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帆足分科員 私は外務
委員会に所属しておりますが、河野
建設大臣のこれまでの御業績につきましては、なき敬愛する鳩山首相を助けて日ソ国交回復の困難な仕事をなし遂げられ、また平素の御言動を見ますると、勇猛果断、実行力がある大臣として大いに敬意を表している次第です。
私は、
質問という概念で新聞にいつも出ておりますが、議員は何も呼び出しやっこではございませんから、また
政府の生徒でもございませんから、別に
質問をして教えを乞うというつもりはありません。ただ国民を代表して、平素心に思うこと、人民の
要望を強く主張し、合理的な点は
政府に取り入れていただき、また問いただして、間違っている点は改めていただき、よい点は大いに
政府を激励して
協力して、いい政治をしてもらいたいと思うわけです。社会党はまだいま成長過程にある党でありまして、政権を担当するまでに若干時間がかかります。だとするならば、保守
政府の与党の責任はきわめて重大でありまして、せっかく政権を握っておられるのですから、国民のために思い切ってよい政治をしてもらいたいとだれしも切に願うところです。
私は、平素外務委員をしておりまして、外務
委員会の担当の仕事は、日本丸の進路をきめる仕事ですから、島国、海の国日本としては非常に重要なことであると思っておりますが、かたわら、今日の最大の課題は、住宅問題、
道路問題、国土開発の問題、それから社会保障の問題でございますから、
建設省の仕事と厚生省の仕事には、私
どもとしても平素強い関心を持っておるのでございます。
思うてみますると、終戦直後、東京が焼け野原になったあのとき、せめて後藤新平伯のような人が知事に選ばれていたならば、いま東京の町は区画整然、せめて名古屋の町くらいに、またいにしえの奈良の都のように一条通り、二条通りと——原宿駅前のあの神宮通りを見るたびに、私は夕焼け雲を眺めながら、こんな町になり得たものを、安井都政などという俗物行政に十数年も都政をまかせ、また東竜太郎さんといいますけれ
ども、実際は安井竜太郎といったような、旧態依然たる都政のやり方を、しろうとのお医者さんにまかしておいて、心もとないこととも思って、諸兄と嘆きを同じくしておる次第でございます。いまの東京は、盲腸炎ならば切開手術もできますけれ
ども、腸捻転か腸閉塞か、どうなることやらと思っておる次第でございます。終戦直後、せめて河野さんのような人が知事に選ばれていたならば、相当思い切ったことをやっていただけたものであろうと私は思います。
終戦直後、私は経済復興
会議の幹事長に推されたことがございます。労使
協力して祖国復興のことを当時論じましたが、一国の国土
計画は、その民族、その風土の特色に応じたものでなくてはならぬ。当時稻葉君が石炭ベースの復興を唱えたのに対して、私は、日本とは何ぞや。日本は昔は神風の国といわれておりますけれ
ども、それは水と台風の国である。一年間における台風の被害だけでも、関東大震災の全被害の何割かにもたるくらいの被害を毎年受けております。しかしその被害の中に、使い方次第では大きな恵みがあること、すなわち農村に水を提供し、適当な湿度と豊かな農産物、それから水と沃土を提供してくれておるのですから、豊作の年の一割くらいは積み立てて、台風対策及び水利の対策、国土
計画に充てるという、一つの国土
計画への哲学が必要であった。すなわち石炭本位の対策、国土
計画でなくて、やはり多目的ダム、水を使う水力電気本位の国土
計画を立てて、それによって初めて石炭と石灰を活用することができる。化学工業、精密機械工業、電気機器工業がその上に乗る。
道路はもう二十年前から田中清一君が
縦貫道路をすぐ着手すべきであったと主張しておる。その上に乗って、すなわち船と貿易、そして先ほど述べました電源が開発され、電力が安くなり豊富になれば、化学工業、電気機械、精密工業に次いで雑貨工業もおのずから盛んになります。そういう立体的、民族的、英雄的国土開発が必要であって、私は、それが小学校の子供にまで浸透するようにしてもらいたかった。まあ小学校の一年ではわかりませんけれ
ども、中学一年になれば、ぼくらはアジアの貧しい国に生まれた、しかし日本は、すでに戦国時代にアジア的水準を突破して、そしてりっぱな城を築き、ハムレットのエルシノアにまさる古城をわれわれは多く持っている。姫路城など、すばらしいものです。当時の冶金の技術、日本刀の技術はオランダをしのいでいたのです。種子島の鉄砲を見取り図一つで理解する能力を持っていた。日本は上半身はアジアのヨーロッパだった。頭にちょんまげをゆい、腰に日本刀を差しながら、イエスの教えすら理解して、そして人類、愛、そういう概念をすでに当時、六百年前、七、八百年前に理解し得た民族です。したがいまして、国土
