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1964-02-22 第46回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十二日(土曜日)     午前九時三十五分開議  出席分科員    主査 植木庚子郎君       愛知 揆一君    青木  正君       田澤 吉郎君    松野 頼三君       石田 宥全君    兒玉 末男君       東海林 稔君    楢崎弥之助君    兼務 田口 誠治君  出席国務大臣         国 務 大 臣 福田 篤泰君  出席政府委員         防衛庁参事官  麻生  茂君         防衛庁参事官  志賀 清二君         防衛庁参事官         (長官官房長) 三輪 良雄君         防衛庁参事官         (防衛局長)  海原  治君         防衛庁参事官         (教育局長)  堀田 政孝君         防衛庁参事官         (人事局長)  小幡 久男君         防衛庁参事官         (衛生局長)  軽部彌生一君         防衛庁参事官         (経理局長)  上田 克郎君         防衛庁参事官         (装備局長)  伊藤 三郎君         防衛施設庁長官 小野  裕君         防衛庁事務官         (防衛施設庁総         務部長)    沼尻 元一君         防衛庁事務官         (防衛施設庁総         務部会計課長) 大浜 用正君         防衛庁事務官         (防衛施設庁施         設部長)    鈴木  昇君         防衛庁事務官         (防衛施設庁労         務部長)    藤本  幹君         運輸事務官         (航空局長)  栃内 一彦君  分科員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   渡部  信君     ————————————— 二月二十二日  分科員横路節雄委員辞任につき、その補欠と  して東海林稔君が委員長指名分科員選任  された。 同日  分科員東海林稔委員辞任につき、その補欠と  して兒玉末男君が委員長指名分科員選任  された。 同日  分科員兒玉末男委員辞任につき、その補欠と  して楢崎弥之助君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  分科員楢崎弥之助委員辞任につき、その補欠  として横路節雄君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  第四分科員田口誠治君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十九年度一般会計予算総理府所管(防  衛庁関係)      ————◇—————
  2. 植木庚子郎

    ○植木主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  昭和三十九年度一般会計予算総理府所管のうち、防衛庁関係を議題といたします。  この際、申し上げます。福田防衛庁長官渉外事務のため十一時に退席をすることになっておりますので、まず防衛庁長官に対する質疑を行なっていただきたいと存じます。なお、本日の質疑通告者田口誠治君、兒玉末男君及び東海林稔君であります。質疑時間はそれぞれ三十分でございます。時間の厳守を特にお願いいたします。  質疑を許します。  田口誠治君。
  3. 田口誠治

    田口(誠)分科員 なるべく議事進行に協力したいと思います。  そこで予算書を見まして、私は、兵器その他のいろいろ問題になる点は、これは一般質問でやるべき問題であろうと思いますので、こまかい問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、今年の予算書を見ますと、陸上自衛隊定員が十七万一千五百人、こういう予算計上がなされております。ところが昨年末の実人員を見ますと、十四万二千七百十八名という数字になっておりまして、したがって、今年の予算要求の面の定員の十七万一千五百人に対して十四万二千七百十八名ということになりますと、二万八千七百八十二名、自衛官陸上だけで募集しなければならないということに相なるわけでございます。なお、海上自衛官につきましても三万四千九百六十三名の予算計上でございますけれども、実人員は三万一千五百八十五名、航空自衛官においても、今年度なお増員の要求がなされ、三万九千五百五十三名の予算計上でございますけれども、実際には三万六千四百八十名しかおらない。こういうことで陸上自衛官だけで約三万人ほど不足をいたしておるのに、予算要求だけは十七万一千五百人というような要求をされておるのだが、事実この予算要求どおり自衛官募集ができるかどうかという点が非常に疑念があるわけなんです。こういう点をどういうようにお考えになってこの十七万一千五百人というのを計上されたのか、この点をお伺いをいたしたいと思います。
  4. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 御指摘陸上自衛官募集の問題でございますが、ただいま御審議をお願いしておりますのは、年間平均八四%ということに相なっておるわけでございます。御案内のとおり、海上並びに航空自衛隊のほうは、相当充足率の良好の成績を見ておりまするが、陸上はなかなかむずかしい点がございまして、毎年相当の苦労をいたしておることも御承知のとおりであります。素質を選ばないで数だけそろえればいいというならば相当楽でございまするが、やはり勤続意欲の強い質のいい者を選ぶとなるとなかなかたいへんでございまして、英国あたりでも二百四十カ所の、日本でいえば地方連絡部といいますか、リクリューティング・オフィスをつくって毎日不定期募集年間を通じて熱心にやっておる。こういう実例を見てみましても、日本ではまだ七十九カ所の地方連絡部しかございません。しかも昨年度はいわゆる定期募集でございましたので、非常に困難を感じました。来年度は、大蔵省との調整がつきまして、年間募集を通じまして、隊内の生活改善あるいは公的資格の付与その他あらゆる点で改善努力をいたしまして、目標充足だけはぜひとも三十九年度は達成いたしたいと考えておる次第でございます。  なお、こまかい点につきまして御質疑の点は、政府委員から答弁させたいと思います。
  5. 田口誠治

    田口(誠)分科員 長官の御回答のお気持ちはわかりますけれども、自衛官の二万五千なり三万人の不足ということは、昨年だけではないわけなんで、毎年不足なんです。したがって各市町村においても非常な熱意をもってこの応募に協力いたしております。それから、もちろん防衛庁としては最大方法努力を講じておられると思いますし、地域にある自衛隊基地においても大衆からなるべく愛せられて、そして自衛官募集に支障を来たさないように、できれば国民大衆から好意を持って自衛官に志願をする人が多く来るように、こういう気持ち幹部人たち努力をしておられるにもかかわらず、年々二万五千なり三万人という人たち陸上自衛官だけで不足をいたしておるのですから、ただいま長官お話のように、今年は何とか定員を満たすように最大努力をいたしたいという御答弁の気持はわかりますけれども、実際はそうはならないと思うのです。だからこういうような実際に不可能なものに対して予算をとるというようなことは、同じ防衛庁予算をとるとしても、他のほうに回す面が、私はあとで申し上げますけれども、あろうと思いますので、こういう点をどうお考えになって、こういう数字を出されたのか、どうしても疑問でならないので、もう少し具体的にお答えをいただきたいと思います。
  6. 小幡久男

    小幡政府委員 まず最初予算関係から申し上げますと、定員面では、お話のとおり、十七万一千幾らになっておりますが、例年予算を積算いたします場合に、いままでの実績から見まして、良質の隊員をとっていくというたてまえから、少し定員内に取りかえまして、来年度は八四%の人件費を組んでおります。したがいまして、八四%のワク内でございますと、陸上自衛官でいいますと、来年度は二万五百名程度募集すれば足りることになっておりますので、その程度募集は、われわれとしても、相当努力をすれば、できるものと考えておる次第でございます。決して十七万一千五百の定員どおり予算は現在組んでおりません。
  7. 田口誠治

    田口(誠)分科員 二万五百募集すれば足りるということですが、数字的にはそうなりますけれども、二万五百募集しても、満期になって除隊していく人があるわけですね。そういうことから、私は不可能というように判断しておるのですが、可能というように判断されるのですか。
  8. 小幡久男

    小幡政府委員 いまお話しになりましたとおり、任期のきました者は当然年内に除隊をしていくのでございますし、また幹部でありますと定年もございますし、あるいは除隊以外に離職もございます。そういったものを全部マイナスに含めまして、それと差し引き計算いたしまして二万五百とりますれば、大体予算で申し上げております八四%という線は確保できるというかっこうになっております。
  9. 田口誠治

    田口(誠)分科員 八〇%の七〇%のということでなしに、十七万一千五百名必要なら十七万一千五百名という隊員募集し、確保しなくちゃならないと思うのです。予算は組んでおいて、大体八〇%になれば、これでまあまあということではないんですから、そういう予算の組み方というものは私はないと思うのです。それで先ほど来申し上げておりますように、昨年だけ隊員予算要求の数より二万五千、三万人という不足を来たしているのでなしに、ここ数年間そうした不足が続いておるので、私は幾ら努力されてもこの要求を満たすことはなかなか不可能であろうと思うのです。不可能な予算をどうして組むか、こういうことなんです。だから私はこの点をお聞きするわけですが、これは自信があるのですか。
  10. 小幡久男

    小幡政府委員 十七万一千余りの定員と申しますのは、編成上の定員でございまして、われわれがもし一旦事ある場合にはぜひとも充足しなければいけない性質のものであります。しかしまた現在も質をいとわなければとれないことはないのでありますが、先ほど来お話し申し上げておりますとおり、例年のいろいろな実績、ことに労働需給関係等を勘案いたしまして、客観的には当年度は無理なく大体いける線は定員の八四くらいでなかろうかという意味合いをもちまして、とりあえず予算としましては来年度は定員の八四くらいのところを目安にやっていこうということになっておるのでありまして、十七万一千幾らというのは、いつのチャンスにおきましても、努力目標としては考えておりますが、そういった可能性はわれわれも十分検討しながら毎年これを直しておりますが、来年度はとりあえず八四で押えていきたいというように考えております。
  11. 田口誠治

    田口(誠)分科員 そこがおかしいのです。第二次防衛計画では定員陸上だけで十八万だと思いますが、それを第二次防衛計画期間中に確保していくということから、いまの定員予算要求もされておると思うのですけれども、先ほど来申しておりますように、昨年と今年の要求とでは二万八千七百八十二名、約三万人不足を来たしておるんです。それで日本自衛隊最小限度日本自主防衛という形で、それをはずれない防衛力を持つということになるわけです。したがって、御案内のとおり、ドル防衛の政策の関係から、米軍日本から引き揚げていくということになりますと、必然的にウエートが日本自衛隊にかかってくるわけです。こういうような状態の中で自衛官募集すらなかなかできないということになりますと、巷間伝えられますうよに、どうしても自衛官を予定どおり募集することができない、しかたがないから、憲法を改正して徴兵制度をしくというより方法がないのではないか。こういう方法をとらない限り、何年たっても自衛官定員計画どおり満たすわけにはいかない。これを満たさなければ、防衛庁計画しておる完全な自主防衛体制はできないのだから、ここまでやらなければならないというようなことすら伝えられておるわけであります。私は、そういう憲法を改正して徴兵制度をとるというような大それたことを考えなくてはならないようなことは、これは非常に問題が大きいと思いますので、特にこの定員の問題に対してこだわってお聞きをいたしておるのですが、防衛庁のほうでこの要求どおりのものが八四%なら八四%確保できるという自信がおありであれば、この予算を他のほうへ振り向けるということは考えなくてもいいと思いますけれども、そうでなかったら、他のほうに必要な予算防衛庁内であるわけなんでございますから、そうした操作もする必要があると思いますので、まず定員関係をお聞きしておるのですが、もう一度自信のほどをひとつはっきりとしておいていただきたいと思います。
  12. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 自衛官募集につきましては、御指摘のとおりなかなか困難な条件がございます。毎年当庁といたしましても、苦心をいたしておるわけでございます。ただ来年度に関しましては、先般も地方連絡部幹部を全部集めまして、種々打ち合わせ、強い指示を与えております。来年度必要である二士の二万五百名、これはぜひとも目標を達成しようというわけでいろいろと研究いたしておるわけであります。先ほど申したとおり、英国あたり募集熱意、また組織から見ましても、まだまだわがほうでは改善すべき点がたくさんございます。生活改善、また公的資格をもっと広げるとか、あるいは下級幹部定年の延長でありますとか、あらゆる点で改良を加えまして、ぜひとも来年度は二万五百名は達成していきたい。  なお、御指摘なりました、憲法を改正して徴兵制をしくというようなことは、毛頭考えておらない次第でございます。
  13. 田口誠治

    田口(誠)分科員 定員関係は、いま長官のほうから、必要の予算要求をした十七万一千五百名というものは自信があるというお答えでございますので、私はこれ以上触れませんし、その自信があれば巷間伝えられておるような、憲法を改正して徴兵制度をしかなければ、どんな募集方法をしても自衛官を集めることができないんだという、こういうことが解消できるので、それで了解いたしますが、そういう点が非常に心配でございましたので、ただいままで御質問申し上げたような次第です。  そこで、予備自衛官の数も今年度ふやしておりますが、予備自衛官はこれで合計何名になるのですか。
  14. 小幡久男

    小幡政府委員 現在は一万九千名でありますが、今度五千名増加をお願いいたしまして、合計いたしまして二万四千名になる予定でございます。
  15. 田口誠治

    田口(誠)分科員 第二次防の計画では三万でございましたか。
  16. 小幡久男

    小幡政府委員 三万でございます。
  17. 田口誠治

    田口(誠)分科員 それで予備自衛官には——まあ昔の予備隊でごさいますが、これには年間一万二千円ずつですか、手当が出ておると思いますが、その金額は変わりませんか。将来変える意思もないかどうかお尋ねをしたい。
  18. 小幡久男

