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増子政府委員 御質問に関連しましてお述べになられました
一般的な問題、すなわら、今後
公務員にあらずして
公務員期間に通算される職員の
範囲、あるいはその限界等についてのお
考え方が出たわけでございますが、私
どもといたしましても、実は根本的には
村山委員と同じような
考え方を持っておるわけでございます。すなわち、先ほどお述べになりましたように、
恩給法の特質あるいはその性格というものから
考えますと、
恩給公務員でない者の在職期間を
恩給の
基礎に入れるということは、全く例外的、変則的な
措置でございますので、そういう
意味におきまして、
政府といたしましては、従来からこの点につきましては、むしろ厳格な
考え方をとっておったわけでございます。ただ、最初に外国
政府の職員期間が通算されましたことにつきましては、すでに御
承知のように、終戦までの
恩給法の中に外国職員期間の通算という
制度があったわけでございます。それが敗戦によりまして、その条項の
適用ということが、全く
関係者の意に反して不可能になったという
状態がございます。それの救済といいますか、そのあと始末という
意味もありまして、満州国を中心とする外国
政府の職員期間通算という問題が起こってまいったわけでございます。次には、三公社に相当する
機関でございますが、これは内地における三公社が
恩給法の
適用下にあったという事実、それと全く同様の形あるいは仕事の
内容等において、外国においてこの特殊法人が設けられ、運用されておったという、その
均衡というような点から追加になったわけでございます。今回の
改正案の対象として想定されておりますものにつきましても、やはりそういった
考え方の流れの
一つとして出てまいったわけでございますが、これを、それでは一体どこまで広げるかということにつきましては、私
どもとしましても、実は非常に困難な問題だというふうに
考えておるわけでございます。すなわちただいまも満州国におけるいろいろな
機関について御
指摘になったのでございますが、実は私
どもとしましても、こういったものをあらゆる分野にわたりまして全部収集し、それを検討するというような事実上の手段がございませんでしたので、いろいろ
関係方面からの
要望等が出てまいります場合に、そのつどその
一つ一つについて検討するということをいたしまして、その職員期間を
恩給公務員に通算すべきやいなやということにつきましては、相当慎重に検討いたした次第でございます。
御
指摘の興農合作社その他拓殖公社、いろいろ承ったのでございますが、実は率直に申しますと、私
どもにこの
関係のいろいろな情報が入ってまいりましたのは、ごく最近のことに属するわけでございます。しかもいま御
指摘の中では、また新しいものが入っておるというような
関係でございまして、はたしてこの種のものがすべてこれで終わったのか、あるいはこのほかにまだあるのかないのかというようなことにつきましては、私
ども、どうしても今後調査をしなければ、何とも申し上げかねるというような状況でございます。満州国だけではなくして、あるいは蒙疆等につきましても、そういったものを一々さがしてまいらなければならぬというようなこともあるわけでございます。そういうことでございますが、現在の
ところ、ただいまおあげになりました個々の
機関につきましては、私
ども協和会その他について申し上げました
程度の調査資料しかございませんので、どのような性格の
機関であったか、あるいはその人事交流などについてはどのようであり、
実情等につきましてもどのようであったかということにつきましては、まだ私
どもいろいろ調査をしなければ、いかんとも判断ができないというような状況でございます
ただ、この際つけ加えて申し上げなければなりませんことは、いわゆる戦時の国家的なあるいは経済統制的な事務を実施いたします場合に、例にあがりました外国の場合と同時に、日本の国内におきましても、各種の統制
機関が設置されたわけでございます。それらのものにつきましては、現在では、御
承知のように、大部分はいわゆる
恩給公務員としての扱いはいたしていないのでございます。したがいまして、国内におけるこれらの
機関との
均衡ということも、私
どもとしては
考えなければならぬのではないか。先ほどの例の中に、大政翼賛会の問題がございましたけれ
ども、大政翼賛会の職員期間につきましては、現在まで
恩給公務員として通算するという
措置はしていないのでございます。それからなお、外地等におきましては、北支振興開発会社でありますとか、中支那振興とか、そういったいわゆる特殊会社もあるわけでございますが、これらのものにつきましても、今日まで職員期間の通算ということを
考えてはまいっていないのでございます。そういうことで、その出てまいります
一つ一つの実態につきましていろいろと勘案しなければ、早急な結論は
出し得ないというふうに
考えておるのでございます。
それから御
指摘の外地における市町村あるいはそれに相当する地方公共団体の職員期間の問題もありましたが、この点につきましては、実は内地にも市町村という問題がありますが、この市町村の職員期間は、
恩給法始まって以来数十年になるわけでございますが、市町村吏員の期間を
恩給公務員に通算するという
措置はとってまいっていないのでございます。そればかりでなく、同じ役所につとめております職員のうらでも、いわゆる雇い、雇員といわれるものは、全く机を並べておりましても、
恩給制度のらち外に置かれておったという
制度もあるわけでございます。そういう
意味におきまして、
恩給法の性格なり、従来守ってまいりました
範囲というものから見ますと、御
指摘のような問題は、確かに非常にむずかしい性格のものでございます。それらの点におきまして、御
指摘のように、私
どもとしましては、できるだけ筋を通した形で
処理をしたいということを念願しておるわけでございますが、いままで出てまいりました問題は、いろいろこれを推進するにあたって事情が相当ございましたために、個々の問題として取り上げてまいった。今後、将来の問題はどうかと言いますと、私
ども原則としては、この通算期間はそう
範囲を拡張すべきではないというふうには
考えておるわけでございます。