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1964-03-05 第46回国会 参議院 運輸委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月五日(木曜日)    午前十時五十三分開会     —————————————   委員の異動  三月五日   辞任      補欠選任    野上  進君  古池 信三君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     米田 正文君    理事            天坊 裕彦君            吉田忠三郎君    委員            江藤  智君            加賀山之雄君            河野 謙三君            木暮武太夫君            野上  進君            平島 敏夫君            前田佳都男君            相澤 重明君            岡  三郎君            小酒井義男君            浅井  亨君            中村 正雄君   政府委員    運輸政務次官  田邉 國男君    運輸省船舶局長 藤野  淳君    運輸省港湾局長 比田  正君    運輸省観光局長 梶本 保邦君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    日本国有鉄道営    業局長     今村 義夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道の運営に関する件)  (港湾に関する件) ○旅行あっ旋業法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○国際観光ホテル整備法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○参考人出席要求に関する件 ○臨時船舶建造調整法の一部を改正す  る法律案内閣提出)     —————————————
  2. 米田正文

    委員長米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。
  3. 河野謙三

    河野謙三君 私は、前回の委員会で、新幹線開通の日時もきまりましたので、新幹線開通いたしましたならば、東京——大阪間、特に大阪中心とし、名古屋中心とし、東京中心としているところの特に通勤者は長年にわたって非常に通勤に困難を来たしておりますが、新幹線開通されましたならば非常に緩和するであろう、通勤が楽になるであろうという期待を持っているわけです。そこに新幹線意義を持っているわけです。それにつきまして、もうあと開通まで二百日前後になりましたので、新幹線開通したならば、これによっていま申し上げたような大都市中心にしたところの特に通勤者——通勤着以外もそうでありますが、特に通勤者にはどれだけ利便がもたらされるであろうということを期待しているわけでありまして、これについて具体的に早く知りたいということで一、二伺いましたけれども、担当の政府委員がおられませんので、それをつまびらかにすることができませんでしたが、本日の新聞を見ますと、新幹線開通時におきましてこれだけサービスが改善されるというような案が新聞紙上に発表されましたが、われわれ新幹線開通時におけるところの交通混雑緩和期待する者から見れば、あまりにもほど遠いのです。何のことだかわからないのです。  そこで、私は具体的に伺いますが、新幹線開通されました場合に、名古屋中心なり、東京中心なり、大阪中心ですか、この場合東京中心にして具体的に申しますが、急行列車新幹線のほうに回されると、当然その分だけ、普通列車と申しますか、通勤列車運転回数がふえると思いますが、どういうことになるでしょうか、その点をまず伺います。
  4. 今村義夫

    説明員今村義夫君) お話のとおり、新幹線が営業いたしました場合には、東京——大阪間におきましての特急なり急行は一部廃止いたしまして新幹線のほうに転移するようにいたしております。ただ、そのあいた列車——現在線であきました部分につきましては、現在貨物輸送力が非常に逼迫しておりますので、貨物輸送力増強に回すことと、それから一部そういったローカル列車増強に充てるという基本方針で、いま検討を進めておる段階でございます。
  5. 河野謙三

    河野謙三君 そうすると、この段階にまいりまして、まだ時間表はできないでありましょうけれども、基本的に貨物運転回数を何本ふやすとか列車運転回数を大体どのくらいふやすとかいう目安はまだ立っていないんですか。  そこで、私は時間の関係で進んでお尋ねします。現在たとえば東京中心にして下り列車は一日百二十本ぐらいあるはずです。そのうちの半分以上の六十数本が急行もしくは準急ですね。普通列車はわずかに五十七、八本——私は六十本までいっていないと思う。この六十本にも満たないところの普通列車、これが混雑のもとになっているんですが、新幹線開通しますと、普通列車は何本ふえますか。同時に、急行列車はどのくらいに減るんです。普通列車がふえて、急行列車が減ることになると思う。急行列車が全部新幹線に行くとは思いませんが、急行列車が大体四十二、三本あると思う。準急が二十本前後あると思う。これが新幹線のほうへどれだけ回されて、回された分が普通列車がふえる。さらに、新幹線は三時間半といいますから、相当運転の能率は上がるわけですから、いまなら三十何本という新幹線運転回数を計算しておるようでありますが、これも将来だんだん、三時間半で飛ぶんでありますから、もっと運転回数はふえると思いますが、それらについてひとつお伺いしたい。
  6. 今村義夫

    説明員今村義夫君) お話のとおりに、現在線の急行特急につきましては、相当部分が消し得ると思います。ただ、お話通勤列車時間帯と申しますのは、現在でもほとんど急行列車は入っていないわけです。たとえば通勤列車の七時から九時までに東京に着くという時間帯を見ますと、急行列車がその時間帯に着いておる列車というものは一本か二本ぐらいしかありません。したがって、かりにこういう列車新幹線に移すといたしましても、通勤列車を大幅に増強するということはできません。したがって、可能な限りにおいていま増発をするということを考えておりまして、まあ湘南地帯で申しますと、大体湘南電車二本、横須賀線往復という程度のことしか、ほんとう通勤時間帯、ラッシュ時間帯を考えてみますと、そういうわずかな数しか増発ができない状態でございます。
  7. 河野謙三

    河野謙三君 まあくろうと筋から見ればそうでしょうが、一般大衆は、新幹線開通したならば、相当運転回数はふえて、通勤時におけるところの輸送増強されて、非常につとめに行くのに楽になるであろうという期待を持っておるわけですね。そうすると、いまお話によりますと、わからないわけではありませんけれども新幹線開通しましても、東京なり、名古屋なり、大阪中心通勤列車回数はふえないのだ、したがって通勤者に対する輸送緩和というものは何も期待できないのだ——期待できないどころか、かつてあなたのほうから資料をもらいましたが、過去三年間におけるところの東海道なり、中央線なり、両国から出る、千葉から来る路線ですね、これは年々非常に激増しておりますね。一年に三本や四本の列車を、運転回数をふやしても、全然追いつかないという形になっておるわけですね。でありますから、いま新幹線ができましても、現状のままにおいても緩和されない。これから通勤者がふえればふえるほど、現在の中央線や何かと同じようなことに東海道はなると、こういうふうに見るのでございますが、それに対して何もいま打つ手はないと、こういうことでございますか。
  8. 今村義夫

    説明員今村義夫君) 将来と申しますか、この新幹線開通時におきまして、現在線の通勤緩和に非常に役立つということは私は期待できないと思います。ただ、全然ということはございませんで、先ほど申し上げましたように、数本の列車は入り得ると思いますけれども、大幅に緩和できるとは全然期待できないと思っております。したがって、将来東海道線につきましても、やはり新幹線ができましても、これですべてが解決できるという問題ではないように、特に通勤輸送については感じられます。
  9. 河野謙三

