運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-10-27 第46回国会 衆議院 災害対策特別委員会農林水産委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年十月二十七日(火曜日)    午前十時二十八分開議  出席委員  災害対策特別委員会    委員長  中山 榮一君    理事 小沢 辰男君 理事 細田 藏吉君    理事 稻村 隆一君 理事 村山 喜一君       天野 光晴君    伊東 正義君       池田 清志君    大竹 太郎君       亀岡 高夫君    吉川 久衛君       谷垣 專一君    渡海元三郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       湊  徹郎君    粟山  秀君       渡辺 栄一君    有馬 輝武君       泊谷 裕夫君    永井勝次郎君       安井 吉典君    山口丈太郎君       栗山 礼行君    竹谷源太郎君       林  百郎君  農林水産委員会    委員長 高見 三郎君    理事 仮谷 忠男君 理事 谷垣 專一君    理事 本名  武君 理事 赤路 友藏君    理事 芳賀  貢君       池田 清志君    中川 一郎君       丹羽 兵助君    角屋堅次郎君       中澤 茂一君    野口 忠夫君       松浦 定義君    小平  忠君       林  百郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 赤城 宗徳君  委員外出席者         大蔵政務次官  鍛冶 良作君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         農林政務次官  舘林三喜男君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (農林経済局         統計調査部長) 久我 通武君         農林事務官         (畜産局参事         官)      吉岡  茂君         食糧庁長官   齋藤  誠君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      山中 義一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件(北海道における異常低温  による災害対策)      ――――◇―――――   〔中山災害対策特別委員長委員長席に着く〕
  2. 中山榮一

    中山委員長 これより災害対策特別委員会農林水産委員会連合審査会を開会いたします。  北海道における異常低温による災害対策に関する件について調査を行ないます。  これより質疑に入りますが、先ほどの両委員会理事各位と協議の結果、質疑時間は一人おおむね二十分となっておりますので、御了承願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦定義君。
  3. 松浦定義

    松浦(定)委員 本日の委員会におきましてもそれぞれ各委員からの質疑があろうと思いますので、時間の関係がございますから、二、三の点について質問をいたしたいと思います。  私は、まず第一に、先般のこの冷害では、北海道に対する政府並びに国会からの調査が、おそらく過去にない非常に熱意を持った調査であったと思うわけであります。それぞれの報告に基づいて質疑がなされましたが、去る二十二日に、社会党の持っておりまする党冷害対策特別委員会でもって政府当局にそれぞれ申し入れをいたしまして善処方を要請したわけであります。その際に、大蔵大臣あるいは農林大臣自治大臣等々に申し入れをいたしましたが、異口同音に、いろいろ政府側の御意見は、特に鈴木官房長官お話でありますと、二十三日の閣議でそれぞれ関係者から報告を求める――。それぞれと申しまするのは、赤城農林大臣並びに政府代表として調査に行かれました松浦運輸大臣等意見を聞くということであったろうと思います。したがいまして、二十三日にはおそらく報告を聴取されたと思いますが、その後私どもが聞きましたところによりますと、松浦運輸大臣調査をされました内容については、報告を求め、さらに書類でもって提出をされたということを実はお聞きいたしたのでありますが、その当時の書類での提出内容等についてはどういうものであったかということをお伺いいたしたいと思います。きょうは農林大臣が来ておられませんので、できれば、政務次官でもおわかりになりましたら、この点を御説明願いたいと思います。
  4. 舘林三喜男

    舘林説明員 運輸大臣がどんな報告閣議においてなされましたか、また、書類でどんなことを報告なさいましたか、この点につきましては農林省は存じておりません。
  5. 松浦定義

    松浦(定)委員 それでは、運輸大臣書類でもって提出されました内容をぜひ当委員会に御提出願いたいと思います。  きょうは農林大臣に御出席願うということになりますが、実は私は、農林大臣の御出席が十一時という話でありますから、その前に質問いたしたのでありますが、いまのような御報告では、所管当局である農林省政務次官がその内応をお知りにならないというようなことでは、私は、せっかく現地おいでになりました政務次官に対して当委員会としては納得できないと思います。できれば、松浦運輸大臣がもしこっちにおられますならば、ここへおいで願って、御当人からそのことをお聞きしたほうがかえっていいかと思いますので、委員長において、運輸大臣に当委員会出席されるようにお取り計らい願いたいと思います。
  6. 舘林三喜男

    舘林説明員 ただいま松浦委員に対してお答えいたしましたことを取り消します。やはり農林省のほうにも松浦運輸大臣閣議提出をされた書類が渡っているそうでございます。内容は、大体日程等が書かれて、被害の概況、それから現地要望事項ということが詳しく書いてございますが、現地要望事項は、先般からこの委員会でしばしば御質問がありましたような、ほとんど各項目ごとに――項目は大同小異でございますが、書かれております。これはあとでごらんに入れたいと思います。それから最後に、松浦大臣の所見といたしまして、今回の現地視察で特に感じたことは、被害の大きさにもかかわらず、被害地農民被害から立ち上がる気力を見せており、そのために政府に対しても以上の要望を行なっておるので、これに対しすみやかに所要の措置をとるべきものと思う、今次の冷害から見ても、北海道については土地基盤整備がかなりおくれているので、基盤整備の促進をはかることがきわめて緊要であり、特に酪農経営確立をはかる上において草地造成の積極的な推進をはかることが重要であるとの印象を受けたというのが結論でございます。
  7. 松浦定義

    松浦(定)委員 そうしますと、川地に行かれまして、たとえば先般の委員会で私が質問いたしましたように、自創資金は五十億というワクを十六日の閣議できめてきたとか、あるいは出荷の時期を二十日間くらい延長するということを大体きめたといったような、そういうことを現地報告されたということを私は新聞で承知いたしましたが、そういう点については何ら触れていないといったような内容であるということを聞いておりますが、それではどうも、政府代表として現地に行かれまして現地事情を聞いてそうして帰った報告について、やはり政府当局を動かすというような根拠にならないのではないか、私はこういうふうに考えております。いずれにいたしましても、先ほど申しました点について、運輸大臣が当委員会出席をされますように委員長からお取り計らい願いたいと思います。  それから次に御質問いたしますのは、先ほど北海道議会議員代表として坂下代表から御陳情がありましたが、その内容の中できわめて問題の点があると思います。と申しますのは、九月の十五日現在で四百二十八億であるという報告がされまして、それに基づいて当委員会からも現地調査をいたしたわけであります。しかし、その後二十八日に霜害がありまして、それは被害が甚大だという報告に基づいて、さらにまた農林省当局から舘林政務次官官房長以下十名の方々調査をされ、それと前後いたしまして農林大臣あるいは松浦運輸大臣等々が現地に行かれたのであります。このようにして綿密なる現地調査関係機関としてやっているにかかわらず、先ほど報告でありますと、その後の二十八日以降の調査がまだ調査中である。私どもの聞くところによりますと、二十五日までには大体調査を終わる。私ども現地へ参って聞きましても、十五日現在でもって二十日までに出さなければならぬということで、町村当局はもうたいへんな作業を進めておったわけであります。それにもかかわらず、道のほうでは二十五日に提出をされると思いますので、当委員会は、二十七日、すなわち本日は必ずその数字政府当局へ道から参りまして、そのことを中心にして、過去何回となく多くの皆さんが調査されました結果に基づいて本日の議事が進行する、したがって、対策確立ができる――先ほどいろいろ御陳情がございましたし、後刻関係議員から御質問があろうと思いますが、すでに雪が降っているという状態の中で、たとえば米の出荷につきましてもたいへん問題でありますと同時に、一番私どもが心配している労働主体、たとえば就労する場合の処置というものも、そういう数字があらわれない限り、できないのでありますから、こういう点について道庁当局はどういう調査をしているのか。私ども天災法を適用してほしい、あるいはまた激甚災害指定をしてほしいというのであります。激甚災害指定をする際の処置としては、たとえば道が事後承認をするような形においても全力をあげてこれを進めなければならぬ。にもかかわらず、先ほどのような陳情内応、私どもは、本日そういう提出がされていないということはまことに遺憾でありますが、それでも、農林省当局は、あるいは政府自体は、道のやり方が当然であるとお考えになっているのかどうか、この点をまず第一にお聞きしたいと思います。
  8. 中西一郎

    中西説明員 被害報告につきまして、お話のとおり、十月十五日現在で、目下、道当局農林省統計調査部出張所等昼夜兼行でやっております。お話のとおり、いまそのさなかであるわけですが、道当局連絡では、この月末に数字のつき合わせをしようということでございます。あと数日を要するかと思いますが、道庁から東京に出てこられまして、そこで農林省と打ち合わせをするという段取りにいたしております。十五日現在での数字を取りまとめるのに、われわれとしては、幾ら昼夜兼行でやりましても、やはり二週間は中央数字を固めるためには要るという従来の経験に徴しまして、道当局の現在の努力はそれなりに評価していいのではないかと思っております。
  9. 松浦定義

    松浦(定)委員 先ほどから申し上げますように、北海道冷害は、九月十日の当委員会で、私は、非常にたいへんである――当時農業団体代表として中央会鈴木参事が、まだ書類はできておらないけれども、私どもの過去の体験からいたしまして、今年の冷害被害総額は四百億を下らない、こういう陳情があったわけであります。私も、当然四百億は下らないということは自信を持って、ぜひひとつ本委員会調査をしてほしいということを要請し、委員長の了承を得て御調査にかかっていただいたのであります。それから今日まで長い間、何回となく繰り返す調査実態は、むしろ現地では、調査調査と来るけれども、その結果はどうしてくれるのかという批判さえ出ておったわけであります。それでもなおかつ、私どもとしては、国会並びに政府、また農林省関係の人が行っていただくことは、やはり北海道の実情を知っていただくことにおいて当然である、こういうように理解をしながら今日まで来ておったのであります。しかし、私ども現地を見てまいりますと、異口同音に、農林省その他政府機関方々新聞記者会見での御発言は、町村知事の要請によってこの調査に来たのである、町村知事は非常に熱意を持ってこの問題に努力をしておる、こういうような話であるにかかわらず、いまのような経過状態では、熱意がないということは私は言いませんけれども、何を考えて調査をされておるのか――これはある一部からの非常に懸念をしている意見でありますが、もしそういうことであるなら、たいへんだと思いますが、たとえば調査をする場合に、農林省当局がやっております統計調査は、全く敏速に出ておるのではないかというふうに見ております。しかし、町村から出ておる数字、これは農業団体それぞれありますが、できればそういうものは、現実は一本であることが正当でありますから、調査は一本になるべきであるということは当然であります。ですから、そのことについての話し合いとか、あるいは十分なる調査が必要でありますけれども、聞くところによりますと、これは私の聞き方が悪かったといえばそれまででありますが、ある町村では、その出した数字に対して、これはちょっとひど過ぎるのではないか、そういうようなことで、再調査に再調査をさせろといったような経過があるということを実は聞いておるわけであります。そうしますと、実態はこうであるといったのを、道庁において、それはひど過ぎるから、もう少しやり直せ、調査し直せというようなことで調査がおくれておるのであったら、たいへんだと思うわけであります。ですから、そういうようなことはないと思う。しかし真の実態を把握するには、いまのような綿密な調査も必要かもしれませんけれども激甚災害地としての処置としては、これは人命に影響する問題でないからということでこんなに調査にかけるということは、本問題を解決するには道の態度としてはあまり好ましいいき方ではないと思う。しかし、事ここに至りまして、いまこれを追及いたしましてもどうにもなりませんけれども、去る二十日の道議会のいろいろのあれを聞いてまいりますと、先ほど陳情のあったようなとおりで、月末には何とか数字を出したい、こういうことであります。いま官房長お話にいたしましても、出てきたものとの調整については相当期間がかかるという御説であります。私どもがこうして陳情を受け、あるいはまた、委員会で何回となくやっておりますることは、数字が出てこなければどうにもならないという一つワクの前でいろいろ議論をしておるわけであります。ですから、数字が出てきたらどうするかということははっきりもうきまっておると私どもは見ておりますけれども、実際用地の農民にしてみればたいへんだと思うわけであります。ですから、農林省といたしましてはぜひ道を督励していただきまして、できれば知事を早く中央に呼んでいただいてでも、私はこの問題を早期に解決ができるようにしてやっていただきたい。こういう点について舘林政務次官から明快な御答弁をいただきたいと思います。
  10. 舘林三喜男

    舘林説明員 松浦委員の御質問はもっともでございまして、実際被害者の立場から申しますと、一日も早く天災融資法を適用していただきたい、また激甚災害法を適用していただきたい――もっともでございます。ただ、あの法律を見ますると、特別被害地域指定するにいたしましても、激甚法指定するにいたしましても、すべてが被害額がどれくらいかということによってきまるわけでございまして、それによって三分五厘の利子になるか、あるいは六分五厘になるか、すべてがいわば被害額中心として町村指定も行なわれるということになっておりまして、そこが、いま松浦委員のおっしゃるような気持ちと、農林省というか政府やり方との間に何となくギャップがあるような気がいたします。しかし、とにかく農林省といたしましては、十月十五日現在の被害と――九月二十七日にあれだけの霜害が出まして、その被害を実際把握するということになりますと、十月十五日現在でやらなくてはいけない。十月十五日現在の被害急送にまとめるということで、事務的には、統調のほうの意見を聞きますと、十月末ということになるわけでございます。そんな意味で、十月末になりますと、どうせ天災融資法を適用するとか激甚法をやるということは常識的にきまっておりますから、内部で事務的には進めているのです。十一月早々には中央防災会議も開いて、すぐ激甚法を適用するというようなことも考えておりますので、お気持ちは十分わかりますし、また道庁のほうに対しまして、ぜひ急いで調査をやるようにということを申し上げますし、また、農林省としても、第一線の統調末端組織を通じて調査するわけでございますから、一日も早くそんなことを中央によってまとめたい、そうして御希望に沿うように、一日も早く天災融資法、また激甚災害法を適用いたしたいということを私たちは考えております。いまの松浦委員のお気持ちは十分わかりますが、ただ事務的なプロセスから申しますと、いまのようなかっこうでやらなくちゃいけないということを御了承願いたいと思います。
  11. 松浦定義

