自動車の輸入が自由化されておりませんで、限られた数の自動車が外貨割り当てを受けまして輸入されておったわけでございます。しかるに、本条約に加入した際には、わが国は他の締約国よりの旅行者自動車を携行してくる場合に、その一時通関に関しまして便宜をはからなければならないわけでございますが、こういうような他の締約国からの旅行者が、一時通関を許されたその携行自動車日本国内で転売するという場合におきましても、条約上は通常の輸入税額を追徴されるというだけの措置であったのでございまして、これらの旅行者が転売行為によりまして不当な利益を受ける、それからこのような転売行為によりまして外国車が正規のルートを経ないで国内市場に投入される、こういうことがございます。それが国内自動車産業を相当強力に圧迫することになるんじゃないかという危惧があったわけでございます。また、従来わが国民の海外旅行が外貨の面からも制限をされておりましたために、及び自家用自動車の所有者もまた少なかったというために、わが国の海外旅行者が自家用車を海外に携行するという事例がきわめて少なかったわけであります。この条約への加入によりまして直接的実益があまり痛感されなかったということも、消極的な本条約に加入しなかったという理由でございます。以上のようなことで、わが国は従来そのまま、未加入のまま今日に至ったわけでございますが、国際連合の事務当局のほうからは、もうすでに十年くらい前から、極力これに早く批准して加入してもらいたいという意向は参っておったわけでございます。この道路交通条約だけでございますれば何とかできるだろうということで、われわれも、外務省、あるいは警察、通産省、あるいは大蔵省当局とも折衝を重ねまして、一応加入の方向で推移してまいったわけでございますが、この道路交通条約とうらはらにございます自家用自動車の一時輸入に関する条約というものがございまして、この内容は、国際交通をします自家用車に対しまして、それぞれの所定の通関手帳というものを持って行きさえすれば、非常に簡略に入国を許可され、かつ輸入税が免税となると、こういうような内容を持ったものでございまして、道路交通条約に加入する限りは、ぜひともこの一時通関条約のほうにも加入してもらいたいという国連側の意向もあったわけでございます。この一時通関条約の締結に際しましては、道交条約と違いまして、わが国からも代表が出席しておったのでございまして、一応の仮の署名はしておったのでございますが、国内に帰りまして、いよいよ問題が多いということで、いまだに一時通関条約のほうも加入に至らなかったわけでございます。最近におきましては、この一時通関の関係が裏づけになりましてこの道交条約利益を得るという場合に、種々国内で経済的な好ましくない結果が起こるのではないかということが非常に大きな理由であったわけでございます。最近自由化の方向に参っておりまして、特に本年の十月にオリンピックが開催される、こういうような際に、国際交通をもとといたしましての国際観光並びに国際間の友好を増進しようというために、本条約加入に踏み切ったという次第になったわけでございます。
  22. 小酒井義男

    小酒井義男君 そうしますと、条約に加盟すると、すでに加盟している七十ヵ国の車はこの法律に基づいて入ってきますね。その七十ヵ国には日本からも出て行けるわけですね。
  23. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) さようでございます。
  24. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、いま説明にもあったように、たまたまオリンピックがあるからということも原因ではあるけれども、自動車産業に与える影響等も考えていままで加盟をしなかったというようなことなんですが、今度こういうことになると、自動車持って来ますね。そうして、その自動車国内処分をしていくというようなケースが相当出るんじゃないですか。
  25. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) そのような場合には、当然この一時通関条約関係で免税になっておりますのが追徴されるわけでございます。それから、この道路交通条約関係におきましても、この利益を受けられる資格がなくなりますので、当然国内と同様の扱いになるわけでございます。この特例法によらずに、もとの車両法自体に乗ってくるわけでございます。
  26. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、車を打って来た当事者が車を持たないで帰って、その車をほかの人が使うというようなことはできますか。
  27. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 条約自体にはそれらの具体的な問題については別に条文もございませんけれども、このうらはらになっております一時通関条約のほうには、第三者への譲渡その他について言っております。したがいまして、日本人にこれを転売するということは、この条約利益を受けられない、資格がなくなるということになりますので、それ自体を禁止するという規定はございませんけれども、利益を失うということで大体防止できるものと考えております。
  28. 小酒井義男

