○川俣
分科員 大体それでけっこうでございますが、
一つだけ念を押しておきたいと思う。出資する三菱の方面から、採算が合わないようだから提携できないということで断わられるなら、これはある
程度やむを得ないのじゃないかと思う。いま申し上げたとおり、それでよろしいということになるが、
計画が変更したというのは、
政府の感情からと申しますか、これは私は通産省の意向が強いのじゃないかと思うのです。いままで無理に八幡に勧誘した手前上、それと競争
関係に立つ立場というものをできるだけ抑えていかなければならぬという
気持ちが抑えているのじゃないかというふうにも
理解されるわけですね。八幡のほうは八幡自身の
計画じゃないのです。通産省が大いに日本の特殊鋼の将来を
考えて盛んに強要していって
計画を立てた。それと対立させては困る、それが通産当局の
考えでないかとかんぐるわけです。そうすると、これは企画庁はよほど
考えなければいかぬ。また、通産省がこういうことをやり出したということを警戒しなければならないのじゃないかと私は思う。ですから、無理に監督官庁が勧誘して入れた。その勧誘がうまくいかないと成績に影響するということで、もう少し
条件をよくしてやろう、対立したものを解消してやろう、こういうことからむつ製鉄に犠牲を払わせるということになったならば行政ではない、それを
調整するのが企画庁だと私は思う。そういう
意味で特に大臣に
質問しておるわけです。財界あるいは
産業界が協力しないというならば、どうも
政府の案に甘いところがあったのではないか、あったかもしれぬから再
検討するということになるのもやむを得ないと思う。これは今度は東北
開発の
計画ばかりではないのです。
産業界と提携しての
計画だ。その
計画を
産業界で認めないというならば別にして、それならもう一ぺん再
検討せいということもあり得てもやむを得ないと思うのです。そうじゃないのです。資金なんかのほうも、販売の上から言っても、そういうルートを持ったものと提携しなければならないということなんです。ところが、提携できたわ、だめだわというのでは何にもならぬと思うのです。
そういう
意味で、むつ製鉄については、かなり東北
開発、むつ製鉄も合わせて、資料の
整備あるいは電力会社との交渉等、いろいろな行動を開始して相当な経費をかけて、これがみんなよそに移りましても欠損になってくるわけです。そういういまの赤字を出す要因をみずからつくっておるんじゃないか。これがみんな赤字になるのです。
事業になれば必ずしも赤字ではないけれ
ども、
事業をしないでやめたということになれば、大きな赤字の要因になるわけです。せっかく再建
計画に入っていながら、あらためてまた赤字を起こさせるというようなことは慎まなければならぬのではないかと思うのです。また別の時代が来る、局長がかわるというと、この赤字は何だ、こういうことになる。いまの鹿野さんの時代は、自分が出させた赤字ですから文句は言わぬでしょうけれ
ども、また局長がかわると、ずさんだ、この赤字は何だ、必ずこういうことになると思うのです。従来から見てもそうですね。局長がかわると赤字の問題が非常に強く出てくる。いまの鹿野さんの時代は、これはやめさした手前から、これでできた赤字だなんていうことは、どんなに心臓が強くても言い得ないと思うのです。別な時代になってごらんなさい。この赤字は何だということになるのです。これが今日までの東北
開発の
一つの欠陥であったと思うのです。もう一ぺんこういうことにならぬようにしなければならぬのではないか。再建
計画はけっこうです。けっこうですけれ
ども、せっかく再建
計画をして赤字解消に入っているときに、また新たなる赤字というような要因をみずからつくり出すことについては、十分警戒しなければならない、こういうことです。先ほどから申し上げたように、あの辺の土地買収からいろんなことが行なわれて、これは思惑ではありましょうけれ
ども、むつの土地が非常に上がってきたのです。これはむつ製鉄ができるということを見通して上がってきたんじゃないかと思うのです。これで買った者は非常な打撃を受け、しかも下北半島の
経済に非常に大きな打撃を与えるという結果になって、
国民の恨みを買うことはなはだ大きいと思うのです。どうか、そういう
意味で、無責任な
計画にならないように。
計画をしたからにはやはり遂行できるような
計画でなければならぬ。これが、会社がかってに
計画したなら別ですよ。全部企画庁の意見を参照して、その意見に従わなければ許可にならない
条件なんです。みずからの
計画にひとしいような
計画なんです。それをやめた、責任も、会社が負わなければならないということは、きわめて無責任だと思うのです。これは企画庁の責任なんです。それじゃ企画庁はどれだけの責任を負うかというと、自分の金じゃないのですよ。全部
国民の金ですから、こういう無
計画のことをさしてはならないのではないかと思うのです。一段の改正を願って、私の
質問を終わりたいと思います。
それから、東北
開発のセメント工場から起こります
公害ですね。いわゆる灰じんと申しますか、煙とともに灰が降ってまいります。農作物に与える被害は甚大だということで問題になっております。岩手大学でも
調査しておりますが、これは、学者ですから、被害があることは認めておりますけれ
ども、どの
程度の被害であるかということは逃げております。ところが、会社へ行ってみますると、被害があるかないかわからないということでございますが、あるかないかわからないならば、風の
方向であるとか、あるいは曇りのとき、雨のときはどれくらいかと
調査しておるかというと、全然ない。こういう灰じんというのは、風の
方向、風が非常に強ければ付近には落ちないで遠くへ散布する。そういう
調査がなければならないはずなんですが、全然ないですね。ただ、ないないと逃げておるだけでございまして、抗弁するような資料はない。民間会社でありまするならば、当然この
公害に対して補償をしておられるわけなんです。たとえ善意で工場を経営しておるとも、あるいは国策会社であろうとも、被害を与えたならば、その被害をなくしなければならぬ。一番いいのは、補償するのではなくて、被害の起こらないように集じん装置を設備することが一番いいでしょう。そういうことの予算もなかなか与えないということなんです。人に被害を与えるようなことについては、やはり
公害を取り締まるのでありまするから、当然予算化についても企画庁は誠意を持って見てやらなければならないと思うのですが、三十七年度には集じん設備をする、三十八年にはやる、三十九年度はやると逃げて回っておりますが、一向に予算化されていないということで、農林商はたいへん激憤しておるようですが、企画庁はどういうふうにお
考えでしょうか。これは、民間
企業であろうと公益
企業であろうと、やはり被害を与えないような設備をすることが近代的でもあるし、また、そうすべきだと思うのですが、いかようにお
考えになりますか。