○田中(織)
委員 経過は大体わかりました。
実は前回の一日の
委員会で坂本
委員の学徒援護会の問題に関する
質問で、やはり大ぜいの学生というような形になりますと、あるいは公安
関係というような問題で、警察が直ちに出動する。ある
意味から見れば、私ら率直に申し上げて警察は
行き過ぎだ、こういうふうに感ずるのに、たまたま前後して起こったこの事案については、私が調べてみると、公安
委員の名川さんの名前も出ているというようなことになると、警察の態度というものが二様に出ているというような印象を受けたので、今日までの私の調べの段階では、鈴木派の
関係から紛争のいわゆる民事裁判の
関係の判決であるとか、そういうようなものを承知しているだけで、まあここへ取り上げる前に実は野木派という公費
委員の名川さんにも会って、名川さんの言い分も聞いて、その上で私は私なりの状況判断をしたいと思っていたんですが、それが今日まだできていない。あなたのいまおっしゃられた経過は、実際に表の動きとして私はそのとおりだと思う。私が聞いているのと一致いたしますから。さらにできれば名川さんの
関係、野木さんの
関係にもさらに
事情を私は聞きたいと思います。
ところで、これは鈴木派から提供されたコピーでありますけれ
ども、二日の日でありますか、鈴木派の
事務局長などが帰りまして、松実英夫という人ですが、そういう
人たちを単調から追い出した。そのときに、松実さんらしいのでありますけれ
ども、の日誌を入手をした写しが手元にあります。警察はそれをお持ちであるかどうかよくわかりませんけれ
ども、それによりますと、なかなかこれは――まあ七月二十一日から始まっておるのでありますけれ
ども、これは栃木県か何かに住んでおられるので、東京に支社があるかどうかわかりませんけれ
ども、なかなか編隊、隊伍を整え云々というような形で、これは野木派のいわゆる
警備のいろいろ体制かと思うのでありますが、敵機見えずと、なかなかそういうような形で軍隊的な用語を交えた日記が私の手元に入っております。それによると、やはり名川さんの名前が随所に出てきておるんですね、名川、会館云々というようなことが。なお、町の新聞記者の話によりますと、そういう松実何がしというような人と名川さんとが校内で話し合っていたのを目撃したというようなことも日誌の
関係から出てきていると思うのです。私はそういう
意味で、やはり、もちろん民心
事件に弁護士の職掌柄関与されまして、鈴木派の下川というのが弁護士でありますが、野本さんのほうの弁護士としてそれぞれやはり学園の
理事に名前を連ねておる。それから、いわゆる鈴木、下川、野木、名川。そのときにやはり学長で
理事長になられたのが音楽界の大先輩である堀内一雄さんです。それから先ほど
管理局長の述べられたように、かつて本院の議長をやられた松永東先生の名前も学長として出てきている。しかし、まあ判決の中では、それは正規の
理事会で選任されたものではないからということで、判決では松永先生の
理事長あるいは学長としての地位は否認されておるようでございます。松永先生としても私は迷惑な話ではないかと思うのであります。それはまあ判決の出た以後に一般に配布しました、ことしの八月六日にお願いという形で、これは残暑見舞い、暑中見舞いを兼ねて、さっそくながら
昭和四十年度入学案内でき上がりましたので例年のとおりお届けおいたします。お手数ながら音学科進学希望者にお知らせのほどをお願い申し上げますという入学案内を学園が出されているんですね。それには、八月六日ですからもう判決が確定して、これも最初控訴審か何かで敗訴した野本さんらが控訴中であったんですけれ
ども、裁判所からの慫慂もありましたか、控訴を取り下げて判決が確定されたんですね。それにもかかわらず、この八月六日のなかには、私は実物は見ておりませんが、東洋音楽大学長松永東、
理事野本良平、
理事名川保男というような形で入学案内が一般に配布されているんですね。そういうこと。これは文部省のほうでも、私、先ほど申し上げたように、野木さんも名川さんも、この判決の確定によって鈴木、下川氏とともに四人が
理事ということが裁判所の権威で確認せられたのですから、これはやっぱり――しかも鈴木さんは大学の創始者で、大学はまあ、学校法人をつくるときの寄付者の中には東大の我妻先生の名前も出ておるような、なかなか名門校のように私伺うのですが、そういう創立者の音楽教育に道を開こうという熱意、ことに公安
委員を現在やられておる名川先生なんか、やはり職掌柄
関係することになったのだろうと思いますけれ
ども、やはり名前を連ねておるということになれば、私はこの問題について、いわゆる暴力団的な
人たちの協力を得なければ学園の管理ができないというようなことは、これはいささかどうかと思うので、そういう
人たちの善処を私は要請したい。私は鈴木派でもなければ野木派でもないのでありますが、考えてみまして、これはやはり一つの社会問題としてこの場で取り上げることの