    松浦(定)委員 誠意をもってやっておられる農林省当局に対しては、私は敬意を表しておるわけでありますが、ひとつ道との緊密な連絡といいますか、先ほど申し上げましたような形で、時期を失しないような形でこの対策ができますように、さらに一段と御協力お願いしておきたいと思います。  次に、簡単な問題を二、三点だけ御質問いたしておきます。  官房長が先般十勝おいでになりましたときにも――いま農業経営の発展のために非常に努力をいたしております農業法人の問題の地帯がございます。したがって、あの当時も、農業法人一つ法人として認められておる限り、このことについてはいろいろの方法がございますが、ただ、今度のように天災融資法の適用を受けて何とかしなければならぬというときに、五戸なり十戸なり二十戸なりというようなものが集団的にやっておるわけでありますから、そういう場合には、法人組織であっても、個々の農家を対象とした融資方法が適用されるのかどうか、こういう質問があったわけでありますが、この点、官房長といたしましても、お帰りになりまして最終的にいろいろ御検討いただいたと思いますが、今日の段階ではどういう御決定をされますのか、この点をひとつお示し願いたいと思います。
  12. 中西一郎

    中西説明員 御指摘の点、帯広、十勝でそういう要望がございました。その後検討いたしました結果を申し上げますと、天災融資法の現在の法律では、十戸が構成しておる有限会社あるいは農事組合法人等につきましても、これは一農家と考えざるを得ない、そういう法律の仕組みになっています。そこで、当面、戸当たり二十万円の、十戸ならば十倍、二百万円が借りられないという形になります。そこで、そういうケースにつきましては、とりあえずの措置として考えておりますのは、自創資金のほうで、一農家の場合は五十万円が限度になっておりますけれども生産法人の場合には、これは有限会社と限らず、二百五十万円までの貸し付け限度というふうにしまして、その範囲でやっていただくということを考えております。
  13. 松浦定義

    松浦(定)委員 それでは次に、実は先般もちょっと水産庁関係お願いをしておきました、本年は十勝水系中心としたサケが非常に豊漁であるということで、被災農家に対して二、三尾ずつ無償でひとつ何とか政府のお見舞いとして出してほしい、こういうことについて、何とか努力をするという御回答でございましたし、その後農林大臣あるいは水産庁長官にも私は会いましてお願いをいたしておいたのでありますが、その後どういうような結果になっておりますか、これに対する御回答をいただきたいと思うわけであります。
  14. 山中義一

    山中説明員 北海道冷害地域農家の方に対するサケマス親魚払い下げ契約等、これはこの前のときにもちょっと申し上げましたように、サケマスふ化場長が担当いたしております。ことしはもうすでに増殖漁業協同組合などに払い下げ契約をいたしましたので、もう残っている分は一部試験研究用のものを除いて、国において契約期間中の払い下げ先を変更することは困難ではありましたのでございますが、今般の北海道における冷害事情にかんがみまして、水産庁といたしましては、北海道庁と、それから道の鮭鱒増殖漁業協同組合等関係者と緊密な連絡をとりまして、特に冷害の著しかった地域農家あるいは学童に対しまして、ふ化利用後のサケマス親魚を供給するべく協議した結果、増殖無の大体五千尾程度のものを協同組合から供給することが可能の見通しがついております。具体的な配付先配付方法等につきましては、道庁等現地機関にまかせることにいたしております。尾数その他は若干御不満ではあろうかと存じますけれども十勝川はだいぶ早くすでにのぼってしまいまして、いまのところ、いろいろ骨折りました結果、この程度なら何とか出せるのじゃないかということで話が落ちついたので、御了承いただきたいというふうに存じております。
  15. 松浦定義

    松浦(定)委員 取り扱いについて急送措置されたということについては敬意を表しますが、尾数について若干不満があるという――若干どころじゃないわけであります。これは大いに不満があるわけであります。先般私は、少なくとも最低十万尾ということを申し上げました。それは根拠がないわけではないのです。実は御承知のとおりに、十勝川だけでも約三十万尾はことしは捕獲できるわけであります。ですから、十勝川だけで、三十万尾とりますと、あるいは網走、北見、釧路、根室、そうした道東地域だけでも相当数になるわけでありますし、したがって、いま五千尾ということでは、そちらにしてみればたいへんな御協力のように思われますけれども被災農家の数からいたしますならば、とにかくその地帯だけでも最低五万戸あるんですから、五万戸に五千尾というと、どういう分け方をするのか、これはもう給食のようなところへ持っていって生徒にやるのなら別でありますけれども農家に持って回るにはちょっと回り切れない数字であります。ですから私は、少なくとも十万尾と言ったのは、二戸二なり三尾でもって十万尼ということを申し上げたのでありますが、政府のほうですでにそういう契約をしておるのであるから、これはしかたがない、こういうふうなお話であります。それは私はなるほど理屈としてはわかるわけであります。しかし、その契約内容を聞いてまいりますと、本年度の政府収入は三千万円だというふうに私は聞いておりますが、これは事実であるかどうか、この点を明らかにしておいていただきたいと思います。
  16. 山中義一

    山中説明員 一応の見通しでやっておりますので、いまの三千万円ですか、それは確といたしませんが、大体キロ当たり二百円前後で払い下げる計画で、お話のいまの三十万尾というようなことは初めとうてい考えておりませんでしたし、それから、現にそれだけのぼっておるかという点につきましては、確認いたしておりません。
  17. 松浦定義

    松浦(定)委員 キロ当たり幾らとかなんとかいうことでなしに、先ほどお話のように、そういう関係者話し合いをして約束をしてきめた、こういう額が、政府収入というものは三千万円だというように私は聞いておるわけなんです。これは道庁水産課で聞いてきたのです。ですから、極端に申し上げますと、三千万円さえ入れば、あとはまあいいのだといったようなふうにも受け取れるわけなんです。ですから、私どもとしては、三千万円だということを聞きますと、三十万尾十勝水系だけでとれるとすれば、一尾百円にしかつかない。ですから、このような凶作のときに、同じ地域にある河川で、極端に申し上げますと、六月の集中豪雨等においては、むしろ、その河川に対して地域農民なり関係住民河川保護のためには非常に努力をしておる、その河川であがってきた魚は、いまのようなお話で、ひとつもその地域住民の恩恵にならない。普通の年ならば私はそういうことは申し上げませんけれども、こんなような年でありますから、むしろ逆に、私が先般申し上げましたように、松浦運輸大臣政府代表で行くならば、そういう実態かわかるわけでありますから、全部三千万円の範囲内で話ができるものがいまお話のように五千尾あるのですから、そのほかのものは政府で買い上げてでもこれはお見舞いとして出したらどうかということをこの間も私は申し上げたのです。それを、努力した結果、そういう処置はとれないで、従来どおりの方針でいけば五千尾しかもう何ともならない、こういう御回答でありますけれども、それでは、地域の住民が畑に立ってみれば、一粒も豆がとれない、ちょっと川をのぞけば、サケがごちゃごちゃとのぼってくる、それをとった者は、政府へ納めた金が百円くらいで、あとは全部もうけておる。最近、東京あたりへ参りますれば、そのサケ自身はかりにこなくても、同じようなものがくれば、二千円、三千円、中には五千円もするようなことにもなるわけであります。そういうものを見ていれば、いま取り締まりのほうは、密漁といって非常にきびしい制限をしておるようでありますけれども、いまの状態では、もしそういうことであるならば、たとえば一カ月ならば一カ月そういう被災農家にそういう魚をとらせる、これは一つの就業であります。就労させる、こういうくらいまでやってもいい今度の事態ではなかろうかと私は思うのであります。くどくどしく申し上げませんけれども、そういう状態でありますから、五千尾なんといったような、そういうけちな考えでなしに、これから努力できる範囲内において努力して、せめて少なくとも二、三万尾ぐらいの程度のものはこれはできると思うのであります。そういうような努力をされる用意があるのかないのか、もしないとするならば、五千尾でもって――五千尾もらったからということは、私ども委員会で発言した限りでは申し上げませんが、政府のほうで五千尾でひとつがまんせよといって現地へ持っていかれるだけの、内容としてはあまりにも不十分だと思いますが、その点、重ねて水産庁長官意見として私は部長の御意見を承っておきたいと思います。
  18. 山中義一

    山中説明員 五千尾をもう少しふやせないかという御意見に対しましては、できるだけふやしたいとは存じますが、今後何尾のぼってくるか、これは御案内のとおり、サケの時期は盛期をもうやや過ぎております。したがいまして、若干努力してふやすとか、あるいはまた、付近の農村の方を捕獲のほうの臨時の人に頼むということは可能だとは思いますけれども、それでどれどれというような確たる数を申し上げるようなことはちょっと困難ではないか、できるだけそういう方向で現地でも働いていただくし、また、サケを供給するというようにはしたいと存じますが、そのように考えております。
  19. 松浦定義

    松浦(定)委員 どうも誠意があるようなないようなお話で、あまりつかみどころがございませんが、とにかくこの種の問題については、要求どおり、激甚災害を受けた被災農家に対しては二、三尾程度のものが配給できるように、重ねて私のほうから要請をいたしておきたいと思います。  次にもう一点だけお伺いしておきますが、今度の災害は、私は必ずしも天災ばかりだというふうには考えていないのであります。これはやはり政災もございますし、あるいは人災もあります。それに天災もある。この三つの災害が重なってこういう形になったのであります。ですから、天災の場合は別といたしましても、人災としては、やはり今回のような冷害が一回あったことによってほとんどの農家が生活ができなくなる。したがって離農しなければならない、あるいは転農しなければならないといったような状態になるのは、これはやはり政災の一部であろうと思います。さらにまた、いろいろ御調査を願って御指摘にありますように、酪農に切りかえておったらよもやこんな被害はなかっただろう、こういう意見に対する農民個々の自党も、これは私も含めて非常に遺憾な点が多かったと思います。これは人災の点にも加わると思います。しかし、事ここに至りまして、それを追及いたしておりましても、将来のためにはなるといたしましても、過去の問題の解決はできないのであります。したがいまして、極端に申し上げますと、おそらく、こういう状態でなくても北海道におきます離農者は相当ふえつつある、しかも今回の場合では相当そういう人がふえるのではないか、これは政府当局といたしましても、農林省では次の離農対策としていろいろの構想を練っておられるようでありますが、その構想だけでもなかなかこれは十分でない。そこで、従来からいろいろ問題になっております点について私はきょうは簡単にお聞きしておきたいのは、やはり農業をほんとうにやりたいという農村における青年はたくさんあるわけであります。しかし、土地が足りないからこれはやめなければならぬ。そういうりっぱな農民としての自立のできる青壮年を今後どうするかということについては、やはり従来からやっておられます海外移住の問題をこの際取り上げるべきではなかろうか、こういうふうに私は考えておるわけであります。ですから、先般私もいろいろちょっと聞きましたら、ブラジルでは、約九千万くらいの人口のところで、五十万しか日本から行っておるそういう系統の人がいない、こういうことであります。また最近奨励をしておられるようですけれども、いろいろの関係からなかなか希望者がない、しかし、現地にはまだ相当そういうような適地があるというふうに聞いておるわけでありますが、これからの農林省として、あるいは政府として、この海外移住に対するところの今後の進め方についてはどういうお考えを持っておられるのか。私は今回この冷害のために何もブラジルへ行けとかいうことではございませんけれども、できればこの機会に、農業をやりたいけれどもやれないというような青壮年に対しては、国として画期的な農業転換政策の一つの柱を立てるためにおいても、ブラジル等に対しての移民に対する特別な計らいをされたらよいのではないか。おそらく、私の推察するところでは、従来からブラジルへ行っておるのは約二、三百尺人員にして約千か千二、三百人ぐらいしか年間行っておらないということを実は聞いておるわけでありますが、そういうことでは、日本の農業政策を他に求めるという意味においても十分でない。ですから、北海道冷害というような事態においては、やはり出向いていく青壮年にいたしましても相当の決意を持っていくだろうし、あるいはまた、残って人に土地を配分する場合におきましても、これは私は非常に適当な処置もできるのではないかという点から考えて、この機会に少なくとも一万戸ぐらいブラジルその他の関係国に――いままでのような通例行なわれる移住でなしに、何か別な方法を考えて画期的な処置をとられるような御意見があるのかないのか、ひとつお考えをお聞きいたしたいと思います。
  20. 中西一郎