    小酒井義男君 そこのところちょっと何か抜けているような気がするんですが、外人同士だったらそれはかまわぬですか、持ち込んだ当事者でなくても。
  29. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 輸入しましたその人の使用、あくまでも自家用車として国際交通をやった人に対する利益を与えるということでございますから、他人に貸与したり、あるいは外人同士で譲渡するという場合には、これは認めておりません。
  30. 小酒井義男

    小酒井義男君 非常にむずかしいことだと思うのですが、本人が運転しておるか、本人でないかというようなことの認定というのは、なかなかむずかしいですね。
  31. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) その当該車に対しましては、条約上で要求しております登録証書を携帯しておりますが、これの証書の発給された人の氏名住所等も記載されておりますので、パスポートと照らし合わすということによりましてはっきりするということであります。
  32. 小酒井義男

    小酒井義男君 オリンピックでは相当車が入ってくる予想ですか。何カ国ぐらいから入ってきそうですか。
  33. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) わが国の地理的な条件によりまして、それほどオリンピックだからといいましてたくさんの車が入ってくるものとは予想いたしておりません。現在のところ、アメリカ及びソ連からは選手団を乗せまして船がやってくるということになっておりますので、そういう場合には、船に自国の車を数台は載せてくるということがあろうかと存じておりますが、選手団がそれぞれ自家用車を持ってくるということは、ほとんど連絡もございませんし、予想いたしておりません。まず、その選手団等につきましては、オリンピック事務当局打ち合わせをいたしまして、国内のハイヤーの動員というものを考えております。また、バス、車両の動員も計画的にいたす予定にいたしております。
  34. 小酒井義男

    小酒井義男君 大体正確な数字はわからぬでしょうが、加盟国だけでもいいのだけれども、右側通行しているのと、左側通行しているのと、どのくらいありそうです、国によって違うのは。
  35. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 欧州大陸並びにアメリカ大陸の諸国は、全部右側通行でございまして、英国及び英国の旧植民地であった各国につきましては、左側通行でございます。東南アジアのタイ国その他につきましては、左側通行でございます。
  36. 小酒井義男

    小酒井義男君 そういうことで混乱を起こすような心配はありませんか。
  37. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 条約におきましては、右側とも左側ともこれを統一することをいたしておりませんで、いずれか一方に統一をしなさいというふうに規定されております。したがいまして、わが国におきましては、従来どおり左側通行ということで国際的にも統一していく考えでございますが、英本国とフランス等におきましては、相当国際交通があるわけでございますから、そこが右側と左側で変わっております。実際問題としましてそういった実例がございますが、右側通行から左側通行へ変わった、左側から右側へ変わったということによっての事故は、ほとんどないように聞いております。
  38. 小酒井義男

    小酒井義男君 従来右側通行しておって急に左側に変わるというようなことで切りかえが問題があるんじゃないかという心配があるのですが、そういう心配はないですな。
  39. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 実際に運転してまいった経験者の話を聞きまして、ハンドルを握りまして三十分すれば大体なれる、そういう覚悟でいるから、大体それによって事故を起こすことはない。私自身もそういった経験がございますが、一日町を歩けば、右側通行の国へ入れば右側というのはすぐ大体身についてしまいまして、それほど困ることじゃないと思います。
  40. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから信号標識なんか、やはり日本国内で使っておるのが、大体外人が見てもすぐ見分けができるようなふうになっておるのでしょうか。
  41. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 信号あるいは標識等につきましては、すべて現在の国内法におきましては、国際標識に統一されておりますので、その点、外人日本へ来まして間違うということはないと考えております。
  42. 小酒井義男