計画には哲学が必要である。同時に勇気と果断な精神が必要である。したがって、大いに
建設大臣にまず軌道を残すために、いまのうちに、勇猛果断な
建設大臣のおられるうちに、ひとつ業績を残しておいてもらいたい。
さらに私がここで注意を促したいことは、インフレの問題です。かつて銀行家というものは、通貨の安定を守るために命を捨てました。私が経団連に就職したころ、井上準之助氏が倒れ、団さんが倒れ、尊敬しておる高橋是清氏も倒れました。しかし古典的な経済学だけでよいわけでもなく、その後ケインズが、インフレーションを、通貨操作によって景気を調整するということを主張して非常に参考になりましたけれ
ども、今日のインフレーションはケインズ的なインフレーションじゃなくて、腐敗堕落したインフレーションが続き、そのために国民生活はアンバランス、正直者は損をする、いわゆる昆虫物語りといわれるボーダーラインの人口が三千万人をこえております。いま生計費を分析しますと、普通の生計費は四百倍前後でしょう。しかし旅館に泊ると千倍です。住宅、
土地の問題になると五千倍になっています。生計費の割合にこれをかけますと、老後の安定まで加えると非常なことになってくる。総評の友人諸君は、日本の勤労者の生活をヨーロッパ並みにしたい、その志は大いに壮としますけれ
ども、私は賃金一本ではそういうことはできないと思います。やはり総合施策が必要で、そのうちの最も重要なものは住宅対策です。住宅問題が解決すれば、不良少年の問題も、交通地獄の問題も、連関してなくなる。国民の生活はおのずから穏やかになり心も豊かになります。池田さんのような教養の低い人が、人づくりなどと口から出まかせなことを言わなくても、住宅さえきらんとできて、東京全体があの神宮通りのような町になれば、子供のしつけはひとりでにおのずからできるものです。にせ証紙であまり賢くないお医者さんを東京都知事に持ってくるような総理のやり方で、人づくりとか子供の教育なんということは、もう少し
あとでゆっくり言ってもらいたい。まあ石でも見て悠々自適してもらって、せめて悪いことをしないでもらいたい。それ以上のことをわれわれは望みません。したがいまして、河野
建設大臣がせめて、国土
計画、
道路の対策、住宅問題に対して、そう長くない在任期間にすべてはできませんけれ
ども、軌道だけを明らかにしておいていただくならば、国民の信望は集まり、もう、かつての犬養木堂や尾崎咢堂先生のような風格のある政治家はどうせ望めそうもありませんが、池田さん程度の人が総理になったんですから、それよりはるかに風格もあり能力もある河野さんが総理になるのは、私は時の問題であろう、こう思っておりますから、御自重願いたいと思っておるわけです。野党であっても、やはりいい大臣がくることは、少なくとも不愉快なことではありません。与党が失敗したから野党が政権をとる、そういうさもしい
考えは持っておりません。私たちは、与党よりも、もっとりっぱになって、それによって政権を取るなら賛成です。しかし、与党が失敗してパージになった。庶務
課長が社長になる。そういうようなやり方はさもしいことであってまずないと思います。われわれは大いに実力を涵養せぬばならぬ。しかし与党がりっぱにならぬと、われわれもはげみが出ませんから、よき与党があればよき野党ができるし、よき野党が大いに勉強すれば与党もまたりっぱになるんじゃないか。
今日日本の貧困は二つあると思うのです。結婚の貧困と政治の貧困とよく言うのですが、しかし、やはり一番痛切なのは住宅問題です。住宅問題のためにどういうことが起こっておるかというと、不良少年が多くなる。それから、うちへ帰ってもつまらぬから、カフェ、バーなど世界一です。これが輸出産業であるなら大したものですけれ
ども、これは浪費されておるもので、まことに残念です。お年寄りの自殺のふえておる数字を河野さんは御
承知でしょうか。六十から七十、七十から八十と急激に自殺がふえております。これは住宅難をはかなんでというように書いてあります。子供が嫁をもらったら、年寄り夫婦の住む隠居部屋もない。世をはかなんでくびれて死ぬ年寄りのことを思うとき、楢山節考という奇妙な小説が二十年前にはやったのも、あれは詩人の直感力であったかと思わせられるくらいです。
政府の
答弁ばかり聞いても、あまり趣味のあることでもありませんし、
最初、国民を代表して私
どもの