    小幡政府委員 現在手当は月千円、年間一万二千円でございます。将来は——いろいろ値上げ要求も出ておりますが、なお現在のところは、将来の問題として検討しておりますが、はっきりまだ将来の方針はきめておりません。現在のところは、月一千円で、年間一万二千円であります。
  19. 田口誠治

    田口(誠)分科員 ちょっと数字がはっきりつかみにくかったのですが、年間一万二千五百円ということですか、一月千二百五十円ということですか。
  20. 小幡久男

    小幡政府委員 年間一万二千円であります。
  21. 田口誠治

    田口(誠)分科員 一万二千円、一月に千円ですね。
  22. 小幡久男

    小幡政府委員 そうであります。
  23. 田口誠治

    田口(誠)分科員 そこで、予備自衛官が二万四千名ということになりますし、第二次防衛計画終了時には、予備自衛官が三万人ということになりまして、——昔の予備隊員は、別にふだん手当給料等はもらっておらなかったのですが、今の予備自衛官という名前のいわゆる昔の予備隊員は、月千円ずつ手当をもらっておるわけです。そうしますと、これは規則からいきますと、必要に応じて招集をして、必要な訓練を与えるということになっております。そういう義務が付加されておると思うのです。したがって、それによって今日まで何回そういう訓練をされたか、この点を伺いたいと思います。私は一回もやっていないように思うのですが、どうなんですか。
  24. 堀田政孝

    堀田政府委員 お答えいたします。毎年一回、訓練招集いたしております。
  25. 田口誠治

    田口(誠)分科員 毎年一回ずつやっておるということですが、去年はいつおやりになりましたか。何月の何日から何日間、そうして大体内容はどういうものを訓練されたかということですね。やはりここで答弁を願いたいと思います。
  26. 堀田政孝

    堀田政府委員 部隊によって、全部日にちが違うそうでございます。
  27. 田口誠治

    田口(誠)分科員 部隊によって日時が違い、内容も違うということは、ほぼ判断はできますが、あなたのいま記憶されておる範囲内でよろしいけれども、たとえば陸上の場合には、何日間でこういうことをやったとか、海上自衛官の場合は、何日間でこういうことをやったとか、何かそういう内容のことを答弁の中で報告順わなければ、ちょっと私のほうが質問したかいがございませんので……。
  28. 堀田政孝

    堀田政府委員 大体、いま予備自衛官がございますのは、陸だけでございます。地方連絡部に連絡いたしまして、具体的な例は後刻調査をして申しあげようと思っております。いま私、手元に資料を持っておりませんので、後刻調査しましたものをお知らせ申し上げます。
  29. 田口誠治

    田口(誠)分科員 それは教育局長も途中からおかわりになったのだから、ずっと長いことやっていられないから、記憶にないといえば記憶にないかもしれぬけれども、少なくとも教育局長予備自衛官を一年に一回招集をして、教育訓練をさせたいということについては、全然頭の中にないということはないと思いますし、資料を取り寄せなければわからぬということもないと思いますし、前局長が、そこで御相談になって助言されて、教育局長からお答えいただいてもよろしゅうございますが、こんなことがわからぬようなことでは、どうも局長さんはおかしいと思いますね。
  30. 小幡久男

    小幡政府委員 それでは、私からお答えいたします。  予備自衛官を年一回訓練いたします大体の項目は、まず最初の日は、いろいろ自衛隊の近況を伝達いたします。それから、新しい兵器とか戦術の変化等につきましていろいろ話をしたり、それから、若干の軽い武器を用いまして、リフレッシャーといいますか、演技を思い出す訓練をやっておる程度でございます。
  31. 田口誠治

    田口(誠)分科員 これは口頭で聞いたので書面で見たのではないから、私の聞いた範囲ということで質問申し上げるのですが、いわゆる軍国主義的な思想教育、ちょっといまの憲法に逸脱したような、そうした指導もなされたように聞いておりますが、これは学科の項目に入るのか、それとも一般の一つの講演のようなものになるのか、ヒヤリングになるのか、その点私はわかりませんけれども、いずれにいたしましても、実際に銃を持って射撃訓練をするというようなことのほかに、精神訓練という面で、その訓練内容が、いまの憲法精神を逸脱して、そうして軍国主義をあおり立てるような内容があったかのように聞いておりますが、そういう点はどの程度のことをやられたのですか。
  32. 小幡久男

    小幡政府委員 そういう政治的な目的を持った軍事訓練はいたしておりません。先ほど申しましたように、除隊後、いろいろ軍事情勢も変わっておりますので、本人が在隊時分とは変わった軍事情勢とか、あるいは新しい軍事知識につきましては教育しておりますが、決して政治目的を持って特定の軍国主義的な訓練をやっておるようなことはございません。
  33. 田口誠治

    田口(誠)分科員 まあ、答弁ではなかなかその内容を詳細に報告されることは困難な点が、防衛庁としてはあろうと思いますので、これ以上は突っ込んで聞こうとは思いませんが、少なくとも精神訓練の場合には、訓練をするにも限度がありますので、日本には、平和憲法があり、それから自衛隊存在も、日本憲法範囲内において存在をいたしておるのであるから、隊員に対しても、あるいは予備自衛官に対しても、そういう点については相当慎重を期してもらわなければ、必ず私らの耳のほうへ入ってくるわけなんで、それでこういうことがますます度が深くなってきたということになりますれば、開き直って私は、相当突っ込んで質問をする時期もあろうと思いますので、きょうはこういう点を警告を申し上げて、この項については終わりたいと思います。その点、よろしいのですね、長官
  34. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 本委員会におきましても、一度、杉田元校長の「指揮官への道」というものが問題になりまして、いわゆる思想教育という点が取上りげられたわけでございます。そのときにも明確にお答えしたのでありますが、自衛官教育根本方針は、三十六年度に出しました「自衛官の心がまえ」、これが基本でございまして、私どももこの基本線を守って、民主政治下における自衛官のあり方を正しく教育いたしたいと考えておるわけでございます。
  35. 田口誠治

    田口(誠)分科員 まあその点は、長官のただいまの答弁どおりに、ひとつ御如才なく指導していただきたいと思います。  それから、次には、いつも申し上げる民生安定関係予算でございますが、この点については、基地を持っておる市町村からはそれぞれ強い要望が出ておりましょうし、また、この予算内容を見ましても、年々ふえておりますので、これは防衛庁としても、また経理局長としても、相当努力されておるあとは見受けられますけれども、十分ではないということなんです。先ほど申しましたように、定員のほうは、なかなか募集しても定員だけ確保できぬようなものまで予算の中に要求しておるけれども、民生安定のほうは、どれだけ予算を獲得されても足りない、足りないであるわけなんでございますから、この点については今後も努力していただかなくてはなりませんし、当面、私は、今度の予算でお伺いをいたしたいと思いますことは、昨年、一昨年、岐阜県の各務原飛行場付近の学校の防音装置等には御理解をいただいて、防音装置もしていただきまして、三校はしていただきましたが、どういうものですか、四年前から、来年はやりますという約束がなされておったようですけれども、すぐ目と鼻の状態にある東海病院防音装置には全然手をかけていただけないのですが、これはどういうものですか。
  36. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 民生安定に関係する予算につきましてきわめて適切な御指摘がございました。実はわれわれももっともっと大幅に増額いたしまして、至急に民生安定のことの対策は実現しなければならぬとかねがね思っております。今回相当の大幅な増額を見ましたが、まだまだ不十分であることは、御指摘のとおりであります。なお、東海病院につきましては、少なくとも四十年度予算に必ず計上するという報告を受けております。
  37. 田口誠治

    田口(誠)分科員 東海病院関係は、御案内のとおり、規模も大きいし、一年間では相当予算も食うわけなんで、私は、やはり四十年度の予算に組むということになれば、今年の中でどれだけか予算操作をして、そうしてやはり今年から手をかけてもらうような処置をお願いいたしたいと思うのですが、この点経理局長、むずかしいですか。
  38. 上田克郎

    上田政府委員 東海病院のことにつきまして、少しこまかくお話し申し上げたいと思いますが、実は、先生も御指摘なさいましたとおりに、前々から御要望がございまして、われわれもその予算の成立に努力をこの二、三年やってきたのであります。ただ、何と申しましても、予算が、三十八年度は御承知のように約四十億、米軍関係自衛隊関係で合わせて防音工事補助金が約四十億ございました。二十九年度では、それに若干加えて四十一億くらいの予算要求いたしておるような状態でございます。実は、これをもちましてもなお足りないと申しますのは、先生案内のとおりに、現在は、小学校、中学校という義務教育関係補助に全力を尽くしております。病院施設そのものもやってはおりますが、むしろこれは次順位にあるというのが現状でございます。それで実は自衛隊関係では従来努力いたしまして若干テンポにおいて、いわゆる進捗度においてアメリカ軍関係基地よりも進んでおります。したがって、今年度の予算策定のときの四十一億の使い方といたしましては、できるだけそういったアンバランスがないように使っていきたい。したがって、先生案内のとおりに、実は昨年度自衛隊関係が二十億だったのが今度は十二億数千万円に減っております。かっこうはそうでございますが、その残りの金はみんなアメリカ軍基地関係のほうのひどかったところに注ぎ込む、そういう政策をやっております。したがいまして、現在の音のやかましさの程度というものが、A3と申しますか、そういう頻度、これは九十五フォン以上が時間に十回もあるとかそういった小学校のほうを優先するということで、それをずっと拾っていきますと、実は東海病院がその範囲内に入らないというかっこうになったわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては病院をやらないとかあるいはそういうことじゃございませんけれども、東海病院の騒音をはかりましたところがA1というやつでございまして、これは八十フォンないし八十四、五フォンというところまでのフォン数でございまして、しばらくがまんしていただく。来年は何とかこれを予算に乗っけるように努力いたしたいというのが私たちの現在の考え方でございます。
  39. 田口誠治

    田口(誠)分科員 その点はわかりましたが、特に私は来年度の予算でとっていただくということを約束していただけばそれはそれでもいいと思いますけれども、全体的な民生安定関係予算からいきまして、あの大規模な病院に全面的に防音装置をするということになりますと冷房というようなことも考えられますし、予算相当要りますから、今年どれだけでもやはり手をかけてもらっておいたほうがいいじゃないかという考え方がございますし、特にことしから各務原のほうへ小牧のほうから相当訓練機が来るわけです。これは来なければよろしいし、まただんだんなくなってくるならいいけれども、ことしから小牧のほうにあるのが各務原のほうへ移されるということがほぼ確定しておりますので、私は時間が長くなるからこういうことの質問はしませんが、そういうことになっておるから、特に私は、今年度から手をかけてもらっておけば来年の予算には絶対に入るということです。ことし手をかけてなかったら、長官来年と言われたとて来年になるかならぬかわからぬから、来年ということは鬼が笑うということをよくいいますが、手をかけてあれば来年必ず予算化されるけれども、そうでなかったらされぬということもあるので、どうしても今年できぬということなら来年は必ずするということをもう一回明確にしてもらわなくてはいけません。御案内のとおり、各務原は三つの町が合併をしまして各務原市になったのですから、そうしますとちょうど各務原市のまん中に飛行場があるのですね。南のほうから北の市役所のほうへ行くにはぐっと東へ回るか西へ回らなくてはいけないのです。市のほうでは地下道を堀ってくれ、こういう要求が市長から出ておると思います。これは予算関係で、予算が大きいのでオーケーということにはなっておらぬようですけれども、これは将来やられなくてはならない問題でございます。時間がありませんので、来年度東海病院は絶対に約束してもらえるのかどうかということと、それから今年はどうしても手をかけることができないのかどうか。それからもう一つは地下道の問題、将来はこれはやらなくてはならぬけれども、当面ことしや来年はむずかしいのか、これは市民の強い要求があると思うのです。そうして飛行機がだんだん各務原の飛行場のほうへ来るにしたがって市民の反対の盛り上がりが出てくると思うので——私どもは来れば反対をしますよ。これは反対をしますけれども、私どもが反対をしたのに、各務原市民全部が反対をするということになりますと——これは御案内のとおり、終戦後に新潟の飛行場を拡張するときに、県知事から市長から市民から全部反対をしたら、とうとうあきらめてあそこは民間飛行場だけになっておるのです。こういうことがあり得るのだから、将来ここには基地を置かなければならぬというところには、少々金かかかっても進んで防衛庁のほうではそういう施策を講ぜられることが、防衛庁の一つの計画に入ろうと私は思うので、この点を最後に明確に答弁してもらって、時間がきましてやかましく催促されておりますから私は終わりたいと思いますので、はっきりと答弁してください。
  40. 上田克郎

