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1964-03-02 第46回国会 衆議院 本会議 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月二日(月曜日)     —————————————  議事日程 第十一号   昭和三十九年三月二日    午後二時開議  第一 首都高速道路公団法の一部を改正する法   律案内閣提出)  第二 警察法の一部を改正する法律案内閣提   出)  第三 甘味資源特別措置法案(第四十五回国会、   内閣提出)  第四 沖繩産糖政府買入れに関する特別措置   法案(第四十五回国会内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  昭和三十九年度一般会計予算  昭和三十九年度特別会計予算  昭和三十九年度政府関係機関予算  日程第一 首都高速道路公団法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  日程第二 警察法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  日程第三 甘味資源特別措置法案(第四十五回   国会内閣提出)  日程第四 沖縄産糖の政府買入れに関する特別   措置法案(第四十五回国会内閣提出)    午後七時三十七分開議
  2. 船田中

    議長船田中君) これより会議を開きます。      ————◇—————  昭和三十九年度一般会計予算  昭和三十九年度特別会計予算  昭和三十九年度政府関係機関予算
  3. 小沢辰男

    小沢辰男君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、昭和三十九年度一般会計予算昭和三十九年度特別会計予算昭和三十九年度政府関係機関予算、右三件を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  4. 船田中

    議長船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  昭和三十九年度一般会計予算昭和三十九年度特別会計予算昭和三十九年度政府関係機関予算、右三件を一括して議題といたします。     —————————————  昭和三十九年度一般会計予算  昭和三十九年度特別会計予算  昭和三十九年度政府関係機関予算   〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  6. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。予算委員長荒舩清十郎君。     —————————————   〔報告書本号(その二)に掲載〕     —————————————   〔荒舩清十郎登壇
  7. 荒舩清十郎

    荒舩清十郎君 ただいま議題となりました昭和三十九年度一般会計予算昭和三十九年度特別会計予算、及び昭和三十九年度政府関係機関予算の三案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。  本予算三案は、去る一月二十一日予算委員会に付託され、同月二十五日政府から提案説明があり、二十九日からほとんど連日にわたり熱心な審議を続け、その間、二日間の公聴会、八日間の分科会を開いて、審議の慎重を期し、本三月二日討論採決をいたしたものであります。  まず、予算規模について申し上げますと、一般会計予算は、歳入歳出とも三兆二千五百五十四億円でありまして、前年度当初予算に比べて四千五十四億円、一四・二%の増加となっております。特別会計予算総額は、歳入六兆一千二百六十五億円、歳出五兆八千百二十億円でありまして、特別会計の数は、国立学校自動車検査登録の二会計が新設されるため四十三となります。また、政府関係機関予算総額は、収入二兆七千八百四十一億円、支出二兆六千二百五十五億円でありまして、機関の数は前年度同様十三であります。なお、財政投融資計画額は、一兆三千四百二億円でありまして、前年度当初計画額に比べて二千三百五億円、二〇・八%の増加となっております。  次に、予算委員会における質疑内容について申し上げます。  まず、予算規模につきましては、「予算財源一ぱいに編成されていて、年度内災害発生等の場合に困りはしないか。また、既定計画自然増新規計画及び減税の平年度化等からして、四十年度予算編成が行き詰まるおそれはないか。予算規模を膨張させながら金融を引き締めることは政策が一貫していないではないか。財政投融資を大幅に増しているが、一般会計で負担すべきものを財投に振りかえているのではないか。」との質疑に対して、「年度内災害発生に対しては、予備費を百億円増額している。その他の補正要因が生じたときのことは、いまは何とも言えない。三十九年度は、名目九・七%の成長率を見積もっており、経済安定的成長のもとに、税収も正常に伸びていくから、来年度予算が梗塞を受ける懸念はない。一般会計予算は、過去三カ年の伸び率に比べて相当に引き締めており、財政投融資伸び率も前年度より少なく、両者を通じて健全均衡予算である。一般会計措置すべきものを故意に財投計画に組み入れ、一般会計予算規模を圧縮しているようなものは全然ない。」との答弁がありました。  次に、税制につきましては、「二千億減税といっても、膨大な自然増収に比べて減税が少なく、国民所得に対する税負担率は十年来最高で、かえって実質的増税となっているが、今後これを引き下げ意思はないか。国民大衆に対する減税はわずかで、大企業のための企業減税が中心となっているではないか。なお、農業機械用揮発油免税とすべきではないか。」との質疑に対して、「三十九年度の増加財源に対する減税率は三十二年度以降最大である。税負担率国民所得上昇等と関連して考えるべきであり、社会資本社会保障等相当経費を要する現在、これを引き下げることは考えていない。二千億減税のうち、企業減税といわれるものは四四%で、そのうちの六百億円以上は中小企業を対象としたものである。なお、農業機械用揮発油については、徴税技術士困難等のため免税とせず、徴税相当額以上を農村に還元しているが、四十年度以降はその減免について考慮する。」との答弁がありました。  次に、物価問題につきましては、「三十九年度の消費者物価上昇予想率に抑える確信があるのか。公共料金の一年間引き上げ停止は実行できるのか。一年後はどうするのか。消費者米価引き上げないか。固定資産の評価がえは地代家賃上昇を招くのではないか。生鮮食料品にいかなる価格安定策をとるか。管理価格についてどう対処するか。」との質疑に対し、「生産性上昇以上の賃金上昇消費水準伸び等消費者物価上昇の原因で、自由主義経済のもとではこれを一定に押えることはできないが、三十九年度は年率四・二%上昇にとどめることを目途として施策を講ずる。公共料金及び政府の規制し得るものについては、原則としてこれを抑制し、中小企業料金については例外として措置する。これを一年間としたのは値上がりムードを押える緊急措置であって、その後すぐ上げるというのではなく、物価上昇抑制立場で個々に検討する。消費者米価は年内動かす意思はない。固定資産税は、農地については引き上げず、宅地も一定限度に押え、家屋は安くなるであろうから、地代家賃の値上げを来たすほどの影響はないと思う。生鮮食料品価格安定については、指定産地拡大出荷調整卸売り市場整備拡充総合小売り市場設置等、種々の方法を講ずる。いわゆる管理価格については、市場価格の硬直している品目について独禁法違反の有無を調査している。」との答弁がありました。  次に、国際収支については、「外資導入により国際収支赤字を埋めることは好ましくないが、これをいかに解決するか。政策転換して経済成長率を落とさなければ、国際収支が悪化し、経済の破局を招くのではないか。」との質疑に対して、「国際収支安定のためには輸出振興外航船腹拡充観光誘致等により、経常収支均衡をはからなければならないが、現在は貿易外収支赤字が大きいので、資本取引によって均衡をとらざるを得ない。しかし、導入された外資によって、経済基盤拡充貿易規模拡大が行なわれ、ひいて、経常収支黒字となるものと思う。中小企業基盤整備完全雇用等を遂行し、高度福祉国家をつくるためには、実質七%の成長率は妥当なものであり、この安定成長率のもとで努力することによって国際収支の安定をはかりたい。」との答弁がありました。  次に、中小企業対策については、「中小企業対策予算が少な過ぎるではないか。革新的な対策というが、その内容は何か。最近手形不渡り倒産がふえているが、金融引き締め影響中小企業にしわ寄せされているのではないか。手形期間長期化及び歩積み、両建てに対していかなる対策をとるか。」との質疑に対して、「中小企業対策予算は四〇%増額しているほか、三公庫融資ワクも二〇%余り増額し、また六百億円余の中小企業減税をして開放経済に処する振興策を考えている。そのほか、新たに中小企業金融公庫債券の発行による民間資金導入、商工中金への出資及び金利引き下げ等をはかったことは革新的なものと思う。不渡り倒産は、経済規模拡大から見て必ずしも多くなったとは思わないが、金融引き締め倒産を来たすことを避けるために、三公庫融資ワク拡大、買いオペ、市中金融機関への通達等により、一律的な金融引き締めを行なわないよう配慮している。手形長期化については、下請代金支払遅延等防止法の適正な運用ができるよう検討しており、歩積み、両建てについては、政府関係資金代理貸し金融機関が、その貸し付けに関して歩積み、両建てを要求したときは、代理貸し指定を取り消す等の措置をとるとともに、銀行協会自粛基準をつくらせ、効果がなかったときは、独占禁止法特殊指定をする考えで、準備を進めている。」との答弁がありました。  次に、防衛問題については、駐日米軍削減及び対日無償軍事援助の打ち切りに伴い、防衛力増強、第二次防衛計画の改定を考えているのではないか。防衛庁設置法の改正により国防省への昇格を意図しているのか。F104航空機生産が遅延しているではないか。その継続生産はどうするのか。」との質疑に対して、「米軍の一部が引き揚げても、日米協力による安全保障懸念はなく、現在のところ第二次防衛計画以上の防衛力増強は考えていない。対日援助削減は将来の予算措置には影響すると思うが、計画自体を修正する要はないと思う。防衛庁を省に改めることについては、その意向で現在検討中である。F104航空機は、輸入部品納入遅延のため予定よりおくれているが、最近順調に生産され、おくれを取り戻している。その継続生産については、現在の段階においては決定していない。」との答弁がありました。  次に、対中共、対国民政府政策につきましては、「フランス中共承認という新情勢に処して、中共に対していかなる態度をとるか。なぜ中共承認しないのか。どうなったらこれを承認するのか。承認前においても、政府間貿易協定等措置をとる意思はないか。また、政府は、かつて、台湾中国のものであると言っており、台湾帰属が未確定であるとの見解と食い違っているではないか。台湾帰属が未確定であるならば、国民政府台湾支配不法ではないか。」との質疑に対して、「わが国日華条約によって認めている中華民国を唯一の中国と見ており、世界の大勢も、中共を認める段階になっていないので、現段階においてこれを承認する意思はない。中共平和愛好国として認められると同時に、世界の世論が承認すべきであるという情勢になったら承認するし、そういう機運となることを望んでいるが、いまの状態としては相当困難と思う。政府間貿易等いまの中共承認する結果を来たす措置は、名称のいかんを問わず考えていないが、政経分離のたてまえでの中共貿易は増進したい。また、台湾帰属は、法律的に言えば、サンフランシスコ条約の規定上未確定であるといわざるを得ない。しかし、カイロ宣言ポツダム宣言趣旨からいって、国民政府台湾を支配している現状を直ちに不法とすることはできない。かつての発言はこの趣旨に出たものと了解されたい。」との答弁がありました。  以上申し上げた諸点のほか、質疑は、憲法問題、OECD加盟日韓交渉、対マレーシア交渉、沖縄問題、海外移住文教政策、青少年問題、社会保障原爆被爆者援護農業政策農地報償産炭地振興国内航空都市交通特定局舎整備港湾労働、ILO条約問題、住宅対策地方財政地域開発国鉄予算、その他内政外交各般にわたり、きわめて熱心に行なわれましたが、その詳細は会議録をごらん願うことといたしまして、報告を省略させていただきます。  本日、質疑終了後、日本社会党民主社会党両党から、本予算三案の編成替えを求める動議が提出され、趣旨弁明がありました。その趣旨は、後刻本会議で述べられると存じますので、説明を省略させていただきます。  かくて、予算三案及び同党の動議を一括して討論に付し、自由民主党が予算案賛成、両党の動議反対日本社会党予算三案及び民主社会党動議反対日本社会党動議賛成民主社会党予算三案及び日本社会党動議反対民主社会党動議賛成日本共産党予算三案及び両党の動議反対討論を行ない、採決の結果、両動議は否決され、予算三案は政府原案のとおり可決された次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  8. 船田中

