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1964-03-03 第46回国会 参議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月三日(火曜日)    午前十時五十八分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     米田 正文君    理事            天坊 裕彦君            吉田忠三郎君    委員            江藤  智君            河野 謙三君            木暮武太夫君            野上  進君            平島 敏夫君            村松 久義君            相澤 重明君            大倉 精一君            浅井  亨君    発  議  者 大倉 精一君   政府委員    運輸政務次官  田邉 國男君    運輸大臣官房長 佐藤 光夫君    運輸省観光局長 梶本 保邦君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    日本国有鉄道新    幹線局総務部長 野村 慶昌君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○都市高速鉄道建設助成特別措置法案  (大倉精一君外五名発議) ○旅行あつ旋業法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○国際観光ホテル整備法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道運営に関する件)     —————————————
  2. 米田正文

    委員長米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。  まず、都市高速鉄道建設助成特別措置法案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。参議院議員大倉精一君。
  3. 大倉精一

    大倉精一君 ただいま議題となりました都市高速鉄道建設助成特別措置法案について、提案理由を御説明申し上げます。  最近の大都市における交通の混雑ははなはだしいものがあり、この傾向は日とともに激しくなる一方でありまして、このまま放置するならば、都市交通は全く麻痺することは火を見るよりも明らかであります。  この極度に混雑している都市交通現状を打開して、都市交通中心目的たる大衆大量輸送公共輸送円滑化を急速にはかるためには、思い切った対策が必要であると考えます。  今日、自動車の路線別運行規制などが行なわれておりますが、これらは当面を糊塗するびぼう策にすぎず、基本的な都市交通解決策にはなり得ないものであります。  都市交通の急速な解決をはかるには、当面、道路網建設を行なうと同時に、都市大量輸送機関である地下鉄建設を促進し、地下鉄網の延長をはかることが最も効果的な対策であると考えるわけであります。  これらの観点かち、三十九年度においても、地下高速鉄道建設費補助するため、予算措置として二億四千七百三十万円の補助金を支出することになっておりますが、一キロ当たり数十億円の建設費を要し、三十九年度においても四百六十八億円もの建設費を必要としているのであります。したがって、この程度補助では、その実効はきわめて薄いといわなければなりません。  さらに制度上から見ましても、補助金の交付は、単に予算措置として行なうよりは、その根拠を法律規定によって与えられていることが望ましいと考えられますので、この際建設費利子相当額範囲内で補助することができる旨を法律上明確にして、今日の緊急課題である地下鉄または高架鉄道建設を促進すべきであると考えるのであります。  本法律案は、このような趣旨を達成するために提出した次第であります。  次に、本法律案の内容について概略御説明申し上げますが、将来の都市高速鉄道発達等考えまして、単に地下鉄とせずに、法案名も、助成対象も、都市高速鉄道とし、地方鉄道法第一条第一項の地方鉄道と、軌道法第一条第一項の軌道て、都市及びその周辺において、主として地下または高架で敷設されるものとした次第であります。  これらの鉄道軌道で具体的に助成対象とすべきものは、運輸大臣が、都市交通審議会の意見を聞き、緊急に建設すべき都市高速鉄道予定路線として、閣議の決定を経て指定した路線に限ったわけであります。  以上の都市高速鉄道で、昭和三十九年度以降昭和四十八年度までに建設に要した資金に対して、昭和四十年度から昭和五十四年度までにおいて、前年度分の利子相当額範囲内で、予算で定めるところにより補助することとした次第であります。  なお、この利子の額については、別に定める運輸省令により計算することとしてあります。  ただし、以上の補助を受けた路線について営業開始利益を生じた場合は、助成年度内においては、その利益相当額を、補助対象となる建設に要した資金利子相当額から控除することとし、また、その路線全部が営業を行なうこととなった場合で、営業開始の年から十カ年以内に利益を生じた場合は、その利益を生じた年度の翌年度において、当該利益額の二分の一を下らない金額を補助額合計額に相当する額に達するまで政府に還付しなければならないこととした次第であります。  なお、この予定路線にかかる都市高速鉄道建設資金については、政府においても必要資金確保につとめるものとする旨の規定を設けるとともに、附則におきまして、この法律助成対象である都市高速鉄道については、地方税法改正して、不動産取得税及び固定資産税についてそれぞれ特例を設けたのであります。  以上、が本法案概要であります。何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御賛成を賜わりたいと存ずる次第であります。     —————————————
  4. 米田正文