    河野謙三君 あなたのほうでは別に作為があってだましたということではございませんけれども、少なくともこの東海道東京——名古屋間の大衆から見れば、新幹線開通すれば非常に輸送緩和するのだと、こういう期待を持っておりますよ。また、それを期待を持っていいようなことを国鉄でも言っておりますよ。これが開通すれば急行が向こうへ回るのだ、したがってどんどんどんどんなめらかに輸送はできるのだと言っておりますよ——あなたは言っていないかもしれないけれども。そういう期待を持っておりますよ。しかし、技術的にそれができないのだ、期待を持っておるほうが間違いだというのならば、新幹線とは別に、そんな三年も五年も先のことじゃなくて、この東京なり、名古屋なり、大阪中心にしたところの通勤者に対して輸送緩和するところの具体策というものは当然お立てになっておると思うのです。たとえば、いま横浜から大船間が非常にネックになっておるから、桜大線というのをやっておりますね。あの工期を早く繰り上げるとか、また大船終点にしているのを藤沢なり平塚なり小田原まで延ばすとか、また平塚からは複々線ではございませんね、あれから先は貨物列車旅客列車一緒になりますね、この貨物列車平塚からさらに先に延ばすとか、そういうことは、将来の研究の課題ではなくて、すでに実施計画の中に私は入っておると思うのであります。当然であります。その実施計画についてひとつ御説明いただきたい。  なお、貨物ホームにいたしましても、新幹線が通りまして、大体が東京から藤沢なり、平塚なり、小田原までは旅客がふえるし、これがほとんど主たるものになるでしょう。その場合に、一体いまのように貨物ホームというものを客車ホーム一緒にしておくというような明治時代の駅の構造というものは、もうとうにいけないはずであります。こういうものについても、新しい構想がすでにあるはずであります。またホームにいたしましても、いま東京から下りだけで百二十本ですから、そのうち普通列車は五十七、八本ですよ。これを時間割りにすると、七、八分ごとに一本ずつ通っておるわけです。さらにこれが回数がふえてまいりますと、ホームだって次から次に電車が入ってくる。京浜問と同じようになってくる。その場合に、一体大船から先の駅があれでいいかどうか。いまにホームから人がこぼれて大きな惨事が起こりますよ。踏切踏切といって騒いでおるけれども踏切もさることながら、ホーム現状でいいかどうか。あなた方のほうは金がないと言われるかもしれませんけれども、金があるなしの問題じゃないと私は思います。これについて、だから私は、ことしすぐできるとは思いませんけれどもホームはこれから二年間でこうするとか、桜大線工期を繰り上げるとか、桜大線終点をもっと延ばすとか、貨物ホームはどうするとかいうようなものがなければ、それも何にもならないのだ。新幹線は通っても輸送はちっとも緩和されぬのだ、ますます詰まる一方だということじゃ、答えになりませんよ。それについてひとつ御説明いただきたいと思う。
  10. 今村義夫

    説明員今村義夫君) 現在線の増強策につきましては、第二次五ヵ年計画でいろいろ進めておるところでございますが、通勤輸送その他につきましては、決して私どもも十分であるとは思っておりません。したがって、これは国会なり政府なりの強力な御支援を得て進めてまいらなければならぬと思うのでございますが、お話のように、東海道線につきましては現在線だけではもうどうにもならない事態だと私どもは考えておりまして、この点についていろいろいま検討を重ねておる段階でございまして、第三次五ヵ年計画にはぜひともこれを盛り込んでいきたいという考え方でございます。  ホームその他の問題につきましては、これもお話のとおりでございまして、いま私ども現状でいいとは決して思っておりません。特に東京周辺におきましては、その点、ホームの問題非常に危険でございますので、ラッシュ時間帯には、この設備の増強ができるまでの対策といたしまして、むしろ逆に改札口でとめてホームに人を上げないということで危険防止をはかっているような状態でございまして、こういう状態は決して正常な姿とは思っておりませんけれども、いまのところそういうやり方で危険防止をはからざるを得ない状態でございます。
  11. 河野謙三

    河野謙三君 私は、いま伺っておりますと、新幹線開通しましても東海道大都市中心にしたところの通勤者に対する輸送緩和期待できないというならば、それと並行して緩和する対策が、予算の関係で二年かかり三年かかり五年かかるのはしかたありませんけれども、こうしなければいけないのだというものが具体的になくちゃいかぬと思うのですよ。私は、自分だけの気持ちから言えば、新幹線に協力いたしておるのですが、だまされたと思っておりますよ。新幹線開通すればわれわれは緩和するのだ、大衆はこれによって救われるのだという気持ちを私は少なくとも一部代表して、新幹線にも協力したつもりであります。ところが、新幹線に三千億も四千億も金かけてやったのだけれども、これらの大衆には何にも直接の利便がないのだ。何のためにそういう大きな金を使ったか。私はそこで伺いたいが、一体輸送緩和というものは、なかなか緩和しませんけれども、どうせ十人のものを十人運べないなら、一番必要なものから先に運ばなければいけません。輸送に一番優先権を与えるのは一体だれでしょうか、観光客でしょうか、団体旅行者でしょうか、通勤者でしょうか、私はその順位を伺いたい。一〇〇%輸送ができないならば、まず緩急度合いというものがありますよ。どれを急いでやるか、どれに重点を眠く、どれがあとでいいというものがなくちゃいかぬと思う。私はこの機会に伺いたい。一体輸送について基本的に軽重の度合いといいますか、緩急度合いと申しますか、これは一体どういう順序をつけておられるのですか。そういうことであるならば、新幹線なんて意味ありませんよ、私に言わせれば。どうでしょう、その点は。
  12. 今村義夫

    説明員今村義夫君) いま輸送順序というお話でございますけれども、私ども、どういうお客さんを高順位というようなことでなくて、やはり全体としての輸送がうまくいくことが私どもの責務だと思っておりますけれども新幹線の場合に、これだけの輸送力——開業当時で二万五、六千の輸送力がつくと思いますけれども、これだけの輸送力がつきますれば、現在線の特急なり急行なりというものは当然これはそっちに移るわけでございますから、それだけの分は緩和することになると思うわけでございます。したがって、ただもう物理的にラッシュ時間帯というのはもう現在一本も入らないような状態でございますので、このラッシュ時間帯を広げるということによりましての緩和というものはできるわけでございますので、そういうお客さんのほうの御協力も得まして、できるだけ有効に通勤のほうの緩和もはかる。あるいはデー・タームにおきましては、これはもうかなりローカル輸送力はふえるわけでございますので、そういう点での緩和には私はなるというふうに考えております。
  13. 河野謙三

