○湯山
委員 いまのは、この
法律ではっきり、「総裁を通じて」とありますから、それだと、いま大臣がお認めになったような道がふさがれている、ふさがれないようにあけておくべきだというのが、前回からの議論でありまして、ただいまの答弁ではっきりいたしましたから、これは了承いたします。
最後に、お尋ねいたしたいのは、
公庫の借り出しの手続等が非常に煩瑣であった。これは数次の附帯決議でそういうことがいわれておりながら、なかなかうまくいっておりません。そこで、今回もいろいろそういう手続について簡素化をはかられたというのですけれ
ども、その具体的なものが出されておりませんから、これは具体的にどう簡素化されたかということをあとで資料でいただくことにして、この際、特に申し上げたい点は、構造改善の
資金などは、いただいた資料で見ますと、現在は貸し付け
計画のわずかに四・一%、だから九五%以上は貸し付け
計画が残っている。これは構造改善の進め方自体にも問題があるし、そのほかにも問題があると思いますけれ
ども、こういう状態では、せっかく
公庫の
資金あるいは三分五厘の
資金が多くなっても、その用をなしていない。さらにまた、従来の慣例で九百九十億の原資で千七十億の貸し付け
計画、これもおかしい話で、よく調べてみると、本年の一千七十億の中の六割が三十九
年度に貸し出されて、四割が四十
年度に持ち越す、こういうことでございます。どこにそういう原因があるかというと、
政府の行政の体制にも問題があると思います。いろんな
決定がおくれていくために、それがあとに追い繰られていく。その年の貸し付け
計画の六割しかその年には貸し付けられない。これは確かにその手続に問題があるし、そういうことではほんとうにこの
公庫の
資金が働かない。ことに構造改善の
資金に至っては、いまのように三分五厘の
資金が四百幾らにふえた、これでよくなったと言われましても、その中心である構造改善
資金がいまのように五%、九割以上がそのまま残されている。これでは幾らこの
制度を整えていかれても、実際に貸し付け業務あるいはこれの利用の面から言えば、眠っている、極端に言えば、死んでいるという批評さえもできないことはないと思うわけでございます。そこで、その手続を思い切って簡素化して、一千七十億の貸し付け
計画ならば、それが
年度内に貸し付けられるような体制をぜひとっていただかなければ改善にはならない。
それからいま
一つは、その原因は、単に
公庫の貸し付け業務だけではなくて、これに対する
政府のかまえにあると思います。どういう理解に立っておるか、これが
一つの大きな問題だと思います。と申しますのは、先般来の参考人もそういう御意見がございましたし、私
どもも常々そういうことを申しておりますが、構造改善その他の基盤整備、土地取得、こういうものは
公庫の
資金の中に入れないで、これは国費あるいは公費でもってやる、
運営資金、経営
資金、そういうものを
公庫の
資金でやっていく、こういう基本的なかまえができない限り、借金が農家を圧迫する、その圧迫が構造改善を阻害する、あるいは自立経営農家の育成を阻害する、こういう体制に私は大きい問題があると思います、そこで、いま申しましたように、そういう
資金の貸し付け体制をこの際抜本的に改めていく、そういうことと同時に、いまのこの
資金の使い方について、基盤整備を公費でやって、これの中には入れない、そうして、しかも
金利は、先ほどおっしゃいましたように、原則として六分、六分五厘というようなことではなくて、三分五厘以下に全部をやっていく、こういうようなことでなければ、ほんとうのいまの農村の状態は救われないのじゃないかということをつくづく感じております。
いま申したことは幾つにも分けてお尋ねするのが至当だと思いますが、時間もございませんので、まとめてお尋ね申し上げたわけでありますが、申し上げたのは、
公庫の貸し付け業務の簡素化、合理化をはかっていって、そうして貸し付け
計画の四割もが持ち越されるのではなくて、その
計画が全部
年度内に消化されるような体制をとっていただくようにすることと、構造改善の
資金が使われないで九割以上も残っておるというのは、その構造改善の進め方に問題がある。基盤整備は、むしろ国費、公費でやって、この貸し付け対象からはずすというようなこと、さらに
金利を全般的に
引き下げていくこと、これらの三つの点について、この際ひとつ、これこそ画期的な施策を打ち出していただかなければならないのではないか、これについての大臣の御所見を伺いたいと思います。