    委員長米田正文君) 次に、旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題とし、提案理由説明を聴取いたします。田邉政務次官
  5. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) ただいま議題となりました旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案提案理由について、御説明申し上げます。  旅行あつ旋業法は、旅行あっせん業の健全な発達をはかり、日本人及び外国人の旅客の接遇向上に資することを目的として昭和二十七年に制定されたものでありまして、自来、同法は、旅行あっせん業の適正な運営確保することにより、わが国観光事業発展に大きな役割を果たしてまいったのであります。  しかし、本年四月に予定されるIMF八条国移行に伴う日本人海外観光渡航自由化を控え、また最近における旅行あっせん業現状及び経済情勢変動等状況に照らしますと、現行の旅行あつ旋業法規定は、旅行者の保護の面で必ずしも十分なものではありません。このため、旅行あっせん業者をして日本人海外渡航の取り扱いを適正に行なわせるとともに、さらに旅行あっせん業者全般につきその信用度を向上させ、運営適正化をはかるため、所要改正を行なおうとするものであります。  次に、この法律案概要について、御説明申し上げます。  第一に、日本人海外旅行あっせんは、もっぱら一般旅行あっせん業者をして行なわせることとし、これに伴い、邦人旅行あっせん業事業範囲日本人の本邦内の旅行のみを対象とするものといたしております。  第二に、営業保証金の額を、経済事情変動に応じて約五割引き上げることとし、旅行あっせん業者損害担保力の強化をはかることといたしております。  第三に、旅行あっせん業を営む者の行なってはならない行為の中に、新たに債務履行の不当な遅延行為及び重要な事実を告げない等の行為を挿入し、その明確化をはかることといたしております。  以上がこの法律案提案する理由であります。     —————————————  次に国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  国際観光ホテル整備法は、外客宿泊施設としてのホテル及び旅館整備をはかり、外客接遇充実に資することを目的として昭和二十四年に制定されたものでありまして、本法の施行により、外客宿泊に適するホテル及び旅館整備が促進され、わが国国際観光発展に著しい貢献をいたしてきたのであります。  しかしながら、最近における登録ホテル業及び登録旅館業の増加、ホテル及び旅館施設水準向上等現状にかんがみますと、外客の接待を今後一そう充実させるためには、この際、この法律所要改正を行ない、登録ホテル業及び登録旅館業の業務の適正化水準向上をはかる必要があるのであります。  次に、この法律案概要について御説明申し上げます。  第一に、登録ホテル業及び登録旅館業を営む者に対し、宿泊約款届け出義務を課することとし、宿泊に際して生ずるトラブルの防止をはかろうといたしております。  第二に、登録を受けたホテル及び旅館施設の管理の方法、掲示すべき事項外客に接する従業員に施すべき教育の程度方法等登録ホテル業及び登録旅館業を営む者の順守すべき事項について定めることとし、外客の利便の確保をはかろうといたしております。  第三に、登録ホテル業及び登録旅館業についての報告及び検査に関する規定整備することとし、登録を受けたホテル及び旅館施設水準維持等をはかろうといたしております。  第四に、ホテル及び旅館施設に関する登録基準整備し、外客接遇の一そうの充実をはかろうといたしております。  以上が、この法律案提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
  6. 米田正文