    河野謙三君 あなたにそういう答弁を求めたって無理ですがね、私はいまのお話を大臣がそういう答弁をしたら承知しませんよ。輸送順位がないだなんて、そんなばかなことありますか、あなた。だれを優先して、だれをあとにしていいという、そんな順位がないという、そんなばかなことがありますか。遊びに行く人と働きに行く人と、働きに行くのが先になるのはあたりまえじゃありませんか。それをあなたに言ったってしかたがないが。  それから、ラッシュアワーラッシュアワーと言いますけれでも、ラッシュアワーに乗れないから、ラッシュアワーがだんだん延びていく、幅が広がっていくこと、御存じございませんか。七時に行っても乗れない、八時に行っても乗れない、今度は八時半に行っても乗れないのだ。だんだんラッシュアワーが順次八時半、九時、九時半になっておること、御存じありませんか。ラッシュアワーラッシュアワーで片づいているのじゃないのですよ。こういうことをいろいろ申し上げてもしかたありません。私は、しかし、基本的に何らのこれは、新幹線開通と同時に、大都市中心にしての通勤者、働く人に対しての輸送量緩和しないということは、どうしても納得しません。いま直ちに回答しろとは言いませんが、少なくとも、一年先にはこうなる、二年先にはこうなる、こういう、私は、運輸省に、政務次官具体案がなければいけないと思いますよ。私は機会をあらためてこの問題についてお尋ねしますから、あなたのほうでも十分のひとつ準備をしてもらいたいと思うのです。そんなばかなことありませんよ、あなた。ラッシュアワーにおける輸送緩和しない。緩和させるために、貨物客車複線をもっとどこまで延ばすとか、桜大線をどうするとか、貨物ホームをどうするとか、客車ホームをどうするとか、こういう問題が少なくとも年次計画になければいけませんよ。重ねて申します。私は、こんなことだったら、私だけじゃありませんよ、新幹線開通と同時に、新幹線は国民からのろわれますよ、こんなものは。四千億の金を鉄道輸送緩和に使ったら、どれだけの施設ができますか。日本鉄道の技術というものは世界に誇るべきものであって、私はこれはこれで意義があると思うけれども新幹線が通ったらからといって一般の働く者の通勤に何らの効果をもたらさぬということは、私は意味がないと思うのです。  あらためて委員長に申し上げますが、あらためての機会に、国鉄の総裁なり、副総裁なり御出席を願って、この問題をさらに突っ込んでお尋ねしたいと思いますから、このくらいで私は私の質問を保留しておきます。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 私もいまの河野委員と同じように、三十九年度の国鉄経営計画というものを新聞に発表されているのですね。局長、それを見ると、事故防止に最重点を置くということと同時に、輸送力増強をはかるということを言っておりますね。そういうことからいけば、大都市付近輸送の確保ということは現状ではもう限界にきているということは、国鉄自体が認めているわけです。ですから、その輸送力増強をどうすればいいかということを三十九年度の経営計画の中で少なくとも抜本的対策をつくる、こういって発表しているじゃないですか。だから、順序がないなんというようなことは、これはあり得ないことだ。私は、そういう点は、いまも河野委員の言うように、やはりあなたは営業関係責任者なんだから、そういう点、業務体制のまあさらにやはり資料を出して、そういう基準というものをつくっていかなくちゃいけないと思うんです。いまの河野委員お話のように、桜大線がことしの六月開通するということをいま計画をしているようでありますが、少なくとも、建設公団法が一応法律が通ったけれども建設公団に引き渡してゆっくりやるというようなことでなくて、やはり今度は促進をして早く開業をする、こういうことでなければ私は趣旨に沿わないと思うんです。また、多額の投資をした意味も私はないと思うんです。だから、私いまサボっているとは考えておりませんけれども、少なくとも現在の輸送力をどうして打開をするかということは、今日国鉄重大使命であると私は考えたわけです。そういう点で、たとえば東海道新幹線ができた際に、先日の運輸委員会でも、一体どのくらいの輸送力増強というものができて緩和をはかれるのか、東海道線についてと言ったところが、三十本の往復だと言いましたけれどもね。東海道新幹線では三十往復をする、こういうことが先日言われたわけです。そこで、いまの東海道線はどうなるかということについては、あまりたいしたことはない、こういうことである。いまの輸送力増強をどうして確保するかということについて対策を立てていないのじゃないかということになってくる。私はぜひ、この四十年度以降計画を策定するにあたって、ことしの七月なり八月ごろ常務のほうではそういう問題について検討するだろうと思うから、この際言っておきたいのですが、やはり東海道線の場合なら、いまの平塚までの貨物複線と、そうして旅客複線というものも考えてくると、とても現状を乗り切るわけにはいかないわけですから、せっかく桜大線というものが桜木町から大船間まで延びているならば、いまの第一次の磯子までのやつを第二次計画大船まで延ばすやつを、これを少なくとも藤沢とか、平塚とか、小田原とか、そういう輸送体制整備を私はしなくちゃいけないと思います。ただ、七年前に計画したものを、これはとにかく計画計画だから、そのままでいいということでは、現状の把握というものが十分でない。しかも、神奈川県の中においても、県議会でも、あるいは地元の藤沢市も、とにかくこの桜大線を延長してくれという請願はずいぶん前から行なわれているわけです。そういうことに対する何らの回答をしていない。国鉄はだから、何でもおれたちが立てた計画というものは正しいのだという印象を受けている。しかも、これは少しも輸送力増強にはならぬ。こういう意味で、私はもちろんいま局長に全部答えろといったところで無理であるから、ひとつ検討してもらいたいと思うんですが、第一次の桜大線磯子までの開通を六月目前に控えて、第二次計画というものを早急に着手する。そうして、その計画の中には、いまの湘南地帯輸送力増強するために、大船どまりのものを、少なくともこれを小田原なり、あるいはまあ熱海なりというのがいいかどうかわかりませんけれども、これはひとつ営業局中心によく検討して、そうしていまのこの湘南地帯通勤、通学の輸送力増強をはかるべきだと私は思うのです。そういうことを考えて答弁してもらわないことには、輸送力が全般のことを考えていけばいいのだという答弁ならば、私は運輸委員会としてはなかなか納得できないと思うんです。これは河野さんばかりじゃない、私自身もそうだと思うんです。そういう意味でぜひひとつ考えてもらいたい。  それからいま一つは、これは加賀山委員もずっと前に話をしたことがあるんですが、いまの八王子から手前の横浜線の橋本という駅から東海道線の茅ヶ崎に出ている相模線というのが、これは単線なんです。単線で、実際はこの輸送力という問題を考えてくれば、新宿八王子というこのラインを考えて、東海道線のいまの非常な逼迫した状況をどう打開するかという場合には、相模線というものを利用する価値は非常に私はあると思うのです。ところが、そういうことを何にも国鉄は考えていない。ところがどうですか、民間の私鉄はいまや津久井に対して三つの会社が乗り入れを計画をしておる。開発をしようとしておる。東急はすでに、大井町線から出ている溝ノ口までの線路というものを、いまや国鉄横浜線の長津田を通って、そうして小田急中央林間まで延長する、これは田園都市線というものをすでに着工しておるわけなんです。そのほかにまだ、京王線なり小田急なり相模鉄道なりがみんなもういま申請を運輸省にしておる。これは運輸次官、あなたあとで調べてみたらわかると思うのです。そういうふうにやっているのに、国鉄は依然として地域住民サービスにひとつも協力しない。こういうようなことは、私はやはりほんとうにこの輸送力というものを考えておるのかどうかという疑問を持つわけなんです。ですから、少なくとも国鉄横浜線複線化は急いでやるべきであるし、また相模線を利用すれば、八王子なり新宿から出るお客湘南に行くにしても、東海道混雑緩和ということはできるわけなんです。せっかく線路があるのを、それを少しも開発しようとしない。こういうところに、やはりいまの、昔の敷いたままの鉄道というものを守っていくという今日の実情だと思うのです。こういう点をひとつ検討してもらいたい。そうして、先ほどもお話しのように、たとえば貨物の問題にしても、どこにインターチェンジをつければいいかというような問題も出てくる。お互いに出てくる。こういうようなこともひとつ十分検討をして、四十年以降の修正五ヵ年計画といいますか、長期計画といいますか、そういうものについては、もう国鉄は再検討する時期にきている、いまのままで、このままでもうどうにもなりません、お手あげでございますというだけでは、国民は納得しない、こう私は思うので、いまの河野委員の発言に関連して、私はこの点の再検討を要望しておきたいと思うのです。ともかくその第一の着手として、いま東海道新幹線が十月に開業するということをすでに国鉄も努力するということを発表しておりますが、せっかく東海道新幹線横浜駅ができても、その横浜駅から旧東海道線に連絡する方法、あるいは東京等に送る、この横浜駅を利用して乗降するお客、こういうものに対してもまだ不十分であると思う。したがって、横浜線複線化という問題については、当然そういう点が議論されなければならぬわけなんです。こういう問題についてもひとつ、ただ新幹線ができればいいということでなく、新幹線といままでの幹線輸送計画との相互連帯関係というものを十分ひとつ徹底的にサービスができるように私はしてもらうことが新幹線をつくった意義が大きく出てくると思うのです。そういうことをひとつ検討してもらうことを私は希望しておきます。この問題については、いずれまた総裁、副総裁においでをいただいて、私はなお継続したいと思うのですが、きょうはそういうことを申し上げておきます。
  15. 河野謙三

    河野謙三君 次回までに資料をひとつお願いしたいのですが、今度おいで願うまでに、総裁なり副総裁に、私がさっき具体的に申し上げました、貨物ホームがどうなるとか、桜大線がどうなるとか、貨物複線をどこまで延ばすかということについて、できるだけ具体的にひとつ準備をしてもらいたいことと、資料としては、東海道往復二百四、五十本通っていますね、これを大きく分けて急行普通列車急行の中に準急も入れまして、急行準急を利用する乗客の数と、普通列車を利用する乗客の数と大きく分けまして、どのくらいの数字になりますか、これを資料としてお出し願いたいと思いますが、できますか。
  16. 今村義夫