意見を聞いていただいて、まことに恐縮ですが、申し上げることばの中で、肯綮に値することがあるならば、どうか取り上げていただきたいと思う次第です。
さて、当面は、われわれは東京に住んでおりますから、東京のことから申しますと、東京の都市
計画——私の住んでおりますのは東京第四区ですけれ
ども、桃園川、妙正寺川、それから善福寺川、川の名前はまことに愛らしい詩的な名前ですけれ
ども、ちょっと水が出ると、もう洪水です。区役所が何ができるかというと、洪水の済んだ
あと石灰をまくのがやっと手一ぱいです。都
会議員は何ができるかというと、大した力は持っておりません。都庁に行くと、たくさんの、何というか、アブラムシほどの数の役人がおりますが、たいしてこれは役に立ちません。語るに足る役人はあまりおりません。都市
計画を担当しておる役人など、割合まじめで一生懸命やっておるようですが、結局、首都圏整備の
予算がなければできないことです。一国の首都の都市
計画というものは、その国の品位にかかわる問題でもありますから、大臣もお忙しいでしょうけれ
ども、首都圏整備問題の責任者として、もう少し力を注いでいただきたい。まあ東さんなんかは、任期中は、ちょっとしかたがありませんけれ
ども、力のある都市
計画の幹部を結集されて、大臣との
関係を密接にして、そしてひとつ見通しを与えていただきたい。つらつら見ますと、東京都内の赤坂、新橋あたりの料亭などはなかなかいい建物があります。こういうものは、愛らしいから残してもいいでしょうけれ
ども、多くの建物はまだバラックです。したがって、仮建築とお
考えくださって、いまのうちに東京都政改革二十カ年
計画をもっと立てて、国民に理解してもらって、せめて四五階建てにして、そうして
道路率をせめて三割くらいにして、芝生の場所を多くして、そして公団といっても、ところどころ向きを変えたり、間に音楽堂をつくったり、子供の遊園地をはさんだり、キャッフェテリアをはさんだり、雑誌閲覧所や音楽を聞く場所をつくって変化を加える必要があると思います。なぜ私がそれを言うかというと、キューバにまいりまして、キューバの都市
計画を見て驚きました。庭園に相当の金をかけているのですね。入った
あとからも百円ぐらいずつとりまして、一つの公団には一人のガードナーがついて指導しております。ここはフランボイアンのアパートである。フランボイアンというのは赤い花が咲きまして、幹が大きくなると恋人の名前をきざみ込む、きわめてロマンチックな樹木です。ここはスズカケのアパート、これはシラハギのアパート、ここはフヨウのアパート。ミコヤンが行ってびっくりして、こんなぜいたくするならおれは援助をやらぬぞと冗談を言うたところが、フィデル・カストロはこう言ったそうです。鶏のバタリー小屋ではありません。ここは人類、人が住むところです。私はそのことばを聞いて彼に魅力を感じてキューバに行きました。四十日間フィデル・カストロの国に滞在しましたが、その間一緒にシェラマイストラにもまいり、親しくフィデル・カストロと語り合う機会を持ちました。これは非常に愉快な旅行でした。キューバはニッパとわらぶきの、黒ん坊がフラダンスをしておる国かと思いましたら、ハバナは香港より美しいエレガントな町です。八割はスペイン系の民族です。これは非常に有名な美女の国です。ひとたび旅行すると、魅せられて心残りのする愛らしい国です。こういう小さな美しい国を相手にして四十男のアメリカがけんかしておるのは、趣味としあまり高尚でないことをアメリカに一度忠告する必要があろうと思って、キューバから帰りがけにワシントンに行って、多少講演会な
どもしてきました。皆さんはお笑いになっておるけれ
ども、いま砂糖の問題が重大ですけれ
ども、日本はキューバから多いときは六十万トン、すなわち日本の砂糖の半分です。少ないときでも、現在でも四十万トン砂糖を買わなければ、皆さんの奥さんが安心して蜜豆を味わうことができないのです。遠く離れた国でも、日本は島国ですから非常に深い
関係があるわけです。
話が横道にそれましたが、いま私はキューバの都市
