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1964-04-24 第46回国会 衆議院 本会議 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十四日(金曜日)     —————————————  議事日程 第二十五号   昭和三十九年四月二十四日    午後二時開議  第一 河川法案内閣提出)  第二 河川法施行法案内閣提出)  第三 外務省設置法の一部を改正する法律案(   内閣提出)  第四 在外公館名称及び位置を定める法律及   び在外公館に勤務する外務公務員給与に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提   出)  第五 土地改良法の一部を改正する法律案(内   閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  生存者叙勲復活に関する緊急質問石橋政嗣君   提出)  日程第一 河川法案内閣提出)  日程第二 河川法施行法案内閣提出)  日程第三 外務省設置法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  日程第四 在外公館名称及び位置を定める法   律及び在外公館に勤務する外務公務員給与   に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)  日程第五 土地改良法の一部を改正する法律案   (内閣提出)    午後二時九分開議
  2. 船田中

    議長船田中君) これより会議を開きます。      ————◇—————  議員請暇の件
  3. 船田中

    議長船田中君) おはかりいたします。  議員松田鐵藏君から、海外旅行のため、五月二円から十五日まで十四日間請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————  生存者叙勲復活に関する緊急質問  (石橋政嗣君提出
  5. 小沢辰男

    小沢辰男君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、石橋政嗣君提出生存者叙勲復活に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
  6. 船田中

    議長船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  生存者叙勲復活に関する緊急質問を許可いたします。石橋政嗣君。    〔石橋政嗣君登壇
  8. 石橋政嗣