    委員長米田正文君) 速記をとめて。   〔午前十一時九分速記中止〕   〔午前十一時四十九分速記開始
  7. 米田正文

    委員長米田正文君) 速記をつけて。  両案の質疑は次回に譲ります。     —————————————
  8. 米田正文

    委員長米田正文君) 引き続き運輸事情等に関する調査議題といたします。  質疑のおありの方は御発言願います。相澤君。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 先日、東海道新幹線試運転区間において飛び込み自殺があったという報道が行なわれておるのですが、その経過を報告をしてもらいたい。
  10. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 新聞に報道されておりますように、二月の二十六日に飛び込み自殺がございました。新幹線の五十六キロ五百メートル付近におきまして飛び込み自殺がございまして、前部のスカートを若干傷つけましたが、運行には支障ございませんでした。自殺死体は、高速のために身元はそのときにはわかりませんでしたが、自後炭鉱労務者ということが判明いたしました。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 炭鉱労務者というのは、どこの出身ですか、あるいはどこにおった人ですか、そのわかったというのは。
  12. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 本日その資料を持っておりませんので、私お答えいたしかねますが、警察の取り調べによりそういうふうであったということを聞いております。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 この事故について、まあ新幹線が十月営業開始ということになるわけですが、こういう事故がもし対策が不十分であるというと、乗客としての心理状態はきわめて問題になると私は思う。したがって、国鉄自体飛び込み事故があったそのことをやはり今後の問題として十分検討をしないと、国民のやっぱりいろいろ疑問点が出てくると思う。そういう面で本社のほうとしてはどういうような御相談をされておるのか、対策をつくっておるのか、おわかりになったら御説明いただきたい。
  14. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 新幹線の安全につきましては、われわれも当初から最も関心を持っておったところでございまして、車両の面につきましても、あるいは軌道路盤の面につきましても、万全の対策を立てておる次第でございます。さらに、最近の世相から考えまして、線路内への立ち入り者があるんじゃないかという関係から、昨年から盛り土部分につきましてはさくがきを設けております。現在その工事中でございます。これによりまして、ことさら悪意を持っておる者以外は、まず線路内に立ち入ることはなかろうかと存じます。
  15. 相澤重明

    相澤重明君 これはいずれ総裁なり副総裁を呼んで、安全対策の問題についてはきちっとしてもらわなければいけないと思うのですが、先日の事故の際に、運転士が発見をしてから停車をするまでには、どのくらいの距離と時間がかかったんですか。
  16. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 五十六キロ五百付近歩行者を認めたわけでございまして、停車しましたのは五十三キロ三百付近、約三キロ一二キロ八百でございます。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 どのくらいの時間…。
  18. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 二キロ八百でございますから、時間は一分足らずでございます。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、結局は、人影が見えて、あぶないと思って急停車をかけたけれども、約二キロ八百−三キロ近く過走したということで、その時間というのはアッという間だということになるわけですね、一分ということになると。そうすると、その当時の出しておった速度はどのくらいなんですか。
  20. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 当時訓練運転をいたしておりまして、二百キロでございます。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 時速二百キロで、アッという間に、人影は認めたけれども、とまる場所までは三キロ近く走ってしまう。そうすると、二百五十キロからの時速ということになると、それはもうほんとうに見てもわからぬというような状況じゃないですか、どういうことですか。
  22. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 新幹線は、営業運転いたします際は、ATC装置によりまして最高速度を二百十キロに押えております。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 これはもう最高速度は二百十キロで営業するということですが、最低幾らですか。
  24. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 最低は……、ATCによりまして、二百十キロ、百六十キロ、七十キロ、三十キロというふうになっております。停止点におきましては自動的に停止するようになっております。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 いまのような説明では、まだよくわからぬが、結局まあ自動的に停止装置というものが完備されていると、世界に誇る自動制御もできておるということであろうと思うのですが、いまの私の聞きたい問題点は、とにかく二百十キロという最高速度が出せるそのときに、いまたとえば飛び込みとか、たとえば線路妨害物が置かれているというときに、人間視力で見て、アッとこう思ったときに、その瞬間にとめても、いま言った三キロ近く行ってしまう、三キロ飛んでしまうということになると、妨害物排除は、これは視力の限界ではむずかしい。したがって、これは自動的に排除する装置というものがあるから、この機械にたよると、こういうことですか。
  26. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 人間視力にたよっておりましては時期を失しますので、そういう意味におきまして、さくがきを設け、立ち入りあるいは置き石等を防いでおりますし、また車両自体スカート厚みを八十ミリ程度にいたしまして非常に強固なものにいたしております。さらに排障器も二段につけまして、たいていのものははね得るという状態にいたしております。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 その速度がそういう二百キロとか二百十キロという高速度のときに、どの程度のものまでは排除できるのですか。いまの排障器をつけておいて、どの程度のものの妨害物は排除できるというお考えですか。
  28. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) これは実際に実験するのは非常にむずかしいわけでございまして、十分のことはいたしておりませんが、スカート厚みからいたしますと、百キロ程度のものははね得るということは考えられます。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 百キロ程度のものははねのけられる、それは実験やってみたのですか。
  30. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) これは、実験と申しますか、計算をいたしておるわけでございます、安全度の。
  31. 相澤重明