    中西説明員 いままでの経過についての若干事務的な御答弁をまずいたしたいと思います。  お話のとおり、北海道と限らず、農業を前向きに推進してやっていこうという青壮年が見られるわけです。お話の中にありましたが、離農といいますか転農といいますか、そういう形で出る人、残る人の仕分けをしっかりしていくということが、将来の農業の規模拡大にもつながる、そのとおりだと思います。そういう意味で、来年の新規事業として農地管理事業団等も考えておりますし、そのほか、後継者対策としましては、御承知のとおり、本年度から無利子の融資をする、独立の部門を経営主から切り離して後継者が担当できるというような資金措置も講じましたし、そのほか、研修関係の経営伝習農場その他の教育機関の整備充実もはかっていこうと、あれやこれややっておるわけです。お話の海外移住につきましても、融資のあっせん、信用保証制度等も、仕組みとしては従来できておりますが、将来の問題として御指摘の海外移住の問題は十分配慮してまいりたいと思います。  なお必要がございましたら、農政局玉置参事官も見えておりますので、事務的な御説明はしてもらえると思います。
  21. 松浦定義

    松浦(定)委員 本問題はこの災害対策特別委員会で特にその審議をしなければならぬというふうには私は考えていないわけであります。この機会に何とか農林省当局としてもお考えを願いたい、こういうことでありますから、農林委員会等でまた詳しく質問をいたしたいし、あるいはまた大臣等の御所見等も聞きたいと思いますから、それに譲りたいと思います。  先ほど松浦運輸大臣の御出席を要求しておりますので、松浦運輸大臣おいでになりましたら、その点だけ保留いたしまして、私の質問を一応打ち切りたいと思います。
  22. 中山榮一

    中山委員長 泊谷裕夫君。
  23. 泊谷裕夫

    泊谷委員 赤城農林大臣、お忙しいところどうも御苦労さまでした。委員会のつど質問ではなはだ恐縮でありますが、苦悩する現地農民のためにお許しをいただきたいと思います。  それで、まず最初に、十月九日の災害対策特別委員会で先輩の安井議員、二十日の連合審査におけるこれまた先輩の芳賀議員、また安井議員、そして私がお尋ねをいたしました天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法あるいは激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、これについて政府は、今度の北海道冷害の深刻さにかんがみて、これが貸し付け限度額の拡大、償還期限の延長、利率の引き下げを含めまして改正の方針をおきめになったという配慮ある答弁が、舘林政務次官並びに中西官房長から述べられておりました。ところで、この問題の扱い方は、来たるべき臨時国会にそれを提案審議にのせる、こういうお話でありましたが、事務的には困難を予想される問題でありますが、御承知のとおり、ことしは本州の農民の皆さんは従来にない努力をされまして双手をあげて再び合うほどの豊作を見ておる、その反面、あまりにも被害がひどい北海道のこの、実態を救済しようというところから出発をされましてこの改喜に踏み切られたと思います。そこで、具体的にお尋ねしたいのは、臨時国会の時期的なものもありまして、せっかくの政府の配慮がいま苦悩する北海道農民に適用されるかどうかという問題に一つの不安を持つのであります。ともあれ、かってない、農林省並びに政務次官、大臣みずからが現地調査に乗り出されて、現状を打開しょうと配慮されたことでありますから、当然政治的に今回の北海道冷害から適用をされるという気持ちで立案をされておると思うのでありますが、その点について大臣のお考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  24. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 お答えいたします。  いまお話のように、天災融資法の改正につきましては、これまでの政令施行におきまする経験及び一般の農家経済事情の変化等を勘案いたしまして、被害農家被害農林漁業者等の実態に適するように、貸し付け限度額の引き上げ、及び農業生産法人については、その経営規模が個人より大きいので、特別の貸し付け限度額を設けることとして準備を進めております。また、貸し付け金利の引き下げにつきましては、金利水準の変遷及び他の制度金融における金利とのバランス等も考慮して、償還期限の延長と据え置き期間の設定については貸し付け限度額引き上げとの関連で目下検討を進めておるところであります。そういう進め力をして、臨時国会が開かれましたらば臨時国会に提案をするつもりでおります。  そこで、これを北海道の冷災害に適用するかどうかということでありますが、私ども考えておりますのは、冷害についてはさかのぼって適用したい、こういう方針で改正案の検討を進めておる次第でございます。
  25. 泊谷裕夫

    泊谷委員 大臣の考え方が明らかにされましたので、次の問題に移りたいと思います。  二十日の連合審査の際に舘林政務次官から、事務的には実態としては進んでおることは承知しておりますけれども、俗にいう天災融資法の適用、激甚災の指定、これについて、当初は、今月末の閣議で最終決定を見るというようなお話でありましたが、先輩の芳賀議員から、現地農民に激励を与えるために一刻も早くその指定をしてほしいという要請をいたしました。できることならば本日の閣議でその決定を見ていただきたいという要請をしておきましたのですが、大臣、本日の会議でこの提案を試みられたか、試みられたとすれば、その結論はどうなっておるか、お聞かせいただきたいと思うのであります。
  26. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 本日の閣議には発言いたしませんでしたが、この前の十六日の閣議に、北海道の災害が、私どものいままで聞いておるところでは四百二十数億だけれども、もう五百億を超過しておるようだ、こういうことで、天災融資法及び激甚災の指定についてはあらかじめ了解を得ておきたい、統計調査部の統計が今月末ごろにまとまるから、まとまると急速にその発動をしたい、発動したならば、それが実際に通常されるようにしたいので、あらかじめ了解を得たい、こういうことで閣議の了解を求めておるわけでございますから、いまの調査の結果がまとまり次第、十一月初旬早々これを発動したい、こういうふうに考えております。
  27. 泊谷裕夫

    泊谷委員 ただいまの大臣の答弁には、私どもとして異論のあるところでありますが、後ほど先輩の芳賀議員のほうからお話があると思いますので、ここの部分は以上で一区切りを入れておきます。  次に中西官房長にお尋ねをしたいのでありますが、既往天災資金の本年度要償還資金中の償還不能額について、元金の償還延期及び金利の減免を行なってほしいということを十月二日の災害対策委員会で私がお願いをいたしました。官房長は、農林漁業金融公示の資金、自創資金、近代化資金など、被害実態に応じて延ばす、しかし長期とは考えられないが、様子を見てさらに考えたい、こういうお話でありましたが、最終的な方針がおきまりであれば――もうきまっておらなければならぬと思うのでありますが、この際明らかにしてほしいと思います。
  28. 中西一郎

    中西説明員 お話の点、繰り返すようになりますが、政府としては態度をきめておるわけで、一つは、天災融資法につきましては、新しい冷害に対するワクをきめます際に、従来の天災融資法の中で償還期限に当たっておるもの、その返済のできない分の借りかえ資金は用意いたします。それから制度、資金等につきましては、近代化資金も含めまして、とりあえず償還期がくる分について半年あるいは一年の個々の実情に即した延期をいたします。その間に、将来の営農計画等について、貸し付け機関と被害を受けた農家と十分話し合いをしていただいて、将来の返済計画を確立していただく、さように考えております。その際に、将来の特定の、たとえば三年目あるいは四年目に二年分返さなければならぬというようなケースもあるわけですけれども農家の実情に応じましてその分は一年度で済ませる、したがって一年償還期が延びるというケースも考えております。そういう配慮で全体の農家の困窮が少しでも緩和されればと考えておる次第でございます。
  29. 泊谷裕夫

    泊谷委員 続いて中西官房長に恐縮でありますが、三十九年産米予約概算金の返還を延期して利子を減免する問題でありますが、これまた、二日の災害委員会で、被害実態調査して措置をするという方針を明らかにされましたが、最終結論を得ていないという一言が入っているのです。これは当時、北海道としては前例がありまして、昭和三十一年でしたか、二年でしたか、そのときの前例もあることだしという長官の答弁で、それと同じ取り扱いをされるものだと理解をしているのですが、誤りないかどうか、あらためて御回答いただきたいと思います。
  30. 齋藤誠

    ○齋藤説明員 お答えいたします。  概算金の利子補給につきましては、いまお話になりましたように、三十一年の冷害時におきましてそのような措置をとったわけでございます。今回におきましても、われわれといたしましても、相当の量が出るならば、そういう措置をとりたいということで考えておりますが、これはいずれにいたしましても予算の裏打ちを必要といたしますので、予算の段階におきましてそういう措置をとりたいように努力いたしたいと考えております。
  31. 泊谷裕夫

    泊谷委員 ただいまのお答えは、確かに農林省だけでは解決のできない問題だと思いますが、二日の会議録も持ってきておりますが、中西官房長のお答えも、この場合、三十二年の災害としておりますが、災害にあたりましてそういう先例もあるわけでございますが、被害実態調査いたしまして、おそらくそういう措置をとらざるを得ないとは考えておりますけれども、こういうふうに説明をされておりますので、この点、対大蔵省との問題はあると思うのでありますが、できるだけいまの答弁が実るようにひとつお力添えをお願いしたいと思うのであります。  次にお尋ねをしたいのでありますが、時期別格差の問題であります。これは先日の説明でも、新潟、長野が三日、梅島が四日で、北海道の今回の措置は十日というのは異例の措置だというのはよく承知しております。だが、三日ほど前、すでに新聞、テレビでごらんいただいたと思いますが、札幌市ですでに二十五センチの積雪を見た、その下で農民が雪をかぶりました稲を何とか掘り出そうと努力しておるのがクランクされておりましたけれども、大臣にこの際特にお願いをしたいと思うのでありますが、御承知のとおり、良家は年寄りと子供しかいない、十か十一、二の子供たちが、小学校を休んでまて、ほほを赤くして――というよりも、ほとんど寒さでほおが傷だらけで、子供としては節々の太くなったものが、親と一緒になって、冷害に打ちのめされた稲を何とか引き出そうと努力しております。確かに制度上これは設定されたものでありまして、需給のバランスをとるために設定されたものと思います。しかし、これらかよわい子供たちに、天災によって打ちのめされたときに、特にそういう農家が保有米を多く持つとかなんとかいうことでなしに、善意に努力を続けておりますものに、具体的に救いの手を差し伸べてこそ、政治というもののありがたさというものが、この未来を背負う子供たちに具体的な教えとなってくるのではないかと思うのです。農林省として努力をいただいたことは、先日先輩議員と一緒に農林大臣のところにおじゃました際にも聞かされましたので、よく承知しておりますが、いますぐ返事ができないものとしても、今度の降雪を見まして特にこの問題についてさらに検討を加えてみなければならぬのではないかという程度まで、大臣としては、お考えが前進される気持ちがあるかどうか、この際明らかにしていただきたいと思うのであります。
  32. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 降雨があって仕事がおくれておることも聞いております。ほかの方法でいろいろ災害対策も講じておるのですが、それも一つかと思いまして、お話のように、十日ほど延長したのでございますけれども、なお新事態につきましてよく検討してみたいと思います。
  33. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次に、再生産の種の関係についてお尋ねをしたいと思います。  先日提起しておきました亜麻の種、それから牧草の種などは特に海外に求めなければならぬ、これに対する価格差の全額を補助してほしいという問題をはじめといたしまして、再生産用の種子確保のための手持ちふすま、大麦などを出して調整していただくという方針を明らかにされておりましたが、これに対する補助が最終的に確定を見たかどうか、この点について中西官房長からお答えをいただきたいと思います。
  34. 中西一郎

    中西説明員 お話の点につきましては、亜麻あるいは牧草の種、水稲のもみ、その他各般にわたる種子対策が必要でございます。そこで、それぞれの市町村の実情に応じまして道庁のほうで種子の需要量を取りまとめていただいております。その数字も含めましてこの月末に道庁と事務的な突き合わせをいたしまして、その上で予備費なり予算措置を講ずるということにいたしております。特に海外からの輸入を必要とするものもございますので、それらについても何らかの援助措置を考えてまいるということでございますが、現段階ではまだ数字その他詰まっておりません。  なお、灯作物についての補助云々のお話も前会ございました。これもあわせて前向きで検討したい、かように思っております。
  35. 泊谷裕夫

    泊谷委員 重ねてただいまの問題をお尋ねしたいと思うのですが、二日の災害委員会では、水稲関係の補助率二分の一、畑作は三分の一になっておる。農林省の考えとしては、これは前例もありまして、前向きでというよりも、具体的にその補助率を改定する方針で大蔵省と折衝しておる、こういうお話でありましたが、いまのお話は、まだ大蔵省とも折衝が完了してない、農林省としては、私どもの求めております三分の二程度の補助率、こういうことで折衝が続けられておると理解してよいかどうか、これを明らかにしてほしいと思います。
  36. 中西一郎

    中西説明員 三分の二とするか、あるいはいままでの先例の三分の一を二分の一程度にするか、その辺まだ結論を得ておりません。北海道からの種子の需要量ともにらみ合わせて、検討いたしたいと思っております。
  37. 泊谷裕夫