    石橋政嗣君 私は、日本社会党を代表し、政府が近日中に行なわんとしております生存者叙勲がいかに不法なものであり、かつ、不当、不純なものであるかを明らかにしながら、総理の所信をたださんとするものであります。(拍手)  申し上げるまでもなく、生存者叙勲がきまりましたのは昨年七月十二日、第四十三通常国会閉会の直後、内閣改造の直前であります。国民のためのものであるべき栄典制度が、このような時期を選んで、まるでこそどろ式閣議できめられたという一事が、その意図と性格のすべてを物語っているといっても決して言い過ぎではないと思うのであります。(拍手)  御承知のとおり、現在子供の世界はまさにワッペン明けワッペンに暮れるばかりのありさまです。この流行におくれをとってはならぬとばかりにりっぱなおとなたち叙勲を急ぐありさまは、童心に返ったほほえましい姿とひやかしてばかりはおれないのであります。(拍手)  日本国憲法第七条に定められた栄典制度は、あくまでも現行憲法の平和と民主主義精神にのっとったものでなければならないはずであります。そのためには、広く国民世論を徴しつつ、法律によって制定されるべきものであることは言うを待ちません。しかるに、国民は直接にはもちろん、国会を通じて間接にすら何らの発言の機会を与えられぬまま、いま一方的に内閣の独断による制度を押しつけられようとしているのであります。一体、このようなことが許されてよいものでありましょうか。  政府説明によりますと、栄典授与することは、内閣助言承認に基づく天皇国事行為であるから、内閣の全責任において行なうことは当然であると申しております。思い上がりもはなはだしいといわなければなりません。(拍手栄典天皇大権事項に属した帝国憲法下においてすら、一応賞勲局総裁議長とし、勅任官の勲一等以上の者十五人に皇族を加えて構成された賞勲会議というものが設けられていたのであります。勲章授与し、またはこれを剥奪するためには、その八人以上の議を経なければならないことになっておりました。ましていわんや、現在は国民三権の新憲法の時代であります。どうしてかかる政府の専断を許すことができましょう。法律によって定めるべきであることはもちろん、その授与にあたっては、各界各層の代表によって構成される栄典審議会ともいうべき機関によって慎重な検討が加えられ、授与公正妥当を期すべきが、誤りなき助言承認を行なうためにも絶対の要件であると思うのでありますが、総理はいかがお考えでありますか、所見をお伺いいたします。(拍手)  もし、このような暴挙がまかり通るとするならば、やがて叙勲の回を重ねるに従い、党利党略の横行は目をおおうばかりのものとなり、単に国民と遊離した制度となるのみでなく、一片の権威も価値もない栄典となるであろうことは火を見るよりも明らかといわねばなりません。(拍手)  なお、このような行為が法的にも憲法違反であることは明確であります。政府は、法律によらなくともよろしいという理由として、栄典授与するという行為は、国民権利や利益を何ら拘束するものではないとか、あるいは従来の勲章などが定められた太政官布告勅令は現在も政令として有効であるということをあげているようであります。しかし、このような解釈がはたして許されるでありましょうか。現に位階勲等を詐称した場合や、資格がない者が勲章などを用いたり、これに似せてつくったものを用いたりすれば、法律によって処罰されるのであります。これでも国民権利義務関係がないと強弁なされるつもりでありますか。(拍手)しかも、政府政令でかってにつくったものを用いたからといって、別の法律で処罰されるというようなことが一体許されてよいものでありましょうか、総理の明確なお答えを願う次第であります。  また、太政官布告や旧勅令は、日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令規定効力等に関する政令によって、現在もなお政令としてその効力を有するという主張に至っては、全くナンセンスであることを指摘したいと思います。このような思想は、内閣の行なう事務を規定した憲法第七十三条第六号の「この憲法及び法律規定を実施するために、政令を制定すること。」ができるという条文をことさらにゆがめ、みずからに都合のよいように解釈し、憲法規定を直接に実施するための政令が許されるという立場をとるところからきているものと思われるのでありますが、このような考えが、立法権を排他的に国会に与えている憲法趣旨に反するものであることは明らかであります。(拍手国会が唯一の立法機関である限り、憲法規定は、憲法法律政令という段階を経て実施されることは当然であり、政令には、法律を実施するための政令しかあり得ないのであります。したがって、勲章制度を定めたすべての政令は、法律によらざるがゆえに憲法違反であり、無効であると考えるのでありますが、総理の見解を問うものであります。(拍手)  この点につきまして、総理は、従来行なってきた死没者叙勲や、文化勲章授与等の例をあげて反駁されるかもしれません。しかしながら、憲法違反行為は、既成事実の積み重ねによって合理化されるものでないことは、自衛隊の場合と同様であることを指摘しておきたいと思うのであります。  なお、次に私が問題としたいと思いますことは、政府が行なわんとしている生存者叙勲性格であります。  去る二十一日閣議決定を見たという叙勲基準要綱なるものを一読して感じますことは、まず第一に、政治家官僚優先思想が一貫しているということであります。しかも、国家公共に対する功労に報いるというのは単なるお題目であり、実はその占める地位と、在職年限万能の基準だということであります。われわれの最もおそれたことが、いま現実のものとなろうとしているのです。民主国家にふさわしい栄典制度、それはあくまでも一般国民を主たる対象としたものであるべきです。政治家官僚はその地位にあるだけでそれ相応の栄誉と報償を受けているはずであります。その上に、大過なく過ごしたというだけで栄典に浴する必要がどうしてありましょうか。(拍手)  要は、いかにして国家公共に対し功労があり、しかも、恵まれない人々を見出してこれを表彰するかということであるべきです。