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久保田(豊)
委員 ちっとも明快でない。相変わらずぼやっとしている。
合理化のメリット、メリットと言うけれども、この次のことは、
合理化の
内容にちょっと入っていきます。私は、少なくとも政令事項で――もちろん数字を入れてどうということはない。要するに、諸
要素をどういうふうにとるかということは、
現行二法の付録のバルクライン方式みたいにはっきり――そういうことは困難でしょう。それは私も認めます。認めますけれども、しかし、少なくともこれは、尺度に盛るべき諸
要素というもの、その盛り方だけは抽象的にでもきめておくことはぜひ必要だと思う。この点については、また
あとで同僚の
委員からそれぞれ
お話があると思いますので、時間がありませんから、この程度にいたします。
さらに、
合理化のメリットをどう繰り込むかということです。これはこれから非常に複雑になる。私が第一にお
伺いしたいのは、
合理化メリット。従来は
硫安だけについて、しかも
合成硫安と
回収硫安なりあるいは副生
硫安について、一定の数字でもって、これをいわゆるバルクライン方式で
調整して御
承知のとおり出した。ところが、そのメリットというのは、大体において十年間で一六%、百三十四円幾らですか、大体そんなものです。だから、平均すれば一年に一・六、大体十四円程度のメリットのあれをやってきた、
合理化メリットを繰り込んできたということです。しかし、これは
硫安だけを見るから、そういうことになる。
硫安の中でも、こういう回収と副生分がこれからうんと増産になります。本年度は大体七十二万トンくらい、それから
あと、四十一年ごろになると百万トンをこす、こういうことになります。さらに鉄や石炭がどんどん進んでいくとすれば、これはある試算によりますと、昭和四十五年には、鉄の排ガスだけですか、あれだけでも、
硫安換算で六百二十万トン近くの増産が可能だという、これは推測ですから、当たっているかどうかわからぬ。さらに石油の分を
考えたら、これはなお大きなものになろうと思う。これをどの程度織り込んで、いわゆる
価格の値開き、一般の合成と開いているかということを見ると、現在は大体において、回収のほうが一かます当たり十六円安、それから副生のほうが三十二円安、こういうことになっておる。しかし、これはおかしいと私は思う。これは最初から商慣習でこうなっておるということです。ところが、大体回収なり副生の場合の原料コストというものは、ただにひとしいものだ。ただ、そういうものをやる場合の設備費なり総諸掛かりをこれにどうかけるかによって、これらの値段というものがきまってくるのです。これはらようど小麦粉とふすまみたいな
関係です。アロケーションのしかたによってどうでも変わってくるものです。これを従来どおり十六円あるいは三十二円というのは商慣習です。これに何ら合理的な根拠はないのです。これがどんどんふえておる。これはおそらく
内需優先で回すことになろうと思う。しかもこういうふうな値開きができたのは、これは私が言わぬでも御
承知のとおり、N分が二十一に足りないものが出るとか、あるいは色がついているとか、あるいはくさみが多少あるとか、いわゆる全く商慣習的にこれだけ値開きをやっている。ところが、最近ではこういうものが質がよくなっておる。N分についてもほとんど二十一を下回るものが少ない。特に色とかにおいについてはだんだんとれておる。しかも、使用方法はどうかというと、単肥は少なくなって、複合になっている。複合の場合は、
硫安でも回収でも副生でも変わりがない。こういう
状況になってきているときに、これを従来どおりバルクライン方式としてそのまま織り込むということは、どうしても納得できない。これはもう一度合理的な再検討をすべきである。この点はどうかということが一点。
それからもう
一つ、尿素や塩安や
高度化成の
生産比率なり、その他がずっと増してきております。これの値開きなり何なり、これもやや商慣習的なものがあって、決して合理的なあれではないと思う。特に尿素が一番大きな
要素をなしますけれども、これは非常に
比率が増してきております。
生産比率から消費
比率が、
国内でも外国でも急速に増して、今後ますますふえてくると思う。これともう
一つの原料である炭酸ガスは、ざっくばらんに言ってただみたいなものではないですか。ただとは言えないとしても、施設その他の総諸掛かりは別として、もとはただみたいなものです。それを
価格に
相当織り込んで、要するに尿素
価格なり何なりというものを見ておるということです。それからいままでのところは、大体
合成硫安に二・二倍をかけて、それから適当額の値引きをするということでいっている。最初は宣伝のために四〇%ぐらいといって、いまは二〇%。一かます百円内外、ところが、これはもっと落とし得る可能性があると私は思う。今日のように
回収硫安だけでなくて、尿素なりその他のやや高度の
肥料形態をとったものと総合的に
考えなければならぬ時代になって、尿素その他いわゆるメリットを従来どおりにしているということは、非常に不合理です。この点を根本的に再検討する必要がある。
もう
一つの
要素、御
承知のとおり、
ア系肥料、
アンモニア工業といいますか、
肥料工業の中で、そういう
硫安部門なり
ア系肥料部門の持っている
比率というものは、だんだん下がってきた。そのほかの
工業用の
硫安が非常に
よけいになってきております。したがって、この面からも、もう一度
硫安の
合理化、メリットなり何なりというものを再検討する必要がある。現にいま御
承知のとおり、ラクタムとかあるいはその他の
工業用のほうが非常に景気がよくなって、
生産制限をしておりますから、どんどん値が上がってきておる。大体四万円くらいにはなりそうだ、こう言っている。そうすると、場合によっては、
硫安がそっちにどんどん流れていって、そっちの値が上がってそっちでもうけて、そしてこっちは従来どおりにしているという
関係になっております。逆にそっちが悪くなれば、こっちで
肥料のほうに
よけいかけるという問題も出てくる。こういう点について、
肥料の
生産形態が
高度化し、多角化してきたについては、従来のメリット方式というものは無
意味になってきていると思う。私は、これについてどうしても根本的な再検討をしなければならぬ段階にきていると思う。特にこの点が、私は、
農民の
立場からいえば、一番大事なポイントではないかと思う。従来のいわゆる
合理化メリットはこういう点を見ておらないと思うのです。この点についてはどう
考えるか、これもはっきりしておいていただきたい。