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灘尾国務大臣 青少年の問題につきまして、先ほど自治
大臣、総務
長官と同じような
考え方だということを私申し上げました。この問題は、大きく言えば先ほど申し上げたとおりで、いろいろな理由があると思うのですが、こさいに
考えますれば、それぞれの青少年自身についていろいろな原因が私はあると思うのであります。したがって、それに対応して、何と申しますか、一種のケース・ワークというふうなものが行なわれ、個別指導というものが行なわれなければならないと
考えておる次第でありますが、いまの青少年の非行化と言いますか、それの原因の中に、いわゆる劣等感というものがかなり作用してはいないか、私はそういうこともあろうかと思います。そういうことのないように育てていかなければならないものでありまして、これにつきましては、文部省の
関係としましてはやはり学校教育、家庭教育、あるいは社会教育を通じまして、そのようなことのないように、それぞれ
関係の向きがやっていく。こういうふうにやっていかなければならぬと思うのでありますが、
お尋ねの高等学校の入学試験の問題でありますが、高等学校の入学試験につきまして、
山中さんすでに御
指摘になりましたように、昨年入学試験を行なうようにという通知を出しております。この趣旨は、御承知のように、現在全国の高等学校の入学者の選抜につきましては、大体ほとんど全部と申し上げてよろしいと思うのでありますが、学力検査を含む入学者選抜を行なっておるわけであります。この実態の上に立ちまして、ただいま申し上げましたような省令の
改正を行ない、また通知もいたしておるわけでありますが、その趣旨は、高等学校は義務教育と大学教育との間にはさまれた年齢層を対象にしております。この高等学校を卒業した人は、大学に進む人もおりますし、それからまたすぐに社会に出て産業
経済界に活動していく人たちもおるわけであります。大学にいたしましても、また産業
経済界にいたしましても、相当な水準を持った人を要請いたしておるわけであります。したがって、これに対応するように現在の高等学校の教育
内容というものが定められておると思うのであります。この現在定めております高等学校教育を、学校に入りましてこれに耐えて勉強することができる人を入れなければなりません。これをやるだけの力のない人が入りましても、学校も困りましょうし、御本人も困る問題でありまして、このような人たちに対しましては、やはりその人相応の教養の道を
考えていかなければならないのではないかと思うのであります。現実から申しますと、
山中さんよく御承知のように、昨年の四月の実績から見ましても、高等学校を志望する者のほとんど全部に近い者がどこかの高等学校教育を受けておるというふうな状況でございますが、たてまえといたしましては、やはりできるだけ多くの人に、教育の機会均等の精神にのっとりまして、教育を受ける機会を与えたい。この
努力をなすことは当然でございますが、たてまえとしましては、やはりある
程度勉強ができる
能力を持った人を入れるということが必要ではないかと思いますので、そのような心持ちを持ちまして省令を
改正し、また通達をいたしたわけでありまして、特に狭い門にするというような心持ちでいたしておるわけではございませんけれ
ども、ある
程度の高等学校の教育水準というものは維持しなけりゃならぬだろう、このような
考え方でやったわけでございますので、これはひとつ御了承いただきたいと思うのであります。それに関連いたしまして、いろいろ劣等感を生ずるというふうなことがもしありとしますならば、まことに残念なことであります。これについては、家庭なり学校なりで、やはり本人にもよく理解させ、指導をするということも必要ではないかと私は
考えます。