    説明員今村義夫君) はい。
  17. 河野謙三

    河野謙三君 それをひとつお願いします。
  18. 江藤智

    ○江藤智君 いま同僚委員からお話しになったいろいろな要望あるいは御不満というものは、私はまことにこれは当然だと思うのです。この問題について、私は、国鉄の責任ももちろんあるでしょうけれども、むしろ運輸省として田邊次官にひとつ帰られたら運輸大臣を大いに督励をしていただきたいと思いますから、一言御要望を申しておきます。この問題は国鉄の経営の基本に関する問題でございまして、いまここで営業局長さんや何かを攻め立てても、私はむしろこれはもっと大きいところにある。御承知のように、第一次五ヵ年計画というのは五百億から千億になる、一年に。その主体というのは何かというと、当時の戦災復興と、老朽の取りかえと、そして戦後やはり大都市付近通勤輸送が非常に苦しかったから、この通勤輸送という、三点が柱だった。ところが、千億でもやりきれないというので、今度は第二次計画がただいま行なわれておるわけでありますが、これで二千億になったわけです。倍々になったんでありますから、相当ふえたようでありますけれども、激増する輸送量につきまして、今度は幹線がみな行き詰まってしまった。そのうちでも一番大きい大幹線が東海道線でありまして、これに貨物列車を一本入れるのでも、もうどうして入れるかという状態になったので、東海道全線の輸送力をつけるためにできたのが新幹線なんです。でございますからして、そのときに、狭軌の複々線に全線するか、あるいは広軌にこれをするかということは、非常な問題だった。狭軌でこれを敷けば、とりあえず通勤輸送緩和には目前においてはいいかもしれないけれども、将来のことを考えるならば幹線は広軌にしたほうがいい。しかし、その場合には、大都市付近通勤輸送はどうするかといったら、これは別途に考えますということで、われわれは広軌の新幹線についても賛成をしたわけでございまして、先ほどの河野委員相澤委員が言われたように、当然並行して通勤輸送も考えるべき問題であったんでありますけれども、その前に各幹線が、上越線といい、中央線といい、北陸線といい、全部行き詰まってきたもんですから、むしろ幹線輸送ということに重点が指向せられた。その上にまた、いろいろな事故が起こってくるから、当然のことでありますが、安全輸送ということに移ってきて、いささか通勤輸送というものの影の薄くなったことも事実であります。そこで問題は、四十年度から始まる第三次の五ヵ年計画におきましては、根本的に国鉄輸送力の不足の面、幹線といわず、通勤輸送といず、そういう問題についてひとつ遠慮のない確信のある予算を組んでもらいたい。これがもう根本でございます。これまで千億でも足らぬといっても、まあ五百億が倍になったから千億でがまんしようということで、とにかく設備不足を民衆の不便なほうに押しつけていったものでありますから、それがいよいよ爆発してきた。あるいは、現在の二千億も足りません。この新幹線も入って二千億余りでございますから、これは足らないのでございます。問題は、国の国鉄に対する政策というものがまだはっきり確立されておらない。そうして責任は、これまではすべて国鉄が負っておるようなかっこうになっておる。ところが、国鉄でそういうような膨大な資金を都合するということは、これはとてもできない。これはやはり政府のほうであります。その意味におきまして、政府におきましても、今度は内閣にそういう基本的な審議会をつくって、国鉄の経営のあり方も根本的にひとつ検討しよう、こういうことになったことは、非常にありがたいことでございますが、私が望みたいことは、その財源の面におきまして、国鉄も遠慮をして要求をする、さらにそれを運輸省がちびる、こういうことのないように、ただいまの要望などもいれられまして、通勤輸送といわず、幹線輸送といわず、ほんとうに必要なものが実現される、その要求の基礎をひとつ今度こそ立てていただきたい。私は、第一次五ヵ年計画、第二次五ヵ年計画において、その予算がこそくであった、非常に不足であったということが、今日の国民の不満を引き起こすと、かように考えますので、ひとつ田邊次官におきましても十分大臣にその旨を伝えていただきまして、ひとつ国鉄を十分督励して、しっかりした今度は根本的な対策を立てていただきたい、私は要望しておきます。
  19. 岡三郎

    ○岡三郎君 いまのに関連があるわけですが、私はやはり、抜本的にいまの国鉄のあり方という問題について、真剣に考えるべき時期に来ているのではないかと思うのです。というのは、現在のコーポレーション式な経営では、やはり採算というものを無視してはできない。それで、この間の鉄道建設公団法の審議のときにも、国鉄という現在の企業体には政府は金が出しにくいということを運輸大臣がぬけぬけと言っているわけです。新しいものをつくれば金が出やすいのだ——そんなばかなことは私はないと思う。それで、結局、この経営のあり方とともに、国土計画というか、国策というものが全然片手落ちになっておる。というのは、土地改策というものがあるようでいまの政府にはないわけです。無尽蔵に郊外に住宅をはんらんさしておいて、土地が暴騰する。どんどんどんどんと郊外から僻地のほうへ住宅が移行している。こういうことを抜きにして、輸送力がどうだこうだばかり言ったって、これは抜本的な解決に私はならぬと思うのです。中央官庁の移転の問題を言われること久しい。ヘリコプターで飛ぶことも久しいが、依然として、それが緒について、それがどんどんどんどん進行しているとは思わない。筑波山ろくがどうだ、赤城山ろくがどうだと言って、筑波山ろくに今度方向がきまったと言って、またこれがいかぬというので、これを変更しなければいかぬのではないか、土地の暴騰を来たしておりますから、そういう考え方がまた出てきている。こういう問題を抜きにして、一体輸送というものをどう考えるといっても、国鉄自体手に余る問題が私はここにあると思う。しかも、損をしても抜本的にそういう面について国が経費をつぎ込んでやるのだというならば、これはまた方向がわかる。一面において独立採算といって利潤を追求さしておきながら、一面においては公共というものを上から押っつけていく、一体どうするのだと言うのです。私鉄はもうかるところへどんどん敷きますよ。私鉄は三線いま神奈川に申請がされていると言っておりますが、われわれも承知しておりますが、私鉄は鉄道を引っぱる前に土地を買収して、その利潤でこれを補うことができるし、そこに住宅をつくり、乗客をふやして、そうして総合的に私鉄というものは経営ができる。ところが国鉄は、線路を引っぱるための土地を確保するだけでもたいへんで、そういう総合的ないわゆる利潤という上に立っての健全経営というものは不可能にさしておいて、金縛りにさしておいて、こういうふうなことができないのじゃないかと言っていること自体が、私は与党自体がおかしいと思うのですよ。大体いま言われたこと自体が、これは与党の責任ですよ。われわれも責任があるけれども、われわれとしてももっとやかましゅう言わなければならぬけれども、抜本対策がない。いまのまま放置すれば、都市の人口がふえるといっても、その周辺の人口がいま加速度的にふえているわけです。ですから、いまの状態の中では、こそくな手段でこの問題が解決できるとはだれも思ってない。だから、まず住宅対策なり、土地対策なり、そういうふうな抜本的なものが総合的にできて、首都圏整備といったって、道路の問題とか市街づくりをやって、それに伴うところの交通というものが立体的にそこに鉄道輸送というものを含めて考えていられるのかといえば、それもずいぶん手おくれに私はなっているんじゃないかと思う。道路の建設一本です。ところが、道路をいくらつくっても、通勤輸送にはたいして役に立たない。ということは、バスは長距離になれば高い。ですから、どうしても安い国鉄関係という方向にやっぱりみんな乗客が来るということになると思う。しかし、こういうふうな点で、私は、政府自体としても、運輸省自体としても、やはり抜本的に、一体国鉄の企業というものが現行のままでできるのか、できないのか。政府が抜本的に損をしてもまかなってやるという基本的な線が出てこない限り、私はこれは不可能ではないかというふうに考えるわけですが、これは政務次官の見解はどうですか。
  20. 田邉國男

