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1964-04-02 第46回国会 参議院 運輸委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二日(木曜日)    午後一時二十二分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     米田 正文君    理事            谷口 慶吉君            天坊 裕彦君            吉田忠三郎君    委員            江藤  智君            河野 謙三君            木暮武太夫君            野上  進君            平島 敏夫君            村松 久義君            相澤 重明君            大倉 精一君            岡  三郎君            小酒井義男君   政府委員    運輸政務次官  田邉 國男君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    日本国有鉄道副    総裁      磯崎  叡君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○海上衝突予防法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○道路交通に関する条約実施に伴う  道路運送車両法特例等に関する法  律案内閣提出) ○運輸事情等に関する調査日本国有  鉄道の運営に関する件)   —————————————
  2. 米田正文

    委員長米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。  まず、海上衝突予防法の一部を改正する法律案及び道路交通に関する条約実施に伴う道路運送車両法特例等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  提案理由説明を聴取いたします。田邊政務次官
  3. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) ただいま議題となりました海上衝突予防法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  現行海上衝突予防法は、一九四八年の海上における人命の安全のための国際会議において採択された国際海上衝突予防規則に準拠して昭和二十八年に制定されたものでありますが、この制度は、海上交通の有する国際性から、各国がまちまちに船舶航法規制等を行なうことによって生じる混乱を防止する必要性にかんがみ、一八八九年の国際海事会議において国際海上衝突予防規則が成立して以来、各国ともその内容をそのまま国内的に施行しているものであります。  この法律案は、一九六〇年の海上における人命の安全のための国際会議において承認された国際海上衝突予防規則改正に対応させようとするものでありますが、その内容は、船舶大型化レーダー実用化等による交通事情の変化に応じての航法規定の整備、漁船の識別灯火簡明化等でありまして、もちろんわが国についても船舶海難防止に寄与するところが大であります。  この国際規則改正は、その受諾について世界各国実質的一致が得られたときに発効し、その期日は一年の猶予を置いてIMCOから通告があることとされておりますが、その内容につきましては、前回国際会議において全員一致の賛同を得ていること及びすでにわが国も批准を済ませているこの規則と密接な関係にある海上人命安全条約あと百万総トン以上の船腹保有国一ヵ国の加入によって発効する事情にあるところから、遠からず効力を発生することは疑いないと思われます。  したがいまして、わが国におきましても、改正規則を受諾するたてまえのもとに、同規則に準拠して現行海上衝突予防法の一部を改正することが必要となったわけであります。  次に、改正のおもな内容を申し上げます。  第一は、引き船一定の長さをこえて他の船舶を引いている場合について、これらの船舶の間を他船が横切ることを防ぐため、引き船及び引かれ船のすべてに一定標識を掲げるべきことといたしたことであります。  第二は、海底電線の敷設、測量等の特殊な作業に従事している船舶は、所定の灯火及び標識を掲げることによって運転の自由を得ないことを示すこととされておりますが、その特種作業船として新たに燃料油等海上補給作業及び航空機の発着作業に従事している船舶を加え、また、機雷掃海作業に従事している船舶については、危険事情が異なるので特別の燈火及び標識を掲げるべきことといたしたことであります。  第三は、漁労に従事している船舶は、漁労種別船種別、漁具の大小別及び航行中と停泊中の別によって、多様に分類された識別燈火を掲げるべきこととされていましたが、これを運航上妨害度の少ない水中引き漁労とそれ以外の妨害度の大きい網なわ漁労の二種類のみに分類し、かつ、これらの識別灯火もきわめて簡明なものに改めることといたしたことであります。  第四は、レーダー使用普及化に応じ、霧の中その他の視界制限時にレーダーによって他船の存在を知った場合の航法を新たに規定し、また、従前の航法規定は、直接他船を視認している場合についてのみ適用されるべきことを明らかにいたしました。  第五は、船舶大型化及びヨット、遊覧船等の増加に応じ、狭い水道において行動している小型の帆船及び動力船は、航行できる水域が限定されている大型船舶の安全な通航の阻害を禁止することとしたことであります。  以上が、この法律案提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。   —————————————  さらに、ただいま議題となりました道路交通に関する条約実施に伴う道路運送車両法特例等に関する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  最近わが国においても政治、経済、文化及び観光上の国際交流がとみに伸展してきており、また本年十月には第十八回国際オリンピック大会東京において開催される予定で、その際多数の外国人旅行者わが国を訪問するものと予想されます。  このような状況に対応して、わが国自動車による国際交通円滑化をはかる必要があり、道路交通に関する条約を今国会に提出しております。  この条約加入することにより、わが国からこの条約締約国に旅行する者も、締約国からわが国を訪問する旅行者も、相互に条約上の利益を受け、自分が持ち込んだ自動車を簡易な手続で運行し、また国際運転免許証を使用することができることになります。これは国際協力に役立つとともに、国際観光の振興を通じて国際収支の改善、国際親善の増進に寄与するところが大きいと考えられます。  この条約への加入に伴い、道路運送車両法等運輸省所管法律につきまして条約との調整をはかるため、この法律案を提出した次第であります。  道路交通に関する条約は、自動車による国際交通の発達と安全とを目的として、一九四九年ジュネーブにおいて採択され、現在アメリカ、イギリス、フランス、ソ連を含めて七十ヵ国が加入しております。この条約の要点は、第一に条約に定める道路交通方法に適合するように国内法令を整備すること、第二に他の締約国において登録されている自動車について一年間国際交通を認めること、第三は他の締約国が発給した国際運転免許証自動車運転することを認めることの三点であります。  この条約実施するための国内措置といたしましては、道路交通方法国際運転免許証につきましては、道路交通法の一部改正予定されており、国際交通を認める自動車につきましては、この法律を制定して、道路運送車両法特例その他必要な事項を定めることとした次第であります。  次に、この法律案の要旨について申し上げます。  第一に、道路交通に関する条約利益を受ける外国自動車は、締約国において登録されており、旅行者が一時的な訪問に際し輸入し、かつ、使用するものであって、輸入の日から一年を経過しないものといたしました。  第二に、この自動車については、締約国において登録されていることを明らかにするために、この条約規定する登録証書備えつけを義務づけることといたしました。  第三に、この自動車は、条約規定により外国登録番号等表示し、その装置についても一定の基準に適合していること等を義務づけられておりますので、道路運送車両法による登録検査規定等を適用しないことといたしました。なお、登録証書備えつけ外国登録番号等表示につきましては、国内法とのバランス等を考慮して、その義務違反に対して罰則を設けることといたしました。  第四に、この自動車についても強制保険には加入させることといたしますが、道路運送車両法検査規定適用除外に伴い検査標章制度がなくなりますので、これにかわる保障標章表示を義務づける必要があり、この点に関し、自動車損害賠償保障法の一部を改正することといたしました。  最後に、わが国自動車及び原動機付自転車締約国において使用しようとする者は、条約利益を受けられるように、条約規定する登録証書の交付を受けることができることといたしました。  以上が、この法律案提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  4. 米田正文

    委員長米田正文君) 両案の質疑は次回に譲ることとします。   —————————————
  5. 米田正文

    委員長米田正文君) 次いで、運輸事情等に関する調査議題といたします。河野君。
  6. 河野謙三

    河野謙三君 私は、前回委員会で、東海道新幹線開通後における従来の東海道線輸送緩和はどういう状態になるかということをお尋ねいたしましたが、突然のことでございまして、責任者総裁なり副総裁おいでになりませんでしたので、質問を留保しておきましたが、きょう、総裁御病気だそうですが、副総裁おいでになりましたから、前回東海道新幹線に関する質問を続けさしていただきます。  まず、私は、前回お尋ねいたしましたことは、いよいよ待望の新幹線が本年の十月に予定どおり開通の運びになった、まことにその間国鉄の当局は御苦労であり、まことに国民といたしましてもおめでたい次第だと思うのですが、同時に、国民全体、特に東海道の沿線の者は、国が常に国民に大きく約束されました、新幹線の主たる目的東海道輸送緩和にあるのだと言い続けてこられました、そこでこれを具体的にどのくらい、どういうように緩和するかということをお尋ねいたしましたところが、意外にも、東海道の一番利用者の大部分を占めておるところの通勤者には、ほとんど——東海道新幹線開通によって、絶対とは申しませんが、ほとんど輸送緩和期待できないのだと、こういう御答弁をいただいて、非常に意外に思ったのです。私は、ある意味においてはぺてんにかかったような気がしたのです。  そこで伺いたいのは、まず、現在の東海道を利用しておる利用人員一体どのくらいありますか。これは一日でもけっこうです、年間でもけっこうです、できればわかりやすく、一日に片道百何本ですか通っていますね、これ往復ですが、一体どのくらい利用者があるのか、これをまず私は伺いたいと思います。
  7. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 東海道線と申しましても、場所によりまして非常に輸送人員が違っておりますが、一応私どもがふだん業務上とります統計は、東京付近では横浜大船間でとっております。ただいま御質問数字では、横浜大船間の一日平均の乗客人員が二十一万五千——これは三十八年度の上期の実績でございます。列車本数が二百七本。これには、いわゆる京浜東北線のような都市電車は入れておりません。横須賀線湘南線並びに普通の電車列車、あるいは汽車列車、そういうものでございます。
  8. 河野謙三

