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1964-02-17 第46回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和三十九年二月十五日(土曜日)委 員会において設置することに決した。 二月十五日  本分科員委員会において、次の通り選任され  た。       荒舩清十郎君    安藤  覺君       井出一太郎君    仮谷 忠男君       櫻内 義雄君    周東 英雄君       松浦周太郎君    淡谷 悠藏君       加藤 清二君    川俣 清音君       多賀谷真稔君    小平  忠君 同日  松浦周太郎君が委員会において主査に選任され  た。     ————————————— 昭和三十九年二月十七日(月曜日)     午前十時十九分開議  出席分科員    主査 松浦周太郎君       荒舩清十郎君    安藤  覺君       仮谷 忠男君    櫻内 義雄君       周東 英雄君    渡辺 栄一君       淡谷 悠藏君    加藤 清二君       多賀谷真稔君    小平  忠君  出席国務大臣         農 林 大 臣 赤城 宗徳君         通商産業大臣  福田  一君         国 務 大 臣 宮澤 喜一君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁長         官官房会計課         長)      佐藤 二郎君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (大臣官房予算         課長)     太田 康二君         食糧庁長官   斎藤  誠君         水産庁長官   庄野五一郎君         通商産業事務官         (大臣官房参事         官)      宮澤 鉄藏君         通商産業事務官         (大臣官房会計         課長)     金井多喜男君     ————————————— 二月十七日  分科員井出一太郎君及び小平忠委員辞任につ  き、その補欠として渡辺栄一君及び山下榮二君  が委員長指名分科員に選任された。 同日  分科員渡辺栄一委員辞任につき、その補欠と  して井出一太郎君が委員長指名分科員に選  任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十九年度一般会計予算経済企画庁、農  林省及び通商産業省所管  昭和三十九年度特別会計予算農林省及び通商  産業省所管      ————◇—————
  2. 松浦周太郎

    松浦主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  私が、御推薦により本分科会主査をつとめることに相なりましたから、何とぞよろしく御協力をお願い申し上げます。  本分科会は、昭和三十九年度一般会計予算中、経済企画庁農林省及び通商産業省所管昭和三十九年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管について、審査を行なうこととなっております。  審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承を願います。各位におかれましては、日程どおり審査が進みますよう、開会時間、質疑時間等、特に厳守をお願いいたします。  また、御質疑の方は、あらかじめ主査まで御申し出を願いたいと思います。なお、質疑希望の方が多数にのぼる見込みでありますので、質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度兼務員もしくは交代して分科員となった方は三十分程度にとどめていただきたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松浦周太郎

    松浦主査 さよう御了承願います。  それでは昭和三十九年度一般会計予算中、経済企画庁農林省及び通商産業省所管、並びに昭和三十九年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管を議題といたします。  これより順次説明を求めます。  まず、経済企画庁所管について説明を求めます。経済企画庁長官 宮澤喜一君。
  4. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 昭和三十九年度経済企画庁予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  歳出予算要求総額は一百五十六億六千二百四十七万五千円でありまして、これを前年度予算額二百十一億一千五百二十九万三千円に比較いたしますと、四十五億四千七百十八万二千円の増額となっております。  この増額となりましたおもな理由は、水資源開発事業費において十六億一千二百十七万五千円、離島振興関係事業費において十二億七千八百七十五万三千円、国土総合開発難業調整費において八億五千万円、新産業都市等建設事業調整費において五億五千万円、国土調査費において一億六千九百五十九万八千円、それぞれ増額になりましたことなどによるものであります。  次に、経費の内訳を申し上げます。  第一に、経済企画庁の項では、要求額は六億五千一盲十七万三千円でありまして、前年度の五億七千四百五万二千円に比較いたしますと、七千九百十二万一千円の増額となっております。  この要求経費内容を御説明申し上げますと、人件費四億一百九十五万三千円と事務費二億五千一百二十二万円であります。  この事務費は、一般庁務の運営に必要な経費六千八百二十五万八千円、並びに次に申し上げる内容のものであります。  その一は、年次経済計画及び経済運営基本方針策定海外経済協力及びOECD関係事務等に関する経費として一千一百五十六万八千円を計上しております。  その二は、国民生活向上、物価の安定等に関する経費として、四千三十八万一千円を計上しております。