○
川崎(寛)
委員 いまの子供を持っておる父兄のほんとうの気持ちといいますか偽らない気持ちというものは、
高等学校へ行った、
大学に行きたい、出したい、こういう場合には全部
大学に入れてもらいたい、そのかわり、ここで出てきておる三番目の
問題になるわけでありますが、入れてもらってそのかわりひとつ中できびしく選抜をしてもらって、勉強しない能力のない者は落ちていく、ふるわれる、こういう形にしてもらいたいというのが母親なり父親なりあるいは本人たちの希望であろうと思います。しかし実際には、
先ほどから現実はと言われておるように、学歴偏重の
社会でありますし、そういう伝統があるし、現実には
学校差というものが厳然としてあるわけでありますので、その点はきわめて現実に即さない。そのことがこの
答申の中に出てくる結論の方向であろうと思うわけであります。ところが
問題は、やはりアメリカ、ソ連等における
高等学校を卒業して
大学に入っておる者の比率、そういうものからするならば、日本は
大学生が多過ぎる、こういうことには決してならないとも思いますし、高等
教育というものの円満な発展のためからしますならば、私はこれはそういう方向に
制度的には進むべきではないかと思います。ところが、それが現実に
学校差があるから押されて、どうしてもそういうふうにならないのだ。これはまた後ほど御
質問したいと思いますけれども、そういう今日の進められております文教施策の全般的な面において、
一つの方向というものを大きく見通そうとしても、その前に、はだめなんだ、こういうことで現実に妥協している。だから
有名校に入るということはもうやむを得ないことなんだ、こういうことで常に現実に妥協せざるを得ないというのが根本の
問題だろうと思います。ですからその点については、これはここで早急に結論を出せということを要求をいたしましても出ない
問題だと思いますが、やはり将来の方向としては、あくまでも学歴偏重をなくし
学校差をなくしていく、そのためには旧帝大、旧国立
大学、さらには新しい地方
大学というものの差が今日
制度的にもむしろ進められておりますので、そういう点については後ほど御
質問をしたい、こういうふうに思っておりますが、そういう根本の
問題があるということを私たちは
大学入試制度の改善の中でよく見きわめておかなければならないと思うわけでございます。
そこで次に
お尋ねいたしたい点は、そういう中教審の
答申に基づいていろいろと
制度の改善ということが進められ、その中の
一つとして能力開発研究所というものが昨年から発足をし、能研テストが行なわれてまいっておるわけでありますけれども、能力開発研究所というものはどういうものであるか、ひとつ正式に、この
委員会においては御説明をいただいておりませんので、御説明をいただきたいと思います。