    議長船田中君) 昭和三十九年度一般会計予算外二件に対しては、川俣清音君外十四名から、三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。     —————————————
  9. 船田中

    議長船田中君) この際、その趣旨弁明を許します。五島虎雄君。   〔五島虎雄登壇
  10. 五島虎雄

    五島虎雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、議題となっております昭和三十九年度一般会計予算昭和三十九年度特別会計予算、及び昭和三十九年度政府関係機関予算撤回とその編成替えを求める動議提案理由を御説明申し上げたいと存じます。(拍手)  かつて池田首相は、投資がふえると生産がふえ、生産がふえれば所得がふえ、所得がふえれば貯蓄がふえ、貯蓄がふえるとまた投資がふえるという、おけ屋の思案的なことばを述べられたことがあります。これは投資から始まって、より大きな投資へと回転していく循環の中で、日本経済規模が急速に拡大し、そうして国民所得倍増していくという考え方でございます。この考え方に基づいて、池田内閣は、対外的には貿易・為替の大資本に有利な管理方式をとったばかりでなしに、主としてアメリカから外資を借り入れ、対内的には租税自然増収の名のもとに国民から税金を収奪し、財政投融資を通じて国民零細積み立て資金政府の手にかき集め、あるいはまた日本銀行から通貨を増発し、こうした金づくり政策でつくり出した資金を、巨大独占金業設備投資及び独占企業のための産業基盤づくり公共投資につぎ込んできたのであります。そうしてまた、この金づくり政策前提には、労働者への低賃金の押しつけと、大資本の製品の独占価格維持体制があったのであります。  このような結果生み出されたのは何であったでしょうか。倍増になったのは所得ではなしに物価格差と社会不安であったのであります。(拍手)さらにまた、そこにあらわれてきたのは国際収支構造的赤字であったのであります。まるで地獄のかまのふたが一ぺんに開いたように、あらゆる矛盾と罪悪と病気が飛び出してきたのであります。明らかに所得倍増計画破綻失敗に終わったのであります。今日、所得倍増計画失敗を認めないのは、池田首相ただ一人でありましょう。(拍手)  池田内閣金づくり政策のうち、外資の借り入れはアメリカドル防衛措置によってすでに頭打ちになっております。それに加えて、過去の導入外資に対する配当や利子の支払いが膨張いたしまして、あるいは輸出入物資に対する日本船の積み取り率が低下し、海上運賃対外支払いが膨張いたしまして、貿易外収支赤字が累年増加しておるではありませんか。これが輸出を上回る輸入という矛盾と結びついて、わが国国際収支は、経常収支赤字資本収支黒字で埋めるという方式がいまや限界にきておるのであります。それに加えて、物価の異常な上昇は相変わらずのテンポで進み、国民実質的生活水準は著しく脅かされております。所得格差産業間格差地域間格差はさらに拡大傾向をたどり、中小企業は金詰まり、倒産のあらしに見舞われております。農漁民経営の行き詰まりもまた深刻になる一方であります。日の当たるところと当たらないところの不公平はいよいよ拡大し、国民の生活不安と不満は根強くうっせきしております。  こうした最悪事態の中で、池田内閣は、わが国をIMF八条国へ移行させ、あるいはOECD加盟し、日本経済完全自由化、すなわち開放経済体制の中へ引き入れようとしております。この結果は、冷酷な弱肉強食の法則がまかり通り、わが国産業国民生活は、おそるべき荒廃に見舞われるであろうことが憂慮されておるのであります。(拍手)  したがって、もし池田内閣にして一片の良心と良識があるならば、昭和三十九年度予算はこうした最悪事態を防止することを眼目として編成すべきが当然であります。しかるに、池田内閣は、その誤った高度経済成長政策をいささかも反省することなしに、労働者農漁民中小企業者に犠牲をしわ寄せする金融引き締め措置によって一時の事態を糊塗しようとしているばかりでなしに、昭和三十九年度予算案では自衛隊の核武装を目ざす防衛費拡大と、巨大資本のための投資拡大を最重点としているのであります。もしこの予算をこのまま成立させるならば、国際収支赤字はいよいよ拡大し、また、物価上昇格差と社会不安もいよいよ激化するものと予想せざるを得ないのであります。(拍手)わが党があえて昭和三十九年度予算撤回組み替えを要求している理由はここにあるのであります。  以下、わが党の組み替え案のおもなる内容を御説明申し上げます。  まず、わが党の組み替え案は、財政政策前提として全般的な経済政策を大きく転換することを要求いたしております。その経済政策転換方向は、大きく三つの目標をめざしているものでございます。  その第一は、格差解消ともろもろのたちおくれたものの引き上げでございます。  このためには、産業合理化を名とする労働者への圧迫及び農漁民零細商工業者切り捨て政策を排除し、労働時間を短縮し、全国一律最低賃金制を実施し、また、農林水産物価格支持制度の確立、中小零細企業者近代化助成社会保障制度拡充を行なわなければなりません。また、物価上昇の中で投機的利益を得た資産所得者に対しきびしい課税を行なうとともに、大衆には大幅な減税を行ない、税負担の不公平を是正しなければなりません。  さらに巨大独占企業が成立して、それぞれの産業分野を強力に支配する体制のでき上がっている現在の姿にかんがみまして、大企業特権的経済運営過大経済力の乱用を防ぐために、エネルギー産業を含む主要産業と主要な金融機関社会化を断行し、それにあわせて資金計画委員会を創設いたしまして、財政民間を通ずる長期的設備資金運用を民主的に規制、計画化し、大企業過剰投資を制限して、中小零細企業者農漁民経営同上及び勤労者生活環境整備のための資金供給を大幅に増額すべきであります。さらに、中小企業事業分野を明確にいたしまして、大企業の侵入を防ぎ、あるいはまた特に当面の金融引き締めに対し、中小企業への資金供給を大幅にふやしまして、台風手形と呼ばれるような不健全な企業間信用解消を促進し、また、金融機関歩積み、両建てを厳に規制しなければなりません。  地域開発関係では、公共投資重点太平洋ベルト地帯に集中するのをやめまして、日本海沿岸及び北海道、東北あるいはまた南九州等のおくれた地域開発重点を指向しなければならないと考えております。  こうして所得格差産業間の格差地域間の格差解消を促進すること、これが政策転換の第一の目標であります。  第二は、資金計画委員会を通じて、外資導入及び日銀の貸し出し、賢いオペ等を民主的に規制し、大企業過剰設備投資を制限して、もってインフレ傾向を抑制するとともに、既存設備操業度を高めて、物価引き下げを進め、また生鮮食料品流通機構を整備して、その価格を安定させることであります。  物価関係では、特に各種公共料金は当分の間引き上げを停止し、それに伴い地方公営企業に対する赤字補てんの特別措置をとらなければなりません。さらには、各種大衆的消費税減税して、減税分物価引き下げへ確実に反映させることも必要であります。  こうして、インフレを収束して物価引き下げることが政策転換の第二の目標でございます。  第三は、貿易拡大国際収支の改善であります。  自民党政府外交政策の基本は、一貫してアメリカに依存し、従属するという方向で進められてきたのであります。しかし、これは、いまやフランス中国承認アメリカ中国封じ込め戦略破綻という情勢に直面いたしまして、根本的な再検討を加えるべき段階に立ち至っております。いまこそ政府は勇気をふるって自主中立立場に立ち、ソ連、中国北朝鮮等との経済交流を積極的に拡大すべきであります。特に中国に対しては、すみやかに国交を正常化し、あわせて政府間貿易協定を結ぶべきであります。朝鮮については、まず日韓会談を打ち切り、朝鮮民族自身の自主的な南北統一を促進しながら、南朝鮮とは特に漁業問題を切り離して解決を促進し、北朝鮮とは大いに経済交流拡大すべきであります。そうして東西貿易については、すべての政治的な制限条件は撤廃されなければなりません。  また、国内産業日本経済自主性を守るために貿易自由化計画を繰り延べ、日米通商航海条約外資法を抜本的に改正し、また、OECDへの加盟は、わが国がただ欧米諸国から各種手かせ足かせをかけられて、資本取引自由化を迫られる結果しかもたらさぬことは明らかでございますから、これは取りやめるべきであります。そうして、すでに行なわれたところの自由化により圧迫されている国内産業に対しては、関税その他の方法によって保護措置をとらなければなりません。