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藤田進君 これから具体的に申し上げるものも、その適正に審査されたかどうかですが、結論的に言えば、やってしまったものですから、問題の根源は全くこれは問題だ、これは全くよくない。しかし、いまさらこれはよくないということは
立場上言えないので、合理化して何とか正しいということをかこっていくということに、
本件——いまから申し上げることは、各担当においても努力されているというのが
現状なんであります。
それは、
広島県の佐伯郡大柿町に所在する県の
事業として、
港湾建設費のうち
港湾局部改良費。これで、国の
補助事業としましては
内海連絡改修工事。これは
予算は六百三十万円。国が三分の一の
補助をいたします。非常に問題が大きくなって、これは
政党政派の問題では実はないわけであります。私自身も、戦時中、付言しておきますが、約六年間
瀬戸内海湾津々浦々まで私の
職掌柄港湾なり
桟橋なり設計もした、いろいろ実務を担当してきた私は経験を持っております。そのようなことで、その
現場に行って精査をしてみました。その
資料も取り寄せてございます。要訳しますと、過去記録に残っているところでは、五十年来呉市
——あの旧軍港市呉市、現在平和転換しているこの呉市に、周辺の島々から
巡航船等で通う、その
連絡船の着く五十年来の
桟橋があった。これが昨年の暮れ、老朽と同時に、風害が加わって沈没したわけです。その後復旧するということで、
県等も努力をして、
補助金を取ることになった。ところが、
住民も五十年来のところにつくものと思っていたところ、あにはからんや、聞いたときには、
部落の
中心地ではなくて、かなり離れた北の端にこの
桟橋がつくということがわかった。その間にいろいろな紆余曲折がありまして、結局これは島ですが、有力な
県会議員がおられまして、その
県会議員の経営される
製氷工場並びに
自宅、そうして
江能汽船という
連絡船の
船会社の
社長さんの隣り合わせである。これは写真をお示しします。ここは
部落は三千名からの
部落民で、毎朝晩のように労務者も通いますし、医者がいません
——無医村ですから、
病院等もないところですから、呉市等に通うわけです。これはちょっと回していただきます。その
場所につける。これは
国鉄の駅にしたって、ひょっこり
有力者があらわれてきて駅が変更になったのと同じことなんです。
そこで地元は、これは
政党政派に
関係なしに六百人から県庁に押しかけてきた。その辺から私
どもも知ったのです。聞いてみると、いまのような
事情がわかる。いろいろなその間のこまかい動きがわかる。町議会における
録音テープも私は聞きました。要するに、
権力でここへつけろということで、あらゆる者がこれになびかざるを得ない
社会体制ができてきている。そこで、旧
桟橋、これが沈没した。それはほったらかしにして、そこに
桟橋がつくということになってきているのであります。そこで私
どもは、衆議院その他
県会の方々と一緒に現地を見ましたが、なるほどこれは問題になるのは無理がない。
背景地、その
部落、戸数、従来五十年来あった
桟橋というものはもう廃止して、その
部落の
北端につける。これは、あすこに掲げておりますが、
風水害等については、ちょうど島と島の谷間ですから、台風は御
承知のように南から北へ走りますけれ
ども、その影響しかないところです。ところが、いまとなってはどうなっているかといえば、県は当初、
町当局が
土木出張所に対してここに
桟橋をつけてくれというので、もうあまり
検討もしないで、町に言われるように、いまの
北端の
県会議員さんとその
巡航船の
社長さんの
自宅の前につけることに実はしたのだ。なぜもっと、これはどういう影響を持つか、歴史的にどうかを一体なぜ
検討しなかったかということについては、町が言われるとおり従来やっておりますので、それは
広島県の
土木出張所の工務課長に会って、明地でいろいろ私が技術的に尋ねた結果判明したところであります。そこで、知事にも私会って、これは知事さん、どうもあのまま進行することは無理ですよ
——知事は率直に言って私は何らやましい意図があったとは思いません。県議会の人の話もあろうし、また町長がここへつけてくれということだから、すなおに、普通の場合どこでもそうですから、町が申請してきたところにつける
——思いませんが、実は県知事も非常に困っているのです。私は最近も会いました。困っておる。県議会も実は問題になった。そして、町長はついに
——この
部落三千がこぞってアンケートをとった結果、九〇%余りが、とんでもない
北端につけるというのは意外だと言って、反対なんです。そこで、町長リコールにまで発展しておるわけであります。その町長が、これは無所属です。われわれのほうも反対せずに、もう候補者を別に立てずに、あれならよかろうと思っておった人なんです。これは超党派で出した。ところが、それだけにいまき然たる態度が実はなかったものですから、これはいかぬというので、実はリコールに入っているのです。ところが、旧村が合併した大柿町ですから、
部落部落で利害
関係は違いましょうが、そこで知事は浮かべるポンツウンについてはすでに発注してやっております。これは五十年来のところへくっつけても使用ができるのでむだがないというので、造
船会社に発注しておる。それを
桟橋に取りつけるという、この取りつけの扱いですね、これは請負にもう出してしまっているものだから、中止命令も出せないので、内々の措置で、ひとつ円満に解決するまで仕事を進めるのをとめますということになって、工事はやっていないわけです。ポンツウンだけやっておるわけです。そこで私は、国がどちらだっていい
——これは名称から見ても改修、補修ということなんですから、とんでもないところへいくということは、これはいかがなものか、こういうことがまかり通るということになれば問題がある。しかも、その某
県会議員さんの反対派がやっているのじゃなくて、それはその人が
県会に出られた大君という
部落なんですから、それで意外で、
部落民に対してやることがけしからぬということで、
桟橋問題からその
県会議員に反対的な
立場をいまでもとっておられる、これが実情なんです。そこで私は、時間がないので要約いたしますと、先般、電話ではあったが、局長に指示した。その後の
調査と、あるいは結論が出ていればそれを承りたい。また、そこまで時間的に見ていっていないとすれば、すみやかにひとつ技術的によくわかった人を加えて現地を見てやってもらいたい。
次官も答弁されたように、十分
補助金についても遺憾なきを期するとの趣旨の御答弁がありましたので、私はいまここで、なるほど君の言うとおりだ、これはやめさせてもとのとおりにするとか、そこまで私は求めておりません。そう軽率であってはなりませんので、十分現地を調べられて、これはやはり善良なその町民が、もう絶対多数が、とんでもないとろへ
桟橋がいって
——これは汽車の駅と同じなんですから、島にとっては。それが
権力のために押し流されて、とんでもないその人たちの庭先に
桟橋がつく。そこはもう船だまりもなければ、上陸、乗船いたします場合でも広場もなければ、まことにどうも、行ってみてわかるわけですが、突然にここへくっつけるという感を深くするわけです。このような
立場で、ひとつ今後の善処をわずらわしたいと思うわけです。
以上、事実問題を若干
説明いたしましたが、二点に分けて、従来の経過なり、御意見なり、それから私が要望をかねて申し上げた今後の措置について御答弁をいただきたい。