この中には、一昨年設立されました国民生活研究所育成充実をはかるため、同研究所に対する補助金三千二百十六万四千円が含まれております。  また、最近における国民生活行政重要性増大にかんがみまして、合理的な生活水準及び生活構造策定を進めるとともに、物価安定のための施策拡充強化するほか、消費者保護生活環境整備等、諸般の国民生活行政を強力に推進するため、新たに国民生活局を設置し、このために二十名の増員を計画しております。  その三は、長期経済計画に関する経費でありますが、これには経済審議会等運営及び長期経済計画に関する経費としまして、二千八百七十二万五千円を計上しております。  経済審議会におきましては、昨年来総合的な国民所得倍増計画中間検討を行なってまいりましたが、その報告書の趣旨に沿いまして、去る一月二十一日、総理大臣から経済審議会会長に対し、「国民所得倍増計画の残された期間における中期経済計画いかん」という諮問がなされました。したがいまして、三十九年度は、この諮問に対する答申の作業といたしまして、それを受けて中期経済計画策定をいたすことにしております。  その四は、国土総合開発に必要な経費といたしまして、二千七百七十四万六千円を計上しております。  御承知のように、国土総合開発に関する施策は、新産業都市建設促進し、あるいは開発のおくれた地域産業を振興することによって、大都市における人口及び産業の過度の集中を防止するとともに、地域格差の是正につとめ、国民生活均衡ある発展をはかろうとするものであります。このための経費といたしまして、国土総合開発審議会関係経費豪雪地帯対策特殊土壌地帯対策地盤沈下対策、台風常襲地帯対策等の特殊の地域開発振興に必要な経費東北九州四国中国北陸の各地方開発に必要な経費地方産業開発審議会関係に必要な経費離島振興対策に必要な経費及び拠点開発調査に要する経費を計上しております。  その五は、水資源関係経費であります。産業の急速な発展都市人口増加に伴う水需要増大に対応して、水資源開発確保するための経費、並びに公共用水域水質保全に関する経費といたしまして、三千二百六十八万二千円を計上しております。  このうち、公共用水域水質保全をはかり、あわせて水質の汚濁に関する紛争の解決に資するため水質審議会運営するほか、水質調査及びそれに基づく水域の指定並びに水質基準設定等に必要な経費としまして、二千九百九十七万五千円を計上しております。  なお、水資源開発公団に対し、前年度に引き続き同額出資金二億円が、大蔵省所管政府出資金の項に計上されております。  その六は、内外経済事情調査に関する経費であります。  国内及び海外経済動向を的確に把握し、また、経済白書等報告書及び統計資料を作成するなど、経済動向調査分析に必要な経費として、四千一百八十六万円を計上しております。  第二に、土地調査費の項では、要求額は七億二千五百万円でありまして、前年度の五億五千五百四十万二千円に比較いたしますと、一億六千九百五十九万八千円の増額となっております。  この増額となりましたおもな理由は、国土調査事業十カ年計画に基づく第二年度分としての地籍調査規模増加したことによる補助金が、一億六千九十五万五千円増額となったためであります。  要求額内容を申し上げますと、基準点測量に要する経費として二千七百六十一万円、地籍調査に要する経費として六億八千一百一万円、土地分類調査水文資料整備に要する経費として一千六百五万三千円となっております。  第三に、経済研究所の項では、要求額は六千八百八十五万八千円でありまして、前年度の六千一百三十二万三千円に比較いたしますと、七百五十三万五千円の増額となっております。  この増額のおもな理由は、国民経済計算に関する経費増額となったためであります。  経済研究所経費内容を御説明申し上げますと、人件費四千七百四十五万三千円と事務費二千一百四十万五千円であります。この事務費は、経済研究所一般運営費研究調査費でありまして、そのうちの研究調査費内容を申し上げますと、わが国経済構造と循環その他経済の基本的な事項を研究調査するために要する経費、並びに国民経済計算整備改善等に要する経費に大別されます。  第四に、新産業都市等建設事業調整費の項では、要求額は十四億五千万円でありまして、前年度の九億円に比較いたしますと、五億五千万円の増額となっております。  この経費は、新産業都市建設促進法に基づいて指定される区域において実施する建設事業について、各省庁の所管する事業相互間の不均衡調整をはかるために必要な経費と、工業整備特別地域区域内において実施する建設事業について、各省庁の所管する事業相互間の不均衡調整をはかるために必要な経費として使用されるものであります。  第五に、国土総合開発事業調整費の項では、要求額は二十一億円でありまして、前年度の十二億五千万円に比較いたしますと、八億五千万円の増額となっております。  国土開発に関する事業は、各省庁におきましてそれぞれ実施されておりますため、開発事業相互間の事業進捗度に不均衡を来たし、総合的な効果が発揮せられない場合があります。このような場合に、この経費によりこれを調整いたしまして、総合開発効果をあげようとするものであります。調整費使用対象地域は、国土総合開発法に基づく特定地域及び調査地域並びにそれぞれ単独開発立法に基づく東北地方四国地方九州地方中国地方北陸地方首都圏近畿圏、低開発地域工業開発地区豪雪地帯及び産炭地域でございますが、第四で申し上げました新産業都市等建設事業調整費使用対象地域は除かれることになっております。  第六に、地域経済計画調査調整費の項では、前年度と同額の五千万円を要求しております。  この経費は、地域経済計画策定のための調査について、各省庁間の調整をはかり、調査効果を高めるために必要なものであります。  第七は、離島振興事業関係でございますが、離島振興事業費の項では、要求額は六十二億六千二百五十七万六千円、揮発油税等財源離島道路整備事業費の項では、要求額は十三億一千四百万円、合わせまして七十五億七千六百五十七万六千円でありまして、前年度の六十二億九千七百八十二万三千円に比較いたしますと十二億七千八百七十五万三千円の増額となっております。  この経費は、離島振興法に基づきまして、離島振興対策実施地域において、国または地方公共団体実施いたしますところの治山治水道路整備港湾漁港空港農業基盤整備等公共事業及び電気導入事業簡易水道事業等に必要な事業費またはこれを補助するための経費であります。  