アメリカに対しましては、ドル防衛を名とするシップ・アメリカン、バイ・アメリカンの政策をやめさせ、また、不当な対日輸入制限措置撤回させるために、アメリカ日本から輸入すると同じ数量、同じ金額だけ日本もまたアメリカから輸入するという対等の原則を確立し、現在アメリカからの輸入超過分を、中ソをはじめとするアジアの他の地域からの輸入に振りかえ、もって対米片貿易を根本的に是正すべきであります。また、飼料や砂糖などの農産物輸入が膨張して大きな外貨を食っている現状にかんがみ、これらの農産物輸入を国家管理して、国内農業への影響を調整するとともに、これら農産物国内自給度を高めて、輸出入均衡の回復を促進すべきであります。  こうして貿易拡大し、国際収支を改善することが、経済政策転換の第三の目標でございます。(拍手)  以上のような一般経済政策の大転換前提としつつ、昭和三十九年度予算については、次のように組み替えるべきでございます。  第一は、歳入抜本的組み替えであります。  すなわち、所得税課税最低限度の大幅引き上げ中小法人に対する法人税率引き下げ各種大衆的消費税大幅減税によって、大衆に対しては初年度約二千億円にのぼる大減税を断行すべきであります。また、直接に国の予算に関連するものではございませんけれども、地方税の中の住民税につきましては、所得税に準じて基礎控除等の諸控除引き上げ、さらに大幅な住民税減税を行なうべきでございます。他方、高額所得者への累進度強化、大法人への法人税率引き上げ租税特別措置の改廃、広告税ゴルフ税富裕税空閑地税の創設、有価証券譲渡所得課税復活等により、高額所得者と大資産所得者からは約一千九百億円の租税の増徴をはかるべきでございます。(拍手)  こうした減税増収差し引き勘定、及びたばこ消費税率を三〇%に引き上げて、地方財政へたばこの税収をより多く振り向けることとしております関係上、その差し引き歳入総額は政府予算よりも約三百五十億膨張することとなるのであります。それに加えて、政府予算が、国立学校特別会計を新設して、名目的に予算規模を二百億円縮めるというごまかしをやっておりますけれども、このごまかしをやめることによって、さらに二百億円の規模拡大となりますので、合わせてわが党組み替え案予算規模は約三兆三千一百億円となるわけでございます。  第二は、歳出予算案のうちで、不当、不要な支出は思い切って削減すべきであります。  すなわち、憲法の平和と民主主義の精神にそむく防衛費及び公安調査庁等の反動機関の経費を、それぞれ一千五百億円と八十億円を思い切って削減するのであります。また、公共難業予算が約六千億円にも膨張し、しかも、そのうちで地価の暴騰による用地買収費がきわめて急速に膨張していることは一刻も放置できませんので、投機的な土地値上がりを抑制し、あわせて入札制度を厳正に運営し、事業の効率を高めながら予算を約五百億円節減いたしたいと存じます。そのほか、物件費、施設費、補助委託費等の合理化、節約等も合わせまして、全体で約三千一百億円にのぼる歳出削減を行なうのであります。  第三は、歳出の増額であります。  すなわち、さきに述べた政府案よりも約三百五十億円予算規模拡大となる分の資金と、歳出で約三千一百億円を削減する分の資金とを合わせまして、合計約三千四百五十億円の組み替え財源があるわけでありますけれども、これを社会保障拡充、公営住宅の増設、教育と科学技術の振興、農林漁業と中小企業の振興、自由化に対する国内産業の保護、地方財政の強化等と国民生活の安定向上を旨といたしまして、重点的に増額支出していくわけであります。  これが、わが組み替え案のごく大まかな骨組みでございます。  そこで、この際、特に以下の二つの点につきまして注意を喚起しておきたいのであります。  その一つは、わが党組み替え案が、格差の是正という課題と並んで、特にインフレの抑制と物価の安定に重点を置いているということでございます。  わが国経済の最大の問題の一つは、インフレ的傾向を基礎とする物価上昇であります。そうしてその原因は、日本銀行の信用造出と結びついて、巨大企業が無政府的な過剰設備投資を強行しているところにあるのであります。このことはすでに多くの経済政策論議を通じて明らかにされております。ところが昭和三十九年度予算政府案においては、この点について何らの反省も対策も見られません。依然として無責任な景気刺激的性格が露骨に貫かれているのであります。わが党は、国会における予算審議を通じまして、この点をきびしく批判いたしてまいりました。  第一に、わが党の予算組み替え案は、全般的な経済政策を大きく転換することを要求しておりますが、その中で、主要金融機関社会化と、資金計画委員会の創設により、外資導入や日銀貸し出し、買いオペを民主的に規制し、大企業過剰設備投資を制限することを主張しております。  第二に、歳入においては、勤労大衆に対する二千億の減税を行なう反面、租税特別措置の改廃等により、大企業及び高額所得者より一千九百億の租税増徴を行ない、民間設備投資に向かうべき資金を大幅に国庫に吸収することといたしております。  組み替え案予算規模は三兆三千一百億、政府案より約五百五十億の規模拡大となりますが、そのうち二百億は、国立学校特別会計の新設という政府案のごまかしをやめることによる拡大であり、それを除いた規模拡大は三百五十億であります。これによる租税負担率の増大は、わずか〇・二%に満たないものであり、しかもこの場合、租税負担がだれに対して重く、だれに対して軽いかという租税負担率内容が質的に変化することになるのであります。  第三に、組み替え案では、歳出のうち防衛費等の最も非生産的な支出を大きく削減し、また最も景気刺激的性格の強い公共事業費を節減し、その前提として投機的な地価の暴騰を強力に規制することといたしております。  第四に、組み替え案では、社会保障を中心として低所得者の所得引き上げのための支出を大きく増額することといたしておりますが、これは、景気刺激的な投資的支出と性格が違うのみならず、いわば過去の政府の誤ったインフレ政策拡大された所得格差を是正し、憲法で保障された国民の生活権を積極的に擁護するという当然の措置でございます。  以上のような理由によりまして、日本社会党予算組み替え案は、もしそれが実行されるならば、インフレの収束と物価安定のためにきわめて有効な役割りを果たし得るものであることを確信して疑いません。(拍手)  もう一つは、わが党組み替え案労働者、農民の基本的要求を支持し、援護する立場に立っているということでございます。  すなわち、公務員給与及び三公社五現業の職員給与につきましては、すみやかにILO八十七号条約批准によりまして、その団結権と団体交渉権を完全に保障し、その労使の交渉によって民主的に決定し、その決定された結果に対して、必要な予算措置をとるべきであります。生産者米価につきましても、また、労働者と同じ団結権、団体交渉権を農民に保障し、そうして、民主的な交渉によってきめられたところの米価に対して、所要の予算措置をとるべきであります。また、公共企業体等の職員の退職金につきましても、電話自動化首切り法案のような、お仕着せの特別給付金ではなしに、国家公務員の退職手当法を改正いたしまして、労使の交渉によって定めることとすべきであります。  また、特に強調しなければならないのは、労働災害の防止と安全の確保であります。さきの三池炭鉱の大事故、鶴見の国鉄大事故に続きまして、最近はまた一カ月のうちに二回も続いて航空機事故があり、いまや陸海空のみならず、地下におきましてもその危険が充満し、多数の貴重な人命が失われております。したがいまして、災害事故防止と安全確保により、労働者及び一般国民の生命を守ることは、最も緊急なる政治的課題であり、国民世論もまた、いまやここに集中されておるのであります。(拍手)しかるに、政府予算が、この面に一片の誠意を示すことがないのは、まことに遺憾きわまりないことであります。(拍手)そこで、わが党組み替え案では、一般会計におきまして、約二百億円の安全対策費を増額するとともに、財政投融資及び政府関係機関予算を通じまして、資金運用重点を安全確保にふり向け、合計いたしまして約一千億円をこのために運用すべきことを要求いたしておるのであります。  以上が、昭和三十九年度予算撤回編成替えを求める日本社会党動議趣旨でありますけれども、要するに、これらはすべてわが国憲法の精神からいって当然のことを主張し、要求しているにすぎないのでありますから、満場の皆さん方の一致したところの御賛同をひとえにお願いいたしまして、社会党の提案理由説明を終わるものであります。(拍手)     —————————————
  11. 船田中

