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芳賀委員 そういうことはないでしょう。最低
生産者価格というのは、現実の収穫以前に公表しなければならぬわけですね。収穫が終わってから最低
生産者価格を出し、なお
取引価格を出すというようなことは、全く無意味だと思うのです。収穫の実情が明らかになって、あるいはその
工場の
原料の配分とか
操業の結果というものが明らかになって、その時限における糖価の状態というものが明らかになった場合には、何も最低
生産者価格を出してみて、またその翌日に
取引価格を出すという必要はないと思うのです。ですから、あくまでも最低
生産者価格というものは、
生産開始以前に実は公表しておくべきものだと思うのです。以前の
てん菜生産振興臨時
措置法の場合には、そういう思想の上にこれは立っておったわけですからして、そうなると、この最低
生産者価格が必ずしも
取引価格よりも安くなければならぬという根拠はないのですよ。最低
生産者価格を告示したときの状況というものは、収穫が終わり、
工場の
操業が終わった後の
事情に比較して、結果のほうが非常に悪い
条件に置かれておるというときも出ると思うのです。
生産の結果等についても、あるいは
価格の推移等についても……。その場合には、場合によっては
取引価格が告示
価格よりも下がることも、現実にはあり得るわけですよ。絶対そういうことはないと言うのは、これはおかしいですよ。そうなれば、最低
生産者価格というものは、
生産者保護のものでなくて、会社がいかなる悪
条件のもとにおいても損をしないということを事前に計算して、最も安い値段というものを
生産者に押しつける
価格ということに当然なると思うわけです。これではいけないと思うのですよ。やはり生炭質であるとか、あるいは経済
事情とか、賃金の
事情というものを十分参酌して、
生産者の投下した労働に対する評価というものが完全に行なわれて、そうして
価格の決定というものがなされなければいけない。そういう性質の最低
生産者価格でなければいけないと思うのです。それを無意味にただ安くさえ発表すれば、それが
生産者価格だ、
取引価格はそれよりも高いというようなことは、これは筋が通らないと思うわけです。そういう考え方でこの
法案を出したとすれば、われわれとしては、この最低
生産者価格と
取引価格との二本立ての
価格形成に対しては、これはもう絶対了承することができないわけです。むしろ、一本
価格でこれを指示して、そうしてその
価格以上で取引させて、どうしても
政府が
砂糖の買い上げ発動をしなければならぬ場合においては、会社が
生産者から買い入れた
原料価格に、製造経費であるとか、あるいは許容される利潤というものをそれに加算した
価格において、製品の買い上げをやるということにならなければいけないと思うわけです。この点はどうなんですか。