増額になりましたおもな理由は、離島後進性を除去するために最も重要な施設である道路港湾漁港空港整備などによるものであります。この経費は、経済企画庁に一括計上し、実施にあたりましては各省に移しかえ、または特別会計に繰り入れて使用するものであります。  第八に、水資源開発事業費の項では、要求額は三十億三千八百八十六万八千円でありまして、前年度の十四億二千六百六十九が三千円に比較いたしますと十六億一千二百十七万五千円の増額となっております。  この経費内容を御説明申し上げますと、水資源開発公団が行なう矢木沢ダムほか二つのダム建設事業等に対して公団に交付いたします交付金国庫負担分として治水特別会計に繰り入れるために必要な経費二十三億八千七百八十万五千円と、公団が行なう印旛沼開発事業及び群馬用水建設事業の費用の一部を補助するための経費六億五千一百六万三千円であります。  以上、一般会計予算案概要を御説明いたしましたが、次に、当庁関係財政投融資計画につきまして、簡単に御説明いたしたいと存じます。  まず、東北開発株式会社につきましては、比較的開発のおくれております東北地方経済発展に貢献する産業育成助長目的として経営いたしてまいりましたが、現在経営不振に陥り、所期の目的を果たすことができませんので、三十九年度は、会社の再建をはかることに重点を置くことにいたしております。  三十九年度に措置する事業資金は、前年度に比較して十六億円増の五十億円であります。このため、産業投資特別会計からの出資金十四億円と公募債三十六億円を計画いたしております。  次に、水資源開発公団につきましては、その事業量増大に伴い、総事業費は前年度の九十二億円から、三十九年度は九十七億円増の一百八十九億円を確保することにいたしております。このため、前に申し上げました一般会計からの出資金二億円のほか、財政資金から三十三億円の融資を受けるとともに、公団債二十五億円の公募を予定いたしております。  次に、北海道東北開発公庫につきましては、その資金運用規模は、前年度の二百五十五億円から、三十九年度は二百九十億円に増加しております。そのため、産業投資特別会計からの出資金十億円、財政資金による債券引き受け一百二十億円、公募債一百二十億円のほか、自己資金四十億円を充てることにいたしております。  以上をもちまして、経済企画庁関係予算案並びに財政投融資計画説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして詳細御説明を申し上げたいと存じます。何とぞよろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いいたします。     —————————————
  5. 松浦周太郎

    松浦主査 次に、農林省所管について説明を求めます。赤城農林大臣
  6. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 昭和三十九年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  最初に各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算裏づけとなっております農林水産施策基本方針について申し上げたいと存じます。  まず、わが国農業の最近における動向は、一月二十四日にこの国会に提出いたしました「昭和三十八年度農業動向に関する年次報告」にも明らかなように、昭和三十七年度におきましては、米の増産、畜産物生産の著しい伸長等による農業生産増大需要伸びによる農産物価格の上昇などを反映して、農業所得は前年度に比較して相当の増加を示し、農業従事者生活水準は、農外所得増加もあって、おおむね順調に向上しております。  また、農業経営を積極的に高度化し、商い所得を上げる農家が次第に力強く形成されつつありますことも、注目されるところであります。  一方、製造業等産業伸び景気調整の影響で鈍くなったこともありまして、農業のこれに対する比較生産性も、近年の傾向と異なりやや上昇し、生産性格差がわずかながら縮小いたしました。  このように、農業生産性及び農業従事者生活水準は、おおむね順調に向上いたしておりますものの、なお、農業と他廃業との生産性及び生活水準格差は相当著しいものがあります。  このような動向に対処して、農業の一そうの発展をはかるためには、生産性向上経営合理化を指向して、農業近代化を強力に推進することがきわめて重要であると考えられるのであります。以上の点は、事情に若干の差はありましても、林業及び漁業についてほぼ同様であると思われます。  さらに、農林漁業をめぐる国際情勢に眼を転じますと、IMF八条国への移行をほじめ、ガット、国連等での関税一括引き下げや低開発国貿易促進動き等開放経済体制への移行を求める国際的要請が強まりつつある現状にかんがみまして、今後農林水産物につきましても、輸入の自由化拡大関税引き下げなどの要請が強くなると予想されるのであります。  このような情勢に対処するためには、国際交渉の場において、わが国農林漁業特殊性現状について十分説明し、諸国の理解と協力を得られるよう努力いたすのはもちろんのことでありますが、基本的には農林水産物生産流通、加工の各部面を通じ、早急にその生産性向上し、国際競争力を強化することが必要であると考えます。この意味におきましても、農林漁業構造改善をはかり、その近代化を強力に推進することが、重要な課題となるわけであります。もとより、農林漁業近代化施策は、その性格上、短期間に成果が容易にあらわれるというものではありませんが、近代化が推進されることによって、農林漁業が青少年の夢を託するに足る産業となり、また国民に良質な食糧等を豊富に供給するという重要な使命を果たすことができると信ずるものであります。  以上のような考え方に基づきまして、昭和三十九年度におきましては、農林漁業生産基盤整備生産選択的拡大経営近代化価格の安定、流通合理化等農林漁業近代化をはかる上において重要と考えられる諸施策相互に連係をとりつつ推進することとし、農林漁業者が安んじてその経営改善に邁進できるよう、基本的諸条件を着々整備いたしてまいりたいと考えております。  このようなことを基本方針といたしまして、昭和三十九年度予算を編成した次第であります。  