    小酒井義男君 きょうは、私、この程度で……。
  43. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 損害賠償の場合について、もう少しちょっとお伺いしたいのですが、今度の自動車損害賠償の保障の関係で、たとえば人を轢殺した場合には、五十万円から百万円にのぼったということですが、百万円というのは、国内の場合においては、大体一応それは支払いをするのでしょうが、たとえば事故の事態におきましては、さらに他の保険、あるいはまた訴訟によってやることができるわけですね。そうするというと、外国人がやはり輸入、携行する自動車に対しては、保険に入っているというような場合に、その額は相当違うと思うのです。その場合に、こちらでは日本のこの法律適用になりましょうけれども、その額を超過した場合には、結局、国際私法の裁判手続によってさらにやるということになれば、非常にめんどうになってくるように思うのですが、その点は法規上はどういうことになっておるか、ちょっと御説明を願いたい。
  44. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 交通保険の関係は、あくまで国内の車に対するものと全く同様でございまして、それ以上の賠償要求というようなものがございました場合には、それぞれ、いま申されましたような国際私法の問題としまして処理されるわけでございます。外国から参ります、特に欧州の大陸から参ります車につきましては、グリーン・カード・システムというのがございまして、欧州大陸の各国共通の保険制度がございます。この制度は、現在におきましては、日本国内適用地域になっておりませんので、これ自体は、この保険は働かないということになります。将来、この保険制度も世界的なものにしたいということで、そういう意向もございまして、国際的な話題にもなっておるわけでございまして、わが国もその保険の適用地域に入って、わが国の保険もこのグリーン・カード・システムが採用できるということになりますれば、あらためてこれも国内で有効であるということにいたしたいと考えておりまして、その場合には、国内強制保険と両方でもってほとんど賠償責任というものはまかなわれ得るのではないかというふうに考えております。
  45. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 その点はわかりましたが、外国人運転ということを、われわれの経験からいたしましても、国内に長くいる人は別として、外国でもって運転しておる状況から見るというと、相当国情も違っておるし、道路整備程度も違っておりますので、スピードが相当速いことになれていると思うのです。そういう方がこちらに来まして、とかくまあスピードを超過するというような事態も相当多いのじゃないかと思うのですが、この場合に、道路交通の取り締まりは別として、一たん事故があった場合には、受けるほう、被害者の立場に立って、もう少し安心できるように御説明を願えるような準備ができておれば、それをひとつ御説明願っておかぬと、同じひかれても、日本人からやられたのは非常に安心しておるけれども、外国人からやられたということになりますと、国内法によってこれでもって登録をちゃんとされますから、百万円をもらえば、あとは一体どこに持っていってどういうぐあいにすればいいのか、一向保障はないような気がいたしますね。それで国際私法でこれをやろうというようなことになったのでは、これは普通ならば結局泣き寝入りというようなことになりはしないかと思うんですが、こういう点もやはり安心のいけるように御説明願っておく必要があるのじゃないかと思うのです。その点は、たとえば裁判管轄権の、これは属人、属地ですかな、どちらになりますか、どこに持っていってどうやれば百万円以上も場合によって請求ができるという、そういう点はひとつお調べになったら明らかにしておいていただきたい。
  46. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 現在のところ、国際的な保険というものがございませんので、あくまでわが国強制保険、最高百万円ないし重傷後相手が死亡した場合には百三十万円までいくわけでありますが、それ以上の賠償請求は、やはりこれはあくまで属地主義でありまして、国際私法上の問題でございますが、国内で裁判に付されるものと考えております。
  47. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 しからば、滞在中に解決をつけないというと結局だめだということになりますか。それとも、やはりそういう方は、事故でも起こった場合にはこちらに留置するとかなんとかということが、裁判の手続上そういうことができますかね。
  48. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 私そのほうの専門家でございませんので、責任を持ってお答えいたしかねるのでございますが、そういった点は裁判所が認定されるものではないかと考えております。
  49. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 じゃ、属地主義で、わが国の裁判手続によって訴えはできるということなんですね。
  50. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) そのように考えております。