数十年一筋に、各自の職場を守って黙々と働き続けてきた人たち、同胞の生命と財産を守ってきた人たち、広く建設増産に励んできた人たち、その人たちを第一として栄典制度であってこそ光を放ち、国民の尊敬を集めることができるものと確信するものであります。(拍手)このような人たちには、添えもののように下級勲章を与えておき、政治家高級官僚、そして一握りの財界人が高級の勲章を独占し、その特権意識をさらに満足させるような制度となるであろうことは、叙勲基準要綱なるものを一べつすれば明らかであると思うのでありますが、総理はいかなるお考えでありますか、お伺いをいたします。(拍手)  さらに、われわれが許しがたいと思うことは、勲章がなければ外国使臣と同席した際肩身の狭い思いをするなどという口実をかまえ、執拗にその実現を迫った勲章亡者たちの欲望を満たすために、憲法を無視するのみならず、戦没者を利用しようとしているのではないかという点であります。政府は、生存者叙勲に先がけて、戦没者叙勲を行なおうとしているのでありますが、これが生存者叙勲に対する世論の不評をやわらげるための措置でないと断言できるでありましょうか。世評の一部には、これをもって下級勲章在庫品一掃のくさみありと極言する者さえあるのであります。(拍手)これについての総理の御意見をお伺いしたいと思います。  ともあれ、いまどき思い出したように勲章を贈るというようなことが、聖戦の美名のもと一片赤紙によって戦場にかり立てられ、母を呼び、妻や子を案じつつ散っていった人たちの霊に報い、遺族を慰めることになるのでありましょうか。霊に報いるほんとうの道は、勲章を差し上げることではなく、彼らのとうとい犠牲によって初めてかちとることのできた日本国憲法を守り抜くことではないかと言いたいのであります。(拍手勲等に基づく旧支配秩序身分的差別制度復活させるような栄典制度をつくったり、金鵄勲章の亡霊を呼び起こしたり、紀元節の復活をはかったり、旧地主の補償問題にうつつを抜かしたり、とにかく最近の一連のうしろ向き政策、旧憲法体制への逆戻り等を早急に改めることこそ、真に戦没者の霊に報いる道とお考えにならないものかどうか、お伺いいたします。(拍手)  最後に、私はいま一度申し上げます。政府は、不法、不当な生存者叙勲を直ちにやめるべきです。そして、堂々と新憲法精神に沿ったりっぱな制度法律によってつくるべきです。また、授与にあたっては、栄典審議会のごとき機関によってその公正妥当を期すべきであります。もし政府誤りを改めず、あえて生存者叙勲を強行する場合においては、わが社会党員及び関係議員は、あげてこれを拒否するであろうことをここに明確に宣言いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)    〔国務大臣池田勇人登壇
  9. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お答えいたします。  新憲法下におきましても、国家公共に対して功労のあった方に、これを表彰することは、憲法の期待しておるところであります。したがいまして、私は生存者叙勲憲法違反ではないと考えます。しこうして、栄典授与は、お話のとおり、憲法第七条によりまして天皇国事行為とせられております。その天皇国事行為は、内閣助言承認によって行なわれるのでございます。そこでいま法律によってやるべしという議論がございます。しかし、いまの栄典制度はすでに定められました勅令が生きておるのであります。これを生存者にとめておるのは、昭和二十一年の閣議決定であるのであります。したがいまして、私はその停止を、閣議決定で戻すことは何ら差しつかえないと考えております。(拍手)  しこうして、また一部には、栄典制度法律をもってやるべし、こういう考え方がございます。それは以前におきまして岸内閣吉田内閣芦田内閣におきまして法律考えられたことがございますが、その新しい栄典制度はいま生きておる栄典制度より別個のものであるのであります。私は、今後別個のものをつくる場合におきましては、法律によったほうが妥当であると考えますが、いままでの分を復活するのは法律の必要はないと思います。(拍手)  しこうして、それならばいままでのものを使うよりも新しいものを使ったらどうかというお考えがあります。そこで私は世論調査をしたのであります。ことに戦後におきましてもすでに一万数千人に渡し、また外国人に対しましても千数百の勲章をすでに与えておるのであります。この際新しいものを設けることがいいか、古いものでそのままやっていくのがいいかという世論調査をいたしましたが、やはり古いものになれておるから、それを用いたほうがいいというのが大多数の意見であるのであります。(拍手)したがいまして、前の内閣で行なわれたがごとく、新しい制度をつくるよりも、国民に親しみのある、国民の希望するいまの制度を続けていくことが妥当であると考えたのでございます。(拍手)  なお、法律でなければいかぬというふうな議論はそれで答えたことになりますが、もうすでに文化勲章とかあるいは紫綬褒章その他の勲章に相当するものは、前の勅令をそのまま使ってやっておるじゃございませんか。あなたのように法律でやれということなら、いままでの文化勲章はどうなってまいりましょうか。われわれはこういうものにつきましては、従来のいいところを生かしてやるべきだと考えます。  なお、今後の勲章官僚とかあるいは国会議員のみにやるようにお考えになるのは独善でございまして、これは一部に片寄らず、全国民を相手にしてやることを考えておるのでございます。(拍手)決して乱に流れることはないのでございます。  なお、にせ勲章をつくりました者に対しての罰則適用は、規定に相当する場合に、法律できめなくても罰則適用があることはすでに御承知のことと思います。  なお、戦没者に対しましては、従来の例によりまして、生存者よりも先にいたしたいと考えておる次第でございます。(拍手)      ————◇—————  日程第一 河川法案内閣提出)  日程第二 河川法施行法案内閣提出
  10. 船田中