まず、一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては、三千三十一億円となっておりますが、これに総理府大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は、三千三百六十億円となります。これを昭和三十八年度第二次補正後の予算二千九百八十四億円に比較いたしますと、三百七十六億円の増加となっております。なお、前年度の経費で減額となりますものが、農業保険費災害復旧事業費等合計約百九十億円あります。  三百七十六億円にこの百九十億円を加えて約五百六十六億円が実質的な増加額となっているわけであります。  以下農林関係予算重要事項についてその概要を御説明申し上げます。  三十九年度予算編成にあたり、もっとも力を入れましたものは、農林漁業生産基盤整備事業農林漁業構造改善事業農林漁業近代化資金的裏づけとしましての金融対策及び農林水産物流通改善価格安定措置であります。  第一に、農林漁業生産基盤整備事業について申し上げます。  農業基盤整備関係としては、総額七百七十三億四千七百万円を計上しております。土地改良で四百七十億二千六百万円、干拓で百二十八億三千二百万円、農用地開発で百七十三億八千九百万円等であります。これらの事業のうち、特に前年度新設された圃場整備事業につきましては、機械化農業を強力に推進するため、その事業量を大幅に増加することとし、総額において前年度の約三倍の二十二億四千七百万円を計上いたしました。また、今後における畜産振興上不可欠の要件である飼料自給度向上をはかるための草地改良事業につきましても、補助率引き上げ事業量の大幅な拡充をはかるほか、各事業を通じその計画的かつ効率的な実施をはかるとともに、積極的に新規地区の採択を行なうことといたしております。このほか、生産性向上畑作振興に資するため農道及び畑地かんがいの各事業について、補助率引き上げ措置を講ずることといたしております。  林業に関しましては、林道の開設、改良につきましてその積極的な推進をはかるため、総額五十億九千八百万円の経費を計上いたしておりますが、三十九年度におきましては、山村振興林道について補助率引き上げを行なう等事業の一そうの充実をはかる所存であります。また、災害の発生を防止し、国土保全を期するため、治山事業拡充実施に要する経費として百四十六億一千三百万円、今後における木材需要増大に対処し、森林資源維持培養をはかるための造林事業に要する経費として六十三億二千六百万円をそれぞれ計上いたしております。  漁業に関しましては、漁港整備について、今後における漁業発展基盤を造成するため、計画に基づき、修築事業重点的実施をはかるとともに、改修事業及び局部改良事業とあわせて漁港施設整備拡充をはかることとし、総額八十二億七千五百万円を計上いたしました。また、漁場整備開発を積極的にはかるため、引き続き大型魚礁設置専業を推進することとし、三億八千二百万円を計上いたしております。  第二に、農林漁業構造改善事業について申し上げます。まず農業構造改善促進対策費としては百三十五億九千二百万円を計上し、新規実施地域を四百とし、前年度からの継続分とあわせ土地基盤整備経営近代化施設導入等構造改善に必要な事業総合的実施をはかることとしました。なお、三十九年度からはすでに事業実施中の市町村であっても実施地区以外の地区条件の整っているところについては、新たに事業に着手することを認めるとともに、一地域当たり融資単独事業融資ワクを二千万円から三千万円に増額する等、本事業内容充実をはかることとしております。  林業につきましても林業生産性向上林業従事者所得向上をはかるため、構造改善を積極的に推進することとしました。すなわち、三十九年度は初年度として九十二の地域を指定し、その計画樹立費に対する助成を行なう等所要経費二千五百万円を計上いたしております。  また、沿岸漁業構造改善対策費としては十三億七千五百万円を計上し、漁場利用高度化経営近代化等その構造改善を引き続き推進する所存であります。  第三に、農林漁業近代化を強力に推進するため、農林漁業金融制度拡充改善をはかることといたしました。  まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業基盤整備構造改善経営拡大等に必要な長期低利資金増額をはかるとともに、貸し付け条件を大幅に改善簡素化することといたしております。すなわち、三十九年度の新規貸し付け計画額は、前年度に比し二百億円増の千七十億円とし、同公庫に対し三百五億円の追加出資をすることといたしました。貸し付け金利につきましては、従来三分五厘から七分五厘まで九段階に分かれていた金利体系を、原則として三分五厘、五分、六分五厘及び七分五厘の四段階に整理いたしますとともに、三分五厘の低利資金を前年度の約二・四倍、四百四十五億円と画期的に増額いたしました。貸し付け期間につきましても、従来の十三段階原則段階改善整理するとともに、土地改良資金等について、貸し付け期間を延長することといたしております。  次に、農業近代化資金について申し上げます。本制度につきましては最近における農業者資金需要実情等にかんがみ、貸し付け資金ワクを六百億円に拡大することといたしました。このため農業近代化助成資金に百億円の追加繰り入れを行なうとともに、利子補給に必要な経費十七億五千五百万円を計上したほか、都道府県農業信用基金協会に対し八億五千六百万円の出資補助を行なうこととしております。  また、無利子の農業改良資金制度につきましては、新たに農業経営の後継者たるべき農村青少年が、みずから特定の部門の経営を開始するのに必要な農業後継者育成資金と、農家生活の改善促進するための合理的生活方式の導入に必要な資金とを加え、その内容を抜本的に拡充強化することとしました。なお、三十九年度における貸し付けワクは、前年度の約二・五倍の四十五億四千五百万円を予定いたしております。  なお、林業に関しましては、林業信用基金に対し三億五千万円の追加出資を行なうとともに、漁業につきましても、沿岸漁業者及び水産加工業者に対する金融の円滑化に資するため、中小漁業融資保証制度改善を行なうこととしております。  第四に、農林水産物流通合理化価格の安定に関する予算について申し上げます。  