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1964-02-13 第46回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月十三日(木曜日)    午後一時二十三分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     佐藤 尚武君    理事      河野 謙三君            西田 信一君            岡田 宗司君            千葉千代世君    委員            石井  桂君            北畠 教真君            小柳 牧衞君            津島 壽一君            伊藤 顕道君            柴谷  要君   政府委員    警察庁交通局長 高橋 幹夫君    運輸省観光局長 梶本 保邦君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    日本国有鉄道管    財部長     瀬崎 芳邦君   参考人    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   与謝野 秀君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務次長   佐藤 朝生君    東京都オリンピ    ック準備局長  関  晴香君    日本放送協会専    務理事放送総局    長       春日 由三君    日本放送協会理    事       松井 一郎君    日本放送協会理    事       三熊 文雄君    日本民間放送連    盟専務理事   酒井 三郎君    日本民間放送連    盟オリンピック    テレビ放送本部    長       久住 悌三君    日本交通公社営    業部次長    市瀬 大治君    日本交通公社オ    リンピック入場    券課長     福本美津雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査  (交通警備保安防犯対策に関す  る件)  (オリンピック国民運動に関する  件)  (入場券の販売に関する件)  (宿泊対策に関する件)  (美化対策に関する件)   —————————————
  2. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) ただいまからオリンピック準備促進特別委員会開会いたします。  オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。本日は保安防犯等に関する件、オリンピック国民運動に関する件、入場券に関する件等、これらの問題について関係者から説明をお聞きしまして、質疑を行ないまするほかに、宿泊対策、それから船中泊等に対する衛生対策、それに屋外広告物等に対する美化対策に関する質疑もあわせて行なうことにいたします。  なお、委員長参考人としてオリンピック東京大会組織委員会日本放送協会日本民間放送連盟及び日本交通公社関係の方々に御出席をお願いしております。  最初に、オリンピック開催時における保安防犯等準備対策について御説明をお願いいたします。警察庁交通局長高橋幹夫君。
  3. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) オリンピック東京大会におきますところ警察活動概要について御報告申し上げますと、表題には保安防犯等準備対策とございますが、警察活動は、交通警備保安防犯等対策でございますので、概要について御説明を申し上げます。  その前提といたしまして、オリンピック開催時におきますところ一般的な情勢というものがどういうふうになるかという点について、簡単に情勢見通しというようなものについて御説明を申し上げます。  オリンピック開催時におきますところ人口というのは、昼間人口がどのくらいになるかということ、これは大会時に他方から上京する者あるいは外国観光客等を含めまして、昼間人口は私ども約一千二百五十万から千三百万と推定をいたしております。  その次に、自動車交通関係でございますが、自動車の台数はおそらくオリンピック開催時におきましては、自動車は九十六万から百万台に達するであろう、こういうふうに考えておりまして、これらの自動車がいろいろ都内を動くということ、いわゆる自動車のトリップと申しますか、こういうものを計算いたしますると、都心部において平均六%の伸び率山手周辺部において平均一〇%、外周部におきまして平均一二%の増加をしているということで、おそらくこういうような伸び率でいくであろうということを予想いたしております。ただこの際、オリンピック関連道路がそれぞれの時点におきまして完成をいたしますので、部分的には道路交通処理能力というものは相当増大をするであろう、特に御承知の青山通りとか、あるいは玉川通り、あるいは環状七号線というものは平均三五%から三六%の余裕を生ずるであろうというふうに思っております。なお、高速道路四号線もでき上がりますので、これと並行いたしますところ道路についても余裕が生ずる。ただ問題は、後楽園周辺、あるいは早稲田の周辺等におきましては、必ずしも道路が改良されておりませんので、交通処理能力交通量が約二五%上回るであろうというふうに考えております。したがって、一般的にオリンピックが行なわれますところの主競技場並びに選手村その他の周辺におきますところ道路交通事情というものは、大幅に改良されますけれども道路事情の改良されないところ後楽園周辺等におきましては、相当交通事情が悪いということがいわれると思います。  なお、犯罪発生というものがどういうふうになるかという点で、これはまあいろいろ私どもが過去の統計、現在の統計を考えまして、オリンピック開催時の三十九年には約二十四万一千件の犯罪が、これは年間でございますが発生をする。特に予想される犯罪としては、入場券の獲得をめぐるところ通称ダフ屋、あるいはショパ屋、あるいは行列割り込み等の小暴力事犯、あるいは雑踏時におけるところのスリ、あるいは暴行傷害事犯自動車盗とか、車上ねらい、あるいは外国人選手外国人観光客国内観覧客に対しますところの不当な客引き、あるいは売春、わいせつ事犯等暴力事犯、あるいはその他いろいろな外国人対象とするところ犯罪が起こるというふうに一応予想いたしております。特に私ども一般情勢の中で、特別な情勢見積もりとして重要視いたしておりますのは、開会式閉会式当日、どういうような雑踏交通事情になるであろうかということが一つの私ども関心事でございます。開会式当日には、国立競技場内外に約二十万と一応私ども推定をいたしております。まあ場内十万、場外十万。場外十万の推定については、いろいろな考え方があるかと思いますが、そういう意味で多数の観衆が予想されるということと、約八千台のオリンピック関係自動車交通発生が予想されるという点でございます。これらの交通雑踏現象に対しましては、開会式終了後の国鉄信濃町、あるいは千駄ケ谷駅の混雑は異常なものが予想されるというふうに判断をいたしております。したがいまして後ほど申し上げますが、これらに対する警備交通対策というものに一つ重点を置いております。  さらにマラソン及び五十キロ競歩の当日でございますが、これにらつきましては、甲州街道交通量をいかに削減をするかというのが問題でございます。この点につきましては、過去二回毎日マラソン朝日マラソンの貴重な経験を私どもは持っておりますので、私ども甲州街道交通制限交通量削減につきましては、相当な確信を持っておりますけれども、おそらく本番になった場合に、沿道に百万の観覧者が集まるという場合に対するところ雑踏警備の問題が一番大きな問題である。特に外国一流選手甲州街道マラソンする。特にただで見られるということが非常に大きな問題でありまして、競技が非常に白熱をした場合におきましては、いわゆる観衆の興奮というようなものと関連をして、におけるところの百万の観衆雑踏警備というものが非常に大きな問題であると判断をいたしております。  その他の競技当日の情勢は、たとえば明治オリンピックパーク内は、国立競技場約八万、東京体育館の六千、同プールの三千、秩父宮ラクビー場の二万、約合計十一万余の観衆が連日集まる。あるいは八王子を中心としたロードレースとか、あるいは駒沢公園におけるところのいろいろな問題というふうに、いろいろその他の会場におけるところの問題はございますが、これは私どもとしてはそうたいした問題ではない。しかし、もとより万全の警備交通対策はいたしたいと考えております。  次に、交通警察活動重点でございますが、これは選手並びに大会関係者をいかに一般交通の中で円滑に輸送を確保するかという問題であります。したがいまして、輸送道路の確保という点につきましては、私ども交通規制あるいは駐車禁止とか、右左折禁止とか、一般交通乗り入れ制限というような交通規制を実施いたしまして、選手団輸送大会関係役員輸送というものについては万全を期したいというふうに考えております。特に国立競技場選手村、国立競技場とその他のいろいろな各種競技場との問題でございます。それから競技場周辺活動でございますが、これは一般交通オリンピックにおいて特別に生じた自動車交通との関係、あるいは人が集中するという関係をいかに円滑にさばくかということが問題でありますが、このためには一般交通交通削減、あるいはオリンピック関係交通集中化分散対策交通規制あるいは信号機改良による道路交通、特に玉川青山通りにつきましては、いま現在試験実施をいたしておりますところの、第一京浜につけておりますところ系統式自動感応信号機を備えつけたいというふうに考えております。特に国立競技場周辺におきましては、内周遮断線というものと、外周制限線というようなものを設けまして、路上駐車禁止とか、あるいは一般車両乗り入れ禁止というような交通制限をいたしたいというふうに考えております。外周制限線は原則としていま申し上げたような開会式閉会式の当日、あるいは特に人が集中するであろうと思われるような当日でございます。それから国立競技場以外の競技場に対しましては、いろいろな交通対策を考えまして、それぞれ実情に即応した対策を立てたいというふうに考えております。  マラソン競技に伴う交通警察につきましては、毎日マラソン朝日マラソンと全く同様のやり方をとりまして、事前における強力広範囲な広報活動によりまして、一般交通量削減いたします。この際にいわゆる山梨、神奈川その他の近県交通量を振りかえる、あるいは削減をするというような措置をとらなければならないというように考えております。しかし、いま申し上げたように、過去二回におけるところ経験もございますので、マラソン交通規制というものについては確信を持っておりますが、ただ雑踏警備につきましては、万全の対策を講じたいというふうに思っております。五十キロ競歩及び自転車ロードレースにおきましても、マラソン競技と全く同様の交通対策をとりたい。もう一つ聖火リレーの問題でありますが、これも東京都内における聖火リレーコースが決定をいたしましたので、この聖火リレーコース交通規制、あるいは警備活動というようなものもひとつ重要な問題であります。  ただ問題は、ここでマラソンの問題に関連して、一番私どもが頭を悩ましているのは、マラソン選手が一体平素どういうふうな方法で練習をするかということが大きな問題であります。練習のためにいつも甲州街道交通制限するということは非常にむずかしい問題でありますが、そこで、いろいろの一般交通支障を及ぼさないという観点から、片側をどういうふうに使うか、あるいは三分の一車道をどういうふうに使うかというようなことで、今から競技団体皆さん方といろいろ連絡をして頭をいためている問題は、路上競技練習地におけるところ交通警察活動というものが一番大きな問題でございます。  次に、駐車対策は、これはオリンピック組織委員会が主体となりまして、今まで関係者が集まりまして、大体のいわゆるオリンピック憲章に定められておりますところ駐車場を確保すべき車両に対する対策はできております。一般観客につきましては、なお検討中でありますが、これは相当むずかしい問題でございます。なお、外人が使うハイヤー、タクシーの問題とか、バスの問題、あるいは国内団体の用いますバスの問題につきまして、いわゆるタクシーウエイあるいはバスウェイというようなものにつきましては、それぞれ運輸省なり関係者連絡いたしまして、それぞれの場所にタクシーウエイ、ハイヤーウエイ、バスウェイというものも考えておりますが、一般交通支障を及ぼさないという前提に立ちながら、いかに調整するかということで、それぞれこまかく現在つめている段階でございます。  次に、警備の問題でございますが、警備警視庁最高警備本部を設置いたしまして、総監が直接これを統括いたします。関係機関と十分な連絡をはかり、国民に対する事前広報を活発にする。国民の支持と協力を得るように努める。警察官はいろいろなパイプ製の馬とか、その他の資材を使いまして、観衆を整理誘導する、これらの資材につきましては、オリンピック組織委員会において予算が獲得されておりますし、また私どもとしましても、平素使っております警備資材を十分に活用いたしたいと考えております。なお、天皇、皇后、皇太子、妃両殿下、あるいは政府その他の国内要路者、あるいは外国の元首、要人等の警衛、警護の問題につきましても、関係者と十分連絡いたしまして、身辺の安全というものについて、十分安全をはかるということに配慮をいたしたいと考えております。  先ほど申し上げましたように、式、閉会式当日の交通活動と同じように警備警察活動も非常に重要でございます。特に閉会式開会式終了後におけるところ国鉄、地下鉄のもより駅、あるいは先ほど申し上げた信濃町、あるいは千駄ケ谷というような所に対していかに観衆を整理誘導するかということは、警備の最もポイントでございます。これらに対しまして十分な警察力を使って考えていく、あるいはマラソン及び五十キロ競歩警備活動、これらのために警察官を動員いたします数は、少ない日で六千人、多い日で二万四千人ということに私どもは現在計算をいたしております。なお必要に応じまして、警視庁で足りないと思われる人間に対しましては、現在警察庁で約二千人から三千への間の警察官地方から東京に招集をいたしまして、警視庁協力させるという脅え方で進んでおります。  その他の警察活動といたしましては、先ほど申し上げました防犯保安の問題でございますが、この大会中においていわゆる犯罪防止に当たる、特に選手役員外人観光客、あるいは地方からの上京者というような国内観衆の安全と警護をはかるということ、特に犯罪防止に当たるということが非常に大事でございます。相当多くの警察力をこれに割愛をいたしますために、背後の関係防犯あるいは犯罪防止関係がおらそかになってはならないというので、関係団体の御協力を得ていわゆる警察力の手薄になったところ防犯対策犯罪の予防というようなものに十分配慮をいたしまして、首都治安維持の万全を期したい、こういうふうに考えております。防犯活動といたしましては、競技場及び選手施設等に対するところ防犯診断及び指導、ホテル、旅館等に対する防犯指導暴力的不良行為等の取り締まりの強化風俗的有害環境に対する浄化活動の徹底、少年補導活動強化、あるいは防犯燈増設及び整備促進、特に選手周辺におきまするところ防犯燈なり街路燈増設及び整備につきましては、東京都その他の関係者の御努力によって、大体めどができております。地域層位者等によりますところ防犯組織自主的活動促進、あるいは首都美化推進運動への積極的な協力というようなことにつきまして私ども重点を置いて、防犯保安対策というものを考えておるわけでございます。特に選手周辺には、渋谷という盛り場を控えておりますので、渋谷周辺盛り場浄化というような点、その他一般的に外人観光客に対するいろいろな問題につきましては、十分関係者との連絡を密にいたしまして、オリンピック期間滞在中、不愉快な思いをしていただかないというような点について十分配慮をして、警察のやり得る努力をいたしたいというふうに考えております。  私どもといたしましては、いま申し上げたような点について、警察活動の全般を、そういうふうな方面について重点を置いてやっておりますが、なお、東京ばかりでなく、神奈川、長野、埼玉千葉にそれぞれ施設がございますので、それぞれの県におきまして、それぞれ警視庁と同じような警備交通防犯その他の対策を練っております。近く関係者を私のところに招集いたしまして、それぞれの計画内容について、さらに細部の精緻を期し、綿密な計画をつくって実行に移したいというふうに考えております。特に問題になりますのは、神奈川バレーボール会場と、それから埼玉のボートの漕艇場、この二つが近県としては観衆が集まり、いろいろな点で問題があるかと思いますが、いま申し上げたような点で各県を指導いたしまして、それぞれの警察活動対策を十分立案して御期待に沿いたいというふうに考えております。  以上簡単でございますが、オリンピック東京大会時におきますところ警察の考えております警察活動概要とその対策について御報告申し上げます。
  4. 佐藤尚武