    河野謙三君 私はこれは地方問題としてお尋ねする意思はないのですが、たまたまいま大船横浜間の例が出ましたが、大船横浜間で一日二十一万五千。二十一万五千は、それを定期券利用者一般乗客と分けて、どのくらいになります。
  9. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 区間別に正確な数字を手元に持っておりませんが、大体の割合が、この区間で申しますと二五%と七五%程度だというふうに考えております。定期券が七五%、一般が二五%。
  10. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、定期券の中には学生も入っておりますが、学生並びにいわゆる働く方ですね、それが七五%。東海道新幹線開通しまして、七五%の人はほとんど輸送緩和には影響はないのだ。輸送緩和に、もし受益者ということになれば、残りの、昼間の間に東京に行くとか、東京からどっかへ行くとかという方がある程度輸送緩和の恩恵を受けるのであって、七五%はほとんど無影響であるという状態のように、私はこの前営業局のほうから御答弁を伺いましたが、そのとおりですか。
  11. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) そのお答えは、たいへん複雑になりまして、端的に申し上げるのは非常に困難でございますけれども、現在の通勤輸送状態を見ますと、大体一番問題になります朝ラッシュアワー東京着午前七時半から午前九時半までの間、これが一番ラッシュのピークでございます。この時間帯は、ほとんど九割前後のお客さんは大体定期券でございまして、一般お客さんはほとんど一割未満だというふうに推定されます。しかしながら、最近の工場地帯の工員の勤務状況と申しますか、いわゆるシフト制などによりまして、交代制などによりまして、非常に勤務なり、出勤時間並びに退出時間がまばらでございます。必ずしも午前八時に出て午後四時に終わるという普通のデスク・ワークの勤務時間と違いまして、夜中に出て朝帰るという、あるいは昼間出て夜帰るという複雑な勤務状態でございます。したがいまして、現在、先ほど申しました二百七本の列車のうち、特急、急行等の特別な列車を除きました本数が、全体で約百五十本でございます。二百七本のうち百五十本がいわゆる普通列車でございます。その百五十本の中で、全くと言っていいか、ほとんども通勤などに関係のない列車、たとえば夜十二時に東京を出て大阪へ行く普通列車、あるいは夜行列車、あるいはまっ昼間東京を出て湘南地帯に行く列車、こういう純粋に、定期券利用者がほとんど一割から一割前後しかないという、いわゆる定期券関係の非常に汚い列車というのは、その百五十本の中で約一割程度しかないだろうというふうに考えております。というのは、非常に定期券利用者は、ラッシュアワーだけじゃなしに、各時間帯にばらまかれているというのが、いわゆる最近の普通の実情でございます。しかしながら、前回委員会におきまして、営業局長から御答弁申し上げましたのは、断片的にそれを申し上げたと思うのでありますが、たしかラッシュの朝七時半から九時半までの通勤時間帯には、現在に比べて、三個電車約一万人の輸送力がほしいというふうに申し上げたと思います。それは、その時間帯に対してはそうでございますけれども、その他の時間帯につきましては、一応各時間帯ごとにどの程度輸送力緩和されるかということは、具体的に検討いたさなければならないのでございまして、現在私どものほうでいろいろ新幹線のダイヤを引いている最中でございます。予算で認めていただきました電車三百六十両によりまして、一日五十往復できるということを前提といたしまして、どれだけのお客さんがそちらに移るかということを、いまいろいろ計算いたしております。その結果、先生の御承知のとおり、現在線でこれだけの列車が要らなくなる——その要らなくなる列車は、大体現在、いまの三百六十両の段階では約二十本前後というふうに考えております。したがいまして、その二十本前後あきます列車が、通勤時間帯にあくものもあれば、そうでない時間帯にあくものもあるわけでございます。したがいまして、全体的に申しますれば、相当の輸送力緩和になると思いますが、ごく特定の時間をつかまえまして、そうして現在ほとんど新幹線に移るべきお客が乗ってないような列車ばかり動いておる時間帯につきましては、先生の御指摘のとおり、あまり大きな改革ができないということを申し上げざるを得ない。その点を申し上げたのじゃないかというふうに考えております。
  12. 河野謙三

    河野謙三君 定期券所持者必ずしも朝晩のラッシュアワーだけを利用しておるのではない。これは、夕方から出てきて晩の商売をしておる人もありますし、また十時ごろ出てきて夜九時ごろ帰るのもありますし、いろいろありますけれども、そういうものはごく微々たるものであって、七五%のうち多く見て一〇%私はないと思う。だから、大部分の人が、新幹線開通すれば、これらの定期券所持者も、幾らかわれわれは楽に通勤できるであろうということを期待した——期待したほうが悪いのじゃない、期待させるように新幹線工事期間においていままで何べんも国鉄のほうはそういう声明をしておられるわけなんだ。これに私はこたえなければいかぬと思う。のみならず、これは単に東京近郊だけじゃなくて、名古屋の近郊なり大阪近郊においても、やはり七〇%、八〇%は定期券所持者だと思う。いずれも同じ期待を持っておるだろうと思う。十月を待たずして、開通を待たずして、いまから新幹線開通時までにあなた方通勤者にも輸送緩和すべくいろいろこたえたいと思ったけれども予算その他の関係でそうはいかなかった、しかし、少なくとも新幹線開通した以上は、次の段階において、できるだけ早い期間通勤者に対して輸送緩和にこたえる、それにはどうするこうするという私は答えを出すべきだと思うのです。一体通勤者以外の人は、朝一汽車おくれたって二汽車おくれたってたいしたことはないのです。われわれの家族が東京へ行く、必ずしも十時の汽車に乗らなければならぬわけではない、十一時でもいい、十二時でもいい、融通性のある人です。通勤者融通性のない人です。それに対して何にもこたえないということは、私はあまりにもむちゃだと思う。私は順序として伺いますが、国鉄一体収入は、ごくラウンドの数字でいいのですが、幾らくらいあるのですか、伺いたい。
  13. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 旅客、貨物合わせて約六千億でございます。
  14. 河野謙三

    河野謙三君 旅客のほうは幾らですか。
  15. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) そのうち約六〇%の三千六百億くらいです。
  16. 河野謙三

    河野謙三君 総収入三千六百億のうちで東海道収入はどのくらいの率になりますか。
  17. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 本年度の予算に計上いたしましたのは千三百億でございます——約千二百何億でございます。それは客貨合わせてでございます。全体の六千億のうち、約四分の一弱が東海道線収入でございます。
  18. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、その四分の一、非常に大きな収入源ですね。今度は新幹線ができますと、新幹線にその収入の回る分が一体幾らあるのですか。従来の東海道線収入幾らそれに置きかえられるか、こういう計算があると思うのですが、どうでしょう。
  19. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ちょっと宙で申し上げますとたいへんお聞き苦しいと思いますので、現在線と新幹線と合わせました収支バランスで申し上げてよろしゅうございましょうか。
  20. 河野謙三

    河野謙三君 私が伺いたいのは、新幹線収支計算をあらためて伺いたいので、その順序として申し上げておるのであります。四千億の投資をした新幹線一体どういう収支計算になっておりますか、これを順序として伺っておるのですから、そういう意味でひとつお答え願いたい。
  21. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 例を昭和三十八年度にとりますと、三十八年度の現在線の収入客貨合わせまして約千三百五十億であります。それが昭和四十年度になりますと、客貨合わせまして約千億に減るわけでございます、現在線のほうは。一方新幹線のほうは、昭和四十年度時点におきましては約八百億新幹線収入がございます。したがいまして、片方で三百億減りまして、片方で八百億ふえるわけでございます。差し引き、経費の問題を抜きにいたしますと、収入の面としては約五百億の増収になる勘定でございます。これはもちろん、御承知のように、現在線のお客さんがそのまま新幹線に移るという問題と同時に、との現在の経済の発展の状況によります旅客自然増というものがございます。大体年間六ないし七%の自然増と、それからもう一つは、私どものほうのことばで恐縮でございますが、誘発増と申しまして、新幹線ができたことによるお客さんが出てくるわけであります。いわゆる現在線から移ってくるだけ以外に、新幹線のために出てくるお客さんというものが、いままでの過去の経験上、たとえば「こだま」を走らす、あるいは「つばめ」を走らせたときに、結果的な計算をいろいろいたしてみますと、新しい列車ができると、それによって誘発的にお客さんがふえる、こういう誘発増というものがいままで経験的にできておりまして、そのある一定数字をとりまして、その分を加えたものが先ほどの四十年度時点において八百億——これはただし輸送力のワクがございます。現在は、三十九年度——ことしの十月から開業いたします際には、御承知のとおり、三百六十両の客車でやることにいたしておりますが、昭和四十年にはこれを百二十両ふやしまして四百八十両で運転する計画にいたしております。したがって、輸送力もふえますし、輸送の量もふえます。そういった輸送量の増を全部含めました上での計算が、先ほどの数字でございます。
  22. 河野謙三

    河野謙三君 収入の御説明がありましたが、現在線で千三百五十億、新線のほうが四十年の想定が八百億。支出のほうは、これだけの収入に対してどのくらいでございますか。東海道の場合、これはいわゆる黒字線ですね。鉄道のいう黒字線ですが、千三百五十億の歳入に対して、支出はどのくらいあるか。それから新幹線の場合、かりに四十年に八百億として、その時点においての支出はどのくらいと想定されておりますか。
  23. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 現在線におきます昭和三十八年度の決算は、まだ正確な決算はもちろんできておりません。概略で恐縮でございますが、支出のうちに、いわゆる営業上の経費、それから東海道線だけの原価償却費、それから東海道線投資いたしました資本に対する利子と、こういった経費の合計が約六百七十億、これを引きますと、六百五十億というのが三十八年度時点におきます現在線の東海道線の純利益でございます。この六百五十億が、御承知のとおり、通勤輸送、北海道その他の赤字線の経営その他に回っておるわけでございます。これは御承知のとおりでございます。それに対しまして、昭和四十年度時点におきます新幹線収支でございますが、これは運賃は実ははっきりいたしております。御承知のとおり、現在線のままの運賃でございますが、はっきりいたしておりますが、料金がまだ正式に認可をいただいておりませんので、先ほど申しましたのは確定的な収入じゃございませんが、一応の私どものほうの試案といたしまして予算委員会あるいは運輸委員会等で御答弁いたしました、現在の運賃に対して約三割前後の増ということを前提といたしました上での収入をさっき申し上げたのでございますが、これに対します経費と、それから減価償却費利子——これはもちろん投資が三千八百億にふえたあと償却費利子でございますが、各経費が百三十億、減価償却費が百二十億、利子が二百七十億、合計いたしまして、ちょっと端数の関係で違っておるかもしれませんが、約五百二十億前後になっております。したがいまして、その差がちょうど三百億前後ということになっております。
  24. 河野謙三

