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川俣分科員 まことにけっこうな
答弁でございます。そのとおりでよろしいと思います。しかし、これはあなた伏線がありますよ。あなたはおそらくそういう
答弁をするだろうと期待して
質問をしたんです。
一つ問題点が出てまいりますのは、私が聞いているのは、三十七年度産米、すなわち三十八年度の決算の見込みが高か過ぎると、こういうことなんですが、それよりもまして本質論は、あなたの言われたとおりなんです。というのは、倉庫のために食管制度があるわけではない、米を
統制しているわけではない。そのとおり。倉庫の
経営を
考えてやったんじゃなくて、全く米の
需給事情のために倉庫を活用するだけだということですね。そのとおりなんです。そのとおりでいいのです。したがって、それは
食糧行政上の要請に基づくものでございましょう。倉庫のためじゃなくて、
食糧行政上保管を長くしたり短くしたりしなければならないということになるのでありましょう。倉庫のことでなくて、
食糧行政上の問題だ、私はそういうふうに思う。それならば、行政上の必要でそういう処置をとるならば、この保管料というものは
一般会計で見る、いわゆる行政費で見るという
考え方が出てきてもいいんじゃないか。長く置くか、短く置くかということが
食糧行政上必要だということになりまするならば、
政策的なものだということになりまするならば、これらはいわゆる行政費として見ていいのではないか。すなわち、保管料というものは、全額は別にしても半額くらいは行政費として見て、初めから
一般会計で負担をするという会計の立て方をするならば、世間で騒がれるような赤字というものがかなり解消されてくるであろうと思います。
もう
一つ、この際言いますけれども、事務人件費もやはり行政費だと思います。たとえば、これからの成長
農業でありまする果樹にいたしましても、あるいは畜産物にいたしましても、これらの
生産価格、あるいは
消費価格というものにすべて行政費を加算して
価格を見るんだということになっていないと思います。これはまあ奨励する
意味からです。かつて畜産局は、競馬の益金で運営をしたことがありまするけれども、そういうことでは今後の畜産行政はやれない。そこで、三十九年度
予算を見ましても、畜産行政については画期的な
予算の増額ができたということは、本腰を
農林省が入れたものとして敬意を表しまするけれども、みんな
消費者にこの行政費を負担させるような
考え方で畜産行政をやりましたら、それは失敗するだろうことは明らかです。警察の費用をどろぼうに負担させるとか、強盗に負担させるというわけにはいきません。刑務所に入れて、かかった経費分を全部負担せいというわけにはいかない。これはその
国民そのものを罰するということも
一つの社会
政策として必要でしょうけれども、
一つは、社会不安を除くという行政費であるから、
一般会計が負担をしておるのであろうと思います。あるいは消防署にしても、火事は起きないけれども、起こさないような予防
措置を講ずる、社会不安を除くということで、これもかなり行政費が入っております。
食糧が、
主食が、ことに今年のように
不足を来たしておるような
傾向のときには、これは行政費として活躍しなければならないときだと思います。そういう
意味からいって、事務人件費も、全額か半額か三分の二を補助するかどうかは別にいたしまして、
農業団体にすら、普及員の職員に対して三分の二の国庫補助をしておる、そうでしょう。自分のところは団体にすら出しておる。それは
農業政策上必要だからです。そうなったら、
食糧はさらに必要だということになるんじゃないですか。あなた方、この
前文の説明どおりにしまするというと、これは
日本の経済全体に対して重要な役割を果たしておるわけであります。これは経済を支配する力を持っておる。それほど必要な行政でありまするなら、これは行政費で見る。それを全部見るか、三分の二負担するか、あるいは二分の一負担するか、これは別ですよ。私は全額負担すべきだと思いまするけれども、過渡的に他の団体と同じように、普及員と同じように三分の一を負担する、あるいは三分の二を負担するという
考え方は不当な
考え方では私はないと思う。というのは、大蔵省は、従来は、それはわかる、結局は赤字として
一般会計から繰り入れるんだから、初めから繰り入れておかないでもいいだろう。どうせ赤字が出るのだから、出たときに始末をしたらいいじゃないかというのが、大体いままでの大蔵省の言い分です。私は大蔵省にかわって言うと、そういう
答弁を従来しているわけです。そうじゃなくて、初めから計画の中に入れて、それでも赤字が出た場合には、この赤字をどうするかということが検討さるべきだと思うのです。そこで、初めて、これは
消費者に負担させるべきか、あるいは
一般会計で負担すべきかという問題が出てくる。そういう整理をしておくべきときにきたのじゃないか。いままで食管会計の中では、調整
資金などを設けた改正を行なっておりまするけれども、あれはまだ
ほんとうの大福帳的なものですよ。本来のすっきりした姿になっていないじゃないか。そういう
意味では、別なことばで言うならば、はっきりその方針をきめて、そこで、出すべきものを初めから出しておくんだ。それで
不足した場合には、これ以上は
政府に負担をかけられないから
消費者にかけるかどうか。
消費者にかけることがあまりにも大きい場合には、社会不安を起こすおそれがある、あるいは経済に非常に大きな影響がある、そういうことになると、そこで初めて、さらに
一般会計から補てんをするかどうかという問題が起きる。私は、財政のたてまえからいっても、そう整理すべきが当然だと思うが、
食糧庁長官のお
考えがあったら聞きたいし、これに対し、これは
政策的な面がありますから、
大臣にもお伺いしたい。