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広岡参考人 お答えいたします。
ただいま
五島委員からお話のありましたごとく、戦後再開されました
移住の問題につきましては、
移住審議会においての答申の趣旨に沿ってこの
事業団というものができたということも、私、十分承知いたしております。また、その
向こうべき理念、考え方、あり方というものにつきましても、従前のようないわゆる口べらしのための
移民というようなものであってはならないということも私ども十分に考えておるところであります。それだけに、
移民という問題が終始人と人との問題でありまして、常に人を相手にしている問題、したがってその人
たちの将来あるいは運命を左右するという事態でございますし、単に形式的にうわべばかりで糊塗しようというような考え方は、これは私ども決して持っておるわけでございません。しかも遠く離れた異郷の
土地における問題でございますし、また相手国におきます条件、環境等も常に変化いたしておりまして、それの影響も考えていかなければなりませんから、今後
移住地、
移住の全般の問題におきましても十分なる総合的考慮のもとに周密なる
計画を必要とすることは申すまでもないと
思います。私、昨年、南米をかけ足でございましたけれども、一巡いたしまして各
移住地を見まして、従前のあり方を反省すべき点もあると考えました。したがって今後は
移住者のためになる、
移住者の身になってすべてを考えていくという
計画と考慮を必要とすると思うのであります。今後その
意味において、
移住振興のために、またそれがみんなから十分納得されるような
移住でありたい、こう考えておる次第であります。
ついでにちょっと先ほどの御
質問に触れておきたいと思うのでございますが、実はこの問題につきましては、数日前に
五島委員からお話がございましたので、私どものほうにおきましてはさっそく電報でもって
現地に照会をいたしております。まだその回答が参っておりませんが、ただいまの御文面で税金を課せられた。先ほど
外務大臣、局長、私からも申し上げましたように、
移住協定は発効されてはおりますけれども、まだこまかなことの取りきめはできていない。したがって、事実上においてこれを解決していくという方向で、しかもその本旨に沿ってやっていくということに
努力をいたしておるのでありまして、これが税金で一万五千ペソ、四万五千
相当のものであるとは考えられないのでありまして、これは追って
現地から詳細な
報告がありましたならばまた御連結いたしたいと思うのでありますが、そういうように私はいま考えておらないのであります。
現地におきましても、
在外公館におきましても、そういうことで
無税と同様の措置になるように
努力をいたしておるのであります。そういうこともあるかと
思いまして、私のほうでも数次にわたり、最近におきましても昨年の十一月に、これはごらんに入れてもいいのでありますが、念のために各都道府県の地方
海外協会にその注意を喚起する書面を出しておるのでありまして、その中にも、
移住協定がまだ発効されていない、したがって
協定の中にあります一万ドル以内における
無税の措置もまだ未解決である、したがってこういう点については渡航者に誤解のないように十分に説明するようにということも申し加えておるのであります。また、ただいまお話のありましたように、倉庫に一応入っておりますが、これはどこでも一応倉庫に入るのでありまして、長い場合におきましては二カ月三カ月倉庫の中に保管されているという
実情も前例に徴してございます。これは、やはり原動機取りつけ等によります
車両、
トラクター、そういうようなものは、
現地におけるプレートの取りかえというような問題もあるということです。しかし、それが三カ月も入っているということは、これはどうもあまり長過ぎる。したがって、こういうものもできるだけ早く出すようにというように、
現地においても常時極力
努力いたしておるようであります。したがって、そういうものを盛り込みました長い具体的な問題を洗いざらい昨年の十一月出しまして、念のために兵庫県の
海外協会に問い合わせてみましたところが、
岸本さんにもこの連絡の趣旨は十分徹底してある、一応倉庫に入るということもあり得るんだ、だから、そういう点についてはよく了承してもらったほうがいいし、何ぶん
税関に関する査定等の問題は、これはだいぶ裁量の問題にかかることでありますから、あまりそれに触れないようなものを十分注意して携行していったほうがいいというようなことまで、念を押して
岸本さんに申し伝えたということを言っておりますが、しかし、この事案自体はまだ
現地から詳細な
報告に接しませんので、これがわかり次第
五島委員のところまで御連絡申し上げたいと思っております。以上です。