    河野謙三君 国鉄の場合は、民間ベースでいろいろ収支計算すべきじゃございません。公共性のものでございますから、こういう計算はわれわれは民間ベース計算をすべきじゃないと思いますが、かりに大ざっぱに見て四千億の投資をすれば、資本利子だけでも一割と計算して四百億かかるわけですね。その他の人件費償却費等を見ますと、私は八百億ぐらいで黒字が出るわけはないと思います。出なくても、私はそれを出さなきゃいかぬと言うのではないのですよ。われわれは、新幹線が通ることによって、新幹線は大きな黒字線であって、ここからかせぎ出した費用によって、またほかの公共投資に、いろいろ国鉄内部におけるところの公共性の強いものにどんどん投資をしていくんだ、こういうことにも期待があるのです。その期待もたいして持てないわけですね。そうすると、極端に言うと、何のことはない、道楽線ですよ。これは一般大衆の犠牲において道楽をやったというだけですよ。いま、われわれは、この新幹線については、責任をぼくらは分担しているわけです。自分で自分のつらにつばかけるようなわけでありますけれども、しいて言えば、道楽ですよ。これは道楽じゃないとおっしゃるけれども、だれが一体これを利益したかというのです。日本のだれが一体利益したのですか。日本の技術が世界一だということを誇ったというぐらいのことはあるでしょう。その前にこういう犠牲がある。鉄道の先輩がおるから言う。あなたたち先輩もっと考えなさい。たとえば——(「脱線だ」と呼ぶ者あり)脱線じゃない。たとえば——聞きなさい、こういう国鉄の先輩が、長年かかって品川と東京の間に、将来人口が増加する、その輸送緩和のために東京−品川間というのは確保してあったんじゃないですか。これを新幹線を通しちゃった。先輩が遠い将来のことを考えて東京−品川を確保しておいた。そこに新幹線を通してしまった。一体東京駅はどうしてこれを緩和するのです。それだけ考えたって、道楽じゃありませんか。どうするのです、それを。
  25. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) まず数字のほうの御説明ですが、先生から四十年度の分についてお尋ねがございましたので、四十年度から申し上げましたが、もちろん、御承知のとおり、新幹線でたとえば世銀から借りました金は、二十年の償還でございます。こういう長期の投資でございますので、もちろん開業後一年、二年ですぐ利潤がべらぼうに上がるということは考えられませんが、利子は、御承知のとおり、世銀が五分五厘、その他が——財政投融資その他がございますので、約七分弱でございますが、御承知のとおり、三千八百億を借りましても、大体年間利子が二百七、八十億というのは、それほどの計算の違いでございませんし、民間におかれましても、こういう長期の投資につきましては一割の高利でなさらないというふうに私は考えております。また、償却につきましては、御承知のとおり、土地については償却いたしませんし、レール並びに電線等につきましては、これは私どものほうでは、償却財産ではなしに、いわゆる取りかえ財産で、経費で落としておりますので、これも別になります。また利子年間百二、三十億くらいであって、それほど大きな間違いではないと思います。もちろん、昭和四十年度時点は、先ほど申し上げましたとおり、開業直後でございますので、わずかの三百億程度利益でございますが、これをたとえば昭和四十三年度時点において見ますとこれが約六百億にふえる、昭和四十五年度時点におきましてはこれが約九百億にふえるということに計算されます。これは、一応こういう計算の上で、三ヵ年半据え置いて二十年の世銀の償還ができるという計算をいたしましたわけでございまして、事柄の性格といたしまして、この企業自体としてきわめて損になるという費用ではないと——これはもちろん現在線と両方合計いたしました数字も申し上げてよろしゅうございますけれども、これはこまかくなるから省略いたしますが、現在線と双方総合的に考えましても、企業自体として、決して、何と申しますか、国民のお金をむだづかいするようなむだな企業ではないというふうに考えておりますが、そういった問題は一応別といたしましても、現在の東海道線のままでは全く、たとえばことしの秋の一体輸送をどうするかということを一つ考えましても、日本の経済が停とん状態にあるとはいいながら、貨物輸送年間五%前後ずつの増を示しておりますし、旅客輸送も御承知のとおりの混雑状態でございますので、やはり何とか東海道線を打開しなければいけないというのは、これはもう私がるる申し上げるまでもないことだというふうに考えます。  その次に、ただいま先生のおっしゃいました東京−品川間の用地の問題でございます。これはまさに先生のおっしゃったとおり、昔は何とか東京−品川の線増ということで残しておった土地でございますが、実は品川から先が全くない土地でございまして、御承知のとおり、新幹線は現在線の貨物線の上にダブル・デッキで線路をつくった程度の相当むずかしいことをやったほど土地のなかったときでございます。土地が確保されていなかったわけであります。東海道線の線路増設ということにつきましても、品川−横浜、あるいは横浜から先につきましては、ほとんどまだ手がついておらなかったようでございます。もちろん、だからと申しまして、先生のおっしゃるとおり、この附近の、ことに急激にふえます現在の湘南地帯通勤輸送の増加をどうするかということにつきましては、これは非常に大きな問題でございまして、もちろん新幹線だけでもってそのリアクションとして解決できる問題ではございませんので、これにつきましては御質問によってお答えするつもりでおりますが、また別な一つの考え方を持ちまして、新幹線の問題と離れて大きな計画を考えていきたいというふうに考えております。
  26. 河野謙三

    河野謙三君 考えてはおるんでしょうけれども、いまもう考える時代じゃなくて、具体的に案を示して、国民の大多数の利用者に対して、新幹線開通することによって輸送緩和はある程度はできるけれども、いわゆる名古屋、大阪東京を中心にするところの通勤者にはほとんどよき結果をもたらさないのだ、ついては、別途こういうふうな方法によって今後三年なり四年の間にこれらの方々にはこたえるという具体案が出なければいけませんよ。私は、いまの国鉄収入について、将来の見通しについて、それ自体を疑いませんよ。疑いませんけれども、私が先ほど道楽だと言ったのは、こういう気持がありますよ。いま新幹線開通してちっとも緩和しないのだということであるならば、四千億の金を、新幹線というものをやらないで、四千億の金を東京、名古屋、大阪の周辺の輸送力増強のために改良施設に使ったならば、四千億どころか、半分の二千億でも名目を一新して、私は輸送緩和できるのじゃないか。これは間違いですか。そういう気持ちは持ちますよ。それを四千億も新幹線に使って、輸送緩和したというならいいですよ。全部じゃなくても、五割方緩和したとか六割方緩和したとかいうならいいですよ。四千億の半分の二千億をこれらの地区に使ったって、輸送はもうちょっと緩和しますよ。具体的に申しましょうか。私は地元だから一番詳しい。桜木町から大船までやるのに、いまごろ何してるんです。まだ根岸まで開通するとかしないとか言っておるでしょう。あれを早く開通して幾らかかります。そんなものはけた違いでしょう。それをさらに大船からもっと藤沢から小田原まで伸ばすということが長年あなたのほうで問題になって、ちっとも、金があるとか金がないとかいっているけれども、私は金がないとは言わさない。これだけの金があるなら、何でもっと藤沢から小田原へもっと早く複複線に伸ばさないか。けた違いのわずかの金でできるじゃないですか。私は、政務次官、そういうことを思うのですよ。私は新幹線が何もかもいけないと言うんじゃない。新幹線ができて、一方こっちも緩和したというなら、私はそれで満点だと思う。一部でもいいですよ。この東京なり、名古屋、大阪周辺の定期通勤者ですね、これには影響がほとんどないくらいのものじゃないですか。だけれども、できちゃったことはしかたがない。われわれはこれじゃ道楽だと言うけれども、世間に向かってわれわれは道楽をやらしたとは言えませんよ。われわれもあなたたちと責任を分担するのですよ。でありますから、東海道なら東海道、名古屋なり大阪なり東京周辺の通勤者に対して輸送緩和をしてこたえるという具体案をこの時期に出さなくて、いつ出せると、こう言うのです。また出せないなんてばかなことはないですよ。そうじゃないですか。
  27. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) まあ東海道新幹線説明は、私から申し上げるのはなんでございますから、差し控えますが、いまの先生のおっしゃいました湘南地帯通勤客の増加の問題、これは確かに私どもが数年前に第二次五ヵ年計画を立てましたときよりも異常な伸びでございます。これは、御承知のとおり、国鉄としてはもちろんいかんともしがたい。たとえば、団地一つとりましても、一つの団地で数千名の通勤者が出る。この団地をつくる際に、私どもが異議を差しはさむことはできませんし、輸送を無視してたとえば団地ができたとしても、そのお客さんが鉄道に殺到される場合に、何としてもお送りしなければならぬ。先ほど先生がおっしゃったとおり、通勤着でございますので、どうしてもある一定の時間に東京へ行きたいということになりますので、結局七時から九時あるいは七時半から九時半まで東京着の時間はどなたも一番大切にされる時間でございます。ところが、一方物理的に、現在の人口あるいは列車のスピード等ではああいった十五両の超大編成の列車は五分間隔以内には走らすわけにいかないということになりますれば、五分間隔で一時間に十二本以上走れないというのは当然でございます。これ以上走らせては、これはほんとうに危険が起こるということになりますので、現在ほとんど五分ヘッドでダイヤを進めておるわけであります。今度新幹線ができまして、これでたまたま八時と九時に入っております二本の急行列車がどきますので、やっとそこに無理して三本の列車を入れるということでございまして、東京駅に大事に着くことの必要な九時前後の時間というのはほんとに物理的にダイヤに余裕がないわけでございます。これは、先生のおっしゃったとおり、全然別な一線をつくるかしなければいけないのでございます。  根岸線のお話がございましたが、私どもといたしましては、もちろん、先生のおっしゃったとおり、この新幹線に過去数年間国鉄の金の使い方が集中したことは事実でございまして、これは過般の国会におきましても種々おしかりを受けたことでございますが、今後といたしましては、一応新幹線がこれで一段落したわけでございまして、メイン・パイプとしての東海道線はこれで一応形ができた。これからはいよいよ、ローカルの通勤輸送なり、あるいは東海道線輸送の問題に入るわけでございます。先生がどういう考え方を持っているかというふうにおっしゃいますれば、私はまだ正式な私のほうの意見をきめたものではございませんが、私ども持っておりますいわゆる湘南地帯あるいは東京の西南部に対する国鉄輸送の今後の計画というものは実はないわけではございませんので、それを申し上げたいと思いますが、それがはたして先生のおっしゃった具体案に当たるかどうかは別といたしまして、私はそれを三つの点から考えております。  一つは、先生のいまおっしゃったように、現在の湘南地帯、ことに平塚、茅ケ崎、藤沢、あの地帯の急激な発達は、中央線で経験いたしましたような非常な通勤密度が、今度は東海道線に移るということは、はっきり目に見えてきたわけでございます。したがって、私どもの考えといたしましては、平塚と国府津間の複々線化、これはきわめてやさしいことでございます。これは一応別といたしまして、平塚付近から東京までもう一本第二の東海道線を引かなければならない。これが通る経路その他いろいろ問題がございます。あるいは現在線の上にダブル・デッキでつくることも考えられないこともございませんでしょうし、あるいはまたほかの土地を通ることもいろいろ考えられますが、これを何とか無理して東京駅付近に入れるということを考えまして千五百億くらいの金がかかります。それからそのほかに、ただいまお話しの根岸線でございますが、これもいままで建設がおくれましたことは、建設審議会その他の関係、あるいは建設費等の関係等もございますので、私どもだけが非常に怠慢だったとは実は考えておりませんが、もちろんいろいろな理由から、やっと根岸まではきわめて近日中に、来月開業することになっております。これを大船まで延ばすか、これを北鎌倉まで入れるか、藤沢まで入れるかなどの問題一つつかまえましても、非常に政治的にむずかしい問題でございますので、私ども事務的に考えますと、横須賀線というものを何とかこの根岸線に乗せてしまいたい。現在一番困っております横浜大船間の湘南地帯からの輸送緩和をするために、ある程度横須賀線をどけたいという気持があります。これをどける方法としては、どうしても横須賀線をある部分根岸線に回しまして、ことに横須賀線の三浦半島から出てくるお客さんが、相当横浜でおりるお客さんが多いわけです。横須賀線ラッシュアワーでも、横浜で三分の一近く下車されるわけでございます。このお客さんを根岸線に回して東海道線をあけるということによって、三浦半島のお客さんは大体いまの東海道を通らないで横浜まで行ってもらうということが一つ考えられるわけでございます。これはもちろん、建設審議会その他の関係もございまして、私が事務的に考えているほど簡単ではございませんが、そういう方法によってひとつ東海道線をあかして、東海道線に何とかもっと湘南の列車を入れるということがその一つの考え方でございます。  さらにもう一つの考え方は、これも御承知かと思いますが、武蔵野線という線が建設中でございまして、これは東海道、東北、常磐と直結する東京の第二環状線と申しますか、いまの山手線の完全に外側を回ります第二環状線でございます。これができますと、東京の南から東京の北へ行く方が、現在全部東京市内を通っておられるわけでございます。もちろん東京市内の私のほうの輸送機関に乗っておりますが、この方々を東京の手前からぐるっと東京の環状線を回って北に持っていくということによりまして、相当東京市内に着発するお客さんが減るということも考えられるわけでございます。  したがって、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように、第二東海道線をどういう形でいつから引くかということが第一。第二は、根岸線と横須賀線関係をどう考えるか、これが第二。第三は、武蔵野線と横浜以南の輸送をどう脈絡をつけるか。この三つの大きな柱によって、ただいまの先生のおしかりには大体こたえ得るというように考えております。いずれも非常にばく大な金額を要しますので、私どもといたしましては、いまいろいろ都市交通の問題の一環として調査をいたしておりますが、来年度から始まります第三次の長期計画には何とかこれの一部でも織り込んでまいりたいというふうに考えております。
  28. 河野謙三

