○湯山委員 昨日
局長にも
お尋ねしたのですけれ
ども、長期
計画に関連をいたしまして
お尋ね申し上げたいと思います。
私の
お尋ねいたしたい点は、すでに
法律によりまして、たとえば急傾斜地帯、積寒地帯、畑地
農業改良促進の
対策、湿田単作地帯あるいは海岸砂地地帯、こういう特殊地帯特殊立法をもってその
対策が打ち出されておる、こういうものとの関連についてでございます。御存じのようにこれらのそれぞれにつきましては、
審議会が設けられておりまして、その
審議会によって長期
計画が樹立される、こういうことになっております。その
審議会の構成は、調べてまいりますと、急傾斜地帯は若干違っておりますけれ
ども、他の
審議会は全部国
会議員が入っております。それから大蔵、
農林あるいは
自治、こういう事務次官が入っております。それから
関係府県の知事、代表者、さらに学識経験者あるいは
関係市町村の代表者あるいは議会の代表、大体こういう共通な構成を持って、それぞれの
審議会が
法律によって設置されております。そこで、問題になってまいりますのは、今回の
法律の改正によりまして、長期
計画については農政
審議会の
意見を聞いてこれを定める、さらにそれについては知事あるいは
関係各省の
意見も聞く、そして閣議で御決定になる、こういうことになっておりますし、さらにまた「
土地改良事業の種別ごとに、
計画期間に係る
土地改良事業の実施の目標及び
事業量を定める」というのが今回の
法律改正できめられております。そこで、その
関係について
お尋ねいたしたいと思ったのですが、実はこれらのそれぞれの特殊立法の
審議会は
法律によって定められておりますし、それから
審議会の委員の中には、
法律審議に当たっておる国
会議員等も入っておりまして、事務的な
立場からはこれについての
意見を述べるということはきわめて困難であるということが、昨日も明確になりましたので、きょう特に大臣に
お尋ねするわけでございます。
特にこれを問題といたしますのは、すでにこれらの特殊立法が制定されて十年以上を経過いたしております。そして大臣も御存じのように、それぞれの
審議会において、
計画が第一期
計画、第二期
計画と定められて、ある
程度実施されてまいりましたけれ
ども、今日までの実績を見ますと、よくいっているので
計画の五〇%
程度、悪いのは二〇%にも達しておりません。そこで、それらについてある意味で検討する必要があるのじゃないか、こういう配慮のもとに、海岸地帯、湿田単作、畑地、積寒、急傾斜、
農林省が主管しておられるこれらの
法律については昭和四十
年度までというふうに、実際は従来五年ずつで切ってきておった
法律を、あるものは四年に短縮をいたしまして昭和四十
年度でそろえたわけでございます。そろえたいきさつは、当時の御説明では、これらを一応そろえておいて一緒に何かの処置をしたい、今後のことを検討していきたい、こういう抽象的な理由でございました。つまり、昭和四十
年度でもってこれらのものは何らかの
法律措置が講じられない限り消滅するわけでございます。しかしながら、その
事業はかりに今後二年間——もう今
年度は終わっておりますから、来
年度一年間ずいぶん御
努力をなさっても、当初の
事業計画が達成されるとはとうてい考えられません。そこで、私は、今回の
土地改良法の一部改正と申しましても、これはかなり大きな改正でございまして、この機会に、これらの特殊立法の地帯に対する
対策については、何らかの具体的な推進の道が、あるいはこれをどうやっていくんだという道が開かれてきた、このように考えておりましたので、実はそのことについて昨日
お尋ねしたわけでございますけれ
ども、いま申し上げましたような事情で、事務
当局から、これらについて具体的にどうするんだということはお答えをいただくことができない
状態でございました。大きく申し上げますと、これらの特殊立法の関連する地帯というのは、実際は日本全国の耕地の九〇%を占めております。しかしながら、これらの
法律が制定されたいきさつは、それらの