    議長船田中君) 日程第一、河川法案日程第二、河川法施行法案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————  河川法案  河川法施行法案    〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  11. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。建設委員長丹羽喬四郎君。     —————————————    〔報告書本号(その二)に掲載〕     —————————————    〔丹羽喬四郎登壇
  12. 丹羽喬四郎

    丹羽喬四郎君 ただいま議題となりました河川法案、及び河川法施行法案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  現行河川法は、明治二十九年に制定せられ、約七十年間根本的な改正を加えられることなく今日に至ったのでありますが、近時における水行政重要性にかんがみ、治水利水両面にわたり総合的基本体制を確立する必要がありますので、今回その全面的改正の要に迫られた次第であります。  その要点は次のとおりであります。  第一に、河川管理の適正を期するため、河川水系別一級河川及び二級河川に区分し、水系主義管理制度を樹立したことであり、第二に、一級河川建設大臣、二級河川都道府県知事がそれぞれ管理することとし、費用については、原則として一級河川は国、二級河川都道府県が負担することとしたことであります。第三に、一定規模以上のダムについては、防災上の見地から必要な規定を設けたこと、第四に、建設省と都道府県にそれぞれ河川審議会を設置することとしたこと、第五に、河川の台帳を整備することとしたこと、以上のほか、河川の区域、流水占用等について所要の規定を整備いたしております。  以上が河川法案要点でありますが、河川法を施行するために必要な経過措置並びに関係法律の一部改正を、河川法施行法案として規定いたしたわけであります。  河川法施行法案は去る一月二十九日、河川法案は去る二月十九日、それぞれ本委員会に付託され、二月二十五日両案の提案理由説明を聴取し、自来、参考人意見を徴する等、慎重に審議を進めてまいったのでありますが、審査の詳細については会議録に譲ることといたします。  かくて、四月二十三日、質疑を終了いたしましたが、日本社会党を代表して岡本隆一君より両案に対してそれぞれ修正案提出せられました。  両修正案内容は、私権排除河川認定遊水地域指定洪水襲地帯指定ダム群操作等、及びこれらの修正に伴う関連規定に関して修正せんとするものであります。両修正案は、採決の結果、いずれも少数をもって否決せられました。  両法律案について採決の結果、両案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、河川法案について、民主社会党を代表して吉田賢一君より附帯決議を付すべしとの動議提出せられましたが、採決の結果、否決せられました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  13. 船田中