    政府委員(田邉國男君) それでは、先ほど河野相澤委員から、また江藤委員からも、政府に対する要望事項がございましたので、その点についてまずお答えをいたします。  三委員御指摘のとおりだと私も考えております。この問題につきましては、四十年度第三次の計画におきまして、やはり前向きの姿でこの問題を取り上げていく。それからまた、総理府に国鉄基本問題調査会というものができまして、ここでも当然この問題が大きく取り上げられて議論されると思います。そういうことで、この国鉄の現実の交通緩和対策をいかにすべきかということについて、真剣に私ども取り組まなければならないと、かように考えております。  なお、岡委員お話でございますが、私もただいまのお話のとおりだと考えております。と申しますのは、住宅、土地、それから輸送というものがやはり一体化され、そうしてこれが総合的な対策を立てるということが当然でございまして、運輸省におきましても、やはり真剣に交通対策というものに取り組んでいく。それにはやはり、政府の、現在内閣においても経済閣僚懇談会もございますし、交通閣僚懇談会もございます。そういうところで、やはり真剣にこの問題を取り上げて、そうして、住宅だけが郊外に集中する、それについて輸送の問題が何ら考慮されずに地域を決定する、こういうようなことのないような今後の対策を推進すべきであると私は考えておりまして、この問題につきましては、大臣にもよくお話をし、運輸省といたしましても、これは真剣に取り組んでまいる決意でございます。
  21. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は先般の鉄道建設公団法のときにも言ったけれども、地域格差を是正するということも大いに必要であるし、根本的に反対ではないわけです。いま言ったように、焦眉の急の問題が出てくるというと、ワッとこう言う。江藤さんがいま言われたけれども一体いろいろな姿で仕事をやられているけれども、まとまりがつかない。実際問題として、適当にやられている。こういうことで、もっと端的に言うと、私鉄なんかが線を引っぱる場合にでも、全体計画の中でもうかる、もうからぬの問題は、これは利潤追求が第一ですからやむを得ないとしても、やはり公共的な性格があるのですから、国鉄で補えないところを私鉄なら私鉄というものが国策に沿って建設されていく、そうしてそういう面において一般大衆が利潤を受ける——企業そのものが利潤を受けるということではなくして、そういう方面への協力指導というものをどうなされているのか。これはもうとてつもない観光線は引かれているけれども、しかし一面においては、いま言ったような輸送に協力する国策の問題としての私鉄の運営というものが私たちは希薄じゃないかというふうにも考えられる。というのは、新しい線が引っぱられてくるということについて、どの程度運輸省自体あるいは国鉄自体がこれについて総合計画として干渉していくのか——干渉というよりも、指導していくのかということを私は考えてもらわなければいかぬと思う。というのは、国鉄が引こうったって、なかなか線を引けないでしょう。特に都市近郊なんかでもっとやってもらいたいというところがうんとあるけれども、都市近郊のもうかるようなところはなかなか国鉄がやらぬですね。これは土地の買収がたいへんなんですよね。いまの国鉄の建設方式でいったらどうしようもない。建設公団で都市周辺をやろうと思っても、なかなかワクがあってむずかしいと思う。いま何をしようとしても、まあ抜本的な問題は土地ですからね。今後土地収用法の問題なり、新しく法制化されるということになってきているようですけれども、それにしても非常に問題点が多いと思う。そういうような点で、国鉄の企業経営のあり方ですね、こういうものについていま田邊さんのほうからいろいろとお話があったわけですが、抜本的に考えて、そうして国鉄そのものがあるときにはやはり赤字を覚悟してもほんとう輸送力増強のためにこれをやる。選挙対策のためにやられたのではだめです、問題は。私は、もう鉄道建設公団法は、これは選挙対策重点だというふうに考えているわけで、そういうことも、これは地域格差の是正で、地方に鉄道を引くことについては反対いたしませんよ、やぶさかではない、それをやっていくことも。しかし、いまの日本現状においては、順序が違うのじゃないかと思う、順序が。だから、そういう点で、やはり率直に見て、立体的といいますか、やはり運輸省だけじゃなくて、国鉄だけじゃなくて、建設省も、あるいはその他自治省関係もみんな入って、総合的にひとつ国会でこの運輸関係という問題を取り上げて審議してもらわぬと、私は運輸省運輸委員会関係のみだけではとてもできない問題が多いと思う。そういう点で、ひとつ私鉄の指導というものをよろしくお願いしたいということと、もう一つは、これも根本的な問題になって、これは時間がかかるといけませんから簡単に申し上げますが、もう東京都だけでなくて、横浜、千葉、埼玉を含めて、いや茨城のほうまで百万都市などといっている。この百万都市をつくるということの計画の中で、今後その近傍がどんどんどんどんまたふえていきますよ、住宅が。その人たちがその地域に職場があればいいが、みんな東京へ目がけてくるということになれば、これは百万都市というものはかえってふん詰まりになると私は思う。地方に形だけは分散しているけれども、職場がみんな中央に、東京に集中してくるということになれば、ベッド・タウンというだけの役割ですよね。これではいまの輸送上の問題は解決できないと思うのです。ですから、先ほど言ったように、抜本的に——中央官庁の移転の案も遅々として進まない、学園都市の分散その他積極的に、中央の諸官衙という問題につきましても、これは地方に分散する。もっと根本的に言えば、この議会にしても——宮城の問題は論議が過去においてやかましかったけれども、この議会にしても、地方に分散するか、地方へ移して、そうしてやるくらいの抜本的な計画が立たなければ、十年これからたったら、もっとふん詰まって、どうしようもないと思う。ですから、そういう点で、もう中央沿線は、田邊さんが知っているように、八王子を越えて浅川のほうへ行っちゃっていますね。今度高速度道路が引っぱられれば、なおさら奥へ奥へと住宅が進みますよ、土地が中央は高いから。これだけ考えてみても、輸送の問題は全く解決がつかぬじゃないか、こういうふうなことを考えておるわけで、その都市の周辺に大きな国鉄の駅のターミナルをつくって、そうしてそこへ地方から来た者はおろして、あと都心へ行く者は全部国電で運ぶ。汽車は中央へ入れない——東京とか、上野とか、そこへ入れない。もっと大きいのを地方の大きな都市の周辺に駅をつくって、長距離列車はそこへ入れて、そこから全部中央に行く者はやはり国電なら国電に、そういうものにして、そうして行くなら行くということにして、都市周辺の本数というものを長距離輸送というものと関連ないようにするならば、私はもうちょっとはけるんじゃないかという気がするんですよ、これは私の私見ですがね。そういうことで、都市が周辺にだんだん大きくなって、膨大なものになってきますから、都市の周辺の入り口にそういう大きなターミナルをつくって、あとの都心に向かっては、道路と軌道輸送ですね、これを積極的にもうちょっと本数を多くするという方法を考えてもらえないだろうか、こういうことを考えておるわけですね。ひとつ御意見があったら聞かしてもらいたいと思う。
  22. 田邉國男

    政府委員(田邉國男君) ただいまの岡委員お話は、まことに教えられるところ多うございまして、すでに自動車におきましても、自動車ターミナル、トラック・ターミナルというものを東京の都市の郊外にすでに用意をしつつあるわけでございまして、そういうことを考えましたときに、当然鉄道におきましてもさような考え方が私はできると思います。この問題につきましては、先ほども申しましたように、やはり運輸省、また建設省、自治省、あらゆる関係省と緊密な連絡、協議をいたしまして、この問題は真剣に考うべきであると私も考えております。
  23. 岡三郎

    ○岡三郎君 営業局長、いまの状態では飽和状態にますますなっていくので、都市がますます近郊にずんずんいきますね——近郊じゃなくて、えらい遠くまで拡大していく。こういうことになっていけば、なかなか複々線化ぐらいではおさまらなくなってきている状態であると思う。都市が変貌していくわけですね。この変貌していく都市の実情に即して輸送を根本的に考えていくということになると、周辺に大きなターミナルをつくって、そうして都心に向かってはいまの国電方式で全部輸送する、こういうことにすれば少しは緩和されると思いますが、これはどうですか。そうすれば国電は延びるわけです。
  24. 今村義夫