  51. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 どうもそれでは、外人の車の運転のところは、こちらも日ごろから気をつけて歩かなければならぬというかっこうになるし、追突でもされると、これは非常に迷惑するようなことになるのですが、なおそういうところをひとつ、オリンピックまでまだ時間も時日もありますから、できるだけよくお調べくださって、どういう手続でどうやれば、国内の場合と同様な、安全というか、保障が保たれるということを、ひとつまたお知らせを願いたいと思います。
  52. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 政府のこの説明で、船から、たとえば選手関係、役員の人たちが、あるいは観光客も一緒に入ってくる、その際は、自動車を一緒に船に積んでくる場合と、もう一つ、この説明の第一のところで、「旅行者が一時的な訪問に際し輸入し、」となっていますね。この場合は、旅行者が自分だけ、からだだけ来て外国から買うという場合も一これは国内にも外国の商社がありますが、そこから買うのも、輸入という取り扱いをするのですか、それはどうなるのですか。
  53. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) あくまでも、入国をいたしますその人が自分で携行するか、あるいは別送申告をもちまして自家用車を外国から持ってくるというものでございまして、日本で買うという場合には、これは自動車国際交通をするものではございませんので、この条約利益は受けられないものでございます。
  54. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 もう一つ、「一年を経過しないものといたしました。」、これは一年間日本にあって、あるいは、こういうことは小酒井委員の質問と関連があるのですけれども、本人は、旅行者は三ヵ月しか滞在しないで、またあらためて乗り古した車を外国まで持っていかぬでも、日本に残して帰る場合が事実ある。その際、かりに十二ヵ月のうちの九ヵ月は、まだこの一年という法律に抵触するから、車庫かどこかへ眠らせておく、そうして一年経過したら他人に譲渡できるのだという解釈ですか、その辺はどうなりますか。
  55. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 譲渡ができるというふうな積極的な規定ではございませんで、一年間はその外国登録のままで国内を走れるということでございます。したがいまして、この期間を過ぎたら譲渡してよろしいというわけではございませんで、それが譲渡された場合におきましては、一時通関条約関係特例法によりまして、免税期間免税になりましたものが追徴される、関税を追徴されるということになると思います。その上で、車両法関係では、国内法によりまして検査を受けて登録を受けるというたてまえになっております。
  56. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 いまの谷口委員の質問に関連してですけれども、たとえば三ヵ月使用した、ところが、いまいう法律は一年以内ですから、九ヵ月登録に余裕期間がある。いまの答弁では、譲渡した場合に、当然通関の手続をとられて売買になりますから、そのときはまた国内の法規が適用されるわけだ。それはいいのですが、その間、借り受けて乗った場合、どうなりますか。こういう場合あり得るのですよ。非常にこれは問題があるのですよ。そうすると、法律適用除外になっておりますからね、特例法で。
  57. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) この特例法の第二条の「(定義)」のところにございますが、その第二項第二号に、「当該自動車を輸入した者の使用に供されるものであること。」、こういうふうになっております。この「使用に供される」という点が非常に微妙なところだと思うのでございますが、まあ自分が一時使わないから出張中ちょっと置いていくということで、家族とかあるいは友人等にほんの一時貸すという場合におきましては、まだ他人に自分の使用権を渡した、自分の掌握から離れたということにはならないものというふうに解釈せられまして、こういう場合は別に問題にならないかと思うのでありまして、あくまでも自分はもう使用権は放棄した、人に譲ったというような形の場合には、この「(定義)」の第二号からはずれるわけでございますから、この条約利益を受けられないようになるわけでございます。
  58. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 ぼくは、そういう点ではないのですよ。前の所有者が所有権を持っているわけですよね。で、その方がたまたま、これは外国の人でけっこうですけれども、たとえば大使館の関係の要員の人々、こういう人々に、登録認可された保有期間は君に、貸与する、こういう場合にどうするのか、そういう場合に。こういうことを聞いているんですよ、あり得るんですよ、これは。