    議長船田中君) これより、予算三件に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行ないます。順次これを許します。青木正君。   〔青木正君登壇
  12. 青木正

    ○青木正君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和三十九年度予算三案の政府原案に賛成し、日本社会党組み替えを求むるの動議に反対の意見を表明するものであります。(拍手)  まず、政府原案賛成の理由を申し述べます。  申し上げるまでもなく、予算は、国の生成発展と国民の福祉増進を達成するため必要なる当面の施策を講ずるとともに、国運の前途に予見される障害を克服するために編成されなければなりません。  終戦後、国政担当の責めに任じきたりましたわが自由民主党は、豊かにして平和な高度福祉国家の建設を目ざし、着々とその成果をおさめ、外は国際社会に重要な地位を占め、内は世界の奇跡といわれる高度の経済成長を遂げたのであります。その結果、生産性は向上し、国際競争力は強化され、輸出は年率実に一四%という顕著な増加を示したのであります。また、国民所得も、第一次池田内閣成立当時の昭和三十五年には、一人当たり三百五十四ドルでありましたものが、昭和三十八年には五百ドルという、実に四割の向上を示したのであります。  しかしながら、わが国国民所得消費水準は、いまだ欧米先進国に遠く及ばぬものがあります。また、最近の経済成長が予期以上に急速であったため、若干のいわゆるひずみを生じたことも看過するわけにはまいりますまい。いまこそ、われわれはこれらのひずみを解消し、安定した経済成長のもと、さらに勇を鼓して先進国への道を一歩一歩前進すべきときと存じます。(拍手)  すなわち、当面真剣に取り組まなければならぬ課題として、国際収支の改善と消費者物価安定の問題があります。産業面におきましては、生産性の向上からおくれがちの農林漁業と中小企業の近代化の問題があります。同時に、経済成長の谷間に恵まれぬ人たちのあることも忘れてはなりますまい。また、ややもすれば日々の生活に追われがちであったわれわれは、いまや次の時代に備え、文教の刷新に力点を置かなければならぬときと存じます。さらに、民間投資に比べ、道路、港湾等の公共投資が立ちおくれておることも、放置すべきではありますまい。  以上あげ来たった課題に予算の裏づけをした国の施策を指向することこそ当面の急務と存ずるのであります。  他方、敗戦の壊滅状態から立ち上がり、ようやくにして成人の域に達したともいうべきわが国が越えねばならぬもう一つの重大な試練があります。それは貿易自由化、IMF八条国への移行、OECDへの加盟等、いわゆる開放経済への体制整備の問題であります。国際貿易における機会均等、門戸開放、これは明治以来のわが国の外交方針の基本でありました。貿易立国をとらざるを得ないわが国にとりまして、貿易自由化は、もとよりわが国の基本的なあり方でなければなりません。しかしながら、現実の問題といたしましてはきびしい試練でもあります。三十年にわたる封鎖経済という温室から出て、激しい国際競争のあらしの前にさらされるのであります。われわれはこれに立ち向かうため、この際、覚悟を新たにし、わが国産業の国際競争力培養のため、万全の施策を講ぜねばならぬと存じます。  過般の衆議院総選挙にあたりまして、わが自由民主党が国民の前に公約した経済均衡ある健全成長、消費者物価の安定、農林漁業と中小企業の近代化、社会保障の充実、文教、科学技術の振興、社会資本の充実等の諸政策は、前段申し述べましたような見解に立って、生産力の充実を背景に、量とともに質の充実へと経済全体の体質を改善し、民族の教養と知能を高め、堅実な生成発展を遂げるための諸条件を整備しようとするものであったのであります。  いまや、これらの公約が本予算により予算的にも裏づけられ、現実に実行に移されることになろうといたしておるのであります。国民各位とともにわれわれの最も喜びとするところでありまして、私が本予算三案に賛成を表明する根本の理由は、実にここにあるのであります。(拍手)  以下、予算案内容につき、若干申し述べたいと存じます。  まず、減税であります。明年度の減税額は、国・地方を合わせて一千四百九十四億円、平年度二千二百三十八億円であります。実にシャウプ勧告以来の画期的な減税というべきでありまして、政府の英断に対し深甚の敬意を表するものであります。しかも、その内容は、国税減税額一千三億円のうち、六五%を所得税減税に充て、課税最低限の引き上げ、中小事業者の負担軽減、給与所得控除引き上げ等をはかっているのであります。また、企業課税につきましては、開放経済への移行に備え、企業内部留保の充実、固定資産耐用年数の短縮等、中小企業税負担の軽減について格段の配慮が払われ、かつ輸出振興のためにも税制上特段の措置がとられているのであります。  次に、歳出重点施策について簡単に言及したいと存じます。  第一は、農林漁業近代化の施策であります。  歳出全体の伸びが前年度比一四・二%となっている中で、農林漁業関係費は三三%、食管会計繰り入れ分を差し引きましても一七%増となっておるのであります。しこうして、施策の重点を、農業基本法の線に沿って、生産性向上のための基盤整備や機械化の推進、畜産振興を中心とする選択的拡大の促進、構造改善事業の拡大強化、農産物流通の改善、農業従事者の福祉向上等に置いているのであります。特に注目すべきは、農業金融に力点を置いたということであります。すなわち、農業近代化助成資金、農業改良資金等の貸し付けワクが大幅に拡大されたほか、農林漁業金融公庫につきましては、前年度より二三%増の一千七十億円と飛躍的に拡大されたのであります。しかも、三分五厘の低利資金が四百四十五億円、その占むる割合は四二%と画期的な措置が講ぜられているのであります。(拍手)  第二は、中小企業関係であります。  前年比四〇%増と、大幅に予算が増額され、設備の近代化、企業の集団化、協業化を一そう進めることになっております。税制の面におきましても、所得税法人税、地方税等、平年度六百億円に達する減税が行なわれております。さらに金融面では、中小企業信用保険公庫に対する出資を、前年度三十億円に対し、四十億円に増額し、中小企業金融機関への財政資金投入額は、前年比三百三十四億円増の一千六十七億円と、ここ数年その例を見ない伸び率となっているのであります。(拍手)また、中小企業金融公庫についても、債券発行の道を開き、商工中金につきましては、三十億円の追加出資を行なう等の措置が講ぜられているのであります。  第三に、社会資本の充実であります。  わが国公共投資の立ちおくれは、経済発展今後の盲点といわれておるのであります。明年度におきましては、予算及び財政投融資を通じ、新たなる計画のもとに、道路、港湾に最重点を置き、さらに産業用地の造成、水資源の開発、新産業都市の建設、生活環境の整備等につきましても、一そうの促進がはかられているのであります。その結果、明年度におきましては、国及び地方を通じて形成される政府固定資本は、約二兆八千億円と見込まれ、民間投資に対し六八%という比重を占めるに至っております。この数字は、一昨年ころまでの四〇%台に比較いたしまして、画期的な前進と申さなければなりますまい。  第四は、社会保障の充実であります。  福祉国家の根幹をなす社会保障関係費は、毎年大幅に増加され、内容も着々充実の一途をたどっております。明年度も前年比二〇%の増で、相当の改善が行なわれることになっております。かつ、新たに高度精薄児対策や児童手当制度創設の準備、国保世帯員に対する療養給付引き上げ計画等も行なわれることになっておるのであります。さらに、住宅政策につきましても格段の考慮が払われておるのであります。  第五に、文教と科学技術の振興であります。  明年度におきましては、前年比一八%増の予算をもって義務教育の充実、公立学校の整備、社会教育の充実、育英事業の大幅な拡充、科学技術教育と産業教育の振興を行なわんとしております。また、科学技術振興のため、原子力関係費や試験研究機関を充実し、先進国の技術依存からの脱却を目ざしておるのであります。  次に、世上一般には、内容はさることながら、予算全体としてその規模が適正なりや、また、その経済的性格が妥当なりやとの議論が行なわれております。しかしながら、われわれの見るところをもってすれば、歳出の一切が租税その他の普通歳入によってまかなわれ、赤字公債の発行ないしは過去の蓄積を食いつぶすがごときことも行なわれていないのであります。したがいまして、私どもは、まさに均衡を得た健全予算と確信いたすのであります。(拍手)  次に、経済動向との関係でありますが、要は経済活動が過度にわたらぬよう慎重に対処することこそ賢明な態度と存じます。そこで、政府はさきに予算編成にあたりまして、景気に対し財政の刺激を避けるとの基本方針をとり、現に予算編成上この点に特段の配慮を行なっておるのであります。すなわち、一般会計予算の対前年度当初予算比の伸び率は一四・三%でありまして、三十八年度の一七・四%をかなり下回っております。また、財政投融資も、三十八年度の際の二二。六%を下回る三〇・八%となっているのであります。国及び地方を通ずる政府の財貨サービス購入の経済成長に対する寄与率も、三十八年度の三〇数%に比べ、三十九年度は二〇%と見込まれているのであります。予算経済に対するかまえ方はかなり控え目と申さなければなりません。また、明年度予算財政資金民間収支面から見ますと、三十八年度は三千七百五十億円の散布超過が見込まれていたのでありますが、明年度は前年度剰余金の受け入れ減等によりまして、一千二百億円確度しか見込まれていないのであります。財政投融資計画における政府保証横も、三十八年度の一千三百三十二億円に対し、明年度は一千八百十億円と五百億円近い増発が見込まれております。したがいまして、この面からも、市中資金の吸い上げが強まり、予算が景気に対し刺激的であるとか、金融引き締めの効果を減殺するとかいう一部の非難は当たらないと存ずるのであります。  これを要するに、反対せんがための反対の御議論や御批判は別といたしまして、冷静に検討いたしますれば、政府の明年度予算案は、財政の許す限りにおいて最善を尽くし、当面の課題に対処して適切な施策を講ずるとともに、前途の試練に対しましても万端の対策を用意しているのであります。均衡ある経済成長のもと、堅実に先進国への道を目ざすものとして、私はここに満腔の賛意を表するものであります。(拍手)  最後に、日本社会党予算組み替えを求める動議につきまして、二、三の点をあげ、反対の理由を申し述べます。  組み替え案によりますれば、まず、その前提として、政府原案防衛費と大資本優先の投資拡大に最重点を指向していると指摘いたしております。この見解に対しましては、われわれは断じて同意いたしがたいのであります。(拍手)すなわち、社会党はかかる誤れる見解に立ちまして、歳出において防衛費一千五百億円を削減し、租税特別措置の廃止により三千億円の増収を行なうことを骨子として減税社会保障などの施策に充て、かれこれ差し引き歳入歳出規模政府原案より約五百五十億円増加し、三兆三千五百億円としようとしているのであります。  まず、防衛費でありますが、明年度の防衛費一般会計に占むる割合は、わずかに八・五%、国民所得の見込み額に占むる割合も、本年度同様一・三%であります。ごうも大幅の増額を行なっていないのであります。およそ、世界各国、国の大小を問わず、国防費を計上していない国はただの一国としてありません。しかも、予算額に対する国防費の割合は、アメリカ五七%、イギリス二七%、西ドイツ三〇%、永世中立国スイスにおいてすら実に四〇%に達するのであります。わが国予算防衛費重点を置いているなどとは、いかに考えても申しがたいのであります。(拍手)自国の防衛費を大幅に無力化し、ないしは無用視するがごとき政党は、寡聞にしてわが国以外にあまりその例を見ないのであります。(拍手)まことに遺憾とするところでありまして、われわれはこの一事をもっていたしましても、断じて社会党の組み替え案には同意いたしがたいのであります。  なお、社会党は大衆減税を掲げておりますが、前に申し述べたごとく、減税はわれわれも常に意を用いているところであります。わが党内閣は、昭和二十五年以来すでに十三回にわたって減税を行ない、減税累計実に一兆三千有余億円に達しておりまして、しかも、その八割以上は所得税減税であります。大衆減税に対するわが党の熱意は断じて社会党に劣るものではなく、現に実行いたしておるのであります。  さらに、社会党は、本予算案審議にあたりまして、政府予算規模が大型であって、経済をはなはだしく刺激すると、しばしば痛烈に政府を追及しております。ところが、いま提出された社会党の組み替え案を拝見いたしますと、驚くべきことには、何と政府原案を五百五十億円も上回る三兆三千百億円に達しているのであります。(拍手)これこそ、まさにわが国経済をはなはだしく刺激する超大型予算といわざるを得ないのであります。予算審議にあたっての今日まで社会党が論じられました論旨と全く相矛盾するものでありまして、われわれの理解に苦しむところであります。(拍手)  以上をもちまして、昭和三十九年度予算三案につき、政府原案に賛成、日本社会党組み替えを求むるの動議に反対の討論といたします。(拍手
  13. 船田中

