○
中西政府委員 災害の
概況でございますが、四月の二十八、九日の
東北を
中心にします凍
霜害、それからそれの
一連の
気象の
影響だと思いますが、今月に入りましてからの中旬の凍
霜害という、
一連の
霜害害の
被害がございますのが
一つであります。それからもう
一つは
南九州から北
九州、さらに
四国、
中国等にかけまして
長雨の
被害が起こっております。それが第二の問題です。それから現況が必ずしもはっきりしませんが、
北陸、
東北の
方面で、あるいは一部茨城、
千葉等におきまして、干害のおそれがありますのが第三であります。
まず第一の凍
霜害でございますが、われわれの
集計しましたところで、四月末の凍
霜害の
被害は約八十二億円に達しております。さらに今月の中旬に
長野県等を
中心にしまして四、五億円の
被害が起こっておるというふうに考えておりますが、その後継続して
調査をいたしております。さらに昨日の朝来の
低温もございますので、それらを一括して
被害を固めたいと思っております。と申しますのは、御
承知の
天災融資法を
発動することは当然としまして、さらに
激甚災の法律を適用するかどうかということに関連して、それらの
一連のものを一まとめにして
対策を講ずるということで、
激甚法を適用したほうがいいのではないかという
趣旨で、そういう作業をやっております。今月の末ごろまでには全体の締めくくりをいたしたい。とりあえず
天災融資法の
発動の
方針はきめておりますけれども、
激甚法も適用するかどうかについての
結論を得ていません現
段階でありますので、
つなぎ融資等についての
措置を五月の上旬来講じております。そういう
措置をいたしておりますのですけれども、できるだけ早く
激甚法適用の
段取りにこぎつけたいというふうに考えております。そのほか十数
項目にわたって地元からの
要望がございますが、それらについては
予備費の必要なものもございますので、
財政当局とも折衝いたしております。できるだけ早く
結論を得たいと思っております。
第二の
長雨でございますが、五月十五日現在で締めくくりまして百二十七億円の
被害に達しております。
被害の小さな県から計算いたしますと、大体岐阜、
静岡以西全部に当たるようです。激しいところはやはり
九州、それから
四国の愛媛、高知の一部であります。それらに対しましては、昨年の
長雨の
対策のそれぞれの柱について
要望がわれわれの
手元に参っております。逐一それらについての
対策を取り進めたいと思っております。さらに
長雨の
被害として特異な現象なんでございますが、宮崎県におきまして、異常な
高温の
影響だといわれておりますけれども、
不時出水をしております。その
面積が、
水稲の早植え
面積の中で約一割くらいは植えかえを要するのではないかというふうに思われます。私
ども農産課長を派遣しまして見てきてもらったのですけれども、やはり
高温のために早く伸びて分けつするというふうな非常に変わった
育ち力をしておるようです。おそらく抜いてまた
田植えをし直すようなことになる
面積がかなりあるのではないか。しかしいずれにしましても中
晩稲の帯しろをつくって植え直すということも可能でございますので、しばらく
技術指導などに
重点を置きながら、今後の推移を見てまいりたい。
晩稲の苗しろをつくるのは六月の中旬ごろだと思います。しばらく時間がありますので、その間
技術指導に遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。
第三の
干ばつでございますが、当初
北陸、
東北を含めまして八万四千
町歩程度の
被害ではないかとおそれられたわけです。四、五日前に幸いに降雨がありました。
新潟等では相当心配されておりましたが、
田植えも順調に進んでおる。
警戒体制も解除されたというふうに聞いております。そのほか、
山形等においても
田植えがある
程度進んでおる。中間的な
段階では、一万
町歩以上
被害面積が減ったと聞いておりますが、さらに
被害面積が減りそうであるというふうに
情報を得ております。たいしたことがなければ幸いであると思っておりますが、なお
調査を続けておるわけでございます。その間、
地方農政局等で保有しております
ポンプを相当台数移動いたしまして、水位が下がっておるというようなこともあって、
揚水機の
活動が思うにまかせないということで、
ポンプを運びました。そういうような
経費等が相当かかっておりますが、これらについてはまた別途
予算措置を考えなければいかぬと考えております。
以上、三つの
災害につきましての
概況を申し上げたわけでございます。