○小林(行)
政府委員 このたび御提案申し上げております短期
大学制度の恒久化に関連いたしまして、御指摘のございましたように
大学制度全般につきまして
文部省としては中央教育審議会に諮問し、昨年答申をいただいておるわけであります。この答申の中にも、この短期
大学制度の改善に関しましては触れておるところでございまして、今回の改正は、いわば中教審の
大学制度改善の答申の一環というふうに見て差しつかえないと思います。したがって、現在四年制あるいは
大学院の制度の改善等について、いろいろ
関係者あるいは学識経験者が集まって
検討してもらっておりますが、そのほうの意見がまとまり、
措置すべきときがまいりましても、現在の短期
大学制度の改善はこれによって影響されることはなかろうと思っております。したがって、この恒久化が、ただいまおことばにございましたような暫定的なものになるということにはならぬというふうに私
どもは
考えております。もちろんこの短期
大学における教育
内容につきまして、御
承知のように短期
大学の設置基準というものがございます。これはやはり時世の進展に応じて専門的な見地から今後
検討していくべき課題かと思っておりますが、制度の問題につきましては、これがこの恒久化改善が暫定的になるというふうには
考えておりません。
次に、制度改善の中身の問題でございますが、御
承知のように、短期
大学関係につきましては
私立の短期
大学協会、あるいは公立の短期
大学協会というようなものがございまして、それぞれその方面の
関係者から、多年この制度の恒久化について御要望のあったところでございます。その御要望の概要を申し上げますと、まず第一に
私立の短期
大学協会とされましては、短期
大学の制度を恒久的な制度にしてもらいたい。それから恒久化に際しては、
大学教育のワクの中に置いてもらいたい。それからその目的、使命等について、従来のものに対し、はなはだしい変革を加えないようにしてもらいたい。それから名称は、現行どおり短期
大学という名称にしてもらいたいというような、その四点についての御要望があっておるわけでございまして、今回の制度改善もこの短期
大学協会の御主張と全く同趣旨のものにいたしておるわけでございます。
また、公立の短期
大学協会のほうにおかれましても、この名称について、あるいは法律の規定の
方法につきまして御要望があるわけでございますが、この点について径庭はございませんので、いわゆる短大側とこの点について意見の相違があるというふうには
考えておりません。
次に、
大学の入学志願者急増
対策に関連してのお尋ねでございますが、
文部省といたしまして、要するに高等
学校入学者の増加の波が、四十一年には
大学の門に到達することに対しまして
対策を練らねばならぬということから、いろいろな入学志願者の急増に関する推計をいたしておるわけでございます。推計の
方法にいろいろなファクターがあるわけでございまして、まだいわゆる
文部省としての最終的な
対策をきめたわけではございません。ただ私
どもの
考え方として、こういう推計はいかがであろうかという
一つの案をつくりまして、それぞれ
関係の
方々、ことに
大学の専門家
たちと相談をいたしておるわけでございます。御指摘のございましたように、現在私
どもの推計いたしておりますところでは、この四十一年のころにおきまして、現在
程度の入学者の率を一応確保するものといたしますと、現在約二十八万の入学者がございますが、それに対して十万人くらい入学者のワクを広げる必要があるのではなかろうかということでございます。その際、四年制の
大学と短期
大学にこれを分けますと、従来の学生増募の比率から申しまして、大体四年制の
大学は七万、短期
大学のほうは三万といったような比率でよいのではなかろうかというふうに
考えたわけでございます。その四年制の
大学の七万のうち、国立は一万
程度、それから私学で六万
程度というものが従来の実績にかんがみて、大体妥当な線ではなかろうかというふうに
考えたわけでございます。もちろん私学で主として担当してもらう形になります約九万というものの増募に関連いたしまして、当然国としても、私学に対する経済的な援助の方策は
考えなければならないと思っております。現在いろいろな資料から一応の推計はいたしておりますけれ
ども、これもやはりそのふえる学部学科の
内容等によって非常に大きな数字の開きが出てまいりますので——もちろんこれも確定したわけではございません。また
文部省としての
方針が大体きまりましても、財政
当局との折衝も当然起こってくるわけでございます。しかしいずれにいたしましても、この急増の時期におきまして、私学がいわばワクを広げて受け入れてくれる数に対しましては、
政府としても、当然従来に増して非常な
努力をして裏づけをしていくべきものというふうに
考えておるわけでございます。