    議長船田中君) 淡谷悠藏君。   〔淡谷悠藏君登壇
  14. 淡谷悠藏

    ○淡谷悠藏君 私は、日本社会党を代表し、昭和三十九年度一般会計予算昭和三十九年度特別会計予算、及び昭和三十九年度政府関係機関予算につき、政府原案に反対、これを撤回のうえ編成替えを求めるわが党の動議に賛成の討論を行ないます。(拍手)  政府は、昭和三十九年度予算の編成にあたり、国際収支の改善と物価の安定を主眼としたと強調しておりますが、これはもともと方針などというほどのものではなく、まことに弱々しい希望にしかすぎないのであります。しかも、この予算審議している間にも、情勢政府の予想を裏切って刻々と変化し、そのはかない希望さえ、いまはむなしき一片の夢と化し去っているのであります。(拍手)  すなわち、国際収支の面では、三十八年度において輸入は前年度を三割近く上回り、年度当初の見込みから約九億ドルも増加をしております。大きな見込み違いを示した上、貿易外収支赤字も構造的なものとなっており、増加する一方であります。経常収支赤字を従来のように資本収支黒字で埋めるというような安易な一時しのぎのやり方は、もはや不可能となりつつあるのであります。国際収支の危機は、三十九年度における政府経済見通しを全く架空なものとし、それに基づく財政経済各般の政策をみごとに破綻さしているのであります。政府は、このような国際収支の悪化を食いとめるため、昨年末から金融引き締め的なものを行なっておりまするが、信用が過度に膨張している現在では、これは必然的に中小企業倒産を伴うのであります。一月中の、負債額一千万円以上の中小企業倒産件数は百九十八件、その負債総額は二百八十二億円、続いて二月は二百三十八件、三百五十一億円と、月を追うて記録を更新しつつ、倒産は年度末から、金融引き締め最強化の伝えられる四月から六月には、なお増加する見込みを示しておるのであります。危機のたびごとに労働条件を切り下げられ、あるいは街頭にほうり出されるのは、言うまでもなく労働者であります。したがって、三十九年度は、勤労国民全体にとって、その生活水準を引き下げられる危機の年といわねばならないのであります。危機はもとより資本主義経済の運動法則そのものに根ざしているものではありますが、政府の内外両面にわたる諸施策の誤りがこの危機を一そう激化させているのは論をまちません。三十九年度予算のバックボーンをなしているものは、すでにかかる誤れる政府の基本的諸施策である以上、予算内容そのものを批判する前に、基本的諸施策そのものを批判せねばならないのであります。  その第一は、外交及び経済外交において、依然としてアメリカヘの追随が基本となっている点であります。  世界史の流れは、社会主義を世界人口の半ば近くに組織させ、他の諸国も含めて広範な影響力を持ちつつあります。この現実は、社会主義に反対する立場の人々といえども、認めざるを得ないのであります。したがって、これを隣邦中華人民共和国についていえば、さきにイギリスその他の西欧諸国がいち早くこれを承認し、また今日フランスがその承認に踏み切ったのも、事実を事実として認めた上で、自己の立場を有利にしようというきわめて現実的な対処策であることは言うまでもございません。他方、アメリカは自分に不利な事実は頭から否認していく非妥協的政策を固執し続けております。しかし、現在の段階で、中共の発展を無視して台湾の地位擁護に焦心する政策は、歴史の歯車を逆転させようとする無謀愚劣な企てといわざるを得ないのであります。ことにわれわれが不安を感ずるのは、政府日本の地位の特殊性を云々する場合、実際には台湾との特殊な関係を強調するにとどまる点であります。日本台湾、韓国と並んで、アジアにおけるアメリカの反共戦略の最後のとりでとなるような愚かしさには、われわれはもはや耐えられないのであります。かかる時点において、南北朝鮮の統一を阻害し、反共政権にてこ入れをする日韓会談の有害性は一そう明瞭になってまいります。したがって、われわれは会談の打ち切りをより強く主張するものであります。  さらに、国際政治の面におけると同様、経済面においてもアメリカ追随の政策はいろいろの悪影響わが国に与えております。  第一は、貿易構造の面でのアメリカ依存の行き過ぎから、依然として大幅な入超が続き、片貿易の状態を脱し切れないことであります。  第二は、アメリカ日本商品に対する輸入制限が緩和されず、自由化が片務的であることであります。  第三は、外貨準備の大部分をドルで持っているなどということは、欧米先進諸国では類例がございません。そのため、日本国民労働の結晶である外貨の価値が、アメリカのドルの信用低下に伴って減少するおそれさえあるのであります。  そして最後に、国際収支の危機を独力で乗り切る努力をせず、常にアメリカからの資金流入という安易な方法によって切り抜けてきていることも事実であります。国際収支破綻消費者物価の高騰と所得格差拡大は、池田内閣経済高度成長政策がもたらした死に至る病であり、その病状は日に日に悪化しつつあるのであります。予算委員会等における政府答弁によって見ても、国際収支健全化のための具体策はほとんどなく、近い将来における均衡の見通しも全くない。消費者物価の騰貴については、国民の非難に押されてようやく政府が取り上げたたった一つの施策といえば、公共料金の一年間ストップだけであります。しかも、それは値上がりの時期を一年間引き延ばしたというだけで、値上げしなくて済むような条件の整備は全然やっていないので、一年後は一挙に大幅値上げが不可避になり、物価上昇の火に油を注ぐような結果になるでありましょう。早くも地方公営企業などは値上げののろしを上げつつある状態であります。消費者物価に関連して、流通機構の整備なども言っておりますが、その効果は期待できません。流通機構の改革には、当然流通利潤にメスを入れなければならぬのでありますが、これは現在の社会における最大な不労所帯の源泉である管理価格と取り組む姿勢のもとで初めて解決できることでありまして、池田内閣とその与党には望むべきすべはございません。  さらにまた、所得格差の問題に関するほど、政府のインチキ性があらわれておるものはございません。一方における巨大な富の蓄積、退廃的享楽のばく大な乱費、そして、他方における低所得階層の累積、これは相対的窮乏感をより一そう強め、社会的犯罪の温床となっておるのであります。物価の値上がりが生鮮食料品など、生活必需品に片寄っていること、地代家賃の値上がりは、借家、借間住まいの多い低所得者階層への生活圧迫を強くして、実際生活における貧富の格差をより一そうはなはだしくしております。これら低所得者階層は高度経済成長政策の最も大きな被害者であります。  さらにまた、農民も池田政策の大きな被害者であります。農業と他産業との格差は、政府が言うように減っているでしょうか。農民は、もはや農業に希望も夢もつなぎ得ないような状態に置かれております。農業の不安は食糧不安に発展して、憂うべき社会不安をかもし出そうとしております。政府もおそまきながらこの事態に気がついて、農林政策に革命的施策を必要とすると言いながら、組まれた予算を見ますと、革命的施策の影も見えません。わが党は、こうした農林予算について、組み替え動議の中に、農林漁業の振興については、階層分解促進による零細経営整理を目ざす、いわゆる構造改善事業を根本的に転換し、すべての農林漁家を対象として、国の責任による農地造成、土地改良、林道整備、沿岸漁業振興等の生産基盤強化の施策を拡充するとともに、公費による農業機械化ステーション、農業サービス・センターを設置し、また経営共同化促進のための年利三分五厘以下の長期低利資金を保障するなど、全く、政府予算とは格段な誠意を示しておるのであります。  減税などもそのとおりであります。池田内閣は、選挙にあたりまして、麗々しく減税の約束をした。しかし、その減税の約束は、はたしてどうであったでしょうか。わが党は、三十九年度予算を、租税負担の公平化と国民生活の民主的向上を目標として、組み替えを要求しております。予算規模は約三兆三千一百億円とします。その場合、その内容の質的組み替えによりまして、インレ的性格は完全に除去されておるのであります。まず、われわれは、歳入の抜本的改正を行なう。減税について見ても、六千八百億円の自然増収に対して、所得税減税はわずか六百五十五億円というのが政府の案であります。国税全体をとってみても、増税分を差し引くと七百八十八億円にすぎません。また、国民所得に対する租税負担率もふえております。前年度の二一・五%が二二・二%に高まり、大体二〇%程度が適当という税制調査会の意見すら取り入れられていないのは、はたしてこれが誠意ある減税の処置でございましょうか。  われわれは、こうした減税のためにも、防衛費を問題にせざるを得ない。アメリカドル防衛政策は、戦略の変更と相まって、在日米軍を大量に削減しております。過大な核武装の脅威は武力均衡平和論に破綻を来たしておりますのに、わが国の防衛方針は、アメリカのふところに眠り込んで、全く見通しを失っております。しかも、防衛費だけは逐年過大に要求しております。他の諸国では防衛費を削るところがないなどと先ほど青木君が言いましたが、これこそは、特異の平和憲法を持っておる日本と、それを持っていない他の国とを混同する憲法軽視の政策なのであります。(拍手)防衛効果も怪しげな兵器購入に多大の費用をかけることは、国費の乱費これよりはなはだしいことはございません。防衛関係費は二千七百五十億と、いよいよ本格的な増大を示しておりますが、アメリカからの援助ストップで第二次防衛計画分だけで四百億円の穴があきます。第三次防衛計画については、まだ政府は明らかにしておりませんが、おそらくアメリカとの約束の手前、財政負担の急増は必至でありましょう。これが中国との国交の摩擦を増加することは言うまでもございません。われわれは、この防衛費の大幅削減を主張しております。すなわち、わが国憲法の平和と民主主義の精神に従って、防衛関係費約千五百億円、公安調査庁等の反動諸機関の経費約八十億円を削減及び削除するのであります。  さらにまた、公共投資につきましても、道路、湾港等に比べ、住宅あるいは生活環境整備費が小さ過ぎる。特に地価騰貴はここでも重大問題になっておりますが、たとえば道路事業費に占める用地費の割合は二五%以上、このうち街路事業は六〇%以上、極端なのは東京で九〇%近いものもございます。この比率は年々高まる一方であります。こんなことは、それこそ諸外国では考えられないことであります。社会資本などといっても、土地に投下される資金は、土地造成費は別として、いかなる意味でも基本ではあり得ないのであります。高度成長政策と地価の暴騰、ここでも経済高度成長政策は、それ自身の生み出す矛盾によって行き詰まりつつあるのであります。  さらに、差し迫った社会不安の一つに、ひんぴんと発生する交通事故、労働災害があります。鶴見事故、三井三池の事故等々、多くの人命が失われる惨事があとを断っておりません。石田国鉄総裁は、先日の予算委員会で、いまのような予算では事故はまた起こるであろうと言っております。さらに、本日の予算委員会で、わが党の辻原君の質問に答えまして、今後もかかる事故の起こるチャンスがあると言っておるのであります。これは一体何という言明でございましょうか。まことに重大な発言であります。世間はこれを交通戦争と呼んでいるほど、危険が増大している。輸送の責任を負う国鉄総裁に、事故はまた起こりますと極言させる予算、この予算は、一体だれがつくった予算でございましょう。(拍手)春秋の筆法をかりれば、まさに、池田内閣予算は人を殺す予算といっても過言ではないでしょう。(拍手)これが石田総裁の抗議の意味であります。こうした殺人予算について、はたして自民党の諸君、正しい予算の盛り方をしておりましょうか。総理の前で、この予算では事故が再び起こりますと国鉄総裁に明言させるような予算、これがはたして国民を案ずる予算でございましょうか。われわれは、これに対して、先ほど提案理由の中に申しましたとおり、直ちに交通不安を除くような予算を組んでおります。  要するに、池田内閣経済嘉慶成長政策は、対外的には、主としてアメリカからの外資借り入れ、対内的には、国民からの税の収奪、財政投融資を通ずる国民の零細資金の動員及び日銀からの信用造出によってつくり出した資金を、巨大企業設備投資に傾斜的に集中することによって進められてきました。この結果生み出されたものは、物価格差と社会不安の三悪の倍増、及び国際収支構造的赤字であります。池田内閣金づくり政策のうち、外資の借り入れ政策アメリカドル防衛措置によってすでに頭打ち、それに加えて、過去の導入外資に対する配当、利子等の支払いが膨張して、貿易外収支赤字を累年増加さしております。これが輪掛を上回る輸入という矛盾と結びついて、最近のわが国国際収支は、経常収支赤字資本収支黒字で埋める方式が限界にきております。それに加えて、物価の異常なる上昇は続き、各種格差はさらに拡大傾向をたどり、中小企業の連鎖的倒産農漁民経営行き詰まりが激化しております。国民の生活不安と不満は、根強くうっせきしておるのであります。  こうした最悪事態の中で、池田内閣は、日本経済完全自由化開放経済体制の中に引き入れようとしております。この結果冷酷な弱肉強食のあらしがいよいよわが国産業国民生活を荒廃させることは必至であります。池田内閣にして一片の良心と良識があるならば、昭和三十九年度予算はこうした事態を防止し、国民生活を破滅から救うことを最大の眼目として編成すべきが当然であります。しかるに、池田内閣は、その誤った経済高度成長政策をいささかも反省することなく、相変わらず労働者農漁民中小企業者に犠牲をしわ寄せする金融引き締め措置によって事態を糊塗しようとしているばかりでなく、三十九年度予算案においては、防衛費と大資本優先の投資拡大に最重点を置いておる。もし、この予算案をこのまま成立させるならば、国際収支赤字拡大物価上昇格差と社会不安の激化はいよいよ避けられないでありましょう。政府は、日本経済の当面する危機の深刻なことを真剣に反省し、その経済財政政策を根本的に転換すべきであります。これがわが党の組み替え動議趣旨であります。(拍手)  私はかかる見地から、あまりにも国民を愚弄し、国民の不安にいささかも愛情を持たない政府の原案に心から反対し、わが党の組み替え動議に賛成するものであります。自民党の皆さんが、政府、自民党、圧力団体が一体になってでっち上げた予算に執着することなく、喜んでわが党の動議に賛成されんことをあわせてお願い申し上げまして、私の討論を終わります。(拍手
  15. 船田中