まず、家畜、畜産物につきましては、食肉、食鶏、牛乳等について産地における出荷、処理施設、消費地における処理保管施設等の設置を助成するほか、国内産牛乳の学校給食への供給量を四十万石に拡大してその計画的供給をはかるとともに、子豚の生産安定措置を講ずる等畜産振興事業団が行なう助成事業充実することとし、以上に要する経費として総額二十二億八千四百万円を計上いたしました。  青果物につきましては、野菜の安定的供給を確保するための指定産地制度について、京浜、京阪神および名古屋市場向けの産地を追加する等これを拡充強化するとともに、カンランについての生産安定事業充実することとし、これらに必要な経費八千二百万円を計上いたしております。  次に、水産物につきましては、引き続き産地における貯蔵、運搬及び加工施設整備を進めるとともに、新たに生鮮魚類の容器改善事業と冷凍魚の普及宣伝事業に対して助成することとしました。これら水産物の流通対策費として二億七千三百万円を計上しております。  このほか、中央卸売市場についてもその施設整備を強力に推進することとし、所要経費三億七千万円を計上いたしております。また、生鮮食料品の価格形成の合理化促進するため、新たに東京都に生鮮食料品総合小売市場を設置する等小売り段階における流通改善のための経費として二億七千九百万円を計上いたしました。  農産物の価格安定に関しましては、米、麦、でん粉、畜産物、繭糸、大豆、なたね及び甘味資源関連農作物等について、食糧管理特別会計畜産振興事業団、糸価安定特別会計等の制度により価格の安定と所得の確保の措置を講ずることとしました。これに伴い一般会計からの食糧管理特別会計への繰り入れ九百九十億円、畜産振興事業団出資四億円のほか、大豆なたね交付金七億円等を計上いたしております。  以上のほか、できるだけ簡潔に農業林業および漁業施策について触れてまいりたいと存じます。  まず農業生産選択的拡大に関する予算について申し上げます。  畜産関係につきましては、生産振興対策費として、二十九億二千四百万円を計上しました。これは、飼料自給度向上及び飼養規模拡大を目途として家畜の導入、施設等の整備充実するとともに、家畜改良増殖の推進体制の強化等を行なうものであります。このほか、農林漁業金融公庫の畜産経営拡大資金の融資額を四十億円に拡充しております。  果樹農業生産振興につきましては、農林漁業金融公庫の果樹植栽・育成資金の融資額を四十億円に拡充したほか、ブルドーザーによる適地における果樹園造成の合理化促進事業を新たに行なう等、計画的、集団的な果樹園経営育成するための措置を講ずることとして九千一百万円を計上しております。  野菜の生産振興につきましては、今後需要増大すると見込まれるカンラン、トマト及びキュウリについて、先ほど申し述べました野菜指定産地におきまして生産合理化事業を新たに行なう等所要経費二千万円を計上いたしました。  さらに、てん菜等の甘味資源作物につきましては、粗糖の輸入自由化に対処して、生産性向上につとめつつ、生産の振興をはかることとし、所要経費十二億四千二百万円を計上いたしました。このほか、てん菜及びサトウキビについて、生産基盤整備するために行なう土地改良事業費十三億四千五百万円を予定しております。また、養蚕生産合理化につきましては、上簇過程の省力化を進めるため、新たに、自然上簇の技術の普及について助成する等二千二百万円を計上いたしております。  次に、農業生産性向上と総生産増大に関する予算について、そのおもなものにつき申し上げます。  まず、生産性向上のための農業機械化の促進については、新たにコンバインの導入等について助成するほか、各種大型機械の導入、ヘリコプターの利用事業等を引き続き拡充実施することとし、総額八億三千四百万円を計上しております。  試験研究の整備強化のための予算としては、農業関係で六十九億八千三百万円を計上いたしました。その重点は、水田作をはじめとする機械化作業体系の確立と畜産、園芸及び利用加工の分野に置くこととしております。また、基礎的研究を充実するためその一環として植物ウィルス研究所の新設を行なうほか、北海道農業試験場に草地開発部、農事試験場に山地支場を新設する等の措置を講じております。  さらに、農業技術の普及につきましては、生活改良普及員等の増員、研修の強化、生活改善技術館の拡充等により、農業改良普及事業充実強化をはかることとし、三十七億四千二百万円を計上いたしました。  また、新たに畜産コンサルタントを設置する等畜産経営技術指導に要する経費九千六百万円、蚕糸技術の改良普及に要する経費五億四千万円を計上するとともに、蚕業技術指導所職員に対し、農業改良普及職員と同様普及手当を支給することといたしております。なお、開拓営農指導員、林業普及指導職員及び水産業改良普及職員に対しましても、これと同様普及手当を支給する措置を講じております。  以上申し述べましたもののほか、次代をになう農業経営者の養成のため、農業講習所、経営伝習農場等各種研修施設整備を引き続き実施することとし、これらに要する経費三億八千八百万円を計上しました。なお、文部省予算で、大規模な圃場、機械施設を持つモデル農業教育施設の設置を行なう等、農業高等学校等における農業教育内容近代化充実をはかることとしております。また、開拓地の営農振興のための経費十五億一千六百万円、その他所要の経費を計上し、従来から継続実施しております各種の施策についても、その充実と円滑な推進をはかりたいと存じます。  次に、林業についての施策を遂行するための予算といたしましては、前に申し述べましたもののほか、近代的機械の導入と協業化の促進、木炭事業合理化対策等、林業経営改善をはかるため一億五千七百万円を計上いたしますとともに、別に入り会い林野の土地利用の高度化林業経営基盤強化に資するため、新たに入り会い林野整備促進事業実施することとしております。また、森林資源の維持増強をはかるため、森林計画制度充実、保安林整備管理の強化等を行なうこととして八億二千七百万円、林業の試験研究及び普及指導事業の強化のため十三億八千二百万円を計上し、それぞれ施策の強化をはかっております。  水産業についての施策といたしましては、すでに述べましたとおり、基盤整備事業沿岸漁業構造改善流通改善等のための施策を推進してまいりますが、このほか、漁業共済についてその制度化をはかることとし、漁業共済団体の組織の整備、共済掛け金の一部国庫補助及び漁業共済基金の設置等に必要な経費として五億四千四百万円を計上いたしました。