    河野謙三君 いろいろわれわれが一々うなずける構想をお持ちのようですが、これをひとつ次回までに資料として、いまお話のあった横須賀線の問題、武蔵野線の問題、その他資料としてひとつ、かようなことを考えておる、またもっと具体的に、かようなことを考え、かようなことをいつから実施しようと思っておるということをお出しいただきたいと思います。私は、磯崎さん、あなたの人柄を疑うわけじゃない。あなたを疑うわけじゃないけれども、いまの東京だけじゃありませんよ。大阪でも、名古屋でも、同様にそういう構想を持っておられると思う。それもあわせて資料としてお出し願いたい。あなたを疑うわけじゃないけれども、私はこの輸送の混雑に対してあなたのほうに誠意がないと思う。私は現在だってまだやりようがあると思う。また、あなたは非公式にお話しましたけれども東海道線通勤時にあれだけ混雑しておるのに、東海道を通って日光に行く列車が走っているでしょう。見ればがらがらで乗ってはいませんよ。あれ一本抜いて通勤列車にかえただけだって、たいへん緩和しますよ。ほんとうに真剣に考えておるならば、われわれが言わなくても、あなたのほうは統計がちゃんと出ておるはずだ。ことに日光線というものは利用度が低いのでしょう。がらがらですよ。しかも、大事なときに走っていますよ、時間の。ああいうものを一つ考えても、ほんとうにはたして国鉄の人が、通勤者に対してどうしたら緩和できるか、どうしたら緩和さしてやるかという熱意を疑わざるを得ないのです。ダイヤだってもっと組み方がありますよ、私に言わせれば。大阪や名古屋またしかりです。これを具体的に私は出していただきたいと思います。  同時に、私はもう一つお尋ねする。いまやっておる改良工事だって、ぼつぼつやっておりますが、あまりおそ過ぎるじゃないですか。何で三十八年度の工事は三十八年度に終わるようにしないのですか。金はあっても、その金を使えないで三十九年度に繰り越す。三十九年度の予算はまた四十年度に繰り越す。一方毎日押すな押すなで犠牲者が出ておるというときに、金がないじゃなくて、金が余ってその年次に使えないということもある。私は疑いたくないけれども、今度新幹線が通る、その法律ができるようですが、罰則規定がありますが、あの罰則規定と並行して、新幹線の土手のところに全部さくをつくるということで、この間非公式に聞きますと、十五億かかる。十五億なんという予算新幹線にありませんよ。その金はどこからか融通したのでしょう。その融通した金は、どこかの改良工事の金が融通されなければお金の出どころがないのです。何で、そういう新幹線のさくをやるために十五億の金を使うなら、堂々と予算をとってやらないか。大事な一日を争っている改良工事の金をこっちに回さなければやることができないですか。私は鉄道のことは詳しくないけれども、その十五億の金は一体どこから出てくるのでしょうか。
  29. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 先ほど申し上げました東京の西南地区の輸送の改良の件は、冒頭に私がお断わり申し上げましたとおり、まだ私のほうで具体的に、何といいますか、検討して決定したものでなしに、私どもの一つのビジョンでございまして、こういうことをいたずらに発表いたしますと、すぐ土地の問題と結びつけられまして、非常に地元にいろいろ問題を起こしますので、正式に資料として提出することはひとつごかんべん願いたい。その点は冒頭に私お断わりして、私の考え方はこういう考え方というふうに申し上げたのでございまして、書いたものといたしまして外に出ますと、非常にこれがまたいろいろな意味で政治的にも、たとえば根津線の問題一つとりましても、これをどこに結ぶかということだけで私どもは非常に頭を悩ますほど幾多の問題がありますし、まして第二東海道線の問題等につきましては、それがどこを通るかということだけでもって非常に大きな社会問題にもなりますので、もうしばらく私どもの案が具体化するまでひとつごかんべんを願いたいというふうに考えるわけであります。  また、新幹線につきましていろいろおしかりを受けましたが、この点につきましては、前総裁が退任いたす際にいろいろ問題になりましたので、よく御承知かと思いますが、年度途中におきまして非常に大きな予算の不足を来たしたことは事実でございます。全体で約八百億以上の不足になりまして、それを昭和三十八年度の第一次補正、第二次補正と二度にわたって国会によって補正をしていただきましてやっと今日の段階にきたわけでありまして、その間一時いまお尋ねの金などにつきまして一般の改良費から流用したことは事実でございます。これは一応国会に御説明をいたしまして、やむを得ないということでその補正をお願いいたしまして、その補正でもってあと始末をさせていただいた。また、補正のできない点につきましては、車両の民有化等の措置によりまして一応手当てはしてまいったわけでありまして、これらにつきましては、重々私どもの見通しが悪かった点はおわびを申し上げなければならないというふうに思っておりますが、現段階におきましては、これがそう大きな影響を今後よその改良工事に及ぼすということはないというふうに考えております。
  30. 河野謙三

    河野謙三君 私は、まあ予測せざる事態によって罰則規定もつくらなければいけない。したがって、それに対処するために、土手に高さ二メートルですか、それにネズミ返しをつけてさくをやらなければならない。これは正当な理由があると思う。そういうものを何で流用だなんということをやってこの金のやりくりをしなければならないのか、私は疑う。堂々と要求されたらいいと思う。しかも、それを流用されて、改良工事の金をそっちに持っていかれて、持っていかれたほうはどれだけ被害があるか、この資料は私は出せると思う。十五億はどこから流用されたか、その明細はいただけますか。
  31. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 十五億につきましては、過般御説明いたしましたが、昨年の秋以来いろいろ突発的な事故が起こりますし、国鉄におきましても思いがけないようないろいろな事件が起こりますので、私どもといたしましては、当初八百七十億の予算要求をいたしましたときに、それは含んでおらなかった。それ以外のものは全部、予算の見積もりの不足、ことに用地費の不足等につきましては、十分検討いたしまして八百七十億に入れたわけでありますが、ただ、いまのさくがきだけは、実はこれをやろうと決意いたしましたのは昭和三十八年の暮れからあとのことでございます。そうして、しかも非常に緊急を要しますので、一般改良費から流用いたしましたが、これは先生承知のとおり、また予算委員会でも何べんも各先生方からも御質問がありましたとおり、ことし——三十九年度、すなわち一昨日成立いたしました三十九年度の予算におきまして四百億の債務負担行為をつけていただいたのであります。この四百億の債務負担行為は、従来私ども債務負担行為約八百億でありました。それに四百億を足しまして、三十九年度では特にそういった予測せざる事態のために四百億の非常に膨大な債務負担行為をつけていただきまして、さらにそれにつきまして優先的に補正予算を組んでやろうという、こういう政府部内のわれわれに対するきわめて御同情のあるお話もいただいておりますので、その中の一部としてまかないたいというふうに考えております。
  32. 河野謙三

