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湯山委員 私はここに問題があると思うのです。
国有林の行政、
民有林の
指導、そういうことをやる
長官を除けば、部長といえば部門の最高の
責任者です。その人が、たとえば業務部長が一年三カ月
程度でかわる、
林政部長が平均一年半
程度でかわる、職員部長も一年
程度でかわる。これで
ほんとうに正しい、将来を見通した
林政がやれるかどうか。ことに
林野庁が現業官庁ということで特別な扱い、特別会計で処理されておるという意味は、
一体どこにあるかということを
考えますと、実際にはこういう
専門的な部署を持つ人が腰を入れて、業務部長はその道の権威になる、
林政部長もまたそれの権威になる、こういうことにならなければ、
一体何のために
林野庁を特別会計に移して特別な機関としたか。それから
林野庁長官には特別な権限が与えられております。他の局長と比べるのはあるいは失礼かもしれませんけれども、かりに
農林省内の他の局長と比べても、
林野庁長官には他の局長にない権限がおありでしょう。給与に関してもありますし、勤務についてもありますし、その他についても特別な権限を持っている。それは、落ちついてしっかり
林野行政に取り組む、他からの干渉を幾らかでも排除する、そういう配慮が
林野庁をこういう形で置いておる趣旨だと思います。ところが、その担当部門の
責任者である部長が一年や一年半足らずでかわっていく。これで
ほんとうに
長官が意図するような
林政ができるとお思いでしょうか。あるいは私が
最初に申し上げましたように、歴代
長官に同じようなことを要求しても、その通りだ、そうしなければならぬという答弁はいつもいただきながら、今日なお、いまの労務の問題だって解決していない。職員部長も一年
程度でかわっている。悪く言えば、その部長は、その一年半なり何なりが済めば、
あとはもう自分の
責任でなくなる。だから、
ほんとうに自分のものとして取り組んでいかない。こういう弊害が出てくるんじゃないでしょうか。私は、さきに
大学のことについて
長官の御意向を聞きましたけれども、ここからの問題はある
程度長官でできる問題です。
長官が
ほんとうに腹をきめてかかるならば、職員部長も一年でかえるとか、悪い人は一年も置かないで、一カ月でもかえていいと思いますが、しかし、りっぱな職員部長なら、
ほんとうにこの
国有林労務の前近代性を打破していこうと真剣に取り組んだら、三年や五年ではできないと思うのです。だから、職員部長はそれと取り組んでやってくれということで、三年でも五年でもかかってやらせる。それから業務部長についても、新しい加工なり、あるいは新しい用途の開拓その他のことについては、三年や五年でやれといったってできないことだと思うのです。それにはスタッフも要りますが、スタッフが必要なのと同時に、
責任者もまたそうなくてはならない。
林政部長もまた同様だと思います。この点については、私は従来非常に遺憾に思っておりました。
基本法がこういうふうにして制定されて、
基本法の第三条にあるようなことを
ほんとうにやっていくということになれば、従来のように一年でわかる、一年半でわかる。まして、高知の営林局長を北海道に持っていって、一年くらいで
ほんとうの仕事にならぬのじゃないか。そういうふうに局長が一年半でかわったのでは、かりに半年でその土地になれて、こういう木があるということを覚えても、仕事は一年しかできない。こういうことで、
ほんとうに国全体の
林業が伸びていくということになるでしょうか。非常に重要な問題なので、
長官の御所信を伺いたいと思います。