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賀屋国務大臣
政府委員から大体お答え申し上げましたが、私も多少補充して申し上げておきたいと思うのですが、坂本
委員も、個々の要求があれば官庁相互の協力としてこたえるということは御容認になっておると思います。それで能率から申しますと、いま
民事局長が申しましたように写しを全部送るほうがよほど簡略なんです。というのは、いま三百五十万と申しますが、その中で税務署が利用するものが五千か一万で、大体がむだになるものならばこういう
やり方はむだと思うのです。ところが、不動産の移転ですから、いまどきは税務署で
調べなければならぬものの数が非常に多いのですから、三百何十万という非常にたくさんな数を
調べなければならない。それでこちらから送れば、いま言ったようにどうせ市町村役場にやらなければならぬものですから、一枚書くものを二枚、新たに一枚つくるのではないから楽なんですから、たいへん手数が違うのですから、複写でその一枚をやるのですから、それをやらぬとすると、税務署のほうから一々個々に
あとから照会されたら、それこそ何日か前のものを、また新たに照会して帳面をひっくり返して写しをやるとなったら、そのほうがよほど手間がかかる。ところが税務書では、そういう書面照会で出す以外に何があるかわからぬから行ってみたいと考える。そうすると、いま
民事局長が申しましたように、少ない件数ならいいが、全体に大きい件数ですから、税務署員が一々
法務局の出張所まで出張してくるということは非常に非能率で経費もよけいかかる。来て帳簿をひっくり返されると応待しなければならぬ。これは複写を一枚やるどころの騒ぎじゃない。だからむしろ、いまのような個々の照会を包括的にあらかじめやっておいたほうが双方が非常に簡略でかつまた便利である。それを、いま申し上げたように何百万枚のうち五千枚か三千枚利用されるものならこういうことは申しませんが、大部分が利用されて、やらなければ
あとから
調べにこなければならぬものですから、そういう実務上のことを聞きますと、この
やり方が一番なにである。それでまた一面は、
お話しのように登記所の事務に従事しておる人の仕事がそれだけあるわけですから、それに対しましては相当の人数の臨時雇いその他を入れまして負担の軽減の道も講じておるわけでございまして、どうも実際はこの
やり方が、税務署にとりましても登記所にとりましても一番いわゆる仕事の簡素化にはまっておるのじゃないかと思う次第でございます。