    議長船田中君) 両案に対しては、それぞれ岡本隆一君外八名から、成規により修正案提出されております。     —————————————
  14. 船田中

    議長船田中君) この際、両修正案趣旨弁明を許します。岡本隆一君。    〔岡本隆一登壇
  15. 岡本隆一

    岡本隆一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま委員長報告のありました河川法案並びに河川法施行法案に対し、修正動議提出するものであります。  現行河川法改正の必要が叫ばれましたゆえんのものは、明治二十九年河川法が制定されまして以来、著しく発展したわが国経済現状に即応し、さらにはまた、戦後地方自治制度の確立したわが国政治現状に即応して、河川を適正に管理して国民生活を守るとともに、最近急速に増大した水需要を満たさんとするところにあったのであります。したがって、改正目標は、何をおいても高い次元に立って、治水利水両面にわたって河川水系ごとに一元的に管理するというところにあったのであります。  ところで、一たび河川法改正が発表されますと、各省間に猛烈ななわ張り争いが起こり、知事会権限争いがこれに加わりまして、改正方向は右に左に大きくゆれ動き、改正内容は全く当初の方向を見失ってしまったのであります。これ、われわれが本法律案修正動議提出する理由であります。  次に、その内容趣旨の概要を重要な数点にしぼって御説明申し上げます。  まず第一に、修正案におきましてわれわれは、流水に対する私権排除を明確にせんとしたのであります。  現行河川法は第三条におきまして、「河川並其ノ敷地若ハ流水ハ私権目的トナルコトヲ得ス」と規定しております。ところで、昭和三十二年成立いたしました多目的ダム法には、ダム使用権は物権とみなすと規定されまして、ダムにたくわえられた水に対する私権排除が不明確になっているのであります。また、事実ダムの水はおれのもの、こういった考え方に立ったダム操作誤りによりまして、洪水時たびたび重大なダム災害が発生しているのであります。しかるに、本改正案におきましては、現行法における私権排除規定がなくなり、ダム設置者の持つ、こうした誤った考え方を助長するおそれが出てまいりましたので、われわれは流水に対する私権排除を明確にせんとしたのであります。  修正の第二の要点は、河川認定管理、並びに管理に要する費用の負担に関する問題であります。  当初本法改正方向が発表せられました当時の河川管理に関する方針は、人口、産業等その流域の経済の発展の状況に応じて、河川を一級、二級に分類し、国民生活と重大なる関連のある一級河川については国が管理を行ない、中小河川については府県が管理して、費用もそのそれぞれにおいて負担することをたてまえとしようとしたのであります。すなわち、一級河川管理費用全額国庫が負担し、二級河川については二分の一を国が負担することにより、財政面における国の責任を明らかにせんとしたのであります。ところが、一たびこの方向が発表されますと、自治省並びに知事会の反対によりまして、水源より河口に至る河川一元的管理という大目標がくずされ、知事管理区間の設定による、従来のこま切れ管理復活したのであります。また、大蔵省の抵抗によりまして、財政面における国の責任体制がくずれ去ったのであります。かくて本改正案は、当初の河川管理一元化により、治水利水合理化をはかるといった背骨を失った、タコのようなものになってしまっているのであります。したがいまして、われわれは本修正案によりまして、河川管理体系を当初の計画に戻し、その一元化をはかるとともに、国の財政的責任体制を強化して、まさに仮死状態におちいっている河川法改正の本来の目的生命を吹き込まんといたしているのであります。  修正の第三の要点は、遊水地域指定に関する事項であります。  今回の改正案には遊水地域保全という考え方をどこにも見出すことはできません。従来の河川管理方針は、水を堤防で囲い、洪水疎通をよくして、できるだけ早く無害にこれを海に注ごうとしていたのであります。いわゆる高水路工法といわれる方針がとられていたのであります。ところで、洪水をこうして堤防で攻め立てますと、それが一たん破堤した場合、その破壊力はきわめて強大となり、甚大なる災害を発生するのであります。さらにまた洪水を海に無効放流して、水利用を全く不可能にしてしまうのであります。かく治水工法近代的方向は、高水路方式より流量調節に向かい、本改正案におきましても、ダムに関する多くの規定が織り込まれまして、流量調節によって治水効果をあげるとともに、利水の効率を高めんといたしているのであります。  戦時中、食糧増産の名のもとに、多くの遊水地域が耕地化されました。いままた住宅、工場等用地需要が高まるとともに、公共用地の拡大と相まって、さらにその傾向に拍車がかけられております。このことは、戦中、戦後の山地の荒廃とともに、今日の日本洪水を非常に大きくする原因をなしているのであります。利根川には渡良瀬、田中などの遊水池が設けられておりますが、全国的に見て河川管理方式の中に、遊水地域保全ということが非常に軽視されているやに見受けられるのであります。川を攻め立て、河川領域経済が蚕食するところに災害の大きくなる原因があるのであります。河川領域を侵し、土地有効利用をはかるには、遊水地域の持つ調整機能保全しながら、計画的に行なわなければなりません。こうした考え方に立って、われわれは、本修正案の中におきまして、洪水調節のための遊水地域指定し、この遊水地域は、これにかわるべき洪水調節機能を有する施設を設けるまでは、これを取りこぼつことができないよう規定せんとしたのであります。  修正要点の第四は、洪水襲地帯指定であります。  