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政府委員(
高橋幹夫君) いわゆる群衆が集まります、大衆が集まりますところの雑踏
警備の問題につきましては、かねてから、群衆のいわゆる群衆心理というものが非常に問題であります。そこで、
警察といたしましても、過去においていろいろなそういう雑踏
警備の苦い
経験もありますし、また成功した実例もございます。そこで、私
ども、今回の
オリンピックの場合におきましては、特に
開会式当日におきますところの群衆の整理をいかにしてやるかというのを一つの大きな課題にしておったわけでございます。もう一つは、マラソンの沿道に集まりますところの、百万と私
ども一応予想いたしておりますが、百万の群衆をいかにさばくか、あるいはトーチラインの沿道に並びますところの十万以上の人間をどうさばくか、いわゆる群衆整理の方法というものについては、過去のいろいろな
経験に徴しまして、相当研究をいたしております。
そこで、あの国立
競技場を出まして、そうして千駄ケ谷、あるいは信濃町というような駅、あるいは国電、バス、こういうようなものを使って群衆が行く場合におきますところの群衆の流れというようなものについて、私
どもは、心理学あるいは数理学の先生方の御意見を伺いまして、そうして私
どもとして、いかなる雑踏
警備の
やり方をやるか、群衆の流れはいかなるものであるか、群衆心理はどうかということについては相当研究をいたしました。そこで、いろいろ
新聞にも報道されたように、しばらく間合いをおくという
意味において、アトラクションをやったらどうだろうかというような一つの提案をいたしたのも、そういう趣旨でございましたが、いろいろな
関係で、私
どもはそのアトラクションにつきましては一応提案を下げましたけれ
ども、かようにいろいろ配慮をいたしております。したがいまして、この間のような事件が起こるということについては、あの種の
警備の
やり方というものについてはいろいろ私
ども意見を持っておりますが、ここでそれらのものについて批判がましいことを申し上げませんが、あれを他山の石にいたしまして、いろいろあの種の群衆の整理に伴う事故の
防止ということについては、
警察が最も全力をあげて対処しなければならない問題である。しかも、今度は人種的に、あるいは思想的にもいろいろ多種多様の
外国人が来られるわけでありますので、それらの
外国の風習というものもいろいろあるようでありますので、それらの
外国人の風習等も考えた雑踏
警備の
やり方というものをやらなければならないということで、場内の整理を担当されております
組織委員会なり
消防との
連絡、場外を担当します私
どもの
関係、これらについては、きわめて密接な
連絡のもとに、事故の絶無を期したい、こういうふうに考えております。