○原(茂)
分科員 そういう回答でけっこうでございますから、ついでに私の意見をこの点に関して申し上げておきたいのです。
実は団員白目が、
増額することを好むか好まないかは、ちょっと私にもわかりません。しかし、現実の問題としては、消防のために一日
事業場を休む。ただ、自分の収入が減るということを、いままではがまんしていましたが、現在の生活の状況の中からではがまんができないということから、職場においては
団体交渉の一項に加えて、消防出動をしたときには無給無事故扱いにしろ——つい先ごろまではそう言っておりましたのに、最近は有給無事故にしろ。休んで消防に出るということは、地域社会に奉仕するんだ。個人が
負担すべきじゃない。国は一年間わずか千円しか出してくれない。一回の出動に五十円、百円だ。会社は個人よりは
財政負担能力があるはずだ。したがって、会社のほうで有給無事故扱いをしろ、こういうことを、私たちの関連をいたしております労働組合
関係が、
団体交渉の大きな項目の
一つにいまあげ始めているわけですね。したがって、
大臣のその
考えで前向きにお
考えいただければよろしいのですが、このままに放置していきますと、不当に消防の義務を金銭的に
事業場が負うという傾向にこれからなっていきます。そういう趨勢にすでになっていますから、こういう点は、やはりそういうところで
負担をするということが正しいとはおっしゃれないと思いますから、そういう
意味も含めた御検討を至急にやっていただく必要があるんじゃないかと思うのが
一つ。
もう
一つの意見は、やはりもう少し積極的な形でいまの消防団員の奉仕——額の多少によって
仕事をするんではないんだ、こういうことを一応も二応もいままで
考えてきたと思うのですが、現実に団員諸君とほんとうに腹を割って話してみますと、やはり額があまりにも少ないということから、いわゆる奉仕の精神だけに中心を置かずに、自分の働きがこれだけか、いかにもばかにしているが、しかたがない。その地域に住み、一定の年齢に来ながら、万が一団員をおれはいやだというと、村八分ではないけれ
ども、あいつはずいぶんエゴイストだ、こういう非難を受けるから、しかたなしに消防団員になっているんだ。そういう気持ちのほうが、実はいまの団員の心を決定的に支配しているのです。こういう人間に、緊急事態が起きるというときに——水あるいは火その他地震とか、いろいろありますけれ
ども、こういう方々に一体危険な、しかも命をある
意味では投げ出すような
仕事についていただこう。そういうことを通じて地域社会の安寧秩序というものを保ちたい。国の立場でいうなら、当然大きな不時の災害なんかが起きたときに、これをどこかで手を出して救うものがなければ困るわけですから、そういう点からいいますなら、それにもっと積極的に一あまり奉仕精神ということにたよらないで、思い切ったいわゆる処遇、
待遇の
改善というものを
考えていく必要がある。最小限度一年間こういうような重要な義務を負っていただくわけですから、これは私の意見なのですが、年間に最低一万二千円という
金額はお出しする。一回の出動に対しては少なくとも五百円を出す。これは当然のことだと思うのです。そのくらいの前向きな積極的な姿勢でこの問題の御検討をお願いしたいということ、二つ意見を添えて、
先ほど今後検討していただくということにあわせてお願いをしておきたい、こう思います。
二つ目にお伺いしたいのは、現在消防活動が行なわれているわけなのですが、特に
都市における消防について、これはしろうとでよくわかりませんけれ
ども、私
どもが
考えますと、どうもこういう点が隘路になって、いまの消防自体が満足にいっていないのじゃないだろうか。こういうようなことも実は
考えるわけです。たとえば、これは機具の問題で私はよくわかりませんけれ
ども、現在消防活動をしようとするときに、何が隘路になるかという問題、毎日通ってくるのに私たちも経験しているわけですが、道路の狭隘といいますか、混雑というものも消防活動にとっては重要な
一つの障害になっているのじゃないか、こういうふうに
考えたわけです。したがって、この消防活動というものを中心にして
考えたときには、やはりある
程度道路に——特別消防道路をつくれとは言いませんけれ
ども、現在の道路
行政というものの中に消防の立場を取り入れた道路
行政、いま新たに五カ年
計画ができていろいろ審議をしているようでございますが、この道路の策定なりあるいは
実施するという
計画をつくるときに消防活動というものも念頭に置いた上で道路
行政というものが国の立場で組まれているのか、ひとつ聞きたいわけです。こういう問題はいまの問題でございますし、将来火災その他もだんだん大型化する——大型化するというのはおかしいですが、どういう表現をすればいいかわかりませんが、ちゃちな火災ではなくて、いよいよ燃えたというときには、デパートその他を
考えた場合に相当大きな規模になるように思います。そういうことを
考えますと、道路
行政というものの中に
自治大臣の立場で消防活動というものもやはり考慮に入れたいわゆる
計画の策定が必要ではないか。そういう点をお
考えになっているかどうか。