    議長船田中君) 竹本孫一君。   〔竹本孫一君登壇
  16. 竹本孫一

    ○竹本孫一君 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提案にかかる昭和三十九年度一般会計予算外二件並びに社会党の組み替え動議に対しまして、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)  第一に、政府今回の予算の基礎となり前提となっております九・七%の経済成長率が当てにならないことであります。  政府は、九%ならば自然増収は六千五百億円ぐらいになるだろう、九・七%であるから六千八百二十六億円の自然増収が期待されるということで、これをあらゆる施策の前提、またいわゆる二千億減税の基礎といたしておるのであります。しかしながら、この九・七%の数字に、はたしてどれだけの期待と信頼を持つことができましょうか。現に本年度の経済見通しでも、三十七年の暮れと三十八年の暮れとでは、たとえば鉱工業生産は六%から二倍以上、一三・六%に修正されました。消費者物価は二・八%から七・二%へと二倍半高く修正されております。したがって、経済成長率は名目で八・一%から一三・六%へ、実質では六・一%から八・二%へと目まぐるしく変転いたしておるのであります。これで、はたして見通しと言えるでありましょうか、これで、はたして計画と言えるでありましょうか。しかも、こんな大きな見込み違いをいたしておりますくせに、本年度の歳出歳入は三兆二千五百五十四億三千八百三十一万円と、三十一万円に至るまで収支をきちんと合わせておるのであります。これはあまりにも小手先細工でありまして、形式に流れた予算の編成といわなければなりません。(拍手)  かかる経済の見通しの大きな番狂わせは、しからば、いかにして出てくるのでありましょうか。一言にして言えば、日本が無政府的な自由経済であり、借金経済であり、国の財政が放漫財政であるからであります。(拍手わが国の会社は、今日その数六十五万七千、しかも、その自己資本はおおむね二五、六%にすぎません。あとは他人資本、すなわち借金経済であります。この借金の元利償還と減価償却のために、どんな景気調整期においても、生産を落とすことができません。損益分岐点が高くなっておるのであります。はなはだしい場合には、操短をやればやるほどますます生産増加するという珍現象も生まれておるのであります。しかも、この生産が落ちなければ、その生産に必要である原料、材料、燃料、機械を輸入しなければなりません。国際収支がいよいよ赤字となり、ドル不足はますます激化するのであります。現に本年度の輸出は、なるほど五十五億ドルに達するでありましょうけれども、輸入はどうでしょう、六十億になんなんといたしております。貿易じりは、昨年の一月から一貫して赤字を続けてまいっております。いまや、三十八年度の経常収支は、日銀でさえも八億ドルの赤字を予想せざるを得ない実情でありまして、これまた資本収支、借金によってまかなおうというのであります。日本は、池田内閣のおかげで、二十数億ドルのドルを失いました。いまや、国も、会社も大赤字、借金亡国の危機に立っておるのであります。(拍手)  政治は無原則なる低姿勢、財政は無計画なる放漫財政産業経済はどこまでも借金経済、しかも、敗戦日本国民大衆はいまバカンスを楽しみ、デラックス型消費に狂奔いたしておる。青少年の非行は相次いで起こり、交通事故は毎日のごとく新聞をにぎわしております。これで国づくり、人つくりとは、どこを押せばそんなのんきなことが言えるのでありましょうか。(拍手)この予算案には、計画性と緊迫感が足りません。われわれの本予算に反対する第一の理由であります。(拍手)  第二は、金融政策失敗であります。  財政のしわ寄せが金融に集中化した上に、その金融政策は、政府の不当なる干渉と日銀当局のだらしなさのために、中小企業金融難はことさらに深刻になってまいりました。現在、池田内閣はみずからの政策失敗を端的に表現する公定歩合の引き上げを巧みに避けておられますけれども、やがては近いうちに公定歩合の引き上げをせざるを得ない羽目に追い込まれることを私はここに断言してはばからないのであります。(拍手)一部には輸入が近く減るのではないかという期待もあったようでありますが、現に十二月の輸入承認額は九億六千四百万ドル、しかも一月にもなお輸入は五億九千四百万ドルであります。業者に強気ムードがあり、生産設備の拡張、生産増加は決定的になっておりますこの段階においては、公定歩合に弾力性を持たせて、下げるべきときには下げる、上げるべきときには上げて、経済界に一大警鐘を鳴らすのでなければ、わが国経済界のムードを転換させることは絶対にできないのであります。(拍手)公定歩合の引き上げ中小企業に大きな打撃を与えるであろうことは、確かに心配されます。しかしながら、それほど中小企業を大切にされるのであれば、何ゆえに昨年十二月、預金準備率の引き上げを発表して、年末、金が最もほしい時点において、中小企業に心理的にも実質的にも一大重圧を加えたのでありますか。  租税にいたしましても、大企業のための租税特別措置法によって今年度の減収分は実に二千九十八億円であります。わが党は、この際、中小企業のためにこそ租税特別措置法をつくれと要求いたします。しかるに、政府は、これは負担公平の原則に反するといって反対されております。大企業のための租税特別措置は負担公平の原則に反しないが、中小企業のための租税特別措置は負担公平の原則に反するというがごときは、油田内閣がいかに大企業中心の政治をやっているか、その大資本家本位の性格を暴露する以外の何ものでもないのであります。(拍手)  政府は、中小企業擁護に名をかりて、公定歩合の引き上げを避けておりますけれども、実は中小企業ではなく、みずからのメンツを救おうといたしておられるのではありませんか。もし、真に中小企業の金利負担の軽減を考えるのであれば、政府はすみやかに歩積み、両建て、債務者の弱い経済立場において心ならずも不当に強制せられております拘束預金の解消に、一大英断をふるうべきであります。  特に山際日銀総裁のごときは、公定歩合引き上げの必要を十分に認めておりながら、政府の圧力の前に屈して、その引き上げ断行の時期を誤り、逆に預金準備率の引き上げや窓口規制に狂奔しておられるのであります。そのために、不渡り中小企業倒産がさらに次の不渡り倒産を呼び、三月危機をいま醸成しつつあるのであります。かくのごとく、資金の供給面からのみ抑制をして、そのしわ寄せを中小企業に集中し、これを倒し、これを破産させておる日銀総裁は、山際総裁ではなくして、実は不手ぎわ総裁であると申さなければなりません。(拍手)  さらに、財政投融資計画も、いたずらに大企業中心に二割以上も膨張いたしておりますが、これまた物価引き上げ国際収支の悪化、中小企業金融難を激成するものでありまして、われわれの断じて容認し得ないところであります。  第三に、政府の福祉国家建設への努力は全く不十分でありまして、賛成することができません。  減税につきましても、二千億減税を叫ばれましたけれども、国税の減税は、わずかに一千三億円、地方税減税が四百九十五億円の減税にすぎず、さらに増税分を差し引かなければなりません。これでは、国民の期待を大きく裏切るものと申さなければなりません。特に、給与所得者二千七百十万人に対する減税は、不当に縮減されておるのであります。しかも、歳出予算を見れば、福祉国家の諸施策は、項目を並べただけで、どこにも重点もなければ徹底味もありません。  わが民社党は、政府のこの予算案をかくのごとく批判する立場に立って、次のごとき基本方針をもって予算組み替えを主張いたしてまいったのであります。  一、国の予算の編成は、国民福祉の増進を鉄則とすべきである。明年度の減税は、五人世帯で平均月五万円の家計支出を行ない得るように措置すべきである。  二、医療保険、国民の老後保障の諸制度、公営住宅の建設、住宅環境施設と文教施設の整備拡充等、国民福祉増進のため、歳出については少なくとも最低三カ年継続の改善計画を立てるべきである。  三、政府は、中小企業、農業等の格差是正について革命的前進をはかることを公約したにもかかわらず、政府案はこれが実現にきわめて消極的である。  四、政府は、地方税減税による地方財源の減収に対しては、過渡的な赤字補てんの措置にとどまらず、自主財源増強のための特別措置を講ずべきである。  五、政府は、当面する消費者物価高を抑制するために、物価調整に必要なる物価対策費を積極的に計上すべきである。  最後に、日本はいま重大なる転機に立っております。戦後ようやく二十年、いまや完全に戦後ではありません。民族の自主性に立ち、正しい祖国愛を呼び起こして日本政治の一大革新を断行すべき段階にあります。いまだに無条件降伏の続きでアメリカに遠慮して、中共承認一つできないようなことで、どうしてアジア諸民族の先頭に立ってわれわれが進むととができましょうか。(拍手)オリンピックが日本で行なわれることもわれわれ国民の喜びであり、誇りであります。しかし、外人に対する料飲税免税の復活に示されたごとき、半植民地的奴隷根性は、この際断固として一掃しなければなりません。(拍手)特に、これが当分の間行なわれるというので、われわれはオリンピックの済むまで、今年じゅうのことかと、これは理解いたしておりました。しかるに、何ぞはからん、当局はこれによる減収は初年度十四億円、平年度十八億円と説明されておるのであります。それでは当分の間ではないではありませんか。これは池田内閣の続く間、あくまでも外国人には正当な税金もかけることができないということでありまして、国民の誇りとプライドを傷つけること、これより大なるはないと申さなければなりません。(拍手)  黒いネコは何回洗っても白くはなりません。アメリカに遠慮して、中共承認もできない、日中貿易も伸ばせない、外人には料飲税も取れない、その根性のない事大主義と悲しい従属的モラルが、日本政治最大のガンであります。(拍手日本の政治に民族の誇りと精神的独立なくしてどうして人つくりができましょう、どうして国づくりができますか。もと立ちて道生ずと申します。この精神革命、すなわち、人間性を取り戻す第二のルネッサンスヘの豊かなる展望と民族独立への激しい意欲なくして、明日の政治も、新年度の予算も論ずることは断じてできないと思うのであります。(拍手)われわれの政府予算案に反対する理由であります。  なお、社会党の動議につきましては、個々の政策についてわれわれと同一の点もありますが、全体を貫く基本的立場において、われわれと見解を異にするものでありまして、遺憾ながらこれに賛成することはできません。  以上、政府案並びに社会党の動議に反対するわが民社党の立場を申し述べまして、私の討論を終わります。(拍手
  17. 船田中