  5. 春日由三

    参考人春日由三君) お手元に簡単な資料、「オリンピック東京大会関連番組について」という資料を提出いたしております。これに基づきましてオリンピックに至るまでの報道期間のうちNHKラジオテレビジョンの具体的な番組考え方をまず御説明申し上げます。引き続きまして、担当の私どものほうの松井理事から、オリンピック実施時における外国放送機関との関係及び国内放送体制ということについて、あわせて御説明さしていただきたいと思います。  まず事前の問題でございますが、NHKでは昭和三十八年度、今年度の当初におきまして、ラジオテレビジョン国内放送番組編集基本計画、約十項目でございますが、それの重点事項一つといたしまして、「第十八回オリンピック大会の前年に当り、オリンピック精神高揚アマチュアスポーツ振興を図る番組を編成する」という一項目を施策の一つとして定め、そのほかに毎月の月間のプログラムの編成方針におきまして、特に社会道徳の掲揚、都市の美化環境衛生整備等オリンピックを成功させるための各種事項を取り上げまして、これらの方針に基づきまして各種番組ラジオテレビジョンを通じて積極的に編成し、現在もまたしつつあります。  なお、当然のことでございますが、いよいよ三十九年度オリンピックの年におきまして、国内放送番組編集基本計画における重点事項といたしまして、「オリンピック東京大会を成功に導くため、オリンピック精神高揚と、アマチュアスポーツ振興を図る番組を編成するとともに、オリンピック放送に万全を期す」という一項目を定めまして、この方針に基づきましてオリンピックに対する国民全体の理解を一そう深め、さらに積極的な協力を呼びかける番組を編成することといたしております。今年度、つまり三十八年度の関連番組につきましては、順を追うてそこに列記してございます。  なお、ニュースにおきましては、各地で行なわれましたオリンピック候補選手を選ぶ各種大会のほか、十月十一日から六日間行なわれました東京国際スポーツ大会ラジオテレビジョンともニューススポーツニュース等放送し、あわせて候補選手強化合宿模様等重点的に取り上げて放送し続けております。  それからラジオテレビジョン番組といたしましては、まず三十八年度の四月当初からオリンピックアワーという時間を、ラジオでは第一放送で日曜日の夜十時四十五分から十時四十九分まで、これはその次の日の月曜日の夕方にさらに再生をいたしております。テレビジョンは、総合テレビで日曜日の朝の聴視好適時間である八時十分から八時三十分、さらに翌日の十一時半から十一時五十分まで再生する等、ラジオテレビジョンそれぞれにおいて、毎週オリンピック東京大会に対する理解協力を呼びかけるための番組をつくっております。特に海外東京オリンピックに対する準備状況選手強化対策等各国スポーツ事情を採るべく、これは海外取材班を派遣いたしまして、積極的に海外取材を行ないまして、具体的には五月から六月にかけまして「オリンピックをめざして」という日本編をまずやり、六月から八月には中南米・北米編、八月から十月にかけては東欧編、十一月から一月までは西欧編、現在は豪州・アジア編というふうに分けて、各海外状況を知らせております。引き続きまして三十九年度は、この放送時間をさらに延長することによりまして充実して、世界のホープ、あるいは日本選手強化模様、あるいは日本受け入れ体制などを放送する予定になっております。  それから二番目には、特にキャンペーン番組として「オリンピックを成功させよう」という柱で、ラジオの第一放送では、聴取好適時間の月曜日の午前七時四十五分から五十九分まで毎週放送し、それをさらに十時四十五分から五十九分まで再生いたしております。総合テレビジョンでも、土曜日の午前七時二十分から四十二分まで「オリンピックを成功させよう」というキャンペーン番組をやっておりまして、これを三十九年度のオリンピックまで引き続き実施する予定であります。  さらに「スポーツ教室」という時間を設けまして、これはラジオでございますが、土曜、日曜に、いわゆるオリンピックに取り上げられる種目の解説あるいはやり方といったようなものをやっておりますし、また、連続ホームドラマ「一丁目一番地」、その中では、三十九年度のオリンピックにちなみまして、そのムードを盛り上げるような番組を組んでおります。  さらにテレビジョンでは「歌おう世界の友よ」という番組で、昨年の十月からオリンピックに参加する世界各国の歌を取り上げまして、それにからんでその国の風俗とか国民性、さらに得意なスポーツ、またオリンピックにちなんだ挿話なども入れまして、バラエティーのようなものを毎週やっておりますし、これも三十九年度も引き続き毎週一回やる予定でございます。  それからテレビジョンで、日曜日の夕方五時から、主として子供から中学生ぐらいを対象に「スポーツクイズ」という時間をつくって、オリンピック種目中心としてスポーツへの関心を深め、オリンピックへの機運を高めるためのクイズ形式番組を組んでおります。  テレビジョンでも、ラジオと同じように「テレビスポーツ教室」、これは教育テレビジョンで日曜日の午後一時から一時間にわたって、オリンピック競技種目中心とする実技指導、三十九年度はこれもより視聴好適時間に移しまして実施いたしたい、こんなふうに考えておりまして、いままで申し上げましたのが、三十八年度当初からオリンピックへの関心を高める協力体制をとるための各種番組実情でございます。  さらに、実況中継におきましては、オリンピック競技種目中心に、各競技ラジオテレビジョンで中継いたしております。その内容は、NHK杯が出ております体操競技大会、それから第二回NHK杯六人制バレーボール、第三十三回全日本アマチュアボクシング大会、第三十二回全日本選手権水泳競技大会、第十八回全日本実業団バスケットボール大会というふうなものが、ラジオテレビジョンそれぞれにすでに放送されたものでございますが、三十九年度も、オリンピック競技種目国内予選中心に、引き続き積極的に放送する予定でございます。  以上申し上げましたほかに、通常のラジオテレビジョン各種番組に、年間を通じて、オリンピック関連内容を盛り込んでおりますものは、毎朝のラジオの「都民の時間」、あるいは「きょうの問題」、「時の動き」、「きょうのうた」、それからテレビジョンでは「町から村から」、「時の表情」、「きょうの話題」、「時の人」、「婦人の時間」、「おはようみなさん」、「生活の知恵」、「明るい農村」、「茶の間の科学」、「学校放送」、「きょうのうた」というふうな番組で、オリンピックにちなんだものを積極的に取り上げておりますほか、三十九年度においては、いままで申し上げましたもののほかに、「オリンピック物語」という時間を一本つくりまして、過去のオリンピック関連のものを、歴史を解説したりするような番組を考えております。  いままで申し上げましたのは、ラジオテレビジョンそれぞれ定時の番組でございますが、そのほかに特集番組といたしましては、国民オリンピックに対する関心理解を深めるようにという意味で、昨年六月二十三日以来、列記いたしております十五項目程度の特集番組が組まれているわけでございます。  で、こういうふうにいたしましてずっと機運を盛り上げてまいりますとともに、御承知のごとく、昨年の十月十一日から十六日までの国際スポーツ大会におきましては、実際のオリンピックラジオテレビジョンの中継を放送をする際のかまえで、施設あるいは研修を含めまして、全種目を積極的に実況放送をいたしたわけでございます。内部的には、この放送のために要するアナウンサー、プロデューサー、そういった者の研修を全国的に実施いたしておる。これは引き続き四月以降強化してまいるわけでございますが、実際上のオリンピック時における外国との関係及び国内放送体制につきましては、引き続き担当の松井理事から御説明さしていただきたいと思います。
  6. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 補足説明がありましたなら、どうぞ松井日本放送協会理事からお願いいたします。
  7. 松井一郎

    参考人松井一郎君) それでは私から補足説明をさしていただきます。  御承知のように、オリンピック東京で開かれますが、オリンピックというものに対する関心というものは、全世界の人々が持っております。そのためにオリンピックを運営する上について、新聞記者あるいはラジオ、テレビの関係者をどのように受け入れていくかということは、オリンピックが成功するか、いなか、一つの大きなポイントだと思っております。私どもは、実はラジオ、テレビの関係者といたしまして、オリンピックの運営に協力したい。そこですでに昭和三十六年いち早く全世界のそれぞれの放送局に対しまして、一体あなたのほうは、オリンピックの際にどの程度の人々を送るつもりであるか、また、どの程度の取材計画を持っているかというようなことについての質問表を発しました。それをその後第二回、第三回と重ねまして、およそ全世界からくる人々、放送機関というものの大きさ、数といったものを固めてまいりました。現在までのところ、大体ラジオについては世界から約七十の放送機関、テレビについて約四十の放送機関がこれに参加したいという申し出があります。これらを基礎にいたしまして、いろいろの施設計画が進むに際して、その受け入れに遺憾のないように組織委員会側といろいろと御協力を申し上げてまいったのでありますが、一方、オリピックを実際に運営する場合になりますと、ラジオの場合には比較的ものは簡単でございまして、おおむね取り扱いは各新聞社に対する場合とそう根本的に大差はございません。若干技術的な意味において録音施設を必要とするという点が加わってくるだけでございます。そこで私どももそれに必要な技術協力をするという形で、具体的に計画を進めてまいっておりますが、テレビジョンの場合には、御承知のごとくこれはカメラを持ち込まなければならない。競技場の中にやたらとカメラを持ち込むということは、競技自身の運営ができなくなる。そこでオリンピック憲章ではテレビジョンを取材する人たちは、一緒になって、そうして一本の系統でもってやらなくちゃならぬというふうに規定されているのは、これは御承知のとおりであります。と言っても、全世界の連中が話し合いまして、それじゃどうしよう、こうしようというようなことを相談していては実際の場合に間に合わない。そこで過去のオリンピックの例を見ましても、どこかの放送機関というものにそれの代表取材をさす、そうしてそれぞれの絵をとりたいという希望を持つ方は、その機関との契約のもとにおいて絵をもらう、こういう形でやるのが過去の実例でありますし、またそれ以外にはいい方法はないわけであります。  そこで、組織委員会といろいろ話しまして、それではひとつ日本においては一応テレビの取材というものはNHKが責任を持ってくれないかというような話になりまして、一応私どももわれわれの放送協会の性格上、それではお引き受けいたしましょうということを、話し合いをまとめまして、そうしてそれを基本にいたしまして、各世界放送局との間に、あなたのほうはどの程度の放送計画を持っているか、それに対して具体的にどの程度の施設を必要とするかというようなことについて、個別的に話し合ってまいりました。すでに全ヨーロッパ、西ヨーロッパですが——を含むユーロビジョンという組織との間には、詳細な計画の契約を完了いたしましたし、またアメリカ合衆国、それからカナダ、オーストリア、それぞれとの間にも同じく詳細な契約書を作成してまいりました。近く東ヨーロッパ、ソ連、それからチェコ、ハンガリー、東ドイツ、その他を含むインタービジョンという組織があります。ここからも代表者がまいりまして、いろいろと私どもと取材の内容についての交渉をすることになっております。したがって、大体おもなテレビの契約状況は、外との関係においては順調にまいっております。私たちはこのインタービジョンとの契約が終われば、これで大体外国放送局とのテレビの受け入れ体制というものは、これででき上がるものと思っております。  一方、日本国内の問題でございますが、御承知のように日本にはNHKのほかに民放の各社がございます。民放の各社とNHKとの間をどのように調整していくかということは、これまた一つのむずかしい問題でございましたが、ともかくこういう国家的なことだから、お互いフランクに、そうしてよきサービスができるようにしようじゃないかというので、昨年私どもと民放各社の代表の方々とが一緒になりまして、オリンピック放送委員会というものをかりにつくりまして、そこの場においてお互いにどのようにするかということを話し合ってまいりました。最近では、もうほとんどおもな点についての両者の意見は完全に一致いたしました。ともかく、現場における取材というものはひとつNHKにおいて責任を持ってやっていただきたい、そのかわりそのとった絵というものは、民放のほうにも自由に使わしてもらいたい、大体こういう線がはっきりといたしました。それでは、お互いにその線を中心にこまかな話し合いをまとめていこうというのが現状でございまして、この点もわれわれが予想していた以上に早く軌道に乗ったと私ども確信いたしております。  もう一点は、これらの業務を円滑にしてまいりますためには、どうしても一つのセンターというものが必要になってまいります。つまり、各競技場から送られる絵というものを一カ所に集中して、そこで必要な録画をしたり、あるいは編集をしたりするという仕事、これも海外からの放送者がラジオ、テレビ両方合わして四百人ないし五百人にのぼるであろうという現状においては、相当な施設を必要とする。幸いに代々木のワシントンハイツのあとの敷地をお譲り願いましたので、ただいま昼夜兼行で必要な施設の完成を急いであります。現在までのところ、その工程も予定よりもやや早くなっているということでございますから、これを中心にいたしまして、海外各国からの放送者の受け入れということについても、おそらく所期の目的どおり十分なサービスができるのではないか、かように考えております。  簡単でございますが、補足さしていただきます。
  8. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 次に、民放のほうからの御説明をお願いしたいと思いますが、日本民間放送連盟専務理事酒井三郎君。
  9. 酒井三郎

    参考人(酒井三郎君) お手元に「オリンピック準備促進民放の協力体制と実施状況」という、ごく簡単な刷りものがございますが、それによりまして大体御説明申し上げたいと思います。  オリンピック大会を控えまして、民間放送では、昭和三十四年の八月にオリンピックの協賛番組というものを始めまして、なお、その後、オリンピック特別委員会あるいは編成委員会などをつくりまして、この問題をずっとやってまいりました。本日は、番組の面でオリンピック促進する国民運動の目的に沿った放送番組をどういうふうにやってきたかということをごく簡単に申し上げます。  各社それぞれニュース活動ニュース報道の面では各地域ごとに民間放送がございますので、郷土のオリンピック選手の候補、あるいはその生活、合宿風景などを取り上げているということはもちろんでございますが、「時の動き」とか「おはようみなさん」、婦人番組、そういうところでずっとやっております。また、連続ものでない特別番組、特集番組でやっていることが相当ございますが、ここではそういうものは一応二、三にとどめまして、連続の帯番組で毎日一定の時間にオリンピック関係のものをやっている、そういうものだけを御説明申し上げたいと思います。  その番組の中で、私どものほうは資金面に対して協力している番組がございます。これを一応協賛番組というふうに呼びまして、そうでないものを国民運動の目的に沿った一般番組、こういうふうに二つに分けて申し上げたいと思います。  資金面の協力でございますが、これは先ほど申しました三十四年の八月に、フジテレビがまず第一にスタートをいたしまして、基金の募集放送として「タワーバラエティー」というものを始めたわけでございます。それから各社ともこの趣旨に賛成いたしまして、積極的に協賛番組を考慮して、現在まで大体三十八社、番組は同じものが流れるものが多いのでございまして、十七番組でございますが、三十八社十七番組というものが出ておるわけでございます。この内容は、五ページ、六ページにございますように、テレビ、ラジオがあげてございますが、テレビで申し上げますと、「テレビスポーツ」あるいは「地上最大のクイズ」、「タワーバラエティー」、「オリンピック協力しましょう」、「世界がめざす東京オリンピック」、こういうような、その他の題名のものでございまして、協賛額としては年間一定の額を東京オリンピック資金財団に出すというものもございます。あるいは賞金の一〇%を出す、あるいは電波料総額と賞金の一定の率でこれを財団のほうに出すとか、いろいろございます。また、スポンサーのつかないものにつきましては、制作費のある割合でこれを財団に寄付をする、こういうようなやり方でやっております。大体、いまの財団の調べによりますと、いま三千数百万円にのぼっておるようでございますが、間もなく五千万円まではいくであろうというふうに考えております。  それから番組面の協力でございますが、一般番組——協賛番組でないほうでございますが、これは八ページから十一ページまでにございまして、「各社オリンピック関係番組一覧」というのがございます。最初のがラジオ番組、あとのがテレビ番組でございまして、ここにありますように、「東京オリンピックあの国この歌」、「オリンピックヘの道」、「母と子のためのオリンピック」、「オリンピック招待席」というような、いろいろここにあがっておるような番組名でございまして、現在九社、十二のものが出ております。  なお、テレビのほうは、「テレビ帯番組」というのが九ページにございます。これは三十一社延べ四十一の番組が出ておりまして、番組名として、「東京は招く」、「世界がめざす東京オリンピック」、あるいは「オリンピック目指して」、「あなたのオリンピック」というような番組がございます。  なお、ここで私どものほうで、オリンピックあるいはこういう番組は、なかなかスポンサーがつきにくい面がございまして、ラジオで、先ほど申しました帯番組の九社延べ十二番組の半分はスポンサーがついているというような状態でございます。それからテレビは、三十社延べ四十一番組のうち十八はスポンサーがついておるというようなことがございます。それから、この五ページの協賛番組ラジオところに「五輪アラカルト」というのがございますが、これは地方民間放送共同制作協議会でつくっておりまして、現在二十八社で出しておりますが、その中でスポンサーのついておるのは五社であるというような状態でございますが、そういうことにもかかわらず、オリンピック問題につきましては、各社ともスポンサーがつかなくても大いにやるべきだということでやっておる次第であります。  なお、この番組以外では、多少番組にも関係いたしますが、その他というところで、「東京美化キャンペーン」というのを文化放送で今年の一月から十月までやるということでこれを取り上げております。これはスポンサーになっていただいたところでは、公衆ごみ容器を設置してもらう、これは放送局とスポンサーと協力してごみ容器をつくって、そうして配るわけでございます。  なお、CMはその長さによりますが、一番短いものは、「オリンピックです、ごみをなくしてきれいな東京」というようなものを出しておりますが、これもお手元に資料がいっておると思いますから、ごらん願いたいと思います。  なお、その他の点では、政府並びに関係機関への協力というようなことで、総理府が主催しておりますオリンピック国民運動の推進に関する会議というのがございます。これはもちろん民放連も構成団体に入りましてその総合部会に入り、そうしてこの運動の推進に当たっております。それからまた東京オリンピック資金財団が主催しました「オリンピック十円募金」というのがございます。これにつきましては三ページにその放送文がございますが、こういうような形で協力いたしております。その他、「オリンピックを迎えるみんなの集い」、これは新生活運動協会が主催しているものでございます。あるいは「オリンピック前夜祭」、これも新生活運動協会が主催したものでございますが、こういうものに参加して協力し、告知をいたし、ニュースを出すということでございます。一応単発のものは各社それぞれやっております。そのおもなものだけを最後のところへ十二ページ、十三ページにごく幾つかの例だけを出しております。なお、民放連は全国にございますので、詳細な資料が必要である場合には、あらためてまた皆さんに御配付いたしたいと思います。  きょうはこれで終わらしていただきます。
  10. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) では、次にオリンピック入場券の販売方法、売れ行き状況等について御説明を願います。与謝野組織委員会事務総長
  11. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 交通公社の御説明の前に一言申し上げます。  オリンピック入場券は、開会式閉会式を除きました競技会用の入場券は、組織委員会の会議の決定に基づきまして、十月二十五日から五十万枚を一般向けに売り出したのであります。国内一般向けのこの五十万枚は日本交通公社に委託いたしまして、全国二百一の交通公社営業所、プレイ・ガイドその他の販売所において十月二十五日から十二月十日までに七回ないし八回に分けてこれを販売したのでありまして、この販売状況及び売れ行き等について組織委員会も資料は持っているのでございますが、その状況については交通公社のほうから御説明をお聞き願いたいと思います。なお、海外に対する一般競技用の入場券は約十三万枚が海外で発売されておりますが、今回発売いたしました入場券のほかに約三十四万枚が、第二次の売り出しのために調整用として保留されているのであります。これは各会場のまだ席が確定していないものなどがございますために、この観客席がいよいよ確定いたしましたならば、これを順次発売していきたい、こう考えております。以上、簡単に御説明申し上げました。
  12. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) では、日本交通公社営業部次長市瀬大治君にお願いいたします。
  13. 市瀬大治