    泊谷委員 再三で恐縮ですが、水稲関係は共済の保護策もありまして、畑作関係はほとんどありません。したがって、種もみ、雑穀、バレイショなどに対する補助率は、むしろ稲関係よりも多くなければならぬのではないかと私は考えるのです。いま農林省事情は聞きましたので、これ以上さらにお話をいたしませんけれども、それら農民の全く理不尽だと考えております問題にもこたえるように、さらに、ひとつ努力をいただきたいと思うところでございまいます。  次に、先日連合審査の際に明らかにされました救農土木に携わる農民の労務賃でありますが、中西官房長は、開発局では千三百円程度というお話がありまして、一応九百二十円が千三百円にスライドされたということで喜びを感じておったのでありますが、聞くところによりますと、これは馬そりつきの話だそうでありまして、いまバレイショのイモ拾いをします一般の市中から援農として連れてきた人々にも、千百円ないし千三百円払わなければならぬのは常識であります。したがって、馬、馬そり、これらを伴った場合、あるいは裸で援農に参加した場合、いずれにせよ、従来の額をこの際修正していただかなければならぬと思うのでありますが、その考えがあるかどうか、大臣のお答えを明らかにしていただきたいと思います。
  38. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 よく事務当局に検討さしてみたいと思います。
  39. 泊谷裕夫

    泊谷委員 制度上いろいろと問題はあると思いますが、いまの大臣のお答えは、一応私どもの要請にこたえて検討されるものと理解をいたしましてよろしゆうございますか。
  40. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 そのとおりということではなしに、いろいろの検討をして結論を得たいと思います。
  41. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それではもう時間がないようでありますから、先日非公式に大臣のところに先輩議員と一緒に行ってお願いした話を出すのは恐縮でございますが、私は数多い問題をここで討議をしておりますが、とにかく理屈なしに、今度の冷災害で一番かわいそうだと思われますものに母子家庭また準母子家庭、これらの人々がほとんど営農の力も弱く、そうしてこのひどい天災の中でさらにかよわい子供たちをささえて畑に生きよう、田に生きようとしております人々に、何らかの激励の措置をとることが必要ではないかと考えておるわけでございます。月々見舞金などということになりますと、これは厚生省の絶勝に入ることでありましょうが、特に農民の生活に胸を痛めておられます大臣として、この岡垣について何らかこれらの母子家庭の皆さんに激励を与える手だてというものについてお考えがあれば、この際明らかにしていただきたいと思うのであります。
  42. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 従来やっていることを強化するということで、特に私考えていることはございませんが、この間のサケ配付ですか、そういうことも問題になったようでございますので、そういうことなども検討さしておりますけれども、片に私がここでこれぞといって申し上げるようなものは持ち合わせておりませんのは残念でございますが、そういう状態でございます。
  43. 泊谷裕夫

    泊谷委員 魚の話は全般の農民のことで、これも五千匹で四半身くらいにしかあたらないそうであります。ですから、サケの話は――飲む酒ではなしに、魚の話は別にして、私は、そういう母子家庭の皆さんというのはそういう一時的なものでここを立ち上るということは不可能だと思いますから、私の希望としては、制度上ないことでありますが、できることならば月々何か激励を与えるような方策を、この際、北海道ばかりではありません、全国的なものだと思うのでありますが、特にことし本州の皆さんはたいへんよいということでありますから、措置されるとしても部分的なものでありますし、費用上の問題もたいしたことはないと思いますので、この点、本日無理であれば、また次の機会までに大臣に特に御考慮をいただきまして、関係する厚生省その他とお話し合いをいただきたいということを要請しておきたいと思います。  時間がきました。そこで、はなはだ恐縮でありますが、一つだけ、これはもうそのつど委員会で申し上げておりますが、畑作共済の確立について、私は、よし完全なものができなくともいいと思います。農林省のほらの事務的な措置として、大豆関係はすでに調査が完了し、ハッカ、てん菜その他の問題も調査が完了したと聞かされております。よしそれが不完全なものであるにせよ、この際、こういう全国的には一部分の問題について、しかもそれが深度の深い冷災害としたとき、こういうときこそ、政治的な処理としてこの制度確立政府は思い切って踏み切る措置を明らかにすべきだと思うのでありますが、先日から舘林政務次官並びに中西官房長から十分事情は聞いておりますけれども、この際大臣の決断を求めたいと思いまして、大臣のお考えを明らかにしていただきたいと思います。
  44. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 畑作の共済につきましては検討を続けておりますること、お話のとおりでございます。私も、これは前向きで進めさせるように検討いたしたい、こう思っています。
  45. 泊谷裕夫

    泊谷委員 前向きというお話、少々くどいようでありますが、大臣、これは臨時国会に向かって具体的な大臣としての意思を明らかにするというふうに受け取ってよろしいかどうか。この点を聞かしていただいて私は質問を終わりたいと思うのです。
  46. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 臨時国会にそれを踏み切るというところまでは私も言い切れないのでございますが、できるだけこれを前向きで進めるということで御了解を願っておきたいと思います。
  47. 泊谷裕夫

    泊谷委員 せっかくの大臣の答弁でありますけれども、前向きといって、一万メートルのマラソンのようなお話では困るのです。また私どももう一ぺんこの質問席に立って話ができるかどうかわからないわけでありますから、私の代議士生活のうちにこれがものになるというふうに理解してよいか。――まあそうしてほしいと思うのでありますが、くどいようですが、もう一度大臣のお答えをいただきたいと思います。
  48. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 あなた方の代議士生活のうちだというと非常に安心ですが、相当長い期間まで考えさせられる期間があるかと思いますが、とにかく、果樹が四十一年というようなことを考えていますので、果樹より早いということはちょっと困難かと考えておりますけれども、とにかくできさせる方向になお推進してみたいと思います。
  49. 泊谷裕夫

    泊谷委員 わかりました。終わりにいたします。
  50. 中澤茂一

    ○中澤委員 関連一問。私は、二十八、九災害、三十一災害は現地調査の一員に加わりました。今度は現地調査をしていませんが、しかし、今度の災害は、陳情その他を聞くと、北海道の農作物総収入か大体九百億前後ぐらい、その中で五百億の被害ということは、これは容易ならぬ事態だと思うのです。そこで、基本的に、一体寒地農業というものをどうするのかということを――これは東北、青森をも含めて、各地農業のあり方というものを農林省は再検討する必要があるんじゃないか。特に今回の災害では根菜類の被害がわりあいに少なかった。こういうことは、一体あのビート、甘味資源の自給政策というものはどうなってしまったのか。おそらく、政府があれをもっと強力に推し進めていたならば、今回の災害もあるいはもっと農民被害が少なくて済んだのじゃないか。甘味資源の自給政策というものは全く行くえ不明になってしまった。現在自給率を三〇%まで砂糖は伸ばすというのが、一二、三%でもう頭打ちをして、以後全然前進しない、これなども基本的に一度考える必要があるんじゃないか、それと酪農というものとをかみ合わせた寒地農業政策というものを政府は基本的に考える段階ではないか、これを大臣はどう考えているかが、まず私がお伺いいたしたい一点。  それからいま一つは、九百億前後の農作物の収入で五百億の被害ということは、天災融資法の一部改正くらいでいけるという考え方は甘いんじゃないか。そういうことは、結局借金のただ追いかけっこをしているだけです。先ほど中西君が、近代化資金のほうも自作農資金のほうも、そう長期は困るが、短期は延ばしましょう、こういう答弁をしておりますが、この際、抜本的に北海道農業の負債を一体どうするのだという問題に取り組んでもらわぬと、とてもどうにもならぬのじゃないか。たとえば一時延ばしをしてみても、今度天災融資法を――大臣が御努力なさっているのはわかるが、改正して、金を増額して貸してやる、結局、その貸した金というものは、また前の借金のほうの埋め合わせになってしまう。結局、借金がぐるぐるして自転車操業をやっているだけで、基本的に農業が振興していくという方向とは言えないわけなんです。そこで私は、天災融資法の一部改正くらいで糊塗しょうということは、政府の態度としては少し甘いのではないかと思う。もう少し農家負債というものを一体どうするかという問題に基本的に取り組んでもらわなければいかぬのではないか。そうして、御承知のように、いま中小企業は、倒産すれば、これに対して脈のあるものは、会社更生法というものがあって、負債は一切たな上げしてそれを中小企業金融公庫なりがめんどうを見てそうして新しく会社を発足させる、これを更生させるという方式が、税に株式会社の場合はとられているわけです。だから、そういうことを考えるならば、農業政策の基本として、どうしてもこの際農家負債整理というものに本気に政府が取り組む必要があるのではないかと私は思う。そうしてこれは相当期間、特に北海道農業なんか相当期間長期にたな上げしてしまう。たな上げに対する利子補給というものは、これは農民も若干負担しても、政府が大幅に利子補給は見ていく、そうしてそのたな上げした元本を長期償還させていく、こういう考え方をこの際やらぬと、九百億の年間総収入で五百億の被害を受けて、天災融資法を一部改正して利息を少し下げましたくらいでは、とてもこの問題は解決する問題じゃないと思う。そこで、先ほど油谷君がこれが最後の御質問かもしれぬと言っておりましたが、農林大臣、なかなか一生懸命やっていらっしゃるし、できるならば続けてもらいたいが、それは政府の都合でどうなるかわかりませんが、この際やめるにしてもやるにしても、ここで農業災害に対して一歩前進した姿勢を出す、これが赤城農政の今後の大きな特徴である、農家負債に対してはこういう方法農家負債整理というものに本気に取り組んでいく、こういう形で問題を前進させてもらいたい。これに対して、かつての昭和七、八年の大恐慌で日本の農村が全く壊滅したときのいろいろな方式があるわけです。現にその中で残っている法律もまだあるわけですが、しかし、そういうものだけではもういまの段階ではだめだ、やはりここで、天災融資法の一部改正ももちろん必要でありますが、臨時国会といっても無理ならば、少なくとも通常国会までには、この農家負債というものをどう処理していくかという基本方針を私は出してもらいたいと思う。さもないと、これは北海道農業ばかりじゃない、内地農業でもこの問題はもう焦眉の問題だと思う。大臣の事業団構想というものは、やはり一つの構造改善にからんだ新しい農地の構想であるが、それと並行して、いまの内地農業も借金の追いかけっこをやっているだけだ。これではもうどうにもならないのです。金を借りては前の借金を埋め、また金を借りては前の借金、それをわれわれがそのたびに、もう少し額をふやせ、金利を下げろといってやっているのだが、こういう追いかけっこはもうやめようじゃないですか。そして基本的に農家負債をこうしていくのだという方針を、この災害を契機として農林大臣に出していただきたい、こういうことを私は要望するのですが、先日来の討議を聞いておると、そういう基本的な問題をいま少しわれわれは詰める必要があるのではないか。ただ単に天災融資法改正ということだけ以外にはまだ政府の前進の姿が答弁の中には見られておりません。そうじゃなくして、もう一歩突き進めた、この災害を契機にして、農家負債というものをどうするか、こういうことをひとつぜひお考え願いたい。これに対して大臣が前進した姿勢でお取り組みになるのかどうか、あるいは天災融資法一部改正だけでここは糊塗していこうとするのか、この辺の大臣の腹がまえを私はお聞きしておきたい、こういうわけで関連を一問お願いしたわけです。
  51. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 第一問の寒地農業の問題でございますが、私は、稲については寒地農業ということばが使えるかもしらぬが、北海道の場合には、特に寒地農業じゃなく、北海道農業というものの確立ができるところだ。世界的に見ても、北海道のようなところがどんどん農業が繁栄していて、特に寒地という必要はなく、北海道の農業というものを確立する、それには、やはり畑作と酪農を中心とした農業を確立していくことが必要である、こう考えております。でありますので、いまの甘味資源の自給度と関連して酪農等を進めていく、こういう形で、中心をそういうところに置けば、北海道農業というものはりっぱな農業としていけるのではないか、その方向へずっと進めていきたい、こう考えております。  第二の負債の問題でございますが、これは北海道ばかりでなく、御指摘のように、全国的な問題でもあると思います。私も昭和六、七年ごろ負債整理組合などをつくって負債整理をして、あの当時の借金というものは膨大なものでございました。いまやはり金融政策で金融によって農業を進めていくという方針は変えませんが、それに伴って負債がだんだんかさんでいくとか累積していくということは避けていかなければなりません。いまお話がありました、ちょうど私は構造改善事業として農地管理事業団ということを考えて、経営の拡大あるいは協同化というものを進めるつもりでございます。それと並行して、お話のように、やはり金融面で措置をしていくということについては、いままでの負債も整理していくということでないと前へ進みません。前へ進む意味において、構造改善のやり方と並行して負債の問題も検討して前向きで進めていかなければならぬ、こういうことを私も考えている次第でございます。具体的にまだ考えを持っておりませんが、お考えの点は私も同感でございますので、お答えしておきます。  なお、農産物の収穫九百億は、水稲だけの金額のようでございます。北海道は、農産物全体としては価額にして二千億からあるようでございます。そのうちの五百億、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  52. 中澤茂一