    議長船田中君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、川俣清音君外十四名提出、昭和三十九年度一般会計予算外二件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  川俣清音君外十四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  18. 船田中

    議長船田中君) 起立少数。よって、川俣清音君外十四名提出の動議は否決されました。  次に、昭和三十九年度一般会計予算外二件を一括して採決いたします。  この採決は記名投票をもって行ないます。三件の委員長報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。   〔議場閉鎖〕
  19. 船田中

    議長船田中君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名を点呼〕   〔各員投票〕
  20. 船田中

    議長船田中君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。   〔議場開鎖〕
  21. 船田中

    議長船田中君) 投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  22. 船田中

    議長船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長報告〕  投票総数 四百十   可とする者(白票) 二百六十二   〔拍手〕   否とする者(青票) 百四十八   〔拍手
  23. 船田中

    議長船田中君) 右の結果、昭和三十九年度一般会計予算外二件は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)     —————————————  昭和三十九年度一般会計予算外二件を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名       逢澤  寛君    愛知 揆一君       青木  正君    赤城 宗徳君       赤澤 正道君    秋田 大助君       天野 公義君    天野 光晴君       綾部健太郎君    荒木萬壽夫君       荒舩清十郎君    有田 喜一君       安藤  覺君    井出一太郎君       井原 岸高君    井村 重雄君       伊東 正義君    伊東 隆治君       伊能繁次郎君    岩動 道行君       池田 清志君    池田 勇人君       石井光次郎君    石田 博英君       一萬田尚登君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    今松 治郎君       宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 安吉君    浦野 幸男君       江崎 真澄君    小笠 公韶君       小川 平二君    小沢 辰男君       小澤佐重喜君    小渕 恵三君       大石 八治君    大石 武一君       大泉 寛三君    大久保武雄君       大倉 三郎君    大高  康君       大竹 太郎君    大坪 保雄君       大西 正男君    大橋 武夫君       大平 正芳君    岡崎 英城君       奥野 誠亮君    押谷 富三君       加藤 精三君    加藤 高藏君       加藤常太郎君    賀屋 興宣君       鍛冶 良作君    海部 俊樹君       金子 一平君    金子 岩三君       金丸  信君    上林山榮吉君       神田  博君    亀岡 高夫君       亀山 孝一君    鴨田 宗一君       唐澤 俊樹君    仮谷 忠男君       川崎 秀二君    川野 芳滿君       菅野和太郎君    木部 佳昭君       木村 剛輔君    木村 武雄君       木村武千代君    木村 守江君       菊池 義郎君    久野 忠治君       久保田円次君    草野一郎平君       鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       藏内 修治君    黒金 泰美君       小泉 純也君    小金 義照君       小坂善太郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 一郎君    河本 敏夫君       纐纈 彌三君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 榮作君       佐藤 孝行君    佐藤洋之助君       齋藤 邦吉君    坂田 英一君       坂村 吉正君    櫻内 義雄君       四宮 久吉君    志賀健次郎君       始関 伊平君    椎熊 三郎君       椎名悦三郎君    重政 誠之君       篠田 弘作君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       白浜 仁吉君    進藤 一馬君       周東 英雄君    鈴木 善幸君       砂田 重民君    砂原  格君       瀬戸山三男君    關谷 勝利君       園田  直君    田川 誠一君       田口長治郎君    田澤 吉郎君       田中伊三次君    田中 榮一君       田中 角榮君    田中 龍夫君       田中 正巳君    田中 六助君       田邉 國男君    田村  元君       田村 良平君    高瀬  傳君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       高橋  等君    高見 三郎君       竹内 黎一君    竹下  登君       竹山祐太郎君    武市 恭信君       舘林三喜男君    谷川 和穗君       千葉 三郎君    地崎宇三郎君       塚田  徹君    塚原 俊郎君       辻  寛一君    坪川 信三君       寺島隆太郎君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    内藤  隆君       中垣 國男君    中川 一郎君       中川 俊思君    中島 茂喜君       中野 四郎君    中村 梅吉君       中村 幸八君    中村 寅太君       中村庸一郎君    中山 榮一君       永田 亮一君    永山 忠則君       灘尾 弘吉君    南條 徳男君       二階堂 進君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野田 武夫君       野原 正勝君    野見山清造君       野呂 恭一君    馬場 元治君       橋本登美三郎君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       八田 貞義君    服部 安司君       濱田 幸雄君    濱野 清吾君       早川  崇君    原 健三郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       福井  勇君    福田 繁芳君       福田 赳夫君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤枝 泉介君       藤尾 正行君    藤本 孝雄君       藤山愛一郎君    古井 喜實君       古川 丈吉君    保科善四郎君       細田 吉藏君    堀内 一雄君       堀川 恭平君    本名  武君       前尾繁三郎君    前田 正男君       益谷 秀次君    増田甲子七君       松浦周太郎君    松澤 雄藏君       松田竹千代君    松田 鐵藏君       松野 頼三君    松村 謙三君       松山千惠子君    三池  信君       三木 武夫君    三田村武夫君       三原 朝雄君    水田三喜男君       湊  徹郎君    南好  雄君       村上  勇君    村山 達雄君       毛利 松平君    粟山  秀君       森   清君    森下 元晴君       森田重次郎君    森山 欽司君       八木 徹雄君    山口喜久一郎君       山崎  巖君    山田 彌一君       山手 滿男君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 勝市君       山本 幸雄君    吉田 重延君       早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君       渡辺美智雄君    渡邊 良夫君       亘  四郎君    清瀬 一郎君  否とする議員の氏名       赤路 友藏君    赤松  勇君       茜ケ久保重光君    秋山 徳雄君       足鹿  覺君    有馬 輝武君       淡谷 悠藏君    安宅 常彦君       井伊 誠一君    井岡 大治君       井谷 正吉君    井手 以誠君       伊藤よし子君    石田 宥全君       石野 久男君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    稻村 隆一君       卜部 政巳君    大出  俊君       大柴 滋夫君    大村 邦夫君       岡  良一君    岡田 春夫君       岡本 隆一君    落合 寛茂君       加賀田 進君    加藤 清二君       片島  港君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金丸 徳重君    神近 市子君       川崎 寛治君    川俣 清音君       川村 継義君    河上丈太郎君       河野  正君    久保 三郎君       久保田鶴松君    久保田 豊君       栗原 俊夫君    栗林 三郎君       黒田 寿男君    五島 虎雄君       河野  密君    佐々木更三君       佐藤觀次郎君    佐野 憲治君       阪上安太郎君    桜井 茂尚君       重盛 壽治君    實川 清之君       島上善五郎君    島口重次郎君       下平 正一君    東海林 稔君       鈴木茂三郎君    田口 誠治君       田中 武夫君    多賀谷真稔君       高田 富之君    滝井 義高君       楯 兼次郎君    只松 祐治君       辻原 弘市君    戸叶 里子君       堂森 芳夫君    泊谷 裕夫君       中井徳次郎君    中澤 茂一君       中嶋 英夫君    中村 重光君       中村 高一君    成田 知巳君       二宮 武夫君    西宮  弘君       野原  覺君    野間千代三君       芳賀  貢君    長谷川正三君       長谷川 保君    畑   和君       華山 親義君    原   茂君       原   彪君    日野 吉夫君       肥田 次郎君    平岡忠次郎君       平林  剛君    藤田 高敏君       帆足  計君    穗積 七郎君       細迫 兼光君    細谷 治嘉君       前田榮之助君    松井 政吉君       松井  誠君    松浦 定義君       松平 忠久君    武藤 山治君       村山 喜一君    森本  靖君       矢尾喜三郎君    安井 吉典君       柳田 秀一君    山内  広君       山口丈太郎君    山崎 始男君       山田 長司君    山中 吾郎君       山中日露史君    山花 秀雄君       山本 幸一君    湯山  勇君       横路 節雄君    横山 利秋君       吉村 吉雄君    和田 博雄君       麻生 良方君    伊藤卯四郎君       稲富 稜人君    今澄  勇君       受田 新吉君    内海  清君       春日 一幸君    栗山 礼行君       小平  忠君    佐々木良作君       鈴木  一君    竹本 孫一君       竹谷源太郎君    玉置 一徳君       中村 時雄君    永末 英一君       西尾 末廣君    西村 榮一君       門司  亮君    本島百合子君       山下 榮二君    吉川 兼光君       吉田 賢一君    加藤  進君       川上 貫一君    志賀 義雄君       谷口善太郎君    林  百郎君      ————◇————— 日程第一 首都高速道路公団法の一部を改正する法律案内閣提出
  24. 船田中