    河野謙三君 先ほどの御答弁関係ですがね。第二東海道の問題とかその他いまビジョンの段階であって、政治的に非常に影響が大きいからまだ文書で発表ができないということですが、文書でなくてもいいですよ、より具体的にやってもらえば。私はそういうことについては政治的に答えなくてはいけないと思う。新幹線開通いたしましても、たびたび申し上げるように、東海道輸送は何も緩和しない。いまあなたたちは緩和されるであろうと言うのですが、東海道から新幹線に移っていく人間なんというものは幾らもありませんよ。この半年の間にもっともっと東京大阪、名古屋をはじめとして通勤者がふえますよ。この増加率のほうがもっと高いと思う。もっと混雑しますよ。ですから、この新幹線開通以前において、この次はこれをやるのだ、しかも二年間、三年間の間にこれをやるのだということを発表すること自体が政治的だと思う。そういうものを発表もしない、考えてはいるけれども、いつのことかわからない——そういうことはぼくはちょっと感覚が違うのですがね。横浜東京間ですか、大船横浜間ですか、さっきの二十一万五千、これは新幹線と何も関係はないのですから——極端に言えばですよ。あってもごく一部でしょう。ほとんど新幹線にこの人たちは関係はないでしょう。そうでしょう。これが名古屋にも大阪にもこういうものがあるのです。それはひどいじゃないですか。それにあなたがこたえる道をいまから考えなければいけないということを私は言っておるのですよ。
  33. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 先生のおっしゃることはよくわかりますが、二十一万五千の人間が新幹線関係ないということはございません。二十一万五千の中には、現在特急、急行、準急の利用者約四万人を含んでおります。したがって、これらのうちの東京大阪間の特急は全部廃止いたしますので、そのお客は当然向こうへもちろん移るわけです。こういう二十一万五千は、先ほど申し上げましたとおり、定期客ではございませんので、この中に特急、急行、普通客が入っておりまして、約四万入っておるわけであります。それは関係ないわけではございません。その点私の御説明があるいは足りなかったかもしれません。  それから、先ほどのビジョンの問題でございますが、実は先ほど私がこういういうふうに申し上げましたのは、過般も大臣、政務次官から御答弁申し上げましたとおり、国鉄のこういった全般的な問題を調査検討する機関を政府部内に今月早々つくっていただくことになっております。そこにおきまして、東京付近の問題だけでなくて、全国的な、たとえば東北なら東北のいろいろ御主張もありましょう。北陸もいろいろありましょう。やはり皆さん東海道新幹線に非常に迷惑を受けたという感じを持っておられるのは事実であります。そういった意味で、やっと東海道新幹線ができましたので、今後それ以外の地区につきましては、こういうふうにいたすという全般的な構想をつくりまして、その委員会にかけまして、できればことしの夏までにそれを世間に公にいたしたいというふうに思っておるわけでありまして、いまここでごくその一部だけを公にいたしますことは、ほかの地域との問題もございますから、いろいろな角度から総合的に検討いたしております。でございますので、さいぜんああいう御答弁を申し上げたわけであります。決してそれをいつ発表するかわからぬということではなしに、大体私どもといたしましては、四月以降三ヵ月くらいの間でそれをまとめまして、私どもだけの案としてでなしに、政府のそういった委員会、あるいは私のほうに、国会の決議でおつくりになりました諮問委員会というものがありまして、この諮問委員会などにもいろいろおはかりいたしまして外にお出しするのが順序ではないかと考えておるのでございまして、この段階で公にすることは差し控えたいと考えておるのであります。
  34. 河野謙三

    河野謙三君 私は二十一万全部とは思わぬ。一部分関係のある人はあるだろうと思いますが、それは四万であるか、三万であるか、私はわかりません。いずれにしても、急行で通る人だって、それは幾らでもありませんよ。通勤着だけで七五%ある。そのほかにこの近郊一般の住宅があるが、この人たちがみんな関係ないでしょう。大阪もまたしかり。名古屋もまたしかり。でありますから、これは国民全体に答えて私は差しつかえない問題だと思う。それを何も答えないというのはいけませんよ。私は、それぞれの手順を踏んで——鉄道審議会やいろいろある、それは手順を踏まなければいかぬでしょう。また、あなたたちがあまり先走って発表してはいかぬ場合もあるでしょう。でありますから、それは手順に従わなければいけないけれども、しかし、文書でなくても、非公式でも、きょうお答えいたしましたことをもう少し肉づけして、次の機会に御答弁いただくことはできるでしょう。場合によったら、国鉄総裁としてでなく、学識経験者磯崎何がしでできるじゃないですか。そのくらいのことをしなければ私はだめだと思うのですよ。そうじゃないですか、できませんかそれは。
  35. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 運輸省の御当局とも十分御相談申し上げますが、私個人として申し上げる立場でもございませんので、いまの段階ではまだ時期が早いような気がいたしますので、もうしばらく考えさしていただきたい。御説明は申し上げますが、やはりいろいろこういう問題は土地の価格などにもすぐ響きますから、いろいろ問題がございますので、どうかもうしばらく全国的な規模のああいったことまで手順ができるまでお待ちいただきたいと思います。説明の足りない点は、私の考えている限りのことはもっと幾らでも申し上げますが、そういう意味でひとつ御容赦を願いたいと思うわけであります。
  36. 河野謙三

    河野謙三君 くどいようですけれどもね、第二東海道とか、そういう問題は別ですよ。たとえば複々線をもっと小田原まで延ばすとか、桜大線の工事をもっと早めようという努力をするとか、そういうことはできるでしょう。できることでいいですよ。できることで、もう少し具体的に、この次の機会に私はお答え願わなければいかぬ。名古屋も大阪も同様ですよ。私はたまたまここの事情を知っておるから、具体的にここの事情を申し上げておる。私は何も東京近郊だけ言っているのでない。神奈川だけを言っているのでない。そんなけちくさいことを私は聞いているのでない。それはできるでしょう。
  37. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) もちろん、私どもの考えております中に、すでにいままでの計画の中に入っているものの継続的なものもございますけれども、また今度新しく取り上げるものもいろいろございます。したがいまして、いままでの第二次五ヵ年計画でつくり上げたものの中で、それがずっとあとまで響く工事、たとえばいま御指摘の小田原−平塚間の線路のごときは、これはすでに前からの話でございまして、こういうものはもうすでに世間に公表をしたものでございますので、申し上げられますが、主として今後新幹線開通を機としてやるのは新しい仕事が大部分であると思います。たとえば根岸線の問題を一つとりましても、来年度幾ら予算を、金を入れるかということは、決して国鉄限りできめられることでないことは、御承知のとおり。建設審議会にはからなければ、予算のことについても私どもは申し上げられない立場であります。ことに、建設公団ができまして、主管があちらに変わりましたので、私どもとしては、ただなるべく早くつくってほしいという御希望は申し上げられますが、幾らの金をどういうふうに入れるかということまで私の立場で申し上げることは、少し組織のたてまえから行き過ぎであろうと思います。いずれにいたしましても、そういう希望が強ければ、まだ私の御答弁でたいへん御不満のようでございますので、もう少し私もいろいろ考え方をまとめまして、いずれ機会を待ちまして御説明させていただきたいと思います。
  38. 河野謙三

    河野謙三君 最後に、私は政務次官にひとつこの機会に、御答弁をいただこうと思いませんけれども、お聞きのように、新幹線開通いたしましても、大都市周辺の通勤者にはほとんどよき影響がないのですよ。ところが、それじゃこれから改良工事その他をやって一、二年の間に今度は大都市周辺の輸送緩和をやるのだという具体的なお答えもいまいただけない。のみならず、先ほど申し上げたように、具体的の方策が立てたくも立てられないというようなふうにさえもわれわれしろうとには思えることは、品川−東京間というものが詰まっちゃうのですよ、新幹線で。もぐらのように地下にもぐらなければいかぬわけですよ。まさか品川から東京まで地下鉄を敷くわけにいかぬでしょう、われわれしろうとですけれども。そういうふうなんで、新幹線のために——何といっても、日本の国は東京中心です。品川まで来て、品川から先は入りようがないとおっしゃっているけれども、そしてあれをやる、これをやるとおっしゃっても、どうも私たちはもう二度と再び運輸省の言うとおりに、国鉄の言うとおりに、これはうのみにできないのですよ。でありますから、国鉄がいろいろ言われますけれども、同時に運輸省においては、政府全般の責任において、大都市周辺の輸送緩和は将来どうするか。これは政府間の連絡が少し悪過ぎると思う。先ほど磯崎さんの話があったが、私の隣の茅ケ崎に新しいおそろしい団地ができておりますよ。一ペんに二万か三万人口がふえるような団地ができております。しかも、それだけじゃない。そういう団地が神奈川県の各地に計画されております。土地の買収にも入っているわけです。首都圏整備委員会とか、いろいろいうけれども、それはそれでやっているのかしらぬけれども、少なくともここらにそれだけの人口がふえれば、必ず東京に結びつく。その場合、国鉄にかかってくる。ところが、国鉄の現状はいまのような状態で、しかも将来に何も明るい具体策がない、どうするのだということなんです。これらはひとつ次回に、運輸省といたしましても、国鉄の監督官庁として、名古屋、東京大阪、この周辺においてどういう一体今後三年なり五年の間に輸送緩和のためにこたえようとするのか、国鉄総裁としては具体的にあまりものが言えないというなら、運輸省としては、少なくとも国家百年の計として、輸送関係を担当しておる運輸省は具体的な答えをいただかなければ、私は困ると思う。これは私は、次回までよく御相談なさって御答弁いただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ほかに何か御質問もあるようでありますから、私はこれで終わります。
  39. 大倉精一