    相澤重明君 これはもう学問上、技術上の問題が、私はむしろその実際の運転をした場合にどう効果があらわれるかということが問題だと思うのです。事故がなければ、私もこういう質問はしないのです。一たん事故があったときに、どうそれを防ぐかという、やはりそのことが一番大きい問題点ではないかと私は思う。先日のは、たまたまこれは営業を開始しておらないときだからいいけれども、これはやはり他山の石として、営業が開始されたときにそういう事故があったらどうするのかということが一番先に頭にくるわけです。だから、いま百キロ程度のものは排除できるということなんでありますが、この点やはりよほど安心感を持たせるように、国鉄側国民の皆さんに信頼できるような方法というものは何かお考えになっておるのですか。PRといいますか、そういう安全性について、絶対だいじょうぶだというそういうお考えは、どういうふうにして知らせるということをお考えになっておりますか。
  32. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 新幹線車両その他の安全につきましては、実験できますものにつきましては十分実験を行なっておるわけでございまして、たとえばガラスにつきましては、鶏をエア・ガンによりまして射出いたしまして、強度の十分あることを確かめております。これによりまして、たいていの飛んできます鳥などについては安全であるということを確かめております。またスカートにつきましては、軽いものでございましたらこれは実験できますが、大体八十ミリ程度の鋼板のものでございますので、戦車並み考えてもいいのじゃないかと思っております。排障器につきましては、小石については実験をいたしました。握りこぶし大のものなら十分はね飛ばし得る、もっと大きいものも問題ないと思われるのでございますが、まだそこまでの実験はいたしておりません。そういうような次第で、私たちとしましては、十分安全には自信を持っておりますが、その点を御理解願うために、いろいろ御試乗も願い、また御試乗を願った方からの御注意もいただいておるわけでございます。
  33. 相澤重明

    相澤重明君 いま窓ガラスの点に触れられましたが、昨年いまの東海道線急行列車がすれ違いの際に、窓ガラスが一度に何十枚とひびが入り、割れたことがあるのです。そういう経験を国鉄は持っておるのですから——しかしそれはわずか九十キロか百キロの速度のものでしょう。それが二百キロということになると、倍になりますから、はたしていまのような、小鳥が飛んできてもそれをはねのけることができる、あるいは風圧にたえることができるという、そういう点をよほど研究されたものを出してもらわぬと、先日来東海道線優等列車乗客がそのためにけがをした、そういう事態があったのです。そういうことをひとつ、私どもとしては、でき得るならば、その事故が起きたときにはこういうところに欠陥があるとか、あるいはこういう点について改良したとかいう報告を実はしてもらいたいわけです。それがないから、どうも国鉄というものは事故が起きても比較的これはしかたがないのだというような印象を、国民に疑問を与えてしまうということになると思うのです。ですから、いまのせっかくお話に出たことですが、東海道線優等列車窓ガラス風圧かなんかの関係、鳥の関係かもしれませんが、そういう事故が二回ほど起きておりますね。それにつきましては、結果はどうなりましたか、あなたは聞いておりませんか。
  34. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 東海道線のその後の対策は、私は、申しわけございませんか、まだ聞いておりません。新幹線につきましては、側面のガラスにつきましては、強度は現在線よりもはるかにじょうぶなものにしております。車両全体を流線型にいたしまして、行き違いの場合にも大きな風圧のかからぬように配慮してございます。
  35. 相澤重明

    相澤重明君 私どもが昨年運輸委員会として、運輸委員試運転に乗車したわけですが、その際に、隧道に入るときに耳にふわっとくる風圧、あれはいまどうなっておりますか。
  36. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 昨日営業用の六両の車両を引き取りまして、気密試験を行なったわけでございますが、二百十キロまででは何ら異常は感じませんでした。
  37. 相澤重明