  59. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) ただいまの点につきましては、一時通関の条約規定と非常に関連があるわけでございまして、一時通関条約によって十一条に、「一時輸入書類による担保の下に輸入された車両は、その一時輸入書類の名義人から正当に許可を与えられた第三者が自家用として使用することができる。ただし、その第三者は、輸入国の領域外に通常居住しており、かつ、この条約に定める他の条件を満たしている者でなければならない。」と規定しておりまして、この条約に書いてあります、所有者から正当に許可を与えられた第三者ということばの解釈が非常にむずかしいわけでございまして、通常貸すというような場合には、もちろんこれで差しつかえないというふうに解釈をされております。これを譲渡してしまうというような場合には、これは当然、一時通関条約の明文でも禁止されておるということで、道路交通条約自体にはこういった正確な規定はございませんけれども、この一時通関条約自体が道交条約趣旨に合致するものということで条約ができておりまする関係で、その第三者使用というものの解釈は、通関条約の十一条の大体解釈でいくべきではないかというふうに、内閣の法制局におきましても認めていただいたわけでございます。
  60. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、これはまあ、向こうの連中というのは非常に合理主義者が多い、ものの考え方が非常に合理的なんだ。もう三ヵ月ぐらい使って今度は必要なくなった。そうすると、事実上適用されるということになると、中身はあなたのところでかりに調査するとかなんとかしてもしようがないと思うんですよ。正当な、つまり、本人の意思によるその証明は、たとえば貸与だったら貸与証明ですね、そういうものを交換している。そして、いまかりに谷口さんが持っておった、三ヵ月使って必要ないと、本人がですよ。そこで、そのまま今度はぼくに譲渡したら、それぞれの手続をとってやらなければならぬから、一年間登録保有期間があるわけですから、吉田、君に貸与するということで、一札貸与証を書いておった場合、あんたのほうは、これは事実上に照らし合わせてみて、正当な本人の意思によって貸し付けた、こういうことになるわけですよ。だから、法律上は何らそれ以上の調査権もなければ、あるいは、とやかく行政監督官庁として言えるものはないんだな。そこでぼくが心配するのは、そう言うてみても、裏面では、谷口さんに、一年間終わった後には、その使っておる間も含めて幾ら幾らだというふうな、つまり、商談が成立してやられる場合がえてしてあるわけなんだ、外車において。こういう場合、これはどうなりますかね。終戦後よくこういう問題がありましたね。これは何か外車のやみの商売が、まあこれは一時的なものかしらぬが、オリンピック後に多少そういうものが出てきて、この法律は、ここで日本自動車産業を圧迫しないようにという先ほどのお話がありましたが、かえって、そういうことが日本国内自動車産業市場にあまりいい影響を与えないのみならず、曲がりなりにもやや民生が安定をしてきた今日の段階で、そういう事柄が起きたとすれば、悪影響を及ぼすのじゃないかというような懸念もするのですが、こういうものの見解はどうですか。
  61. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) ただいまおっしゃいましたような点が、非常に従来問題であったわけでございまして、したがって、一時通関条約並びに道交条約の加入が延び延びになって今日に至ったわけであります。今回、自由化ということも、自動車に関しましても近い将来に迫っておりますので、そういう場合には、そういった不良外人がやみでもうけようというようなことも、自由化の後にはそういうことはほとんど考えられません。また、自由化になりますまでにおきましても、大蔵省の関税当局におきましては、十分な監視をし、実際に条約特例を悪用するというようなことがないように、一時通関条約関係特例法というものは別途審議されておりますが、この点で厳重に措置したいというふうに思っております。
  62. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それはもとより厳重に措置していただかなければならぬわけですが、厳重に措置すると言ったって、チェックの方法がないのじゃないかということなんだ、ぼくたち考えてみて。あなたたちは六月以降自由化をやるのであろうから、オリンピックはその後だから、あまりさして、戦後混乱期にあったような、つまり、自動車の売買をめぐっていかがわしい行為などはないのじゃないかと、こういう推測なんですよ。だから、その面では、私どもも、そうばく大な、この種の自動車を他に転売をして暴利をむさぼるということは万々なかろうと思うけれども、とにかくこの車は、そのこと以外に、つまり、登録保有期間は、この法律にもございますように、四条ですね、かなり道路運送車両法などの適用除外を受けている有利な面があると思うのですよ。ですから、かなりの期間これを活用していくものが出てきますよ、これは出てきますね。その場合に、あなた方厳重に取り締まると言ってみたって、チェックの方法がないのじゃないかと思うのですよ、ぼくは、その間は。どうですか。
  63. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 現実に走っておる姿をとらえるということは、非常におっしゃりますとおりむずかしいかと思いますが、国内にこの関係で入ってきたものにつきましては、検査も受けませんし、登録も受けに来ませんので、陸運事務所自体は当初は把握できておりませんけれども、税関当局との話し合いによりまして、通関条約によって入ってきたというものについては、そのつどリストをつくりまして陸運事務所のほうに連絡をする、それから、出ていきますものについては、そのつどまた連絡をするということで、常に現状把握はいたしていく予定でございます。
  64. 米田正文