地域は何らかの意味において取り残される要素を持っておる。たとえば海岸砂地地帯にいたしましても、あるいは湿田単作地帯、あるいは積寒地帯、急傾斜地帯、いずれも
農業基本法で考えられておるような生産性の向上という点からいえば、これらの地帯の非常に極端なものは、きわめてそういう条件には当てはまりにくい
後進性、取り残される要素を持っておる。したがって、
農業基本法体制、生産性向上、こういうことだけから進めていったならば、場合によってはこれらの地帯、たとえば急傾斜地帯、いろいろなことをやっていても、なかなか生産性の上がらない、労力ばかりかかるというような地帯、あるいは海岸砂地地帯、砂防工事その他かんがいをやるにいたしましても、特殊なことをやっていかなければならない、そういったような地帯については、これはやはり労力生産性からいっても、資本の生産性からいっても、これは生産性の向上ということからはおよそ取り残されるような条件を持っている。そういう地帯が今日までいろいろ施策を立ててきたけれ
ども、取り残されている。十分
計画が実施されてきていない。そこで、今回の
法律改正で見ますと、それらについても長期
計画の中に入れて、そして農政
審議会の
意見を聞いてやられるということでございますけれ
ども、私はいま農政
審議会の委員の方々の顔ぶれも見せてもらっております。ところが、この中で、
土地改良というような技術を要する、ある
程度専門的な知識を要するというものについて、はたして積極的な
意見を述べられる方がどれだけおられるか。これは農政全体から見れば権威者であるし、あるいは貴重な
意見を持っておられる方があると思いますけれ
ども、こういう人にはたしていまのようなそれぞれ特殊な性格を持った
地域の
土地改良について
意見が述べられるかどうかということについて、はなはだ疑問を持っております。と申しますのは、特殊立法の
審議会の委員の中で学識経験者、特に学者として委員に出ておる人たちは、一人もこの農政
審議会の委員の中には入っておりません。こうなってまいりますと、一体今日までやってきて、しかも昭和四十
年度限りどうなるかわからないという運命に置かれておるこれらの
審議会は、一体どうなるのか。特殊立法は一体その
段階ではどうなさるのか。そしてまた、これらの
地域の振興について、この新しい
土地改良法においてはどのような具体的な
方法をおとりになっていかれるのか、こういうことは私は非常に重要な問題であると思います。そうしなければてんでんばらばら、いままでの
審議会は
審議会でやっていく、そして
計画を立てる。一方においては、この
法律によってそれぞれの
土地改良事業の種別ごとに、
土地改良事業の実施目標あるいは
事業量が定められていく。こういうことになってまいりますと、今日まで専門的な
審議会があって
計画を立てて、そして
農林、大蔵、
自治、そういう事務次官が加わってやっておった
計画さえも、大蔵省においてはこれを
団体営の
一般的な
土地改良のワクの中でばさっと切ってしまう。そうすると、その
予算査定のあおりを食って、実際にはりっぱな
計画ができておっても、その半分もまだできていない、二割もまだできていない、こういう
状態になってきておりますから、そうなりますと、一体今度の
土地改良法の改正、その中の長期
計画、実施
計画と、それから今日まで特殊立法されておった地帯の
土地改良事業、これは一体どうなっていくのだろうか、非常に重要な問題であると思います。具体的なことを申す時間はございませんが、
一つだけ申し上げますならば、たとえば急傾斜農道にいたしましても、思ったように
予算がつかない。
事業計画が縮小される。そこで、急傾斜で
計画して一期、二期工事をやったものが、今度はそれはしかたがないから、構造改善の中へ含めて三期工事だけはやったらどうかというような指導をされておるところも、現実にはあるわけでございます。そこで、こういうかなり大きな政治問題であるし、そして今度の
土地改良法の改正の中では、どうしてもこれとの
調整の問題というのは処理しておかなければならない重要な問題でございますので、特にこの点について、
農林大臣からひとつ明快な、こうするのだというお心がまえを承っておきたいと存じます。