    説明員今村義夫君) 長距離客の輸送と近距離客の輸送と別線といいますか、切り離すということは、これは非常に意味があると思うんです。ただ乗りかえの不便というものがやはりそこに伴いますので、そういう点、それから乗りかえに伴う時間、混雑度というようなことを考えますと、まあ技術的に相当考えませんと、はたしてどちらがスムーズに流れるかということについて若干問題があるんじゃないかと思いますので、その点私ども十分輸送技術的な点から考えさしていただきたい、かように考えます。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 営業局長がおるときに一つだけ聞いておきたい。きのうの午後三時ごろ、代々木の駅でボンベが爆発しそうになったということが出ていますね、けさの新聞に。これは安全の問題で、どうも取り扱いが不十分ではないか。つまり、ボンベの口金がゆるんでおったということを言っておりますね。こういうことからくると、国鉄の工事監督というものはどうやっているのか。これが幸いに乗客が少なかったからいいけれども、もしラッシュアワー——そういうときの工事の関係はどうなるかわかりませんけれども、きのうの工事の話をきょうの新聞で見ると、国電の代々木駅で、中央線下りホームの延長増築工事現場で、鉄骨の組み立て作業をしておるうちに、酸素溶接の火花が散って、そうしてボンベに引火した、それで五メートルもふき上げたというのですね。だから、もう実際非常にあわてたと思うのですよ、現場では。幸いに駅務掛の林さんとかあるいは電力区の吉田さんという人が、応急措置で、上下線に分かれて、二人が発炎筒をたいて電車をとめて、電車も近寄らなかったし、幸いにボンベがひどく爆発をしなかったためによかったと、こういうのだけれども、これは事故が大きくならなかったからよかったという話で、もしそれが爆発してしまったら私はえらいことだと思うのですね。そういう問題について、私は、この職員がそういうよくやったことはよくやったことでこれはやはりほめてやると同時に、今度は作業をする場合の監督というものはどうなのか、こういう点も逆にひとつ国鉄当局に聞きたいわけなんです。そういう点は、どういうふうにきのうの事故を反省してみて営業局長としては考えるのか。これは旅客を扱う立場においてはきわめて重要な問題だと思うのです。人命尊重の立場からいって、もしそこで一たん爆発したら、これはたいへんなことだと私は思うのです。そういう意味で、きのうの事故でありますから、あなたのほうできょうは知っておるはずでありますから、どういう対策をこれからやろうとするのか、これを聞いておきたい。
  26. 今村義夫

    説明員今村義夫君) 先生おっしゃるとおりでございまして、人命の尊重という点から、事故防止については、こういう工事関係につきましても、先般からいろいろ工事に起因をする事故が起きておりますので、十分注意をしておるところでございます。この点は、直接の私担当をしておりませんので、はっきり具体的に申し上げるわけにはまいりませんが、それぞれの局において十分注意をしておったはずだと思います。私どもといたしましては、そういうお客さんの、特に人命に関することでございますので、ぜひともそういう事故は絶対に起こさないようにということで、いろいろ関係のほうにも折衝をするわけでございますが、きのうはけが人ございませんで幸いでございましたが、仰せのとおり今後も十分注意をしていかなければならぬというふうに考えております。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 それはもう工事関係の問題については、後刻、どういうふうであったか、どこの組が受けて作業をしておったか、そういうことを含めて報告してもらいたい。  それから、よく職員の懲戒とか、厳重注意とかいうことを当局は乱発をしておるけれども、いいことをやったときにはほめなさい。そういう人命をとにかく守るようなことについては、やはり率先そういう人の御苦労はねぎらう必要が私はあると思うのです。そういう点で、きのうの事故について、率直に言って私は、よくやってくれた、こういうふうに思うのです。そういうことを、あとでどういうふうに処理をしたということをあわせて報告をしてもらうことをつけ加えて、この問題は終わりたいと思います。  次に、港湾局長にお尋ねするのが三つですが、これは資料の問題もありますから、私は簡単に申し上げますが、一つは同僚の大倉委員が実は質問をする予定でございましたが、きょう他のことでお見えになりませんので、後刻詳しく質問があると思うのですが、名古屋港における伊勢湾台風の工事に関連をして、出入口をどういうふうにきめておるのか、工事の進捗状態、これについてお尋ねをするわけでありますが、愛知県なりあるいは名古屋市においては、いまの運輸省計画では、船舶の出入についてきわめて不満足である、こういうことで、県、市並びに業界も、そして労働組合も、荷役の安全性という問題について強い要請をしておるわけです。これについて運輸省は、計画であるからこれを変えるわけにはいかない、こういうようなことを言われておるようでありますが、これを地元のそういう愛知県や、名古屋市や、あるいはまた関係業界、労働組合等の意見を尊重して、話し合って、そういう航行安全という問題についていまの港湾の問題を解決すべきではないかと思うのだが、それをどういうふうにおやりになるかお答えをいただきたいのが一つ。  それからいま一つは、私が前にあなたに御質問したのでありますが、横浜港の港内の問題について、いろいろと公益上の問題があるわけですが、特に横浜市は、御承知のように、非常に多くの土地を米軍に提供しておるわけですから、この接収解除ということが横浜市にとっても神奈川県にとっても一番大きな問題でありますが、いまこの横浜市神奈川区にノース・ピアというところがあるわけです。そのノース・ピアの入り口に、モーター・プール、米軍の自動車をとめておるところがある。これを横浜市においては、環境整備五ヵ年計画を今年度政府が実施するのでありますから、これに基づいて、下水処理、し尿処理等の問題についてどうしてもここに抜本的な対策をつくりたい、こういうことで、それらのいわゆる接収解除の問題と、そして下水あるいはし尿処理の問題等も含んで都市の美化という問題と生活環境改善ということでモーター・プールの解除を主張しておるわけです。ところが、米軍側の意向は、これに対して、代替地をほしい、つまりかわりの土地があれば米軍としては越すにやぶさかではございません、こういうことを回答しておるわけです。そこで、横浜市なり神奈川県としては、地元の自治体としては、できるならば提供をしておるところの米軍のこれらの基地をできるだけ一ヵ所に集めたい、そして市内のばらばらに接収されておるものを解除したい、こういう考え方に立って、御承知のように、運輸省が前に計画をしたノース・ピアの隣のいまの海を十万坪ほど埋め立ててほしい、こういうことを言っておるわけです。私も実は、横浜市の意見も聞き、現地もよく見ておるわけでありますが、いまの米軍の荷物等の集積上から考えますと、あるいは米軍船の出入から考えますと、ノース・ピアが最も適当な地だと思うのです。そこに一ヵ所に集まるということは、米軍側にとっても便利であろうし、横浜市としては市内の散在している接収地を解除されることでありますから、運輸省が前の計画をお進めになればこの問題は解決をすることなんです。そういうことで、運輸省としては、前に港湾局長は、それは一応放棄をして他に適当な土地をお考えになっておるようなお話がございましたが、いまのところ横浜市としてはこれが最適である、こういうふうに考えておるようでありますが、地元とお話し合いになってそういう問題解決の処理に当たってもらいたいと思うのですが、どういうふうにお考えになるか、これが二つであります。  それから三つ目は、運輸省が本牧埠頭の埋め立てをしておりまして、ヨット・ハーバーが実は使えなくなったのであります。御承知のように、横浜には、国立大学、また横浜市の市立大学、あるいは私立の大学等もたくさんございます。これらの学生がヨットの練習をするのに一々江ノ島やあるいは大磯に出かけるというのはなかなか困難なんです。そこで、この本牧のヨット・ハーバーの使用禁止について、関係の大学あるいは業界の人たちからも、ぜひヨット・ハーバーをつくってほしい、こう言われておるのでありますが、なかなか運輸省としても使用禁止をしたままで実は代替地がないわけです。そこで、いろいろお話を聞きますというと、地元としては、米軍に提供をしておるところの富岡地区の突端は、米軍側としても、ヨットを練習する米軍の関係者もおるので、ヨット・ハーバーとして使うならばこれは提供してもいいというような話もあるやに聞いておるわけです。しかし、これは政府が積極的に推進をしない限り、やはりこれはなかなか問題がまとまらないわけですね。ですから、私は、できるならばこの際港湾局長にひとつお骨折りをいただいて、運輸省計画として横浜港の本牧岬を埋め立てておる、そのためのヨット・ハーバーの使用禁止でありますから、これは運輸省の責任でひとつ地元の横浜市とお話し合いになって、そうして米軍にも、富岡地区の先を使わしてもらうようにお話をされて、そして練習できるようにさしてやってほしいと思うのです。おそらく金はかからないというのです。借用料が若干かかるかもしれませんと——米軍に貸与しておりますから、米軍のほうに幾らか借用料を払うようになるかもしれませんが、そんなものは全く、国家的な財政面からいけば、別に問題にはならぬわけです。これが何億かかるということになれば、これはまた問題でありますが、当面としては、オリンピックを前に、米軍の将士も、また日本の学生も、またアマチュアの人たちも、ぜひこの横浜で練習をしたい、こう言っておるのでありますから、これはもう先にいかないで、今月のうちくらいに早急に、使用禁止を長くしておかないで、できるようにひとつやってもらいたい、こう思うのであります。抜本的なものは、横浜市としてはいずれ運輸省に御相談をされるようでありますから、その際は地元と政府が半々くらいでやるように希望をして、ひとつ御意見を伺っておきたい。
  28. 比田正