    参考人(市瀬大治君) 国内向けの入場券の販売につきまして概況を御報告いたします。  国内向けの総割り当て枚数は五十万八百十枚でございます。これの販売方法といたしましては、取り扱い個所が交通公社が百六十二カ所、プレイ・ガイドが三十九カ所、合計二百一カ所で販売を行なうことにいたしました。ただし、東京と大阪につきましては非常な混雑が予想せられますので、混雑防止のために東京におきましては四カ所、国立競技場、神宮球場、豊島園、東京スタジアム、大阪におきましては市立体育館、この五カ所につきましては集約をいたしまして整理券を交付し、その整理券と引きかえに予約申し込み書をお手渡しするというような方法をとりました。その他の個所につきましては、予約申し込み書と現金とを引きかえというふうな方法をとって、販売の開始は三十八年の十月二十五日から現在に及んでおります。  販売の結果を申し上げますると、一月十日現在で五十八万八百十枚に対しまして消化いたしました枚数は三十万四千八百五十五枚でございまして、消化率は六〇・八%という数字になっております。一月十日現在で残存しております枚数は、十九万五千九百五十五枚となっておりますが、この残存いたしておりまするものの中の状況を申し上げますると、消化率が三〇%以下のものは種目で申し上げますると、カヌーが二九・八%、蹴球が二八・八%、自転車が一八・四%、ホッケーが一七・二%、野球が一一・六%というふうなかっこうになっておりまして、以上申し上げました総割当の枚数は十九万六十枚でございまして、これを平均いたしますると、消化率が二六・六%になっておりまして、残存が十四万三千七百九という数字になっております。また消化率が八〇%以上のものを拾ってまいりますと、体操が九五・三%、陸上が九三・九%、バレーボールが九三・六%、水泳飛び込みが九〇・一%、バスケットボールが八六・三%、柔道が九五・三%というふうな消化率になっております。以上の割当枚数は二十四万三百十枚でございまして、残存が一万八千七百三というふうな数字になっております。この残っておる分のうち、東京と大阪で整理券を交付いたしまして取りにこなかった分がございます。失効分が東京と大阪合計で四万百三十一枚ございまして、これは本月の七日から発売をいたしました結果、東京と大阪の合計で一万八千七百三枚のうち九千四百四十五枚、さらに二月から九日までの間に消化をいたしましたので残は九千二百五十八枚というふうな数字になっております。全体といたしましては消化は六〇・八%でございまするが、結果的に見てまいりますると、八〇%以上のもの、私ども人気種目と呼んでおりますが、こういったものの残は非常に少なうございまして、消化率が三〇%以下のカヌー、蹴球、自転車、ホッケー、野球というふうな内容のものが相当残っておるというふうになっております。  大体以上が簡単でございまするけれども、発売の方法並びにその結果でございます。以上でございます。
  14. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 以上で説明を終わることにいたします。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  15. 柴谷要

    ○柴谷要君 御報告いただきましたので、まず最初警察庁高橋さんにお尋ねをいたしたいと思うのであります。オリンピック開催にあたって、何といっても交通問題、刑事問題はたいへんなお仕事であろうと思います。御報告を聞いておりますと、着々その実をあげつつあるということで非常に心強く思うわけでありますが、それだけに関心が深いものですから、二、三点御質問をいたしておきたいと思います。  交通警察活動警備警察活動とに分けまして、オリンピック開催時において、最小限度の動員でも六千人、多いときには二万四千人からの警察官を必要とするというお話でございましたが、警視庁の現況から言いまして、二万四千人の動員が一体可能であるかどうか。  それから、交通警察警備警察の担当にあたって、これはもちろん交通警察だけではなしに、警備関係も含めての配置になろうかと思いますけれども、そういったようなたいへんな動員計画を立てられていくわけでありますが、目的はオリンピックを円滑に開催するということでありますから、どうしても重点がそっちにかかっていってしまう。そうしますると、犯罪というものがかなり高いところに予想されているわけでありますから、警備警察活動という方面が低下するのではないか、こういうふうに一部では考えられる。またこういう機会をねらって、ひとつ何かやろうという悪心を起こす人もないことはないと思う。そういうような結果になりますと、大事なオリンピックですから成功させたいということで、そちらの方面に集中するがゆえに、他の犯罪事犯がふえてくる。このほうの手抜かりが起こる。これが軽微な犯罪であればよろしいのでありますが、悪質な犯罪等が予想されてくると思うのですが、この点に対する警察庁の御見解をまず最初に承っておきたいと思います。
  16. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) 現在の警視庁の持っております警察力から申し上げますと、六千人の動員というものはそうむずかしい問題ではございません。ただ、二万四千人というのは、これはたとえば長期間にわたって毎日毎日二万四千人の警察官を動員するということは不可能であります。したがいまして、二万四千人の警視庁の総力をあげるというのは開会式閉会式、それが大体重点になっております。あとはマラソンの当日の甲州街道の沿道の状況によりまして考えていく、こういうことであります。二万四千人の警察官を動員するのは、オリンピックの開催されております二週間のうちの二日間程度だと私どもは予想しております。したがいまして、警視庁にとっては必ずしも容易な動員ではございませんが、この程度の動員はいろいろなときにすでに経験をいたしておりますので、二万四千人の動員は可能である。ただそこで、翌日の警察活動支障があってはならないというので、二万四千人の動員の場合において少しでもその負担を軽減するという意味で、全国から二千ないしは三千の警察官の動員を求めたい、こういうふうに考えております。  それから他の一般犯罪との問題は、確かに御指摘のように、多数の警察官を動員計画をする場合におきましては、オリンピック会場なり、あるいはオリンピック関係しておりますところの署の警察官は動員をいたしませんけれども、その他の警察署からは部隊を編成いたしまして動員をいたすわけであります。したがって、それぞれの署におきましては半分の警察力になり得ることがあるわけであります。ただ二週間という期限を限っておりますので、超過勤務等の問題を合理的に解決いたしまして、できるだけ勤務の差し繰りをしてできるだけ多数の警察官を動員いたしたい。そこで、人数の上における警察官の動員は相当いたしますが、その背後は、たとえばパトロールカーの運用を合理的にやることによってカバーする。先ほど御説明申し上げました、できるだけ防犯協会とか、あるいは地方防犯組織の御協力を得て一般犯罪の予防に当たるということで、一般の住民の方の御協力を得るということを相当私どもは期待をいたしております。また同時に、この時点におきまして、東京都民全部がやはりオリンピックというものに御協力を願うという態度でございますので、そういう面におきますところ協力も相当期待できるものと私ども確信をいたしております。ただ凶悪な犯罪がその期間に起こった場合というのは、これはやはりそのときの時点におきまして、それぞれの警察力をそれに集中せねばなりません。特に外国人に対するそういう凶悪犯罪が起こらないように、私どもはできるだけ努力いたしたいというふうに考えます。
  17. 柴谷要

    ○柴谷要君 私がこういう質問をいたしますのは、オリンピックなど開かれますと、どうしても国民の眼がそちらのほうに一斉に向いてしまう。特に国際的な大きな仕事でありますから、これを完成させるために全力を向ける、これは当然なことでございますが、しかしその背後に国民の不安というものを残してはなりませんので、この点を強くお尋ねしたわけです。それと同時に、この中に盛られておりますように、二万四千人の動員はかつて経験があるとおっしゃいますが、さほど長期にわたって動員を必要としたことは私はないと思います。短時日の一日なり二日、長くて三日、こういう期間はあったと思いますが、二週間に及びまする動員でございまするから、人の運用の面でひとつ十分御配慮いただきたいと思います。警察官の方々には労働組合がありませんから、意見を述べる機会もないだろうから、上司の命令次第ということでかなり激しい勤務を連日しいられる可能性なしとしない、こういう点もひとつ局長さんに強く要望しておきます。無理のない体制で動員が可能な、しこうして交通警察警備警察が十分納得できるようにひとつ配慮いただきたい。要望を最後にいたしまして警察庁の質問を終わりたいと思います。  次は、民放の酒井さんにお尋ねいたしたいと思います。ただいまの報告を聞きますと、民放というのは協力だけで、何か資金だけ集めて協力番組を組んでいるということだけしか見られないが、ちょっと意外に思ったわけですが、それだけの仕事でございますか。それと同時に、もう一つ聞きたいのは、民放自体としてオリンピックを迎えるにあたって、こういうことをやってみたい、こういうような民放自体の御意見はお持ち合わせであったらひとつお聞かせを願いたい。
  18. 酒井三郎

    参考人(酒井三郎君) きょうの御趣旨がオリンピック国民運動として盛り立てる、その促進についてどういうことをやっているかというお尋ねだと思いましたが、私は番組につきまして、一般番組としてニュース活動あるいは特別な番組、それ以外に毎週やっている帯番組、その中で協賛番組というのは、特別にNHKさんと違って、財団のほうに私どもが電波料なりその他から上がってくるものを寄付しているというものについて申し上げ、そうでない一般番組につきましても、こういうものがあるということを申し上げたので、参議院のほうからお尋ねのありました点がそういうことでありましたので申し上げたのです。そのほかオリンピック放送をどういうふうにやるかということにつきましては、先ほどちょっと申し上げましたが、オリンピック特別委員会というのがございます。その中に専門部会として、編成の専門部会、あるいは施設の専門部会というふうに二つに分けまして、そうして先ほどNHK松井さんからお話がございましたが、これは今度のオリンピック海外に最もいいものを出す、国内にはもちろんでございますが、そういうことがありますので、NHKと民放は一体となっていこうということでやっております。その中でいろいろな研修、報道部員の研修でありますとか、そういうことはずっとやっておりますが、ラジオにつきましては、民放は民放、NHKNHK、別々にやるという方針がきまっておりまして、東京のキー局三局が中心になり、全国の各民間放送からそれぞれ技術者、アナウンサー、その他報道部員でチームを作りまして、今それぞれ研修をやっている。それから番組もどういうふうにいたすかということについては、NHKもあるいは民放名社も、全く同じものを出すのはできるだけ避けるべきじゃないか、そういうことで、どういうふうにするかということをいまいろいろ検討中でございます。なお、テレビにつきましては、松井さんからお話がありましたが、私のほうではオリンピックの専門部会長の久住部会長が来ておりますから、御質問に応じましてお答えをさせていただきます。
  19. 柴谷要

    ○柴谷要君 民放の方には次回に十分時間をいただいて、私はみっちりお聞きしたいことがありますので、きょうはほかにお尋ねすることがありますので、この程度でやめておきたいと思います。またいずれ機会をみてひとつお尋ねいたしたいと思います。  それでは次に、これは佐藤さんでけっこうだと思うのですが、佐藤次長さん、おいででございまね。  前回、外国切符の割り当ては十六万枚というふうに聞いて、三万海外で売れておる、こういうお話だったと思うのですが、先ほど総長の言われるのは十三万枚だ、私の聞き違いであったかどうか、記憶がありますものですから、この点からひとつお尋ねしておきたいと思います。
  20. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 海外の割り当ては、十二万枚でございます。これは競技会の切符全部合わせて十三万でございます。この前申し上げました、二万と申し上げたと思いますが、開会式閉会式が、二万と二万一五百、これは開会式閉会式の分で、十三万枚のうちには入っておりません。
  21. 柴谷要

    ○柴谷要君 それで開閉式入場のを入れますと、大体十六万と、こういうことですね。その話をされたところが、海外で売られたのは今日まで三万しか売れておらないという報告でございましたが、その数字は上回っておりますか、そのままでございますか。
  22. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 二月十二日現在におきまして、十三万枚のうち、二万七千二十七枚お金が入ってきております。どのくらい売れたか、まだちょっとわかりませんが、お金が入ってきておりますのは、二万七千三十七枚でございます。
  23. 柴谷要

    ○柴谷要君 お金の入ってきたのは二万何千というと、やはり十万枚ばかりはまだ売れていないとみなければならぬと思う。一体この海外割り当て枚数は、何月ごろまでお売りになって締めくくりをみられるのかどうか。四月であるか五月であるか、六月であるか、それともオリンピックが開催される前までか、この点をお聞かせ願いたい。
  24. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいまのお尋ねにお答えいたします。海外入場券は、宿舎とリンクしておりますために、なかなか買いたくても、宿舎のほうがまだ話がつかないということもあり、また発売いたしてから期日もあまりたっておらないので、売れておらないのでありますが、追加を申し込んできているところもございます。大体六月を目途として、こちらへ売れ残りは引き上げたい、こう考えております。
  25. 柴谷要

    ○柴谷要君 六月に外国で売れ残りがかりに何万か出た、それを引き上げて国内にさばく場合に、これは交通公社にまかせるのですね。組織委員会自身がお売りになるのですか、その点をお聞かせを願いたいと思います。
  26. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) これまで海外から引き上げて参りました入場券をどういう比率でさばくかということはまだ最終的に決定しておらないのでありますが、一般向けにその中から売り出すのは交通公社で売り出す、あるいは競技団体を通じて売り出すかどうかであろうかと、こう思っております。
  27. 柴谷要

    ○柴谷要君 その場合に、交通公社は、六月に締めくくって七月上旬ごろ残枚がこれだけあるから売れとこういう下命をされた場合に、滞りなく処置ができるとお考えでございますか。交通公社の責任者からひとつお聞かせを願いたい。
  28. 市瀬大治

    参考人(市瀬大治君) お答えいたします。現在販売いたしておりますのは、予約券の申込書でございまして、この予約券の申込書を大体引きかえる時期というのがこれはまだわかっておりませんが、おそらく七月ごろになるのではないかと思っております。先ほど御報告申し上げましたように、種目内容によりまして、現在消化率が三〇%以下のようなものについては問題があろうと思いますが、先ほど御報告申し上げましたような八〇%以上の消化率のようなものについては消化できるのではないかと考えております。
  29. 柴谷要

    ○柴谷要君 そうすると、これは未知数のものですけれども、今日まで十三万枚の割当の中で三万程度しか売れておらない。よく売れても、六月まで売ってもこれは六万か七万くらいにしかならないじゃないかと私は思う。そうすると三万枚が残ってきて、交通公社にやれ売れということになってやらしてみても、いま言ったようなことで、オリンピックは開催したけれども、切符はある種目においてはだぶついて残った、ところ国民のほうからはのどから手が出るほどほしい切符であったけれども、とうとう使い得なかったという結果が起こりはしないかと私は思うのですけれども、この点に対して十分消化できるという御回答をいただけるかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。これは組織委員会でもけっこうですし、交通公社でもけっこうです。
  30. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 先ほど交通公社のほうから御説明がございましたように、いわゆる人気種目というものはほとんど一〇〇%消化できるものと信じております。今日九五%とか九〇何%という数字が出ておりますのは、地域によって切符を買っても東京まで出ていかれないということから残ったものが少しあるのでありまして、これを東京なり大阪へ持って参りましたならば、直ちに消化できる種目があるのであります。ところが、カヌーであるとか、各地で開催されます蹴球の予選であるとかいうようなものは国内であまり人気のない種目なのでありまして、あるいはこれはどうしても余りが生ずるということも予想されるのでありますが、大体海外に販売を予定しております数量というものは二十万枚以内なのでありまして、約百九十万枚のうちの二十万枚でありまして、これは海外においてももっと売れ行きがぐっとふえて参るものと確信しております。種目によりましては、余ったものもまた返ってくるかと、こう思います。
  31. 柴谷要

    ○柴谷要君 どうも私の考え方ではかなり残る。しかし交通公社にこれを六月末までに締め切って、七月に売れと言ってもこれはなかなか困難な問題だと思う。だから海外の分についてはもう少し検討される必要があろうと思う。もっと早目に締め切る必要があるんじゃないかと思いますが、次の問題に移りたいと思います。  開閉会式場の入場券は六万五百枚発売枚数がある、これに申し込みが三百五十四万五千百四十四枚という六十倍に匹敵する申し込みがある。これが日比谷の公会堂で抽せん会が行なわれたことは、すでに御承知のとおりでありますが、ところが三百五十四万五千百四十四枚に加わらない、往復はがきが途中でだいぶなくなった、こういう問題が起きたということを聞いておるが、組織委員会にそういう問題があったのかどうか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  32. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 往復はがきの申し込みの不備から、返信用の住所が書いてなかったり、その他失格すべきものが相当数あったのであります。約十万くらいあったかと思いますが、これもせっかく申し込まれた方に気の海だというので、アルバイトの学生などを雇って、できるだけこれを親切に是正したのでありますが、どうしようもないものも多少出たわけであります。
  33. 柴谷要