    上田政府委員 四十年度の予算のことでございますので、私がここで必ず予算として要求できるということは申し上げかねるのでございますが、私どもの全般的な見通しから申しますと、防衛庁としては大蔵省にそれはぜひ要求して実現に努力いたしたい、そういうことは言えると思います。  なお、岐阜の各務原の飛行場のトンネルの問題、道の問題でございますが、現在の段階といたしまして、私たちは結論的に申しますとごかんべん願いたい。現在これは戦争中からすでにあの通行は……。
  41. 田口誠治

    田口(誠)分科員 まん中に道路があった。
  42. 上田克郎

    上田政府委員 昔あったようでございます。昔あったようでございますが、すでに昭和十二年以来閉鎖されておりまして、そのかわりに実はアメリカ軍がいなくなったあとでは、基地内の一部周辺でございますが、西南のほうにつけかえ道路と申しますか、道路を新装いたしまして御便宜をはかっておる。今後ともそういうようなことで、その道路を整備することによってなるべく御不便をかけないようにいたしたい、そういうような考えでおりまして、トンネルの問題は現在のところごかんべん願いたい、そう考えております。
  43. 田口誠治

    田口(誠)分科員 これで質問を終わりますが、ただいまの答弁の中で気になることは、努力したいという答弁ですが、努力したいという答弁政府委員はいつもやるわけなんです。だから、少なくとも今年できなければ、来年度全面的にやらなくとも、どれだけか手はかけられるのだ、この程度のことは言うてもらわぬことにはちょっと下がれぬのじゃないですか。
  44. 上田克郎

    上田政府委員 病院のあれは鉄筋ののもがすでに立っておりまして、窓ワクだけの問題でございます。予算の金額といたしましては、全体ほかと比べまして決してそんなに二年でやらなければならないというほどのものではございません。したがいまして、努力いたしますれば何とかなろうかと私は考えております。
  45. 田口誠治

    田口(誠)分科員 長官よろしいですね。長官どうですか。
  46. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 必ずその方向で実現させたい、お約束申し上げます。
  47. 田口誠治

    田口(誠)分科員 その点で了解をして、私の質問は終わります。
  48. 植木庚子郎

    ○植木主査 次に、東海林稔君。
  49. 東海林稔

    東海林分科員 私は太田大泉の飛行場の返還問題について御質問いたしたいわけでございます。  この問題は、御承知のように昭和三十四年以来の問題でございまして、この間、地元の県や市町村からは政府当局に対して約四十回も陳情いたしておりますし、なお国会におきましても参議院、衆議院の内閣委員会におきましてしばしば問題になり、また私自身も一昨年並びに昨年の本分科会においても当時の防衛庁長官質問し、善処を要求した問題でございます。ところが、今日までこれがさらに解決を見ないということにつきましては私ども非常に遺憾に考えるものでございます。御承知のように地元の太田大泉地区としましては、昭和三十五年に首都圏整備委員会から市街地開発地域の指定を受けまして、それに基づいて都市計画を進行中であるわけでございます。昭和三十四年の参議院の内閣委員会、さらに三十五年の参議院の内閣委員会で、当時の赤城長官あるいは江崎長官答弁からするならば、まあ数カ月のうちには返還が期待できるというようなことでございましたので、地元ではそういうような答弁を信頼し、さらにまた首都圏整備委員会からも計画変更の意思はないというような考え方をはっきり言われておりますので、区画整理でありますとか、道路の工事が進んでおるわけです。ところが御案内のように、この飛行場があの都市計画の中心の工業団地になっております関係上、そこで行き詰まりまして、まあ一言で申しますれば、進退両難にぶつかっておるというような状況であるわけでございます。  昨年、一昨年の私の質問に対する防衛庁当局の答弁の要旨は、まず第一段としては、その返還の必要性は十分認める。そこで米軍と協力して代替地の適地を探すことに努力をしておるという点でございました。次いで米軍との間に代替地の適地についての了解ができたので、その代替地を確保することについて地元並びに関係方面と相談をしておる、こういうことであったのでございますが、今日その代替地についてどういうところまで話が進んでおるか、この点をまずお伺いいたしたいと思うわけでございます。
  50. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 本件につきましては、一昨日の衆議院の内閣委員会におきましても明確にお答えいたしたわけであります。それは、太田小泉の問題は、いま御指摘の首都圏の整備の問題あるいは地元の経済発展の問題からどうしても返還すべきである、この基本原則は私ども今後も守ってまいりたい、これが第一点であります。しかしこれを実現するためには、御案内のとおり、代替地の取得がどうしても必要でございます。おそらく前長官あるいは元長官が、見込みがあると言われたことも、大体これは想像できるのでありますが、私ども事務引き継ぎを受けた場合に、率直に申しますと、話し合いが非常にもつれまして、たとえば渡良瀬川の遊水池の問題にいたしましても、今度は新しい地元の強い反対にあってしまって、まとまりかけた話がこわれたということも伺っております。この代替地につきまして、二、三、私ども非常に苦慮して、いま交渉を内々続けておるわけでございます。この話がなかなかまとまらないで、いま難渋しておる、これが現状でございます。
  51. 東海林稔

    東海林分科員 私はしばしば代替地の問題については、これは戦後十数年を経た今日、日本のどこに行ったって、そういうものについて地元民が了解するということは困難じゃないか。と同時に、現に太田大泉飛行場の米軍の利用状況を見ても、全然利用してないということではないが、その利用度がきわめて低い。こういう点からして、代替地というような問題をもう五年も六年も同じことを言うておらぬで、そういう二つの点からして、私は代替地という問題をあきらめて、ほんとうに日米親善ということを考えるならば、それは若干米軍に支障があっても、日本の地元における非常な困難に比べれば、それはごく軽いものであるから、代替地という考え方をやめて、ほんとうに日米親善の立場に立って、これの返還を強く要求すべきじゃないか、こういうことをしばしば述べておるわけです。ただいま長官の話によりますと、昨年一応予定した渡良瀬の代替地の問題についても地元の反対で難渋しておる、こういうようなことで、お答えからしても全然そこに進歩が見られないんですね。そういうことではこの問題は結局、代替地という問題は遷延さす一つの言いわけにしかすぎないというふうにわれわれは考えざるを得ないわけですが、そういう点いかがでございましょうか。
  52. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 地元の利益なり住民の御意向を尊重する、これはもう当然でございます。しかし私どもの立場から言えば日米安保体制という基盤の上に、日本の安全を保障し、また守っておるわけでありますから、これに必要なる米軍訓練につきましては、当然私ども協力する義務もあり、また必要であろうと考えております。そこにむずかしい調和点も出てくるわけでありますが、ただいま難渋しておると申し上げて、全然ほうっておるわけではないわけであります。何とかいい方法はないだろうか、またもしどうしてもだめな場合、ほかに適地がないだろうかと、実は二、三、いまいろいろ調査をさしておるわけでございまして、今後も代替地を見つけるという方向で努力を続けてまいりたいと考えております。
  53. 東海林稔

    東海林分科員 そうすると、いまの長官の見通しとしては、どのくらいの期間のうちにその代替地という問題でもって本件の解決ができるという見通しなり、あるいは決意を持ってやっておられるのか、その点をはっきりしていた、たきたいと思います。
  54. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 太田小泉飛行場を返還ということはもうはっきりした方針でありますから、一日も早く実現いたしたいと考えております。
  55. 東海林稔

    東海林分科員 これは、いまの長官だけでなしに、歴代の長官が同じことを五年も六年も言うておるわけです。それで解決しないのですから、これはもうばかの一つ覚えということばがあるが、そういうことでなしに、何かもう少し、せっかく皆さんがおそろいなんだから、考え直す必要があると思います。しかしこれはもう議論になりますから、時間がありませんから、やめます。  そこで私は、問題は、私どもが代替地を言わずに返還ということを直截的に要求すべきだという一つの考え方は、この利用がきわめて低いという点であります。私ははっきり言いますが、あの飛行場の一キロ足らずのところに住んでいるわけです。国会に来ておらぬときにはうちでしょっちゅう利用状況を知っておるわけです。去る十七日も茜ケ久保君と二人で現場へ行ってみました。まず米軍の事務所へ一応ごあいさつしようと思って行きましたが、米軍は一人もおりません。日本人の警備員がおりまして、軍曹を長として五名の駐在員がおることになっておるが、しょっちゅうはおりません。私が行った日は、現に一人もおりませんでした。こういう状態です。週二回一応訓練するというたてまえにはなっておるが、必ずしもそのとおりもやっておらない。こういう程度です。  そこでお尋ねいたしたいのは、最近の新聞によりますと、米国では、ドル防衛等の見地からして、日本に駐在する軍隊を漸次本国に移駐させるというような計画も出ておるわけですが、そういう点から見ても、私はこの太田小泉飛行場の利用度というものは、ますます今後も減っていくのではないか、このように考えるわけですが、一体あの飛行場が、ただいま長官が言うように、日米安保条約によって日本なり極東の平和を維持する上にどの程度必要だというようなふうに御認識をされておるのか、その点をひとつお伺いいたしたいと思います。
  56. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 現地の状況はよく御存じのことと存じますが、大体私ども報告を受けておる範囲では、月平均九日間演習に使用いたしておる。パラシュートによる人員並びに機材の投下演習でございます。こういう点から見ると、やはり米軍の演習は必要であると私どもは考えております。ただ今後の推移について、あるいは今後の米軍の演習の規模ないし構想につきましては、私はこれから話し合っても差しつかえないし、またやるべきであろう、こう考えております。
  57. 東海林稔

    東海林分科員 あそこに飛んでおる飛行機を見ますると、私どもしろうとでよくわかりませんが、ごく小型の、しかも古い形の飛行機のようです。工業用用地として見ますると、五十万坪ですから非常に広いのですが、飛行場なりあるいは投下訓練場として見た場合には、私は非常に狭いんじゃないか、というのは、五十万坪のうち、あとでまたちょっとお尋ねするのですが、約二十万坪は現にゴルフ場に使っておりますから、約三十万坪です。しかも周囲は、ああいう平たん地でありますから、人家も秘密だ。こういうところですから、現代の進んだ飛行機、非常にスピーディーな大型の飛行機を使っての訓練というようなことは実際は不可能で、どうも私どもはあの投下訓練自体のいまの戦術上の価値といいますか、そういうものもほんとうにあるのかないのか、非常に疑問に思うわけですが、そういう点は長官でなくてむしろ専門家のほうから御回答いただいたらいいと思うのですが、いわゆる飛行機の投下訓練場として利用価値自体が、現在では、利用度がどうこうということでなしに、そういう飛行機の進み方等から見ての戦術的な利用価値も非常に少ないんじゃないか、こう思うのですが、そういう点はどうでございましょうか。
  58. 小野裕

    ○小野政府委員 ただいま太田大泉の訓練地で使っております飛行機は、御承知でございましょうが、四発の大型機と申しますか、最大でもございませんけれども、C130という飛行機が中心でございますが、人員にいたしますと一時に大体四、五十人まではおろせる飛行機でございますが、この飛行機を中心にして相模原にあります総合補給処の担当者がそこで訓練をするわけでございます。やはり輸送機またそうした物資の投下あるいはパラシュートによる落下、こういうことを任務としておる軍人がおるわけでございます。やはりそういうものは、その演習の頻度が必ずしも十分でないと申されましても、やはりそれぞれ年に何回か、何時開か、何十時間か所定の訓練を反復するということはそうした部隊の任務の上からいって当然のことではないか、このように考えております。
  59. 東海林稔

    東海林分科員 ただいま四発の飛行機という御答弁がございましたが、私が現地で調べたのでは、双発以上の飛行機は実際訓練していないように私は承知しているのですが、ただいまの御答弁はどこから得られた資料を基礎にしての御答弁でございますか、お伺いいたします。
  60. 小野裕

    ○小野政府委員 ただいま申し上げました事柄の内容は、前橋にございます私どもの防衛施設事務所のほうの報告でございますが、防衛施設事務所の者がみずから見たものもございましょうし、また現地の方から伺ったものもあろうかと思います。
  61. 東海林稔

