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三木(喜)
委員 同じく一月二十二日の読売
新聞の論調では、血染めの十六歳とその背景ということで書いておるのです。福島県平市の常交タクシーの
運転手渡部政勝さん殺し、の父はタクシー会社の重役で、中
学校三年当時非常に腕力が強くて暴力団の仲間にも入っておった、そしてよその家に預けられておった、これがM
家庭状況。それからYの父は船長で、ノイローゼぎみになって家出をし、手製のピストルをいままでつくってやっておった。警察の補導も受けておる。Sの父は
薬局店主で、気の弱い子でSは家出をした、こういうようなことが背景としてあがっておるのです。そして
学校は
放任主義でない、きびし過ぎるくらいであった。ただ
子供にいま
局長のおっしゃったように自制心がなったかということは言えると思います。それから
学校も
家庭も
教育に非常に熱心で、勉強しろ勉強しろということはよく言っておった。服装もきちんとしておった。それにもかかわりませず、これらの
子供は押えると爆発し、わがままであり、喫茶店に入りびたって悪のつながりもでき、そして手が切れないような状況になっておった。ここで問題になりますことは、
高校生として要注意の人物であったことは事実です。もう一つは、Sなんですが、進学ノイローゼになっておったのも事実のようです。こうして
新聞は克明に、非常にまじめにこの
事件と取り組んで
問題点を抽出しておると思うのです。いま話を聞いておっても、何かまた私
たちは説教をせられておるようで、かくあるべしという規範だけを
社会局長が言われておるような気がしてしかたがないのですが、一月二十七日の読売にはこういうようにあげております。同じくこの問題を取り上げまして、おそるべき
高校生、これらの
子供の問題になるところは、要素的に取り出してみますと、
学校できめられた服装で殺人を平然とやっておるということ、しかも殺す理由がない。それからこれらの
子供は言動や環境に共通のものがある。まず第一は三名とも長身でスマートでガール・フレンドができておる。これは悪への誘惑の第一の条件であるということを書いております。それから薬局、タクシー会社の重役、船長、みな
中流家庭以上であって、経済的には裕福です。しかし二番目に、三名とも親なし子と同じ環境に育てられておる。三番目に、逮捕されたときに驚くかと思いましたが、これらの
子供は平然と母親の前で、しかも親が非常におろおろしておるのに親を相手にしていないということですね。ここに平然ということが
二つ要素が出てくるわけです。そうして、人殺しをしておいてさっさと深夜喫茶店に行って殺人の話を大声でやっておる。この三つの要素から、これらの
子供は平然とこういうことをやっておって何ら動じていないということですね。それから
中流家庭で裕福であるということで、金だけが、親子の間を結んでおる。私は問題がここにあると思うのです。それから親なし子同然であるということですね。これから親を相手にせぬというこの態度、これが出てきておると思うのです。それから四番目に、進学に非常に追われまして、そうして成績が非常に不良である。進学ノイローゼになっておる。これから、
予算委員会で山中
委員が言われました
子供の劣等感、焦燥感というものがやはり
子供の中にあると思うのです。こういうような問題を抽出してきたときに、
家庭と
学校の断層というものの
問題点がはっきりしてくると思うのです。それに
家庭教育、一般的にこれだけでなくて、私の
考えでは、こうした問題の
子供というのは
学校でもきまっておると思うのです。そういう
子供を抽出してきてそれに対するところの先生の
指導をどうするか、
家庭との連絡をどうするか、問題を起こすところの基盤はもうきまっておると思うのです。冷静な
子供にはそういうことはないのですからして、何かこういうような欠陥がある
子供というものは明らかになってきます。それをどういうように持っていくかということがもう
家庭との連絡の一番ポイントでなければならぬと思うのです。そういう点について今後
学校教育というものの中で
施策をやっていかねばならぬのではないかと私は思います。その点
初中局長にお聞きしたいのですが。