    政府委員比田正君) ただいまの問題三件につきまして、一括してお答えいたします。  第一の、名古屋港の防波堤の入り口の幅の問題でございますが、この幅の問題を申し上げる前に、若干その防波堤が必要になったいきさつを申し上げたいと思います。  御承知のとおり、昭和三十四年の九月の伊勢湾の台風というのは、未曽有の大被害がありました。多数の貴重な人命も失いましたし、財産も失ったわけでございます。そこで、そのときには、政府法律を設けまして、昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法という、非常に長い名前でございますが、法律までつくりましてこの復旧を急ぎましたことは、御承知のとおりでございます。そこで、名古屋港をこの高潮から守りますためには、名古屋港の入り口のところに一直線に防波堤をつくる。普通の防波堤というのは波を防ぐだけでございますが、この防波堤はあわせて高潮も防ぐということで、名前は防潮防波堤という名前にいたしまして、延長八キロにわたりまして、知多半島から鍋田沖まで結んだわけでございます。で、この工事をきめましたときには、何分にも多数の人命も失って、現地では非常に興奮状態にありまして、一番の問題はまず人命の保護ということに最重点が置かれたわけでございます。そこで、この計画をつくりましたときには、運輸省だけでいたしたのではございません。大蔵省のあっせんがございまして、関係諸官庁、すなわち大蔵省、経済企画庁、農林省——これは鍋田干拓との関係でございます、それから運輸省、建設省は後の防潮堤の関係もございまして、これと学識経験者を寄せまして、この計画はよろしいということに幅を合わせましてきめたわけでございます。そこで、港湾のほうといたしましては、運輸省港湾審議会がございますので、そのほうにも付議いたしまして、原案どおり可決いたしまして、ただいま鋭意工事中でございまして、総工事が約百八億でございますが、九〇%この三月に終わるわけでございます。  したがいまして、その入り口の幅の問題でございますが、入り口の幅は、本港路の入り口は三百五十メーターということになっておりますが、これは底幅でございます。それから副港——もう一つサブの入り口がございますが、これは五十メーターということで、この計画できまっております。この幅にいたしましたのは、高潮の侵入を防ぎますために入り口をかなり狭くしぼっております。そこで、このせばめたために高潮が減るということを前提にいたしまして、農林省のほうも建設省のほうも取り急ぎまして、防潮堤をすでに完成しておりまして、したがいまして、この防波堤が一応完成、われわれとしましては、各省ともお約束どおりにこの入り口の幅をきめてありましたので、このとおりに施行いたさなければならぬという義務がございます。  そこで、その後の港内の様子を申し上げますと、港内は非常に広いのでございますけれども、その広い中の西側のほうと東側に埋め立て地ができることになっておりますが、東のほうの埋め立て、東海製鉄を中心としましたものは、ほとんど八、九分どおり埋め立て地ができております。それからただいまは鍋田地区のほうの埋め立てを施行中でございます。この鍋田地区の埋め立てがだんだん進みますと、もはやその後では非常に安全になりますが、建設省のほうでも、それがある程度の高さに達すれば入り口を広く広げてもよろしいぞということをおっしゃっておるわけでございます。そこで、その時期はどうかということになりますと、あと一年半か二年半の間でございます。最も危険なのは、入口が狭くて困るというのは潮の流れの問題でございまして、これは彼岸の潮が一番強いものですから、春秋の彼岸のころの潮干狩りのできるようなあの時節のときが一番流れが早くなる。これは年に二回ございます。二年間といたしましても、四回ございます。毎月干満の強いのは二回ございますけれども、これはたいしたものではございません。最大のときに大体四ノットぐらい出るだろうということになっております。そこで大きな船はそれでいいのですけれども、小さい船が困るという問題がある。だんだん防波堤が締まってくるにつれまして起きてまいります。昨年あたりからその問題が非常に強く言われまして、いろいろな御要望がございました。特に、この機帆船組合の方は、大体この沿岸に八百隻ほどございます。けれども、そのうちで五十隻ないし六十隻は非常に小さいものでございます。大きいものは大体そういう潮が強くても入れるのでございますが、小さいのはそうはいかないというような状況になったわけでございます。そこで私どもは、建設省のほうに、ひとつこれを締めないでこのまましんぼうしてもらえないだろうか、そうすれば、あと一年たてば、もう埋め立ても急いでやりますから、まあその間には伊勢湾台風のようなものは来ないから、百年に一回ぐらいだということを相談いたしましたのですが、それは困る、万が一にも来るというようなことがあるじゃないか、それは最初の約束のとおりの幅に締めないで広げたままで工事をやるということは絶対に困るということで、なるほどそれもごもっともなお話でございまして、そこでその案は取りやめまして、一応は既定どおり締めまして、西のほうが埋まり次第に取りはずしていく、そうして船も入りやすくなりますし、流れもたやすくなる、その間一年半あるいは二年の間はわずかな日数でございますからどうぞごしんぼうくださいますようということを、辞を低くいたしまして関係者に相談いたしているわけでございます。しかも、その相談中にいろいろな問題がございましたので、その交渉をいたすときには、工事を全面的にストップいたしまして、誠意を示して交渉いたしました。その結果、最近では、いろいろな条件がつきまして、しかたがなかろうというふうに大体なりつつあります。それで、問題になりましたのは、こういう問題を建設省と相談いたしますときに、私ども中央だけではできませんので、港湾管理者というものがございますから、名古屋港管理組合のほうへ相談申し上げたわけでございます。ところが、名古屋港の管理組合のほうは、一部事務組合でございまして、県、市のほうから議員さんが出てまいっております。しかも、ここの事務局長も、どうしてもそういう方に御相談しなければいかぬ。それが県会で質問があったということになりましたために、昨年新聞に出たわけでございます。決して私たちは発表したものでないわけでございますが、そういう段階を経て出てしまいました。それで、今度は広げないのだというふうに逆戻りしたというふうに非常におとがめをこうむりまして、その点についての不手ぎわにつきましては、中央で起こったことでございませんけれども、所管官庁といたしまして私ども非常に申しわけないと思っております。したがいまして、あとの始末といたしましては、小船がとにかくわずかな時間だけ安心されるように入口付近に船だまりをつくってくれとか、あるいは信号所をつくってくれという御意見がございますので、これは全部そのとおりいたしたいということで、ただいま港湾管理者のほうに具体案の作成を命じております。したがいまして、この問題一応御了解を大体得たという段階でございます。以上でございます。  次に、横浜の米軍基地の問題でございます。これは、御指摘のとおり、米軍はいまなおかなりの地区にわたりまして接収いたしているわけでございますが、戦後は全面的に港湾施設を接収いたされましたのを、今日までに至りまして、先刻もお話し申し上げましたように、七、八バースのところまでこぎつけたわけであります。私どもはできればもう少しねばって交渉いたしまして、もっと返してもらいたいわけなんでございます。その話がきまらない前に代替地をつくってやるという約束をいたしますこともいかがかと思いますので、中央の考え方といたしましては、もう少し現地を通じましてがんばれるだけがんばって、要らないものは返してもらって、それでも足りない最小限度のものを代替地をつくったらというふうに考えております。したがいまして、いますぐここで代替地をつくればオーケーだという案に賛成いたしますと、返してもらっていいところまでつくってしまわなければならぬおそれが若干あるわけでございます。その点がなくなりますれば、お説のとおり、ノース・ピアの裏側のほうにはまだ埋め立ての計画がございますし、余地もございますので、この辺あたりを埋め立てて、一括してどいてもらったらというふうにも考えております。  ただいまのモーター・プールのお話でございますが、モータ・プールはどこにありますか、私も詳細……。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 入口だ。
  30. 比田正