    相澤重明君 今度十月から運転するという営業車はすでにでき上がったということも聞いているのですが、それの試運転をやっているのですか。
  38. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 昨日引き取りをいたしまして、その試験をいたしすした。
  39. 相澤重明

    相澤重明君 それは何両ですか。
  40. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 六両でございます。
  41. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、いま六両編成営業車第一号ができ上がったということだと思うのですが、これはどのくらいの距離試運転をしているのですか。前のモテル線区——鴨宮から綾瀬までの短い区間だったのですが、いまはどのくらいの区間試運転しているのですか。
  42. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 現在のところは、やはり鴨宮から綾瀬まででございます。
  43. 相澤重明

    相澤重明君 距離としてはそれでは幾らもないですね。これはもっと距離を、少なくと高速度試運転区間というものを、もっと訓練ができるようなものは、いつごろになるのですか。
  44. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 現在モデル線は三十数キロで、短距離でございますが、五月から米原——鳥飼間約百キロで試運転を開始したいと思っております。
  45. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、五月に百キロ程度試運転区間ができるという御説明をいただいて、たいへん喜ぶわけですが、東京駅を起点とした関東地区はいつごろに全部つながるのですか。
  46. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) この東京方につきましては、馬込橋梁等関係もございまして、八月から全線試運転を行なう予定でございます。
  47. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、もう用地のほうは全部買収を終わって、線路は全部つながったのですか。
  48. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 用地につきましては、本体工事のために必要な用地は全部獲得いたしまして、現在路盤工事はほとんどでき上がっております。レールを設定中でございます。
  49. 相澤重明

    相澤重明君 八月に試運転全線ができれば、十月の開業は間違いないですね。そういう計画で、いま一番問題なのは馬込個所というお話であったのですが、大阪までの間にどことどこが一番重要点として残されているところですか。あなたは、路盤工事は終わって、レールを敷きつつある、こういうことですから、もうほとんどが通れるようになるわけですね。いま一番そういう新幹線全線開通のために必要な個所というのは何カ所ぐらいあるのです、いま一生懸命やっているところは。
  50. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 現在はまだ全般的に軌道敷設工事を行なっておりますが、おくれますと申しますか、最後のほうになりますのは、この東京付近、あるいは大阪駅、こういうところが、駅関係のほうが若干おくれますので、それも七月中には完成する予定でございます。
  51. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、大体五月に百キロ程度試運転区間ができる。そして、いまの御説明ですと、駅関係は七月、八月には全線試運転ができるということで、十月営業開始というコースですね。そこで、八月の全線試運転までに営業開始の際の車両というものは全部国鉄に納入されてくるわけですか、試運転は終わるわけですか。
  52. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 大阪方面は四月から車両の納入をさせます。東京方につきましては五月から納入させます。そういたしまして、大体七月中には全車両がそろう予定でございます。
  53. 相澤重明

    相澤重明君 いま一度お答えいただきたいのですが、全車両というのは何両だったですか。
  54. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 三百六十両でございます。
  55. 相澤重明

    相澤重明君 三百六十両を何編成にするのですか。一個列車には箱はどれくらいつくのですか。
  56. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 一編成十二両でございまして、三十編成つくります。
  57. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、十二両で三十編成ということになると、往復で何回運転をすることになるのですか。
  58. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) まだ最終的に決定いたしておりませんが、おおむね三十往復見当予定いたしております。
  59. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、これはもう予備軍というものは全然ないということですね。フル運転ということで、事故が起きた場合には、もうそれはしかたがないということになっていきますな。
  60. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 時間の関係もございます。朝の列車は大体一往復半できる予定でございまして、そういう意味におきまして二ないし三編成ぐらいは予備を持っております。
  61. 相澤重明

