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中澤委員 先ほどのあなたの答弁を聞けば、市況が悪化したために、値下げをするんだ、市況が
価格安定法にきめられたものを割りそうになったから、買い上げをしたんだ、さっきあなたはこういう答弁をしているわけですけれ
ども、それなら、そのときが当然条件じゃないですか。市況が割りそうになるから、
政府としては買い上げ
措置はとってやる、しかしながら、
乳価値下げはまかりならぬ、当然これは行政干渉すべきじゃないですか。市況が割らなければ買い上げ
措置はとれないというその立法上のたてまえは、われわれもわからぬわけじゃない。しかし、そこは政治的な判断で、当然
政府が干渉すべき筋じゃないですか。買い上げだけはいつもやってやって、そしてあとは町となれ山となれということなら、これはメーカー保護のために一体
畜産事業団というものはあるのかということに結論はなるじゃないですか。しかも、国の相当な援助をもって買い上げをしてやる、その買い上げをしてやるものが
農民の
乳価のほうへしわ寄せされたのをわれ関せずえんで、買い上げだけしてやるなんということは、私は意味がないと思う。当然それは、市況がこのままでは割るぞ、割るから、いま
政府は緊急にこういう
措置をとって買い上げしてやろう、そのかわり、君らの
乳価の値下げはまかりならぬぞ、どうしてこういう
措置がとれないのですか。昨年、御
承知のように復元のときも、本
委員会で二日も三日も議論をして、最後は、重政
農林大臣が、じゃ、こうなれば、ひとつ買い上げを条件にいたしまして、復元をさせましょう、こういうことで、政治的に本
委員会でもってさんざんもみ上げてやったという経過があるわけです。昨年のあの経過から見たって、買い上げをするときは、当然あなた方は条件をつけるべきじゃないですか。
乳価紛争のいまの
調停審議会なんて、あんなものは幾らやったって何の価値があるか。あれは
政府の一つの隠れみのではないですか。
調停審議会をつくって、そっちにまかしたから、そっちの結論が出るのをおれのほうは待っているんだ——隠れみのじゃないですか。それじゃ、
政府の言っておる、将来は
畜産が日本の農業の選択的な方向であるということと、一体どういう
関係になるのですか。
それといま一つ、大体アメリカからの余剰粉乳の買い入れ、これが大きな市況圧迫になっているのじゃないですか。このほうは無条件にのんでおいて、そうして、そういう大きな市況圧迫の材料を片方につくっておいて、
乳価は値下げしてくる、そのまず基本的な問題から本腰を入れて取り組まぬと、毎年毎年秋と冬になれば必ずこれを繰り返しておる。これじゃ、
政府が将来は
畜産であるなどと言って、
農民はもう窮地に追い詰められているから、どこかに脱出の方向を求めようと思って、一生懸命に酪農に力を入れているのに、こういう
乳価の不安定な状態も一年に二回ずつ必ず値下げ、値上げをやっておる、こういう不安定な状態に置いて、一体いいのでしょうか。そういう点においてはほんとうは——
農林大臣がきょう日韓問題でだめだそうですか、なすことを見ておると、
価格問題に関する限りは、すべてこういう不安定な中に置いているから、全日本の
農民は混迷をきわめておる。豚がいいというから、一生懸命豚を飼ったら、また豚が暴落してきちゃう。一体そういう不安定な
体制の中に置いていいのかどうか。これはあなたを責めたってあまり価値はないかもしれぬが、少なくともあなたが局長で、
丹羽政務次官や大臣には、こうしなければいけません、ここで本腰を入れてやりなさいという激励をする立場にあるじゃないですか。そのあなたが、買い上げはバターを千二百トンやりましたが、どうも
乳価のほうの値下げはなかなか市況が悪くてなんて、あなたは別に
乳業会社の代表じゃないはずでしょう。それならば、断固としてこの値下げはまかりならぬという政治的
措置が大臣を通じて可能であったはずなんです。それをやらないで、そうして
調停審議会にまかせまして——こんなものを何十回やったって、何百回やったって、結論が出ますか、出ませんよ。それは酪農
振興法の中で、
審議会に対しての一つの強制
調停権限というものを立法上与えてあれば、結論が出ます。これは知事でも出ます。しかし、
法律の中に強制
調停権限というものがない以上、何百回やったって、心臓の強いほうがおれのほうはだめだと言っておれば、これはおしまいですよ。そういうところへ
政府は逃げたという形じゃないですか。何かうわさに聞くと、
東畑君や何かきょうあすごろ煮詰まってくるというふうに聞いておる。しかし、煮詰まってくるということは、ただメーカー側の
意見を聞き、
農民側の
意見を聞き、そこで適当に、二円はいけないから、どうだ一円くらいというような話には落ちつかないでしょう。
調停審議会が結論を出したら、
乳業者も服従する、酪
農民も服従するという基本的な強制権限というものがない限りは、こんなものを幾らつくったって同じことですよ。それならば、いまできるただ一つの道は、昨年の復元のときとったような、買い上げ
措置はやってやろう、そのかわり値下げはまかりならぬ、こういう行政干渉以外に方法はないじゃないですか。どうですか。千二百トンも買い上げて、まだ依然として、乳業メーカーに撤回しろとかなんとかいう
政府の意思表示というものは、やっているのですか、やっていないのですか。