    委員長米田正文君) ほかの質疑は次回に譲ります。   ―――――――――――――
  65. 米田正文

    委員長米田正文君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。  小委員会の設置についておはかりをいたします。  運輸事情等に関する調査のために、通勤輸送対策に関する小委員会、鉄道事故防止対策に関する小委員会及び航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員会の、三小委員会を設置することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 米田正文

    委員長米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、小委員の数及び人選並びに小委員長の指名は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 米田正文

    委員長米田正文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことに決定いたします。  なお、小委員の辞任の許可及びその補欠の指名につきましては、あらかじめ、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 米田正文

    委員長米田正文君) 御異議ないと認め、さよう取り扱うことに決定いたしました。
  69. 大倉精一

    ○大倉精一君 委員長、この前の委員会委員長にいろいろ注文をいたしましたが、その後、理事会ではどういうぐあいに決定いたしましたか。
  70. 米田正文

    委員長米田正文君) 御希望がありましたので、理事会でも相談をいたしました。そのときに、宮澤企画庁長官がおられないので、これは帰られてから――たしか十日間くらいで帰ってくるので、それ以後にしたらどうか、それからもう一つは、交通基本問題調査会の意見を聞いたらどうかということもございましたので、その委員長をされておった島田孝一さんに来てもらってお話を承ろうということも議題にのぼりましたが、この基本問題調査会は結論を出して解散をしたそうです。したそうですけれども、まあその間の事情に精通をされておるから、やはり来ていただいて、そのときに一緒にお話を聞こうというように話し合いをしておりましたが、出席を願う要求の日はまだ決定をいたしておりません。企画庁長官が帰られてからにしたいという気持ちでおりますが、いかがでしょうか。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 はい。  委員長、それからたくさんあったですね。
  72. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 委員長、ちょっと補足しないと大倉委員も承知しないと思う。だから補足しますけれども、大倉先生ね、おおむねいま委員長が申された方向ですよ。ただ、つけ加えて補足いたしますものは、現実の問題として、企画庁の長官宮澤さんがいまヨーロッパのほうに行っているわけですね、ジュネーブですか。ですから、帰ってこなければ、せっかくのその御要望が、経済企画庁長官が交通問題をどう企画するかということにお話の中心がありましたから、おいで願えない中でやっても、その御要望にこたえることができないのじゃないか、こういうことが理事会で議論されまして、お帰りになってからでどうであろうか、しかし、それまでに大倉先生のほうが、企画庁長官は帰ってきてからでもいいが、それ以前に、その関係の運輸大臣であるとか、あるいは、ただいま委員長が申されたように、交通問題の基本調査会の委員長さん等々の方々だけで、大倉先生がお話を進めるということであれば、それでもけっこうだ、こういう方向できめているわけであります。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 それは企画庁長官が帰られてからでけっこうなんですけれども、その他たくさん要望をいたしておきましたが、第一番には、分科会において預けてあったこと、一つは、港湾労働等対策審議会の答申に基づいて、当面できることからやれという答申の中で、つまり、港湾局長からその中身についての方向を求めたい、こういうことでした。それはいかがでした。
  74. 米田正文