    議長船田中君) 日程第一、首都高速道路公団法の一部を改正する法律案議題といたします。     ————————————— 首都高速道路公団法の一部を改正する法律案  〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  25. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。建設委員長丹羽喬四郎君。     —————————————  〔報告書本号(その二)に掲載〕     —————————————   〔丹羽喬四郎君登壇
  26. 丹羽喬四郎

    ○丹羽喬四郎君 ただいま議題となりました首都高速道路公団法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、首都高速道路公団が国際復興開発銀行から外貨資金を借り入れるに際し、借り入れに関する所要の規定を整備するとともに、同公団の管理委員会の委員の増員並びに監事の職務権限の規定を整備しようとするもので、そのおもな内容は次のとおりであります。  第一に、首都高速道路公団が国際復興開発銀行からその資金を借り入れるに伴い、同公団の債務については政府が保証し、同銀行はその債権につき優先弁済権を有することとし、また、同銀行に引き渡す債券に伴う外国向けの元利金の支払い及び受領については、外資に関する法律の特例措置を定めたことであります。  第二に、羽田−横浜線の着工に伴い、出資する地方公共団体がふえるため、同公団の管理委員会の委員を二人ふやして五人を七人とし、そのうち、出資した地方公共団体の長の推薦にかかる委員二人を三人とすることであります。  第三に、監事は、監査の結果に基づき、必要と認めるときは、理事長または理事長を通じて建設大臣に意見を提出することができることとしたことであります。  本案は、去る一月二十九日本委員会に付託され、慎重審議を重ねたる後、二月二十五日本案に対する質疑を終了いたしましたが、二月二十八日、本案に対し、自民、社会、民社三党協議の上、瀬戸山三男君より修正案が提出されました。  修正案の要旨は、監事の職務規定の改正中「理事長又は理事長を通じて建設大臣に意見を提出することができる。」とあるのを、「理事長を通じて」を削除して、直接建設大臣に意見を提出することができるようにしたことであります。  かくて、修正案並びに修正部分を除く原案につき採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもって可決、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  27. 船田中

    議長船田中君) 採決いたします。  本案の委員長報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  28. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第二 警察法の一部を改正する法律案内閣提出
  29. 船田中

    議長船田中君) 日程第二、警察法の一部を改正する法律案議題といたします。     ————————————— 警察法の一部を改正する法律案  〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  30. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。地方行政委員長森田重次郎君。     —————————————   〔報告書本号(その二)に掲載〕     —————————————   〔森田重次郎君登壇
  31. 森田重次郎

    ○森田重次郎君 ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  本案の要旨は、第一に、警察庁の職員の定員を十人増員して七千七百九十五人とすること、第二は、都道府県の境界付近における警察事案の処理を円滑かつ能率的に行なうため、管轄区域の隣接する都道府県警察が相互に協議し、その協議の範囲内で隣接都道府県警察の管轄区域内でも職権を行なうことができるものとすることであります。  本案は、二月十日当委員会に付託され、翌十一日早川国務大臣より提案理由説明を聴取し、自来、早川国務大臣をはじめ関係政府委員に対し、協議事案の内容、費用の負担区分、本案と自治体警察の性格の問題等について熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知いただきたいと存じます。  二月二十八日、質疑を終了し、別に討論の通告もなく、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  32. 船田中

    議長船田中君) 採決いたします。  本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  33. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第三 甘味資源特別措置法案(第四十五回国会内閣提出)  日程第四 沖縄産糖の政府買入れに関する特別措置法案(第四十五回国会、内閣拠出)
  34. 船田中

    議長船田中君) 日程第三、甘味資源特別措置法案日程第四、沖縄産糖の政府買入れに関する特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————  甘味資源特別措置法案  沖縄産糖の政府買入れに関する特別措置法案  〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  35. 船田中

    議長船田中君) 委員長報告を求めます。農林水産委員長高見三郎君。     —————————————   〔報告書本号(その二)に掲載〕     —————————————   〔高見三郎君登壇
  36. 高見三郎

    ○高見三郎君 ただいま議題となりました二法案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず、内閣提出甘味資源特別措置法案について申し上げます。  本案は、第四十五回特別国会に提出され、今国会へ継続審査となっているものであります。  本案のおもな内容は、砂糖類及び甘味資源作物の需要及び生産の長期見通しの樹立、公表、生産振興地域の指定と国の助成、砂糖製造施設の設置の承認、国内産糖及びブドウ糖の政府買い入れ、甘味資源審議会の設置、食管特攻会計に砂糖類勘定の設置等をその骨子といたしております。  農林水産委員会におきましては、十二月十七日政府から提案理由説明を聴取した後、継続審査となり、今国会におきましては、二月十一日以降四日間にわたり審査を進め、二月二十八日、質疑を終了いたしましたところ、自民、社会、民社共同により、生産振興地域内の都道府県は、都道府県甘味資源作物生産振興審議会を設置することができる趣旨の修正案が提出され、次いで、自由民主党、日本社会党及び民主社会党から、それぞれ賛成討論が行なわれ、また、日本共産党からは反対の討論が行なわれました後、これを採決に付し、多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しては、砂糖類の自給度向上の裏づけ措置として、政府は、生産五カ年計画並びに年次計画を樹立、公表すべきこと等、四項目にわたる附帯決議が、これまた、自民、社会、民社三派の共同提案によって付されたことを申し添えます。  次に、内閣提出、沖縄産糖の政府買入れに関する特別措置法案について申し上げます。  本案は、第四十五回特別国会に提出され、甘味資源特別措置法案と一括して審議を進めてまいったものでありますが、その内容は、砂糖の価格が低落した場合に、必要があるときは、沖縄産糖を政府買い入れしようとするものであります。  本委員会におきましては、昨年十二月十七日政府から提案理由説明を聴取し、二月二十八日、審査を終了し、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  37. 船田中

    議長船田中君) 両案を一括して採決いたします。  日程第三の委員長報告は修正、第四の委員長報告は可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  38. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、両案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————
  39. 船田中

    議長船田中君) 本日は、これにて散会いたします。    午後九時五十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  池田 勇人君         法 務 大 臣 賀屋 興宣君         外 務 大 臣 大平 正芳君         大 蔵 大 臣 田中 角榮君         文 部 大 臣 灘尾 弘吉君         厚 生 大 臣 小林 武治君         農 林 大 臣 赤城 宗徳君         通商産業大臣  福田  一君         運 輸 大 臣 綾部健太郎君         郵 政 大 臣 古池 信三君         労 働 大 臣 大橋 武夫君         建 設 大 臣 河野 一郎君         自 治 大 臣 早川  崇君         国 務 大 臣 佐藤 榮作君         国 務 大 臣 福田 篤泰君         国 務 大 臣 宮澤 喜一君         国 務 大 臣 山村新治郎君  出席政府委員         内閣官房長官  黒金 泰美君         内閣法制局長官 林  修三君         総理府総務長官 野田 武夫君