さらに、新たに漁況海況予報事業実施することとし、三千三百万円を計上いたしました。また、水産資源の保護培養対策としては、六億三千一百万円を計上いたしまして、従来の各施策拡充強化をはかるとともに、新たに内水面の地域振興対策に着手することとしております。このほか、試験研究の強化に六億九千一百万円、改良普及事業拡充に九千三百万円、漁村青壮年実践活動促進費として二千万円を計上いたしております。  以上申し上げましたもののほか、重要な施策といたしまして、農業災害補償制度については、第四十三国会で成立した改正法に従い所要の経費を計上することとしました。特に農家負担の軽減をはかるため、農家負担掛金調整補助金、水稲病虫害防止費補助金の交付及び農業共済団体等の事務費に対する国庫負担の増額等を行なうこととし、これらに必要な経費として総額百六十億一千七百万円を計上いたしております。また、災害復旧、海岸事業災害対策公共事業に要する経費といたしましては二百六億七千二百万円を計上いたし、災害による国土荒廃の防止、被災地等の復旧を促進する所存であります。  以上で昭和三十九年度農林関係一般会計予算概要についての説明を終わります。  次に、昭亜三十九年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  第一に食糧管理特別会計について申し上げます。  まず、国内産米の管理につきましては、現行方式を継続することとし、三十九年度における米の集荷目標は、七百万トン、売却数量は六百九十一万六千トンとするとともに、三十九年産米の政府買い入れ価格予算単価)は、前年産米についての賢い入れ決定価格同額、消費者価格は現行どおりといたしております。  国内産麦の管理につきましては、現行方式を前提とし、買い入れ予定数量は、大麦、裸麦、小麦をあわせて百三十二万トン、売却数量は九十四万一千トンとするとともに、三十九年産麦の政府買い入れ価格予算単価)は、前年産麦の買い入れ決定価格同額といたしております。  輸入食糧の管理につきましては、国内における米麦の需要及び国内産米麦の供給事情を勘案して必要限度の数量、すなわち外米二十五万五千トン、外大麦七万五千トン、外小麦二百三十万四千トンを輸入することとし、輸入食糧の買い入れ価格は最近の実績及び今後の見通しにより算定いたしました。  なお、集荷手数料及び卸、小売業者の販売手数料については、諸経費増加等を考慮し、必要な改訂を行なうとともに、農業倉庫の保管料について所要の経費を計上し、倉庫経営の安定と出庫調整に資することとしております。  なお、三十九年度における本会計の食糧管理勘定、すなわち、国内米、国内麦、輸入食糧の三勘定の損失額は、合計一千九十五億円と見込まれております。また、調整資金といたしましては、三十八年度末の残高が、百十八億円と見込まれますので、三十九年度予算としましては、一般会計から調整勘定へ九百九十億円を繰り入れることといたしております。  また、バレイショでん粉等につきましては、従来の方針を継続して必要に応じ買い入れを行なうほか、てん菜糖などの砂糖類につきましては、甘味資源特別措置法案等の成立を期して必要に応じ政府の買い入れ措置を講ずることとし、これに伴い新たにこの会計に砂糖類勘定を設けることといたしております。  輸入飼料につきましては、畜産の進展に対応し、外国産ふすま、小麦等合計百五十三万四千トンの買い入れと、ほぼこれに見合う数量の売却を行ない、その需給の安定をはかることといたしました。なお、これに伴う歳入、歳出を明確に区分して経理するため、新たにこの会計に輸入飼料勘定を設けることとしております。  なお、この輸入飼料勘定につきまして、三十九年度において三十六億円の損失が見込まれますので、その補てんのため一般会計から同勘定へ三十六億円を繰り入れることといたしております。  第二に農業共済再保険特別会計について申し上げます。農業勘定といたしましては、歳入、歳出ともに百九億九千九百万円でありまして、うち一般会計からの繰り入れは八十九億五千五百万円となっております。また、家畜勘定につきましては、歳入、歳出ともに三十六億九百万円で、うち一般会計からの繰り入れは、家畜加入推進奨励金二億三千八百万円を含め十億三千九百万円であります。  第三に開拓者資金融通特別会計につきましては、既入植者の営農の安定をはかるため、この特別会計による三十九年度の融資ワクは三十八億五千五百万円、一般会計からの繰り入れは七億四千一百万円と予定してこの会計の歳入、歳出はともに六十六億四千万円といたしております。  第四に国有林野事業特別会計について申し上げます。国有林野事業勘定につきましては、国有林における木材増産計画に基づき、歳入状況の見通しを考慮して予算を編成いたしており、総収穫量は、二千四百四十八万七千立方メートルを予定いたしております。  なお、この会計の資金を活用いたしまして引き続き民有林行政への協力をいたすこととし、特別積み立て金からの林業振興費財源としての一般会計繰り入れ額は、融資造林拡大のための農林漁業金融公庫への出資十五億円、水源林造成事業を森林開発公団実施せしめるための同公団への出資二十七億円等合計五十億円といたしております。以上により国有林野率業勘定の歳入、歳出は九百九十億三千万円となっております。  また、治山勘定につきましては、その歳入歳出額百二十九億二千九百万円を計上し、民有林治山事業の着実な実施をはかることとしております。  以上のほか、特定土地改良工事、森林保険、自作農創設特別措置、漁船再保険、糸価安短の各特別会計につきましては、それぞれ前年度に引き続きほぼ同様の方針で予算を計上いたしますとともに、中小漁業融資保証保険特別会計につきましては、一部制度の改正を行なうこととして予算を計上いたしました。  最後に農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。  昭和三十九年度における農林関係財政投融資計画は、農林漁業金融公庫への出資を一般会計から十五億円、産業投資特別会計から二百九十億円、計三百五億円と、前年度に比し八十五億円の増額を行ないますほか、資金運用部特別会計等からの借入金は、農林漁業金融公庫、愛知用水公団、開拓者資金融通特別会計、特定土地改良工事特別会計を合わせて六百二十二億円とし、財政投融資総額は九百二十七億円で、前年度の七百十七億円に比し二百十億円の増となっております。  これをもちまして、昭和三十九年度農林関係予算及び財政投融資計画概要の御説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     —————————————