    委員長米田正文君) その問題は、私は大倉委員の質疑を一括してやるつもりでおったものですから、そのときに同時にと思っておりましたが、それだけ特に、そういう問題を切り離しておやりになる御意図があるならば、これは切り離してもよろしゅうございます。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 それじゃ、この問題は、労働大臣をこの次の委員会に呼んでいただいて、そうして港湾労働等対策審議会の答申全般についての問題を、大臣並びに港湾局長等に、この次の委員会で質問したいと思いますから、そういうぐあいにひとつ取り計らっていただきたい。すでに先月の五日に出ているのですから、もうそうほうっておくわけにいかぬと思いますから、この次の委員会にお願いいたしたいと思います。
  76. 米田正文

    委員長米田正文君) その点については、理事会で相談をいたします。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 それから念のために、この前要求したことについて確認をしておきますけれども、さっきのお話の問題は、これは通勤輸送あるいは都市交通等に関連をして関係大臣全部呼んでくれ、こういう問題ですから、これは宮澤企画庁長官がお帰りになってからでけっこうです。  それから、そのほか、運転手の不足で非常に問題がたくさんある、こういう点について、前回の予算第三分科会において、十分調査して報告するようにということを、木村自動車局長に注文をしてあるわけです。これも報告してもらわなければいかぬ。これをひとつ理事会できめてもらいたい。そういう点ですね、その点ぜひひとつ……。
  78. 米田正文

    委員長米田正文君) いまお話したように、小委員会もできましたから、本委員会と小委員会とのバランスも見まして、理事会で相談をいたします。
  79. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 委員長が申されたように、きょうの委員会で三つの小委員会ができたことは間違いないのだがね、いま委員長がおっしゃるように、小委員会ができたことでもあるから、こういうことではいけないのですよ。小委員会というのは、あくまでも、たとえば鉄道事故の防止対策委員会事故に関すること、それから通勤輸送対策委員会は通勤輸送、その他、航空関係、海難、路面交通、いずれも事故の防止の対策委員会ですから、その関係の部分のみ扱っていく、こういうことになるわけですよ。ですから原則は、先般の理事会にも天坊委員が申されたように、民主主義の原則から申しますれば、本委員会で取り扱うということになるのですから、そういう点は間違いのないように、小委員会ができたからといって、運用を誤りのないように私はしていただきたいと思う。
  80. 大倉精一

    ○大倉精一君 いまの私の要求は、事故対策と切り離して、自動車行政の秩序の問題ですね、そういう点から報告をお願いしておるのですから、そういう点について、事故対策と切り離して考えてもらいたいと思います。
  81. 米田正文

    委員長米田正文君) 承知しました。御要望の点を、内容を分析しまして、私も小委員会ができたからということを申し上げましたのは、せっかく小委員会ができたから、小委員会で扱うのが適当と認める場合にはそうするし、本委員会でやるべきものは当然本委員会としてやるというような意味で申し上げましたから、理事会で相談をいたします。
  82. 大倉精一

    ○大倉精一君 私の希望は、本委員会でやるということを希望しておきますから、理事会のほうで相談してください。
  83. 米田正文

    委員長米田正文君) 本件につきましては、この程度といたしまして、次回は、九日午前十時開会の予定といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会    ――――・――――