    ○柴谷要君 十万枚、そういうふうな記入不備という問題があるのですが、それ以外に、往復はがきを出したけれども、組織委員会では受け取らないということで、これは郵政省のほうの配達がなかったんだろうというようなことで、組織委員会と郵政省の間でやりとりがあった、こういうことを聞いておるのですが、そういう事実はありませんか。
  34. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) ただいまお尋ねの不着になった分につきましては、われわれのほうに問い合わせもありまして、それについて処置した分もございます。
  35. 柴谷要

    ○柴谷要君 事実あったんですね、そういうことは。ありましたね。組織委員会では、郵政省のほうの配達不備だ、配達しないのだというので、お互いになすり合ったという問題があったわけですが、お認めになりますな。そういう問題が、どことなしに入ってきたものですからお尋ねしたわけなんですが、そこで、この切符の問題というのは、われわれにも、国民多くの皆さんから、オリンピック担当委員などやっているのだから切符の一枚も入らないかと、こういう申し込みがある。だけれどもこれは厳正公平に国民の皆さんにやってもらわなければならぬから、われわれの手に一枚も入りませんというのでお断りしておりますけれども、かりに、組織委員会で決定をされたとおりに国民の皆さんの手に切符が渡るなら問題はありませんが、もしも関係者が一枚でも二枚でも、何といいますか、簡単に手に入るということで便益を与えるというような問題が起きたときには、これは事務総長さん、どういう責任をおとりになるか、その心がまえだけひとつ聞かせておいていただきたい。
  36. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) そういう事態が起きませんように組織委員会の中でも厳重に小委員会で配付の方法その他検討をしたわけでございます。したがいまして、入場券にからんでそういう不測の事態が起きましたときの私の進退というものについて、まだ特別それだけを引き離して考えたことはないのでありますが、私としても、責任は十分痛感する次第でございます。
  37. 柴谷要

    ○柴谷要君 けっこうな御答弁をいただいてまことにありがとうございました。  そこで、次の問題でございますが、このオリンピックにあたりましては駐留軍や自衛隊からも協力を仰ぐことは必須だと思います。——駐留軍はありませんか。
  38. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) はい。
  39. 柴谷要

    ○柴谷要君 自衛隊からは協力をいただく。駐留軍も日本にたまたま駐在しているときにオリンピックが開かれたのだから、何とかひとつ競技を見たい、こういうこと、あるいは自衛隊は自衛隊で、少なくともわれわれもひとつ一方をになって協力するのだから、切符の割り当てをしてくれぬかというような要望はございませんか。
  40. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 駐留軍は直接オリンピックの準備ないし運営に参画するわけではないのでありますが、ワシントンハイツを好意的に譲ってくれたり、選手強化のために朝霞の一部を貸してくれたり、いろいろ好意的にやってくれているのでありまして、これに対しまして、開会式閉会式はそれほどあれでないが、部隊の中で競技を見たい者があるから、少し考えてくれということを、もう昨年の初めから申しておりました。これに対して外人の割り当ての分の中から幾らかそちらに回してあげられるのではないか、こういうふうに考えて、そう処置するつもりであります。  それから自衛隊のほうは、非常な支援を受けるわけでございますが、そうかといって、特に自衛隊が政府の他の部分と比べて特殊の扱いを受けるということは考えておらない、やはり政府機関に一部入場券も参りますから、それに準じて自衛隊の方にも満足していただきたいと、こう考えております。
  41. 柴谷要

    ○柴谷要君 こういう機会に、はっきりしておきますというと仕事がやりいいと思うのですが、外国割り当ての枚数がまだ未知のものでありますが、かなりいまの状態でいくというと残りが出るような気がします。その残りの中から駐留軍なり自衛隊の方面には多少の配慮をしてやろうと、こういうふうにお考えになっておられるのか、それとも三十四万という保留がありますから、そのような配慮をいまからしようというお考えになっておられるのか、その点をひとつ……。
  42. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 自衛隊のほうについて、外人割り当ての数からどうということは全然考えておりません。駐留軍につきましては、外人の割り当ての枚数は今日十二、三万枚第一回に売れたといわれておるのですが、総ワクは二十万枚と組織委員会できまっているのであります。この二十万枚の中で、一部を駐留軍の希望者に——そうたくさんの数ではないようでありますが——回せるのではないか、これは駐留軍のみならず、外交団等の中でも競技を見たいという希望者も出てまいる。その中から多少さき得るのではないかと、こう考えます。
  43. 柴谷要

    ○柴谷要君 先ほど交通公社から報告がなされたわけでありますが、ここで要望しておきたいのです。それは、十二月十日現在の切符の発売枚数あるいは消化率という印刷物を私手に入れてある。ところが、一月十日あるいは二月十日というように月を追ってあなたのほうでは集計されていると思うのですが、そういうのはありますか。
  44. 市瀬大治

    参考人(市瀬大治君) ございます。
  45. 柴谷要

    ○柴谷要君 あったらば、このオリンピック委員会の委員に配付できる枚数を、集計ができた月ごとに出していただきたい。こんな簡単な印刷だからできるでしょう、一枚でいいんだから。いいですか。競技種目と割り当て枚数と発売枚数と消化率、何月何日現在と、こういう印刷物があるのです、あなたのところに。これはあなたのところの印刷物です。こういう印刷物があるのだから、これがあったらば全員に配っておきなさい。それで、特に要望しておきますけれども、このような重大な委員会にあなたは営業部次長という肩書きなんです。少なくともオリンピックの切符を扱うについては、交通公社は別な機関をつくったわけなんです。オリンピック切符何とか事務局というものをきちっとつくったわけです。その事務局の責任者は一体だれなんですか。機構と名前を言ってごらんなさい。責任者はだれなんですか。
  46. 市瀬大治

    参考人(市瀬大治君) お答えいたします。事務局長は入沢でございます。
  47. 柴谷要

    ○柴谷要君 営業部次長をいじめようとは思っていない。第一、交通公社がこれだけの大きな仕事を組織委員会から付託をされて、連日職員の人が努力している。しかも、この重要な国会でいろいろ聞かれるというときに、営業部次長さんという非常に忙しい人、ほかの仕事に専念している人なんです、こういう人を送って、当然責任者である事務局長というか、こういう人が出てこないという交通公社の気持ちは僕らにはわからぬ。入沢事務局長が出てきて、交通公社の事務局の全従業員を督励してこうやっておりますと……。しかし、いま切符の売れ行きの悪い状態、特に悪い状態の問題については意見があるはずです。その意見というのは、私がここで御披露するならば、ホッケーなどは地域的によっては、非常にホッケー熱の盛んな県がある。ところが全然ホッケー熱のない県がある。ところがそういうところに、同じように割り当てていっても熱の上がらない県などは買い手が少ない。ところが熱の上がっているところでは非常に買いたいという希望者が多いのだ。ところが画一的に配られているために売れないのでこういう低率なんです。だから、そういうホッケー熱ならホッケー熱の盛んなところへは多く回してやって、消化をするというようなことは、当然事務局が検討済みのはずなんです。そういうことをこういう委員会に来て言うなり、組織委員会とよく協議して、そうして画一的な組織委員会から押しつけられた販売方法だけではなしに、構想を取り入れた販売方法というものを打ち出さなければならなぬ責任があるはずだ。あなたの口からは、それが言えぬだろうから、責任者が出てきて当然やるべきなんです。いかに交通公社が人件費を公社まるがかえで、諸経費だけは統計的に出しているけれども、諸経費すら赤字になっているという実情も知っている。人件費などさらさら計算に入れないで。そういうこともちゃんと知っているから、僕はこの機会に質問しておくのだけれども一体、そういう事態でこの与えられた責任が全うできると思いますか。よく帰ったら事務局長に伝えると同時に、公社の社長に言いなさい。私だけの意見ではなくて、全委員の意向だと思います。次回の委員会において責任者が当然出席するように強く要望しておきたいと思います。いま僕が申し上げたように、ホッケー熱であるとか、あるいは自転車またしかり。だからカヌーなども地域的によってはかなり切符が必要だというところがあるわけです。ところが、そういうところには割り当てが少ないために売れ行きが悪い。ですから集計をして報告されるときには、三〇%以上のところはこれこれありますというけれども実はそうじゃないのだ。このくらいの枚数が九千万国民の中できらわれているわけじゃないのですよ。手が届かないと思うから行かないだけなんです。ところがこの県には熱が上がっているからたくさんきましたということになれば消化されていくのだ。そういう販売方法も考えないで、いたずらに残った数字だけ報告するのがあなた方の義務じゃなかろうと思う。こういうこともあわせてひとつ警告でありますけれども、公社に帰ったら十分伝えてもらいたい。そしてあなた方の持ち合わせた意見があるならば、十分組織委員会に連絡をして、すみやかに切符の処理等もしなければいかぬ。先ほど私が申し上げましたように、残余の切符が六月ではおそい。だからなるべく組織委員会のほうとしては、五月なら五月に打ち切って、そうして残余の切符が公正に国民に渡るようにやはり心がけていただきませんと、いろいろ後ほど不満が出てくると思いますので、まだ時期が早いからそれらの問題を十分組織委員会と検討されて、万全を期してもらいたいということを最後に要望して私の質問を終わっておきます。
  48. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は、私自体のお尋ねしたいことがございますけれども、とりあえず、いま柴谷委員の質問に関連して、外国向けの入場券のことで与謝野事務総長にお願いします。  毎回外国向けの切符について私はお尋ねしているのですが、どうもいまだにはっきりしないのですが、一体、外国人が切符を買いたいという場合に、国内のホテルというもののリザーブが前提条件になって切符が買えるのか。外国人が切符を買った場合にはその切符を持った人に対しては、国の組織委員会なりどこか国の機関がホテルを責任を持ってリザーブしてやるのか。外国向けの切符とホテルの予約というものは、これは因果関係を持たしているわけですね。どうなっているのですか、それをまず伺いたい。その場合に、ホテルのリザーブをした証拠を持っていけば外国の代理店が切符を売るというのか。切符を買った人が、くどく申しますが、こちらへ届ければ日本の国のどこかの機関でホテルを必ず責任を持って取ってやるのか、どうですこれは。
  49. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) お答えいたします。  大部分はホテルでありますが、つまり東京へ来まして、どこかに泊まるところがあるという証明があれば、そこで初めて切符が手に入るわけでありまして、切符を買ったからホテルに泊まれる、こういうシステムにはなっておらないのであります。つまり宿舎に、たとえば友人のこれこれの家で泊めてやるという友人の手紙を持ってきただけでも切符は入るのでありますが、宿舎がない、何らの保証がない人には切符は売らない、こういう機構になっております。
  50. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうすると、いま二万何千枚ということになっておりますね、これはもうすでに国内のどこかのホテルをリザーブしてある方ですね、そういうことですね。
  51. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) そうです。
  52. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうすると、観光局長に伺いますが、ホテルならあなた御存じでしょうが、外国人の切符の、いま二万何千枚売れている、どこかの外国人がホテルにリザーブしている、それをあなたのほうは数字がわかりますか。
  53. 梶本保邦

    政府委員(梶本保邦君) 少し古うございますけれども、大体の数字はわかっております。その予約の中にも、あっせん業者を通じてこれだけというのでわかっておる中に、具体的氏名の判明しているものといないものとの二通りございます。全部合わせまして大体現在のホテルの収容力からいたしますと、大体九二・二%が予約されている、予約はしておるけれども、まだ切符を買うための宿泊の証明書が発行されてないという段階のものがだいぶ多うございます、そういう状況でございます。
  54. 河野謙三

    ○河野謙三君 そこで、私は前回から、私がどうしても納得のいかないことを御質問申し上げたいのですが、一体、組織委員会なり国の機関で責任をもってホテルを世話してやらなければならない外人というのは、どういう外人をさしているのですか。たとえば、こちらのほうに旅行に来る、ついでにオリンピックを見て帰りたい、こういう外人もあるはずですね。そういう外人もやはり国の機関でホテルをリザーブしてやる責任をとっておるのですか。私は、前回あなたの次におられる、いま来ていない村井君に言った、この場合に、日本の国のどこかの機関が責任を持ってホテルなりオリンピック開催地への自動車まで世話しなければならない外人というのは一体何人あるのか、その場合の外人とは何だ、たとえば、オリンピック役員であるとか外交官であるとか、プレス関係であるとか、こういう者をしぼったら何人も私はないと思う。よく、オリンピック外人三万という、三万なんてあるわけがない。何でもかんでも、向うから遊びに来たついでに、もしくはオリンピックそのものを見に来る人でもいいです、私は毎回オリンピックに行った、あなた知っているように、自分で在外公館なり在外商社、知り合いを通じて半年も前から自分の努力でホテルをとるのですよ、たとえばローマならローマの組織委員会に頼んだことはないですよ、イタリアの政府が責任を持って世話したことはないですよ、自分の責任で、自分の努力でホテルをとって、そして向こうへ行って、自分の努力自動車を頼んでオリンピックを見るのですよ。そういうものは、たとえばローマの場合には組織委員会なり政府が責任を持って入っている外人ではないのですよ、私は。どうも今回の場合、オリンピックの組織委員会なりその他から何か放送されるのは、外人というとすぐ三万と、こう言う、三万というのは、オリンピックに来るであろうところ外人全部を言っておるのでしょう、その場合に、組織委員会なり国の機関が責任を持って世話するというのは何人あるのですか、そこの区別をして下さい。
  55. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいま仰せのとおりでありまして、組織委員会としては、憲章にきめられたもの以外の外人のお世話は一切しておらないのでありまして、国際オリンピック委員会の委員、また各競技団体の国際委員、またこれに関連する国際審別員、報道関係者及び選手約七、八千、これについての受け入れ態勢は憲章できめてありますとおり、組織委員会がやっているのでありまして、あとは、ホテルの世話を外国人にするというようなことは一切やっておらないのであります。ただ、現在ホテルがなかなかとりにくい状況にありますために、東京都のほうで一種のインフォーメーション・ビューローのようなもので、民泊の申し込みがあれば、そこであっせんするというようなことはやっておられるのでありますが、われわれといたしましては、非常に限られた人数の外国人だけのお世話をするという工合になっております。
  56. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、ここに運輸省の観光局長がおられるけれども、観光局長は、いつも外人三万、外人三万といじめられている。ホテルの確保を、三万確保しろといじめられている。ところが、いま責任ある立場の与謝野さんの発言は、三万はおろか一万もありません。だから観光局長のほうでホテルを世話をする、その対象になる外人というのは、与謝野さん、三万じゃありませんね。それははっきり申し上げたい。外人だから親切にということを私はどうこう言うんじゃないんですよ。親切にしてやればいい。ただ、向こうから来た人の中でも、政府の責任において、組織委員会の責任において、東京都の責任において、これは外人の中でも特別のワクで、オリンピック関係役員その他これに準ずる人であれば、その五千人なら五千人はちゃんとしなければならない。日本でも向こうに行く場合に、IOCの役員であるとかなんとか、日本体育協会の関係の人は、すぐに黙っていてもホテルをとってもらって、黙っていても競技場に行けるように自動車の世話もしてくれる。それはいいというのです。そうでない人は、その必要はないと私は思う。どうも観光局長はそういうふうに受け取っていないだろう、私はそう思う。私はそういう外人を粗末にしろと言うのじゃないけれどもオリンピックが開かれれば外人にホテルを優先的にやるのはいいけれども、今の時代に日本人はホテルに泊まっちゃいかぬというようなことはありませんよ。その関係役員外人は優先的にホテルをリザーブしてやってもいいが、その他、日本国中から東京に集まってくるスポーツの愛好者に、できるだけホテルを都合してやったらいいじゃないか、私はそう思う。一般外人国内スポーツ愛好者とあまり区別してはいかぬと思う、役員以外は。その思想は間違っておりますか。また思想だけじゃない。そういう扱いはいけないのですか。どうも聞いておると、外国の切符についてホテルをリザーブした者に切符を売る。そのホテルのリザーブというのはだれがやるかというと、どうも何か観光局長のほうに皆しりがつながっている。そうすると、あなたが世話をしなければホテルがとれない。あなたが世話をしないのは切符が買えない。そうするとずるずる、ずるずる三万になるのじゃないか。そうすると与謝野さんの言うのと違うのじゃないですか。役員だけじゃない、外国から来た人は皆世話をするということになってしまうのじゃないか。そこらのところは、はっきりしなければならないと思う。毎回聞いても、だんだんわからなくなってしまう、どうなんですか、それは。
  57. 梶本保邦

