○中澤
委員 関連一問。私は、二十八、九災害、三十一災害は
現地調査の一員に加わりました。今度は
現地調査をしていませんが、しかし、今度の災害は、
陳情その他を聞くと、
北海道の農作物総
収入か大体九百億前後ぐらい、その中で五百億の
被害ということは、これは容易ならぬ事態だと思うのです。そこで、基本的に、一体寒地農業というものをどうするのかということを――これは東北、青森をも含めて、各地農業のあり方というものを
農林省は再検討する必要があるんじゃないか。特に今回の災害では根菜類の
被害がわりあいに少なかった。こういうことは、一体あのビート、甘味資源の自給政策というものはどうなってしまったのか。おそらく、
政府があれをもっと強力に推し進めていたならば、今回の災害もあるいはもっと
農民は
被害が少なくて済んだのじゃないか。甘味資源の自給政策というものは全く行くえ不明になってしまった。現在自給率を三〇%まで砂糖は伸ばすというのが、一二、三%でもう頭打ちをして、以後全然前進しない、これな
ども基本的に一度考える必要があるんじゃないか、それと酪農というものとをかみ合わせた寒地農業政策というものを
政府は基本的に考える段階ではないか、これを大臣はどう考えているかが、まず私がお伺いいたしたい一点。
それからいま
一つは、九百億前後の農作物の
収入で五百億の
被害ということは、
天災融資法の一部改正くらいでいけるという考え方は甘いんじゃないか。そういうことは、結局借金のただ追いかけっこをしているだけです。
先ほど中西君が、近代化資金のほうも自作農資金のほうも、そう長期は困るが、短期は延ばしましょう、こういう答弁をしておりますが、この際、抜本的に
北海道農業の負債を一体どうするのだという問題に取り組んでもらわぬと、とてもどうにもならぬのじゃないか。たとえば一時延ばしをしてみても、今度
天災融資法を――大臣が御
努力なさっているのはわかるが、改正して、金を増額して貸してやる、結局、その貸した金というものは、また前の借金のほうの埋め合わせになってしまう。結局、借金がぐるぐるして自転車操業をやっているだけで、基本的に農業が振興していくという方向とは言えないわけなんです。そこで私は、
天災融資法の一部改正くらいで糊塗しょうということは、
政府の態度としては少し甘いのではないかと思う。もう少し
農家負債というものを一体どうするかという問題に基本的に取り組んでもらわなければいかぬのではないか。そうして、御承知のように、いま中小企業は、倒産すれば、これに対して脈のあるものは、会社更生法というものがあって、負債は一切たな上げしてそれを中小企業金融公庫なりがめんどうを見てそうして新しく会社を発足させる、これを更生させるという方式が、税に株式会社の場合はとられているわけです。だから、そういうことを考えるならば、農業政策の基本として、どうしてもこの際
農家負債整理というものに本気に
政府が取り組む必要があるのではないかと私は思う。そうしてこれは相当
期間、特に
北海道農業なんか相当
期間長期にたな上げしてしまう。たな上げに対する利子補給というものは、これは
農民も若干負担しても、
政府が大幅に利子補給は見ていく、そうしてそのたな上げした元本を長期償還させていく、こういう考え方をこの際やらぬと、九百億の年間総
収入で五百億の
被害を受けて、
天災融資法を一部改正して利息を少し下げましたくらいでは、とてもこの問題は解決する問題じゃないと思う。そこで、
先ほど油谷君がこれが最後の御
質問かもしれぬと言っておりましたが、
農林大臣、なかなか一生懸命やっていらっしゃるし、できるならば続けてもらいたいが、それは
政府の都合でどうなるかわかりませんが、この際やめるにしてもやるにしても、ここで農業災害に対して一歩前進した姿勢を出す、これが
赤城農政の今後の大きな特徴である、
農家負債に対してはこういう
方法で
農家負債整理というものに本気に取り組んでいく、こういう形で問題を前進させてもらいたい。これに対して、かつての昭和七、八年の大恐慌で日本の農村が全く壊滅したときのいろいろな方式があるわけです。現にその中で残っている
法律もまだあるわけですが、しかし、そういうものだけではもういまの段階ではだめだ、やはりここで、
天災融資法の一部改正ももちろん必要でありますが、臨時
国会といっても無理ならば、少なくとも通常
国会までには、この
農家負債というものをどう処理していくかという基本方針を私は出してもらいたいと思う。さもないと、これは
北海道農業ばかりじゃない、内地農業でもこの問題はもう焦眉の問題だと思う。大臣の事業団構想というものは、やはり
一つの構造改善にからんだ新しい農地の構想であるが、それと並行して、いまの内地農業も借金の追いかけっこをやっているだけだ。これではもうどうにもならないのです。金を借りては前の借金を埋め、また金を借りては前の借金、それをわれわれがそのたびに、もう少し額をふやせ、金利を下げろといってやっているのだが、こういう追いかけっこはもうやめようじゃないですか。そして基本的に
農家負債をこうしていくのだという方針を、この災害を契機として
農林大臣に出していただきたい、こういうことを私は
要望するのですが、先日来の討議を聞いておると、そういう基本的な問題をいま少しわれわれは詰める必要があるのではないか。ただ単に
天災融資法改正ということだけ以外にはまだ
政府の前進の姿が答弁の中には見られておりません。そうじゃなくして、もう一歩突き進めた、この災害を契機にして、
農家負債というものをどうするか、こういうことをひとつぜひお考え願いたい。これに対して大臣が前進した姿勢でお取り組みになるのかどうか、あるいは
天災融資法一部改正だけでここは糊塗していこうとするのか、この辺の大臣の腹がまえを私はお聞きしておきたい、こういうわけで関連を一問
お願いしたわけです。