○川崎(秀)委員 田
中国務大臣、だいぶ私が急ピッチで話をしたものだから、問題を混同されたけれども、民度の高い、それから生活程度の高い太平洋経済機構と
アジアとは全然別の問題だったのです。ですから、それはこれでやめますけれども、
アジア開発銀行というのは民間ベースの話、それから太平洋経済機構というものは、できれば将来
政府も入れての話、こういうことですから、また御検討を願っておきます。私は
最後に、この予算の規模などにつきましても、いろいろ
お話をいたし、また御
答弁を承りたいと思っているのです。私は、歳出項目のことについては、
政府の予算は万全を期したものと思っております。ただ予算の規模がはたして適正であるかどうか、これはこれから先の
予算委員会で相当な議論になると思います。現に
昭和十年以来の
一般会計予算の規模というものを大蔵省から材料を出させてみたら、これはなかなか相当な問題を含んでいるのです。それから諸外国との対比、諸外国は
日本より進んでおるからということを言うけれども、このごろずっと動いておらぬ。
日本は大動きです。それは発展途上だから。これは
池田総理大臣ならば、私いろいろ質問しても全部お答えいただくけれども、あなたはどうだかわからぬ。きょうはそこまではいかないですが、そこでよく御検討おきを願いたい。現に
昭和三十五年から予算の規模は倍増になっておる。一兆五千六百九十億が三兆二千五百五十億。所得倍増を待たずして予算は中間年において三兆二千五百五十四億、これはみんなにいいよといっているけれども、これは
関係者みんなに非常にいい予算。けれども、
国民一般にいい予算になるかどうかは、物価が上がらないかということに対するめどがはっきりしない限り保証はできない。
アメリカの予算は九百七十九億ドル。これは苦労をなくするという予算だそうです。そんなことは
アメリカでは言わないだろうけれども、私はそう見ておる。こっちは一般三兆三千五百五十四億で、みんなにいいよという、これはその下に三千八百万というのがついて、これはさんざん八百長したという予算でもある。歳出項目については私は賛成である、こういうことであります。
私は
最後に、
政治家の倫理観あるいは道徳観、使命感について首相の信念を承って私の質問を終わりたいと思うのであります。
池田内閣は、発足以来所得倍増計画を発表しまして、物価問題を除いてはおおむね順調に推移をし、
国民の生活は確かに向上してきたのであります。首相は、その間数回の外遊をされまして、ヨーロッパ訪問や東南
アジア訪問においては相当な成果をあげられました。現在話題の人であるドゴール首相は、
池田総理大臣を評してトランジスターの商人などと批評したですが、私は、これは決して皮肉ばかりとはとらぬ。むしろヨーロッパにおいては首相の経済的な識見というものに対して相当な評価がある。その意味で自信を持って今後邁進していただくとともに、所得倍増
政策の結果流れつつある風潮は何かというと、これはどうしても物質本位に落ちつかざるを符ないから、したがって、世間にはいろいろな悪の物質偏重の思想も横溢してきておると思うのです。小坂君が指摘されたように、青年の非行であるとか、チンピラであるとか、あるいはぐれん隊、極端な行動者の暴力的な行為とかが頻発する可能性がある。私は、
中共問題が登場するとともに相当危険な様相をも呈するのではないかと実は心配をいたしておるのでありますが、そういうようなときに、やはり
政治家の使命観というか、
政治家の倫理観というものが非常に大切である。この前の国会の本
会議の質問演説の際に、佐々木良作君が指摘されたことは、私は非常に深い傾聴をもって聞きました。
政治家がまず反省せよ、過ぐる総選挙におけるところの
状態はどうであったか、正しからざる者にわれわれは頭を下げようという傾向はありはしないかということを言われた。これからいよいよ
池田内閣がさらに
日本の経済をにない、また
政治をになって伸長させていく上には、いままでなかった面が出てこなければ
国民は信頼を高めるわけにはいかない。
総理大臣になられてからの
総理の御決心は非常に私どもの胸を打つものがございます。どうかその
姿勢をもっと高められて、
政治家の倫理観、使命観というものを徹底をされることが必要ではないか。その点に対する
総理大臣の御言明を承って本日の顧問を終わりたいと思います。