川は生きているということばのとおり、われわれが手を加えますと、川は必ず敏感に反応してまいります。たとえば、利水目的をもってダムをつくりますと、ダムの上流では、流水の停滞のために著しい土砂の堆積が起こって、洪水原因となります。下流では河道の掘さくのために干害が生じます。また、河川の改修によって流水疎通をよくいたしますと、下流狭窄部には洪水をもたらします。こうしてわれわれが治水利水目的で川に手を加えますと、一部に第二次的な洪水襲地帯をつくり出すのであります。  このように人工的につくられた洪水常襲地域に生活する住民は、毎年のように大雨ごとにどっぷりと水につかって非常な犠牲をしいられているのであります。作物はとれず、住む家は荒廃して、生活は次第に困窮しつつあるのであります。しかも、政府は財政的理由をもってこれらの災害を防除するための措置を一向にとろうとせず、その地域の住民の嘆きは、いまや政府の無策に対する怒りとなって燃え上がりつつあるのであります。したがいまして、これらの人工的な洪水常襲地域を水禍から解放するための治水施設は、他の施設に優先すべきであるにかかわらず、他の利水目的とする施設がしばしばこれに優先しているのであります。それゆえに私どもは本修正案におきまして、かかる地域を洪水襲地帯として指定し、この地域に対する治水施設を他の河川工事に優先して行なうことを政府に義務づけようといたしたのであります。  この修正は、連年の水禍に悩む住民の声であります。また政治の当然あるべき姿であります。昨年の通常国会におきましても、われわれは罹災住民の立場に立って、これと同じ修正案を提案したのでありますが、与党の諸君によって否決されたのであります。まことに涙なきしわざというほかありません。水害地住民は、この事実を悲憤の涙をもって見ております。しかるに、政府並びに与党の諸君は、この悲痛なる願いを無視して、われわれの修正意見を取り入れることなく、そのまま本改正案を提案しているのであります。まことに冷酷無情、無神経きわまるというのほかありません。(拍手)これでは、利水権は国の手に、水はおれたちに自由に使わせろ、ただしそのためにどこにどんな水害が起ころうとも、それはおれたちの知ったことではない、こういうふうなことになりまして、今回の河川法改正利水第一主義の改正であるといわれてもしかたがないのであります。地域住民の犠牲において、水を求める産業に奉仕せんとする改正であるとのそしりを免れることはできません。これが本案に修正を要求する理由の第四であります。  第五は、ダム操作に対する河川管理者の指揮権の問題であります。  本改正案におきましては、災害防止のためのダムの緊急措置に対する態度がはなはだ臆病であります。従来、発電ダムは、洪水に際しまして、しばしば予備放流を怠り、あるいは急激な放流を行なって、下流住民に重大なる危害を与えるような事故を起こしてまいりました。かかる経緯にこりて、今回の改正法案では、ダム操作に関する詳しい規定を設け、ダムの安全性のために特段の配慮を払っております。ところが、ダム使用権を物権とみなすという考え方の中に、ダム操作に関する統一的管理にきわめて臆病なるものがあります。昨年の国会においては、緊急の場合に、河川管理者は、ダムの設置者に対し、災害を防止するために必要な措置をとることを勧告することができるとあった原案を、指示することができると修正されました。しかし、われわれは、この程度の修正をもって、ダム操作の安全性を確保することはできないと思うのであります。  流水公共のものであります。ダム設置者は施設を設けることによって、ダム使用権を許されますが、それは権利として流水を事業の目的に使用することができるのではなく、資格として使用を許可されているとわれわれは理解しております。それゆえに、公共の安全に重大なる影響ありと懸念される場合には、進んで災害の防止に協力する義務があるものと考えるのであります。そして河川管理者は、各水系ごと洪水管理本部を設けまして、これら幾つかのダム群を、科学的に統一的に管理し、指揮して、災害防止の実をあげるべきであります。そのためには、河川管理者は緊急の際にダム設置者に対して命令権を持たなければなりません。指示することができるといった程度の消極的な態度をもってしては、十分な成果を期待することはできないのであります。レーダーや電子計算機の発達した今日では、ダム群の科学的管理によって、完全な河川管理ができるはずでありますが、命令権のない管理者にこれを求めることは、武器なくして戦えと言うにひとしいのであります。これが修正を求める第五の理由であります。  さらに、河川法施行法案に対する修正案は、以上の河川法案に対する修正に伴い必要となる経過措置並びに関係法律についての整理を行なったものであります。  以上が修正の概要とその理由であります。  明治二十九年に制定された河川法は、いま時代の進運に伴って画期的な改正が行なわれようといたしております。それだけにわれわれはその改正にあたっては、その本来の目的を見失ってはなりません。政府部内のなわ張り争いでゆがめられたり、資本の圧力に屈伏するようなことがあってはなりません。国民生活の安定のために、経済の進展のために、正すべきところは正さなければなりません。そして国民生命と財産を守るための治水は、何よりも重要なものとしなくてはなりません。しかるに、政府原案は、この重大なる河川法の使命を忘れているのであります。いわば魂を置き忘れた河川法というべきであります。これに魂を吹き込まんとするのがわれわれの修正案であります。全員の御賛同をお願いいたしまして、提案の趣旨説明を終わる次第であります。(拍手)     —————————————
  16. 船田中