    東海林分科員 いまの点は私の調べと違うようでございますから、もう少し御検討願いたいと思うわけでございます。いずれにいたしましても、そういうふうに利用の頻度からいいましても、また利用の実際からいいましても非常に価値がないものというふうに私は考えておるわけです。そういう点をさらに長官におかれてももう少しよく御検討いただきまして、そういう点から代替地の問題に努力されるということも一つの考え方かもしれませんけれども、しかしやはりそういう点から見ても、この代林地という問題がどうせ解決が困難ということはいままでの実績でわかっているわけですから、そういう点から、新たな観点からもぜひひとつ御検討願いたいと思うわけです。  そこで次に移りたいと思うのですが、昨年もちょっとお伺いしたのでありますが、五十万坪のうち約二十万坪が現在ゴルフ場になっておる。しかもこのゴルフ場は、当初においては確かに駐留米軍なりその家族が利用しておったのは事実でございます。しかし現在は、ただいま申しましたように米軍で現地におるたてまえになっておるのは下士官以下わずか五名、こういうようなことでございますから、実際の利用の状況はほとんど日本人だけが使っておる。その使い方も調べましたところ、県が米軍からお借りして、さらにこれを県の観光公社に転貸いたしまして、県の観光公社がこれを経営管理している、こういう状況でございます。日米安保条約によって日本がこの狭い国土の中から米軍に用地を提供する。このことは、やはり米軍は極東なり日本の平和なり安全を維持するために必要な最小限度のものでなければならぬ。この点については、おそらく防衛庁長官も異存はないだろうと思うわけです。ところが現に米軍が何ら利用していない、日本人自身がゴルフ場として利用しているところまで、これは過渡的に短期間ということならば、これは事実問題として理解されないこともないのでありますが、すでに長期間にわたってそういう状況にあるということについては何としても私ども理解できないわけでありますが、そういう点についての御見解はどうでございましょうか。
  62. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 広大な演習場のわきにまた広大なゴルフ場がある、これは率直に申しまして住民感情からいっても私は好ましいことではないと思います。ただでき上がった過程につきまして、返還に伴う人員整理の問題があり、これを何とかして救済しなければならぬというお話からできたということも伺っております。また月平均日本人の利用者が約三千人だそうでありますが、米軍がわずか数十名に足りない、しかも県知事が会長をやっておられるというお立場もあるようでありますので、むしろ県側と米軍お話し合いになって何らかこれに対する一つの考えをおまとめになる、私どもは側面的にいつでもお手伝いをいたしまして何らかこの問題について一歩前進してもいいのではないか、率直に申しますとそういう考えを持っております。ただ現在の演習をやる場合にはやはりプレーを中止させて待避させておりますから、一定の周辺の危険防止のスペースが必要であるということは米軍は言っておるようであります。
  63. 東海林稔

    東海林分科員 ちょっと納得できないのですが、米軍からお借りするという場合には、知事が米軍と折衝するということはあり得ると思うのですが、私の主張しておるのはそういうことではなしに、現に米軍がこれを必要とするという立場から米軍が利用しておるならば別でありますが、そうでない、利用してないのだから返還さすべきではないか。少なくともその部分は——全体を一日も早く返還させることが望ましいのだが、それが非常に困難であるならば、現に米軍が必要としないようなものは防衛庁最大努力をして即時返還さすべきではないか、こういうことを言っておる。返還することについて知事がどうこうと米軍と折衝するというようなたてまえではないと思うのです。米軍からお借りして、同時に利用するかという点になると、知事が折衝するたてまえであると思うけれども、返還してもらうことについて知事に責任を転嫁させるという考え方はとんでもない話だと私は思うわけであります。それから投下訓練をするのだから幾らか予備地が必要だというような、これは抽象論でありますが、現地に行ってみますとそういうことは納得できません。少なくとも投下訓練場の予備地であるならば障害物の除去ということが第一に考えられるのでありますが、従来平たんなところにゴルフ場として木を植えたり建物を建てたりしておるのです。そういう予備地なんということは、現地をお考えになるとそういう御答弁は実際できないはずです。そういうことは単なる言いわけにすぎない。そういうことでなしに、この点もう少し真剣に取り上げていただいて、少なくとも二十万坪のゴルフ場はすぐ返還してもらう、返還された後にどういうように日本側で利用するかということは、これは別問題です。  それから過渡的な問題として駐留軍の離職者をあそこにおさめるという問題があった。それは理解できます。現にそういう問題は、今後日本側に返還された後においても引き続きこの人たちを雇用するということは可能なはずでありますから、そういう問題が今日ゴルフ場だけを返還させることの困難な理由には何らならないのです。そういう点は私どうしても納得できません。
  64. 小野裕

    ○小野政府委員 太田大泉の提供しております訓練場の全面積は五十万坪、そのうち約二十万坪がゴルフ場としても使われておる、そういうことであります。その五十万坪全体が訓練のために必要な区域として私どもは提供しておるわけでございます。(東海林分科員「それが間違っておると言うのです」と呼ぶ)その点につきましてはいろいろ御見解の違いもございましょうし、御意見もあろうと存じます。私どもといたしましては、ゴルフ場にあわせ使っております二十万坪を含めまして訓練に必要な、安全的な必要な区域である、このように考えております。
  65. 東海林稔

    東海林分科員 いまの答弁は、あなたは現場を見たのですか。ゴルフ場にしてからはわざわざうちを建てたり木を植えたりしておるんですよ。予備地というならばそんなことをするはずはないじゃないですか。そんな非常識な答弁がありますか。もう少し長官はっきりしてください。
  66. 小野裕

    ○小野政府委員 予備地というおことばがありましたが、これは予備地ということでなく……(東海林分科員「あなたのほうでそう言っておる、おれは言わない」と呼ぶ)私の考えではあの全体が投下訓練場として使用されるべきもの、そのうちの一部が使わないときにはゴルフ場として活用されておる、こういうふうに考えております。
  67. 東海林稔

    東海林分科員 一部と言うけれども、五十万坪のうち二十万坪といったら約四割ですよ。一部なんて十坪や二十坪のことではないのですよ。いましばしば言うように予備地というならば、やはり投下訓練場の安全ということを考えなければいかぬでしょう。いままで平たんだったところにゴルフ場のハウスをつくったり木を植えたりそういうことで予備地ということは——観念的にそういうことを言っては困ると思うのです。何ら実情に合って考えておらぬじゃないか。あなた方が誠意を持ってやっておるとは全然考えられない。昨年この問題を志賀長官に言ったら施設庁長官は、あなたと同じような答弁をされた。しかし志賀長官は、さすがに長官だけあって、確かに東海林さんの言うことももっとものように思うから、この問題は真剣に検討します、こういうことを言われたのです。福田長官はどうですか。
  68. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 これも率直に申しますが、実は私も何か返還地、代替地が非常にむずかしい状況であるから、どこかほかにはないだろうか、たとえば習志野あたりはどうか、これも検討して、米軍側は少し狭過ぎる、大型の四発のC130を使っておる関係上、危険が伴って困るという返事だったそうであります。しかし御指摘の点は、今後も代替地の地元の納得のいかれるよう努力を続けますが、同時にゴルフ場に関しては、やはり先ほど率直に申したとおり、住民の感情からもおもしろくないのじゃないかという考えを持っておりますから、いまいろいろお申し出の、御指摘の点は、またあらためて検討さしていただきまして、十分地元の方とも御相談したいと考えております。
  69. 東海林稔

    東海林分科員 長官は、住民感情というようなことをおっしゃいます。そうでなしに、私の言うのは、米軍日本側が基地を提供する基本的な考え方に関連する問題だと思います。米軍が必要やむを得ないものなら、これは忍びがたきを忍んでも提供するということは考えられます。しかし米軍が、いましばしば申しますように、何ら利用していない、日本人が毎日ゴルフをやっている、そこを米軍基地だとして提供しなければならぬ根拠というものは、私はないと思う。住民感情とか、そういう問題でなしに、この防衛庁の施設用地の提供に対する基本的な考え方、かまえの問題じゃないか、こんなふうに思うのです。長官はせっかくそれは十分検討するということでございますが、ぜひひとつそういう観点からこの問題は考えていただかなければならない、こう思いますが、いかがでございましょうか。
  70. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 必要最小限度にこれを認めるという原則は、私も全然同感であります。ちょうど講和発効時に使用しておりました演習場その他は、御承知のとおり、四億万坪でございました。その後いろいろ縮小されまして、現在それが四分の一になっており、一億万坪になっております。これを見ましても、私どもは、やはり不必要になれば、当然返還してもらいますし、また必要がなくなれば縮小ということも十分やってまいっております。したがいまして、この件につきましても、先ほど申したとおり、いろいろ各点から私自身も考えておりますから、検討させていただきたいと思います。
  71. 東海林稔

    東海林分科員 これまでの過度的な関係で、ああいう形が一時的に出るということば、これは実際問題としてやむを得なかったかと私も思います。しかし、そういう形がいつまでもあるということは、これは非常に問題だ、こういう点で私くどくど申し上げるわけでございますので、この問題はそういう観点から、長官、ぜひひとつ部下を督励されて、全面的な返還のためにいろいろと御努力を願うことは当然でありますが、しかしそれにはなかなか、いまのような経過から見て時間がかかる。それならば少なくとも一部、とはいっても二十万坪という広大な面積です。そういう点から見て、ゴルフ場として利用されている地区の返還問題だけは早急に現実してもらいたい。これは御努力さえされれば実況できるはずです。そういう点でお願い申し上げておるわけでありますから、ひとつ最大の御善処をお願いしまして、長官は非常にお忙しそうでありますから、これで終わります。
  72. 植木庚子郎

    ○植木主査 次に、兒玉末男君。
  73. 兒玉末男

    兒玉分科員 私は、長官は時間の制約があるということでございますので、最初まず長官にお伺いしたいと存じます。  防衛庁なりあるいは米軍の使用します演習場の関係について、いままで再三問題が起きております。特に私の県内でございますけれども、かつて昭和三十四年二月でございましたか、国分の陸上自衛隊が対戦車砲の実弾射撃の際、約一千町歩の原野と百町歩近くの山林を焼いたという事件等も起きているわけです。そういうような演習場に使用する場合、いろいろな地元との協定なり、あるいはまた事故が発生した場合の賠償等についても、何んとかかんとか言いわけをして、地域住民のほんとうの要望というもの、ほんとうの損害賠償というものが行なわれていない歴史的事実があるわけであります。防衛庁としては、一応地元民が了解した上で補償は出されている、こういうふうな答弁をされるわけであります。また最近は、横田基地に移駐しました米軍のF105超音速爆撃機の問題にしましても、御蔵島がその爆撃演習場の指定地として週刊誌等をにぎわしておりますが、このような演習場の使用に対して、長官としてはどういうふうな方針で臨んでいるのか、この基本的な点について、ひとつ長官の御答弁を求めるわけであります。
  74. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 昨年末の日米共同発表並びに一月末日の共同発表に見られますとおり、最近日米空軍の移動が発表されました。私どもはそれに対して三点の日本側としての要望、申し入れをいたしまして、これが妥結に達したわけであります。駐留軍関係の一部の問題に対しまして大体話し合いがつきましたが、今後とも米軍の移動につきましては、十分事前の話し合いで、お互いの立場を検討し合うというたてまえに立っております。
  75. 兒玉末男

    兒玉分科員 米軍との関係はそれでけっこうですけれども、問題の本質は、実際に被害を受け、あるいは立ちのきをし、または一定の期間いろいろな操業を中止しなければいけないという日本国民に対する、そういうふうな事故の発生した場合の取りきめ、そういうことがどのようになされているか、こういう点をひとつお答え願いたいと思うのです。
  76. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 事故発生その他に対する被害あるいは損害に対しましては、一応の基準もございますが、私どもとしては、これは当然万全の処置をもって住民の被害なり損害を補償すべきである、こう考えております。
  77. 兒玉末男

    兒玉分科員 そういうふうな損害発生の場合の賠償に関する、防衛庁内の明確な規程というものがあるのかどうか。
  78. 上田克郎

    上田政府委員 規程を長官訓令でつくっております。
  79. 兒玉末男

    兒玉分科員 先般私のほうの霧島演習場で事故が発生した場合に、防衛庁にはその責任がない、しかも、賠償の対象となるそういう明確なところの取りきめもない、こういうことで、現実に自衛隊の実弾射撃において火災が発生したにもかかわらず、これを当時の赤城防衛庁長官は言を左右にして、これは防衛庁自体の責任ではない、あるいは国家賠償法上の法的な根拠もない、こういうように責任を回避された。ところが当時、地元と県とそれから防衛庁との三者協定によって、事前にそういうふうな危険な訓練等を行なう場合は通告しなければいけないという協定があったわけです。私はこの点を追及しましたところ、防衛庁長官は、そういうことは知らない、これは当時の議事録に明確にされておりますが、往々にして今日まで地域住民に与えた損害、そういうもの等に対する防衛庁の態度が、いつも責任回避的な態度をとるということを非常に遺憾に思っているわけです。そういう点から考えますならば、いま御蔵島が大きな対象になっております。私の地区においても、現にそういう問題が起きておりますので、こまかい点はあと防衛局長なりそれぞれの担当者にお伺いしたいと存じますが、そういう賠償等に関する基本的な協定あるいは規程というものを、この際明確にお示し願いたいと思うわけであります。
  80. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 霧島の問題につきましては、昨年たしか三回、F86が陸上自衛隊の演習に協力いたしまして低空飛行をいたしましたが、射撃をしたことはないという報告を受けておるのでありますが、もし実際にわがほうの自衛隊の航空機による損害が起こった場合、私は当然補償すべきであると思いますが、私のほうではそういう報告を受けております。
  81. 兒玉末男