    相澤重明君 予備を持っているというので、それなら安心だが、やはりフル運転ということになると、事故対策というもの、安全性というものを考えていないと思われたのですが、それはけっこうです。  そこで、その前にきっと国鉄当局から御説明があると思うのですが、いまのところ客車だけ運転をして、貨車は当分運転をしないということなのですか、それとも貨車も運転をする計画を持っておるということなのですか、それが一つ。  それから、優等列車ということだと思うのですが、それはどの程度範囲のものなんですか、いまお考えの三十往復をするというのには。
  62. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 優等列車と申しますか、超特急と申しますか、これにつきましても相当数運転するという考えは変わっておりません。しかし、具体的に何往復というところまではまだ決定いたしておりません。  貨物につきましては、大体一年おくれくらいでやろうということで現在進めております。
  63. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、三十往復ということになると、大体間隔はどのくらいですか。夜間もやはり通す、昼間だけではないということですね。
  64. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 御承知のとおり、特急でも四時間運転を目標にいたしておりますので、夜間はあまり利用される価値がございませんので、夜間は運転をいたしません。
  65. 相澤重明

    相澤重明君 それからいま一つ聞いておきたいのは、まあ優等列車というのか、超特急というのか、いまの東海道線で動いておるもののほかにも新しいものをお考えになっておるのかどうかですね。つまり、いまの東海道線を走っておる「こだま」とか「つばめ」とか超特急のほかに何かまた、新線が開業されるということで、そういうものもお考えになっておるのかどうか、いかかですか。
  66. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 御質問の趣旨がちょっとはっきりわかりませんが、現在の東海道線に走っております特急、これにかわるものというだけでなくて——これは時間的に申しますと、まず新幹線におきます特急に当たるものかと思いますが、そのほかにさらに超特急、いわゆる最終的の計画では三時間で走ろうという超特急、これを計画いたしております。
  67. 相澤重明

    相澤重明君 結局、私の聞いておるのは、いまの特急とか超特急という名前の列車がありますね。その名前のものだけを移す考えなのか、それとも、東海道新幹線がせっかくできたのだから、そういうものにふさわしい名前を列車につけることをお考えになっておるかということを聞いておるのです。
  68. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) そういう愛称とか、そういう問題につきましては、まだ内部的に十分検討を進めておりませんので、ちょっと御返答申し上げかねます。
  69. 相澤重明

    相澤重明君 先日国鉄のPR誌を見ると、学生なり一般の人からのいろいろな投書をとって、そうして一体この優等列車の名前はどういうものがいいかというようなこともだいぶ積極的に進められて、利用者の意見というものも聞かれておるわけですね。そういうのが、この間送られてきた書類を見るとあるわけです。ですから、新東海道線というものができたのに、従来の名前の列車をそのまま移行するというのがいいのか、あるいはまたそういう新しいアイディア、名前をつけるのがいいのか、やはりそういうことはなるべく早くきめられるのが、私は宣伝効果もあると思うのです。そういうことがなかなかきまらぬところに、やはりむしろ国鉄のPRのへたなところがあるんじゃないかと思う。ですから、これはできるだけ私の希望としては早く——どこでおきめになるか知らぬが、営業開始までになるべく早目にひとつ、いわゆる高速電車といいますか、そういうものが通るのだということを私は発表してもらいたいと思う。そういうものは、 レールができてからでなければできないということではないと思う。そういうことで、まああなたに文句言ってもしかたがないと思うけれども、これはひとつお帰りになったら総裁等にも伝えてほしいと思う。  それからいま一つ最後に時間の関係で聞いておきたいのは、この東海道新幹線車両は国内のメーカーがつくったわけですね。世銀借款の際には外国商社の入札参加ということも考えておったのですが、実際には、外国商社の参加は一つもなくて、国内メーカーでしたね。これは製作費というのは一車両当たりどのくらいになったのですか、あるいは機関車——流線型等先ほどお話ありましたが、そういうものはどのくらいになっておるのかおわかりですか。——じゃいいです。これはお帰りになったらば、いませっかく六両の営業車試運転が行なわれるようになったそうでありますから、まさか試運転営業車ができ上っておるのに単価がきまらないということはないと思うので、あとで資料として、幾らで落札されたのか、でき上ったのは幾らに実際なっておるのか、これをひとつ当委員会に資料として提出を願いたい。そこで、国内メーカーだけだから、予定価格よりは高くなった、安くなったということもあるかもしれぬが、国際入札だというとそういうところはきわめてきびしいわけですね。ですから、いろいろ私も新幹線のこの工事が始まる前に当委員会新幹線車両の入札問題について申し上げたことがあるのですが、ひとつお帰りになったら、車両の値段がどうなっておるか、それから先ほどのお話の会社——関西とか、関東とか、つまり大阪とか東京とかというお話がありましたが、その会社名もあると思いますから、車両会社の名前と、そこの製作費というものをひとつ資料として御提出を願いたい。  以上で私は終わります。
  70. 米田正文