    ○大倉精一君 今度は、だいぶ国鉄が責められておったようですけれども、別の観点で、あるいは国鉄さんのほうに今度は味方をするようになるかもしれませんけれども、都市交通、通勤輸送というのは、これは国鉄だけの責任を責めたって私はできぬと思うのです。きょうは大臣もおいでにならぬから突っ込んだ質問はできませんけれども、要するに、都心に集まってくるようなことをどんどん計画してつくっておいて、そしてこれをみんな運べといっても、これは無理ですよ。いま河野さんが言われたように、団地をどんどんつくる。しかし、団地からこちらへ運んでくる手段は何も考えていない。あるいは、さらに逆に都心に集まってくるようなものを都心につくる。これは通産省かもしれませんけれども、たとえば、いつか私は民衆駅のことを言ったことがありますけれども、たださえ通勤輸送なり都市交通の窮屈なときに、その駅の二階にデパートをつくってみたり、そういうぐあいに人間が集まってくるような施設をどんどんつくる。そして、集まった人間のほうは、郊外にいまのようなものをつくって、向こうから運ぶ。そういうようなことを総合的に解決しなければならぬと思うのですけれども、これは政務次官どうですか、政府で何か総合的に解決するような機関を持っておりますか、相談する場所を持っておりますか。
  40. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) いま内閣に、交通基本問題調査会、こういう機関を持っております。大倉先生の御質問につきまして、私どもやはり運輸省としましても、先ほど河野先生からお話がございました、たとえば都市交通のいわゆる五ヵ年、十ヵ年の計画を十分この際樹立しなければ大都会の交通はふん詰まりになることはもう明らかでございまして、この問題につきまして、建設省、また運輸省、それから国鉄、あらゆる関係省が、これはもう基本的にこの問題を抜本的に話し合って、そして対策を講じなくちゃならぬということで、いま実はやっておるわけでございます。それから、先ほど国鉄輸送の問題もございましたけれども、これも国鉄の基本問題調査会というものが現在つくられまして、七月にはやはりこの基本計画を立てるということになっております。私どもは、これは言うだけではなくて、実際にこれを行なわなければ何にもならぬわけでございまして、実は運輸省としましても、早急にこの結論を出したいということで、大臣自身も真剣にこれに取り組んでおりますので、ぜひひとつその点を御了承していただきたいと、かように考えております。
  41. 大倉精一

    ○大倉精一君 その交通基本問題調査会ですか、何か新しいのができましたね。あれは何回ぐらい会合が開かれておりますか、一ヵ月に。
  42. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) 実はこまかい内容はよくわかりませんので、次回までによく調べましてお答えいたします。
  43. 大倉精一

    ○大倉精一君 政務次官が知らぬようですから、何もやっておらぬと思う。しかし、これは昔都市交通が問題になったときに、この委員会等でいろいろ審議をし、質疑もしましたが、そのときに内閣に交通対策本部というものをつくった。つくったけれども、結果においては何にもやっていない。おそらく、右折禁止とか、トラック制限以外に、何にもやっていない。それから交通関係閣僚懇談会をつくりましたね、経済関係ですか。これもやはり国会答弁用につくられたので、何もやっていない。今度何とか新しいのをつくったということですけれども、これは私はおそらく期待はできないと思う。これはきょうは入口でやめますけれども 一ぺん関係大臣にずらっと来てもらってやろうと思うのです。これはいろいろ考え方ありますよ。いまの線路の上にダブルベットをつくったって——ああいうこともちょっとありますよ。川に空間をあける必要ないじゃないかということでやっております。あるいはまた、さっきの団地の問題でも、どんどんどんどん高層建築が建って、こういう場合に何階以上は住宅にする、この場合にはこういう補助金出す、こういうふうにもできるでしょう。人間を都内に住まわせるということも考えなくてはならぬ。こういうものは、運ぶものをたくさんつくるということも考えなければならぬが、運ばなくてもいいようにも考えなくてはならぬ。さらにまた、私は、都市交通の問題につきましても、都心に大きな駐車場は無用の長物だと思う。都心に大きな駐車場をつくるのは、そこに自動車を誘発する以外の何ものでもない。三越に行けば駐車場がないから不便に思った。不便だけれども、自家用車が不便なのであって、通勤——地下鉄とか、何も不便じゃない。あそこに大きな駐車場をつくれば、郊外の有閑マダムが口紅一本買うのに自動車を乗り回す。そういう流れをどうするかということが都市交通であって、都心にトラックをとめておくということを考えるのが都市交通ではない。そういうことを一ぺん、これは委員長、ある機会にずらっと関係大臣にここに来てもらって、総理大臣も来てもらって、やろうじゃないですか。そういう提案をします。
  44. 岡三郎

    ○岡三郎君 これは私具体的に磯崎さんに聞きたいのだが、この前ちょっと関係者に聞いたところが、無理だと言われた。それは、東海道線をずっと来るでしょう、急行は大船にとまるのです、小田原出てから。せめてもラッシュ時の輸送緩和するために、大船から急行に一般通勤客が乗れるようにできないかと言ったら、それは急行料金の問題等でできないと、こういうふうに言われたが、しかし、実際にあそこで混雑している状況を見ると、汽車が通るたびに乗せないわけですよ。乗れるスペースがかなりあるのに、乗せない。だから、それができぬかと——緊急輸送みたいな形になりますが、それができぬとするならば、私は、一番混雑する時期にそこを通過する急行列車あるいは準急ですね、これについては、大船なり、小田原はちょっと無理でしょうから、大阪から出るもの、あるいは名古屋から出るものその他西から出て東京に来るものについては、行く先を東京ということにしないで、大船ということにして、急行の行先を。大船に来たらば、急行というものの性格を変えて、そこから東京なら東京まで一般の乗客も乗せる、そうすればこれはうそになりませんから。だから、着駅を、東京まで行くのだけれども、急行の着駅は大船ということにして、それから東京までは普通の形で運んでも、横浜にとまって、あと川崎にとまるかどうかは別にしても、品川にとまるわけですから、あとのとまる駅は変化がないわけです。何とかそういうことはできぬかと言ったところが、できぬ——あとの話は、大船に一応急行がとまるという形はいま初めて言ったわけですが、こういうことちょっと検討できませんか。基本的な大きな構想は別として、とにかく着々ふえておる問題についてこれを緩和するためにも、むずかしいことですかな。
  45. 大倉精一

    ○大倉精一君 ちょっと答弁される前に、委員長、いま提案したことを理事会で一ぺんはかってください。できなければできないでいいですけれども関係大臣ずらっと並べて……。それを一ぺん理事会にはかるということを確認してください。
  46. 米田正文

    委員長米田正文君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  47. 米田正文

    委員長米田正文君) では速記を始めて。
  48. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ただいまの岡先生のお話、実は私どもの多年の懸案の一つでございまして、それを一つの解決する方法といたしまして、現在東京には朝八時から九時までの間には一本も急行を着けないようにしておるわけです。と申しますのは、やはり通勤者第一でございまして、長距離客は五分、十分を争わないということで、ただいまは、「安芸」という汽車が八時に着きましてから大阪発の「彗星」が九時に着くまで、全然東京駅には急行が一本も着いておりません。九時から九時半まで、九時半にまた博多発特急が着きますが、それまで急行は全然着けておりません。そういうふうに、朝のラッシュ時間帯は急行を全然入れないということを実は第一にしております。その次に、先生のおっしゃったような便法も考えて、たとえばダイヤが乱れたときには当然そういうことになると思いますが、常時になりますと、一番問題は、やはり長距離客は非常に荷物が多いわけであります。通勤客がどっと乗りますと、事故の際でもやはりときどき荷物などの間違いがありまして、長距離客のほうで寝ぼけ眼で起き上ったところで、そこでいろいろごたごたが起こるということもございますし、それから最近は、御承知のように、二等寝台専用の列車を実はだいぶつくっておりまして、あの二等寝台列車は片側が廊下になっております。通路が片側だけになっております。その片側だけに人がたくさん入るということは車のバランスがこわれますので、過般も、年末に輸送力がなくなったときに、寝台車にお客さんを乗せるか乗せないかで、ずいぶん議論しました。一ぺんテストをいたしましたけれども、多少やはり、片側通路が満員になりますと、車が傾きますので、運転上も少し危険だというようなこともございまして、それじゃなるべくもういい時間帯には急行列車を入れることはやめようということで、いま先ほど申しましたようなダイヤを組んでおります。今度新幹線ができますと、この二つとも大体なくなる予定になっておりますので、完全に七時半から九時半までは通勤専門の時間帯ということに相なると思います。それでも実は三本しか列車が入らないわけであります。そういうことをいたしまして、なるべく速度の違う列車を同じ時間帯に入れない。それから、やはり通勤者と長距離客とをまぜないという方針にやっております。先ほど先生のおっしゃったことをもう一ぺん考えてみたいと思いますが、実は一ぺん研究いたしまして、結局どうもむずかしいということで一応結論を出したわけでございますが、考え方としては一ぺん考えたことがあるわけでございます。
  49. 岡三郎

    ○岡三郎君 その点については、そういうふうな声が現実の中にあったので、いまも申し上げたのですが、先ほどの話の中で、根岸線の開通がおくれてきたのは、土地の問題がかなり関係してきているわけで、いままで苦労してきたのがようやく五月開通される。根岸までではやはり中途はんぱなんですね。生きてこないわけですよ。こっちから行くものだけで、向こうからの肝心なところがだめなんです。大きな構想として、横須賀線を乗せるという案もいいのですけれども、それはそれとして、一応あれは桜大線という構想でできたわけですから、一応あれを早くひとつ、大船なら大船に結びつけていかれるのか、北鎌倉に結びつけられるのか、いずれにしてもあの線は鉄道建設公団でやることになるでしょうと思いますが、しかし従来国鉄がこれを考えていたわけですから、これをひとつ急速に軌道に乗せていただかなければ、あの線はせっかくつくられたけれども、大きく生きてこないと思う。だから、この点をもう少ししっかりしてもらいたいということと、もう一つ横浜線ですね。横浜線の複線化ということが要望されているわけです。特に、今回東急があの横浜線の港北地区にどえらい計画を持った団地造成をやっておるわけですから、相模原のほうも猛烈なる発展を今後予測されているわけです。そうすると、どうしてもまず着手するのは、東神奈川から八王子までとは言わんです。途中のとにかく混雑してきたところをまず複線化して、それを漸次延長してもらいたいということになると思うのですが、これも横浜市としても、まあ債券をこれは何とかしてでも敷かなければいかんじゃないか、こういうことを言っておりますので、これを軌道に乗せてもらえば、その利子補給等を自治体として財政が苦しくとも何とかしなければならぬ、こういう気運にきておりますから、この点を早急にひとつ計画に乗せてもらいたいと思うのですが、この点ひとつ。
  50. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) ただいまの御質問の根岸線につきましては、私ども全く同感でございまして、なるべく早くあれを横須賀線なり東海道線なりに結ばなければ意味がないのでありまして、結んだ際になるべく貨物輸送よりも旅客輸送重点にやっていきたいという考えをもちまして、発足したばかりの建設公団といろいろ話をいたしまして、できるだけ来年度はあそこに予算をよけいつけてもらえるようなわれわれとしては要求もいたしたいというふうに考えております。やはりあのままでは意味がございませんので、どうしても貫通させなければいかぬというように考えております。私どものいままで手がけてまいりました新線の中では、最もあれが効率の高い、しかも役に立つ線だという点は、全く同感でございます。  それから横浜線につきましては、おかげさまでだいぶ横浜市との話も進んでおりまして、できれば三十九年度中に一部でも利用債を持っていただきまして着手さしていただきたいというふうに考えております。よろしくひとつ御協力を願います。
  51. 岡三郎

