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後藤説明員 いま
お尋ねの点は九月三日の
事件であろうと思いますが、この
事件につきましては、これは午前十時ごろから
本部の横の中庭におきまして
学生が集会を始めまして、十時半には約八十名の
学年が四列縦隊ぐらいになってワッショイ、ワッショイと奇声をあげてスクラムを組み、
本部事務所の建物の
正面入り口から二階の事務室になだれ込んだというふうに私
どもは
承知しておるのでございます。これに対しまして
理事者側のほうでは、部屋の入り口に立ち入り禁止の文書による表示をいたしました。さらに口頭で再三にわたって退去を
要求いたしましたが、
学生はこれに応じないばかりでなく、この部屋におりました
下村理事を取り囲みまして
要求内容に対する回答を強要しておるというような
状況で、不穏な
状態になったようでございます。それで十二時近くになりまして
下村理事が危険であると感じまして、電話で
警察に対しまして救助の
要請をいたしておりますと同時に、
学生を退去さしてくれ、こういうことを
要請しておるのでございます。この
要請に基づきまして、麹町
警察署は、署員を現場に派遣すると同町に機動隊のほうにも通報いたしておるようでございます。麹町署員は、十二時十五分ごろに事務室に到着いたしまして、この
学生八十名に対しまして違法
状態を直ちに解くように、それから自発的に立ちのかなければ、これは
警察が力で排除しなければならぬというようなことを
警告をいたしますと同時に、
先生おっしゃいましたように写真を撮影いたしまして証拠を収集しておるのでございます。これに対しまして
学生は、
警察は何しに来たんだというようなことで激しく抗議をしたような
状況が続いたようでございますが、十二時半ごろになりまして一応
学生はこの
警告に応じて退去をいたしております。
しかし、その
状態は必ずしも全面的に平静に復したというふうに見られませんでしたので、一時ちょっと前には、十二時四十分ごろでございますが、十二時四十分ごろには麹町署長が、機動隊に現場に出動するようにということを機動隊に連絡をとっております。この
警察官が現場に到着をいたしますと、これを見ておりました
学生は、さらに
下村理事に対しまして、
警察官を導入したことに対する釈明を求めるというようなことで、会うことを
理事に求めたようでございますが、
下村理事はこれを拒否しておる。一時半ごろになりまして、再び
学生は
本部の建物内に入りまして、これは約七十名でございますが、
正面玄関にすわり込み、それからその他入口などに机等をもちましてバリケードを築いて、(
坂本委員「それは九月四日でしょう」と呼ぶ)これは三日でございます。閉鎖をいたしておるのでございます。
それから、その後再び
下村理事に対しまして会見申し入れをいたしました結果、二時ちょっと過ぎから四時ちょっと過ぎまでの約二時間にわたって
下村理事と
学生側が
交渉をいたしております。その間午後二時ちょっと過ぎごろから各出入り口が完全に閉鎖されておるというような
状況で、
職員から苦情が出たと申しますか、困ったというような話があり、全体的に見ますと、ややこれは軟禁
状態とも見られますので、
内部と外部との通行を確保するという必要を認めまして、
警察官がこれを、出入り口におりました
学生を排除しておるのでございます。その際、約半数の
学年ばさらに
本部の建物内に入り込みまして、入り口のドアにかぎをかけるというようなことをやっておるのでございます。この間に
学生代表六名は
下村理事と話し合いをいたしましたけれ
ども、平行線をたどって妥結点を児出すことができず、午後四時四十分ごろにはこのままの
状態で解散をいたしておるのでございます。
先生お尋ねのなぜ
警察部隊をここに出したかということにつきましては、ただいま申し上げましたような
状態で、
下村理事等が、言うなれば軟禁
状態に置かれたということで、仕事ができないような
状態にありましたために、同
理事からの救助の
要請に基づいて現場におもむいた。しかし、いま申し上げましたように、最後に
玄関におりました
学生を排除しました以外には実力的に排除するに至らないで
事態は終わっておる。こういうことでございます。