  7. 松浦周太郎

    松浦主査 次に、通商産業省所管について説明を求めます。福田通商産業大臣
  8. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 ただいま議題になっております通商産業予算各案について御説明を申し上げます。  まず、三十九年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は、五百十三億九千万円でございまして、これを三十八年度当初予算額四百三十億六千八百万円に比較しますと八十三億二千二百万円の増で、約一九%の伸びとなっております。このうち石炭関係予算が百十七億九百万円で、前年度のほぼ横ばいとなっておりますので、石炭関係以外の予算では八十三億六千二百万円の増、約二六%の伸びとなっております。  三十九年度予算のうち政策事項につきまして、これを中小企業対策費、輸出振興及び経済協力費、国際競争力の強化対策費、技術振興費、産業基盤強化対策費、エネルギー対策費、鉱山保安対策費の七項目に分けて御説明いたします。  第一に中小企業対策費でございますが、中小企業問題の重要性にかんがみまして、最重点項目として取り上げ、前年度に比し二十九億八千九百万円増の百十五億七千三百万円を計上いたしております。  そのうち中小企業の近代化高度化につきましては、中小企業設備近代化補助金として四十五億円を計上して消費者物価関係業種を対象業種として追加することとし、また一般会計から中小企業高度化資金融通特別会計への繰り入れば、四十三億八千六百万円行ない、従来の貸し付け対象のほか新たに商店街造成を対象に加えることにいたしております。  このほか、中小企業診断指導員の養成、研修等を行なう日本中小企業指導センターに対する出資及び補助として三億二千万円、小規模商工業者に対する経営改善指導業務を行なう商工会等の聖業補助として十四億一千百万円、中小企業管理者及び技術者研修費として八千五百万円、中小企業に対する診断及び技術指導等を実施する経費として三億七千四百万円を計上しております。なお、形式的には大蔵省計上になっていますが、実質的には中小企業関係予算というべきものとして、中小企業信用保険公庫への出資四十五億円を計上いたしております。  第二に、輸出振興及び経済協力費につきましては、内外の経済情勢、国際収支の動向等も考慮いたしまして、前年度に比し十一億八千三百万円増の五十四億七千二百万円を計上いたしております。  輸出振興につきましては、特殊法人日本貿易振興会の事業運営に必要な経費として三十一億二千八百万円を計上し、海外市場の調査、トレードセンターの運営等総合的な輸出振興事業を一そう強力に行なうこととしています。その他日本輸出雑貨センター事業運営に必要な経費として一億三千八百万円、プラント類輸出振興費として二億万千八百万円、工作機械輸出振興費として八千八百万円を計上いたしております。  次に経済協力費でございますが、主要な経費といたしましては、特殊法人アジア経済研究所に対する補助金として三億七千二百万円、海外技術開発協力費として一億二千万円、低開発国一次産品買付促進費補助として五千五百万円等を計上し、低開発国との経済協力の推進をはかることとしております。  第三に、国際競争力の強化対策費でございますが、この点につきましては、一般会計予算よりもむしろ後に述べます財政投融資による対策が重要な役割を占めているということができるかと存じます。  一般会計からの国際競争力強化対策費は、主として地下資源開発費でございまして、前年度に引き続き国内鉱山の探鉱促進をはかるための新鉱床探査費補助といたしまして三億円計上いたしましたほか、新規に金属鉱物探鉱融資事業団の行なう地質構造調査に対する補助金として八千万円を計上いたしたこと等でございます。  第四に、技術振興費でございますが、開放経済体制下における技術振興の重要性にかんがみまして、前年度に比し十三億四千八百万円増の八十八億三千六百万円を計上いたしております。  そのおもなものとしては、新規項目として、重要鉱工業技術試験研究委託費六千五百万円、九州工業技術試験所新設費五千万円、その他前年度に引き続き、試験所の特別研究費として十二億五千五百万円、民間における試験研究の助成のための鉱工業技術研究費補助として七億八千六百万円等を計上しております。また特許行政の強化費としましては、特許等の審査、審判の促進をはかることを重点にいたしまして、十三億四千百万円計上いたしております。  第五に、エネルギー対策費でございますが、そのおもなものは石炭対策費でございます。石炭対策は一昨年閣議決定のありました石炭対策大綱に基づく諸対策を引き続き推進してまいりますが、予算といたしましては先に述べましたように前年度のほぼ横ばいで、百十七億九百万円でございます。  内容といたしましては、石炭鉱業近代化促進及び石炭専用船の建造を含む流通合理化等に要する資金として石炭鉱業合理化事業団への出資金四十八億九千二百万円、産炭地域振興費二十億四千九百万円、炭鉱整理事業補助三十九億三千七百万円、保安不良炭鉱整理交付金一億七千二百万円、鉱害賠償基金出資一億円、その他鉱害復旧費、石炭技術振興費補助等につきまして必要な経費を計上いたしております。  第六に、産業基盤の強化対策費でございますが、そのおもなものは、工業用水道事業費補助でございまして、前年度に比し十六億六千六百万円増の七十億二千三百万円を計上しております。事業個所は継続事業二十七地区、新規事業地区でありまして、そのうち地盤沈下防止対策事業につきましては補助率引き上げを行なうこととしております。  第七に、鉱山保安対策でございますが、先に述べました石炭鉱業合理化事業団への出資金のうち、四億九千六百万円は保安施設に対する融資に向けられるべきもので、これにより鉱山保安施設整備強化をはかるほか、ボタ山崩壊防止対策、保安教育費等を含めまして一億三千八百万円を鉱山保安対策費として計上しております。  