計画をほめたわけですが、庭をとても大切にしておる。そうして驚くなかれ、日本も湿気が多くて暑い国ですから、日本の建築様式をキューバは取り入れまして、今度フィデル・カストロがつくったベルサイユというホテルは、草月流の様式を取り入れ、暑い国ですから、平安神宮のように軒をずっと長くして、涼しい風が入るようにして、ホテルとホテルをつなぐところに渡殿の様式を取り入れております。もちろん窓を大きくして下を高くしておる。キューバでは日本の建築に非常に興味を持ち、そのよいところを取り入れるように努力しておりますが、しからば、河野さんがおつくりになったわけじゃないですが、前任者が設計したひばりが丘とかなんとかいう団地など見ますと、私はいつも名古屋コーチンを思い出すのです。卵が幾つ産まれるであろうと思いますが、これは団地ストレスという病気になるのです。ところどころ間をあけて、そうしてプールをつくったり——幾らも経費はかかりません。プールは有料にすればいいのです。そうして樹木を植えるなら、指導して同じ樹木を一斉に植えればいい。そうして月に百円もとれば、そういうことはできるのです。なぜそういうことをなさらないのか。これは役人は——役人というものは学生時代に高文の試験を受けることに無我無中になって、ラブレターを書いた経験もない。この間通産省に行って、お役所の人はときには映画を見るかと言ったら、それは見るよと言う。映画を見た
あとにアイスクリームを食べますかと言ったら、それは食べる。
あとはコーヒーを飲みながら彼女とときには音楽に耳を澄まし、帰りがけには夜空を見て、星が美しいわねぐらいのことばを聞きますか、そういう
質問をしなければ何か理解しがたいというのがお役所の心理でありますから、その役人がつくった団地なんというものは、私は絶対に住みたくはありません。しかし家がないから住むんでしょう。(笑声)したがいまして、団地のつくり方については、キューバもいいですけれ
ども、デンマークもすばらしい。もう少し研究して、値段は安くても、結局おつむの問題です。設計の問題と心がけの問題です。もし東京が将来の見取り図を四階ないし五階のげたばきアパートにするということになれば、あき地はたくさんできます。そして商人を収容することもできます。ところが現在どうなっておるかといいますと、私も一つアパートをつくりました。というのは、家庭の雑用に政治家は追われたくない。追われて金に困ると、どこかの派閥に頭を下げなければ——天は人の上に人をつくらず人の下に人をつくらずという言があります。ただ同好の士を尊敬して派閥に入るならばいいけれ
ども、家来になるために派閥に入るのは、封建時代ならいいけれ
ども、今日の時代には私は好みません。したがって、ひとつ気のきいたアパートのいいのをつくっておこうと思ってお世話になりました。そこでまず都市
計画課と交渉しますと、都市
計画がきまらぬのです。事業決定がない場合は、鉄筋建築をつくることが許可されている。いつ事業決定になるかというと、答えることはできない。事業決定になると、今度は三割譲りましょうといって
買収しないのです。なぜ
買収しないかというと、金がないというのです。そうすると結局これは、インポテンツの男が女の子をくどいているようなもので、相手にしたところが金がない。金がなくて、インポテンツで、しかも都市
計画をやる。これでは相手の女の子は迷惑しごくです。したがいまして、都市
計画課におきましては、私はこうすべきだと思うのです。切開手術をするのですから、まず入院
手続を急ぎ、ベッドを準備して輸血をする、アフターケアのことも
考える、手術期間の生活のめんどうも見る。すなわち金融
手続、軽減措置、不燃住宅にかえるのですから、普通の住宅なら五、六万円でできますけれ
ども、不燃化建築は十五、六万かかる。建築の民主革命です。しゃんとした建築になるわけです。これは
国家の援助なくしては不可能です。四十年年賦ぐらいの不動産金融をするという決心なくしてはできない。すなわち都市
計画においては、都市
計画平和福祉戒厳令司令部司令長官河野一郎。(笑声)そのくらいの政治力なくして、東京の改造ができるでしょうか。皆さん、笑いごととお
考えになっていないでしょうけれ
ども、われわれの孫から軽べつされるのは、私はほんとうに不愉快だからです。うちのおじいさまは政治家になっておりながら、こんな町を私たちに残している、さぞかしばかなおじいさまであったろうと、諸君とともに私も同列に加えられるのは……(笑声)いまの表現は礼を失しましたけれ
ども、私も軽べつされ、皆さんもお巻き添えになられてはまことに恐縮である。私はきょうは河野さんへの激励演説をしておるわけです。それは見込みがあるからこそ言っておるのです。見込みのないむすこに小言を言う母親というのはいない。私は河野さんよりずっと後輩ですから、先輩に礼を尽くしつつ、自分の経験からみてこれを黙っておるわけにいかぬ。そうして賃金のベースアップだけをわが総評の友は言っておるけれ
ども、
あとは安保、安保——安保も大事でしょう。しかし住宅問題のためにデモンストレーションするくらいの社会党になったら、諸君は、そろそろ与党はあぶないということを