    ○中澤委員 大臣にいま一問だけ御要望しておきますが、これはただ単に委員会の答弁でこうだではなくして、この負債整理の問題は私は本気に考えていただかなければいかぬと思うのです。ほんとうに災害のたびに借金の追いかけをやって歩いておるのですよ。全く自転市操業をやっておるのです。これは農協で個々の農家のあれを調べてみれば明らかにわかっているのですよ。今度借りた、じゃ前の借金をこれだけ引きますぞ、あとこれだけです、こういうことだけをやっておるのです。これは私はどうしても大臣が通常国会までに負債整理に対する一つの構想を出してもらいたいと思う。あなたの農地管理事業団の構想も私はけっこうだと思う。それと同時に、いま一つ大きな柱として、赤城農政は、日本の農業を前進するためにいままでの負債に対してどういう処置をとるという構想を通常国会までに出してもらいたい。われわれも、もしそれを出すならば全面的に協力いたします。だから、そういう面において、ただ委員会の答弁だけではなくして、本気に全局長に、ひとつこういう構想で負債整理を考えろ、こういうことで通常国会までには何とかしてもらいたい。われわれはかって例のマル寒資金の北海道の問題のとき、社会党独自の農家負債整理法案というものをつくって提案したことがあるのです。しかし、寒地農業のほうで三分五厘を獲得したので、君のほうはこれを引き下げてくれというので引き下げたという経過もあるのです。だから、それに対してはひとつ虚心たんかいにわれわれも問題に取り組むつもりですから、負債整理に対しては、この通常国会に何とか一つの口火だけでもいいから開いてもらいたい。それを特に北海道のこの大冷害を契機としてお考え願いたいということを私は要望いたしておきます。御答弁は要りません。
  53. 中山榮一

    中山委員長 芳賀貢君。
  54. 芳賀貢

    ○芳賀委員 この際農林大臣冷害対策上重要な点に対してお尋ねしたいわけでありますが、その前に、たまたま鍛冶大蔵政務次官出席されておりますので、この際、特に大事な財政当局の立場から、北海道冷害に対して大蔵省当局としてはどのような熟慮を持って問題に取り組むかという要点だけについて、政務次官から御説明を願いたいわけです。
  55. 鍛冶良作

    ○鍛冶説明員 どうも準備のないのに呼び出されましたので、こまかいことは申し上げかねますが、いま大臣が御答弁になりましたように、先日来農林省としましていろいろ構想があったようでございます。そしてこの十六日に閣議農林大臣としてのお考えを述べられた点が先ほど来述べられたとおりでございます。それらについては、大蔵省としてできるだけその意思に沿ってやりたいものだ、こういうことで鋭意研究しておるところでございます。
  56. 芳賀貢

    ○芳賀委員 もう少し具体的にしてもらいたいのです。問題は北海道冷害ですから、ほとんどその対象は農作物の被害、損害に限定されておるわけです。ですから、当然対策の主管省は農林省であります。農林大臣であります。ですから、農林省が主体になって積極的な対策を進める場合どうしても障害になるのは、大蔵省の消極的な態度、あるいはそれを阻害するような態度というものが常に阻害要因になっておるわけです。ですから、政務次官として詳しいことはわからなくてもいいわけです。ただ、方針に対して必要な財政的な措置というものは従来と形を変えて積極的にこれを進める、こういうことが大蔵省の方針として明らかになればいいわけです。この点はいかがですか。
  57. 鍛冶良作

    ○鍛冶説明員 それは全く同感でございます。できるだけやりたいと思っております。ことに政務次官会議でもこの点が問題になりまして、その点を具体的にひとつ研究せい、それから営農救済事業とかその他のことも考えてみないか、こういうことで、私もその点では責任を負わされておりますので、いま直ちにどういうことをするというところまではいっておりませんが、御説のようにひとつできるだけのものを立てて、大蔵省としてもできるだけ資金を融資したいものだ、かように考えております。
  58. 芳賀貢

    ○芳賀委員 とにかく、政務次官内容を十分わきまえないでも、積極的に当委員会出席されたというその態度に対しては、やはり評価する必要があると思います。従来は主計局の主計あたりがただ出席して、いかにも大蔵省を代表したような態度で答弁に当たっておる。こういうやり方は、われわれとしては全く認めがたい点ですが、きょうは鍛冶さんがわざわざ勇気をもって来たということについては、一応了承しておきたいと思います。  次に、農林大臣にお尋ねしたい点は、北海道冷害に対して激甚災の指定あるいは天災融資法の政令による指定の告示がなかなか行なわれておらないという点については、われわれとしては了承できがたい点であります。この政令の指定はもちろん閣議決定ということになるわけですが、閣議の開催については、最近におきましても今月の十六日、二十日、二十三日、本日と、こういうふうに定例閣議が相次いで開かれておるわけでありますが、このいずれの閣議においても、北海道冷害に対して激甚災の政令指定あるいは天災融資法の政令指定の告示を行なうという決定が行なわれていないわけですね。これはまことに不当な態度と思うのですが、所管の農林大臣としてはどうお考えですか。
  59. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 損害額が、私ども道庁から、あるいは四百数十億あるいは五百億、こう聞いておるのです。ですから、当然天災融資法の発動はなくちゃならぬというふうに考えています。ただ、その損害の数字というのは、統計調査部調査したものの集計を待ちまして、それで初めて発動するという手続問題がありますので、概算的に幾らだからと、こういうわけにはまいらぬので、その手続を急がしておる次第でございます。でありますので、もう発動することは確実なんでございまして、ただその数字がまとまってくるのを待っているだけですから、数字がまとまってくればすぐに動き出せるように準備をさせておるわけであります。その間におきましてもつなぎ資金等は十分準備をさせておる、こういう状況でありますので、そういう点は御了承願いたいと思います。
  60. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それでは、北海道庁からの正式の数字被害報告として出てこないので指定ができないというのではなくして、政府調査機関である統計調査部被害報告がまとまって出てこないので、それで指定の手続ができないというのですか。
  61. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 統計調査部の統計のまとまりができませんと、何百億の被害だということの根拠が薄いのでございます。実際には大体わかっておるのですが、正確な根拠に薄いので、その根拠がまとまるのを待って防災会議にかけるとか、あるいはまた、いろいろな折衝をして発動する、こういうことでございますから、手続上の問題でございます。御趣旨はよくわかるのでございます。
  62. 芳賀貢

    ○芳賀委員 統計調査部調査の場合、定期的に調査をやるということは、これは予定された仕事だからわかっておるが、突発的、予見されない激甚災害が生じた場合のその被害調査というものは、最も迅速を要すると思うのです。今次の災害は冷害ですから、静かな災害ということはできるが、しかし、いつの時限をとらえて被害調査をするかということは、農林大臣あるいは所管の統計調査部長として現地に指示を与えておると思うのです。ですから、この冷害の最終的な最も大事な被害調査というものを、時期的にいつの時限で調査して取りまとめるということを指示してあるのか。その時期はいつなんですか。
  63. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 御承知のように、冷害あとになるほどひどくなってくるということが出てくるわけでございます。そういう事情でございますので、なるだけ最近の被害調査したい、こういうわけで、十月十五日現在の調査をしておるわけでございます。御承知のように、初めは四百億だった、あるいは四百億じゃない、五百億になるんだというふうに、最近の、一番ひどいときを調べ上げたい、こういうつもりでございますので、十五日現在で調査をしております。それが今月末にはまとまると思いますから、そのまとまりを待って発動する。しかし、発動することの了解はもうすでに閣議でもとっておるわけでございます。
  64. 芳賀貢

    ○芳賀委員 先ほど同僚の松浦委員からも、北海道庁も十月十五日現存ということで調査を遅延させておる。急いでおるのじゃない。冷害の最終的な実情は、大体十月一日現在の時限で調査すれば、自後の変化はほとんどないとわれわれは考えておるわけです。それをことさらに農林省も半月ずらしておる。北海道庁も歩調を合わして半月おくらして十月十五日現在ということは、当を得ないと思うのです。われわれが災害委員会並びに農林水産委員会調査団として十月の三日から七日にかけて現地調査に回ったときも、災害地の支庁管内、災害が激甚である十勝支庁管内あるいは網走支庁符内、上川支庁管内等においては、この三支庁管内でおそらく被害総額の三分の二程度はここに損害があるわけですが、これらはいずれも十月一日現在の被害実態あるいは被害額というものを作目別に明らかにして調査団に提出しておるわけです。ですから、そういう末端においては、町村から支庁段階において調査がまとまっておる。それを北海道全体の調査集計をすれば、北海道庁としては被害総額がわかるわけです。それをわざわざ十月十五日現在から調査を始めるということでは、対策が非常におくれると思うのです。  そこでお尋ねしたい点は、はたして統計調査部は十月十五日現在の時限の調査を今月一ぱいに終了して本省に報告を出すことができるかどうか、その点はいかがなんですか。
  65. 久我通武

    ○久我説明員 お答え申し上げます。  御承知のように、九月の二十八日に早霜がございました。そこで、冷害のときは特にそうでございますが、…にかかりましてからほんとうに被害の姿が明確にわかりますのは、少なくとも十日から二週間たちませんと明確にならないのでございます。したがいまして、北海道庁とも相談をいたしまして、最も正確に押えられる時期として十月十五日ということをきめまして調査をいたすことにいたしました。そして目下どんどん進んでおりますが、この三十日には必ずまとめ上げる、こういうことで進めております。
  66. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それに関連して、激甚な北海道全体にわたる被害調査は、相当広範にわたるわけです。いつも問題になるわけですが、そういう突発的な、臨時的な被害調査等については、当初年度予算として予定された調査費用等は、特に統計調査部関係とか食糧庁の出先等の関係は僅少なんですね。そういう点に不自由があって調査が遅延しておるものであるかどうか。もしそれがおくれた理由であるとすれば、これは農林大臣としても十分お考えの上、調査が適正迅速にできるような調査費相等はやはり追加して現地に流すべきであると思いますが、そういう支障はないのですか。
  67. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 調査の費用が不足しているためにおくれているということはございません。調査の費用など先食いして急速に調査するようにしております。いま御指摘ように、おくれている、こうおっしゃるのは、先ほど答弁がありましたように、九月の二十七、八日に凍害が出まして、その凍害の進行程度を見るということになると、やはり十五日現在あたりが被害の正確な把握をするのに一番適当であるということで、十五日ということになっておりますので、調査の費用、予算等が少ないためにおくれているということではございません。
  68. 芳賀貢

    ○芳賀委員 先食いする場合も、食うものがあれば先食いできるが、先食いする財源が全然ない場合は、これは食いようがないと思うのです。ですから、実態をよくきわめていただいて、そういう点に財源的な支障があるようであれば、直ちに適正な措置を講じてもらいたいと思うわけです。  それからもう一つ調査の点でありますが、最近現地からの連絡によりますと、北海道庁が各関係支庁を通じて、災害市町村に対して災害の度合いですね、市町村ごとの平年反収であるとか、基準収穫量であるとか、その金額であるとか、被害額についても、どの町村は大体この程度被害率で出せというような、災害の割り当てを行なっておるということを実は連絡を受けておる。こういう点はわれわれとしても全国に例のない点だと思うのです。しかもその平年反収なるものは、統計調査部が持っておる平年反収というものを用いて、これが農林省統計調査部の当該町村に対する作物別の平年反収だから、これを用いなければだめなんだということとか、この町村はどの程度の災害率でなければパスしないから、そういうようにしろとか、そういうあり得べからざるやり方が今日とられておるというように、われわれは具体的な連絡を受けておるわけです。私たちも国会に十数年籍を置いておるか、あらゆる災害に対応した場合、そういう災害の認定とか調査報告内容というものを上からおろして事務的に進めるというような事例を承知しておらぬわけです。しかも農林省統計調査部の資料というものを公に出して市町村別にこれを流すというようなことは、農林省統計調査部の本来的な任務からいっても、これは全く逸脱だとわれわれは考えておるわけです。ですから、こういう事情については、はたして農林省北海道町村知事の間においてそのような事務的な手続上の打ち合わせというものがなされて、そういう異例な、天下り的な被害調査をやっておるかどうか、この点を明らかにしてもらいたい。これが被害実態が出てこない最大の遅延の理由であるというふうにわれわれは考えておるわけです。
  69. 中西一郎

    中西説明員 御指摘の点、内容を実はつまびらかにしてないのですけれども農林省としまして道庁にいわば内面指導をして、別段の災害被害調査をやらしておるということの事実はございますけれども、この月末になりまして、農林省被害数字が確定しまして、天災融資法を発動する、激甚法を適用するというような場合に、天災融資法法律の中で、道庁としまして、市町村別に特別被害地域を、例の三分五厘適用の地域ですが、指定する必要がございます。それを農林省数字が確定してからやるのでは、やはり十日以上の日数がかかりますので、それぞれ地元での要望もあることにかんがみまして、現段階での資料を固めておいて、農林省数字を出しましたらすぐに道庁のほうで特別被害農民の数を把握できるように、いまから準備をしておるというふうにも思われるわけです。その辺、冒頭申し上げましたように、全体についてまだ明らかにしておりませんけれども、善意に解釈すればそういうことじゃないかという気がいたしますので、つけ加えたわけですが、内容をよく調べたいと思います。
  70. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それは答弁にならないですよ。これは重大な問題です。全国の市町村に対して統計調査部が各作目別の平年反収をそれぞれ公表して流して、これを基準にして被害率を出せとか、損害額を出せというような事例を、私はいままでそういうことを承知しておらぬです。もし現在、農林省が運用上今後生ずることのあり得る災害の農作物等の実情調査をやる場合に、そういう方針で臨むということになれば、これは重大問題だと思うわけです。この点は特に担当者の久我統計調査部長から明らかにしてもらいたい。
  71. 久我通武

