○中井
分科員 ずっといま御説明を伺っておって感じますことは、資本勘定への繰り入れが五百四億という点は五百四億の利益である。特に電信収入において二百三十億も赤字であるということでありまするので、電話だけでありますると、これは七百四十億もうけておる。三千八百億の
予算のうら大体二割。電話はその二割をもうかる。特に減価償却をいま伺いました。固定資産の総計が幾らかというと一兆二千億である。それを十六年で償却するというのですから。これは一兆二千億の中には土地もありますよ、三十年の建物も入っておって一千億の減価償却。十六年とつじつまが合わない。ことしになって急に二百億減価償却がふえておるわけだ。一昨年は六百億、去年は八百億、ことしは一挙に千億。堅実過ぎて非常にけっこうでございましょうけれども、こういうことを考えてまいりますると、もう
一つ――これは二つの理由です。利益が二割、減価償却は十分過ぎるほど十分であるということ、それからもう
一つ、五カ年
計画で建設をなさるなさるというが、それは新しく加入をする電話加入者のためには圧倒的な利益になるわけであります。現在加入しておる人も助かりましょう、加入者がふえるから通話区域がふえるといって助かりましょうけれども、それはわずかなものであります。ところが、建設の
内容を見ますると、二千八百億というふうな建設費の中で実に千五百億までは現在の加入者が金を出しておる。そうして一千億ばかりが借金。この借金も十分返すだけの堅実な
経営である。国鉄の場合とまるで逆なのです。私はここまで考えてみますると、職員の給与も五千円ベースアップと言っておるが、一万円くらいベースアップしてもいけますよ。二十二万人として、一万円ずつ上げると月に二十二億円。五千円ベースアップ・オーケーといっても百六、七十億ぐらいあればいい。しかもなお、市外通話料なんかも、実際計算してみますると、市外通話の収入は一千二百八十九億ですか。いま
東京から大阪に電話をかけると、大体一分百円ですね。十分かけると千円ですから、十二、三分かけますと、大阪へ汽車へ乗って行ったほうが安いんだ。十二分で二等と同じですよ。これは私は高いと思うのです。でございまするから、非常に堅実でけっこうでありますから、むしろ堅実に過ぎはせぬかとさえ思うので、どうですか、この際こういう市外通話料なんかは少し下げたら。これは池田内閣の一大善政になりますよ。いかがですか。たいへんどうも大まかな話しようでありまするけれども、建設建設に追われて、その建設の利払いをしたら、元金を返すのは新しく加入者からどんどん入るのですから、いまの加入者の料金をそう高くせずに十分電話事業としてはやっていけると思うのですが、この辺について、これは電電
総裁の総括的な御
意見を伺って
おきたいと思うのです。大蔵省は、国鉄と電電、それから専売公社、三公社を一緒に御
検討なすっておると思うのでありまするけれども、これは、
検討しておる人は三つの状況がずいぶん違ってびっくりしておるだろうと思うのですが、私が総理
大臣なら、市外通話料はこの際一割ぐらい下げますな。二、三年でけっこうですよ。暫定措置でもけっこうですがね。それから職員の給与なんかも、あまりけんかをせずに、午前中どなたか、堀君でしたか、機構改革
委員会か何かに対する
電電公社の返事の中にもありましたように、なかなか職員の待遇その他についても最終的な決定ができない。さらにはまた郵政方面とも
関係があるというふうなことでありまして、まことにそのとおりでありまするけれども、できれば郵政
関係あたりのいわゆる
特定局でございますか、
古池さんたいへん御苦労なすっているところなんかでも、五十億や百億は、ことしきりというならば何でもありませんよ。私はすっと見てそう思いました。だから、いま下げて永久に上げないなんというのじゃありませんが、これはけっこう過ぎるほどのことだと思うので、そういう
意味において、私はいま大橋
総裁の
意見を聞きたい。同時に、また申して
おきまするが、現在のところはもうかっておるけれども、将来はいなかのすみのほうまでいきまするので、将来はなかなかもうかりませんなんという御返事を必ずなさると思うのですけれども、これなんかも、過去の統計はそんなものじゃございません。国鉄もしょっちゅう、赤字線だ、黒字線だといいますが、そんなこというなら、東海道だけ残して、あとみんな鉄道やめてしまえとぼくは言ってやったんだ。東海道だけ黒字なんて、冗談じゃない、赤字線があるから東海道が黒字になっておるんだ。そういうふうなコミュニケーションの本質的なものとの関連において、私はここ五年ぐらいは絶対値上げをする必要はありませんし、物価は少々騰貴しても、ことにここ二、三年はむしろ下げたらどうか、下げてもやっていける。そういうふうなものの考え方もいたしましたので、その点について――下げても職員のベースアップができますよ。
皆さんの待遇もきちっとやれます。サービスもくだりやしません、ただ建設費に対するものの考え方さえちょっと変えれば。そういうふうに考えまするが、大体収入が四千百五十億ですか、その中で三千億近い建設を毎年やって、そのうちの千五百億まではその年々の、現在の加入者の納める料金からやっていく。ちょっと
世界でも珍しいと思いまするので、ひとつ基本的なことでありますけれども、率直な御
意見を伺ってみたいと思います。