    政府委員(梶本保邦君) ただいまのお話、私ども前々からそういう見解を持っております。運輸省は旅行あっせん業者ではございませんということを繰り返し申し上げております。したがいまして、この期に及んでと、私そういう言葉を失礼ながら使わせていただいておりますけれども、まだ足りないと申しますか、関係各省、オリンピック関係、各方面から、あたかも運輸省がホテルのあっせん業をやっているかのごときお考えで、ずいぶん最近になりましてから、何ぼ確保せい、幾ら確保せいというお話なんかございますけれども、そのつど運輸省としましては、運輸省の置かれておる立場というものをるる御説明申し上げております。したがって、ただいまのところ運輸省としましては、せっかく総理府というものが関係各省の調整をする機関としてございますことですから、総理府のほうで関係各省の意見というものを取りまとめていただきたい。一体どれだけはほんとうに国としてお世話しなければならないのか、その数字というものは運輸省では判断いたしかねます。したがいまして、総理府のほうで最終的にはこれこれの数字というものを運輸省にお知らせいただきたいということを、ただいま総理府にお願いをいたしております段階でございます。
  58. 河野謙三

    ○河野謙三君 大体私はわかった。今もって観光局長のほうで、運輸省のほうで、国の責任において、運輸省の責任においてリザーブすべきホテルの部屋数は幾らかということがわからないということはおかしいんですよ。オリンピック関係役員とか、プレスとか、外交官とかというものはラウンドの数字で四千とか、五千とか、六千とか、もう出ているはずですよ。もう出ているはずだ。それは出ているでしょう。出ないというのはおかしいと思うのだ。
  59. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) すでにオリンピック関係外国人役員その他オリンピック関係の者、四、五千まではいかないのでありますが、そんな膨大な数でございませんが、組織委員会としてはこれらの人を受け入れますために、すでにホテルその他の手当ては終わっているのであります。そこで、一般の観客のことでホテルがないというような声がありますので、われわれとしては、せっかくオリンピックをやっても、そっちから不平が出てきて、東京オリンピックはめちゃくちゃだったと言われるのはかなわぬが、一体どこがやってくれるのだろうというようなことを冗談に言っているくらいでありまして、われわれとしては、関係役員のほうはすでに受け入れ態勢を備えて、目下プレス連中のために家を建てているというのが現状であります。
  60. 河野謙三

    ○河野謙三君 どうも関連質問が長くなりますけれども、私は、もうここら辺でそれをはっきりしなければならぬと思いますからくどく申し上げるのですが、与謝野さん、あなたよく知っておられるはずなんだがね。さっきも私は自分自身の例を申しましたが、私だけではない。ローマでも、ヘルシンキでも、メルボルンでも、日本からたくさん行った役員以外の人が、その人たちは、さっき申し上げたように、在外公館に頼んでそうしてホテルを頼むとか、出先の商社のだれか知り合いを頼んで頼むとか、そういうことで、メルボルンの場合でも、ローマの場合でも、向こうの組織委員会なり体育協会へ頼んでやっているのではないのですよ。自分の努力でやっているのですよ。向こうから今度東京へ来る場合にしても、やはり向こうの人が、たとえばドイツの場合には、ドイツの日本大使館、東京にある大使館を通じて頼んだり、またドイツの出先の商社を頼んで、そうしてやられれば、そうしてその場合に、ホテル等は外人の場合にはできるだけ一般外人も優先的に扱うということはわれわれも賛成ですよ。だけれども、それらの人を、他に例のない、東京大会に限って組織委員会があっせんするとか、総理府がそれをとりまとめて世話するとか、運輸省がどうとかいうことは——今までありましたか。外国でそういう例がありましたか。ないでしょう、あなた。
  61. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 全然河野先生と同意見なんでありまして、組織委員会としては、一般観客については何ら措置をとっておらないというのが実情なのであります。また外国においても、一般観客のために、特別の措置を政府なり組織委員会がとったという例は聞いたことはないのであります。
  62. 河野謙三

    ○河野謙三君 それでは結論として、そうであれば、いま外国で切符を売っていますね。その場合に、その外国で切符を買う人が東京にホテルをリザーブしたとかしないとかいうことは何も関係なくてもいじゃないですか。切符をただ売ればいいじゃないですか。あと切符買った人が自分の努力でどういうように東京へ部屋をとっておるか、それはその人の責任においてやることであって、ホテルをリザーブした人に限って、何らかその証拠を持って来た人にそれを売るのだという、何かそこへ結びつけているからそこに変なごたごたが起こる。切符のほしい人は幾らでも売ってやったらいい。買った人は、切符だけ買っても東京へ来られないのだから、今度こっちへ来てホテルをリザーブするでしょう。まあしかし、きょう与謝野さんのお話、よくわかりましたから、そういうふうにやって、私は何も観光局長をひいきするわけではないけれども、さっきの客引きみたいに、もうこの一年ぐらいホテル、ホテルで苦労しているようだから、そういうように話がしぼられれば、そんなにあなた苦労することはない、私はそう思う。  それでは西田さんが関連の質問があるそうですから……。私は警察庁の方にちょっと伺いたいので、おそれ入りますが……。
  63. 西田信一

    ○西田信一君 柴谷さんの御質問にちょっと関連して、交通局長にちょっとお尋ねしたいのですけれども、先ほど交通それから警備等についてのお考えをお聞きしたわけでございます。これはあるいはきょうは保安防犯というようなことに限られているものであるかもしれませんので、私のお尋ねするのは少しこの範囲外かもしれませんが、交通関係があるからお聞きするわけですが、今度東京大会では、かなりの外人が入って参ります。そこで、よその国でオリンピックをやっている場合に、日本の場合はことばの問題があると思うのですよ。そこで、私はなぜこんなことをお聞きするかと申しますと、この間私はインスブルックに行って感じてきたことがあるのですよ。それは、向こうの交通のおまわりさんというのは非常に親切で、たいへん気分がいいのです。そういうふうにやってもらいたいが、特に向こうで感心したことは、街頭のおまわりさんが、交通を取り締まるおまわりさんが、ここへ札を下げているでしょう。すごいのは九カ国語、これだけの国のことばを私はしゃべりますという表示なんですが、これは非常に気分もいいし、感じもいいし、また非常に効果があったのです。日本のおまわりさんは、それはとても外国語はできないと思う。できないと思うけれども、少なくともこういうオリンピックの場合に、それは九カ国語も、七カ国語もしゃべるのは無理だと思うけれども、せめて英語の片言ぐらい、まあ聞かれることは大体きまっていましょうから、そんなことぐらいはしゃべれればたいへんいいと思うのですね。そういうことについて、何かお考えがあるかどうか。あれば、どんなことになっているか。ないとすれば、少なくともそのぐらいのことは考えられたらどうかと私は感じてまいったのですが、そういう点はどうでしょうか。
  64. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) まさに御指摘のとおりで、警察官としても、少なくとも英語はしゃべれなければならぬということで、これはオリンピック対策を準備する相当前から、そういう点について配慮いたしまして、少なくとも常識的なことばというものの辞典をつくって、それに対する教養を組織的にやっております。なお、英語だけでは満足でございませんので、その他の語学の問題がありますが、これについては、いろいろなことを一ぺんにたたき込んでもなかなかむずかしい問題ですから、そこで警視庁の中に、特に通信指令室の中に通訳センターというものを設けまして、いま御指摘のような、関係する語学の通訳のエキスパートをそこに常駐させて、そして警察官にいろいろなことについての問い合わせのあった場合には、直ちにその警察官はもよりの派出署なり、あるいは関係の向きからその通訳センターを使って外人と応接をするというようなことを考えておりますので、一応曲がりなりには、いま申し上げたような点について語学対策というものを考えておる次第であります。
  65. 西田信一

    ○西田信一君 ちょっと、もう一つ。たいへんけっこうなお答えで、満足しましたのですけれども、それは警察官のどの範囲に、どのくらいのことができておるのですか。
  66. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) 警察官の外勤の、いわゆる街頭に立つ警察官、あるいは交通の街頭に立つ警察官ということで、第一線に立つ警察官全員について、いま申し上げたようなポケットの辞典と、それからこれに対する教養を組織的にやっております。
  67. 西田信一

    ○西田信一君 そうしますと、街頭に立っている交通巡査とかそういう方は、簡単なことぐらいの受け答えはできる程度はなるわけですね。
  68. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) そうです。
  69. 西田信一

    ○西田信一君 もう一つお伺いしたいのですが、防犯の立場から、あるいはまた交通取り締まりの立場からの警察の体制については、先ほどお伺いしましたのでわかりましたので、これは組織委員会にお伺いしたほうがいいと思うのですが、選手村とか、そういったところ警備とか、それは一体どこにやってもらうのですか。
  70. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) 私から、関連しておりますので御説明申し上げますが、選手村の内部の警備は自衛隊が担当するわけでございます。そこで婦人の選手村と男子の選手村とございます。中は原則として自衛隊の者が担当し、なおオリンピック村の運営を担当するオリンピック村の関係者がやるわけでございます。外部を警察が担当いたします。そこで外部の警察の体制は、あそこの警察の管轄が、非常にこまかいことで恐縮ですが、代々木警察署の管轄になりますので、あそこに警視を長とする特別のポリス・ステーションというものを設けまして、そこに警察官を配員をし、さらに婦人警察官等もそこに配属をさせます。これは原則として、各警察署から容姿、体格その他いろいろな点について、より抜きの者を選んで、語学についてもある程度の教養をした者を選抜いたしまして、人数その他につきましては私もちょっと詳細聞いておりませんが、相当数の警察官をあそこに常駐させまして、外部の徒歩のパトロールなりあるいはパトロールカーによるところのパトロールを行なう。さらにゲートについては警察官を配置し選手村の関係者との連絡を密にする、さらに選手村の中に、私ども警察の警視級の幕僚を派遣いたしまして、その間の連絡をいたしたいということで、オリンピック組織委員会と密接な連絡をとって、選手村内外の警備という点については十分体制をとっておるつもりでございます。
  71. 西田信一

    ○西田信一君 あなたにお聞きしてはあるいは答えが出るかどうかわかりませんが、そうすると、選手村の中は自衛隊が担当する、その担当する自衛隊員は、もう口のほうはべらべらの人ですか。
  72. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) 自衛隊のほうでも、一部の将校その他語学の講習その他行なっておるところでありますが、選手村の中に配置される自衛隊員までが、ことばがべらべらというわけにはちょっと望めないと、こう考えております。ただし組織委員会のほうで、選手村の中に、相当数の通訳を養成して入れるつもりでございます。
  73. 河野謙三

    ○河野謙三君 後ほど委員長からお話があることだけれども、実は私からかようなことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、実は警察庁なり報道機関なり、オリンピックの準備について非常にいろいろ御協力をいただいておることをかねがね承知しておりますが、これをさらに、形式的でありますけれども、この委員会を通じて、皆さんの口から、国民に、これこれこういう準備をしているのだということを伺うのも、むだじゃないんじゃないかということで、実はきょうはお忙しいところを来ていただいたわけですが、私は、いろいろ御報告を伺いまして、われわれが考えている以上に各方面に非常な御留意をいただいていることは感謝いたしますが、そこで、私はまず警察庁のほうに伺いたいのですが、東京都におけるところオリンピック開催時におけるところ人口といいますか、これは千二百五十万ないし千三百万と言われましたが、これは、はなはだわれわれ常識がないのですが、一体平常時におけるところ東京都の人口は幾らで、この千三百万というのは平常とどのくらいの開きがあるのか。
  74. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) 昭和三十八年四月の都内居住人口が約千三十万という推定をとっております。それを基礎にいたしまして、人口約毎年三十万人ずつ増加をしているといういろいろな統計の数字がございます。三十万人の増加をしている。したがって、オリンピック東京大会には千七十五万人になるという計算でございます。通勤流入人口というのがございまして、近県からの通勤流入人口を私どもは約七十万と推定しております。そうしますと、昼間人口は約千百四十五万人になるという計算でございます。そうしますと、さらに大会の際に地方から上京して来る、それから先ほどいろいろ御議論がありました外国観光客というのを約一日三万と計算する。そうしますと昼間人口は約千二百五十万から千三百万という推定をしているわけでございます。まあ警察推定というのは、率直に申し上げまして一番多い推定をいたしまして、その推定に基づいて、まあ最悪の事態と言っては語弊がありますが、そういう点を考えていろいろな警備なり交通計画を練っているわけでありますが、これよりもあるいは下回るかもしれないという点はございますが、私どもは一応千二百五十万という人口推定を持っているわけであります。  以上でございます。
  75. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうすると、約二百万人くらい増加するわけですね。そうすると、これは警察庁のほうに聞くのは無理かもしれませんが、与謝野さんなり佐藤さんのほうで、一応何かそういう打ち合わせ会をやったかどうか。二百万人がふえるわけですね、しかも、それが半月間にわたるということになりますと、その開催時におけるところの食糧対策というものも私はたいへんだと思うんですよ。特に野菜等は私は特別考慮しておかなければいかぬと思うのです。何かそういうことについて組織委員会なり何か準備のほうの中でお考えになったことございますか。私はそれはわれわれが外国に行きましたときに、めしを食いに行って非常にぼられたり、ホテルへ行きまして、現に私はローマで初めちゃんと大使館を通じてきめておいたホテルで、料金を、ホテルを引き上げるときに五倍ホテル代をとられたんです。外人呼んで、ホテルを準備してやるとかなんとかということも大事ですけれども、来たときにやはりおいしいものを、しかも普通の価格で食べられるという準備は、なかなか私はたいへんだと思う。ところが二百万人とか二百五十万人という人が、しかもみんな東京へおのぼりさんできて、朝から晩まで外食でやるわけです。もしくは知り合いのうちに行って泊まるときには、お客さんとして御馳走になる、この消費というものは私は大きいと思うのだが、それなんかいわゆる物価対策その他からいいましても、何か御審議になったことがありますか。同時に、警察庁関係でないでしょうけれども、そういう問題までだいぶ幅広く御留意いただいておるようですが、何かございます。
  76. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいま御指接の点は確かに問題があると思うのでございます。われわれ組織委員会としては、選手役員選手村に泊まる人数だけでも七千人ないし八千人、新聞記者が大体千五百人、こう考えております。これらの食糧対策関係方面といろいろ考えているのでありますが、外国選手が飲みます牛乳の量、卵の量だけ考えても東京中の牛乳や卵がなくなってしまいやしないかということも考えまして、いろいろ炊事を受け持ちますレストラン協会、ホテル協会のほうで、いまからこの対策を練っております。たとえば肉類のごときは今日から冷凍にして、もうすでに冷蔵庫にしまっておくというような状況でございますが、さらに日本人の地方から上京してくる人数まで入れて二百万ということになりますと、確かにこの点は問題であろうと思うのであります。すでにオリンピック担当大臣にこういう話を雑談で申し上げたことがあるのであります。これは農林省その他関係の各省において、いまから御検討中だと思うのでありますが、今後機会がございましたら、またこの点についても私からも御注意を喚起しておきたい、こう考えております。
  77. 河野謙三

    ○河野謙三君 次に、警察庁の方に伺いますが、われわれが一番心配しておるのは、オリンピック開催時に、もし凶悪犯罪があったり、その他外国に例を見ないような犯罪が起こりますと、オリンピックの効果というのはそれだけで一ぺんにすっ飛んじゃう。私は準備の中でも最重点を置いて防犯体制、治安の維持ということに準備のウエイトおくべきだと思うんですよ。  そこで、いままであなたのほうで何とか週間というのをよくやっていますね、交通安全週間とか何とか週間というのを。ああいうものをやりますと、たとえば交通安全週間をやりますと、その週間は犯罪が減るのですか、減らないのですか。私は、もしそういうものが効果があるならば、少し長いけれどもオリンピックの開催期間中、何とかそういう特別な体制を——二万五千というのはたいへんでしょう、たいへんでしょうけれどもオリンピック開催中に犯罪が起こらなかったことと、起こったこととのその開きを見れば、何千億という金を使って、要するに国際的な地位を上げよう、日本の民族の美しさを見せようというときに、そういう一つか二つの何かでぶちこわしになるんですから、私は、それがために予算が要るとか、その他特別の準備をするための施設が要るとかいうならば、道路もけっこう、橋もけっこうですけれども、それに対してあなたのほうで、こういうことをやれば必ず大丈夫だというような対策があったら、ひとつ教えてもらいたいと思うんですがね。
  78. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) たいへんむずかしいあれなんですが、しかし従来いろいろな防犯週間あるいは私の所管の交通安全運動をやっている間は、少なくとも交通事故は相当減るわけでございます。それだけ一般的な関心も起こり、いわゆる一般国民なり都民の協力というものは、非常に倍加するわけでございますから、いま御指摘のように、オリンピックの間、特別な何らかの週間なり措置をとることも一法かと思いますが、私どもといたしましては、いまのオリンピックの開催の前と開催中の間については、少なくとも総力をあげてあらゆる施策、対策を講じて、いま御指摘のような一つ犯罪が起きたためにオリンピックの効果を台なしにするというようなことがあってはならないというふうに決心をいたしておるわけであります。したがって、いまだあがらざる帝国ホテルの殺人事件等については、まことに遺憾でありますが、ああいう種類の犯罪オリンピックの期間に一つでも起こるということがあってはならないということで、刑事警察なりあるいは防犯なり、あるいは少年なりあらゆる私服の警察活動というものは、そういう一点に集中してやるということで考えておりますので、もとよりわれわれの努力だけで万全を期するというわけにはまいりませんけれども、いかにしてオリンピックの期間を、一般的なムードを盛り上げて、緊密な計画をつくるかということが一番大事でございますので、いろいろ知恵をしぼりまして、いま御指摘のような点に留意いたしまして万全を期したい、こういうふうに考えております。
  79. 河野謙三