考えなければならぬ。(笑声)住宅問題の深刻さというものは実に切実なものであって、三等重役になってもなお、娘の結婚、むすこの結婚のときには困るのです。これは住宅問題の解決なくしては一切解決はいたしません。
語るべきことはおおむね語りまして、時間がありません。
委員長はもう注意を与えたいというような御様子でございますから、
質問します。
ただいま私が申し上げたことのうち、まず住宅公団の単価はでたらめで、わずかばかりの金を出して、そうして建築者を縛ってしまおうとしておる。コーヒー一ぱい飲ませてめかけにしようというような心がけだ。住宅公団も、住宅金融公庫のガールフレンドくらいにはなっていいけれ
ども、お金は少し出すだけです。ほんの三割くらいで、そうして
あとは全部縛ってしまう。人のふんどしで相撲をとるということばがありますが、あまり合理的かつ礼儀正しいことではないので、もう少し検討する必要があります。単価の問題、頭金の問題、それから権利金と称するもの——あれは権利金ではありません。下部機構が非常に金がかかるようになる。住宅公団の六階、七階をささえる下部機構の助成金のようなものです。広告塔まで取り上げてしまおうとしておりますが、これは不合理だと思います。
それから庭園の問題については今後指導してもらいたいし、また契約のときの条件についても話せばいいでしょう。月五十円くらい庭園費を出してもらって、庭園をつくり、国民の情操を養い、町をもっと美しくする。
それから
固定資産税の問題ですが、これは二つあるのです。これはまた別の席で言いますが、
大蔵省の諸君も来ておりますから、要点だけ申しますが、収益を本位とするものに対しては多少理由もあります。しかし本来は所得税でとるべきものだ。しかし自分の住んでいる家は、どんなに高くなっても高くなっただけ迷惑です。そうしてその
あとは子供が住み、未亡人が住むのです。したがって一定面積の自分の家には、相続税や過度の
固定資産税はかけるべきではないと思います。特に相続税に至っては、未亡人の涙に追い打ちをかけるような無礼な行為であると思っておりますから、御研究を願います。
それから高層建築を許可することはいいことです。地震に対する条件を厳重にしなければいかぬ。高層建築を、都内だけではなく、東京周辺の駅の近所などには同時に及ぼしていいのではないかと思いますが、これも御検討願います。
それから土建事業は最近非常に発達しました。三十年前には、日本の財界での席次は、最高が銀行屋でした。私はこれは間違っておると思うのです。産業資本家こそがほんとうに努力しておって、銀行屋さんは大事ですけれ
ども、財界では末席でいい。土建は末席のもう一つ下にあったのです。アメリカでは土建事業といえば一位か二位で、財界では尊敬されております。そういうような土建事業にひとつなってもらわなければならぬ。土建事業の海外進出を援助し、研究すべきときがきておると思うのです。日本の土木建築事業は非常に優秀です。それで海外進出も、もう少し
政府が援助すべきときがきたように思います。小さな土建業者の諸君が協同組合をつくることはいいことですが、多少金融か何かの特権を与えてやらなければ、協同組合は動かぬと思いますから、御研究願います。小さな業者はいま穏健な労働組合をつくっております。私は土建の労働組合を見て、非常に着実で感心しております。技能、職人かたぎを尊重せよ、権利を主張するとともに、職人としての義務と責任感を重んぜよというスローガンを見て、私は心を打たれました。したがいまして、土建
関係の日雇い労働者、それから職人さん、この人たちを河野さん、もっとかわいがってやっていただきたい。そうしていま労働力が不足しておりますが、との善良にして職人かたぎのある労働力の培養のために力を注いでいただきたい。よく職人がはっぴを着てバアに行くと、女の子がほれないわけです。こんなことでは困ると思うのです。大工さんとか壁塗りさんとかいうと、女の子が粗末にする。一体これはどこからきておりますか。労働日数が、雨が降ると壁などを塗れませんから、ときとしては一カ月のうらに半分くらいしか働けない者もある。あるいは壁塗り職人は高いといいますけれ
ども、休みの日のことも考慮に置いて、もう少し
建設省のほうで理解を示して、労働省、厚生省をひとつ指導していただきたい。
以上、言うべきことを一応言いましたから、その中で答えたほうがよかろうということは、ひとつ答えていただきたいと思います。そして
あと一分間だけお借りして、不満なことがあったら、その不満な点だけを、一分間、すなわち六十秒の範囲で申しまして、私の
質問を終わりにします。