意味がある、こういう
意味で私取り上げておる。その点については、事公安
委員というような
関係になりますと、警察のほうも、そういうような
関係者のある
事件にはどこか横に寄っているような、そうでなくて全学連的な要素のあるものには機動隊が飛び出していくというような形では、どうも警察の威信のためにも、私は
事件の早期の解決と、こういうような事案に対する警察の姿勢というものが問題であろうかと思う。その点のひとつ善処を、これは特に指導的な立場の文部省、それからまあ取り締まりの立場でありますけれ
ども、特にまああなた
たちの一番上の公安
委員会の一員におられるのでありますから、きょうの国会で取り上げられたことはやがて名川さんの耳にも入ることだと思うのでありますけれ
ども、私は、やはりこの際善処してもらわなければいけないのじゃないか。
まあ、法務省の
関係に来ていただいたのは、ほかでもないのでありますけれ
ども、こういう形でもちろん正規の
理事会が開かれない。学校法人法によると五名なければならぬのが裁判所で確定したのが四人しかないということになれば、これは正規の
理事会が開けようにない。それですから裁判所のほうで
理事長代行に谷村唯一郎先生ですか、裁判所で任命された職務代行者が三人きめられておるけれ
ども、そういうことに対する会計の引き継ぎだとかいうようなことが行なわれないで今日まで紛争が続いてきておる。これはやっぱり仮処分決定に基づいて裁判所のほうで職務代行者まで選任をされても、結局やはり野呂先生などが、とてもこれでは職責を尽くせないということで身を引かれるというような形になりますと、私は名川先生は法曹界の非常な先達だということを私も記憶をしておるだけに、やはりその裁判所の判決なり仮処分決定というようなものが具体的に出ているのが、そういうような法曹の先輩などによって――いろいろ訴訟戦術とかそういうようなものがあるのかもしれませんけれ
ども、私はやはり法の威信の立場から見ても
関係者にお考えを願わなければならぬ問題を含んでおるのではないかというふうに考えるのです。私はいままでの裁判の経過あるいは証拠
関係というようなものの一通りの書類は見ておりますが、私の手元にきている限りにおいては、やはり私は裁判所の判決は正しいし、仮処分、そういうようなもののそれがなぜ確保できないのか、ある
意味から見れば、この間の二日、三日の問題にいわゆる暴力団なるものが介入をしてくるというような形では、正しい裁判所の決定なりそういうようなものが正しく実行されない過程にそういうものが出てきているということになれば、これは私はやはりゆゆしき問題だというふうに実は考えてこの問題を取り上げたのです。さっきお断わりしましたように、両派の対立の中に起こった問題でございますから、一方の意見を聞いたのでは正確な判断がとれないと思いまするので、
あと先になりましたけれ
ども、まあ野本派の意見も聞いてみてさらに私も
調査を進めたいと思うのですが、こういう内容を持っている事案であるという立場で、特に治安
当局の立場からは判断に誤りのないように十分――こういう内部的なものが、ある
意味から見れば防犯という見地から、
理事者に対しまして、それぞれの
関係者に対しましてこの問題は――幼稚園に至るまで持っておるようですから、おそらく千をこえる学生を収容しておるのではないかと思うが、そういう子供
たちに与える影響というものも考えて、正しく一日も早く処理するように、これは文部省だけじゃなしに、警察
当局も私はやはりただ単にそういう事案だけということじゃなく、防犯という見地は警察法の精神から見て特にあなた
たちの今後積極的に力を入れていただきたい分野だと思う。その点をやっていただきたいと思う。
それから
最後に、法務省の民事局の上田さんですか、来ていただいたのは、ほかでもございませんが、確定判決が出まして、これはまあ控訴中の
事件を取り下げまして、それで判決が確定したので、そういう事態の中に正規の
理事会が開かれぬのに
理事会が開かれたような形で文書を出された。これは末端の
法務局の出張所として私非常に迷惑だろうと思うのです。そのつど上申書などを出して受付を拒否された、却下をされたという
関係がありますが、八月の末に鈴木派のほうから出された申請が却下になって、九月二十一日付でありますか、東京
法務局長に審査請求をしておる
事件があるようでございます。まあ、非常に出先として困る問題だと思うのでありますが、この
事件等については、やはり審査請求が出ましたならば、これは早急に
結論を出さなければならぬのではないかと思うのですが、そういうような
関係が実際にどう扱われておるのか、その点をお聞きしたいと思ったのですけれ
ども、何の予告もなく出ていただいたので、あるいは
調査ができていないかもわかりませんが、いかがでしょう。