    ○河野謙三君 私はそこでひとつ伺いたいことがありますが、警察力といっても限度がありますからね。この開催時だけもう極度に防衛庁もしくはボーイスカウト、そのほかの団体を利用することによって、警察力はもう最重点防犯体制に置いて、むずかしいかもしれないけれども、われわれしろうとからいけば、こういうふうな交通整理とか、ああいう問題は、防衛庁とかその他のほうにできるだけその期間置きかえることによってそういったことをやるというような方法は考えられないんですか。というのは、私は思いつきじゃない。ヘルシンキへ行きましても、ローマへ行きましても、外国へ行きますと、日本でいうところの自衛隊、向こうでいう軍隊ですか、これが非常に数多く動員されてやっておるわけですね、特に交通整理その他。ですから、いま現時点において、防衛庁なり警察庁なり、その他民間団体なりが、オリンピック開催時において、交通整理その他どういう団体がどういう役割をして、どのくらいの人間をどうしていくというような、そういう具体的な打ち合わせまで入っておられたら、それをひとつ伺いたい。
  80. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) いま原則的に申し上げますと、やはり自衛隊はオリンピックのための特別の支援集団をつくっております。したがって、これは国際慣行にもありますが、たとえばオリンピック選手村の中は自衛隊が担当する、あるいは各種競技場の中は全部自衛隊が担当をして、あるいは消防職員あるいは消防団員がこれを担当する。警察は純粋に技術的な面について判断をしたりあるいは必要に応じて指揮をするような、最小限度の体制をとって、外部の交通整理なり雑踏整理に従事をする、こういう格好になるわけでございます。  それからオリンピック開催時において交通警備に従事する職員というのは、いわゆる制服の警察官でございます。したがって、警視庁の私服の警察職員というものは、これを、使い方によりまして十分いまの犯罪予防という点について、あるいは何か起こった犯罪捜査という点については、十分私服員の総合的な運用ということで相当カバーできる、そういう意味で自衛隊と警察、あるいは警察と消防というような点については、組織委員会が中に入りまして、それぞれの業務分担をいたしております。さらに民間団体を活用する場合におきましては、これは平素私ども交通交通安全協会がございますし、いま御指摘のボーイスカウトなりその他の青少年の団体は始終私ども交通安全運動の際に御協力を願っておるわけであります。防犯週間その他の場合には、防犯協力団体というものが平素ございますので、これらのいわゆる警察協力団体、あるいは消防の団体その他をできるだけ活用いたしたいということで、いわゆる民間の地域居住組織というものを極力生かして、たとえばこの前やりましたマラソン警備の場合においても、交通安全協会なり、防犯協会の職員にほとんど出ていただいて、少なくともその自分の地域の前の防犯なり、あるいは前の交通整理というものは、ほとんど担当していただいた、あるいは警察のいない留守の防犯協力体制というものは、防犯協会の職員の方にほとんどやっていただいたという例もございますので、御指摘のように、さらにそれを総合的に考えて、いくということで、警視庁も具体的に実行計画を練りますのは、いろいろな行事の前提とかその他のことがきまります機会を私ども四月と見ておるわけでございますので、四月にいろいろな部隊編成その他をいたしまして、いま申し上げたような点について具体的にひとつ詰めていきたいというふうに考えておりますので、できるだけ御要望のような線でさらに警備防犯その他の各般の計画を再検討する、あるいは検討して精密を期したい、こういうように考えております。
  81. 河野謙三

    ○河野謙三君 まだあと岡田さんの御質問があるので、私まだいろいろ伺いたいこともありますけれども、次の質問に移りますが、いずれにしても、われわれ非常に防犯体制には特に準備の中で最重点を置かなければならぬ、かように考えておるので、われわれの委員会は、申すまでもなくオリンピック促進の準備に協力する委員会でありますから、われわれ微力でありますけれども、もしまた警察庁その他報道関係の方も当委員会を通じまして何か御協力申し上げることがあれば、何なりとひとつ協力をさしてもらいたい、こう思っておりますからどうぞ……。  次に春日さんにお尋ねしますが、私案はきょう春日さんなり、民間放送団体の方々に来ていただいたのは、私はいなかから通っておりますけれどもオリンピック精神高揚とか、その他オリンピックの準備で各自治体がいろいろやっておりますけれども、例によって例のごとく、団体の長を集めてだらりだらりとやっておりましてね、あと二百何日だというのに、これは私はとてもこういう各地方オリンピック準備の促進とかなんとかいうことの団体に依存しておりましても一が暮れてしまうし、かりに日が暮れなくても、たいして効果はあがらない、それをとやかく言っていたらしようがないので、実際はおせじでも何でもない、まあ放送関係を通じてスピーディに徹底的にやってもらうことが一番これは効果的だとか、かように思ってそうしていまどういうことを準備しておられるか、どういうことを計画しておられるか伺ったわけですが、そこで、私はこれからやっていただくことで、特にまずお願いしたいと思いますことは、日本国民全体がスポーツが非常に盛んになったと申しましても、先進国から見るとまだ非常にスポーツの普及度は低いですよ、というのは、記録というものをよく知らないのです。知っている人が非常に少ない。あなたもよく御存じでしょうが、ヨーロッパなりその他でオリンピックをやりましたときは、選手が決勝点に入って記録が発表されますと、これは世界記録を破りましたとか、国際記録を破りましたという放送のアナウンスが出る前に、まず掲示板に記録が出ると、そこですぐに手をたたきますわね、それほどよく普及しているわけですよ。それが普及しているということは、要するに競技をやる選手にも非常に張り合いがあるということです。そういうことがまたひいてはスポーツに対するマナーというものも見物人に非常にあるわけで、私はそういう意味合いから、記録等を中心にして幅広く社会人にスポーツの記録なり、その他を理解さしてもらうように、いまでもおやり願っておるけれども、そこにもう少し重点を置いて、くろうとのあなた方に、もう少し何か番組をつけ加えてもらう方法はないものかと、私はこう思うのですが、その点はどうでしょう。
  82. 春日由三

    参考人春日由三君) 全く御指摘のとおりだと思います。実は先ほども簡単に御説明申し上げましたように、三十八年度におきましては、広くまわりからオリンピックへの関心を高めたり、あるいはその際のマナーの問題、あるいは都市美の問題、環境衛生の問題、非常に大きないろいろな問題に広く手を広げて、その中でなおかつ世界の現況、スポーツ界の現況というようなものを紹介しながらまいったわけでありますが、実は三十九年度のラジオテレビジョン番組の編成計画も、ほぼ現在煮詰まっておりますので、お手元に提出いたしました資料のほかに、各番組の中で非常に四月以降はオリンピック関係番組が飛躍的にふえてまいると思います。その中で、御指摘の現在の各種目の世界記録というものは、どういう機会にどこでどういうふうにして生まれたかということを、単にスポーツ番組、あるいはインフォーメーション番組だけではなくて、一般家庭の中学生とか、高校生が見ておりますクイズとかエンターテインメント番組の中でも、それが的確に把握されるようにということに特に配慮いたしておりますので、御期待にこたえるように一そうの努力をいたして各番組に具体的に消化してまいりたいと考えております。
  83. 河野謙三

    ○河野謙三君 それからもう一つ。これは非常にむずかしいお尋ねというよりは希望ですけれども、いまオリンピックの準備をやっておりますけれども、こういうことでいきますと、オリンピックが終わりますと同時に、あとに残るものは何もなくて、あとに残るのは道路ができたということだけで、施設ができたということだけで、あとに国民の心に宿るものは何も私はなく、オリンピックが済んだあとは、半年もたつと一切消えてしまうんじゃないかと思うのですが、これだけのことをやるのですから、具体的には道路とか施設というものは残りますけれども、同時に、スポーツのよさといいますか、われわれからいえばスポーツというものは寛容と忍耐——寛容と忍耐は池田さんだ、これは。(笑声)謙虚であり寛容であるということ、謙虚・寛容、これが私はスポーツだと思うのですよ。理想からいえば日本人一人々々が皆謙虚・寛容というこの四字を一段と身につけるようになるということが私は一番大事だと思う。極端に言えば勝ったとか負けたということよりも、オリンピックをやったあとで、ああいいことをしたというものが残らなければならぬと思う。それに対して何か私は常に考えるんだが、どうしたらいいかわからないんだが、何か民放なりNHKのほうでお考えになっておることありますか。
  84. 春日由三

    参考人春日由三君) 私ども放送関係者も、オリンピックというのは勝つことが目的ではなくて、その機会にやはりそういった精神面における成長と申しますか、そういったものが非常に大きな要素になるであろうと思うのであります。具体的には、多少脱線さしていただいて相すみませんが、現在私ども考えておりますのは、世界中に一億五千万台のテレビジョンのセットがあると推定いたしております。したがいまして、今度の東京オリンピックの場合には、現在の計画でいけば、一台に四人と計算すれば六億以上の人間が東京オリンピックを何らかの方法で自分の目で見、感得するわけであります。そういう意味におきまして、単にいま先生の御指摘になりましたように、勝つ負けるの問題でなくて、この機会に東京あるいは日本というものが世界中の聴覚、視覚に訴えるということが実は一番大きな問題ではなかろうかということを私どもは、考え続けているわけでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、今年度の番組編成計画でも来年度の番組編成計画でも、単にオリンピックを中継放送するということではなくて、それを通じていわゆるアマチュア・スポーツの精神を滋養して、その機会に日本人がもっと大きくおとなになって伸びていく、その実態を世界中に紹介したい。非常に大きな、国全体の国民が外交といいますか、日本というもののよさを全世界に知らせるまたとないよい機会だというところにこのプログラム計画の力点を置いているわけでございます。直接いまお話の、謙虚と寛容の精神をどう具現するかということの直接の御返事にはならないと思いますが、全体のプログラムを編成する基本的な考え方としては、河野先生の御指摘になったような点を十分に考えながら、いい番組をつくりたいと思っております。まあこの程度のお答えでひとつきょうのところはお許しを願いたいと思います。
  85. 河野謙三

    ○河野謙三君 それはなかなかむずかしいことですから、また後ほど何かうまいことお考えになったら御報告願いたいと思います。  最後に、交通公社が組織委員会の方かに伺いますが、切符が売れない。これに対して、さっき柴谷さんからもいろいろ強い御注意があったが、切符の売れないというばかなことはない。欲しい人はあるんです、どんな競技でも。店の張り場所が悪いのだ。魚のいない所に行っていくら釣り糸をたれてもそれは食いやしませんよ。そこで、私は、非常に地域によって違うと思うのだが、たとえばカヌーとか、サッカーの場合ならば、その競技種目団体に割り当てるということをお考えになったことはありませんか。それが第一と。  それから同じお尋ねになりますけれども外国のあれの残りを、六月にたしか締め切るというのですが、私は三月なら三月に締め切って、外国に売るものはせいぜい売って、そして売れないものは早く引き上げて、残ったものは国内の足りないほうに売ったらいいだろうと言ったんですけれども、やはりこれを依然として、六月までそのままだらだらと、要らないものを、お買いになりませんかといって、外国で店を張ったままでいるのですか。
  86. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) ただいま御指摘の第一点につきましては、実は競技団体もなかなか引き受けないのであります。実は競技団体に割り当てました入場券のうち、人気種目のものは体育協会のほうで非常にたくさんの御要望がございます。そういう人気種目ばかり引き受けないで、少しサッカーも引き受けてくれないかと言っても、サッカー協会でもあまりいい顔をしない。結局これはサッカーの予選が行なわれる横浜ないし大宮というような地元で、将来大量に売りさばかなければならないかと思うのでございます。また、カヌー競技のごときはまだ新しい競技でありまして、あまり一般関心が高くない。またカヌー競技自身が湖水の真中で走っておりまして、どっちが勝っておるのか、見物人もあまりよくわからないというか、あまり興味がない。またライフル射撃なども、これは当たったか当たらないのか見ている者にはわからない。結局選手の家族が応援にいくという程度になるのでございます。できるだけ競技団体に引き受けてもらいたいとは思っておりますが、これで売り切るというわけにはいかないのであります。せいぜいいろいろな方法をもって努力したい、こう考えております。なお、外国入場券をなるべく早く引き上げろというお話でございます。実はこれはまだ十月末にやっと売り出したというわけで、しかもこれが予約券でございます。そこで、今日まで入金があったのは非常に早いほうなのでありまして、今後もう少し売れ行きを見たいと、こう考えておりますが、これが時期を失したために国内にさばけないというようなことのないようには十分注意するつもりでおります。
  87. 河野謙三

    ○河野謙三君 最後に、各カヌーなりその他、競技団体によってもなかなか売れないんですけれども、これはやはり今まで——私は御承知のように陸上の関係ですが、ずいぶん陸連の本部から地方の国体に、そのつど要りもしないバッジを押しつけてみたり、割り当てですよ。それで、要らなければ役員が立てかえてやるんですよ。だからカヌーや何か、必ずしもそれだけでいけるとは私は断言しませんけれども、今言うように、交通公社で売れないものを、いつまであっためているよりも、それを交通公社と並行しておやりになったらどうだ、こういうふうに希望を申し上げているので、これはもうぜひそうされることを希望いたしまして、あと岡田さんからお話もあるようですから、私の質問は終わります。
  88. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 いま切符の問題が出ましたから、まず切符の問題について。いま柴谷さんなりあるいは河野さんから言われました点は、私ども同じように考えている点ですが、もう少し何とか売りさばきについて促進する方法があるんじゃないか。たとえば芝居のを売るにしても何にしましても、広告というようなことが非常に必要なことですし、それからまたセールスの上において努力というものが必要なんですね。どうも割り当てられたものを交通公社が消化する場合に、そういう点で欠ける面があるのじゃないか。組織委員会のほうにおいても、売れない切符を売りさばくための工夫が足りないんじゃないか、これを私は痛感するわけです。特に外国において切符を売るのは、向こうへ割り当ててまかして、それきりにしているのじゃないか。それが売れないというならば、特に売れないような国に対して、早く何かそれを促進するための手を打つ必要があるんじゃないか。それらが欠けているように思うんですが、先ほど柴谷さんからもお話がありましたように、二月十日現在なら現在で、ひとつ数字を出していただく、あるいは売れない地方はどの地方かということを示していただく、また、外国についても同じようにしていただいて、この次の委員会までにその切符をもっと消化するための具体的な推進策というものをひとつお示し願いたい。売れないという報告ばかり聞いているのじゃこれはどうにもしようがない。この点はひとつ関係者のほうにおいて十分積極策を立てていただきたいと思うんです。それと同時に、新聞、ラジオ、テレビというものの威力、これがオリンピックムードを盛り上げるのに非常に大きな力を持つことは、先ほど河野さんも言われておりました、皆御協力を願っているわけでございますけれども、この上とも一そう御協力を願いまして、私は切符をもっと消化する上にも、たとえばこういう切符がまだ余っているのだ、こういう競技はこれから日本でも盛んにしなければならぬ競技なんだ、もっと見に行けというようなことを兼ねたことを、これはマスコミュニケーションでやっていただくと、それはやはり役に立つんじゃないか、それらの利用というものがやはり足りないのじゃないかということを考えいるんですが、それらの点で御協力を願えるかどうか、それも伺いたい。その二点をまず伺いたいと思いますが、つまり与謝野さんなりあるいは交通公社の方には、この次までに売れない切符に対して、これを売れるようにするための具体的な推進策をひとつお伺いしたいということ、それはできますか。
  89. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) お答えいたします。先ほど交通公社のほうからこまかい数字を申したと思いますが、実は人気種目のほうはほとんどもう売り切れるのでございますが、三〇%以下というような低率の入場券をいかにして売るかということについて、われわれとしてはもっと考えなければいけない。また組織委員会の予算というものは、目下国会に提出されておりますので、この予算には入場券収入というものがすでに組み込まれておりまして、もう少しわれわれとしては売らなければ、組織委員会の経費もまかなえないということになるわけでありまして、われわれとしては、一そう努力をしたいと思うのであります。たとえば、サッカーが三〇%以下などだというようなことは、世界では信じられないことであります。これはむしろ外国だったらば一番先に売り切れるべきものが、日本のサッカーが比較的弱いために人気がない。ところオリンピックの場合には、世界の一流チームが来て決戦をやる。したがって、サッカーはおもしろいのだというようなことを宣伝してみたらどうだ。ホッケーについても世界の一流のチームが来るわけであります。そういう点も考えて、今後売り上げに一そう努力いたしたいと思います。
  90. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それから売れない切符の販売促進について、これはひとつテレビとかラジオとか、あるいは新聞とかで御協力を願うといいと思うのですけれども、それらの点について御協力を願う余裕ございましょうか。
  91. 春日由三