    兒玉分科員 私は、F86がやったということは何も言っていないわけです。霧島演習場の問題は五年前の問題であって、これは対戦車砲のロケット・ランチャーによる実弾射撃の事故のことを例にとったのでありまして、その際防衛庁の態度が誤りであったということで、結局地元との間における協定を防衛庁側が履行しておらない、そういう点から私は責任が防衛庁にあるということを追及して、ようやく補償の問題まで解決したわけです。そういうことが全部とは私は言いませんけれども、たとえば次に質問しますF104ジェット戦闘機が、今度新田原に配置されると聞いておりますが、これまたやはり実弾射撃の問題等が起きてくると思うのですけれども、そういう点について、当初言っていたことと、実際に被害が起きた場合の賠償等の取りきめということが、逃げ道をつくっておいて、実際に責任をもってそれに当たるという誠意が示されない。でありますので、私はこの際、現在そのような自衛隊あるいは米軍が実弾射撃を行なう場合に発生する損害賠償に対する規定がございますならば、あとでけっこうでございますので、ぜひ資料として提出をお願いしたい。どうですか。
  82. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 もし不幸にして被害を与え、あるいは損害が発生した場合、これは誠意をもって協定あるいは取りきめを順守して支払うことは当然でございます。何らかの不備な点あるいはその他の点がございましたら、遠慮なく御指摘を願いたいと思います。私どもは誠意をもって実行いたす考えでございます。
  83. 兒玉末男

    兒玉分科員 これに関連しまして、実は私の郷里の新田原というところに、現在F86戦闘機の基地があるわけです。ここに今度、板付のF105が横田に移駐したために、九州地区における防備が手薄になるということで、F104ジェット機を新田原に持ってくるというふうな話を聞いているわけですが、その計画はどうなっているのかお伺いしたいと存じます。
  84. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 新田原に対しましては、本年二月一スコードロン、それからその後数カ月以内に一スコードロン、大体来年度中には二スコードロン、機数にして約四十機保有いたしたいと考えております。
  85. 兒玉末男

    兒玉分科員 この新田原基地というところは非常に歴史的に問題があるところでございまして、長官はおそらく御存じないと思うのですが、たしか私の記憶が間違いないとすれば、昭和三十年に、新田原に基地を置くということで、私たちは反対の運動を積極的に展開したわけです。ところが当時の計画によりますと、いわゆる実戦機である戦闘機を持ってくるのじゃなくて、教育隊としての第三操縦学校の分校として、たしか福岡県築城の分教場としてやるということで、私たちの激しい抵抗に対して、地域住民については、決して戦闘機隊ではないので、単なる教育隊だから心配せぬでもよろしい、それ以外の目的には絶対に使用しないということで、私たちは最後まで反対でございましたけれども、地域の住民は、それならばそんなに危険もないからいいだろう、こういうふうに地域住民に防衛庁は約束されたわけです。ところが昨年非常にジェット機の墜落事故が起きまして——宮崎市の上空ではございませんでしたが、近くで墜落事故があった際、私たちは現地の事情も聞きたいということで行った。ところが、ここにいつの間にか第五飛行団というのを置いて、F86戦闘機を大体六十機程度置いている。その事実というものを、住民は全然知らない。住民に聞いたら、わかりません、そういうことは何らの通知も受けておらないということです。こういうことはさっきの賠償規定でも言われるように、当初は操縦学校として、単なる教育隊だから心配は要りませんというように住民を説得しておきながら、いつの間にか第五飛行団という実戦部隊を配置している。こういうことは、住民に対するごまかしじゃないですか。そういうことをやるから、地域住民が防衛庁に対して信頼が置けないのです。このことがやはり現地においても、必要以上にトラブルを起こすところの大きな原因になっておると思うのですが、その経過について、なぜうそを言ったのか、このことについて明確なる答弁を求めたいと思うのです。
  86. 海原治

    ○海原政府委員 ただいま先生お話しになりました、当初、術科学校の分校でありますか、そういうことで新田原に自衛隊の機関が進出する、したがって、実戦部隊と申されましたが、実働部隊を配置しない、こういう約束を現地のほうとされたというお話でございますが、実は私はその事実を承知しておりません。航空自衛隊部隊、機関の配置につきましては、いろいろと計画が変わってきておりますので、あるいはその過程におきまして、そういう計画がございまして、術科学校の分校あるいは教育航空学校の分校というような考え方があったかもしれませんが、それがその後、たとえばF86の部隊に変わります際には、現実にこういう学校を配置する場合と部隊を配置する場合とでは、おのずから施設等も違ってまいりますので、従来の私どもの実績を申し上げますと、一々地元の方々の御了解を得ましてそういう変更をやってきておる次第でございます。新田原につきましても、当初二千四百メートルの滑走路でありましたが、やはりF104の配置の必要の関係上三百メートル滑走路を延長することにつきましても、やはり地元のほうの御了解を得まして、その工事を実施したわけであります。したがいまして三百メートルの延長ができましたので、この三月に最初部隊をあそこに配置する、こういう経過に相なっておりますので、ただいまお話がございましたが、防衛庁として約束したことを、全然お断わりもせずに、無断で約束違反のことをやったということではない、こういうふうに私どもかたく信じておりますが、なお過去の事実につきましては、一度調査をさせていただきたい、さように考えております。
  87. 兒玉末男

    兒玉分科員 防衛局長は当時担当で  なかったから御存じないと思うのでありますが、私たちは当時の一切の記録を持っております。それはここに持ち合わせはございませんが、当時の防衛庁の態度は、私ははっきりとここに記録してあります。ここにつくる飛行場は、あくまで教育隊について使用するもので、第三操縦学校分校を置き、これ以外の目的には使用しないということをはっきりと明言しておるわけであります。これはその当時の関係の新聞の記事も全部スクラップとして持っておりますが、これがいつの間にか第五飛行団のF86の戦闘機が配置されておるということについても、実は私たち昨年行ったときは、たしか青木という人が司令だったと思いますが、この事実を私は聞いてびっくりしたわけであります。そういうところにも現在の航空自衛隊に対する地元民の非常に根強い不信の念があるということだけは、この際はっきり長官なり局長の頭の中に入れておいてもらいたい。時間が限られておりますので、その他の問題については後日、内閣委員会等でその責任の所在を明らかにしていきたいと考えております。  次に、F104が配置されるということが長官の表明で明らかにされましたが、以前から私が聞き及んでおるところによりますと、霧島演習場を爆撃あるいは射撃の演習場に使用したい、こういうことが政府方面の最高責任者からも、それぞれの筋に働きかけがあったわけであります。しかし、特に一番中心となる加久藤町等においては、そういうふうなジェット機等の実弾射撃なり、あるいはそのような射撃演習がもし行なわれたとするならば、特にあの地域は酪農の集落地帯でありまして相当影響が大きいということで、反対の意向が強いわけでありますが、この演習場の使用についてはどういうふうな計画をお持ちであるか明らかにしていた、たきたい。
  88. 堀田政孝

    堀田政府委員 お答え申し上げます。  霧島の演習場は陸の演習場でございまして、空が使う点についてはまだ検討、研究中でございますので、結論が出ておりません。
  89. 兒玉末男

    兒玉分科員 もしそういうことを防衛庁が決定されましても、関係町村の議会等が反対をする、こういうことも私は考え得ると思うわけですが、そういう場合も、これをあくまで押し切ってでもやるとするのか、あるいは、あくまでも理解の上に立ってやろうとするのか、その辺の見解を一応承っておきたいと思います。
  90. 堀田政孝

    堀田政府委員 地元の皆さまの御意向等も十分考慮いたしまして検討をするものと考えております。
  91. 兒玉末男

    兒玉分科員 局長はもっともな答弁をされましたが、現に鹿児島県の佐多町において、陸上自衛隊の高射砲部隊が先月の二十一日から今月の二十九日まで、海上における実弾射撃を行なっております。この実弾射撃は、どういうふうな範囲で現在行なっておるのか私も詳細は知りませんけれども、地元からこれに関する問題が提起されておりますので、一応その概略を説明願いたい。
  92. 堀田政孝

    堀田政府委員 お答え申し上げます。  佐多の対空射場におきます訓練の予定、射撃の予定は、本年の一月二十一日から二月二十九日まで四十日間の予定であります。実施いたしました状況は、一月二十一日、これは三十二分、一月二十二日、荒天のため射撃中止、二十三日、二十分、二十四日、射撃時間百九十四分、みんな分で記載しております。二十五日、百八十一分、二十六日、二百三十九分、二十七日、八十四分、二十八日は荒天のため中止、二十九日、十八分、一月三十日、部隊交替のため中止、三十一日、二百九分、二月一日、五十五分、二日九十一分、二月三日、射撃中止、二月四日、四十七分、二月五日、部隊交替のため中止、六日、十分、七日、十二分、二月八日、十一分、二月九日、部隊交替のため中止、二月十日、四十分、二月十一日、七十分、十二日、六十一分、十三日、二十二分、十三日までの情報が入っております。
  93. 兒玉末男

    兒玉分科員 いま説明されたその時間はそう長期の時間ではございませんけれども、実際に射撃訓練を実施をする場合、航行の禁止をする時間帯というものはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
  94. 堀田政孝

    堀田政府委員 お答え申し上げます。  現地からの連絡によりますと、船が通ります場合には射撃をしない、大体そういう基本方針で臨んでおりますので、現地における支障は聞かないようでございます。
  95. 兒玉末男

    兒玉分科員 私は最初防衛庁長官にも申し上げたわけですが、あらゆる、米軍なりあるいは防衛庁関係のそういうふうな実弾射撃なり、そういう住民に非常に影響を与える問題については、相当慎重な配慮がなされておるように答弁されたわけですが、これは基本的な問題として私たちはあくまで反対である。ところが、現実に行なわれておる。そして地元の事情等を聞きますと、防衛庁のやることはすべてが一方的な押しつけである。しかも、この地元の新聞にはっきり書いてありますけれども、このことによって防衛庁の出先から関係者に話のあったのは、いわゆる小型の沿岸漁業に従事し、しかもその危険水域で実際に漁業を営む人だけが対象となって、そこを通過することができないために相当の被害を受けている沿岸の零細な漁民、また全然対象とならなかった、特に沖繩なりあるいは中国方面に航行する船舶が、御承知のとおり、あの海岸は非常に冬季の季節風が強くて、海岸の近くを通らなければ航行できない、こういう全般的な海運業等に対しましては、何らの相談がなされておらない。単にこれは一鹿児島県の佐多地区における問題だけに限定しない問題として、そういうような国民の大多数に迷惑を及ぼすようなことについて、事前の了解なり、あるいはそういうような話し合いというものがなされなかったことは、きわめて遺憾であります。具体的なことについては、おそらく防衛庁に対しましても抗議の手紙なり、あるいは地域からの陳情等なされておると思うのですが、この佐多岬における問題については、さらに私は詳細な資料等をもって、今後責任の所在を明らかにしていきたいと思うわけでありますが、こういう点についてひとつ担当者の答弁をいただきたいと思います。
  96. 堀田政孝

    堀田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま兒玉先生から御指摘ございましたように、現地で演習計画を立てます前に、漁業組合もしくは地元の町村等との話し合いが行なわれたことはあるのでございますけれども、それ以外の、いま御指摘のいわゆる一般輸送船でございますか、そういう組合もしくは組合に準ずる団体等の方との話し合いが十分に行なわれなかったということは、まことに遺憾である、こう思っております。今月の初めでございますか、兒玉先生からその点の御指摘がございましたときに、さっそく現地にそのことを言ってやりまして、具体的な不都合な事実が指摘された場合には、その詳細な資料を持って西部方面にいかれるであろうから、内局からも担当者をさっそく派遣するから、そこで話し合いをしてもらいたい。そして、できれば、船が通るときには射撃をしない、そうして安全に航行していただくようにする。また、どうしても時間等の関係で射撃をせざるを得ないという状況である場合には、船のほうで多少時間をずらしていただくとか、あるいはやり繰りをしていただくとかいうようなことで、何とか調整がつかないものかどうか、現地で十分に話をしていただきたいということを、児玉先生の御指摘あと、私は現地に指示をいたしたわけであります。その後現地で宮崎県並びに鹿児島県の組合の方と、部隊のほうと相談をいたしまして、一応の了解点に達したと聞いておりますが、その具体的な内容等については経理局長のほうからお答え申し上げます。
  97. 上田克郎