    ○久我説明員 ただいまの御質問でございますが、統計調査部からそのような数字を指示するというようなことは、過去もございませんし、今回もむろんやっておりません。ただ、平年反収というものはすでにいつも公表されておるものでございますから、大体ことしの平年反収はこれくらいであろうということは、二月ころにきめまして発表されておるものでございますから、それをお使いになったということはあるかもしれません。しかし、われわれから村ごとの平年反収を示すというようなことはございません。それから第二に、被害は平年反収を基準にしてどれだけ減るかということをやっておるわけではございませんので、特に農林省の場合には、いわゆるとり得べかりし収量と申しますか、要するに、被害の起こります直前に農家がこの程度とれるであろうと考えましたものを基準にして、それからの被害を計算しておるわけでございますから、平年反収を被害調査のために指示するというようなことは考えられないことでございます。したがって、われわれは、統計調査部としてそういうことを、しかも道庁その他に指示するというようなことは全然しておりません。
  72. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それで内容が明らかになったわけですが、これは大臣としても十分考慮しておいてもらいたいと思うのです。実態は、北海道庁が各支庁長を通じて、被害の生じました市町村それぞれに対して、たとえば水稲をはじめ畑作物の各作物別にその町村の平年反収というものを示して、これは統計調査部の貧村に対する平年反収である、だからこれを基準にして被害率や損害額を出すのでなければならぬということを――いま久我部長が言われた、災害がない場合にどれだけとれるというものに対して、災害が生じたから被害率は何%になったとか、その損害は幾らであるということが被害報告だと思うのです。それを全く採用しないで、統計調査部の平年反収がどれだけであるから、それを基準にして被害率や損害額を出せという無謀なやり方というものは、全国に例がないと思うのです。これは実情を調査すれば明らかになる事態ですが、こういうやり方道庁を通じて被害報告がなされたとしても、これは被害実態を無視した架空な報告であるとしかとれないのです。そういう政府の権力に迎合するような、農民を押えて被害をごく最小限度に押えるようなやり方というものについては、これは農林大臣から厳重に注意を喚起して、妥当な、正直な被害報告というものが十月十五日現在でもやむを得ぬですから、上がってくるようにこれを指示するという点を、ぜひ農林大臣から当委員会を通じて態度を明らかにしてもらいたいと思うわけです。いかがでしょう。
  73. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 被害は、その年そのときに得らるべき収穫に対する被害の率だという調査をすべきだということを、いま統計調査部長が御答弁申し上げたとおりでございます。でありますから、平年作から幾らという調査をしているということでありまするならば、それは間違いであると私も考えます。でありますので、そういうことをしているとすれば、それは是正させなくちゃならぬと思っております。
  74. 芳賀貢

    ○芳賀委員 あとは、前会の連合審査並びに農林委員会等においても指摘した問題がまだ解決されないで残っておるわけですから、その点だけについて私から申し上げまして、大臣の適切な御答弁を願いたいと思うわけです。  第一に、激甚災あるいは天災融資法指定の問題にしても、最終報告が出なければできないという問題ではないと思うのですね。これは激甚災に関する法律の規定によっても指定基準というものは明らかになっておりまして、そしてこれは中央防災会議意見を徴し、あるいは議を経て政令指定を行なうということになっておるわけですが、冷害の場合の激甚災の政令指定関係は、これは天災融資法に対する特例措置にほとんど尽きると思うわけです。あとは地方団体に対する財政援助の特例ぐらいしかないわけなんです。その場合、これは激甚災に対する国の財政援助法の第八条の規定がいわゆる天災融資法の特例措置ということになるわけですが、その場合の指定基準というものは、これは明らかになっておるわけですね。その第一は、この災害の発生した当該年度における全国の農業所得というものを推定して、これに対して、その冷害が発生した、たとえば北海道地域における被害額が総農業所得に対して〇・五%を上回る場合においては、これは激甚地域としての指定を受ける条件がそれによって生じてくるわけですね。ですから、その点は、たとえば、ことしの日本の農業総所得が二兆円であると推定した場合、その〇・五%ということになれば、北海道地域において百億円をこえる農業の損害が生じた場合においては、一応この基準に該当するということになると思うわけです。これに対しましては、統計調査部の九月中旬における被害概要報告によっても、二百四十億をすでにこえておるわけですから、当然これは積極的に地域指定をやろうとすればできることなんですね。それが非常に遅延しておる。あるいはまた、中央防災会議の議を経るとしましても、これは冷害ですから、公共土木等の被害と違いますから、私の承知している限りでは、中央防災会議の主事会議程度――主事会議というのは、これは防災会議のメンバーを出しておる各省の担当の課長クラスが構成しているのがいわゆる主事会議というわけですね、大体この冷害に対する激甚指定等は主事会議で事務的に進めるというふうにも私は承知しておるわけです。ごく政府部内の内輪の会議でそういうことがまとまるとすれば、これは速急に激甚地域指定あるいは天災融資法指定がスムーズにいくのじゃないかと考えるわけですが、どうでしょう。それほど大がかりに扱わなくてもできると私は考えておるのですが、いかがですか。
  75. 中西一郎

    中西説明員 お話しの点、こういうふうになっておるわけでございます。激甚法適用の場合の指定基準もお話のとおりでございますけれども天災融資法を発動いたしまして、それに伴いまして、先ほど申し上げましたように、今回の冷害で申せば特別被害地域をきめていく、特別被害農業者もきめていくという手続が都道府県で必要なわけでございます。そこで、そういうことをやりますためには、やはり被害の全貌が正確にわかる必要がございます。その被害の全貌が明らかになったところで天災融資法を発動しまして、特別被害農業者、特別被害地域をきめて手続が始まるわけでございます。したがって、それ以前に天災融資法を発動しましても、これはいわば実質的に意味がないわけでございます。それ以前に激甚法だけ先に切り離して発動するというわけにもまいりません。天災融資法を施行しまして、それとあわせて激甚法を適用するというのが順序でございます。そういう意味で、お話のように八十億ないし百億をもうすでにこえておりますから、激甚法適用はもう確実であるというふうに考えていただいていいわけですし、十六日に閣議了解をしていただいたのもそういう趣旨でございます。あとの手続を考えますと、やはり被害がきちっときまったところで天災融資法を発動し、あわせて激甚法措置もとるということに従来ともなっておるわけでございます。それより以前に天災融資法を発動しましても、都道府県の仕事が動かない、そういう事情がございますことを御了承願いたいと思います。
  76. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に、北海道における米の買い入れ状態と、あるいはこれに対処する措置の問題ですが、まず第一に、今年度の政府北海道における買い入れの現況というものはどのような事情であるかという点であります。これは食糧庁には現地から旬報できておるわけでございますから、たとえば時期別格差に合わせると、九月末現在、十月十日現在、十月二十日現在ということでもよろしゅうございますが、これが本年度の予約契約に基づいた数量に対してどの程度の買い入れの状況であるか、あるいはまた、昨年の同期に比べてどの程度の買い入れ状況であるかということを、これは数字をあげて明らかにしてもらいたいと思うわけでございます。その事情によって、たとえば本日官報をもって告示されました水分過多内規格外玄米、これは五等級品位のもので水分一八%、金額については六十キロで五千二百四十二円ということで告示されたわけでございますが、これはわれわれとしても適切な措置であるというふうに考えておるわけでありますが、もう一つ、青米混入の規格外がまだ決定されておらぬわけでございますし、また、雑穀地帯における規の一、規の二の検査等級の新設等についても明らかにされておりませんので、これは、食糧庁長官の買い入れ状況の説明のあとで、農林大臣からこれに対応する買い上げ措置等については明確にしていただきたいのと、それとあわせて、前年度に比べ、またことしの当初計画に比べて、先日の異常な降雪等もありまして今月中の今後の出荷も非常に遅延しておることは明らかでございますので、この三期米を先日は十月一ぱいまで延長の措置を講じてもらったわけでありますが、その後の再延長等についても、本日ここでさらに何日ということは大臣としても明らかにできないとしても、再延長は実情に応じて行なうという程度の御意思のほどはあわせて明らかにしてもらいたいと思うわけでございます。
  77. 齋藤誠

    ○齋藤説明員 お答えいたします。  私から、まず買い入れ状況、それから低品質米に対するその後の状況につきまして、事務的に進めている段階を御説明申し上げたいと思います。  まず第一に、北海道産米におきます本年の集荷の状況でございますが、本年度は、生産も減収したとか、あるいは作期もおくれたという関係で、非常に集荷状況は例年に比べて低くなっておりまして、第一期の九月三十日までに八十八トン、十月の十日までに千七百五十八トン、十月の二十日までに一万七千七百五十七トンというふうになっておりまして、三十七年産の三期までの買い入れが十一万トン、三十八年度の二十八万トンに比べまして非常に少ない数字に相なっております。北海道全体の予約数量は約六十万トン程度でありましたので、これは冷害以前にとりました予約数量でありますから、これから比べれば非常に集荷率は現段階においてまだ少ないということになっておるわけでございます。  それから低品位米の中で水分過多の規格外米におきましては、いまお話もありましたように、規格外内というものを設定いたしまして、本日の官報で告示をいたした次第でございます。それから次に青米混入の低品位米につきましての調査関係でございますが、これにつきましては、北海道におきまして二十一日、二十二日と現地におきまして搗精試験を行なったわけでございます。三品種を取り上げまして現地におきましてそれぞれ搗精試験を行なったわけでございますが、その中から精米として買い上げの対象になり得るものも相当認められるわけでありまして、この際われわれとしてはできるだけこれを多く対象として取り上げるように考えていきたい、こういうことで、大体のいまの基準として考えておりますところは、等外上でありますと整粒の歩どまりが三〇、整粒三〇%というふうにいたしておりますが、一五%ぐらいまでに引き下げることが可能ではないかというふうに思っております。それに合わせまして、等外上の玄米におきましては、死に米を二〇%というふうに考えておりますが、これを二五%までに最高限度を上げるということでいったらどうかと思っておるわけでございます。これによりますると、大体共済のほうの関係で集まった標本についてこの規格を当てはめてみますると、過半はこれで救済できる。残ったものにつきましても、さらに多少精選いたしますならば、これも買い上げの対象になり得る。この規格によれば、青米混入の問題は大半はまず救済できるのではないかという考えを持っております。したがいまして、いま申し上げたような基準によりまして早急に手続を進めてまいりたい、こう思っておるわけであります。
  78. 中山榮一

    中山委員長 小平忠君。
  79. 小平忠

    ○小平(忠)委員 与えられた申し合わせの時間が二十分なものですから、緊急な問題を二点にしぼりまして私は農林大にと大蔵政務次官にお伺いをしたい、こう考えておったのですが、政務次官が十二時三十分に所用のために出られるということでありますから、先に大蔵政務次官にお伺いしたいと思うのです。  実は、国家予算、財政面を担当される大蔵省という立場から、北海道冷害についていま緊急の問題は、時期別格差のいわゆる三期について先般十日間の延長をされたけれども、これをさらにぜひ再延長してほしいという問題は、もう緊急を要する問題だろうと思います。ただいままでの他の委員質問に対して、農林省の側から農林大臣食糧庁長官の御答弁では、降雪という新事態に対処してさらに検討を加えたいという、こういう意見なのでありますが、十月の末に札幌地方で二十五センチというのは、まさに最近の例にないことであります。全道的に、多いところは三十センチから五十センチという降雪は、被害を受けた稲や作物を収穫するのに、さらに凍結してしまって、実際収穫に困難を来たすという現状で、ただいま食糧庁長官の答弁にもありましたような買い入れの状態から見て、もしこれを当初延期された十日間ということをかりに見た場合に、少しでも奨励金の恩恵に浴しようという農家が無理をしていわゆる最後の収穫を急いだ場合に、その結果悪質な米を無理して出すという結果が、すなわち買い入れの対象にならない、こういうことをいましいるということは、被害を受けている農家にとってまことに残酷であろうと思うのです。ですから、私は先ほども雑談の中に食糧庁長官と話して、さらに十日延長しても、今度の雪が降った現状から見て、たいして出ないのじゃないかということであるけれども、それが政府のあたたかい手であろう。時期別格差の三期の再延長の問題は、冷害地に対するさらに別個な方法で考えたいという、そのことも当然でしょうけれども、そういうささいなことが、被害を受けた農家にとっては、最大の感激をする問題であろう、私はこう思うのであります。したがって、もうあと残すところ二日、三日となっておる今日の現状においては、私は、この場でぜひ再延長をなすということを、これは主管省である農林大臣も見えていますから、御相談いただきまして、ぜひそのようにしていただきたい、こう考えるのでありますが、いかがでございましょう。
  80. 鍛冶良作

    ○鍛冶説明員 時期別格差の時期の延長についてはずいぶん承っておりましたので、この間も十日間延長したわけでございますが、十日間延長したということは、いままで事例のないことだそうでございます。だから思い切ってやったはずです。しかし、いまあなたのおっしゃるようなことであれば、これは事情よほど考慮せなければならぬと心得まするが、この主管は農林省のほうでございますから、いずれそれらの点を調査せられました結果、十分打ち合わして、できるだけ御意に沿いたいものだと心得ております。
  81. 小平忠

    ○小平(忠)委員 十分に相談をしてという時間が、御承知のような政局でございます。したがって、ここで責任者がおられるところでおきめになる腹ができないということは、これはもう間に合わなくなってしまう。ですから、この点は、私は、政務次官がどういう御所用で急がれるのか、これは別にしましても、きわめて重要な問題だろうと思うのです。したがって、私はこの点、そばに農林大臣がおられるのですから、あなたが所用のために出かけられる十二時半がいま来ていますけれども、若干、四、五分延長されても、主務大臣たる農林大臣とも相談されまして御答弁いただきたいと思うのです。
  82. 鍛冶良作