    参考人春日由三君) NHKの性格上の限度というものが一応あると思いますが、実は入場券の割り当てのときの抽せん会を全国へ実況中継で私どもいたしておりますし、その後、第二回の売り出しのときにも、ラジオテレビジョンを通じてそれぞれ御協力申し上げております。具体的には即答はできないと思いますけれども、私どもの仕事の範囲においてできるだけ御協力申し上げたいと考えます。
  92. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 民放につきましては、これはどうも広告の収入ということになりますというと、問題があると思うのですけれども、その点でやはり御協力願えるのでしょうか。
  93. 酒井三郎

    参考人(酒井三郎君) オリンピックのほかにもいろいろのキャンペィンを別にスポンサーがつかなくてもやっておりますので、こういう場合の相当公共的なものについては、相談をしてやるようにしたいと思っております。
  94. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 次に放送関係についてお伺いいたしたいのですが、一点は、テルスターを通じての国際放送ですね、これの準備が行なわれておるんですけれども、はたしてこれが間に合うかどうか、まだ私どもはっきりしたことをお聞きしておりませんし、最近の実験その他の段階からして、できるかどうかは、もう大体おわかりだと思うのですが、それらの点についてひとつ御説明願いたいと思います。
  95. 春日由三

    参考人春日由三君) ただいまの問題につきまして、たまたまこちらに技術の専門の三熊理事出席しておりますから、かわって三熊理事に御説明させていただきます。
  96. 三熊文雄

    参考人(三熊文雄君) ただいまの御質問に対しまして、宇宙通信の大体概念的なことを先に申し上げたいと思います。  いまお話になりましたテルスターの2号というのは現在上がっております。しかしながら、これはあとでも申し上げますが、テルスターの2号というのは、日本にはあまりいい条件ではないのであります。それで、この間昨年の十一月の終わりにアメリカと宇宙通信をやりまして、御承知のケネディの悲報がまいったときにはリレーの1号というのを使ったわけです。ところがリレーの1号は電池の寿命がだんだんきまして、ほとんど役に立たないというので、ことしの一月の二十二日にかわりにリレーの1Bというのを上げました。これが日本とアメリカでは非常に都合がいいリレー衛星なんですが、しかしながら現在のところ、そのリレー衛星を使って実際に日本から一度アメリカへ送ってみないと……。向こうから来た受信はもう経験済みなんですが、まずこちらからアメリカに送るという実験をしてみたい。それには御承知の茨城県にあります国際電電の十王の実験所から電波をまず出して、そして向こうへ通じたい。その電波を出すためにNHKでは苦労いたしまして、機械を現在取りつけつつあります。大体その見通しが、二月の終わりぐらいで調整その他が終わって、三月の初めくらいには一度こちらからアメリカ向けの電波を出したいという希望を、郵政省を通じましてアメリカの航空宇宙局NASA、そこへいま問い合わせを出している現状であります。  そういう何でいえば、われわれとしましてはでき得る限りリレー衛星なりそういうものを使って、オリンピック時には何らかの方法でアメリカ並びにヨーロッパというか、世界に中継したいという強い希望を持っているわけなんですが、ただ一つ残念なことがあるわけです。というのは、先ほどお話の出ましたテルスターも、それから今度打ち上げましたリレーも、一番日本とアメリカその他で都合のいい時期が、テルスターにおきましては四月、五月、それからリレーにおきましては三月、四月、この時期が一番中継可能なときでありまして、そのころであれば、一時間程度まででき得るのだ。ところが、両方ともその衛星がだんだんと下に角度が、角度といいますか、上空のあれが下がってきまして、ちょうど七月、両方ともそうなんですが、七月以降からだんだん下がってきまして、十月、十一月というのが非常に悪い時期になる。それでわれわれの見通しからいいまして、そのときにはテルスターは全然だめです。リレー衛星が何分くらいいくだろうか。いまの見通しでは数分程度しかいかない。そうすると、非常に短いために、なま放送というものがなかなかむずかしいのじゃないか。それで、政府を通しまして、日本政府からアメリカ政府に、でき得ればリレーの衛星をもう一個オリンピック用として打ち上げてほしいということを現在お願いしてあります。それがどうなるかわかりませんが、われわれの希望とすれば、オリンピックのための衛星というものをでき得る限りアメリカが打ち上げてくれることを希望しています。と同時に、それがもしだめだと仮定しても、もしうまく数分でもいけると仮定した場合には、これはわれわれ技術者としては、その数分問でも送りたいという強い希望を持っている、その点を御報告しておきます。
  97. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 もう一つ新しいリレー衛星をアメリカが上げることを受諾して上げられる、こういうことになりますということ、これは日本とアメリカだけでなくして、さらにそれがヨーロッパに放送できることになるのでしょうか。
  98. 三熊文雄

    参考人(三熊文雄君) 大体いま話した一番日本とアメリカとの、たとえばリレーで申しますと三月、四月ころですが、大体のいまの見通しでは、そういう非常にいいコンデションのときには、アメリカはもちろんのこと、一ぺんにヨーロッパにもいくというくらいの非常な高さの軌道を通るというものであります。したがって、オリンピックのためにもし打ち上げてくれましたら、アメリカもヨーロッパも一度にそれを利用できるのじゃないか、こう思っています。
  99. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 先ほどNHKからの御説明で、NHKがテレビは一本で取材する。これについてユーロビジョン、その他との話し合いも進んでいる。一方におきまして、日本国内での放送については、民放との間の話し合いもついているということで、それは非常に私どもいいことだと思いますけれども、そういうことについてのいろいろな費用の問題ですね。たとえば外国にそのフィルムなり何なりを供給する。その場合にやはりこれは向こうで買う、こういうことになるのでありますか。それから日本で民放にそれを供給する場合には、民放がそれを買う、こういうことになるのですか。  それからもう一つは、NHKと組織委員会ですね。この間における一体財政上の関係はどういうことになるのか。
  100. 松井一郎

    参考人松井一郎君) お答えいたします。  御承知のように、ラジオについては特別な問題はございませんが、テレビジョンについては、これを独占的と申しますか、取材の自由が認められておらない。そのかわりにその取材をする方は、そういうある種の特権と申しますか、独占的な形になるので、当然オリンピック憲章に基づきまして組織委員会に権料と申しますか、放送権料を支払う、これが一点でございます。それから放送するについては、たとえばNHK放送センターのいろいろな施設というものを通じて、絵を送るという形になります。この前者については、当然これは組織委員会に対してロイアルティーと申しますか、それを支払うが、後者については、NHK施設というものの便宜を受ける限度においてその実費に相当するものをNHKに支払わなければならぬ、こういう二つの問題がからんでおります。したがって、私ども外国放送局とそれぞれ契約する場合に、一体ロイアルティーというものと——彼らとしては一体どれくらいの放送権料を支払うかということになりますと、どんなサービスを得られるのかということとこれは実はうらはらの関係になります。それを両方総合しまして、これこれの条件でこれこれの時間、こういう設備を使って絵を提供する、それに対して放送権料及び必要な施設に対する便益を受けた対価として何万ドル支払う、こういう実は契約になっているわけでございます。それを全部プールいたしまして、そうしてNHK施設に対する必要な実費というものは、これは当然NHKにちょうだいいたします。そうしてロイアルティーに相当するものは全部組織委員会に納付する、こういう形になっております。
  101. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そうすると、今度は組織委員会のほうでは、そのロイアルティーはもうすでに三十九年度の組織委員会の予算のうちは組み入れてあるわけですか。
  102. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) そのとおりでございます。
  103. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それはどれくらいになっておりますか。
  104. 与謝野秀

    参考人(与謝野秀君) いろいろな点から計算いたしまして百五十八万ドル——約五億七千万円くらいというものになっておりまして、三十九年度予算の収入の部にそれがもう計上されているわけでございます。
  105. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それから民放のほうは、やはりNHKから絵を受けましてそれを放送する際に、これはやはりスポンサーをつけることになるのですか。これはスポンサーなしでおやりになるのですか。
  106. 久住悌三

    参考人(久住悌三君) お答えいたします。  民放でございますから、もちろんできるだけスポンサーをつけるというつもりで進めております。
  107. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 次に、オリンピックと最近進められておりますいわゆる都市美化運動ですか、これについてお伺いしたいんですが、どうも一向にきれいになっておらない。道路を掘りくり返したり、施設をつくったりしているための、まあそのことからのきたないということを除きまして、それじゃそのほかにどれだけの意味においてきれいになってるかというと、前々から方々でも問題にし、両院の委員会でも盛んにこの問題についてあれしましたけれども、あまり実効が上がっておらないように思われるのですが、これから数カ月の間にその実効が上がるのかどうか。たとえば駅やなんかに見られる広告にいたしましても、これは国鉄でも私鉄でもそのままで、ちっとも減っているというふうには考えられない。あるステーション等におきましては、ややきれいになっているところもあるようでありますが、さっぱりどうもこれはうまくいっておらぬ。あるいは野立ち広告に至りましては、依然として残っておる。特に神奈川県あるいは埼玉県等もひどい、東京都ももちろん。これについて、はたしてどれくらいやっているのか。私ども目に見えて効果が上がっていると思わないのですけれども、これらについて、本気になって美化運動をおやりになる、そしてまた、まず第一にそういうものをやり玉にあげて整理できるものか、その見通し等をお伺いしたいのです。
  108. 関晴香

    参考人(関晴香君) もうすでにオリンピックを呼びましたとき以来、東京ではそういう面でいろいろ市街環境を明るくきれいにする必要に迫られていたわけでございます。そこで、オリンピックがきまりましたので、できるだけこれをきれいにして、気持ちよくこれを受け入れたい、明るいきれいな東京で外客並びに日本じゅうの方を受け入れたい、そうして、さらにそれは都民生活を豊かに明るくすることでもございますので、オリンピックを機会に、こういういい習慣を身につけたいということで、首都美化運動を始めたわけでございます。  そこでお話しの広告の問題でございますが、これはちょうど首都美化運動の一環といたしまして、当然まあ最も重要な事項でございます。昨年の十二月以来、特に広告物の取り締まり、野立ち広告等やめて、屋外をきれいな広告だけにしようというような運動を始めることにいたしました。ことにこの二月の十日の首都美化デー——それから毎月十日を首都美化デーにしようということで行なっておるわけでございまして、この広告の問題を取り上げまして、重点的に運動を進めていきたいということでやっておるわけであります。  内容は、違反ポスター、ビラあるいは広告等の除去、こういうこと並びにもう一つは、いまお話の鉄道沿線の野立ち広告の整理、またさらに道路沿線の野立ち広告の整理、あるいは商業地域内におきまする要許可広告物の調査並びにこの悪いものの撤去の勧告というふうに分かれるわけでございますが、私どもとして違反ポスター、ビラ等につきましては、屋外広告物法の改定もございまして、自力で違反広告等については撤去ができるようになりましたので、ただいまのところ延べ四千五百人をもうすでに動員いたしまして、そのような撤去運動を始めておるわけでございます。さらにこれを徹底していくことはもちろん必要でございます。次に鉄道沿線でございますが、これらにつきましては、私どもも、規定に抵触しているいわゆる違反広告物につきましては、三十七年度から調査も始めておるわけでございますが、ようやく三十八年度鉄道沿線、ことに西武、東横あるいは小田急、京王等の、あるいは東鉄管内というようなものの調査をいたしまして、また、違反物件についてはすでに二百九十九件を命令によって除去しておるわけでございますが、まだ徹底するまでには残念ながら至っておりません。  さらに道路につきましても、目抜き道路でございます甲州街道あるいは第一京浜、第二京浜、あるいは放射四号線、その他日光街道、京葉等もございますが、これらにつきましても適切なものかどうかを調査いたしまして、違反広告七百件の調査もすでに完了いたしまして、これの除去の勧告もいたしております。ぜひオリンピックまでには全部それも除去させるというような方針で進んでおるわけでございます。  また、都内の商業地区におきましても、すでにそういうものについての調査が完了いたしまして、五千件ほどが勧告の対象になっております。これらもオリンピックまでにはぜひきれいにしていきたいという施策も進めております。  そこで、さらにオリンピック対策といたしまして、羽田空港付近の広告物につきまして、これの規格の設定を昨年の末いたしまして、御存じのように、夜間やりますと一応きれいなネオンではございますが、昼間は非常に醜いいわゆる骨組み等が見えております。高さも一定しておりません。こういうものにつきましても不適格の物件の広告物はすでに広告主に勧告を行なっております。オリンピックまでにはこれを撤去さして、規定に合ったものだけを残したいという方針でございます。さらにまた、特に先般高速道路一号線の一部が開通いたしたわけでございますが、これを機会に高速道路周辺の美観維持のためには新たに五十メートル以内には広告物を禁止する、いわゆる禁止区域に指定いたしまして、この沿線の美観を維持したいということをきめたわけでございます。さらにいまオリンピック関連道路といたしまして、放射四号線、いわゆる青山−渋谷−三軒茶屋の線でございますが、その放射四号線または環状七号線、これは最も重点を置いた道路でございますが、これらにつきましては、道路の景観上も、電柱等はできるだけ整理いたしまして、共架柱といたしまして、電話あるいは電信、電灯、その他すべて一本でまかなうというようなことで整理もいたしましたが、その際に、あわせましてこの両線につきましては、いわゆる電柱広告等もこれを一切やめさせるということで進んであります。しかし何ぶんこれはやはり数多くの広告主あるいは広告業者のいわゆる自覚を待たなければなりませんし、一般都民の協力も必要でございますので、そういう点の広報活動も今後重点的にいま行なっておりますが、さらにこれを強化して徹底さしていきたいというふうに考えております。なかなかこれは従来の関係もございまして、まだ目に立つほどの効果が見えてないのは残念でございますが、今後できるだけ指導し、強力に取り締まりを続け、さらにPRを徹底させていきたい、かように考えております。
  109. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 とにかくもうずっと前からこの問題でもって関係者の方々をお呼びして言っておるのですけれども調査した、勧告した、少しは撤去した、これじゃなかなか十月までに、はたして効果が上がるかどうか、たとえば違反であると本人に向かって勧告した、それをなかなか撤去しないという場合に、迅速に撤去するだけの用意が東京都にございますか。東京都の手で撤去するだけの用意がありますか。
  110. 関晴香

    参考人(関晴香君) 違反ポスター類等につきましては、これはもうわれわれの手で各区にもこれはお願いいたしまして、民間団体にも運動の際にはお願いしてやっておるわけでございますが、その他につきましても、もう最終段階に至りますれば、そういう手を用いたいと思います。
  111. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 国鉄の方来ておりますか。国鉄はどうするのですか。
  112. 瀬崎芳邦

    説明員(瀬崎芳邦君) ただいまの美化運動につきまして、国鉄はどういう美化運動推進策をとっておるか、こういう点につきまして簡単に申し上げます。  国鉄におきましては最近の美観保持のための美化運動を強力に広告物につきましても進める必要がある、こういう観点から、昨年末でございますが、現在の既存の広告物の美化浄化の見地から、ひとつ徹底的にこれを改める措置を講ずる、こういうことで広告物の掲出基準というものを定めまして、現在この規格に当てはめるような措置を強力に推進いたしました。たとえばこの掲出基準と申しますのは、現在の広告を掲出してよい場所、まず掲出場所の問題あるいは広告物と広告物との間隔の問題とか、紙型、色彩、文字その他あらゆる項目につきまして詳細に規格を定めまして、この規格に沿わない現存広告物は今後排除していく、しかも九月末までにはこれを徹底的に規格に当てはめるように強力に排除するような措置を講ずる。こういう観点から、鉄道広告につきましては屋内の広告はもちろんでございますが、屋外広告につきましてもこういう措置を講じて、ただいま各地方局に強力に実施方をお願いしております。
  113. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 九月までは大体ほったらかしておくんですか。九月末までに相当順々に取り除いていくということはやらないのですか。
  114. 瀬崎芳邦

    説明員(瀬崎芳邦君) 九月末というのは、最終目途を九月末までということにいたしまして、可能な限り、できるものはどしどしやりたい考えでございます。
  115. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 特に神宮外苑競技場周辺の駅なんかというものは、もう少しきれいにしてもらいたいと思うのですがね。たとえば千駄ケ谷の駅で新宿御苑側のほうは、オリンピックの始まらない早い前に、あそこに温泉マークの宿屋の広告が一ぱい出ていたんだけれども、除いた、オリンピック前です。たいへんよくなったと思ったんですけれども、代々木駅をごらんになりましたか。代々木駅の構内なんかずいぶんひどいですね。あんなのはいつのけるんですか。
  116. 瀬崎芳邦