    委員長米田正文君) 河野君。
  71. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちょうどいい機会ですから、東海道の通勤者の一人として私は伺っておきたいのですが、われわれ毎日通勤しておる者から見ますと、新幹線というものは直接関係ないですよ。ただ新幹線ができることによって十月以降東海道の輸送量というものは相当増強されるであろう——しろうと考えでは、たとえば東京−沼津間の例を言うならば、新幹線が通りますとそちらのほうに全部急行がいってしまう、であるからおそらく横須賀線のように十分なり十五分間隔で電車が通るようになるであろう、こういうことを期待しているわけなんですが、それでは一体、新幹線が開通いたしまとす、これは東京大阪全線のことでございますが、具体的の例として東京−沼津間なら東京−沼津間というものはどのくらい輸送力は増強されるのですか。
  72. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 私申しわけございませんが、十月以後の輸送計画というものにつきまして十分存じておりませんのですが、大体私たちの聞いております範囲では、相当増強するという計画で現在作業中のように聞いております。
  73. 河野謙三

    ○河野謙三君 あなたは責任者でないから、ここでいろいろお話があったことを別にあとでどうこう言いませんが、少なくとも私よりはくろうとでございますから、大体どのくらいの間隔で電車が出るようになるか。それから、あなたのほうの御担当かどうか知りませんが、輸送力が増強されることは間違いございませんね。電車が増発されることは間違いございませんね。そうしますと、増発されますと、いま新幹線車両の話が出ましたが、やはり東海道の普通列車の電車というものも相当すでに発注されておるんじゃないかと思うのですが、とにかく毎日非常に混雑の中を通勤している大衆にかわって一日も早くそれを期待しております。ただ大衆は漫然と、十月になれは今度は楽に東京に通勤ができる、こういうことを期待している。何も一般の者は新幹線なんて期待してないですよ。そんなものはあまり身近なものじゃないですよ。だから、もしそれをお聞きになっていることでこの機会にお教え願えれば、私自身もそれで非常に安心するわけですよ。どうでしょう。
  74. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 数字は私記憶いたしておりませんが、御存じのとおり、総裁自身非常に通勤輸送の緩和ということに熱を入れておりますので、相当そういう面は新幹線の開通を機に改善されるものと思っております。
  75. 河野謙三

    ○河野謙三君 それからもう一つ。いま準急列車が非常にたくさん出てますね、東京−名古屋間とか、その他の準急列車が。あの準急列車というのは、あれはどっちを通るのです。依然としていまの東海道を走るのですか、それとも新幹線のほうにある程度回るのですか。あれが実は非常にわれわれにじゃまもの千万なんです。たとえば、私は平塚から通っていますが、あれを先にやるために、横浜で待ち、大船で待ち、平塚で待つ、こういうことで、とにかく鉄道というものは、準急、特急のために鉄道が敷かれているのであって、われわれは何かその余り物をいただいているという感じがするのですよ。ですから、急行などはもちろん向こうに行ってくれるのでしょうが、準急列車はどうなるのでしょう。
  76. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 開業当初は、先ほどお答えしましたように、約三十往復程度予定しておりますので、このときには大幅に現在線から転換するというわけにはまいらぬと思います。できるだけ早く新幹線のほうを増強いたしまして、そういう面の転換をはかりたいと思っております。開業当初におきましても、若干数の準急は転換せざるを得ないだろうと思っております。
  77. 河野謙三

    ○河野謙三君 それからもう一つ。そうしますと、いまの新幹線東京から大阪まで駅は幾つもございませんね。そうすると、準急を逐次新幹線に移すということになりますと、新幹線にもいまきまっている駅以外に駅をまたさらに追加するという御計画もあるのですか。
  78. 野村慶昌

    説明員野村慶昌君) 駅を追加するという計画は現在持っておりません。できるだけ駅での乗り継ぎを容易にするように考えおります。
  79. 米田正文

    委員長米田正文君) 次回は三月五日午前十時の予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会      —————・—————