    ○鍛冶説明員 どうも大蔵省から進んでこれをなにするわけにもいきませんし、農林省のほうでもいまのところ現状をよく知られないのじゃないか。あなたからこれだけお話をお聞きになりましたから、農林省でよく調べて、至急ひとつ大蔵省へ相談していただきたいと思います。いまここで相談するといっても、ちょっと困難じゃないかと思います。私のほうは、相談を受ければ、できるだけのことはしたいと思っています。
  83. 小平忠

    ○小平(忠)委員 それでは政務次官、二、三分お待ちください。私は農林大臣に伺いますから。  農林大臣は、先般、オリンピック開会中ではありましたけれども北海道被害実態をつぶさにごらんいただいたわけです。さきには政務次官も派遣されました。   〔中山災害対策特別委員長退席、小沢(辰)災害対策特別委員長代理着席〕  ですから、そういう意味で、よく現地をごらんになっておられる農林大臣としましては、その後に実は冬将軍が早くやってくるのじゃなかろうかということを懸念しておったら、その懸念のとおり、実は二十五、六日あのような全道的な初雪というものは、これは一段と収穫に一大支障を来たしておるわけです。ですから、時期別格差の設置された趣旨から見るとこれは別だという考え方も一応理由はあるのですけれども、あっても、現に三期については十日間の延長をしているのですから、それをやはり勘案されましてさらに十日延長することが、いま無理をして悪いものを出して規格外にするものをたくさんつくるようなことを避けるというのが政府として親切でなかろうか、このように思うので、農林大臣が先刻油谷君の質問に対して、新たな事態として検討を加えたい、こうおっしゃったが、その検討を加えるということは、確かに大臣がここでそれじゃ十日間延長しょうとか、あるいは十五日同延長しょうということについては無理かもしらぬけれども、大まかな腹だけは、大蔵省の責任者もおられるところで相談して、私はぜひ御回答いただきたいと思うわけです。
  84. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 時期別格差につきましては、実は三段階をことしは――去年閣議了解で二段階になっていたわけです。これを三段階にもとに戻したような事情がございます。時期別格差というものはだんだん減らしていくというような考え方が基本にあったわけでございますが、ことしはことしの事情を勘案して三段階にした。したがって、できるだけ、時期別格差は約束でございますから、その期限内に米を政府に売り渡すということであってほしい。これは約束でございますから……。それで、これを延ばすことについては私どもは非常に消極的であったわけでございます。でございますので、全国的に見ましても、第一期だけちょっと延ばして、第二期は延ばさない。第三期において、北海道は十日、その他三日、四日という例外的な措置に出たわけでございます。  ところで、いま北海道の十日を延期するかどうかということでございますが、これにつきましては、先ほどから芳賀さんの質問等にもありましたように、あるいは等外の規格を設定してそれを買い上げる、あるいは青米混入の米も買い上げる措置をとる、それから豆類等についてもそういう措置をとるというふうな、そういう万般の措置をとって、この冷害で品質の悪くなったもの等を政府で買い上げる措置をとっていこうじゃないかというふうに措置をしているわけでございます。でございますので、この収獲のあったほうの――時期別格差の問題でございますから、収獲のないものは時期別格差の恩恵に浴さないわけでございます。そういう点もございます。しかし、最近におきまして、雪も降ったということでございますので、この点はひとつ考えてみる必要があるのじゃないかというふうに思っておりますが、しからば何日ここで延期するか、大蔵省と折衝したらいいかというようなことは、少し検討をした上でないと私どもかかれないと思っております。でございますので、延ばすか延ばさないかという問題、延ばすとすれば、どれくらいにするかという問題、これを全部含めて、なお状況等を詳細に報告を受けて、大蔵省当局とも相談してみたいと思いますので、いまこの席でどうこうということは申し上げかねると思います。
  85. 中川一郎

    ○中川(一)委員 関連。農林大臣にはお忙しいところを現地まで行っていただきまして、そのほか、農林省のお役人さん方も日夜たいへんな御努力をいただいて、われわれも、また北海道農民も、非常に期待をかけておるのでありますが、いま一番心配しておりますのは、いつ一体農林省はこの法の発動をやってくれるのだろうかということであります。この点については芳賀委員からも触れられましたが、ここでひとつ、今月の末大体資料が集まる、来月の上旬というのですが、来月の上旬の閣議二日と六日でございますから、この二日か六日に間に合わせてもらいたい。農林省も一体どの辺をめどにして作業を進められておるか、この辺を明らかにしていただきたいと思うわけでございます。
  86. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 お話のとおりの状況でありますので、私ども一日も早く発動できるようにしたいと思います。統計の調査も急がせておりますから、今月末にはこれは確実にまとまると思います。ですから、二日か六日、できるならばほんとうは私としては二日にやりたいのですが、二日か六日のうちには閣議にかけて発動するようにいたしたいと思います。
  87. 中川一郎

    ○中川(一)委員 第二番目にお尋ねをいたしたいのは、来月の二日あるいは六日に法の発動をしていただきましても、心配になるのは、いまの融資条件ではこの災害を乗り越えられないのじゃないか。農林大臣においても、あるいは農林省においても、いまの貸し出し条件を緩和してやろう、条件を改善してやろうということで検討をいただいておるそうでありますが、今度の臨時国会に間に合うかどうか、いまの作業状況もこの機会に知らせを願えると非常に幸いだと思うわけであります。
  88. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 いませっかく勉強中でございますから、臨時国会に間に合わせるつもりでございます。臨時国会もいまの状況では少しおくれるかと思いますから、なるべく間に合わせたい。間に合わせてそれが通過するようなことになりまするならば、先ほども御答弁申し上げたのですが、さかのぼってこの冷害に適用させたい、こういう意図でせっかく勉強中でございます。
  89. 中川一郎

    ○中川(一)委員 非常にありがたいことでございます。ひとつ一そうのお骨折りをお願いします。  最後に一点。激甚法指定を受けますと非常に金利の点で助かるわけでありますが、いまの見通しで、大体半分以上になるのか大部分になるのか、激甚災害指定を受けられそうな地帯はどれくらいの見通しであるか、もしおわかりでしたら、この点も聞かせていただきたいと思います。
  90. 中西一郎

    中西説明員 お話しの点は、北海道庁の数字を見ませんとよくわからないのですけれども、現在の段階では、相当多数の市町村――これは旧市町村か原則でございます。場合によっては従来の大字単位で、特別被害地域、三分五厘地域相当数出てくるというふうに思っています。その際の認定は、特別被害農業者、平年の自分の五十以上の被害のある人がその地域農家数の十分の一以上をこえるというのが要件でございます。私ども見ました限りでも、一割方の大きな被害を受けた農家というのは大体軒並みあるように思いますので、相当数指定があるものと思っております。
  91. 芳賀貢

    ○芳賀委員 先ほど食糧庁長官から買い入れ概況のお話がありましたが、もう少し私のほうから明らかにしておきたい点は、昭和三十八年度の北海道からの国の買い入れ実績は約六十五万トンであります。本年度の予約数量も大体それとやや同様でございますが、これが実績につきましては、先ほどお話があったのですが、昨年の十月十日現在、これは二期米の締め切り日でありますが、この時限では、去年は三万八千七百十四トンの出荷が行なわれたわけでありますが、今年はわずかに千八百四十六トン、ですから、前年度に比べて五%程度しか十月十日現在では出荷されていないわけです。昨年の十月二十日現在は二十三万八千七百八十三トンでありまして、昨年は時期を二十三日まで延長した関係がありまして、昨年の二期米の終期は北海道は十月二十三日、一石四百円受け取れる分については、昨年の実績は約三十二万トンでありますが、本年度の場合には、二十日現在が、先ほど報告がありましたとおり、一万七千七百五十七トンでありますから、昨年の実績に比べると大体八%程度しか出荷されていないということになるわけです。これをもしかりに、先日の降雪等がありましても、今月末までにたとえば累計三万トンの出荷が行なわれるといたしましても、昨年の十月三十一日現在の実績は四十四万五千三百三十二トンでありますから、これに対しましてもわずか七%程度しか北海道においては出荷ができないということに当然なるわけであります。そうしますと、一体今年度の端境期における、北海道地域における消費者を中心とした米の需給関係はどうなるかということも、、これは当然農林省としてもお考えになるべき重要な点だと思うわけです。ですから、これをあわせて考えた場合に、時期別格差の性質というものは、端境期における一定量の米を確保してそうして需給関係の安定をはかるということが主体であることはもちろんでありますが、北海道地域における需給関係を考えた場合、当然これらの点も配慮して、いまここで即断はできないといたしましても、たとえば今月末にわずか三万トン程度しか出荷ができない、前年の七%程度の実績にしか至らぬということになれば、これは重大な問題になると思うわけです。単に三期を延長して一俵八十円の奨励金をもらいたいという問題だけではなくて、北海道地域における米の需給の関係あるいは消費者に対する生活上の不安を除去するという点からも、北海道において、たとえば期間外の新規格を急いで、青米混入の関係をきめる等の問題もあわせて、迅速に期限延長も行なうということを前提にして、農林大臣からこの不安を一掃するような言明をお願いしたいと思うわけです。
  92. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 御趣旨の点はよくわかります。ただ、いま言明する段階ではございませんので、なお検討していきたいと思います。
  93. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これは正大な課題として考慮を願いたいと思います。  次にお尋ねしたい問題は、米の買い入れとあわせて、被害農家の概算金の決済の問題でありますが、いまだに天災融資法あるいは激甚災の指定が出ておらないわけですから、現地の食糧事務所においては、たとえ数量が僅少であっても出荷された米代金から順次概算金を精算しておることは、やむを得ないことなんですね。ですから、そういう点にも、やはり北海道についての災害の指定とか、そういう手続を早期に政府は明らかにされて、災害指定地域における米の出荷に伴う概算金の特別措置等についてはどうやれということを、農林大臣あるいは食糧庁長官の通達で発してもらわないと、末端の食糧事務所においてもこれは措置ができないと思うのです。だから、われわれとしては、この災害の指定を急いでもらいたいという点と、それとあわせて、概算金の、被害農家出荷が十分できないというような点に対処すべき点を明確にしてもらいたいと思うのです。これらの点は、当然、契約に基づいて減額補正の手続等は、市町村における農業委員会あるいは市町村長の手を経て出てくることになるわけでございますが、そういう手順も、被害状況の報告が遅延しておるという関係もあって迅速に行なわれていないわけです。これらの点についてはどのようなすみやかな措置をお考えになっておるか、この点、大臣から明確にしてもらいたい。
  94. 齋藤誠

    ○齋藤説明員 お答えいたします。  今回の北海道の集荷状況から見まして、いま先生のお話しになりましたような問題が確かにあろうと思います。概算金の利子の免除につきましては、これは天災法が発動されてきますれば、その災害の程度に応じまして六分五厘、三分五厘あるいは全免というような措置が当然とられることになるわけであります。いまお話の中にありました概算金を米の代金からどのように落としていくかということについて、現地において確かにそういう問題があろうかと思います。私のほうもその点については関心を持っておりますので、天災法の発動とも相まちまして、どのような方法で対処すべきか、十分検討してみたいと思っております。
  95. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員長代理 芳賀君に申し上げますが、農林大臣は一時まででございますし、あともう一人農林大臣質問がありますから、急いでいただきたいと思います。
  96. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それでは、ごく問題を切り詰めて、金融対策と救農事業は同僚委員からも発言があったので、私からは避けることにして、一点、北海道冷害との関連で、学校給食の問題を災害対策との関係でどうなさるかという点は、これはもちろん主管は文部省でありますが、冷害北海道の全域にわたっておるということになれば、農村地帯における特に義務教育の小中学校の児童生徒等については、生活上の困窮の度合いも加わってくると思うわけです。したがって、そういう状態の中で本来的な学校給食というものを政府熱意によって進めるということになれば、平常時の給食と違った姿勢で取り組んでもらう必要があると思うわけです。ですから、被害地域に対する今後の、たとえば残された三十九年度内における給食に対する国庫負担分の引き上げの問題とか、あるいは特に北海道は牛乳の主産地ですから、牛乳給食等の問題についても、北海道被害地帯から生産された牛乳の学校給食の中における今後の数量の引き上げとか、それに対する適切な措置等も重要な問題になるわけでございますから、これらもあわせて文部省並びに農林省のほうから明快にしてもらいたいと思うのです。
  97. 前田充明