    上田政府委員 ただいま教育局長から申し上げましたとおりに、今月の四日になりまして、日南地区の海運組合の理非長さんと鹿児島地区の海運組合の理事長さんとの間で、覚え書きを取りかわしました。たてまえは、先ほど教育局長が申しましたように、お互いにそれぞれの立場を認め合って、できるだけ安全に公有水面を使うことにしようではないかということが一つの骨子で、現実にどうしても船がお通りになる必要があるという場合にはこちらはもちろん演習をやめる、そういうのを原則にいたしまして覚え書きを取りかわしたわけであります。先ほど申しましたように、どうしても両方の話し合いがつかない場合には、これはもちろん安全のほうを重要視して演習をやめる、そういう形でやっておりまして、当初、一月二十一日以後あらかじめ御了解を得なかったために、やり方につきまして若干こちらのほうが、たとえばここは危険水域であるから早くどいてくださいというような言い方をしたときがあったようでございますが、これはその後改めまして、こういうことになっておりますからということを申し上げて、できれば協力していただく、そしてどうしてもお通りになるときはこちらがやめる、そういう形で現在話し合いがついております。いろいろこまかいことにつきましては現地とよく相談いたしまして、その後ずっとこの二十九日まで四十日間やるわけでございますが、現在までのところトラブルは起こっていないというふうに私たちは承知しています。
  98. 兒玉末男

    兒玉分科員 時間がございませんので、最後に防衛局長に特に要望しておきたいことは、新田原の104ジェット戦闘機の配置については、われわれ県民は非常な関心を持つ問題でありまして、この間も私たちは基地反対の大会をやったわけです。とにかくいままでの経過から見まして、その関係者の住民に対するやり方というものは、私たちは非常に納得できない。でありますので、昭和三十年からいままで経過について、どういうようないきさつで今日戦闘機隊が配置されることになったのか、その辺の経過について詳細な資料を私は提出を要望して、私の質問を終わります。
  99. 植木庚子郎

    ○植木主査 次に、楢崎弥之助君。
  100. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 十九日防衛施設庁関係質問をしたわけですが、まだ残っておりますので、その問題はあとで申し上げるといたしまして、最初防衛局長にお尋ねをしたいのです。  ナイキ・ハーキュリーズの自衛隊訓練状態、特に派米の自衛隊訓練の要員もありましょうが、御説明をいただきたい。アジャックスじゃなしにハーキュリーズのほうです。
  101. 堀田政孝

    堀田政府委員 お答え申し上げます。ナイキ・ハーキュリーズは装備をいたしておりませんので、ハーキュリーズの射撃訓練計画は持っておりません。
  102. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 アメリカに派遣をして訓練をなさっておるでしょう。
  103. 堀田政孝

    堀田政府委員 ナイキ・アジャックスの射撃訓練かと思いますが、これは昨年の十一月、一チームをアメリカに派遣をいたしまして、約一週間射準訓練をいたしまして、帰国いたしております。
  104. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 ハーキュリーズの訓練のための計画はありませんか。
  105. 堀田政孝

    堀田政府委員 ございません。
  106. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 十九日も横路委員から質問がありましたが、三次防ではアジャックスよりもハーキュリーズを主体にするのが常識であろうと思うのです、いまの国際的な戦略の状態から考えて。三次防におけるナイキの計画についてお伺いいたします。
  107. 海原治

    ○海原政府委員 第三次の防衛力整備計画につきましては、たびたび大臣からもお答えいたしておりますように、まだ成案を得ておりません。現在の状態といたしましては各幕それから内局の関係のところにおきまして、現在進行中の二次計画につきましてその問題点等につきましての検討を行なっております。したがいまして、三次計画でナイキのハーキュリーズ型を持つかどうかということにつきましても、まだ何ら具体的な討議もいたしておりません。  ただ、先日横路委員の御質問に対してお答えいたしましたのは、核兵器との関連におきまして、ハーキュリーズは先生御存じのように、普通弾頭、核弾頭両様のものでございますし、ナイキ・アジャックスというものはすでに生産はないわけでございますから、ハーキュリーズの普通弾頭を持ちましたものは、別に法律上の制限もないし、性能もいいし、もしナイキを三次計画におきましてさらに保有するということになれば、このハーキュリーズ型の普通弾頭のものを使用したい、装備したい、こういう考え方は確かに防衛庁関係部局の一部にはある。しかし、これについてまだ防衛庁として検討は行なっていない、大体このような趣旨のお答えを大臣及び私からいたした次第でございまして、どうぞひとつそのように御了承順いたいと思います。
  108. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私は何もまたハーキュリーズが核兵器かどうかなんかは聞いていないのであって、アジャックスはすでに生産は停止されておる、したがって、ナイキ部隊を今後考えるならば、ハーキュリーズ以外にないではないか、したがって、三次防でナイキのことを考えるならば、当然ハーキュリーズを採用するのが常識ではないか、ということを言っておるのです。どうですか。
  109. 海原治

    ○海原政府委員 いま先生のおっしゃいましたお話の筋では、そのとおりでございます。
  110. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 昭和四十一年度をめどにして、ナイキの二番目の大隊を、当初は北海道を予定されておったのが、急遽九州の北部、北九州に配置をするということがきめられたわけです。その四十一年度をめどとすると、もう相当準備が進んでおろうと思うのですが、準備の状態について御説明をいただきたい。
  111. 海原治

    ○海原政府委員 四十年度に九州の北部に配置を予定しておりますナイキ一個大隊の具体的な配置場所につきましては、月下自衛隊の現在おりますところの施設等十カ所余りのところにつきまして、具体的にどういう形において配置をするのがいいかを検討中の段階でございます。これにつきましては四つの中隊と、これを統制します中枢との関係がございますので、技術的な検討が必要でございまして、これにつきまして目下いろいろと関係部局において調査中でございます。最近一部の新聞に、このナイキ大隊のために四月から着工するというような記事が出ておりましたが、そういうことは全然考えておりません。
  112. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私は訂正いたします。来年度ですね。四十年度をめどにしてやられておるのですから、相当準備が進んでおろうと私は思っておるのですけれども、北海道をやめて急遽北九州に置くというようになった防衛庁側の見解についてお伺いしたいと思います。
  113. 海原治

    ○海原政府委員 ナイキの配置場所につきましては、二次計画を国会の委員会で御説明したとき以来、おりおりの機会に申し上げておりますことは、二個大隊まとめて東京付近に配置する案、あるいは一価大隊を東京に、一個大隊を関西あるいは北九州にということについての考え方を今後検討してきめる、こういうふうに申し上げておった次第でございまして、急遽北九州のほうに持っていくということに決定したわけではございません。これにつきましては、先生も御存じのように、二次計画におきましてホークの二個大隊も建設いたしますので、ナイキ二個、ホーク二個、この四つの大隊の組み合わせをどういうふうにするかということにつきまして、関係専門部局においていろいろ検討しました結果、現在におきまして関東地方にはナイキの一個大隊とホーク一個大隊、北海道にはホークの一個大隊、北九州にはナイキの一側大隊、こういう形に配置いたしますのが日本の防衛のために最も効率的な結果を生むことになる、こういうふうな判断が出ましたので、その線に従って計画をいたしております。
  114. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私は当然北朝鮮あるいは対中国の関係から北九州にこの大隊を持ってくるというふうになったと考えておるのですが、念のために中国のミサイルの状態についてどのような検討をされておるか、簡単に御説明いただきたい。
  115. 海原治

    ○海原政府委員 ただいま北九州のナイキは中国、朝鮮等のためというおことばがございましたが、私どもとしましては、あくまで累次の機会に総理大臣等からも御説明しております日本自体の防衛という前提で考えておりますので、そういう相手方の関係においての考慮はいたしておりません点をあらかじめお断わりいたしておきます。  次に中共がどのようなミサイルを持っておるかということにつきましては、これは実はなかなか情報がございません。わが国のナイキ級の地対空ミサイルを若干数保有しておるのじゃないかということにつきましては、御存じのように国府のU2機あたりが撃墜された事実もございますし、あるいはその他断片的な情報として入ってまいりますが、具体的にはどういう地対空ミサイルがあるかということにつきましての的確な情報はございません。
  116. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 九州に置かれるナイキ大隊は、先ほどの御答弁にもありましたように、自衛隊の所在地を中心にして四大隊置かれるのでしょう。そのほかに本隊といいますか、司令部が置かれるのでしょう。私は当然アジャックスでなしにハーキュリーズが中心になって計画されると思いますが、先ほどの局長の御答弁と関連をしてその辺の見通しをお伺いいたします。
  117. 海原治

    ○海原政府委員 北九州に配置いたしますのはアジャックスのナイキでございます。
  118. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私はこれは念のために申し上げておきますが、昨年のこの分科会における局長の御答弁では、ハーキュリーズは核兵器とはっきりはおっしゃいませんでしたけれども、核兵器持ち込み云々の問題があるから、いまのところはアジャックスはそうではないので、ハーキュリーズは全然考えてないという御答弁でございました。本年度の御答弁は、ハーキュリーズを入れてもそれは核弾頭をつけなければ核兵器でないというふうに御答弁が変化し、進んでまいったのですが、その点はいかがでしょう。
  119. 海原治

    ○海原政府委員 昨年の予算委員会だと思いましたが、その際にも防御的兵器、核兵器等の関連におきましてナイキ・ハーキュリーズの普通弾頭のものはこれは核兵器ではない。核兵器というものは、それが現実に核弾頭を持った場合に核兵器考えられるものである、こういう趣旨の御答弁をした記憶がございます。内閣委員会等におきましてもそのようにお答えしておるはずでございます。  ことし申し上げましたことは、現在防衛庁関係部署におきましては、先ほど先生からお話がございましたように、もし三次計画におきましてナイキのミサイルを持つとすれば、それは普通弾頭のハーキュリーズを選ぶことになるし、そのほうが性能等はすぐれておりますので持ったほうが望ましい、こういう考えがあるということを申し上げたのでございまして、別に私の考えが昨年とことしと変わっておるとは考えておりませんので、ひとつそのように御了承願いたいと思います。
  120. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 最後に確認をいたしておきますが、三次防において考えられるナイキ・ミサイルはハーキュリーズだ、そうですね。
  121. 海原治

    ○海原政府委員 たびたび念を押すようで恐縮でございますが、三次防におきましてどのようなミサイルを持つかはまだ全く考え方がまとまっておりません。ナイキのハーキュリーズ、それの普通弾頭型を採用するか、あるいはホークを入れるほうがいいか、ないしはまた別の、たとえば戦闘機等との効率のいいものを選ぶのがいいかということは防空兵器体系全般の検討の結果を待たねばなりませんので、何とも申し上げられませんが、もしナイキを選ぶとすればそれはハーキュリーズた、しかし、この場合のハーキュリーズというものはあくまで普通の弾頭のものである、こういうことに相なると思います。  ホークにつきましては、生産は中止されたというような報道もございますが、現実にはヨーロッパにおきましても、NATOの五カ国がアメリカのランセンスを得ましていま生産に取りかかっております。したがいまして、ホークを入れるという道は十分に残っておる次第でございます。さらにはアメリカも、大陸のみならず、ヨーロッパにホークの部隊を持っておりますので、ホークのウエポン・システム全般のアメリカにおける生産はあるいは中止されるかもしれない、こうい情報はございますが、ホークの弾体そのものはおそらくは今後もある期間製造されるというふうに考えております。したがいまして、もう一度申し上げますと、三次防におきましてナイキ・ハーキュリーズにいくのか、あるいはホークを持つことになるのか、この辺のところは今後の研究の問題である、このように御了承願いたいと存じます。
  122. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私は、ナイキを持つとすればハーキュリーズですねと言っているのですから、そういうことですね。——それは確認を得ましたので先に進みます。  せんだって板付の問題を聞いたのですが、十月一日以降米軍配属機はなくなるわけですが、航空自衛隊がこの板付を共同使用でも何でも使用する見込みがあるかどうか。
  123. 海原治

    ○海原政府委員 航空自衛隊の使用ということになりますと、航空自衛隊部隊がいわゆる常属的に配置される場合と、航空自衛隊の飛行機が間々飛来する場合と、こういうふうに分かれると思います。さらには航空部隊以外の——御存じのようにあそこには春日に私どものレーダー関係部隊がおります。そういう部隊の仕事、この三つに分かれると思いますか、航空自衛隊の飛行部隊を配置する計画は全然ございません。  しかし、現実に飛行場がございますので、演習訓練その他のために航空自衛隊の飛行機が飛来することは当然考えられる次第であります。さらに春日等につきましては、先ほど申しましたナイキの配置に関連いたしまして、あるいはこの関係の指揮関係部隊が配置される可能性はございます。
  124. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 四十年に設置されるナイキ大隊の指揮部隊が使用することは大いに考えられる、と同時に、航空自衛隊の飛行機が一時使用することはあり得る、随時使用することはあり得る、そういうことですね。
  125. 海原治

