○角屋
委員 農業に対する基本的なかまえ、あるいは
林業政策、漁業政策、あるいは国際漁業を若干取り上げましたけれども、これらを総観をいたしまして、最近の
農林省の政策というのは、率直に言って、諸情勢に対する受け身の
姿勢であって、前向きに、積極的に、しかも
関係生産者ばかりでなしに、
国民全体からも、日本経済の中における日本の農業や
林業や漁業の明確なる位置づけというものを明らかにし、共感を求めるという
姿勢ではないと私は思う。今日、臨時
行政調査会で各省の
機構のあり方という問題が
検討され、近くそれらの答申をまとめられる時期に推移していくでありましょうけれども、今日、臨時
行政調査会の七人
委員会あるいは専門員の諸君が、
農林省の
機構はどうあるべきかということを議論する場合に、いま地すべり状況にあるあるいは
農民不在というふうな姿の農政という現状に埋没をして答えを出す、そういうきらいが、率直に言って、私はあるんじゃないかと思う。もう少しやはり日本経済の中における現在及び将来の日本農業の位置づけと、あるべき姿というものを明確に展望して、そういう中で
農林省の
機構がどうあるべきかという形では、必ずしもなかろうと私は思う。いわゆる太田メモといわれるようなものは、今日の農政の現状の中に埋没をした姿で問題提起がなされておる
感じが、率直に言って私自身としてはするわけです。問題は、やはり農林
大臣としてはその
方面のベテランでありますから、今日ある意味では混迷、ある意味では非常に手探りのようである現状というものを、単に経済
審議会でアフターケアの
検討をやっておるとか、あるいは経済
団体その他から問題を提示されるというような形ではなしに、
農林省内としても、今日の内外情勢に即応する農政の基本的な
方針をどう出すべきかという点について、ひとつ大いに情熱を持ったかまえでやってもらいたい。また、そういう中から、
機構の問題はどうあるべきか、こういうことが
考えられなければならぬと私は思うのです。
食糧管理制度、あるいは
生産者米価や
消費者米価の問題も提起する、
スライド制というような問題も
大臣から提起されておりますけれども、個々の問題についていろいろ着想なり何なりが出てくるのではなしに、総合的な農林水産政策の中で
一つ一つの問題について問題が提起される、こういうことでなければならないのじゃないか。
米価の
スライド制という問題について深く触れる時間はありませんけれども、これらの問題は、食糧管理法の根幹に触れる問題でありますし、問題提起もそれ自身としてはある意味ではけっこうかと思いますけれども、この問題は、やはり食管法の根幹に触れる、しかも農業政策ばかりでなしに、社会政策にも触れていくという点を十分配慮をして対処をしてもらいたいと思うのです。いま具体的に
農林省の
設置法の中で提起をされておる問題には、
植物ウイルス研究所問題、あるいは農業土木試験場の中に水産土木に関する技術上の試験を入れる、あるいは
食糧庁内部の
機構の一部
改正、あるいは
国有林野管理
審議会の設置、水産庁に前に一度次長を廃しながらまた次長を置くという無定見な
改正問題等、提起されておるわけでありますが、この
機会に、
西村委員も触れられましたけれども、
試験研究機関の問題について
大臣のお
考えを
伺いたいと思います。
何といっても相当におくれた条件にある第一次産業を国際競争力に十分耐えるための態勢にするのには、どうしても科学の力をまたなければならない、
試験研究というものを重視しなければならないということは、これは言をまたないところだと私は思うのです。ところが、科学技術庁が、各省の
試験研究というものについて、全体的に目を転じながら二、三年来統一的な
方針というものを出して
予算要求をしたり、あるいはお互いに連絡調整をやったりしてきているわけでありますけれども、たとえばこの前田口
委員も触れられたわけでありますが、
試験研究機関の
予算という問題を
一つ取り上げてまいりましても、何となく
農林省の
予算要求のかまえというのは、斜陽産業だというようなことを
考えに入れておずおずと
予算要求をしておるのかどうかわかりませんけれども、非常に消極的ではないかという
感じがするわけです。おくれておればおくれておるほど、他省よりもやはりもっと
予算充実を積極的に申し述べてもいいのではないか。たとえば科学技術庁が昨年の九月に新年度の
予算要求をする際に、二分の一係数の除去というふうな問題は、統一的にきまっておる。ところが、この二分の一係数という問題は、北海道の開発庁と
農林省の
関係各
研究機関、大体この程度に三十九年はいまだ残存しておる。これは
農林省の各
試験研究機関の現場の諸君としては、
農林省には、技術
会議があって、二分の一だけ各
試験研究機関にやって、あとの二分の一はピンはねをリザーブして、そして軽重をつけながらそれぞれの
試験研究機関に配分をする。過般
予算の分科会で私はこの問題を取り上げて、議論をして感ずるのは、大蔵省としても、
農林省がその気持ちなら、二分の一係数は廃止してよろしいのだ。科学技術庁はすでに意思統一をしているので、これはそういうふうにやってもらいたいのだ。武田さんから
予算分科会でいろいろ説明がありましたけれども、何となくこの二分の一係数除去を温存しているのは、
農林省自身にその温存の気持ちがあるのじゃないかという
感じがするわけです。私は、やはり二分の一係数なんというものは除去して、各
試験研究機関に人当割り当てのものは、実験A、実験B、非実験、こういうものに最小限割り当てられたものについては、各
試験研究機関に配分してしまう。そしてさらに、今後の農政の発展のためには、それぞれの
試験研究機関に付加してやってもらわなければならぬ問題については、それに上積みして
試験研究費を割り当てる。こういう積極的な気持ちをもって
予算の獲得をしなければならないのじゃないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、この際、来年はぴしゃっと、二分の一係数については他省ではやっておらぬことなんだから、
農林省としても二分の一係数はやめていく、こういう
方針であるかどうか、
大臣から明らかにしてもらいたいと思います。