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長谷川(正)
委員 これは外国の方の民族教育というものに対しての
考え方について、純粋な
立場からでなく、現在国交が回復しているとかいないとか、あるいはその国の持っている政治形態なり社会形態、あるいは現在進めている
日韓会談の進行上これがじゃまになるとか、いろいろそういう時の政治的な
一つの配慮から出たことではないかという感じがいたすのであります。教育はそういうことに左右されるべきではなくして、本来、各民族がそれぞれ民族の自由な文化の発展、教育の振興をはかることについて、できるだけの保障をそれぞれし合うということであるのが常道ではないかと思います。この点は議論になりますか、私はいまの
大臣並びに担当者の御答弁については納得がいかないのであります。おそらくそういう政治的な配慮から出ているということであれば、納得はしないなりに
一つのそういう
考え方に立っているという事実についてはこれを確認することができますけれ
ども、この点についてはやはり本来の姿に返すべきであり、普遍的な人道の
立場に立ってこの問題を
考えないと、日朝両民族の百年、千年にわたる長い将来に非常な暗影を投げるのではないかという点を強く御指摘を申し上げたいと思います。この点は将来また議論する機会があろうと思いますから一応譲りまして、次に進めさせていただきます。
いま在日
朝鮮人は大
部分日本永住を希望されているというようにきめつけられておりますけれ
ども、これはどういう根拠でそうおっしゃっているのか私にはわかりませんが、私の貧しい
調査によりますと、大体六十万
程度が現在
日本におられる。そうしてその御出身地を見ますと、
日本には南側のほうが近いですから、九〇%近くが今
日韓国の領域になっておる南
朝鮮の御出身と聞いております。したがって北のほうから来て
日本におられる方はほんの一〇%をこえない。数は少ない。しかるに外国人としての登録の面から見ますと、その出身地はともかくとして、今日いわゆる
韓国籍を名乗る者はそのうちのわずか二五%
程度ではないかと聞いております。しかもこれは心から
韓国籍を名のりたいという者ばかりでなくて、いま申し上げたとおり、南の出身でありますから、御両親なりあるいは親戚の者が南
朝鮮、つまり現在の
韓国におる。これと行ったり来たりする場合にやはり
韓国籍を名のっておかないと非常に制約される、ほとんど行かれない。その他いろいろ職業上、特に商売上等いろいろの面で
韓国籍を名のっているほうが差別待遇を受ける心配が比較的少ない。そういういろいろ副次的な
理由のためにやむを得ず
韓国籍を名のっておる者も相当あると聞いております。それらも含めてもなおかつ二五%
程度、その他の方はどういう外人登録をしているかというと、ただ
朝鮮という登録をされておる。この
朝鮮ということは、暗に北の民主主義人民共和国のほうの国籍になりたいのだが、これは
国交回復していないという
理由からです。とにかく、ここは外務
委員会じゃありませんから、
外務省の方が来ていれば伺いたいのですが、
朝鮮という登録になっているのがこの残りの大
部分であります。こういうようなことを
考えますと、非常に複雑な様相を呈していると思います。このことは同時に
日本における在日
朝鮮人の方々の団体なり、組織というものにも反映いたしております。居留民団というのですか、それから
朝鮮総連合、こういう二つに大別されると思いますが、やはり総連合の組織のほうが、いまの実態を強く反映して多いように伺っております。したがってこの問題は非常にむずかしい問題でありますけれ
ども、いまおっしゃった学校のうち、
日本の学校に希望して入って、
日本人同様の教育を受けている子弟もありますが、この居留民団系の学校、それから総連系の学校というふうに
朝鮮人の方々の学校を分けることができるのではないかと思います。その種類、分布、人員、そういったものについてどのようになっているかお伺いしたいと思います。