    ○海原政府委員 いま先生のおっしゃいました一時使用、随時使用ということになりますと、私、その行政協定的な意味の解釈になりますと正確な意味を存じませんが、私が申し上げましたのは、航空自衛隊の飛行機があの飛行場に飛来する、あくまで間々飛来する、演習訓練等のこともございましょうし、臨時緊急のための着陸もございましょう。そういうこともあるという意味のことでございまして、それを一時使用というふうに表現されますことは、私の判断では、やや適当ではないんじゃないかと考えます。
  126. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、十九日の防衛庁長官の御答弁でも、米軍の軍用機が間々訓練——いまのあなたの御答弁と同じです——間々訓練用で飛んでくることはある、そのためにあの板付は残すんだ、とおっしゃっているのですが、ちっとも変わらぬではありませんか。米軍軍用機の使用の状態自衛隊の今後あり得る使用の状態と、ちっとも変わらぬではありませんか。どうですか。
  127. 海原治

    ○海原政府委員 米軍の使用の状況につきまして、大臣からお答えいたしましたのは、あそこの飛行場は、大きな部隊を常時配置はしないけれども、少なくともいつでも使える態勢に置いて、飛行場としての機能を持つということのためには、整備補給等の要員は当然そこに配置しておかねばなりませんし、救難関係の飛行機は少数常にそこに待機せねばならない、こういうことをたしか御説明になったと思います。そういう形と、私の申しました自衛隊の飛行機がときどき飛んでくるということでは、全然性質が違うように私は判断いたしております。米軍のあくまでいつでも使える態勢といいますものは、そこに飛行機、F102とかあるいは105というような部隊としての配置はございませんが、これをささえるための要員、施設等は、完全にほかの部隊が常時配置されておると同じような形において、人員は多少減りましょうが、そういう形において配置されておりますし、私どもの航空自衛隊が使うというのは、ときどき飛行機だけが飛んでいくということでございますので、その間には非常に質的な相違があるように判断いたします。
  128. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 飛行機だけを中心にして考えると、米軍が使う態様と航空自衛隊が使う態様と変わらぬではありませんか。施設はそのまま、いままでと同様に残すということ、それはわかりますが、飛行機を中心にして考えたときには、同じことではありませんか。米軍も必要なときに飛んできて使う、訓練もときどきする。局長お答えでも、航空自衛隊も飛んでくることもあり得るし、訓練のために使うこともあるというさっきの御答弁ですから、飛行機を中心にして考えると、その使用の状態は同じではありませんか。
  129. 海原治

    ○海原政府委員 飛行機が飛行場にときどき飛んでくるという形だけをつかまえますと、同じようないわゆる範疇になると思いますが、問題はその使用頻度のことになるかと思います。私、航空自衛隊が板付の飛行場を使う度合いということにつきまして、ただいま正確な数字を持っておりませんが、おそらくは米軍が使いますものよりははるかに少ないことになるんじゃないか、こういうふうに感じております。
  130. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 米軍機の使用の頻度というものは、全然見通しがわからないとこの前おっしゃったんですよ。航空自衛隊のほうもどの程度使うか、頻度についてはわからぬ。結局同じではありませんか。
  131. 海原治

    ○海原政府委員 私が自衛隊の使用頻度が少ないだろうと申し上げましたのは、航空自衛隊は、御存じのように、あそこに北のほうには築城の基地を持っております。ここに86Fの部隊が配置されますし、104のための部隊は新田原が使用できますので、本来ほかに使用すべき基地がございます。したがいまして、この数個の基地を利用して航空自衛隊の航空機は常時演者、訓練等をいたしますから、おそらくは非常に少ない回数でしか板付は使わないだろうと思うわけです。しかし、米軍にとりましては、板付は九州唯一の基地でございます。そこでおのずから頻度にたいへんな相違があるのではないかと思うのでありますが、私、的確に知りませんので、少なくとも米軍が多いということに対しては、自衛隊の使用頻度は非常に少ないものだろう、こういうふうに判断する次第でございます。
  132. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、十月一日以降のスクランブルについては、新田原のF104が新田原から常時スクランブルに従事をするのか、あるいはF104の配属は新田原だけれども、六機ないし七機、スクランブルのために板付におるという状態になるのでしょうか。
  133. 海原治

    ○海原政府委員 104につきましては、新田原を基地としてスクランブルをいたします。ただ、そのほかに築城にも86Fの部隊がございますので、おそらくは築城の86Fと新田原のF104、この両方の部隊が一定の基準に従いましてスクランブルの任務を担当いたすことに相なると判断いたします。したがいまして、板付から出るということはないと考えております。
  134. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、スクランブルのためのF104あるいはF86Dは板付の基地は使わない、これは確認したわけですね。
  135. 海原治

    ○海原政府委員 そのとおりでございます。
  136. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 念のためにこれも確認をしておきたいのですが、航空自衛隊が板付基地を使用される根拠ですね。ときどきでも飛んできて使うことはあるということですが、かりに一時使用とすれば、その一時使用される根拠はどこにあるのですか、法的な根拠は。
  137. 小野裕

    ○小野政府委員 米軍に提供しておる飛行場でございますので、管理権が米軍にございます。米軍がみずからの使用に支障のない限りにおいては、その管理権の範囲におきまして他のもの、日本の国または民間のものに一時的な使用を認める、こういうことが地位協定の三条でございます。
  138. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 地位協定の三条ですか。「合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」、これのどこにあたるのですか。自衛隊に使わせるということは、この条文のどこに当てはまるのですか。これがあなたがおっしゃっておる米軍日本基地の管理権の根拠ですが、この三条の条文のどこにあたるのですか、自衛隊が使うということは。
  139. 小野裕

    ○小野政府委員 この条文には明確に出ておらないのでありまするが、解釈といたしまして、管理権を持っておるものが、その管理権の作用として許可をして一瞬的に使わせるということができるという解釈にいたしております。
  140. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 条文にないものを解釈されては困りますよ。条文にのっとって解釈してもらう。どこにもないでしょう。この三条には、自衛隊に使わせる根拠はないではありませんか。こういう条約をそういうかってな解釈をされては困りますよ。自分の都合のいいように解釈されたら困る。第三条、どこにもないじゃないか。航空自衛隊が使う根拠はどこにもないじゃありませんか。どこにあるのですか。使うための解釈をかってにされたら困りますよ。米軍が使う管理権の内容はちゃんとここに明記されておる。この内容の中から、自衛隊に使わせる根拠は全然出てこない。
  141. 麻生茂

    ○麻生政府委員 お答えいたします。地位協定の第三条におきましては、先ほど先生がお読みになりましたように、「合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」、こう書いてあるわけでございます。したがいまして、この合衆国の持っている管理権の範囲内において、合衆国のこの本来提供した目的範囲を逸脱していないという範囲においては、事実上そういうことを許容するということはできるのではないかというように見ておるわけであります。
  142. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 時間がありませんから、私はここで議論をする時間が、たいへんに残念に思いますけれども、何も目的の中にも入っていないじゃないですか。米軍が板付基地を管理するのに自衛隊に使わせなければならない必要はどこにもない。どこにもないです。これは法廷でも争われている点ですから、ここで議論をする時間は私はありませんが、私は根拠はないと思う。非常にあなた方のかってな解釈でこれを使っておる。  次に、この前の質問の関連に移ります。条約上の権利義務を当事国同士が持つことはわかりますが、その条約で当然に国民の権利義務関係のある問題について、国内法によらずしてそれが可能であると思われますか、長官。国内法を必要とするかしないか、時間がないから質問に簡単に答えてください。
  143. 小野裕

    ○小野政府委員 国内法といたしまして、公的な立法と私的な契約と、その両面によりましてその関係をまとめてまいる、こういうことになっております。
  144. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、基地を使用するために民有地を借りられる場合の契約は、国内法の何によられておるのですか。
  145. 小野裕

    ○小野政府委員 民法その他の私法でございます。
  146. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 民法の賃貸借契約によると、明確に言われました。  そこで、せんだっての質問のとおり、本年度の三月三十一日に契約が切れる。しかし、当然更新をされようが、その三月三十一日に切れるその契約の更新をされる際に、十月一日以降は基地の性格が変わる。その内容についてはこの前説明したとおりです。だから、十月一日以降は板付基地はこういう状態なりますということを、あらかじめ土地所有者によく説明した上で、三月三十一日の契約の更新をされる必要があろうと思いますが、どうでしょうか。
  147. 小野裕

    ○小野政府委員 基地の性格が変わるというお話でございましたが、機能が縮小されるという点はございますけれども、米軍に提供する飛行場として残ることは変わっておらないわけでございます。ただ、その点につきましても、契約の更新にあたりましては、今後の使用状況は変わるという点については、もちろん御説明は申し上げることになります。
  148. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 この点もまだ詰めたい点がございますが、時間がありませんから先に進みます。  そうすると、十九日と本日の質疑内容で明確になりましたように、板付基地はそのまま残る、残すのだという国側のお考えのようです。そうすると、それに応じて、結局いままでと変わらないように、基地存在に伴ういろいろな民生安定のため、基地周辺のいろいろな問題を措置するための予算は、当然同じようにつけられるものと思いますが、大蔵省のお考えをお聞きしたい。
  149. 渡部信

    ○渡部説明員 ただいまの御質問に対するお答えでありますが、大蔵省としましては、今後の状況を見てよく検討した上で、必要あれば、所要の予算措置を訓じたい、こういうふうに考えております。
  150. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 総理大臣みたいな答弁を、あなたする必要はないのです。今後の状況を見て——内容はいままでと全然変わらないのだという説明を国側からしておるじゃないですか。私は、当然変わる、もうああいう基地は要らないのだと再三主張したけれども、要る、そして施設その他は縮小されない、米軍人員が減るくらいのものであります、そうしてそのためにただ労務者だけが首切られて、ほかのものは全然変わらない——大蔵省は、今後の状態を見ましてなんて、そんなのんきなことを言えるのですか。変わらないと言っているのだから、それ相当の措置はすべきでしょう。どうですか。もう少し具体的に、基本的なお考えをお示し願いたいと思います。
  151. 渡部信

    ○渡部説明員 大蔵省といたしましては、防衛庁のほうから具体的にいろいろな説明がありました際には、それをよく聞いた上で検討して措置する、こういうことになっております。
  152. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、具体的な説明は施設庁のほうからしていないのですか。
  153. 小野裕

    ○小野政府委員 明年度予算要求いたしました昨年の暮れまでの段階におきましては、今後の板付がどうなるかということについては、明確な事情はまだはっきりしておりませんでした。その段階におきましては大蔵省にその説明をしておりません。そういうようなことで、明年度予算はいま御審議をいただいておるわけでありますが、昨年十二月三十一日の決定以降におきまして事態の変更はございます。それにつきまして、私どもとしては、明年度の予算の姿といたしましては、米軍に従来どおり提供しておるという前提のもとにお願いをしておるわけであります。ただ、予算のうちで、ものによりましては、特に補助事業的なものについては、これは当然に実行計画というものを財政法の規定によりまして検討しなければならぬわけでありまして、そういうような点についてはこれから大蔵省と相談をいたしたいと思うのであります。ただ、私どもが大蔵省にお願いをする、御相談をする考え方として、これは私どもの考えでございますが、基地提供ということに関連するいろいろな施策については、やはり従来どおり考えるべきである。ただ、実働部隊が去ります、つまり部隊活動が変わってくるということに関連して、いままで予定されたものがあるいは一部変更になるというようなことはあり得るかとは思うのでありますが、これらの点はこれから検討いたしたいと考えます。部隊が減るということはわかっておりましても、具体的な問題は、来年度の五月、六月、七月の問題であり、またどういうふうに切りかわるかということについては、さらに今後検討をしなければわからないからでございます。
  154. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、いま長官いろいろ言われましたが、その基本線は、基地はそのまま存在するので、いままでどおり予算請求はしたい。ただ、今後の過程において、たとえば飛行機の発着が少なくなるとすれば、若干騒音の点で私は変わると思うのです。これは率直に言って変わると思うが、そのほかは全然変わらないのだ、もし変わるとすれば、騒音の点、つまり防音施設の点で若干変わる面があるかもしれない、そういうふうに理解していいのですか。
  155. 小野裕

    ○小野政府委員 私どもの考えといたしましては、いまお話しのように、また先ほどちょっと申し上げましたように、部隊活動の変わり方、それを考えるということは、いまお話がございました、たとえば音という問題がございます。そのほかにもあるかと思うのでありますが、そういう状態が変わるようなものについては再検討が要る、こういうふうに考えておるわけであります。
  156. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 大蔵省のほうにお尋ねをしたいのですが、三十九年度予算の中で、騒音対策として教育施設関係は二十六億四千百万円の予算が組まれておる。これは大体何件対象にされておるのですか。
  157. 渡部信