    政府委員比田正君) 入り口ですか。それが港の中じゃないかもしれないように考えますが、これは一般市街地かもしれませんが……。
  31. 相澤重明

    相澤重明君 国有地だ。
  32. 比田正

    政府委員比田正君) 一般市街地でもしありますと、できればもっと奥のほうに行ってもらいたいという気もいたしますが、それはともかくといたしまして、そういう交渉の段階でございまして、最小限度煮詰めまして代替地をつくったらいいじゃないかと考えております。そこで、まだ市からはぜひとも国として埋め立て地をつくってくれという御要求は正式にはまだ参っておりません。話はときどき伺っておりますが、どうしても最後の段階にきたらこうしなければおれのほうは困るのだというお話は、港湾管理者である市長さんのほうからはただいまのところはお話ございません。お話の筋はよくわかりますので、これは前向きの姿勢で検討いたしたいと思っております。  第三の問題のヨットハーバーでございますけれども、ヨットーハーバーにつきましては、御指摘のとおり、本牧等の拡張計画をいたしましたので、ヨット・ハーバー自体は使えるのでございますが、そのヨット・ハーバーから出て練習をする水域が使えなくなったわけでございます。多少若干の水域が残っておりますけれども、それが本航路の入口のそばなものですから、海上保安庁等も、非常に、国際港でございますので、安全をとりまして、そこではしてはならないというように申したようでございます。そこで、代替地の問題でございますけれども、ただいまお話がございましたように、二つのことが考えられるわけでございます。第一は、比較的設備をしないで済むような富岡地区の米軍の弾薬庫があるところの付近を貸してもらうということが第一でございます。第二は、もう少し横須賀寄りに行きまして、追浜地区にかっこうな土地がございますので、これに恒久的な設備をつくりたいということが第二でございます。第一のほうの問題につきましては、米軍の関係につきましては御承知のとおりでございます。私どもも、現地ばかりにまかさないで、応援いたして、私どもも必要に応じては交渉の相手方になってもいいと思うのでございますけれども、それは入り口でございまして、そのすぐ前の練習する水面のところにおりあしく漁業権があるわけでございますが、この漁業権のほうがなかなか、今度は国内的の問題ですが、いろいろと難渋をいたしまして、これはいま市当局といろいろ話しておるようでございます。この話がなかなか長引いておりますので、ただいままだ解決に至っていないということでございます。その後の事情については、これは先週の私は情報でございますが、今週に入りましてから、その後どうなったか、昨今の様子は聞いておりません。したがいまして、漁業権のほうが賛成であるということであれば、米軍の基地で学生さんたちだけでもやってもらえないかというようにしてお話ししたほうがいいということは、市にも申しておりますし、必要がありますれば私どもも申したいと考えております。  それから抜本的な方法といたしましては、追浜地区のほうは、ある程度金がかかるようでございます。規模によって金がかかります。港湾の管理者である市長さんも、五億も六億もかかっちゃあ困るのだけれども、一億やそこらのことならば考えてもいいなあと、こういうふうにおっしゃっておるようでございますから、私は私の事務当局に命じまして、さっそく市と話し合いまして、本牧等の予算というのは非常に大きな予算でございますから、その一部から一億円くらいを出すことは可能であろう、至急この具体的な案をつくれという話を申しまして、ただいま横浜市の人も参りましていろいろ具体案を練っているようでございます。もしもこの第一次案が漁業権等でうまくいかないということが起こりましたときには、やむを得ず至急にこの恒久案をやりたい。これもそう長くかかる問題ではないと思います。非常に狭いスペースでございますから、半年やそこらではできませんけれども、一年くらいかかれば大体一応使える、一年半もたてばできるのじゃないかというふうにただいまは考えております。  以上のようなことで、このヨット・ハーバーにつきましては、体育の問題から考えましても、またいろいろ国祭競技等の立場から考えましても、重要なことでございますので、お説のとおり、極力推進いたしたいと考えております。
  33. 相澤重明

    相澤重明君 いまの誠意ある御答弁で、私も感謝します。そこで一つ問題は、先ほど申し上げたノース・ピアのそばの埋め立てという問題は、これはやはり現地を見なければよくわからないと思うのです。いまのモーター・プールはそのノース・ピアの入り口でありまして、国有地であります。そのそばにはまた国鉄の用地も若干あるんですが、すでに米軍は使っておらぬ。こういうような点からいって、非常に地理的条件もいいところでありますので、各委員の皆さんにもひとつ御協力いただいて、現地を見ていただいて、できるだけひとつそういう環境整備についても、また運輸省港湾問題についても、ひとつ御協力いただきたいので、それらの現地を見ることについてひとつ委員長、理事の方々にお願いをしておきたいと思う。これは委員長に特にそのことをお願いをして、私はこの質問を終わります。
  34. 米田正文

    委員長米田正文君) その件は理事会でおはかりをすることにいたします。  本件につきましては、本日はこの程度といたします。
  35. 米田正文

    委員長米田正文君) 次に、旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案及び国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  36. 米田正文

    委員長米田正文君) 速記を起こて。  参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案及び国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 米田正文

    委員長米田正文君) 異議ないと認めます。  その日時及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 米田正文

    委員長米田正文君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  39. 米田正文

    委員長米田正文君) 次に、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題といたします。  提案理由の説明を聴取いたします。
  40. 田邉國男

    政府委員(田邉國男君) ただいま議題となりました臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、海運業の自立体制の整備を主眼として外航船腹の整備を促進いたしますために、現在昭和四十年三月三十一日までとなっております臨時船舶建造調整法の存続期間を、昭和四十四年三月三十一日まで延長することを内容とするものであります。  現行の臨時船舶建造調整法は、戦後のわが国外航商船隊を再建するために船舶の建造を調整する必要上、昭和二十八年に制定されたものでありまして、外航船舶の建造を運輸大臣の許可にかかわらしめることにより、国内向けの船舶につきましてはそれが真に国民経済の要請に適合するよう、また輸出船につきましては当該船舶の建造がわが国の国際海運の健全な発展に支障を及ぼさないよう、調整する機能を発揮してまいったのであります。  しかして、現在、政府は、開放経済体制への移行にかんがみまして、一そうわが国経済の自立と発展をはかっておりますが、その一環として、外航船腹の計画増強と海運業の再建整備が緊急の課題とされております。そのため、昨年海運業の再建整備に関する臨時措置法が制定されまして、五年間に、集約等の海運業側の合理化努力と日本開発銀行の融資に対する利子の支払い猶予措置によりまして、わが国海運業の自立体制の整備をはかることになっているのであります。  しかしながら、最近わが国造船業に対する輸出船の注文は飛躍的に増大しておりますので、輸出船と国内向け新造船との間に、建造船台等につきまして競合関係を生ずるおそれが増大してきております。さらに、わが国貿易量の増大に伴いまして、長期積荷保証のもとにわが国の貿易貨物輸送しようとする輸出船がわが国造船業に対して発注され、これら船舶と国内船との間に競合関係を生ずるおそれも増大してきております。  したがいまして、わが国海運業の自立体制の整備を主眼として外航船腹の整備を促進いたしますためには、国内船と輸出船との競合関係を調整する機能を持っております本法の有効期間を、海運業の再建整備に要します期間に見合いまして、少なくとも四年間延長する必要があるのであります。  なお、現行法は、昭和四十年三月三十一日まで効力を有するのでありますが、その有効期間延長についてのこの法案を今期通常国会に提出いたしますのは、造船の場合におきましては、着工の相当以前に契約が締結されるのが通例でありますので、昭和四十年四月以後に行なわれます船舶の建造につきまして、混乱を引き起させないためであります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  41. 米田正文

    委員長米田正文君) 次回は三月十日午前十時開会を予定し、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会