    ○前田説明員 お答えいたします。  北海道冷害に対しまして、ただいま北海道教育委員会といろいろ連絡いたしておる状況でございますが、冷害地の学校で現にすでに給食をやっておる学校と、やっておらない学校と、両方あるわけでございます。やっておるほうの学校につきましては、いまお話のとおり、給食費の支払いが困難になる子供がふえてくると思うのでございます。したがいまして、そのふえてくる子供につきましては、申請に応じまして補助金を追加配分する予定でございます。現在まですでに配分されておる者の数は、冷害被災地と申しますか、そこでは八千六百名ばかりございますが、あるいはこの倍以上にふえるのではないかという予想も立てまして、それに対する財政的措置はただいま考えておりますので、可能性は十分ございます。  それから、冷害地で給食をまだ実施しておらない学校の問題でございますが、この地方は特に僻地の学校が多くて、交通も不便でございますし、すでに雪も降りかけておるというような状況でございますので、こういう地域の児童生徒の栄養の問題の立場を考えまして、小麦粉製品でやってはどうかと上いうことと、それからミルクにいたしましても、非常に溶けやすいような方法を講じまして簡単にできるようにいたしますれば、施設等もほとんど必要がございません。また、小麦粉製品は貯蔵ができるようなものにいたしまして、そうすれば、交通の不便な、雪が降り出してからでも急場に間に合うという意味で、応急の給食を実施するようにただいま研究をいたしておる――研究をいたしておると申しましても、これはもうすぐできることでございますが、道の教育委員会と十分連絡をしながら実施をする考えでおります。  なお、現在実際にやっておらない地域の準要保護児童に対する手当てにつきましても、これも財政的には研究をいたしておりますので、見通しは十分できるという考えでおる次第でございます。   〔小沢(辰)災害対策特別委員長代理退席、中山災害対策特別委員長着席〕
  98. 芳賀貢

    ○芳賀委員 牛乳はどうですか。
  99. 前田充明

    ○前田説明員 なま牛乳の問題でございますが、なま牛乳につきましては、現在北海道地域に対しまして三十九年度一万石のワクがあるわけでございます。これをふやすかどうか、こういう問題でございますが、これは需給の関係でございますので、農林省とまた相談いたしまして、ふやせればふやすというようなことを考えたいと思っております。
  100. 芳賀貢

    ○芳賀委員 なお、農林省からこれに関連してお答え願いたいと思います。
  101. 吉岡茂

    ○吉岡説明員 北海道の学校給食のうち、なま牛乳につきましては、一学期の実績が四千三百石ございまして、二学期につきましては四千五百石の割り当てをいたしまして、現在実施中でございます。なお、一応のワクとしては一万石というのを予定しておるわけでございますが、必要に応じまして、全国の実施状況を見まして文部省並びに北海道庁ともお打ち合わせをいたしまして増加する、そういう方向で検討してまいりたい、そういうように考えております。
  102. 中山榮一

    中山委員長 小平忠君。
  103. 小平忠

    ○小平(忠)委員 農林大臣に二、三問だけお伺いいたしまして、適切な答弁をいただきたいと思います。  大臣に現地をつぶさに見ていただいて、いま現地ですみやかに決定をしてほしいという数々の中で、まだらかになっていない点が、実は天災融資のワクでございますが、それは大臣も現地をごらんになって、本州、四国、九州の五反歩、一町歩程度の小規模な経営農家と、五町歩あるいは十町、十五町というような、相当経営規模の大なる農家と同一のワクで処理されるということにおいては、これはおよそ現実に即しない形なんであります。したがって、前回の委員会にはちょうど大臣は現地調査に出かけられて留守でありましたが、このことは私からもぜひ今回は大幅にワクを拡大してほしいということを強く要請いたしておったのでありますが、この点は現在いかがにお考えになりますか。
  104. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 個人のワクにつきましては、先ほどから答弁申し上げていますように、法律の改正が要りますので、臨時国会に提案して法律が改正されたらば、さかのぼって適用したい、こういうふうに考えております。金額としては、これはできるだけ多くの金が回るようにしなくちゃならぬと思います。
  105. 小平忠

    ○小平(忠)委員 そのことは前委員質問に対する答弁で承知しておるのですが、どの程度ワクを現在お考え中であるかということをお尋ねしておるわけです。
  106. 中西一郎

    中西説明員 現在検討中でございますので、的確なことは申し上げかねるのですが、現在でも、内地平均十五万円に対しまして、北海道の場合はプラス五万円、こういうことをやっておりますが、さらに、経営規模が大きい経営をやっていきますための投入の流動資金も大きいということは当然でございます。十分その点を配慮してまいりたいと思います。
  107. 小平忠

    ○小平(忠)委員 その点は切実なる現地の叫びでありますから、これはもちろん法改正も必要とし、さらに政令公布等の手続をしなければならぬのでありますから、いまから準備されまして、現地被害農民の期待にこたえるように最善の処置をしていただきたいと思うわけであります。  次は、今回の冷害によりまする米質の悪化によって――実は食糧月もずいぶんこの点については配慮いただきまして、前回の委員会では、水分過多のいわゆる規格外については、品位五等についても水分含有一八%まで認めようということを明らかにされたのでありますが、その際、等外のいわゆる整粒米の含有三〇%以下については、まだ現地調査中であるということにおいて即答されなかったのですが、私はそのときに、これは等外全部ということも問題があろうが、等外上、中、下くらいにして、すなわちその整粒米の水分含有一五%までぐらいを中にして買い上げの対象にすべきであるということを主張し、その点は考慮して検討しょうということは、食糧庁長官がそのとき言明されておったのですが、本日の御答弁によって、一五%まで認めようということが現実に即した政府の態度であろうと思うのであります。したがって、この点について現地では、ことしの粗悪米というか、いわゆる青米、くず米が多くできる現状から見て、たいへん喜ぶ結果でありますから、この点はそういうふうにいつおきめになるのか、そしていつごろ現地には通達をするのか、その点を伺いたいと思います。
  108. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 ただいまの水分過多の規格外米の買い入れ措置につきましては、本日告示をいたしたわけでございます。  それから青米の混入、規格外米の規格の設定と政府買い上げのことでございますが、これは経過を申しますと、十月の二十一日と二十二日の両日、北海道の深川市で関係者立ち会いのもとに精米試験を行ないました。青米は大体だめになるんじゃないかと思ったのですが、その結果は政府買い入れ対象と認められるという結果が出まして、買い上げられる未熱粒混入玄米が相当量あることが認められましたので、この検査規格を定めて今月中に二、三日のうちにこれを告示する、こういう予定でございます。
  109. 小平忠

    ○小平(忠)委員 それは一五%まで引き下げるというふうに、先ほど食糧庁長官お話のようなぐあいに理解してよろしゅうございますか。
  110. 齋藤誠

    ○齋藤説明員 お答えいたします。  先ほど御答弁いたしましたように、整粒歩合は一五%、死に米は最高限度二五ということで基準をつくりたい、こう考えております。
  111. 小平忠

    ○小平(忠)委員 了解いたしました。  最後にもう一点お伺いいたします。  以上のごとき政府の理解ある処置によって非常に救われるのでありますが、ただいま大臣からも、現地の厳密なる試験の結果、水分含有いわゆる水分過多について、あるいは等外すなわち青米の混入のことについては明らかにされたのです。これら買い上げの対象となったものについて今回の時期別格差の奨励金の対象に当然してほしい、こういうことを前からも主張いたしておるのでありますが、これら買い上げの対象となるものは奨励金の対象にすると理解してよろしゅうございましょうか。
  112. 齋藤誠

    ○齋藤説明員 本件につきましては、さきの委員会におきましても申し上げた次第でございますが、時期別格差をつけます趣旨からいいまして、これは通常やはり操作の可能なものということで、普通米、五等以上を対象にいたして考えておるわけであります。また現に各県ともそういうことですでに実施に入っておるわけでございますので、これにつきまして時期別格差をつけるというのは、時期別格差のたてまえから申しまして、これはむずかしいと思っております。
  113. 小平忠

    ○小平(忠)委員 それがおかしいのですよ。およそ政府の買い上げの対象としたものを、それを奨励金の対象にしないというのは、非常に矛盾があるのです。ですから、せっかく五等についても水分過多の含有を認め、等外についても、ただいまお説のように、従来の三〇%五%で整粒米の混入を認めようということの措置は、これは今回の北海道冷害の現状から見て、時宜に適した措置であるわけです。そういうように、率直に申し上げますならば、これは北海道がようやく生産県になって、さらに品質を改良して、本州、四国、九州の人も北海道の良質米を食べてもらおうということが、今年は、すなわち異常災害によって消費県に逆戻りをしていわゆる地場消費となったという現状から、北海道の道民はそれでよく理解し満足しているわけです。そういう場合に、せっかく政府の買い上げの対象となったにもかかわらず、時期別格差のそういった奨励金の恩恵にも浴しないというならば、これは全然意味がないわけです。ですから、それによって食管会計の当初予算を上回るわけでもないし、いろいろ別な方法というけれども、この冷害対策については、最後、いろいろ切り詰めていった場合に、なかなか具体的な対象が少なくなってくる、そういうことから私は、少なくとも買い上げの対象となったものについては、奨励金、の対象にするということは当然であると考えるのですが、農林大臣いかがでございましょう。
  114. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 食糧庁長官の答弁のようなことになっておりますが、なお事務的に検討してみたいと思います。
  115. 小平忠

    ○小平(忠)委員 これで私の質問を終わりますが、せっかく大臣現地もごらんになって、それで赤城さんは非常に農政にも通じておられるし、そうしてまた、歴代の農林大臣を通じて、あなたの人格識見ともに全国の方々が非常に尊敬されていると思うのです。ですから、ささいのことで――いまのことは主管大臣として担当長官なりあるいは大蔵省とも十分御相談になっていただきまして、今回に限っていわゆる特別措置、ほかにもそういう措置がたくさんあるのでありますから、そういう措置をぜひとっていただきたいことを農林大臣に強くお願いいたしまして、私の質問を終わることにいたします。
  116. 中山榮一

  117. 松浦定義

    松浦(定)委員 先ほど委員長に要請をいたしておきましたが、過般の北海道冷害地視察のために、北海道出身である松浦運輸大臣が親しく調査をされたそのことについては、非常に私ども敬意を表しておるわけでありますが、聞くところによりますと、これは政府代表であるということであったということを私は聞いておるわけであります。したがいまして、そういう点について、お取り上げになった問題について二、三質問をいたしたいと思いましたので、出席方を要請しておきましたが、現在御出席にならないようでありますが、どういう理由であるか、その点を委員長からひとつお示しを願いたいと思います。
  118. 中山榮一

    中山委員長 お答えいたします。  先ほど松浦君からの御要請がありましたので、連絡をたびたびしておりましたが、突然のためだったと思うのでございまするが、まだ連絡がつかないのでございます。連絡はもう再々しておるのでございます。
  119. 松浦定義

    松浦(定)委員 この委員会は特に農林委員会災害対策特別委員会との合同委員会でありまして、きわめて重要であるからこういう措置をとっておられたのでありますし、さらに、いかに緊急でありましょうとも、少なくとも政府機関として、いま申し上げましたような事情の中におられる運輸大臣とすれば、直ちに出席をしていただけるものと私どもは信じておるわけであります。たとえ時間がなくても、どこにおられるのか、どういう会合があるかということはおわかりになると思うのでありますが、そういう点についてもいまだ連絡がつかないということについては、当時運輸大臣北海道へ参られまして、いろいろ地元被災者に対してお約束をされましたその当時の熱意と今日におけるいまの段階とでは、私は、たいへん遺憾な点があると、かように思っておるわけでございます。したがって、そういう点について努力された委員長については私は敬意を表しております。私は何も地元の大臣がそういう努力をされておることについてとやかく言うわけではございませんが、ただ二、三の点について、政府当局にその後質問しました点との食い違いがございまするので、この点を明らかにしておく必要があるというふうに考えたわけであります。たとえば自創資金の拡大のことにつきまして、五十億閣議で決定をしてまいったという、そういう発表であったわけでありますが、こちらで聞いてまいりますと、何もそういうことはきめておらない、こういうことであります。それは新聞記事の誤りであるというのならそれでけっこうでありますが、もしそうでないとするならば、そういう点については遺憾な点がある。あるいは、先ほどから御質問されておりまする時期別の出荷の問題についても、十日ないし二十日というものは当然であるから、そういうふうにあたかも決定しておるかのような印象を受ける御発言等があった。数々の問題がたくさんあったわけであります。そういう点を、御熱意のあまりとはいいながら、あまりにもこの問題の食い違いが大きいことと、さらに、先ほどからお聞きいたしておりますと、政府代表でないといったような表現があるようであります。そういう点について、私先ほど質問いたしましたように、閣議に対して報告をし、さらに書類でもって報告をしたというきわめて親切丁寧なお取り扱いをされておるということについて、これは単なる政府代表でないといったようなことであるならば、これは別でありますけれども、地元においてはそういう表現をされ、そうして十六日から二十一日まで長期にわたる内容でもってそれぞれ現地住民の方々の要請を所々で受けておられるわけであります。ただ単なる北海道から出ておる大臣であるというだけならば、この機会にこういう大がかりな日程を組んで、しかも先般申し上げましたように、驚くなかれ、現地視察というものは、地元の周辺の町村は別といたしまして、三時間余りしか現地を見ておられない。しかし、記者会見は八回も九回もやっておられる。そういうようなことでありますから、今度の災害について、政治的に非常に地方の被災者は希望をいたしておるわけであります。そのことが、政府代表でなかったり、あるいは報告が単なる大臣の個人的な考えであるといったようなお取り扱いを政府でおやりになりますと、そういう点については相当食い違いがあると考えましたので、ぜひその所見をただしたい、こう思ったのでありますが、そういう点につきましても、ひとつ委員長から今後重ねてまた十分努力されるようにお伝えを願っておきたい、かように考えておりますから、大臣が出席されないのは非常に遺憾であるということをここに一言申し上げまして、私の質問を終わります。
  120. 中山榮一

    中山委員長 承知いたしました。  これにて災害対策特別委員会農林水産委員会連合審査会を散会いたします。    午後一時十二分散会