    ○渡部説明員 ただいま御質問の二十六億云々の数字でございますが、防衛施設庁の調査によりますと、駐留軍関係だけで、今後鉄筋化について防音工事を必要とするものが八十億をこえておる、こういうようなお話でございます。したがって、大蔵省としましては、三十九年度の予算規模全体から考えまして、来年度は二十六億程度が穏当ではなかろうか。その校数は、大体いまのところ五十校ちょっとこえておりますが、具体的には四月に入ってから実施計画に基づいて詳細にきめたい、かように考えております。
  158. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、これは一応の積算の基礎として出しておられるのであって、具体的にはどうなるかわかりません、それはわかっておりますが、その積算の基礎として一応出されておる五十数件、五十五件ぐらいだと思いますが、そのうちで板付関係は何校のところで一応の積算がされておるのでしょう。
  159. 渡部信

    ○渡部説明員 そのところは、板付関係に何校というふうにはただいままだきめておりません。
  160. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 五十五件の予算ですから、一応の積算の基礎として板付は何校ということは——校名はおっしゃらなくてもいいけれども、何校ということは、一応全体の校数はわかっておるのですから、当然入っておるのだと思うのです。そのとおりせよと私はいま言っているじゃないのです。積算の基礎としては何校のところで一応出されておるか。これはあの板付の基地が変わらない、いまどおりということで組まれておるのだと思うのです。大体何校予想されるか。
  161. 渡部信

    ○渡部説明員 大蔵省としては、たびたび申し上げましたように、現在のところ、板付には何校というふうにはきめておりません。ただ日本国全体において八十億をこえる、こういう状態でありますから、それで来年度は全体で二十六億程度、五十数校、こういうふうに考えておるだけでございます。
  162. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 くどいようですが、五十数校という数字が出ておれば、一応全部出ておると思うので、板付関係は何校ぐらいということは言われないのですか。全然具体的なものを考えずに、簡単に出されておるのでしょうか。
  163. 渡部信

    ○渡部説明員 大蔵省といたしましては、施設庁からお話がありまして、全体としての数字はこれくらいにしてございます。したがって、来年度はこの程度が穏当だろうということでそのようにいたしております。
  164. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、いままで板付関係で五校は継続工事中ですね。そして新規に七校ばかり要請をしておると思うのですが、継続工事については当然全部国が責任を持つべきである。継続工事について大蔵省にお考えを聞いておきたいと思います。継続工事は、騒音の程度が変わろうと、途中までやっておるのだから、そのまま責任を持つ、こうなくちゃいかぬと思うのです。
  165. 渡部信

    ○渡部説明員 大蔵省といたしましては、継続工事についてもいろいろ全国的に考える必要がございます。したがって、継続工事についても、いわゆる緊急優先度合いというものを考えまして、それによって進みたい、かように考えております。
  166. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 継続工事については当然国側が責任を持つべきであろうと思うのです。新規でやる場合はいろいろ検討の余地があるかもしれません。しかし、少なくとも継続工事については、当然継続をする方向で努力をすべきだ、こう私は思いますが、もう一度お考え伺いたい。
  167. 渡部信

    ○渡部説明員 ただいま申し上げましたように、四月に入って、具体的に新しいデータに基づきまして、たとえば継続工事でありましても、進捗の度合いとかその他いろいろのものがございますので、先生のお考えはよくわかりますけれども、新しいデータによって事態に最も適した方向で考えたい、かように考えております。
  168. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 けしからぬ御答弁だと思うのですが、これは議論しても始まりませんから——また別の機会があろうと思います。  時間がありませんから、あとしばらく続けたいと思いますが、昭和三十七年に、板付基地内の市有農道ですか、それを廃止させる際に、その条件として、国側は、廃止するかわりにそれにかわるいろいろな措置をするということを言われました。そして、そのため公式文書を出されております。昭和三十七年二月二十日、福岡調達局長から福岡市長あてに出されております。表題は、板付飛行場北側航空進入等の追加用地の提供について、この中で国側は、もしこの市有道路を廃止されるならば、これこれしかじかの措置をしたいということを約束されております。これを御存じでしょう。
  169. 小野裕

    ○小野政府委員 そのようなお話し合いはございました。
  170. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 これは公文書ですから、しかも調達局長から出されておるのですから、当然国側として責任を持つ問題でなくちゃならぬと思いますが、ここで約束されたことは責任を持たれますか。あのときに非常に市議会は混乱をした上で、強行してこの廃止がきまりました。その措置としてこれだけ約束されておるのですが、これを国は責任を持って今後措置されますか。
  171. 小野裕

    ○小野政府委員 私、恐縮でございますが、どういう内容であるか、はっきりまだいまここで承知いたしておらないのでございますが、かりにお約束をしたことであるならば、これが実現については努力しなければならないと考えます。
  172. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 時間がないようですから、そのうち一点だけ——約束されていることはたくさんあります。おもに道路の問題です。たくさんありますが、そのうち一点だけお伺いしておきます。  南側の上月隈三号線、これと北側の新柳町・香椎線の二つが特に緊急な問題として予備費から措置されました。それが半分しかできておりません。御存じでしょう。半分つくっただけで打ち切られております。その先は既設の道路がありますが、非常に道幅が狭い。これはどうして半分で打ち切られたのですか、今後どうするのですか、この一つだけこの際聞いておきたい。
  173. 鈴木昇

    ○鈴木(昇)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の道路の詳細につきましては、資料を持ち合わせておりませんので、ここでお答えできませんけれども、当該道路の建設にあたりましては、市当局とも十分協議をいたしまして、御同意を得て実施したものでございます。
  174. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 何を言っているのですか。市のほうが要請をしているでしょう。そして国側が約束されたでしょう。それが三十七年度に着工して、半分で打ち切られて、先の道路はつくっていない。しかも、道路を廃止させるためにあれだけ強硬な措置をとらせながら、その肩がわりとして約束した道路をどうして途中でやめたのかと言っているのです。今後どうするのだと言っているのです。しかも施設庁長官は、約束したものは果たしますと言いましたね。よく調査された上、されますか。いままで約束された道路問題を全部やられますか。どうなんです。そのときをごまかすために、こういうことを約束したような顔をしてやっておって、途中で手を抜くようなことをされては困りますよ。
  175. 鈴木昇

    ○鈴木(昇)政府委員 詳細よく調査いたしまして措置いたしたいと思いますが、先ほど長官からもお答え申し上げましたように、内容が全部を完結するという約束になっておるものであれば、当然そのように努力をいたします。
  176. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 あの内容が全部完結するものであるという約束であればだから私は一つだけ例を出した。道を全部つくるといって、半分で打ち切っているではないかといって、一つだけわかりやすい例を出したのです。全部道路をつくるのがあたりまえではないですか。少なくともこれはどうするかといって、一番わかりやすい例であるが、それすらいまのような態度なら、ほかの問題は推して知るべきである。
  177. 小野裕

    ○小野政府委員 私、具体的な条項について知りませんので、まことに恐縮でございますが、当時のお話し合い等につきましてよく調査いたしました上で処置したいと考えます。
  178. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 もう時間がありませんから、最後に、せっかく航空局長が見えておりますから、二点だけお伺いいたします。  一点は、現在の民間航空が使っておる板付空港エプロンがたいへん狭いのです。それで、これを何とか安全のために広げなくてはいかぬという問題が起こっておるのですが、その後の検討はどうなっておるでしょうか。
  179. 栃内一彦

    ○栃内政府委員 ただいま御指摘のように、現在民航が使っております板付のエプロン地域は非常に狭うございまして、私どもとしてはこれを何とかしなければならないと考えております。そこで、現在の位置を拡張するというような点につきまして、関係各省庁あるいは米軍との折衝を開始したい、かように考えております。
  180. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 いつごろから開始されるのですか、もう始めておられるのですか。
  181. 栃内一彦

    ○栃内政府委員 私のほうでは、内部的には具体的な拡張案というものを検討しておりまして、その後板付の問題がいろいろ新聞紙上等にも出ておりますので、現在のところ、今後の推移がどうなるかというような点を勘案して再検討いたしたい、かように考えております。
  182. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 その計画の概要をもし説明できればお願いいたしたいと思います。
  183. 栃内一彦

    ○栃内政府委員 現在のターミナル地域を中心とした拡張案と申しますのは、私のほうの内部で考えておったわけでございますが、これはいまの付近をある程度拡張するというような小規模なものを考えておりました。それから、その後情勢も変わったように感じますので、根本的にこれを考える必要があるのではないか、かように考えておりますが、その後の情勢の変化というものにつきましては、私のほうから関係の向きによく意見を聞き、また地元の御要望ということもこの問題は非常に重要なことであると思います。したがって、地元の御意見あるいは関係各省庁の御意見、あるいは航空局のいわば技術的な専門的立場というようなものを彼此勘案いたしまして、具体案をつくりたいと思っております。現存のところ、内部では、あすこはどうか、ここはどうかというようなことは考えておりますが、外部に対して、まだこれによって希望を述べるというところ、あるいは地元から正式に御意見を伺うというところまではいっておりません。あるいは現地の私のほうの出先で非公式な形でいろいろ地元の御意見を伺っておるという点はあるかと思いますが、この点はまだ報告は参っておりません。
  184. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 昨年も事故が起こりまして非常に問題化したわけです。これは非常に緊急性がありますから、早急に取りかかるべき問題であろうと思うのですけれども、少なくとも来年度には何らかのこれに対する具体的な措置をされる用意があるかどうか。
  185. 栃内一彦

    ○栃内政府委員 最近の板付の情勢の変化によりまして、私ども根本的に考えを直したわけでございますので、今後できるだけ早く地元及び関係各省庁の御意見を参考にして具体案をつくりまして、必要な措置をとり、できるだけ明年度の予算に必要な部分につきましては要求をいたしたい、かように考えております。
  186. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 たいへん持ち時間を経過しまして恐縮ですが、これで終わりたいと思います。  要望だけをいたしておきますが、自衛隊が現板付基地を、一時使用にしても、米軍と共用される根拠について、私どもは納得しておりません。それからまた、施設庁のほうに申し上げたいのですが、契約問題についても、もし土地の所有者が拒否した場合にはいかなる措置をされるかについて、明確な御答弁も得ておりません。そしてまた、今後板付基地をそれでもなお残すという問題について、いろいろな予算的な問題についても、きょう明確になっておりません。少なくとも、一番最後に申し上げました、市と約束されたいろいろな道路の問題についても、しかるべき機会に明確にしていただきたい、このように私は思います。  最後に、一点だけお伺いをしてやめたいと思いますが、要するに、いままでは基地がなくなる、あるいは縮小される、米軍がいなくなる、そういう場合には、基地周辺の振興対策というものを国側が責任を持ってやられておったと思うのです。しかし、今回の米軍の削減に伴う基地周辺の対策については、まだ状態がよくわからないという点もあるかもしれないが、二日間の質疑においても、私は、国側の積極的な周辺対策というものは全然考えておられないように見受けます。これはたいへん遺憾なことです。しかも、板付基地で働いておる労務者は非常な削減をされる、首を切られる、労働者の首切りだけが行なわれておる。そのほかの措置については全然明確にならない。私はたいへん不満です。特に最後に御要望いたしたいのですが、これは内閣委員会なりあるいは社労委員会で問題になると思いますけれども、離職をされる駐留軍の労務者の問題については、わが党も雇用安定法案を出しておりますけれども、あたたかい措置、少なくとも炭鉱離職者の措置に劣らない措置が必要であろう、これは国側の責任でそうなっておるのですから。最後に、この点について、わが党が出しました雇用安定法案とも関連いたしまして、長官の所信をお伺いしておきたいと思います。
  187. 小野裕

    ○小野政府委員 広大な濶達な基地を提供いたしておられます地元の皆さん方が、いままでいろいろ御苦労なされ、また御迷惑をかけたことも考えております。また、今後も引き続き提供基地として残るのでございまして、今後とも御協力をお願い申し上げるわけであります。  最後に、労務者対策の問題でございますが、まことにおことばのとおり重大な問題でございまして、私ども全力を尽くしまして、この方々の円滑な離職対策といいますか、再就職の上また御活躍できますように努力をいたしたい、このように考えております。
  188. 植木庚子郎

    ○植木主査 以上をもちまして、昭和三十九年度一般会計予算総理府所管のうち、防衛庁関係について通告のありました質疑は全部終了いたしました。  次会は、来たる二十五日午前十時より開会し、大蔵省所管について質疑を行ないます。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時九分散会