    議長船田中君) これより討論に入ります。  両案及び両修正案に対する討論を一括して行ないます。金丸徳重君。    〔金丸徳重君登壇
  17. 金丸徳重

    ○金丸徳重君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となっておりまする河川法案及び河川法施行法案につき、政府原案に反対し、わが党修正案に賛成の討論を行なわんとするものでございます。(拍手)  現行河川法が、明治中期の制定にかかわり、時代の進運に沿い得ないものであったことは、早くより万人の指摘していたところであります。したがいまして、これが改正そのことについては、むしろおそきに失するとさえ考えていたものでありまして、昨年五月政府案提案せられて以来、わが党は最も熱心に審議責任をとり、また、今国会において再度提案せられて後も率先これが審議検討の任に当たり、幾多の欠点と不満を指摘して政府に再考を求めつつ、何とかして国民の要望に沿い得るよりよき河川法を得んものと努力してまいったことは、先ほどの委員長報告の中でも明らかにされたとおりでございます。  しこうして、審議を終わるにあたりまして、はなはだ残念なことは、これらの欠点につき十分なる解明がなされず、また、運用上危惧の念を抱かざるを得ないような点が、なお多く存することでございます。ことに多くの重要な部分について政令にゆだねられておるのでありますが、これらについては、その政令内容が十分解明せられ、整備できることの見通しがつかなければ、真に時代に即する河川管理の大本を確立し得たとは申し得ないのでありまして、あれこれこさいにわたって勘案いたしますと、多くの修正加筆すべき部分を認めるのでありますが、前国会以来制定を急がれている建設当局の熱心さと努力に敬意を表し、百歩を譲って修正点を最も重要なる数点にとどめ、その他は政府の今後の誠意に待つことといたしましたのが、ただいま岡本議員によって提案説明のあったわが党修正案であります。したがいまして、本修正案は、趣旨説明の中にもありましたように、政府案に対し、いわば画龍点睛の役を果たしているものと申してもよろしいものでありまして、与党側からも双手をあげて御賛成があるものと信じておる次第でございます。  なお、私が政府原案に対し、何ゆえにこれを不満とし反対するかにつきまして、その要点のみにつき以下概略を申し述べ、御了承をいただきたいと存じます。  まずその第一点は、本案では河川の何たるかを宣明いたしておりません。もとより河川なる観念は、旧法においても明確にせられず、もっぱら解釈にまかせられていたのでありますが、これがため運用上しばしば混迷を来たし、伏流水の取り扱い等については、その性質、範囲等とともに、全くその場その場の便宜にまかせてあったうらみがありました。また、河川と一体として法運用の対象となる河川管理施設が、河川利用の高度化とこれに伴う河川工学の進歩等とともに、いよいよ複雑多岐にわたるべきことが予想され、さらに従来付属法令の中に規制せられていた河川付近地や河川予定地に関する規定が、本法の中に取り入れられることとなったこと等にかんがみまするときに、いまこそ河川なる観念をその冒頭において明瞭にうたい上げて、一切の疑問とあいまい点を解決しておく必要があろうかと思うものでありまするが、遺憾ながらその措置がとられておりません。  次に第二点として、強く不満に思いますのは、法改正の最大の眼目である河川管理責任と理想を故意に不明確にしておくことであります。新しい時代において、河川法に対する国民的期待と念願は、治山治水の基盤確立の中で、国土保全、民生安定の責任を果たしつつ雨水を完全にかつ有効に利用し、国土の開発と産業の発展に寄与すべきであるとするにあることは言を待ちません。しかるに、改正案は、国家財政の現状にかんがみるということに籍口して、国が当然に負担すべき治水責任を回避し、十分なる財政措置を講ずるための努力を怠り、利水を重視するといいながら、水源涵養の唯一のかぎたる森林対策につき、片言隻句も触れておりません。また、治水の基礎とも申すべき山腹や渓流の砂防対策についても、旧来の砂防法にまかせて顧みることなく、国土保全の基本法たるの本質を全く忘れたるかの感があるのであります。  ことに、さらに遺憾に存じますことは、従来上流地域、山間部の河川管理が、地方団体の技術的、財政的弱さに災いされまして、十分なる対策が講ぜられず、これがため中流、下流地域において、いまなお多くの荒れ川、天井川等が見られ、あるいは近代国家の国土にはあるまじき洪水襲地帯と呼ばれるような地区が国内のそちこちに存ずることでありまして、池田内閣の最大の責任は、産業の高度成長を誇る前に、この種の国土保全の基礎的欠陥をまず解消してかかるべきはずであったのであります。(拍手)したがいまして、新河川法は、その当然の成り行きとして、この種の河川や地帯につき特に関心を注ぎ、優先的にかつ強力にこれが解決をはかるべき態度をとるべきものと信じます。  現段階において、河川管理をあまりにも平面的に、あまりにも画一的に、かつあまりにも通り一ぺん的に取り扱うことは、山野ふくそうし高低はなはだしいわが国の地況と、今日までおくれにおくれてきたわが国の治山治水政策の現状とに照らし合わせて、断じて賛成し得ないところであります。  第三に、改正案は、そのねらいの一つとして、水系一貫主義を掲げ、治水利水を表裏一体として処理せんとしておりまするが、そのこと自体についてはわれわれは全面的に賛成であります。申すまでもなく、治水の全きところ利水の完ぺきが期せられ、利水の高度化を念願するところ必然的に治水事業の先行が要請せらるべきであることに思いをいたせば、水系を一貫して、これを統一的、かつ総合的に管理すべきであることは論を待ちません。ただ残念なことは、新河川法案は、その立案当初においてこそ、この当然の理想に忠実ならんとした形跡もあったようでありますが、成案として出されたものの実体は、水源より河口に至るすべての支川、派川を一括管理すべき理想の姿は、いつの間にかあいまいもことして山のかなたに消え去り、あらわれたものは旧態依然たる区間主義、分断制度のそれであります。はでななわ張り争いにうき身をやつす政治の現状からして、やむを得なかったと言ってしまえばそれまででありますが、これでは旧法のそれと何ら変わることなく、何のための全面的改正ぞや、また何のための水系一貫主義の標傍ぞやと嘆かざるを得ないのであります。  第四に、河川法全面的改正を企図するならば、この機会に、旧河川法の権威主義、警察法的体臭を完全にぬぐい去ることにその努力が傾けられなければなりません。しかるに、ここでも政府案は条文の形式のみは民主的ていさいをとっておるやに見られましても、その実、行間に流れる思想は、依然として旧明治政府官僚主義、権威主義そのものであります。河川をこわいもの、おそろしいものとして観念せしめ、災害防備を国の恩恵かのごとくに思い込ましめんとしている節が随所に見られるのはむしろ悲惨であります。災害国に生まれ、災害のおそろしさについては、もの心つく以来、おまわりさん以上に思い知らされている国民一般は、天災の襲来に備えて、河川管理者に協力せんとする意欲は、もはや本能的にさえなっておると申しても過言ではありません。したがって、災害時において、付近住民は、法の強制を持たずとも、当然の使命として、物心両面よりする協力を惜しむものではありませんが、問題は、天災に名をかりた人災をしいられ、上流の対策不備の結果を下流に押しつけられるところにあります。国民はもはやこの種のことにだまされ、あきらめを感じておるわけにはまいりません。政府は、付近住民の慣行水利権を守るためにも、また損害補償の請求権保護のためにも、さらにまた潜在的、常習的被害の除去、もしくはその補償のため等々についても、もっともっとあたたかき態度と対策を法の上にあらわさなければいけないと思います。その努力が払われて初めて河川法はその真の魂をよみがえらせたと申すことができるのでありましょう。新法案第二十一条以下の条文のごとき、形は民主的に見えて、実は官権主義のにおいふんぷんたるものであり、反省を促さなければならない重要な点であります。  以上をもって、政府原案に対する反対理由の概略を終わる次第であります。同時にまたこれがわが党修正案に対する賛成の理由でもありますが、討論を結ぶにあたりまして、最後に一群だけつけ加えることのお許しをいただきたいと思います。  それは、新河川法に対する国民の期待と念願についてであります。現行河川法が七十年の歴史の中で、古色蒼然、動脈硬化的存在となり、幾多の特別法や、補足法令の助けをかりて、かろうじて運用せられてまいったことについては、国民はいたく不満の念を持ったものでありますが、しかし、それ以上に法改正に対する国民的賛同感をゆさぶったものは、これを契機として、治水事業への財政的裏づけが、強力にかつ潤沢に約束せられ、推進せられ、今度こそまくらを高くして眠れる境地を得られるであろうという期待と念願であったと信じます。この素朴にして、しかしながら熱烈なる期待は、長く台風におそれおののき、水災に悩み抜いた国民の心の底からの叫びでもあったと申しても過言ではありますまい。  政府は、この国民の悲願にこたえるため、治山治水に対する財政的裏づけと、政策の強化を怠るようなことがあってはなりません。新河川法までが看板倒れ、見かけ倒れだったなどという非難をこうむり、純朴なる国民をして再び失望させるようなことのないよう、特に政府に要望をいたしまして、私の討論を終わります。(拍手
  18. 船田中