以上をもちまして当省所管の一般会計に関する説明を終わりますが、詳細につきましては、お手元の予算要求重要事項表をごらんいただきたいと存じます。  次に当省所管の特別会計につきまして三十九年度歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。  まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、歳入予定額は六十八億一千九百万円、歳出予定額は六十一億五百万円であります。輸出保険特別会計につきましては歳入予定額及び歳出予定額とも百四十六億三千八百万円でございます。機械類賦払い信用保険特別会計につきましては歳入予定額及び歳出予定額とも十一億六千八百万円でございますが、歳入予定額のうち一億五千万円は一般会計からの繰り入れでございます。また、中小企業高度化資金融通特別会計につきましては歳入予定額及び歳出予定額とも四十三億九千百万円でございますが、そのうち四十三億円は先に述べましたように一般会計からの繰り入れでございます。  次に当省関係の財政投融資計画について御説明いたします。  昭和三十九年度におきます当省関係の財政投融資総額は、余剰農産物資金及び経済援助資金を含めて三千八百九十七億円でございまして、これを昭和三十八年度当初計画の三千四百三十三億円と比較しますと、四百六十四億円、伸び率にしまして約一四%の増加となっております。  以下機関別にその概要を御説明いたします。  まず、日本開発銀行につきましては、施策の重点を産業合理化近代化産業体制の整備、エネルギー等産業基盤の強化、技術の振興、輸出産業の強化、地域間の均衡発展を目途とした地域開発に置きたいと考えております。新たな施策といたしましては、産業構造高度化あるいは産業技術の向上のため重要な地位を占める重機械の試作、開発を進めることとし、これに十億円を予定したほか、繊維新法の制定に対応して凍結設備の廃棄と合繊紡の転換のため十億円の融資を行なうことといたしました。また、産業体制の整備のためには、融資対象を前年度の乗用車工業及び石油化学工業のほか、新たに特殊鋼とフェロ・アロイを加え、金額も大幅に増加することといたしております。運用総額は、三十八年度の当初計画に対し、百五十八億円増の千三百八十八億円を確保するものとし、このため財政資金八百九億円の融資と七十二億円の外債発行が予定されております。  次に日本輸出入銀行でございますが、輸出振興が経済発展の基本的要請でありますことから、その資金の充実には特に重点を置いております。船舶、プラント類を中心とする輸出の伸張と、経済協力促進するため、三十八年度当初計画より三百億円増額して、千六百億円の貸し付け計画を予定し、このため出資二百二十五億円、融資七百十二億円、計九百二十七億円の財政資金を投入する計画でございます。なお、三十八年度の補正として出資六十億円及び融資四十億円を追加し運用規模を当初計画の千三百億円に対して千四百五十億円に改定いたすこととしておりますので申し添えておきます。  次に中小企業関係政府金融機関の御説明に移りますが、中小企業対策には、政府としても最重点を置いて各機関の融資機能の強化充実をはかることとしており、これらの貸し出し規模は、三十八年度に比して約二一%拡大する計画となっております。すなわち、中小企業金融公庫について財政資金から融資七百三十三億円、政府保証債百億円を計画し、商工組合中央金庫には出資三十億円及び財政資金による商中債の引き受け純増六十億円を確保することとしております。また、国民金融公庫については財政融資六百九十四億円を計画しております。なお、商工組合中央金庫について、長期年三厘程度、短期日歩五毛程度の金利引き下げを考慮しております。  次に電源開発株式会社についてでございますが、三十九年度におきましては、前年度に引き続き、大水力電源開発の継続工事に主力を注ぎますほか、石炭の長期引き取りを確保するため、三十九年度から石炭火力発電所の建設に着手することといたしまして、三百九十九億円の工事規模を確保し、このため出資十億円及び余農資金を含めて融資三百十七億円、外貨債十二億円合計三百三十九億円の財政投融資を予定しております。  次に日本航空機製造株式会社につきましては、中型輸送機YS−11の試作事業のため経済援助資金から四億円を出資し、また量産事業について運転資金二十三億円を政府保証によって調達することといたしております。  石油資源開発株式会社につきましては、前年度に続いて油田及びガス田の開発にかかる民間調達の社債について五億円を限度として政府保証を付することとしたほか、海外における原油開発重要性にかんがみ、新たにそれに嘱する資金二億円を出資する計画でございます。  次に石炭鉱業合理化事業団でございますが、非能率炭鉱の終閉山と合理化に伴う炭鉱離職者に対する退職金支払いを円滑に行なわせるため、財政資金三十五億円の融資を行なう計画であります。  産炭地域振興事業団及び鉱害賠償基金につきましては、すでに一般会計予算において御説明したとおりでございますが、財政融資として産炭地域振興事業団に三十億円、鉱害賠償基金に五億円を予定しております。  次に金属鉱物探鉱融資事業団でございます。新たに地質構造調査の業務を行なうことにつきましては、すでに御説明したとおりでございますが、探鉱資金の融資業務についても拡充をはかり、貸し出し規模を前年度の十五億円から二十億円へと拡大し、これに必要な出資二億円及び融資十七億円を計画しております。  最後に機械類延べ払い金融措置について申し上げます。工作機械等の海外からの延べ払い条件による売り込みに対処するため、財政投融資計画には入っておりませんが、三十八年度から資金運用部が興長銀債を引き受けて低利な延べ払い資金を供給する道を開くことといたし、三十九年度におきましても、これに要する資金として四十億円を予定することといたしました。  以上をもちまして通商産業省所管一般会計特別会計予算及び財政投融資計画の御説明を終わります。  何とぞよろしく御審議の上、可決されますことをお願いいたします。
  9. 松浦周太郎

    松浦主査 以上をもちまして、全所管についての説明を終わりました。  次回は明十八日午前十時より開会し、経済企画庁に対する質疑を行なうことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十一分散会