    説明員(瀬崎芳邦君) ただいまの改善措置の推進方につきましては、各地方局がそれぞれ関係都道府県とも緊密な協力をいたしましてやる方針でございますが、特に問題の御指摘の点は東鉄でございまするが、これも特に委員会というようなものをつくって順次強力に進めておりますので、お目ざわりの点につきましては、なお一そう時期を早めて推進方をひとつ考慮したいと思います。
  117. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 これは国有鉄道でもあるいは私鉄でもそうですけれども、とにかくあそこに広告を出させるには料金を取っていますから、あまり強いことを言えない。そういうことでいままでほうってあったんでしょう。しかし、もうここまできたらそんなことをいっていられないので、そういうことは抜きにして、きょうは管財部長がおいでになっているのはそういう点からおいでになっているのだろうと思うのだけれども、ひとつそういう点を抜きにして、何とか進められぬものですか。
  118. 瀬崎芳邦

    説明員(瀬崎芳邦君) 広告物につきましては先生も御承知かと思いますが、なかなかエージェント、スポンサーの関係、その他の関係がありまして非常にむずかしい問題もございますが、こういう情勢になりましては、私ども鉄道広告につきましては広告組合という組織もございます。この組合におきましてもこの趣旨を十分に徹底させる努力をいたしまして、なるべく除去するようにさせることをお約束いたします。
  119. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ずっと前にそういうことを言っておられたのですよ。そうして私もその際にも広告料があるからなかなかのけないのだろう。しかし、そんなことを言っていちゃだめだから、新たにこれからやる分については十分考慮してやるようにと言ったけれども、依然として同じだったんですね。それはなるほど国鉄のほうでは収入という点を考えるからそう収入源を切って捨てるわけにもいかぬというお考えだったんでしょうけれども、私はそういうことじゃいけないと思うので、国鉄の大きな収入に比べればそれほどでもない。それから日本全体がきたなくなるということになれば、これから観光によってやはり貿易外収支を日本に有利にしていこうということになりますれば、まあそれくらいのことは考えていただかなければならぬと思うので、ひとつもう少し、国鉄の大きな世帯ですから、その点は思いきっていただきたいと思います。それから私鉄のほうもこれは国鉄に劣らず、あるいはそれ以上にひどいのですがね。これはこういうふうにして規制するんですか、だれかおらぬですか。——おらなければこの次でいいです。
  120. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちょっと関連して。  いま、東京都なり国鉄の話を聞いておりますと、九月までに何とかしたいと思いますというようなことで、これはあれですが、都の場合、条例でそういうことをしてはいけないという規則に基づいて指導しておられるのですか、国鉄の場合、そういうものは禁止するということでやっておられるのか、それとも、あるいは、ただ協力を求めておるというのか、どっちなんですか。聞いているとたよりなくて、何とかしたいと思いますというようなことで、もうだいぶ前からいまにやる、いまにやると言っておりますね、一年くらい前からですよ。いまに、いまにと言って死んでしまった人もおりますから、死なない前にやっていただきたい。どうなんですか、規則に基づいてやっておりますか。
  121. 関晴香

    参考人(関晴香君) 東京都は、もちろんそういうことにつきましては、許可すべきものにつきましては、許可基準によりまして、広告物のデザインその他いろいろなものを勘案してやっております。いまお話しいたしましたのは、そういう以外の、いわゆる違反広告の除去ということが第一になっております。そういうことで推進しているわけでございます。違反広告につきましては、これは条例に基づいて勧告して、さらにきかない場合には除去できるというようなことにもなっておりますので、われわれもそういうことで強力に進めていきたい。あとはいろいろなデザインなんか、醜いものが許可されているものも従来あったわけでございますが、これはやはりできるだけ美観上いいものに指導して許可していきたい、こういう方針でございます。
  122. 柴谷要

    ○柴谷要君 関連して。  この間テレビで、東京都の広告排除の努力のあれがのっておったのです。ところが、はがす人たちが行ったら、のりの新しい、まだ張って間もないものを盛んにはがしておる。それをはがして通り過ぎていくというと、姿が見えなくなると、すぐに求人広告の新しいものがどんどん張られておるというようなことで、これはイタチごっこではないか。違反広告があるというと、それを撤去するのではなくて、違反者に警告をして、違反者が取り除けというようなことをやって、それが口数がたって取り払わない一取りはずすというようなことで、順序をつけてやっておるというようなことだから、これは整理のつかないのは当然なんですよ。東京都のやり口は、すべてそんなことばかりやっておる。だからきれいになる、きれになるといって金をかけても、盗人に追い銭ですよ。何人かの労働者を使ってはがしていくと、そのあと真新しいものがどんどん張られていく。こういうことに対する手は一体打たれているのかどうか。広告撤去の問題ばかりではなく、私は、東京都の行政というものはそういうものがかなりあると思う。しかし、たまたまこの広告問題が出ましたから、東京都を美化するということであれば、もっと強力に手を打たれないものかどうか。このオリンピックというものを目指してその見解があったらひとつ御説明を願いたいと思います。
  123. 関晴香

    参考人(関晴香君) はがしたあとから張っていくということは、やはり何と申しましても広報活動によってそういうことを徹底させること並びに都民の皆様、広告主を含んだ都民にPRするということが必要でございますので、このところ、いわゆるマスコミ等にお願いしまして、またそれを通じて、さらにはパンフレットをいわゆる広告業界あるいは広告主と見られるものに全部出しまして徹底していきたい。こういう広報活動でやはり都民の協力を求めていかなければならないのです。はがしたあとから張っていくということでございますが、今後は、こういう広報活動によって徹底させまして、そういう点をなくしていくように努力していきたいと考えております。あと、悪質なものにつきましては、もちろんこれはこちらの手で強制撤去いたすものは、近日中に手初めとしていたすわけでございます。そういうようにして徹底させていきたいと思います。
  124. 柴谷要

    ○柴谷要君 国鉄の管財部長来られているから、国鉄は今回オリンピックを目ざして広告の問題についてはしっかりした基準を設けたのだから、だから九月末までなんてのんきなことを言わないで、三十九年度の予算でそういう方針でちゃんと予算も取れているはずなんだから、九月末なんていったら、十月にはオリンピックなんで、国鉄がのんびりしているように思われるから、基準というものは、組織委員会あるいは関係団体の了承を得て基準ができたと思うから、その基準でぴしっとやる、できるだけすみやかにやるという答弁をしなさいよ。それと同時に、大体今まで国鉄が広告収入を上げていたのは、十数億上げていた。これはちっとやそっとの金ではない、相当の金なんだが、基準をつくってやるということになったら、どのくらい減収になるのか、それは計算済みだろうから、ちょっと発表してみて下さい。
  125. 瀬崎芳邦

    説明員(瀬崎芳邦君) ただいま先生のおっしゃいましたように、大体十七、八億とわれわれは見ておりますが、こういうものでございまして、大体一割強程度が屋外広告でございます。したがいまして、これを徹底的にいたしました場合でも、約一割弱とお考え願えばいいかと存じます。
  126. 柴谷要

    ○柴谷要君 そのくらいの金額なら、国鉄はたいしたことはないんだから、思い切って三十九年度に、他の機関に先んじて、国鉄が全勢力をあげて管財部長やって下さいよ。そうでないと、何か国鉄がぐずぐずしているからなんというので、私鉄がまねしてくるから、きょう、早急にやりますとオリンピックで約束して、あなたやって、拍車かけなさい。そうすれば、次回には私鉄を呼んで私鉄にもやらせる。そうすれば、きちっと片づいていくのです。そういうことを国鉄にも厳重にやらせますから、東京都もいま少し本腰を入れて、何かやらなければならぬからやっているというようなだらしのないことではなくて、もっとしっかりしたことをやって、美化なら美化運動を推進しなさいよ。  それから、ついでだから聞いておきますけれども、容器の設置というものをやるでしょう。いまモデル地区か何か定めて、ごみ容器を置いているのじゃありませんか。そういうところがあったらひとつ聞かしてもらいたい。公衆用ごみ容器の設置というのがありますね。やっているのですか。
  127. 関晴香

    参考人(関晴香君) 各方面の寄贈等もございまして、部分的にやっております。
  128. 柴谷要

    ○柴谷要君 一体どこに置いてあるのですか。公衆用ごみ容器を設置するというのですが、東京都のどこに置いてあるのですか。オリンピックになってから置くのか、事前国民にこういうものを設置したから協力してくれということで、PRしながらやるのか、どっちなんですか。
  129. 関晴香

    参考人(関晴香君) 先ほど民放のほうからお話がございましたように、民放からもごみ容器の寄贈を受けておりまして、目抜き通りに置いてあります。銀座通り等にも入っているかと思いますが、あとはこまかく調べまして御報告したいと思います。
  130. 柴谷要

    ○柴谷要君 目についたところを一カ所申し上げますと、目黒の権之助坂にある。ところが、美化どころか、その容器がえらくよごれちゃってみっともないようになっている。かえって置かないほうがいいようなものです。それでは美化じゃありませんよ。だから管理者の管理が不行き届きなのか何か知らぬけれども、そういうことではなしに、もっと魂の入った仕事をやらぬと、もう差し迫ったオリンピックに、ほんとうに国土美化なんて口先だけで言ったって、ちっとも美化になりませんよ。文句をいうのがこの委員会ではありませんから、この程度でやめておきますが、実際何か歯がゆいのです。美化のために置く容器のまわりがまつ黒で、何かごみを入れるのがきまりが悪いほどによごれている。こういうことでは美化になりませんので、関係者に苦言を呈するのですけれども、魂を入れて、実際に美化するようにやっていただきたい。  関連ですからこの程度で終わっておきます。
  131. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 またあと、これは東京都に関係する問題ですけれども、あるいは他にも関係がありましょうが、例の衛生対策の問題等も、少し今度じっくりお聞きしたいのですけれども、とにかく東京都でやっていただきたいことは、すぐにしてもらいたいということ、野立ち広告にしたって、あるいはそのほかのことにしたって、京都ではもうとっくにやっているのです。できないことはないと思うのです。それをやらないということは、いままでやらなかったから、いまも大体どれだけ本腰を入れてやるか、どうも私ども疑問に思うので、いま柴谷君からも御指摘があったようなこともございますので、もうわずかですから、目に見えるように、早くできるように、ひとつ御努力を願いたいと思います。
  132. 河野謙三

    ○河野謙三君 一言意見を申し上げたいと思います、警察庁の方に。  私は実はマラソンの先輩なんですよ、あまり強くなかったけれども。(笑声)それで、さっきの御説明のように、マラソン選手競技のときはいいけれども練習する場合に、どういうふうにしたらいいかということも非常に苦慮されているようなお話がありましたね、ところ日本は陸上競技では第一に金メダルというと、マラソンというものに非常に期待があることは御承知のとおり。ところマラソン選手に一番必要なことは、できるだけ、他の国と違いましてレースコースを踏む機会に恵まれているということなんですよ。走る時間——何も昼走るのに夜練習してもしかたがないですから、走る時間にレースコースをできるだけ踏むということが、一番、ほかの外国選手のまねのできない、これは一つの特権なんですね。ところが、なかなか警察の保護なくしては、いま甲州街道練習できませんね。これはいずれ、私が言うのじゃなくて、強化本部あたりからいろいろお願いに行っていると思いますけれども、これは特に多少めんどうなことがありましても、やはりぜひ協力していただいて、マラソンの候補選手が大体きまってきましたから、これらの選手がやるときには、できるだけの援助をしていただきたい。マラソンに勝てるか負けるか警察庁によってこれは……(笑声)もしレースコースを踏む機会が、警察庁協力しなかったために数が少なかったということになると、金メダルは警察庁が取らせなかった、これは冗談でなく……。これはちょっと話が出ましたから、私からもお願いしておきます。
  133. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) それはまさに私ども同感で、この間の朝日マラソンでも負けて、非常に私ども警察官残念だったわけです。もう一回四月に毎日マラソンの予選があるようでございます。これは私ども責任を持って同じような警備交通をやっていきたい、あと具体的にいろいろ選手強化の問題で、あのコースを走るのは確かに河野委員のおっしゃるとおり、日本選手の一番有利なところで、私どもできるだけそういう有利なところを御援助したいと思っているわけです。そこで、練習をどうするかということは、これはもちろん率直に申し上げて強化本部とマラソン連盟と話しております。一案はだんだん甲州街道のあのバイ・パスも整備された暁においては、わりあいに道路交通状況もよくなると思いますので、日曜日というのはこれは非常に練習のしやすい日でございます。日曜日をフルに活用していただくようにしたい。それから平素の場合においても、時間帯によっては、昼間に十分できるような時間帯には三分の一の道路を使わせる。そうしてあとの三分の二で上下線の上り、下りをある程度規制していくというようなことも考えております。できるだけ、日本選手ばかりでなく、外国選手も全コースを一応やれるというふうに援助したいと思います。具体的にはよく相談をしてきめたい、私ども、できるだけいま言われたようなことであっては困りますから、その点はひとつ御了解をお願いしたいと思います。
  134. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 これは直接関係があるかどうか知りませんけれども犯罪の予防ということにもなるのでしよけれども、最近チンピラだのぐれん隊だの非行少年の出る巣くつ、温床になっておる深夜喫茶、あれを取り締まるということ、あれは早く取り締まったほうがいいと思う、やめさしたほうがいいと思うのですが、最近ボーリング場がたくさんできていますね。あれは健全スポーツだなんていっているんですけれども、夜中までやる必要があるのですか。あれがおそらく深夜喫茶がやめになると、あそこにみんな流れて、あそこがまた温床になるのですよ。僕は、もしボーリングがスポーツであるならば、やはりスポーツらしく昼間あるいは夜だってそうおそくないうちにやめていいのじゃないか。ああいう点も、やはり今後深夜喫茶をやめるためにそっちに移行する問題と関連して、やはりこれは十分に取り締まりをしていただだかなければならぬ問題だと思うので、ちょっとお伺いしておきたい。
  135. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) これは、実は保安局長の分野で、私が申し上げるのはどうかと思いますが、私どもが国家公安委員会においていろいろ論議している点は、確かにボーリングの深夜におけるところのあの営業の形態というのおかしいじゃないかということを考えておるわけです。ただ問題は、関西地方は深夜やっておらないわけです。関東地方の問題なんでございまして、これはボーリング協会自体においても、関西においては関東のボーリング協会はけしからぬ、こういう議論がありまして、いま御指摘の深夜喫茶は、今度の風俗営業法——風営法の改正を、現在参議院の地方行政に提出しておりますので、これは御審議を仰ぐわけでございますが、ボーリングにつてもいろいろ議論がありまして、現在の段階においてはボーリング協会の幹部を呼んで、私どもとしては法的規制をする必要ありと見ているのだが、しかし、あなた方もよく考えて、十分その形態について自主的にひとつおやりになったらどうかというので、自主的にやりますということの言明をしておるわけであります。
  136. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ほんとうですか。
  137. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) それはほんとうでございます。これの会長は前田先生ですから、前田久吉さんがやっておられます。しかし、ボーリング協会の中にいろいろな派がありまして、それはすぐに言うことを聞かないものもございます。ただ問題は、ボーリングの施設というのは、非常にある程度大きな資本でやっておりますので、これは群小のものを整理することよりも、さらに非常に整理の仕方はきちんとできるわけでございます。こういう点で、いま現在二件ぐらいが問題になっております。だんだんこれは規制されると思います。
  138. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それで、大きな資本をかけてやっているから、早く回収しようというので、ああいうことをやっている面が多いのですよ。だから、なかなかちっとやそっとで、おやめなさいくらいのことでやめるようなことになるかどうか。それくらいなら初めからやってないはずですよ。関西でやっていないというのに、それをやっているなら、相当きつくいかなければこれはできないだろう。特にいま言った深夜喫茶がやめになりますと、必ずあそこへ流れていきますから、これはもう同時にやめるくらいにしておかなければだめじゃないか。一言申し上げておきます。
  139. 高橋幹夫

    政府委員高橋幹夫君) よく伝えておきます。
  140. 佐藤尚武

    委員長佐藤尚武君) 本日はだいぶ時間がたちましたので、ここにオリンピック開催に伴う衛生対策についての問題、ことに船舶関係資料が出ておりますが、この問題は次回に譲ることにいたしまして、本日はこの程度で質疑を打ち切るとにいたします。  参考人の方々に一言お礼を申し上げます。  本日は御多用中のところを御出席いただきまして、長い時間われわれの質疑にお答えくだすったことに対しまして厚く御礼を申し上げます。本委員会を代表いたしまして皆様方にお礼を申し上げるわけでございます。今後とも、どうぞ本委員会の審議のために御協力をお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会