    議長船田中君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、岡本隆一君外八名提出河川法案に対する修正案、及び河川法施行法案に対する修正案の両案を一括して採決いたします。  両修正案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  19. 船田中

    議長船田中君) 起立少数。よって、両修正案は否決されました。  次に、河川法案、及び河川法施行法案の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  20. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  日程第三 外務省設置法の一部を   改正する法律案内閣提出)  日程第四 在外公館名称及び位   置を定める法律及び在外公館に   勤務する外務公務員給与に関   する法律の一部を改正する法律   案(内閣提出
  21. 船田中

    議長船田中君) 日程第三、外務省設置法の一部を改正する法律案日程第四、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————  外務省設置法の一部を改正する法律案  在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案    〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  22. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。内閣委員会理事八田貞義君。     —————————————    〔報告書本号(その二)に掲載〕    〔八田貞義君登壇
  23. 八田貞義

    ○八田貞義君 ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、法案の要旨を申し上げますと、外務省設置法の一部を改正する法律案は、アジア局賠償部及び移住あっせん所を廃止するとともに、情報文化局に文化事業部を、また、パリに経済協力開発機構日本政府代表部を新設するほか、特別職三人、一般職二十六人を増員すること等であります。  次に、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案は、既設のハンガリー、ルーマニア及びブルガリアの各日本国公使館並びにナイロビ日本国総領事館をそれぞれ大使館に昇格するほか、総領事館及び同分館並びに領事館三館をそれぞれ新設するとともに、これらの在外公館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定めること等であります。  二法案は、二月四日当委員会に付託、二月十八日政府より提案理由説明を聴取し、慎重審議を行ない、昨日、質疑を終了いたしましたところ、外務省設置法の一部を改正する法律案に対し、四月一日の施行期日を「公布の日」に改め、一般職の定員に関する改正規定は四月一日から適用する旨の自民、社会、民社の三党共同提案にかかる修正案提出され、趣旨説明の後、採決いたしましたところ、全会一致をもって修正案のとおり修正議決されました。  次いで、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって原案のとおり可決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  24. 船田中

    議長船田中君) 両案を一括して採決いたします。  両案中、日程第三の委員長報告修正、第四の委員長報告は可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  25. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第五 土地改良法の一部を改   正する法律案内閣提出
  26. 船田中

    議長船田中君) 日程第五、土地改良法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————  土地改良法の一部を改正する法律案    〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  27. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。農林水産委員長高見三郎君。     —————————————    〔報告書本号(その二)に掲載〕     —————————————    〔高見三郎君登壇
  28. 高見三郎

    ○高見三郎君 ただいま議題となりました内閣提出土地改良法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査経過及び結果を御報告いたします。  今後における農業の発展と農業従事者の所得の向上をはかるためには、農業基本法に掲げる諸施策を強力に推進する必要がありますが、なかんずく、農業生産の基盤の整備及び開発に関する事業については、一そう適切かつ円滑な実施をはかる必要があります。  このような要請にこたえて、今回政府から土地改良法について、法律目的改正、長期計画の策定、土地改良事業の拡充整備並びに土地改良施設の維持管理土地改良区の管理組織等、現行土地改良制度の全般にわたり改善の措置を講じようとして本案が提出されたのであります。  なお、本案と同一内容の案が昨年の第四十三回通常国会並びに第四十四回臨時国会政府から提出されましたが、いずれも審査未了となり、今国会にあらためて本案が提出されましたことをつけ加えておきます。  本案は、一月二十九日提出され、二月十二日農林水産委員会に付託されました。農林水産委員会におきましては、政府から二月二十五日提案理由説明を、四月一日補足説明をそれぞれ聴取し、四月十日以降数回にわたり質疑を行ない、その間、参考人意見を聴取する等、慎重に審査した結果、四月二十三日、質疑を終了し、討論に付しましたところ、日本共産党を代表して反対の、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して賛成の討論が行なわれた後、多数をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、土地改良長期計画の完全実施がはかられるよう予算その他必要な措置を講ずること等六項目にわたる附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  29. 船田中

    議長船田中君) 採決いたします。  本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  30. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  31. 船田中

    議長船田中君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時八分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  池田 勇人君         建 設 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         内閣法制局長官 林  修三君         総理府総務長官 野田 武夫君         外務政務次官  毛利 松平君         農林政務次官  丹羽 兵助君      ————◇—————