    ○岡三郎君 いまの点は、受け入れ態勢はかなり熟していると思うのです。ただちゅうちょしているのが、どこに原因があるかわかりませんが、これはいま非常に急速に伸びておりますから、ですからその点はひとつやってもらいたいと思う。私は根本的に言って、先ほど言われたように、いろいろと緊急輸送の新しい事態が次々に起こっていますが、団地をどんどんつくったでしょう。当初は、学校も何も考えないで、やたらにこの団地をつくった。そのために、周辺の学校が、どっと子供がふえたために、すし詰め授業、二部授業という形で、何とかこれをこなさなければいかぬということで、てんてこ舞いです。それでやかましく言われて、ようやく団地をつくるときに学校というものも考えなければいかぬということになってきて、そういう検討がなされているけれども、まだまだ十分ではないのです。先ほどの基本的な問題も話が出ましたが、あまり都市の近郊が逆に便利になるというと、ますます人口の都市集中がくるわけです。といって、住んでる人の便利をはからなければ、それは困るわけです。ですから、結局、あとからあとから対策にもういとまがないという現状だろうと思うのです。そういう点で、特に学生がどんどんとラッシュに乗る、こういうことで、根本的にまず時差出勤をずいぶん言われているけれども、なかなかこれが行なわれない。時差出勤というものをもうちょっと基本的に——現状の緩和策として基本的な解決策じゃないとしても、時差出勤というものがほんとうに効率があげ得るような方向でもっと真剣に検討されなければならぬのじゃないか。それから、教育の問題についても、時間的に非常に効率をあげる場合に重要だ。こういう面については、やはり積極的に協力してもらって、このラッシュを避けるような方法というものができないものかどうか。いま大学等を近郊に移すとか、もう少し遠隔の地、静かな地に移すとか言われておりますけれども、東大の移転なんかを田中さんが言われるけれども、文部省は、そんなことはなかなかできないと、こんなことを言ってる。全く無責任時代だと思うのです。ですから、思いつきでぽんぽんと言っているけれども、実際そういうことが実行されない。官庁の都市の移転ということもずいぶん言われているけれども、実際には青写真の域を出ない。少しは進んでおるけれども、何が効果があったかといえば、土地の値上がりに拍車をかけたという、それだけの結果を生じておるわけだ。まことに遺憾しごくだと思うのですが、ここまで言えば、先ほどの基本問題に返るわけですけれども、ぜひひとつあのラッシュ緩和するために時差出勤というものが現状よりもよく処置ができないものかどうか、もうちょっと真剣に考えて、学校なり、あるいは会社なり、全般的にこういうものについて協力態勢を求めるような形の検討をぜひしてもらいたいと思うのです。そういうふうな応急便宜措置をとりつつ基本問題にいってもらわないと、とてもじゃないけれどもたいへんですね、ほんとうに。その点どうですかね。
  52. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 時差出勤の問題は、たいへん私から申しますことは申し上げにくいのでございますが、しかし現実にある短時間に多数の人を運ぶことは物理的に不可能でございます。いろいろ数年前から、会社、銀行あるいは学校等にお願いいたしまして、銀行は、御承知のように、銀行法の関係がございますので、なかなか時差出勤はむずかしいことでございますし、官庁におきましては、東京都あたりずいぶん前から協力していただいております。一般官庁も多少のやりくりはしていただいておりますが、なかなか根本的に変えるまでには至っておりません。会社のほうは、主として経団連に中心になっていただきまして、経団連の中の輸送部会のようなところにはかりまして、具体的にいろいろ経団連として自主的に時差出勤をするというような態勢に、実は昨年ごろから持ってまいっていただいております。やはり学校につきましては、いろいろ学校の中でも、私立あるいは都立等によりまして、また御都合もあるようでございまして、必ずしも私どものお願いのとおりにはまいっておりませんが、神田付近のように非常にある駅に学生のかたまる駅になりますと、やはり相当事情に精通しておられて、ぜひ協力してやろうという学校もぼつぼつ出てまいっております。一時三年前は全体で二十万くらいでございましたが、今年は大体四十五万くらい時差出勤していただいたというふうな数字になっております。何と申しましても、法律その他の裏づけは何もございません。私どもが一校心々あるいは一社々々回ってお願いをしている次第でございますから、何かこれをもう少し組織的なものにしたいと思いまして、実は過般も文教委員会にこの問題が出ましたので、総裁が出席いたしまして、ぜひということをお願いしてまいったのであります。私どももできるだけの努力をいたしたいと思います。やはり冬の前に、年がら年じゅう時差出勤をしないとまずいわけでありますから、そういう時期が来る前に、ちょうど新年度でもございまして、いい時期でありますから、何か閣議その他の席上でもう少し具体的なことを取り計らっていただきたいと、政府にもぼつぼつお願いいたしている次第でございまして、もう少し成案を得まして、具体的にお願いをいたしたいというふうに考えております。
  53. 岡三郎

    ○岡三郎君 いまの点についてやりにくい様子はよくわかりますが、やはりこの点については、事故が起こってからでは非常に困る、こういうことで、われわれ自体も積極的に協力する点があれば協力していきたいと思うのですが、根本的に言って、焼石に水ということばがありますが、輸送をつかさどっている者は、どういうふうに輸送人口が流れているのか、こういう計画が全然わからないで、ただ輸送々々と言われても、大倉委員が先ほど言われたように、なかなかむずかしいと思うのですが、根本的に言って、こういうふうに集団的な団地がどんどんできるということになった場合に、それに伴うところの輸送方法というものが具体的に計画の中に入らなければ、これは許可しないのだ、事故のもとになりますから。だから、単に建設省なり、住宅公団なり、その他私鉄のいわゆる建設会社がやるにしても、やはりそれには、どれだけの人口が収容されて、それがどういうふうな輸送の経路によって運ばれるのか、通勤するのか、そこまで計画を出して、それについてやはり運輸省として対応するところの方法というものを持たなければ、パンクすると思うのです、結局は。だから、こういう点についても、ひとつ法律的に検討せられるか、あるいはそれに対して十分運輸当局なり国鉄当局としては、やはり輸送について責任を持たれるわけですから、持つ限りにおいては、事前においてかなり適切な意見を述べて、そういうことを未然にある程度防ぐことができるようにしてもらいたいと思うのです。もっと根本的に言えば、運輸省自体としては、これは計画を進める問題としては、夜間になると東京のまん中は火が消えたようになって人がいないのです。丸の内かいわいはほとんど人がいないのです、夕方の七時、八時になると。みんな郊外に行ってしまうわけです。都心にげたばきの住宅をずいぶんつくっておりますけれども、そうではなくて、やはりそういう点について、通勤しなくても中央官庁に運べるような問題について運輸省が意見を率直に言えるように、総合的にひとつ考えて意見を具申してもらいたい。なまぬるいのです、実際問題として。そういう都心に住むのが空気が悪くていやだというなら、都心の空気をよくするためにどうするのかというと、ばい煙規制法とかいろいろやっておりますけれども、これが役に立っていない。ですから、そういうことについては、総合的に運輸省なり国鉄は責任を持つ。各方面に対してそういうものについて積極的に意見を具申して、そうしなければ責任が持てぬということで計画を進めてもらいたい。このことを要望して終わります。基本問題あとでやりますから。
  54. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は副総裁に工事についてのひとつ意見を聞かしてもらいたいと思うのです。  国鉄工事というものについて、まず第一は、踏切の立体化ということが進められておるけれども、どうも工事期間が長いのですね。一つは、川崎駅の東口から東芝、明治製菓のほうに出るところの地下道の拡張をやっているわけです。これが非常に長い。それで自動車が混雑して困っているわけです。川崎の市議会は、一体国鉄は何をやっているのだ、こういうことを川崎の市の理事者も市議会も言っているわけですよ。こういう点をどうやっておるかということをひとつあとで調べて報告してもらいたいし、いま一つは、河野さんの地元なんですが、平塚なんですよ。いまその平塚駅の地下道を掘っているわけです。ところが、行ってみると、仕事をやっているのはたまたまなんですね。穴を掘っちゃったら、ほとんどあと仕事をしていないのです。それじゃ全く一年たとうが二年たとうが仕事が進まぬわけです。工事請負する人は、請負には喜んで参加するかもしれぬが、穴を掘っちゃったらあと仕事しないというのは、困るわけです。ひとつ工事期間というものを、大体本線関係ならばどのくらい、工事量によってどのくらいならば完成ができるのかということを、私はやはりある程度規制をしなければ、これは国鉄に対する——国鉄が悪いんじゃなくても、国鉄に対する非難が出るのですよ。その点私は、よその省のことだけれども、運輸省、国鉄関係じゃなくて、建設省が、河野建設大臣が、道路の請負をさしても、長くかかるものは今度指名を取り消す、悪いところはやめさせる、こういうことを言っていることは、非常に私は参考になると思うのですよ。いいことはみんなでやったらいいと思う。何も運輸省や国鉄がのろのろやっている必要は私はないと思う、そういう意味で。これは私の見たところですよ。そういう非常に国鉄の工事というものは長期間かかるのだということは、私はやはりこの際直さなければいかぬと思うのですよ。それだけやはり金がかかるわけですね、投資をするのですから。経済効果をあげるには、投資したものをできるだけ早く効率的に運営できることが私どもとしては大事なことじゃないかと思う。そういう意味では、立体交差を進められることは、国の方針として私どもが進めておるわけですが、それが最も早く利用できて、そうして利用者人命の安全を、あるいは産業の発達に稗益できるように私はやってもらいたいと思う。こういう意味でいまの二つの例をあげましたが、ひとつお調べになって、どういうふうな規模でおやりになり、またそういうふうな考えを持っておるのか、ひとつこれはお聞かせいただきたいと思う。  それからいま一つは、先ほどの岡委員質問にありましたが、これはおそらく建設公団始まって第一号ではないかと思うのですが、桜木町−大船間の営業開始は。いま、五月十九日か営業開始をするということで、地元では一生懸命仕事をやっているわけですよ。ここについてひとつお尋ねしたい。これは鉄道建設公団が登記されたわけですね。そうすると、この場合に、有償か無償にするかということは、建設公団の法律審議の際にいろいろ御当局から御説明をいただきましたが、いずれにしても、営業開始をするということになった場合には、それが有償か無償かとにかくきまることになりますね。この場合、無償という場合は、権利は公団に残るということですか。それから有償の場合は、これは国鉄にいくのですから、国鉄の管理権というものがつく、国鉄の財産、こういうことになるのか、若干の問題点が残るような気がするのです。営業開始を横浜市は大体五月十九日というふうに——十六日だったか十九日というふうに言っておりました。そこで、この完成をして営業開始をするのは、公団がやるのですか、それとも国鉄がやるのですか、つまりそのけじめですね。それが、譲渡とか、無償とか、いろいろありますが、とにかくそういうときの公団と国鉄との問題はどう処置をされるのか、ひとつ聞いておきたい。  それから、これは営業開始をいたしますというと、横浜の場合は市電ですね、東京ならば都電ですから。いわゆる市内の軌道の電車との関係、あるいは市営バス、民間バスの路線ですね、これのいわゆる旅客の乗降の問題、これは非常に大事なことなんですね。バス停留場というものがつくってあります。ありますけれども国鉄のダイヤのつくり方いかんによっては、かなりやはり利用客の度合いが違ってくるわけです。特に桜木町−大船間の場合は、桜木町を起点としていま一番利用されると思うのは、関内とか、山元町ということになると、その場合に、バス路線の場合、そういうダイヤの問題を早く私は横浜市なら横浜市の交通局にやはり協力を求める、こういうのが、先ほどの混雑緩和とか時差出勤とかいうことが出ておりますが、その具体的な私は仕事だと思うのですよ。ですから、できれば五月十六日か十九日に開業するならば、ダイヤもできていると思いますから、そのダイヤを東鉄がやるのかどこがやるのか知りませんが、ひとつ参考資料に出してもらいたいと思う。そうしてできれば、私の申し上げたように、地方自治体としていわゆる横浜市の交通局あたりと、こういうダイヤ編成で、ラッシュ時間はこうなるのだということを説明して、通勤、通学についてひとつ協力方を要請してもらいたい、こう思うのです。  それから、有償か無償かというその問題に入った場合に、それがきまって国鉄営業開始をするということになると、高架線にした費用等の問題について、早急に、地元としてはこれだけの土地を提供しておるのですから、いままで権益を移譲されておるものもありますから、そういうものについて相談をしたいわけです。ですから、これについても、営業開始をするときには、そういう手続が私は終わるものと、こう思うのですが、よくわかりませんから、ひとつそういうことをお調べいただいて、御報告をいただきたいと、こう思う。第二次の磯子から大船までの問題については、岡委員の御指摘したとおりですが、私は前回委員会でも申し上げましたが、今日では湘南地帯旅客輸送というものは、きわめて困難をきわめておる。したがって、藤沢なりあるいは平塚なり小田原なりという、この湘南地帯の人は、せっかく大船までに第二次計画で延ばすなら、それを地方自治体の希望する方向に何とかできないものか。したがって、今年にということではないけれども国鉄が長期政策の中で、来年度からいわゆる再検討をされた計画をお考えになっておるようでありますから、その中に、ぜひ御検討いただいて、そして、できるならばそういう地元の要望もひとついれてもらいたいと思うのです。  それからいまひとつは、これは公約ということで言っているのかどうかわかりませんが、三十四年ごろですか、私が吾孫子副総裁に、東海道新幹線が建設をされる際に、新横浜駅、いわゆる菊名に駅ができるときに、せっかく東海道新幹線ができても、横浜の人間はあまり役に立たないのじゃないか。あるいはそこで横浜駅、終着の東京駅、始発でいえば東京始発、横浜駅は次の駅なんですが、いまの横浜線になってくると、岡委員のお話のように、単線のようなことでは、東海道新幹線に四千億も金をつぎ込んだといっても、そこの下を通っている大都市の人たちは単線しか利用できない。したがって、年じゅう電車に乗りそこないが多い。こういうことでは、国民感情からしてもよろしくないから、これはひとつ第三次五ヵ年計画を組む際に、ぜひ入れてほしい。そして横浜線の複線化を入れると同時に、東海道新幹線の開業するまでに、東神奈川−新横浜駅の間は、これはその事態において解決をすべきではないか、こういう話で、三十九年には、これは私は入れられるものと、東神奈川−新横浜駅の間は複線化するものと、こう考えておったのですが、どうもそういうような見込みはないようです。これは明らかに東海道新幹線建設に対して、当委員会で私が御質問を申し上げたことが、今日では何か遠のいておるように思う。ただし、横浜線全体の複線計画については、先ほど岡委員の御質問や、副総裁の御答弁のように、私も前進をしておると思いますけれども、やはりそういう歴史的な過程や、また、今日の東海道新幹線が現実に十月に営業が開始される、こういうことから考えて、私は、この横浜線複線化の第一次の問題については、やはり手をつけてもらわぬと、県民感情なり、それを利用するものとしては少し不満を持つのではないかと思いますが、これはきょう副総裁にこの場で御答弁どうこうといっても、計画についてもそれは無理かもしれませんが、お答えができる部分はお答えをいただいて、私はひとつそういうふうにお進めをいただきたい。実際の話が、この横浜線の通っておるところの自治体は、横浜市が大体です。それから、その他は東京都の町田市、それに神奈川県の相模原市、それから東京都の八王子市の一部が入るわけです。ですから、その中で神奈川県の横浜市と相模原市は、この複線化についてはいま積極的なんです。こういうことからお考えいただいて、三十四、五年当時にこの新幹線をつくるときに、そういう問題を提起されておって、御検討いただくことになっておったのですから、ぜひ、先ほどの岡委員の御質問のように、ひとつ国鉄当局も、まあそういう前向きの姿勢をとっていただくようにお願いしたいと思うのです。前回委員会で私がいろいろ質問をして資料要求してありますものは、他日、資料を御提出していただいて、それで再質問をしていく、こういうふうに考えて、きょうはざっとこの前の続きについて当局の御説明をいただきたい、こう思っているわけです。
  55. 磯崎叡

    説明員磯崎叡君) 私、突然でお答えできない問題がありましたが、工事の問題は、いずれ具体的に調べましてから御返答いたします。  川崎の地下道の問題と、平塚の駅の問題、これはいずれ具体的に調べましてすぐ御返事申し上げます。  それから、公団との関係でございますが、いまの根岸線が有償になるか無償になるか、これからの勝負でございまして、実はいろいろ政府側とこれから御折衝申し上げるつもりでございますが、手続的に申しますと、たぶん、開業の前日に私どものほうへ全部お引き継ぎ受けまして、そうして開業の日は、私のほうの所有権に移転した上で開業するということになると思いますが、初めてのことでございますので、その点まだよくわかりませんが、たぶんそういうことになると思います。  それから、根岸線のダイヤを早く市内交通機関に連絡しろというお話は、さっそくそういうふうにいたしまして、地方交通との関係をなるべく密接にいたしたいと考えております。  それから、横浜線のお話については、先ほど岡先生のお尋ねのありましたように、これは第二次五ヵ年計画の内容にも載っておりますが、何とかことし着工いたしたいというふうに思っておりますが、もし自己資金がなければ、利用される分だけ着工いたしたいというふうに考えているのでございますが、なるべく三十九年度じゅうには手をつけていきたいと考えております。たいへん簡単でございますが…。
  56. 大倉精一

    ○大倉精一君 先ほど理事会に対して要望しましたけれども、先般の予算委員会の第三分科会において、運輸委員会に持ち越してあるものもありますので、これをひとつ委員会におはかり願いたいと思います。詳細は、第三分科会会議録の第一号に出ておりますが、第一番には、御承知のように、先般、港湾労働者対策審議会というものが政府にできまして、それが先月の五日に答申が出ました。この答申に対しまして、分科会で一応やりましたけれども、特にこの委員会で連合審査をおはかりをいただきたい——社会労働委員会との連合審査会の問題をおはかり願いたいと思います。  同時に、この答申では、独立してやれるものはどんどんやっていけという趣旨でありますので、港湾局長に、当面やるというようなものはどんなものか調べて報告してもらいたい、こういうことを言ってありますので、これをひとつ善処方をお願いいたします。  それからもう一つは、運転者不足によって不測の事態がたくさん起こっておりますが、そういう実態を調査をして、この委員会に報告してもらいたいということを木村局長に言ってありますから、これもひとつ善処方をお願いしたい。  もう一点は、公共料金の問題について、これもお預けしてありますから、これはひとつ適当な機会に、なるべく早く宮澤経企長官をこの委員会にお呼びを願いたい。  この三つをひとつお願いいたします。
  57. 米田正文

    委員長米田正文君) 理事会で御相談申し上げることにいたします。  本件については、本日はこの程度といたします。  次回は、四月七日午前十時に開会の予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十分散会